JP3576013B2 - 計器用変圧器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、計器用変圧器に係り、詳しくは主二次巻線と副二次巻線を有し二次側短絡時に、鉄心飽和や短絡電流を抑制して巻線間の電圧差により短絡発生を検知するようにした計器用変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の計器用変圧器として、図3に示すものがある。この計器用変圧器は、二次側短絡時、鉄心飽和を抑制して副二次巻線(健全巻線)の電圧を確保し、主二次巻線(短絡巻線)との電圧差を検出するため、鉄心5の脚部を同一中心軸として平行位置に円筒状の主二次巻線2と副二次巻線3をそれぞれ分離独立して巻装して構成されている。つまり、主二次巻線2は電圧計或いは継電器等負荷が接続され、一次巻線1の電圧を変圧した出力巻線としており、副二次巻線3は補助負荷が接続され二次側短絡検出巻線としている。
【0003】
例えば主二次巻線2側で短絡が発生した場合、主二次巻線2(短絡巻線)に発生する電圧降下と、副二次巻線3(健全巻線)に発生する電圧との差を検出し、リレー等を介して警報を発し、いち早く対策を施すようにしている。図4に示した変圧器の巻線断面図のように、多層同心円筒状に巻装された巻線間インピーダンス(漏洩リアクタンス)は、周知のように負荷接続時において、周波数(f)、巻数(n)、電線径(d)、巻線巻幅(h)、巻線巻厚(w)、巻線間ギャップ(g)、負荷容量(VA)等により決定され、通常一次巻線1と主二次巻線2等の低圧側巻線間は高インピーダンスであるが、主二次巻線2と副二次巻線等の低圧側巻線間では著しく低インピーダンスである。
【0004】
そこで、低圧側巻線は、巻数(n)がおのずと制約され、巻線巻幅(h)や巻線巻厚(w)等巻線寸法を大きくするには限界があるので、巻線間ギャップ(g)を拡げ低圧側巻線間のインピーダンスを出来るだけ大きくしようと、鉄心5の脚部を同一中心軸として平行位置に円筒状に主二次巻線と副二次巻線を巻装している。このように、主二次巻線と副二次巻線をそれぞれ分離独立して巻装し、主二次巻線(短絡巻線)での短絡電流過励磁による鉄心飽和を、一次巻線と副二次巻線(健全巻線)で打ち消すようにし、又、巻線間のインピーダンスを僅かでも大きくすることで、短絡電流の影響を副二次巻線(健全巻線)に波及しずらくして、主二次巻線(短絡巻線)と副二次巻線(健全巻線)との所定電位差を検出して短絡発生を検知している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように主二次巻線と副二次巻線を巻装すると、鉄心5の窓部が水平方向に拡がり、鉄心5自体をはじめ各部品もそれに応じて水平方向に拡がり計器用変圧器全体が大型化してしまう。又、多層同心円筒状巻線との対向脚等他の鉄心脚位置に副二次巻線を巻装すると、通常一次巻線に備えられる高圧側シールドと、鉄心脚と副二次巻線共用の低圧側シールドとが近接し絶縁的に好ましくないことになる。
【0006】
その結果、図5に示す構成をした標準的仕様(副二次巻線を有しない)の計器用変圧器および図3に示す副二次巻線付計器用変圧器は、鉄心、鉄心フレーム、巻線ボビン、絶縁紙等部品が全く異なり、大型化すると共にコストアップの要因になっていた。特に、この副二次巻線付計器用変圧器を三相構成とする場合、後述するように著しく大型化しコストアップとなっていた。図6に示すように、一般的に単相計器用変圧器の平面投影は、鉄心長手寸法(l)と巻線(高圧側シールド)長手寸法が交差する略十字形となり、三相計器用変圧器は、3台の単相計器用変圧器8を鉄心長手寸法(l)の一端を中心にして均等放射状に平面配置し、星型結線或いは△結線して母線接続用ブッシング(図示せず)や二次端子箱(図示せず)等を備えて、SF6ガスや絶縁油等絶縁媒体を封入して円筒容器9内に収納した構成としている。
【0007】
その際、円筒容器9は、単相計器用変圧器8の鉄心長手寸法(l)が拡がると、そのまま円筒容器9の直径も拡大してしまうので、外箱となる強固な円筒容器9が大型化し、絶縁媒体の使用量や封入・置換作業工数も増大してコストアップの一因になっていた。
