JPH09153423A - 高調波電流抑制器 - Google Patents

高調波電流抑制器

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JPH09153423A
JPH09153423A JP7337806A JP33780695A JPH09153423A JP H09153423 A JPH09153423 A JP H09153423A JP 7337806 A JP7337806 A JP 7337806A JP 33780695 A JP33780695 A JP 33780695A JP H09153423 A JPH09153423 A JP H09153423A
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JP
Japan
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annular magnetic
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annular
winding
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JP7337806A
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Masahiro Yamaguchi
雅博 山口
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KYOSHIN DENKI KOGYO KK
Original Assignee
KYOSHIN DENKI KOGYO KK
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Publication date
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  • Power Conversion In General (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高調波電流の抑制能力が大きく、小型化,軽
量化を実現できる高調波電流抑制器を提供すること。 【解決手段】 一次巻線10を、隣接する第1環状鉄芯
2と、第2環状鉄芯4とにまたがって巻回すると共に、
第2環状鉄芯4に二次巻線11を巻回し、該二次巻線1
1に制御コンデンサ12を短絡状に接続すると共に、第
1環状鉄芯2と、第2環状鉄芯4の夫々にエアーギャッ
プ3,5を設けて、該エアーギャップ3,5のギャップ
間隔を第2環状鉄芯4よりも第1環状鉄芯2のほうを大
きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高調波電流の影響
を抑止するための高調波電流抑制器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、都市部において高調波障害が原因
とみられるコンデンサ設備の爆発,焼損,停電等の事故
が多発している。この高調波は、産業用機器や、家庭用
電化製品等に内蔵されている整流器やサイリスタ等の半
導体が発生源となっており、この高調波電流が、送・配
電線を経由して発電機にまで逆流し、その電圧降下によ
り配電電圧を歪ませたり、高調波成分がノイズ成分とな
って機器に影響を与える等により、上述の種々の事故の
発生源となっている。この高調波で特に現在問題となっ
ているのは、第5高調波,第7高調波である。
【0003】図12はこの高調波による波形歪を表わす
ものであり、基本波形成分Aに、高調波成分Bが合成さ
れ、歪波形Cとなることがわかる。
【0004】この対策として、進相コンデンサにあって
は、該コンデンサに用いられる直列リアクトルのリアク
タンスを大きくして第5高調波の流入量を抑制するとい
った手段が講ぜられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の直列
リアクトルは、インバータ等が実用化される前の高調波
の量も少ない状況下において、専ら用いられてきたもの
であり、インバータやコンピュータの急速な普及に伴
い、高調波が著しく増加している状況下においては有効
に対応できず、進相コンデンサだけでなく、その対策用
