JP2012079918A - チョークコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】第1に、小型,軽量,低コスト化等が実現されると共に、第2に、効率面,放熱性,形状自由度等にも優れた、チョークコイルを提案する。
【解決手段】このチョークコイルCは、それぞれ絶縁被覆されたコイル導線3,4が巻回された1次コイル1と2次コイル2とを有してなる。1次コイル1は、1次メイン回路5に設けられ、2次コイル2は、1次メイン回路5とは独立した2次サブ回路6に設けられている。そして、1次コイル1と2次コイル2とが、近接一体化配設されて電磁結合すると共に、2次コイル2は、コンデンサ7と直列共振回路を形成して高調波周波数で共振する。更に、2次コイル2に準じた構成の3次コイル8そして3次サブ回路9等、複数次コイルそして複数次サブ回路を有しており、それぞれ対応した各高調波周波数で共振する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョークコイルに関する。すなわち、高調波周波数の電流成分を減衰,除去する、チョークコイルに関するものである。
《技術的背景》
交流電源からの出力は、正弦波交流であることが望ましいが、インバーターからの電流波形は、一般的に方形波である。そして、この方形波には、高調波成分が含まれている。すなわち、インバーターからの交流出力は、正弦波の基本波成分と共に、正弦波の整数倍の周波数を持った高調波成分を含んだ、ひずみ波となっている。
例えば、インバーターの制御方式としては、パルス振幅の変調方式(PAM制御)や、パルス幅の変調方式(PWM制御)や、これを改良し出力電流波形を正弦波に近付けたパルス幅の変調方式(汎用インバーター等で多用されているPWM制御)、等が知られている。いずれにしても、出力電流波形に正弦波の奇数倍の高調波成分を含んでおり、高調波成分の減衰,除去が要請される。
高調波電流成分を伴うひずみ波交流は、周知のとおり、交流電気回路の負荷に対し各種の悪影響を及ぼす。短絡電流の増加,各種損失の増加,給電電力の減少等々。
《従来技術》
そこで、その対策として、インバーター等を交流電源とした交流電気回路にあっては、チョークコイルやフィルタが採用されている。
すなわち、インバーター等の交流電源に、チョークコイルやLCフィルタ等が隣接接続されており、もって、基本波成分より高い周波数の高調波成分を減衰,除去して、方形波を正弦波に近づけるようになっている。
そして、従来のチョークコイルは、鉄心コアにコイル導線を巻回した構造よりなり、コイルが高周波成分に対して大きなリアクタンスを持つことを利用して、高調波成分を減衰,除去していた。フィルタは、コイルやコンデンサ等を備え、同様に機能する構造よりなる。
このような従来のチョークコイルとしては、例えば、次の特許文献1に示されたものが挙げられる。
特開2001−167935号公報
ところで、このような従来のチョークコイルやフィルタについては、次の課題が指摘されていた。
《第1の問題点》
まず第1に、高周波領域での高調波成分の減衰,除去は、比較的容易であるが、商用周波数に近い比較的低周波領域の高調波成分の減衰,除去のためには、太い鉄心コアを用いコイル巻数を多くした大型のチョークコイルやフィルタが、必要となっていた。
もって、チョークコイル等の重量が重く、体積がかさばり、取付け場所がスペース的に制約される、という問題が指摘されていた。例えば、多層プリント配線基板等を対象とした場合、その僅かな隙間への実装,組み込みが、困難化することが多々あった。
又、大型のチョークコイル等は、手巻きにより製造されるので、製造コストが嵩むと共に、製造日数も嵩み納期が長期化する、という問題も指摘されていた。
《第2の問題点》
第2に、従来のチョークコイルは、鉄心コアにコイル導線を巻回した構成よりなっていた。そこで、鉄心コアを用いる分だけ、高調波成分についてインダクタンスの周波数特性が悪いと共に、基本波成分へのリアクタンスも看過できない程度となる等々、ロスが大きく効率が悪い、という問題が指摘されていた。
更に、これらの対策として、従来のチョークコイルでは、コイル導線として高価なリッツ線が使用されることが多かった。又、コイル導線を鉄心コアに巻くので、蓄熱し易く放熱性が悪いと共に、形状の自由度も低い、という指摘もあった。
《本発明について》
本発明のチョークコイルは、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
本発明は、第1に、小型,軽量,低コスト化等が実現されると共に、第2に、効率面,放熱性,形状自由度等にも優れた、チョークコイルを提案することを、目的とする。
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1のチョークコイルは、それぞれ絶縁被覆されたコイル導線が巻回された1次コイルと2次コイルとを、有してなる。該1次コイルは、メイン回路に設けられ、該2次コイルは、該メイン回路とは独立したサブ回路に設けられている。