そこで、本発明は、二次側短絡時の保護をはかるべく計器用変圧器の小型化と共にコストダウンに寄与する計器用変圧器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一次巻線と二次巻線と二脚鉄心とからなり、二次巻線が主二次巻線と副二次巻線とに分離独立巻装した計器用変圧器において、副二次巻線と、主二次巻線と、一次巻線とが、鉄心脚部を中心軸として多層同心円筒状に巻装され、主二次巻線と副二次巻線はそれぞれ別途備えられた限流リアクトルと直列接続して二次巻線を形成する。又、この計器用変圧器3台を鉄心長手方向一端中心に均等放射状に平面配置して、絶縁媒体と共に円筒容器内に収納する。そして、限流リアクトルは、電線をループ状に巻回し略リング状に形成された空芯コイルや、環状巻芯全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成された空芯コイル、或いは環状鉄心を巻芯とし、環状鉄心全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成された鉄心付コイルとする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態の概略構成を示す図である。図示されるように、閉磁路を形成する二脚形の鉄心5の一脚を中心軸として、副二次巻線3、主二次巻線2、一次巻線1が順に巻線相互及び巻線層間に絶縁を施し多層同心円筒状に分離独立巻装されている。主二次巻線2及び副二次巻線3は、それぞれ引出し線2c,3cを介して別途設けられた限流リアクトル6,7と直列接続し、端子(図示せず)に導かれている。
【0010】
そして、端子から主二次巻線2には電圧計或いは継電器等通常負荷が接続され、副二次巻線3には短絡防止用補助負荷が接続されている。本実施例では、限流リアクトル6,7を空芯コイルとしており、電線をループ状に巻回したり、環状巻芯全周にわたり電線を均等に巻装して略リング状に形成し、図2に示されるように、フレーム下部のデッドスペースSに収納している。
尚、計器用変圧器の設置される回路条件等によっては、環状鉄心を巻芯とし、環状鉄心全周にわたり電線を均等に巻装して略リング状に形成された鉄心付コイルでインダクタンスLや抵抗Rを設定してもよい。
【0011】
このように、限流リアクトル6,7を環状巻芯や環状鉄心全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成することにより、限流リアクトル6,7の本体が任意の形状(長円形リング等)に設定可能となりまた形状も安定するので、所定位置に設置固定され易くなると共に、インダクタンスLや抵抗Rの設定範囲が拡がり、回路条件等へより対応し易くなる。
なお、主二次巻線2側で短絡が発生した場合、主二次巻線2(短絡巻線)と副二次巻線3(健全巻線)が多層同心円筒状に巻装されて相互の巻線間が低インピーダンスでも、それぞれ直列接続されている限流リアクトル6,7により主二次巻線2(短絡巻線)に流れる短絡電流が低減されると共に、短絡電流の影響を副二次巻線3(健全巻線)でも限流リアクトル6,7により低減される。
【0012】
一方、限流リアクトル6,7による短絡電流低減により、短絡電流過励磁による鉄心飽和が抑制され、又、主二次巻線2と副二次巻線3がそれぞれ分離独立巻装されているので、一次巻線1と副二次巻線(健全巻線)3で打ち消しあい鉄心飽和は殆ど無視し得る程度となる。
こうして、短絡電流の影響が副二次巻線3(健全巻線)に波及することを防止し、主二次巻線1(短絡巻線)と副二次巻線3(健全巻線)それぞれに発生する電圧を検出し、それらの電位差が所定値を越えるとリレー等(図示せず)を介して警報を発し、その後の回路遮断や手当て等の対処がスムースに行える。
【0013】
このように本発明では、副二次巻線3、主二次巻線2、一次巻線1の順に多層同心円筒状に巻装する構成としたことで、鉄心5の窓部を水平方向に拡げること無く、巻線ボビン、絶縁紙、鉄心フレーム等も新たに製作する部品を使用する必要も無く、別途鉄心5の脚に副二次巻線3を巻装する手間を省き、多層同心円筒状に一括巻装するので巻線作業も容易となる。
又、主二次巻線2及び副二次巻線3共鉄心5の脚に一部巻装して限流リアクトル6,7と直列接続し、リアクタンスLや抵抗R分を一部分担するので、限流リアクトル6,7本体を極めて小さい容積で設定出来る。
【0014】
更に、副二次巻線付三相計器用変圧器を構成する場合、各単相計器用変圧器を図1のような巻線構成を採用して、鉄心5の水平方向の寸法拡大を抑え、その鉄心5の水平方向寸法拡大に伴う不都合を排除できる。そして、小さい容積で軽量の限流リアクトル6,7は円筒容器内の絶縁に影響の無いデッドスペースSに適宜設置固定することで、限流リアクトル6,7の収納による寸法拡大は殆ど無い。こうして副二次巻線付三相計器用変圧器全体の小型化ひいてはコストダウンに大きく寄与できる。