の直列リアクトル自体にも加熱焼損が発生することとも
なっている。
【0006】すなわち、よく用いられている6%直列リ
アクトルを使用したときの、第5調波におけるコンデン
サとリアクトルの合成インピーダンスは、基本周波数時
のコンデンサのリアクタンス値の10%にしかならな
い。従って、この場合の直列リアクトルはコンデンサ回
路を電源からみて誘導性負荷にしたに過ぎず、コンデン
サ回路に流入してきた高調波電流抑制に対してはまった
く効果を持たないに等しい。
【0007】さらには、13%直列リアクトルを用いて
も、その合成インピーダンスは45%になるだけであ
り、基本周波数時のコンデンサのリアクタンス値と同じ
値の合成インピーダンスを第5長波で持つには、24%
リアクトルを使用しなければならない。そして13%ま
たは24%直列リアクトルを使用すれば、単にリアクト
ルのリアクタンスを大きくするにとどまらず、基本周波
数におけるリアクトルの電圧降下を生じると共に、コン
デンサは電圧が6%リアクトルよりも大きくなり、過熱
する。従って、これに耐え得る高価な進相コンデンサを
用いる必要がある。またリアクトルの鉄損(ヒステリシ
ス損、渦電流損)が大きくなり冷却が問題となる。
【0008】このように直列リアクトルでは抑制能力が
低く、充分な抑止効果を挙げていない。そこで、従来で
は、直列リアクトルを用いるだけではなく、コンデンサ
回路を難燃化機器に統一したり、温度上昇検出用の保護
回路を設けたり、コンデンサの異常を検出する回路を設
けて回路を開放し停電等を防止したり、さらには高調波
チェッカーを用いて高調波レベルを監視する、等の対策
を合わせて講じる必要があった。
【0009】また、直列リアクトルは基本周波数の鉄損
があり、大寸法及び大重量となって高価であると共に、
例えば、第5高調波のリアクタンスが基本周波数のリア
クタンスの5倍にしかならず、かつ主磁路の鉄芯の断面
積は、基本周波数磁束と、高調波磁束の合計から決定し
なけらばならない等、設計が面倒であり、さらにはギャ
ップを有するので、騒音が変圧器よりも大きい等の問題
点もあった。
【0010】本発明は、高調波電流の抑制能力が大き
く、小型化,軽量化を実現できる高調波電流抑制器の提
供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第一手段は、一
次巻線を、隣接する第1環状磁路と、第2環状磁路とに
またがって巻回すると共に、第2環状磁路に二次巻線を
巻回し、該二次巻線に制御コンデンサを短絡状に接続す
ると共に、第1環状磁路と、第2環状磁路の夫々にエア
ーギャップを設けて、そのギャップ間隔を第2環状磁路
よりも第1環状磁路のエアーギャップのほうを大きくし
たことを特徴とする高調波電流抑制器である。この構成
にあって、第1環状磁路と、第2環状磁路の周波数に対
する磁束量の変化曲線が、制御コンデンサと、一次巻線
による並列共振周波数の近辺で、ほぼ一致させるように
したことを特徴とする高調波電流抑制器である。
【0012】ここで、第1環状磁路と、第2環状磁路と
は分離構造としても良く、また、前記一次巻線が巻回さ
れる部分を共通磁路としても良い。
【0013】すなわち、第1環状磁路と、第2環状磁路
とにあって、その磁気抵抗は、エアーギャップが大きい
ほど大きく、かつ夫々に巻回されたコイルにつながるイ
ンピーダンスが大きいほど小さい。そして、一次巻線に
電流を流すと、該コイルに発生した磁束は両方の鉄芯に
分流しようとするが、両鉄芯に磁気抵抗の差があれば、
磁気抵抗の小さい鉄芯に多く流れ、磁気抵抗の大きい鉄
芯に少なく流れることとなる。すなわち、上述の構成に
あっては、エアーギャップを第2環状磁路よりも第1環
状磁路を大きくしている。従って、このギャップ差にあ
っては第2環状磁路の方が電流が流れ易い。また、第2
環状磁路には二次巻線に制御コンデンサと短絡する二次
巻線が巻回されており、この制御コンデンサの容量リア
クタンス(Xc =1/2πfC)または閉回路のインピ
ーダンスは、周波数によって変化し、周波数が高くなる
とインピーダンスが低くなる。すなわち、周波数により
第2環状磁路の磁気抵抗が変化することとなる。
【0014】そこでこの作用を共振周波数との関係にお
いて整理する。一次巻線と二次巻線との関係についてみ
ると、図2A,Bで示すような、等価回路となり、その
巻数比を1対1とすると、変圧器の励磁インダクタンス