そして、該1次コイルと2次コイルとが、近接一体化配設されて電磁結合すると共に、該2次コイルは、該サブ回路のコンデンサと直列共振回路を形成して高調波周波数で共振すること、を特徴とする。
請求項2については、次のとおり。
請求項2のチョークコイルでは、請求項1において、更に、該2次コイルに準じた構成の3次コイルそして3次サブ回路等、複数次コイルそして複数次サブ回路を有しており、それぞれ対応した各高調波周波数で共振すること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。
請求項3のチョークコイルでは、請求項1又は2において、該1次コイル,2次コイル,複数次コイルは、近接一体化配設に基づき、強力に電磁結合されて、大きなインダクタンスが実現される。これと共に高調波周波数について、共振に基づき、より大きなインダクタンスが実現されて、インピーダンスが増大し、もって高調波電流成分が減衰,除去されること、を特徴とする。
請求項4については、次のとおり。
請求項4のチョークコイルでは、請求項1又は2において、該1次コイル,2次コイル,複数次コイルは、それぞれ、絶縁被覆されたコイル導線が、同一平面において渦巻き状に巻回されてなり、もって凹凸のない平坦で扁平なフラット構造をなすこと、を特徴とする。
請求項5については、次のとおり。
請求項5のチョークコイルでは、請求項4において、該1次コイルと、2次コイル,複数次コイルとは、軸を揃え上下等に重ねて配設されていること、を特徴とする。
請求項6については、次のとおり。
請求項6のチョークコイルでは、請求項4において、該1次コイルと、2次コイル,複数次コイルとは、同一平面において内外で並列化された平行位置関係を維持しつつ、同心で渦巻き状に一緒に束ねて巻回配設されていること、を特徴とする。
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)このチョークコイルは、1次コイルと、2次コイルや3次コイル等とが、近接一体化配設されて、電磁結合される。
(2)すなわち、フラット構造の各コイルは、重ねて配設されるか束ねて巻回配設され、もって近接一体化配設されて電磁結合される。
そして、この電磁結合は、近接一体化配設との組み合わせにより、磁束分布が均等化されており強力であり、もってコイルについて、大きなインダクタンスが実現される。
(3)更に、2次コイルや3次コイル等は、コンデンサと直列共振する。
(4)そこで、共振点を高調波周波数に設定することにより、これに対するコイルのインダクタンスが更に大きくなる。
(5)インバーター等からの電流波形に含まれた高調波周波数つまり高調波成分は、このようにコイルのインダクタンスが大きくなり、リアクタンスが増大し、高いインピーダンスが与えられて、減衰,除去される。
(6)本発明のチョークコイルは、このようにして、比較的低周波領域の高調波成分を、減衰,除去する。すなわち、フラットなコイルの近接一体化配設と共振とを組み合わせた空心構造を採用したことにより、大幅なコンパクト化,小型化,薄型化,軽量化,コストダウン等が実現される。
(7)又、鉄心コア等の磁心コアを用いないので、高調波成分についてインダクタンスの周波数特性が向上すると共に、基本波成分へのリアクタンスそしてインピーダンスが減少する。
(8)更に、フラット構造で空心構造よりなるので、放熱性に優れると共に、形状自由度が向上する。
(9)さてそこで、本発明のチョークコイルは、次の効果を発揮する。
《第1の効果》
第1に、小型,軽量,低コスト化等が、実現される。すなわち、本発明のチョークコイルは、扁平フラット構造の1次コイルと、2次コイル,3次コイル等とが、重ねたり束ねて近接一体化配設されて電磁結合される。これと共に、2次コイル,3次コイル等は、コンデンサと直列共振回路を形成する。
そこで、鉄心コアを用いない空心構造ながら、大きなインダクタンス,インピーダンスにより、比較的低周波領域の高調波成分を、減衰,除去する。
従って、本発明のチョークコイルは、鉄心コアを用いていた前述したこの種従来のチョークコイル等に比し、かさばることなく大幅にコンパクト化,小型化,薄型化され、軽量化される。従って、取付け場所のスペース的制約も少なく、例えば、多層プリント配線基板等を使用するような僅かな隙間しかない機器への実装,組み込みが容易である。
なお、渦巻き状に巻回される2次コイルや3次コイル等について、空スペースとなる中央空間に、共振用のコンデンサを組み込めるので、この面からもコンパクト化が促進される。
又、鉄心コア等の磁心コアが不要で構成が簡単であり、しかも渦巻き状巻回コイルよりなる等により、従来のチョークコイルのように手巻き製造によらず、自動巻き機を使って簡単に製造可能である。もって、製造コストが低減されると共に、製造日数も短縮され納期も短くなる。