又、本発明は、計器用変圧器に限らず、所内電源用途等負荷容量の小さい電力用変圧器に対しても適用可能である。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、二次側短絡時の保護をはかるべく主二次巻線と副二次巻線を有する計器用変圧器において、計器用変圧器単体の小型化及びコストダウンはもとより、特に、この計器用変圧器3台をSF6ガスや絶縁油を絶縁媒体とし円筒容器内に収納する三相計器用変圧器の外周縮小をはかることが出来て、小型化と共にコストダウン効果が大きい計器用変圧器を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】図1の鉄心下部を支持するフレーム部分の構成を示す断面図である。
【図3】従来例の縦断面図である。
【図4】従来の一般的な変圧器の巻線断面図である。
【図5】従来の標準的仕様をした変圧器の断面図である。
【図6】従来の三相構成をした計器用変圧器の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 一次巻線
2 主二次巻線
2c,3c 引出し線
3 副二次巻線
5 鉄心
6,7 限流リアクトル
S デッドスペース
【発明の属する技術分野】
本発明は、計器用変圧器に係り、詳しくは主二次巻線と副二次巻線を有し二次側短絡時に、鉄心飽和や短絡電流を抑制して巻線間の電圧差により短絡発生を検知するようにした計器用変圧器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の計器用変圧器として、図3に示すものがある。この計器用変圧器は、二次側短絡時、鉄心飽和を抑制して副二次巻線(健全巻線)の電圧を確保し、主二次巻線(短絡巻線)との電圧差を検出するため、鉄心5の脚部を同一中心軸として平行位置に円筒状の主二次巻線2と副二次巻線3をそれぞれ分離独立して巻装して構成されている。つまり、主二次巻線2は電圧計或いは継電器等負荷が接続され、一次巻線1の電圧を変圧した出力巻線としており、副二次巻線3は補助負荷が接続され二次側短絡検出巻線としている。
【0003】
例えば主二次巻線2側で短絡が発生した場合、主二次巻線2(短絡巻線)に発生する電圧降下と、副二次巻線3(健全巻線)に発生する電圧との差を検出し、リレー等を介して警報を発し、いち早く対策を施すようにしている。図4に示した変圧器の巻線断面図のように、多層同心円筒状に巻装された巻線間インピーダンス(漏洩リアクタンス)は、周知のように負荷接続時において、周波数(f)、巻数(n)、電線径(d)、巻線巻幅(h)、巻線巻厚(w)、巻線間ギャップ(g)、負荷容量(VA)等により決定され、通常一次巻線1と主二次巻線2等の低圧側巻線間は高インピーダンスであるが、主二次巻線2と副二次巻線等の低圧側巻線間では著しく低インピーダンスである。
【0004】
そこで、低圧側巻線は、巻数(n)がおのずと制約され、巻線巻幅(h)や巻線巻厚(w)等巻線寸法を大きくするには限界があるので、巻線間ギャップ(g)を拡げ低圧側巻線間のインピーダンスを出来るだけ大きくしようと、鉄心5の脚部を同一中心軸として平行位置に円筒状に主二次巻線と副二次巻線を巻装している。このように、主二次巻線と副二次巻線をそれぞれ分離独立して巻装し、主二次巻線(短絡巻線)での短絡電流過励磁による鉄心飽和を、一次巻線と副二次巻線(健全巻線)で打ち消すようにし、又、巻線間のインピーダンスを僅かでも大きくすることで、短絡電流の影響を副二次巻線(健全巻線)に波及しずらくして、主二次巻線(短絡巻線)と副二次巻線(健全巻線)との所定電位差を検出して短絡発生を検知している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したように主二次巻線と副二次巻線を巻装すると、鉄心5の窓部が水平方向に拡がり、鉄心5自体をはじめ各部品もそれに応じて水平方向に拡がり計器用変圧器全体が大型化してしまう。又、多層同心円筒状巻線との対向脚等他の鉄心脚位置に副二次巻線を巻装すると、通常一次巻線に備えられる高圧側シールドと、鉄心脚と副二次巻線共用の低圧側シールドとが近接し絶縁的に好ましくないことになる。
【0006】
その結果、図5に示す構成をした標準的仕様(副二次巻線を有しない)の計器用変圧器および図3に示す副二次巻線付計器用変圧器は、鉄心、鉄心フレーム、巻線ボビン、絶縁紙等部品が全く異なり、大型化すると共にコストアップの要因になっていた。特に、この副二次巻線付計器用変圧器を三相構成とする場合、後述するように著しく大型化しコストアップとなっていた。図6に示すように、一般的に単相計器用変圧器の平面投影は、鉄心長手寸法(l)と巻線(高圧側シールド)長手寸法が交差する略十字形となり、三相計器用変圧器は、3台の単相計器用変圧器8を鉄心長手寸法(l)の一端を中心にして均等放射状に平面配置し、星型結線或いは△結線して母線接続用ブッシング(図示せず)や二次端子箱(図示せず)等を備えて、SF6ガスや絶縁油等絶縁媒体を封入して円筒容器9内に収納した構成としている。