とコンデンサの並列回路になる。そしてこの回路におけ
る合成インピーダンスは、周波数特性を持ち、図3のよ
うな波形となる。ここで、共振周波数付近では、インダ
クタンスと制御巻線に接続されている制御コンデンサの
キャパシタンスとは並列に接続されるため、LC並列共
振回路となり、共振周波数付近では大きなインピーダン
スを持つ。このときのインピーダンスZは次式で求めら
れる。
【0015】 Z=α/(8π2 fN2 S/(lg1+lc /μ)−1/2πfC) +β・8π2 fN2 S/(lg1+lc /μ) 式(1) ここで N;一次巻線の巻数 S;鉄心の有効断面積[cm2 ] μ;透磁率 (一定とする) lg1,lg2;第1環状磁路及び第2環状磁路のエアギャ
ップのギャップ間隔[cm] lc ;環状磁路の磁路長[cm] ここで、磁路長は周長
を言い、実際の製品にあっては、平均周長が用いられ
る。 尚、添え字は、1は第1環状磁路、2は第2環状磁路の
夫々の値を示す。またここで両環状磁路において、S,
c ,μは等しいとする。
【0016】このように、前記共振周波数で、大きなイ
ンピーダンスとなり、該共振周波数とほぼ等しい電流に
対しては、抑制作用を生じることとなるが、その両側で
は該回路構成自体においては、抑制作用を生じない。
【0017】ところが、上述したように、磁束は、周波
数が低いときは第2環状磁路に、周波数が高くなったら
第1環状磁路に流れるため、共振周波数の前後におい
て、次のような作用を生じる。
【0018】すなわち、一次巻線に流れる電流の周波数
が、前記共振周波数よりも小さい間は、制御コンデンサ
と二次巻線とが直列接続されてなる閉回路のインピーダ
ンスが大きく、流れる電流が小さい。またエアーギャッ
プが第2環状磁路よりも第1環状磁路が大きいため、第
2環状磁路の磁気抵抗が、第1環状磁路の磁気抵抗より
も小さくなって、一次巻線により発生する磁束は、第2
環状磁路に多く、第1環状磁路に少なく流れる傾向が発
生する。そしてこの一次巻線に流れる電流は、励磁電流
として費やされ、両一次巻線によって発生した磁束は、
主磁路を巡回する。
【0019】従って、この周波数に対しては、二次巻線
や、制御コンデンサに流れる電流は小さく相対的に無視
することができ、これがないものとして考えることがで
きて、このため第1環状磁路及び第2環状磁路と一次巻
線によって構成される通常のリアクトルとして動作する
と考えることができる。このときに一次巻線が持つ誘導
リアクタンスXL は次の式により求められる。
【0020】 XL =8π2 fN21 /(lg1+lc1/μ)+8π2
fN22 /(lg2+lc2/μ) ここでS=S1 =S2 ,lc =lc1=lc2 であり、l
c /μが充分に小さければ、式(1)は次の式に書き換
えられる。 X=8π2 fN2 S(lg1+lg2)/lg1・lg2 式(2)
【0021】この共振周波数よりも小さい周波数は、高
調波電流抑制器に流れる基本周波数領域に相当する。そ
してこの式にあって、第1環状磁路及び第2環状磁路の
エアギャップのギャップ間隔lg1・lg2の設定により、
誘導リアクタンスXL を小さくできる。設計上は、6%
リアクトルの特性に相当するように決定され、このため
基本周波数の電流は、大きく変化しない。
【0022】一方、共振周波数より周波数が高くなる
と、制御コンデンサのリアクタンスが小さくなり、二次
巻線に流れる電流が大きくなって、第2環状磁路に大き
な磁気抵抗として作用する。しかし、第1環状磁路の磁
気抵抗は、そのエアーギャップのみにより規定されて変
化がない。このため、一次巻線により発生する磁束の殆
どが第1環状磁路に流れ、第2環状磁路に少なく流れ
て、制御コンデンサの影響が薄れ、あたかも一次巻線と
第1環状磁路だけで構成されるリアクトル動作になる。
この場合にあって、誘導リアクタンスXL は次のように
表わされる。 XL =8π2 fN2 S/(lg1+lc1/μ) 式(3)
【0023】この共振周波数より高い周波数は、高調波
電流抑制器によって抑制しようとする高調波の周波数領
域に相当する。この式(3)を式(2)と比較すると、
式(2)はlg1・lg2により、ギャップ間隔lg1・lg2
の設定により、分母を大きくすることができるのに比し
て、一方、式(3)は(lg1+lc1/μ)であるため、
分母が大きくならず、大きな誘導リアクタンスXL を生
