JPH08222456A - 高調波電流抑制器 - Google Patents

高調波電流抑制器

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JPH08222456A
JPH08222456A JP4621695A JP4621695A JPH08222456A JP H08222456 A JPH08222456 A JP H08222456A JP 4621695 A JP4621695 A JP 4621695A JP 4621695 A JP4621695 A JP 4621695A JP H08222456 A JPH08222456 A JP H08222456A
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JP
Japan
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magnetic path
primary winding
air gap
harmonic
current
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JP4621695A
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Inventor
Masahiro Yamaguchi
雅博 山口
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KYOSHIN DENKI KOGYO KK
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KYOSHIN DENKI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高調波電流の抑制能力が大きく、構造が簡単
で、低廉な高調波電流抑制器の提供を目的とする。 【構成】 環状主磁路3を、小さなエアギャップ間隔を
有する第一磁路4と、大きなエアギャップ間隔を有する
第二磁路5とに区分して構成し、かつ両磁路の間にバイ
パス磁路8を差し渡し、第一磁路4に第一の一次巻線1
0を巻回し、第二磁路5に第二の一次巻線11と二次巻
線12とを夫々巻回し、第一の一次巻線10と第二の一
次巻線11とを直列接続して負荷と電源間に介挿すると
共に、二次巻線12に制御用コンデンサ13を短絡的に
接続して閉鎖回路14を形成してなり、これにより、基
本周波数に対しては、リアクタンスXP を小さく、高調
波ではリアクタンスXH を大きくすることができ、高調
波電流のみを有効に低減することができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高調波電流の影響を抑
止するための高調波電流抑制器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、都市部において高調波障害が原因
とみられるコンデンサ設備の爆発,焼損,停電等の事故
が多発している。この高調波は、産業用機器や、家庭用
電化製品等に内蔵されている整流器やサイリスタ等の半
導体が発生源となっており、この高調波電流が、送・配
電線を経由して発電機にまで逆流し、その電圧降下によ
り配電電圧を歪ませたり、高調波成分がノイズ成分とな
って機器に影響を与える等により、上述の種々の事故の
発生源となっている。この高調波で特に現在問題となっ
ているのは、第5高調波,第7高調波である。
【0003】図10はこの高調波による波形歪を表わす
ものであり、基本波形成分Aに、高調波成分Bが合成さ
れ、歪波形Cとなることがわかる。
【0004】この対策として、進相コンデンサにあって
は、該コンデンサに用いられる直列リアクトルのリアク
タンスを大きくして第5高調波の流入量を抑制するとい
った手段が講ぜられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の直列
リアクトルは、インバータ等が実用化される前の高調波
の量も少ない状況下において、専ら用いられてきたもの
であり、インバータやコンピュータの急速な普及に伴
い、高調波が著しく増加している状況下においては有効
に対応できず、進相コンデンサだけでなく、その対策用
の直列リアクトル自体にも加熱焼損が発生することとも
なっている。
【0006】すなわち、よく用いられている6%直列リ
アクトルを使用したときの、第5調波におけるコンデン
サとリアクトルの合成インピーダンスは、基本周波数時
のコンデンサのリアクタンス値の10%にしかならな
い。従って、この場合の直列リアクトルはコンデンサ回