【0007】
その際、円筒容器9は、単相計器用変圧器8の鉄心長手寸法(l)が拡がると、そのまま円筒容器9の直径も拡大してしまうので、外箱となる強固な円筒容器9が大型化し、絶縁媒体の使用量や封入・置換作業工数も増大してコストアップの一因になっていた。
そこで、本発明は、二次側短絡時の保護をはかるべく計器用変圧器の小型化と共にコストダウンに寄与する計器用変圧器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一次巻線と二次巻線と二脚鉄心とからなり、二次巻線が主二次巻線と副二次巻線とに分離独立巻装した計器用変圧器において、副二次巻線と、主二次巻線と、一次巻線とが、鉄心脚部を中心軸として多層同心円筒状に巻装され、主二次巻線と副二次巻線はそれぞれ別途備えられた限流リアクトルと直列接続して二次巻線を形成する。又、この計器用変圧器3台を鉄心長手方向一端中心に均等放射状に平面配置して、絶縁媒体と共に円筒容器内に収納する。そして、限流リアクトルは、電線をループ状に巻回し略リング状に形成された空芯コイルや、環状巻芯全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成された空芯コイル、或いは環状鉄心を巻芯とし、環状鉄心全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成された鉄心付コイルとする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の実施形態の概略構成を示す図である。図示されるように、閉磁路を形成する二脚形の鉄心5の一脚を中心軸として、副二次巻線3、主二次巻線2、一次巻線1が順に巻線相互及び巻線層間に絶縁を施し多層同心円筒状に分離独立巻装されている。主二次巻線2及び副二次巻線3は、それぞれ引出し線2c,3cを介して別途設けられた限流リアクトル6,7と直列接続し、端子(図示せず)に導かれている。
【0010】
そして、端子から主二次巻線2には電圧計或いは継電器等通常負荷が接続され、副二次巻線3には短絡防止用補助負荷が接続されている。本実施例では、限流リアクトル6,7を空芯コイルとしており、電線をループ状に巻回したり、環状巻芯全周にわたり電線を均等に巻装して略リング状に形成し、図2に示されるように、フレーム下部のデッドスペースSに収納している。
尚、計器用変圧器の設置される回路条件等によっては、環状鉄心を巻芯とし、環状鉄心全周にわたり電線を均等に巻装して略リング状に形成された鉄心付コイルでインダクタンスLや抵抗Rを設定してもよい。
【0011】
このように、限流リアクトル6,7を環状巻芯や環状鉄心全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成することにより、限流リアクトル6,7の本体が任意の形状(長円形リング等)に設定可能となりまた形状も安定するので、所定位置に設置固定され易くなると共に、インダクタンスLや抵抗Rの設定範囲が拡がり、回路条件等へより対応し易くなる。
なお、主二次巻線2側で短絡が発生した場合、主二次巻線2(短絡巻線)と副二次巻線3(健全巻線)が多層同心円筒状に巻装されて相互の巻線間が低インピーダンスでも、それぞれ直列接続されている限流リアクトル6,7により主二次巻線2(短絡巻線)に流れる短絡電流が低減されると共に、短絡電流の影響を副二次巻線3(健全巻線)でも限流リアクトル6,7により低減される。
【0012】
一方、限流リアクトル6,7による短絡電流低減により、短絡電流過励磁による鉄心飽和が抑制され、又、主二次巻線2と副二次巻線3がそれぞれ分離独立巻装されているので、一次巻線1と副二次巻線(健全巻線)3で打ち消しあい鉄心飽和は殆ど無視し得る程度となる。
こうして、短絡電流の影響が副二次巻線3(健全巻線)に波及することを防止し、主二次巻線1(短絡巻線)と副二次巻線3(健全巻線)それぞれに発生する電圧を検出し、それらの電位差が所定値を越えるとリレー等(図示せず)を介して警報を発し、その後の回路遮断や手当て等の対処がスムースに行える。
【0013】
このように本発明では、副二次巻線3、主二次巻線2、一次巻線1の順に多層同心円筒状に巻装する構成としたことで、鉄心5の窓部を水平方向に拡げること無く、巻線ボビン、絶縁紙、鉄心フレーム等も新たに製作する部品を使用する必要も無く、別途鉄心5の脚に副二次巻線3を巻装する手間を省き、多層同心円筒状に一括巻装するので巻線作業も容易となる。
又、主二次巻線2及び副二次巻線3共鉄心5の脚に一部巻装して限流リアクトル6,7と直列接続し、リアクタンスLや抵抗R分を一部分担するので、限流リアクトル6,7本体を極めて小さい容積で設定出来る。
【0014】