じさせ得ることが可能となることが解る。またこの式か
ら明らかなように、周波数が高いほど、誘導リアクタン
スXL が大きくなり、該高調波に対して大きな逆起電力
を発生することとなる。このため、共振周波数よりも周
波数が高くなると、第1環状磁路に磁束が流れて、制御
コンデンサのリアクタンス低下の影響が薄れ、該第1環
状磁路に磁束が流れることにより、一次巻線にリアクタ
ンスが現われ、このリアクタンスは誘導性であるため、
周波数が高くなると共に増加する。
【0024】図4は、上述の構成にあって、第1環状磁
路(A)と、第2環状磁路(B)の周波数に対する磁束
量の変化曲線を示すものである。ここで、制御コンデン
サのキャパシタンスや、第1環状磁路及び第2環状磁路
のエアーギャップ,二次巻線の巻回数を夫々調整して、
第1環状磁路と、第2環状磁路の周波数に対する磁束量
の変化曲線が、制御コンデンサと、一次巻線による並列
共振周波数の近辺で、ほぼ一致させる(図4の交点を共
振周波数付近とする)ようにすることが望ましい。この
場合に、図3のインピーダンス波形線が補正され、図5
のインピーダンス波形線となる。このように、本発明の
構成にあっては、高調波に対して有効に抑止し得ること
が理解される。
【0025】また第二手段は、一次巻線を、隣接する第
1環状磁路と、第2環状磁路とにまたがって巻回すると
共に、第2環状磁路に二次巻線を巻回し、該二次巻線に
制御コンデンサを短絡状に接続すると共に、第1環状磁
路にも二次巻線を巻き、該二次巻線に抵抗を接続するよ
うにしたものである。
【0026】この構成にあっては、抵抗は周波数特性を
持たない素子であるから、第1環状磁路の二次巻線と接
続する抵抗に対して、基本周波数領域である共振周波数
よりも低い周波数にあっては、制御コンデンサのリアク
タンスが小さく、周波数が大きくなると該リアクタンス
が大きくなるように設定することが可能となる。
【0027】また第三手段は、一次巻線を、隣接する第
1環状磁路と、第2環状磁路とにまたがって巻回すると
共に、第2環状磁路に二次巻線を巻回し、該二次巻線に
制御コンデンサを短絡状に接続すると共に、第1環状磁
路にも二次巻線を巻き、該二次巻線にインダクターを接
続するようにしたものである。図11は、その等価回路
を示す。
【0028】すなわち、制御コンデンサの容量リアクタ
ンスは、XC =1/2πfCであり、インダクターの誘
導リアクタンスは、XL =2πfLとなる。従って、周
波数が小さくなると、容量リアクタンスXC は大きくな
って、第2環状磁路の磁気抵抗が小さくなり、第1環状
磁路の磁気抵抗は大きくなる。また、周波数が大きくな
ると、その逆の作用を生じる。従って、第1環状磁路
と、第2環状磁路の周波数に対する磁束量の変化曲線の
交点を、基本周波数と、高調波周波数の間となるように
設定すると、上述と同様に、高調波抑制作用を生じ得る
こととなる。
【0029】而して、各手段は、いずれも、高調波電流
に対して大きな抑止力を発揮することとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は発明の第一実施例の高調波
電流抑制器1aの一実施例を示す。ここで、この高調波
電流抑制器1aはケイ素鋼板を略矩形環状に巻回してな
る同一構成の第一環状鉄芯2と第二環状鉄芯4を隣接上
に結合してなる。この環状鉄芯2,4は、夫々その隣接
磁路部にエアギャップ3,5を形成している。而して、
この第一環状鉄芯2により第一環状磁路を構成し、第二
環状鉄芯4により第二環状磁路を構成するようにしてい
る。
【0031】このエアギャップ3,5のエアギャップ間
隔は1mm〜5mmの厚であり、エアギャップ3のギャ
ップ間隔lg1を、エアギャップ5のギャップ間隔lg2
比して大きくしている。このエアギャップ3,5は、ベ
ークライト板,ガラス板等の絶縁材料が適用される。こ
こで第一環状鉄芯2,4は、例えば高さ200mm ,横幅12
0mm ,磁路の幅30mm,内側高さ160mm からなる。
【0032】そして、前記第一環状鉄芯2,4の隣接磁
路にまたがって、一次巻線10が巻回される。そしてさ
らに、第二環状鉄芯4の外側の磁路部に二次巻線11が
夫々巻回している。この一次巻線10は線径1.5 の銅線
を、二次巻線11は線径0.4φの銅線を夫々用いてお
り、巻数を同じとしている。一方、二次巻線二次巻線1
1には制御コンデンサ12を短絡的に接続して閉鎖回路