路を電源からみて誘導性負荷にしたに過ぎず、コンデン
サ回路に流入してきた高調波電流抑制に対してはまった
く効果を持たないに等しい。
【0007】さらには、13%直列リアクトルを用いて
も、その合成インピーダンスは45%になるだけであ
り、基本周波数時のコンデンサのリアクタンス値と同じ
値の合成インピーダンスを第5長波で持つには、24%
リアクトルを使用しなければならない。そして13%ま
たは24%直列リアクトルを使用すれば、単にリアクト
ルのリアクタンスを大きくするにとどまらず、基本周波
数におけるリアクトルの電圧降下を生じると共に、コン
デンサは電圧が6%リアクトルよりも大きくなり、過熱
する。従って、これに耐え得る高価な進相コンデンサを
用いる必要がある。またリアクトルの鉄損(ヒステリシ
ス損、渦電流損)が大きくなり冷却が問題となる。
【0008】このように直列リアクトルでは抑制能力が
低く、充分な抑止効果を挙げていない。そこで、従来で
は、直列リアクトルを用いるだけではなく、コンデンサ
回路を難燃化機器に統一したり、温度上昇検出用の保護
回路を設けたり、コンデンサの異常を検出する回路を設
けて回路を開放し停電等を防止したり、さらには高調波
チェッカーを用いて高調波レベルを監視する、等の対策
を合わせて講じる必要があった。
【0009】またその他の、高調波対策として、バッシ
ブフィルタ,アクティブフィルタを取付けるという対策
もあるが、いずれも高価で広いスペースが必要となり、
比較的低廉な進相コンデンサの保護用としては不釣り合
いとなる。例えば、アクティブフィルタは半導体技術を
駆使して構成した高調波吸収器であるため、高性能では
あるが高価となり、安価な進相コンデンサの保護のため
に用いることができない。また高圧回路への適用は、専
用の変圧器を必要とするため、必然的に進相コンデンサ
よりもはるかに大きく、この点においても不釣り合いで
ある。このため進相コンデンサ用としてはあまり使用さ
れない。
【0010】本発明は、高調波電流の抑制能力が大き
く、構造が簡単で、低廉な高調波電流抑制器の提供を目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、環状主磁路
を、小さなギャップ間隔のエアギャップを備えた第一磁
路と、大きなギャップ間隔のエアギャップを備えた第二
磁路とを環状に連続して構成し、両磁路の間にバイパス
磁路を差し渡し、第一磁路に第一の一次巻線を巻回し、
第二磁路に第二の一次巻線と二次巻線とを夫々巻回し、
第一の一次巻線と第二の一次巻線とを直列接続して負荷
と電源間に介挿すると共に、二次巻線に制御用コンデン
サを短絡的に接続して閉鎖回路を形成してなることを特
徴とする高調波電流抑制器である。
【0012】
【作用】周波数が、高調波に比して低い基本周波数が流
れた場合には、制御用コンデンサは、インピーダンスが
大きく、流れる電流が小さい。そして第一及び第二の一
次巻線に流れる電流は、励磁電流として費やされ、両一
次巻線によって発生した磁束は、主磁路を巡回する。こ
のときバイパス磁路には両端からの磁束が対向すること
となり流れ込まない。
【0013】従って、この基本周波数に対しては、二次
巻線や、制御用コンデンサに流れる電流は小さく相対的
に無視することができ、これがないものとして考えるこ
とができて、二脚鉄心のリアクトルと同様に扱うことが
できる。従って、本発明にあっては、基本周波数におけ
るリアクタンスは次のように求められる。 XP =4π(N1 +N22 S×10-9/(lg1+lg2+l12/μ)・2πf [Ω] 式(1) XP ;リアクタンス[Ω] N1 ,N2 ;各一次巻線
の巻数 S;鉄心の有効断面積[cm2 ] μ;透磁率 lg1;第一磁路のエアギャップのギャップ間隔[cm] lg2;第二磁路のエアギャップのギャップ間隔[cm] l12;第一磁路と第二磁路間の総磁路長[cm] ここで、磁路長は周長を言い、実際の製品にあっては、
平均周長が用いられる。
【0014】次に周波数が基本周波数よりも充分に高い
高調波にあって、制御用コンデンサのキャパシタンスが
充分に小さくなると、第二の一次巻線に流れている電流
は二次巻線に接続されている制御用コンデンサに流れる
二次負荷電流に対応した一次負荷電流となって流れるた
め、第二の一次巻線に現われる電圧は、コンデンサ電圧
を一次側に換算した電圧となり、小さな遅れ電圧とな
る。
【0015】一方、第一の一次巻線側にはコンデンサが
接続されていないので、第一の一次巻線に流れる電流
は、全て励磁電流となる。このとき第一の一次巻線に発
生した励磁磁束は第一磁路とバイパス磁路を循環し、該
一次巻線には自己インダクタンスを生じる。そして第一
の一次巻線に現われる電圧は、大きな進み電圧となる。