更に、副二次巻線付三相計器用変圧器を構成する場合、各単相計器用変圧器を図1のような巻線構成を採用して、鉄心5の水平方向の寸法拡大を抑え、その鉄心5の水平方向寸法拡大に伴う不都合を排除できる。そして、小さい容積で軽量の限流リアクトル6,7は円筒容器内の絶縁に影響の無いデッドスペースSに適宜設置固定することで、限流リアクトル6,7の収納による寸法拡大は殆ど無い。こうして副二次巻線付三相計器用変圧器全体の小型化ひいてはコストダウンに大きく寄与できる。
又、本発明は、計器用変圧器に限らず、所内電源用途等負荷容量の小さい電力用変圧器に対しても適用可能である。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、二次側短絡時の保護をはかるべく主二次巻線と副二次巻線を有する計器用変圧器において、計器用変圧器単体の小型化及びコストダウンはもとより、特に、この計器用変圧器3台をSF6ガスや絶縁油を絶縁媒体とし円筒容器内に収納する三相計器用変圧器の外周縮小をはかることが出来て、小型化と共にコストダウン効果が大きい計器用変圧器を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】図1の鉄心下部を支持するフレーム部分の構成を示す断面図である。
【図3】従来例の縦断面図である。
【図4】従来の一般的な変圧器の巻線断面図である。
【図5】従来の標準的仕様をした変圧器の断面図である。
【図6】従来の三相構成をした計器用変圧器の配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 一次巻線
2 主二次巻線
2c,3c 引出し線
3 副二次巻線
5 鉄心
6,7 限流リアクトル
S デッドスペース
Claims (4)
- 一次巻線と二次巻線と二脚鉄心とからなり、二次巻線が主二次巻線と副二次巻線とに分離独立巻装した計器用変圧器において、副二次巻線と、主二次巻線と、一次巻線とが、鉄心脚部を中心軸として多層同心円筒状に巻装され、主二次巻線と副二次巻線はそれぞれ別途備えられた限流リアクトルと直列接続して二次巻線を形成したことを特徴とする計器用変圧器。
- 請求項1記載の計器用変圧器において、計器用変圧器3台を、それぞれ鉄心長手方向一端を中心に均等放射状に平面配置して、絶縁媒体と共に円筒容器内に収納したことを特徴とする計器用変圧器。
- 請求項1または2記載の計器用変圧器において、限流リアクトルを、電線をループ状に巻回し略リング状に形成されたコイルとしたことを特徴とする計器用変圧器。
- 請求項1または2記載の計器用変圧器において、限流リアクトルを、環状巻芯または環状鉄心の全周にわたり電線が均等に巻装されて略リング状に形成されたコイルとしたことを特徴とする計器用変圧器。
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JP33106598A JP3576013B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 計器用変圧器 |
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JP33106598A JP3576013B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 計器用変圧器 |
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JP3576013B2 true JP3576013B2 (ja) | 2004-10-13 |
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JP33106598A Expired - Fee Related JP3576013B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 計器用変圧器 |
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CN104576004B (zh) * | 2015-01-08 | 2016-12-07 | 大连第二互感器集团有限公司 | 一种可调负荷的电力计量用电压互感器 |
CN106653337A (zh) * | 2016-12-21 | 2017-05-10 | 山东华信电气股份有限公司 | 一种套管电流互感器 |
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1998
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