《第2の効果》
第2に、効率面,放熱性,形状自由度、等にも優れている。すなわち、本発明のチョークコイルは、1次コイルと2次コイル等の近接一体化配設,電磁結合と、2次コイル,3次コイル等の共振とを採用した構成よりなり、鉄心コア等を用いない空心構造により、高調波成分を減衰,除去する。
そこで、鉄心コア等を用いていた前述したこの種従来のチョークコイルに比し、高調波成分についてインダクタンスの周波数特性が向上し、基本波成分へのリアクタンスが小さい等、ロスが少なく効率面に優れている。もって、コイル導線として、従来のチョークコイルのように高価なリッツ線によらず、安価な平角線を使用可能である。又、表面積が大となり、放熱性に優れると共に、形状自由度も向上する。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
本発明に係るチョークコイルについて、発明を実施するための形態の説明に供し、(1)図は、一例の回路図であり、(2)図は、他の例の回路図である。(3)図は、そのインダクタンスの周波数特性例のグラフである。 同発明を実施するための形態の説明に供し、図1の(1)図の例について、コイルの一体化配設例を示し、(1)図は、重ねた例の平面説明図、(2)図は、同例の分解した平面説明図である。(3)図は、束ねた例の平面説明図、(4)図は、同例の分解した平面説明図である。 同発明を実施するための形態の説明に供し、図1の(1)図の例について、コイルの一体化配設例を示し、束ねた例の平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図1,図2,図3を参照して、詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明のチョークコイルCは、1次コイル1と2次コイル2とを、有している。1次コイル1および2次コイル2は、それぞれ絶縁被覆されたコイル導線3,4が、巻回されてなる。1次コイル1は、メイン回路5に設けられ、2次コイル2は、メイン回路5とは独立したサブ回路6に設けられている。
そして、このチョークコイルCでは、1次コイル1と2次コイル2とが、近接一体化配設されており、電磁結合する。又、2次コイル2は、コンデンサ7と直列共振回路を形成してサブ回路6となり、高調波周波数で共振する。
多くの場合は更に、2次コイル2そしてサブ回路6に準じた構成の3次コイル8そして3次サブ回路9を有しており、それぞれ対応した各高調波周波数で共振する。更なる複数次コイルそして複数次サブ回路も、考えられる。
もって、1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等は、近接一体化配設に基づき強力に電磁結合されて、大きなインダクタンスが実現される。更に、高調波周波数について、共振に伴いより大きなインダクタンスが実現され、インピーダンスが増大し、もって高調波電流成分が減衰,除去される。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、本発明について更に詳述する。
《サブ回路6等について》
図1の(1)図,(2)図に示したように、チョークコイルCのメイン回路5側の1次コイル1は、交流電源に接続されている。交流電源は、インバーター10よりなり、50Hzや60Hzの外部電源(商用電源)に接続されると共に、周波数等を変換して出力する。
そして、インバーター10からの出力電流波形は、直流成分と共に、正弦波の基本波成分、および、正弦波の整数倍の高い周波数を持った高調波成分を含んでいる。多くの場合、正弦波の奇数倍の周波数の高調波成分を含んでいる。
このチョークコイルCは、比較的低周波領域を対象とし、例えば400Hz〜500Hz程度の基本波成分の奇数倍、特に3次高調波成分や5次高調波成分を、減衰,除去対象とする。
そして1次コイル1は、絶縁被覆されたコイル導線(絶縁電線)3を巻回してなり、一般的な平角線が使用されるが、勿論、リッツ線を使用することも可能である。なお図中Lは負荷である。
2次コイル2は、1次コイル1のメイン回路5とは独立したサブ回路6に設けられており、1次コイル1と同様、絶縁被覆されたコイル導線4を巻回してなる。
図1の(1)図に示した例のチョークコイルCは、このような1次コイル1と2次コイル2とを有してなり、2次コイル2がコンデンサ7と共振するサブ回路6を形成して、3次高調波成分の減衰,除去を目的とする。
図1の(2)図に示した例のチョークコイルCは、これに加え更に、3次コイル8を備えた3次サブ回路9を有しており、5次高調波成分の減衰,除去をも目的とする。3次コイル8,そのコイル導線11,3次サブ回路9等については、上述した2次コイル2,コイル導線4,サブ回路6等に準じる。