【0016】従って、この状態では、一次巻線に流れる
電流IP によって現われる電圧は、両巻線電圧の差電圧
H =E1 −E2 となる。こので第二の一次巻線の電圧
2 は次式で求められる。 E2 =IP /(2πfCP ) [V] 式(2) E2 ;第二の一次巻線の電圧 IP ;一次電流 f ;周波数 [Hz] CP ;制御用コンデンサの一次換算キャパシタンス
[F]
【0017】また第一の一次巻線の電圧E1 は次式で求
められる。 E1 =IP ×8π2 fN1 2 S×10-9/(lg1+lgb+lC1/μ) [V] 式(3) E1 ;第一の一次巻線の電圧 lgb;バイパス磁路のエアギャップ間隔[cm] lC1;第一磁路とバイパス磁路間の総磁路長[cm]
【0018】そして、この高調波におけるリアクタンス
H は、 XH =EH /IP =(E1 −E2 )/IP となる。ここでlgbは、例えば図2のように、バイパス
磁路を形成した場合に、環状主磁路との間隙で発生する
ものであり、lg1に比して小さくすることができる。
【0019】上述の式(1)から、第一磁路のエアギャ
ップ間隔lg1及び第二磁路のエアギャップ間隔lg2が大
きいと、基本周波数におけるリアクタンスLP が小さく
なる。
【0020】一方、第一磁路のエアギャップ間隔lg1
大きいと、式(3)からE1 が大きくなるため、高調波
における電圧EH (=E1 −E2 )が大きくなる。そこ
で、リアクタンスXP を大きくしながら、高調波におけ
る電圧EH を小さくするために、式(3)を考慮して第
二磁路のエアギャップ間隔lg2を第一磁路のエアギャッ
プ間隔lg1よりも大きくしている。例えば、第一磁路の
エアギャップ間隔lg1を第二磁路のエアギャップ間隔l
g2の約10%以下に設定している。
【0021】これにより、基本周波数に対しては、リア
クタンスXP が小さく、高調波では電圧EH が大きくな
って、これに比例するリアクタンスXH が大きくなる。
このため、高調波のみを可及的に抑制することが可能と
なる。
【0022】
【実施例】図1〜3は発明の高調波電流抑制器1の一実
施例を示す。ここで、各磁路を構成するために図2,3
で示すように、三脚鉄心2を採用し、その環状部で主磁
路となる主脚3を構成し、該主脚3にバイパス磁路8を
差し渡して、図中右と左で第一磁路4と第二磁路5とに
区画している。この第一磁路4にはエアギャップ6が、
第二磁路5にはエアギャップ7が夫々設けられる。また
このエアギャップ6のエアギャップ間隔を小さくし、エ
アギャップ7のエアギャップ間隔を、エアギャップ6に
比して大きくしている。
【0023】この三脚鉄心2の構成手段を説明すると、
まずケイ素鋼板を略矩形環状に巻回して、主脚3を構成
する。次にこれを図4で示すように、馬蹄状に二分割
し、その分割部に図中右側に、エアギャップ6を左側に
エアギャップ7を介装し、かつその内部で横断方向に、
同じくケイ素鋼板を積層してなるバイパス磁路8を介装
し、再び分割端相互を当接して固結し、これによりエア
ギャップ6,7を挟持し、かつバイパス磁路8を内部に
差し渡す。ここで、前記エアギャップ6,7は、ベーク
ライト板,ガラス板等の絶縁材料が適用される。このエ
アギャップ6,7は1mm〜5mmの厚であり、この厚
み調整によりギャップ間隔lg1,lg2が設定される。
尚、このエアギャップ6,7の厚みに対応して分割端を
削り加工する必要がある。
【0024】かかる構成からなる主脚3の第一磁路4に
は、第一の一次巻線10を巻回し、第二磁路5には第二
の一次巻線11と二次巻線12とを夫々巻回している。
この一次巻線10と一次巻線11とは直列接続して負荷
と電源間に介挿される。
【0025】一方、二次巻線12には制御用コンデンサ
13を短絡的に接続して閉鎖回路14を形成している。
【0026】かかる構成にあって、周波数が、高調波に
比して低い基本周波数が流れた場合には、制御用コンデ
ンサ13は、インピーダンスが大きく、流れる電流が小
さい。そして一次巻線10,8に流れる励磁電流によっ
て発生した磁束は、主脚3を巡回する。このときバイパ
ス磁路8には両端からの磁束が対向することとなり流れ
込まない。
【0027】従って、この基本周波数に対しては、二次
巻線や、制御用コンデンサ13に流れる電流は小さく相
対的に無視することができ、これがないものとして考え
ることができて、二脚鉄心のリアクトルと同様に扱うこ
とができ、基本周波数におけるリアクタンスは、上述の
式(1)のように求められる。ここで、図5は等価回路
を示す。
【0028】このため、第一及び第二磁路4,5のエア
ギャップ間隔を所定長さに設定することにより、例え
ば、6%直列リアクトルと同じ作用を生じさせることが