13を形成している。
【0033】かかる構成にあって、この高調波電流抑制
器1aは、負荷と電源との間に介装され、一次巻線10
に電流が流れる。そしてこの電流が、図12で示したよ
うに基本周波数に高調波が重畳した波形の場合にあっ
て、次の作用を生じる。
【0034】<基本周波数に対する作用>周波数が、共
振周波数に比して低い基本周波数が流れた場合には、制
御コンデンサ12は、インピーダンスが大きく、流れる
電流が小さい。そして一次巻線10に流れる励磁電流に
よって発生した磁束は、エアギャップ5を巡回する。
【0035】従って、この周波数に対しては、二次巻線
11や、制御コンデンサ12に流れる電流は小さく相対
的に無視することができ、これがないものとして考える
ことができて、このため第一環状鉄芯2及び第二環状鉄
芯4と一次巻線10によって構成される通常のリアクト
ルとして動作すると考えることができる。このときに一
次巻線10が持つ誘導リアクタンスXL は式(2)によ
り求められる。
【0036】そしてこの式(2)にあって、ギャップ間
隔lg1・lg2の設定により、小さな誘導リアクタンスX
L とすることができる。このため、エアギャップ3,5
のエアギャップ間隔を所定長さに設定することにより、
例えば、6%直列リアクトルと同じ作用を生じさせるこ
とが可能となり、進相コンデンサ15(図8参照)に接
続して、該進相コンデンサ15の保護作用を生じさせる
ことができる。すなわち、リアクトルの電圧降下は進相
コンデンサ15に対しては回路電圧に加算されて加わる
ので、低廉な進相コンデンサ15を適用するためには、
なるべく低い電圧が望ましい。そこで、基本周波数時の
リアクタンスを進相コンデンサ15の基本周波リアクタ
ンスの6%程度に設定することにより、6%直列リアク
トルと同等となり、低廉な進相コンデンサ15の適用が
可能となる。
【0037】<高調波に対する作用>共振周波数より周
波数が高い高調波に対しては、制御コンデンサ12の容
量リアクタンスXC が小さくなり、二次巻線11に流れ
る電流が大きくなり、第二環状鉄芯4に大きな磁気抵抗
として作用する。一方、第一環状鉄芯2の磁気抵抗は、
エアギャップ3のエアーギャップ間隔のみにより規定さ
れて変化がない。このため、一次巻線10により発生す
る磁束の殆どが第一環状鉄芯2に流れ、第二環状鉄芯4
に少なく流れて、制御コンデンサ12の影響が薄れ、あ
たかも一次巻線10と第一環状鉄芯2だけで構成される
リアクトル動作になる。この場合にあって、誘導リアク
タンスXL は、式(3)のように表わされる。
【0038】そしてこの式から明らかなように、周波数
が高いほど、誘導リアクタンスXが大きくなり、該高調
波に対して大きな逆起電力を発生することとなる。この
ように、共振周波数よりも周波数が高くなると、第一環
状鉄芯2に磁束が流れて、12のリアクタンス低下の影
響が薄れ、該第一環状鉄芯2に磁束が流れることによ
り、一次巻線10にリアクタンスが現われ、このリアク
タンスは誘導性であるため、周波数が高くなると共に増
加し、有効に高調波に対して抑止力を発揮することとな
る。
【0039】図6は、各種の高調波に対するリアクトル
無しの場合A、6%直列リアクトルを用いた場合B、上
記実施例を適用した場合Cの、夫々の電流波形を比較し
たものである。
【0040】次に図7は、上述のように、基本周波の電
流に対しては6%直列リアクトルと同じ効果を、高調波
に対しては12%直列リアクトルと同じ効果を夫々生ず
るように、計算上設定したエアギャップ間隔lg1,lg2
を備える実施例をリアクトルとして用いて、図8で示す
進相コンデンサ15に使用した試験回路に適用した場合
の、リアクトルがない場合及び6%直列リアクトルを適
用した場合と比較したものである。ここで、次数は、1
は基本周波数を示し、3以降は高調波を示し、例えば3
は第3長波、5は第5長波を示す。
【0041】この図8から明らかなように、特に勢力が
大きく、大きな問題となる第5長波,第7長波に対し
て、本発明の高調波電流抑制器1aはこれを低電流に抑
制し、該高調波を遮断し得ることが確認された。
【0042】図9は、第二実施例の高調波電流抑制器1
bを示す。この高調波電流抑制器1bは第一実施例の高
調波電流抑制器1aとは異なり、エアギャップ3,5を
設けないで、第一環状鉄芯2に二次巻線21を巻回する
と共に、該二次巻線21に抵抗22を短絡的に接続して