可能となり、進相コンデンサ20に接続して、該進相コ
ンデンサ20の保護作用を生じさせることができる。す
なわち、リアクトルの電圧降下は進相コンデンサ20に
対しては回路電圧に加算されて加わるので、低廉な進相
コンデンサ20を適用するためには、なるべく低い電圧
が望ましい。そこで、基本周波数時のリアクタンスを進
相コンデンサ20の基本周波リアクタンスの6%程度に
設定することにより、6%直列リアクトルと同等とな
り、低廉な進相コンデンサ20の適用が可能となる。
【0029】次に周波数が基本周波数よりも充分に高い
高調波にあっては、既に述べたように、第二の一次巻線
11に流れている電流は、制御用コンデンサ13に流れ
る二次負荷電流に対応した一次負荷電流となって流れる
ため、第二の一次巻線11には、コンデンサ13電圧を
一次側に換算した電圧が発生する。これは、小さな遅れ
電圧E2 となる。
【0030】一方、第一の一次巻線10に流れる電流
は、全て励磁電流となり、このとき発生した励磁磁束は
第一磁路4と、バイパス磁路8を循環し、該一次巻線1
0には自己インダクタンスを生じる。そしてこの一次巻
線10に現われる電圧は、大きな進み電圧E1 となる。
【0031】従って、一次巻線に流れる電流IP によっ
て現われるリアクターの電圧は、両巻線電圧の差電圧E
H =E1 −E2 となる。このE1 ,E2 は上述したよう
に式(2),(3)によって求められる。そして、この
高調波におけるリアクタンスXH は、XH =EH /IP
となる。ここで、図6は等価回路を示す。
【0032】ここで上述の式(1)から、第一磁路4の
エアギャップ6の厚みにより決定されるエアギャップ間
隔lg1及び第二磁路5のエアギャップ7の厚みにより決
定されるエアギャップ間隔lg2が夫々大きいと、基本周
波数におけるリアクタンスXP が小さくなり、第一磁路
4のエアギャップ間隔lg1が大きいと、式(3)から高
調波における電圧EH が大きくなる。ところが上述した
ように、第一磁路4のエアギャップ間隔lg1を第二磁路
のエアギャップ間隔lg2の約10%以下に設定してい
る。このため、基本周波数に対するリアクタンスXP
小さく、高調波のリアクタンスXH が大きくなり、基本
周波数に対しては、6%直列リアクトルと同様の作用を
生じさせ得る一方、高調波に対しては、大きなリアクタ
ンスXH が発生して、これを可及的に抑制することが可
能となる。この高調波に対するリアクタンスXH は、例
えば13%直列リアクトルと同じ値とすることが可能と
なる。
【0033】従って、この実施例にあっては、第一磁路
4のエアギャップ間隔lg1と、第二磁路のエアギャップ
間隔lg2を適正に選択し、図9で示すように、進相コン
デンサ20に対して接続することにより、基本周波数に
対しては、6%直列リアクトルと同様の作用を生じ、高
調波に対しては13%直列リアクトルとして作用するリ
アクトルとして機能し得ることとなる。
【0034】一方、高調波にあって、一次負荷電流と、
励磁電流が近い大きさの電流になる周波数のときにあっ
ては、励磁インダクタンスと制御用コンデンサ13と
で、並列共振を起こしている状態、又はそれに近い状態
となり、一次負荷電流と、励磁電流とは打ち消しあっ
て、IP は小さくなる。この場合のリアクタンスXは、
次式で求められる。 X=1/[2πfLP −1/(2πfCP )] [Ω] 式(4) CP ;制御用コンデンサ13の一次換算キャパシタンス
[F] ここで図7は、この状態のときの等価回路を示す。
【0035】次に図8は、上述のように、基本周波の電
流に対しては6%直列リアクトルと、高調波に対しては
13%直列リアクトルと同じ効果を生ずるように、計算
上設定したエアギャップ間隔lg1,lg2を備える実施例
をリアクトルとして用いて、図9で示す進相コンデンサ
20に使用した試験回路に適用した場合の、リアクトル
がない場合及び6%直列リアクトルを適用した場合と比
較したものである。ここで、次数は、1は基本周波数を
示し、3以降は高調波を示し、例えば3は第3長波、5
は第5長波を示す。
【0036】この図8から明らかなように、特に勢力が
大きく、大きな問題となる第5長波,第7長波に対し
て、本発明の高調波電流抑制器1はこれを低電流に抑制
し、該高調波を遮断し得ることが確認された。
【0037】このことから、かかる作用を生ずる高調波
電流抑制器1を、直列リアクトルと比較した場合には、
進相コンデンサ20用に使用すると、基本周波の電流に
対しては6%直列リアクトルと同程度の電圧降下しか発
生しないが、高調波に対しては13%直列リアクトル
と、同程度の降下を得ることができる。このため、13
%直列リアクトルを使用するときは、進相コンデンサ2
0も専用の高価で大型の進相コンデンサ20を使用しな
ければならないが、本発明の高調波電流抑制器1にあっ
ては、高調波に対して13%直列リアクトルと同じ抑制
効果を維持したまま、基本周波時では6%直列リアクト
ルと同じ作用となり、低廉な標準型の進相コンデンサ2
0をそのまま使用することができることが解る。
【0038】本発明は、上述したように、進相コンデン
サ20の保護用として最適であるが、式(4)で示すよ
うに、共振周波数のとき、それ以上の周波数、及びそれ
以下の周波数によって、異なるインダクタンスを持つた
め、回路に直列に挿入して、ローパスフィルタとして、
又は回路に並列に挿入してハイパスフィルタとしての使
用が可能である。さらには、この二つを組み合わせて、
バンドパスフィルタ等を構成することも可能である。こ
のときには、磁路中の各エアギャップ間隔は、その目的
により決定しなければならない。
【0039】
【発明の効果】本発明は、環状主磁路を、小さなエアギ
ャップ間隔を有する第一磁路と、大きなエアギャップ間
隔を有する第二磁路とに区分して構成し、かつ両磁路の
間にバイパス磁路を差し渡し、第一磁路に第一の一次巻
線を巻回し、第二磁路に第二の一次巻線と二次巻線とを
夫々巻回し、第一の一次巻線と第二の一次巻線とを直列
接続して負荷と電源間に介挿すると共に、二次巻線に制
御用コンデンサを短絡的に接続して閉鎖回路を形成して
なり、これにより、基本周波数に対しては、リアクタン
スXP を小さく、高調波ではリアクタンスXH を大きく
することができ、高調波電流のみを有効に低減すること
ができる。またこの関係を利用して、例えば、基本周波
数では6%直列リアクトルと同程度のリアクタンスを持
ち、高調波に対しては13%直列リアクトルと同程度の
リアクタンス値に自動的に切り替わって高調波を抑制で
きるようにする等、単一の構成により、既存のリアクト
ルの問題点を解決しながら、その効用をそのまま維持し
得る設定も可能となる。しかも、低廉で小型化でき、半
導体を使用しないので、高圧回路への適用も可能となる
等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高調波電流抑制器1を示す正面図であ
る。
【図2】高調波電流抑制器1を構成する三脚鉄心2の正
面図である。
【図3】三脚鉄心2の側面図である。
【図4】三脚鉄心2の形成手段を示す説明図である。
【図5】基本周波に対応する本発明の等価回路図であ
る。
【図6】高調波に対応する本発明の等価回路図である。
【図7】並列共振を起こしている状態の等価回路図であ
る。
【図8】本発明と従来構成との特性の比較図である。
【図9】試験回路図である。
【図10】歪波形Cの成り立ちを示す波形図である。
【符号の説明】
1 高調波電流抑制器 2 三脚鉄心 3 主脚 4 第一磁路 5 第二磁路 6,7 エアギャップ 8 バイパス磁路 10 第一の一次巻線 11 第二の一次巻線 12 二次巻線 13 制御用コンデンサ 14 閉鎖回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状主磁路を、小さなギャップ間隔のエア
    ギャップを備えた第一磁路と、大きなギャップ間隔のエ
    アギャップを備えた第二磁路とを環状に連続して構成
    し、両磁路の間にバイパス磁路を差し渡し、第一磁路に
    第一の一次巻線を巻回し、第二磁路に第二の一次巻線と
    二次巻線とを夫々巻回し、第一の一次巻線と第二の一次
    巻線とを直列接続して負荷と電源間に介挿すると共に、
    二次巻線に制御用コンデンサを短絡的に接続して閉鎖回
    路を形成してなることを特徴とする高調波電流抑制器。
JP4621695A 1995-02-09 1995-02-09 高調波電流抑制器 Pending JPH08222456A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008301551A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Nissan Motor Co Ltd 電動機
JP2012079918A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Showa Aircraft Ind Co Ltd チョークコイル
WO2014188662A1 (ja) * 2013-05-21 2014-11-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 コイル構造体

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