なる閉鎖回路20aを付装したものである。
【0043】この構成にあっては、抵抗22は周波数特
性を持たない素子であるから、第一環状鉄芯2の二次巻
線21と接続する抵抗22に対して、基本周波数領域に
あっては、制御コンデンサのリアクタンスが小さく、高
調波との周波数が大きくなると該リアクタンスが大きく
なるように設定することが可能となる。
【0044】また図10は、第三実施例の高調波電流抑
制器1cを示す。この高調波電流抑制器1cは、エアギ
ャップ3,5を設けないで、第一環状鉄芯2に、二次巻
線21を巻回すると共に、該二次巻線21にはインダク
ター23を短絡的に接続してなる閉鎖回路20bを付装
したものである。
【0045】すなわち、制御コンデンサ12の容量リア
クタンスは、XC =1/2πfCであり、インダクター
23の誘導リアクタンスは、XL =2πfLとなる。従
って、周波数が小さくなると、容量リアクタンスXC
大きくなって、第二環状鉄芯4の磁気抵抗が小さくな
り、第一環状鉄芯2の磁気抵抗は大きくなる。また、周
波数が大きくなると、その逆の作用を生じる。従って、
第一環状鉄芯2(第1環状磁路)と、第二環状鉄芯4
(第2環状磁路)の周波数に対する磁束量の変化曲線の
交点を、基本周波数と、高調波周波数の間となるように
設定すると、上述と同様に、高調波抑制作用を生じ得る
こととなる。図11は、その等価回路を示す。
【0046】
【発明の効果】本発明は、一次巻線を、隣接する第1環
状磁路と、第2環状磁路とにまたがって巻回すると共
に、第2環状磁路に二次巻線を巻回し、該二次巻線に制
御コンデンサを短絡状に接続すると共に、第1環状磁路
と、第2環状磁路の夫々にエアーギャップを設けて、該
エアーギャップのギャップ間隔を第2環状磁路よりも第
1環状磁路を大きくしたり、第1環状磁路にも二次巻線
を巻き、該二次巻線に抵抗を短絡状に接続したり、さら
には、第1環状磁路にも二次巻線を巻き、該二次巻線に
インダクターを短絡状に接続する等の手段を講じたもの
であり、基本周波数に対しては、誘導リアクタンスXL
を小さくでき、高調波では誘導リアクタンスXL を大き
くすることができ、高調波電流のみを有効に低減するこ
とができる。またこの関係を利用して、例えば、基本周
波数では6%直列リアクトルと同程度のリアクタンスを
持ち、高調波に対しては12%直列リアクトルと同程度
のリアクタンス値に自動的に切り替わって高調波を抑制
できるようにする等、単一の構成により、既存のリアク
トルの問題点を解決しながら、その効用をそのまま維持
し得る設定も可能となる。しかも、低廉で小型化でき、
半導体を使用しないので、高圧回路への適用も可能とな
る等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高調波電流抑制器1aを示す概念図で
ある。
【図2】一次巻線と二次巻線とで構成される等価回路図
である。
【図3】上記等価回路図における周波数とインピーダン
スとの関係を示すグラフである。
【図4】第1環状磁路と、第2環状磁路の周波数に対す
る磁束量の変化曲線を示すグラフである。
【図5】本発明における周波数とインピーダンスとの関
係を示すグラフである。
【図6】本発明と従来構成との特性を示す電流波形図で
ある。
【図7】本発明と従来構成との特性を示す表である。
【図8】試験回路図である。
【図9】第二実施例の高調波電流抑制器1bを示す概念
図である。
【図10】第三実施例の高調波電流抑制器1cを示す概
念図である。
【図11】高調波電流抑制器1cの等価回路図である。
【図12】歪波形Cの成り立ちを示す波形図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c 高調波電流抑制器 2 第一環状鉄芯 3 エアギャップ 4 第二環状鉄芯 5 エアギャップ 10 一次巻線 11 二次巻線 12 制御コンデンサ 21 二次巻線 22 抵抗
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月8日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高調波電流抑制器1aを示す概念図で
ある。
【図2】一次巻線と二次巻線とで構成される等価回路図
である。
【図3】上記等価回路図における周波数とインピーダン
スとの関係を示すグラフである。
【図4】第1環状磁路と、第2環状磁路の周波数に対す
る磁束量の変化曲線を示すグラフである。
【図5】本発明における周波数とインピーダンスとの関
係を示すグラフである。
【図6】本発明と従来構成との特性を示す電流波形図で
ある。
【図7】本発明と従来構成との特性を示す図表である。
【図8】試験回路図である。
【図9】第二実施例の高調波電流抑制器1bを示す概念
図である。
【図10】第三実施例の高調波電流抑制器1cを示す概
念図である。
【図11】高調波電流抑制器1cの等価回路図である。
【図12】歪波形Cの成り立ちを示す波形図である。
【符号の説明】 1a,1b,1c 高調波電流抑制器 2 第一環状鉄芯 3 エアギャップ 4 第二環状鉄芯 5 エアギャップ 10 一次巻線 11 二次巻線 12 制御コンデンサ 21 二次巻線 22 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H02J 3/01 H02J 3/01 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次巻線を、隣接する第1環状磁路と、第
    2環状磁路とにまたがって巻回すると共に、第2環状磁
    路に二次巻線を巻回し、該二次巻線に制御コンデンサを
    短絡状に接続すると共に、第1環状磁路と、第2環状磁
    路の夫々にエアーギャップを設けて、そのギャップ間隔
    を第2環状磁路よりも第1環状磁路のエアーギャップの
    ほうを大きくしたことを特徴とする高調波電流抑制器。
  2. 【請求項2】一次巻線を、隣接する第1環状磁路と、第
    2環状磁路とにまたがって巻回すると共に、第2環状磁
    路に二次巻線を巻回し、該二次巻線に制御コンデンサを
    短絡状に接続すると共に、第1環状磁路にも二次巻線を
    巻き、該二次巻線に抵抗を短絡状に接続したことを特徴
    とする高調波電流抑制器。
  3. 【請求項3】一次巻線を、隣接する第1環状磁路と、第
    2環状磁路とにまたがって巻回すると共に、第2環状磁
    路に二次巻線を巻回し、該二次巻線に制御コンデンサを
    短絡状に接続すると共に、第1環状磁路にも二次巻線を
    巻き、該二次巻線にインダクターを短絡状に接続したこ
    とを特徴とする高調波電流抑制器。
  4. 【請求項4】第1環状磁路と、第2環状磁路の周波数に
    対する磁束量の変化曲線を、制御コンデンサと、一次巻
    線による並列共振周波数の近辺で、ほぼ一致させるよう
    にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の高
    調波電流抑制器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006319176A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd 複合リアクトル
JP2012029425A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Ns Electronics Co Ltd 高調波電流抑制装置および高調波電流抑制による省エネシステム
JP2012079918A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Showa Aircraft Ind Co Ltd チョークコイル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006319176A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd 複合リアクトル
JP2012029425A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Ns Electronics Co Ltd 高調波電流抑制装置および高調波電流抑制による省エネシステム
JP2012079918A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Showa Aircraft Ind Co Ltd チョークコイル

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