なお図示しないが、4次コイル,その他の複数次コイル、そして4次サブ回路,その他の複数次サブ回路を設け、もって、7次高調波成分,その他より高次の高調波成分の減衰,除去を目的とすることも考えられる。しかしながら、7次高調波成分,その他のより高次の高調波成分は、エネルギーが弱く自然と減衰,除去するので、通常は設けることを要しない。
サブ回路6等については、以上のとおり。
《巻回配設について》
そして、1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等は、それぞれ、絶縁被覆されたそのコイル導線3,4,11が、渦巻き状に巻回されており、もって凹凸のない平坦で扁平なフラット構造をなす。
例えば、図2の(1)図,(2)図や、(3)図,(4)図は、前述した図1の(1)図の例の1次コイル1および2次コイル2を示す。これらの図面にも示したように、1次コイル1および2次コイル2は、それぞれ、絶縁被覆されたコイル導線3,4が、円形や方形の渦巻き状に複数回巻回ターンされている。もって、環状,略フランジ状をなしつつ、全体的に凹凸のない平坦で肉厚の薄い扁平なフラット構造をなしている。
なお、図1の(2)図の例の3次コイル8についても、このような1次コイル1および2次コイル2に、準じる。又、1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等について、このような扁平なフラット構造のものを、図示のようにそれぞれ1枚ずつ使用するのではなく、2枚,3枚等、複数枚積み重ねて使用するようにしてもよい。又、1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等は、同面積,同巻数,同形状の共通構造をなす。
さて、このようなフラット構造の1次コイル1と2次コイル2とは、近接一体化配設されている。
近接一体化配設の例としては、図2の(1)図に示した例や、図2の(3)図,図3に示した例が、代表的である。なおこれらの例は、前述した図1の(1)図の例に関する。
まず、図2の(1)図に示した例では、図2の(2)図に示した1次コイル1と2次コイル2とが、軸を揃え上下等に重ねて配設され、もって近接一体化配設され合体している。なお図示しないが、図1の(2)図に示した例に関しては、3次コイル8についても、同様に、上下等に重ねて配設される。
次に、図2の(3)図,図3に示した例では、図2の(4)図に示した1次コイル1と2次コイル2とが、同一平面において内外で並列化された平行位置関係を維持しつつ、同心で渦巻き状に一緒に束ねて巻回配設され、もって近接一体化配設され合体している。なお図示しないが、図1の(2)図に示した例に関しては、3次コイル8についても同様に、一緒に束ねて巻回配設される。
巻回配設については、以上のとおり。
《電磁結合について》
このような1次コイル1と2次コイル2とは、電磁結合される。すなわち、図1の(1)図,(2)図に示したメイン回路5の1次コイル1は、交流電源のインバーター10からの交流が励磁電流として通電,印加されると、磁界が1次コイル1のコイル導線3の周囲に生じ、磁束がそのコイル面に対して直角方向に形成される。
このように形成された磁束が、図1の(1)図の例では、サブ回路6の2次コイル2を貫き鎖交することにより、図1の(2)図の例では、更に3次サブ回路9の3次コイル8をも貫き鎖交することにより、それぞれ、誘導起電力が生成されて磁場が形成されている。
このような電磁誘導の相互誘導作用に基づき、1次コイル1と2次コイル2間について(図1の(1)図の例)、更にはこれに加え、1次コイル1と3次コイル8間(図1の(2)図の例)について、それぞれ磁束の磁路が形成されて電磁結合される。
そして電磁結合は、前述した1次コイル1,2次コイル2,更には3次コイル8の近接一体化配設に基づき、相互間の結合係数が1に近付く等、強力に実現される。すなわち、磁束分布が均等化されて、磁界強度が向上し、強力な磁場が均一に形成される。もって、1次コイル1(2次コイル2,3次コイル8)について、大きなインダクタンスが実現される。
なお、全体を例えばパーマロイ等の高透磁率材で被覆,カバーしておくと、漏洩磁界が減少するので、より強力な電磁結合、そしてより大きなインダクタンスが得られる。
電磁結合については、以上のとおり。
《共振等について》
又、サブ回路6や3次サブ回路9には、直列共振用のコンデンサ7,12が設けられており、コンデンサ7,12は、2次コイル2(図1の(1)図の例)や3次コイル8(図1の(2)図の例)と、直列に組み合わされて直列共振回路を形成する。
つまり、サブ回路6や3次サブ回路9は、特定周波数で共振する直列共振回路よりなる。そこで、その特定周波数つまり共振点を、減衰,除去したい前述した高調波成分の周波数に設定する。
これにより、直列共振回路であるサブ回路6や3次サブ回路9が、それぞれ対応した各高調波成分の周波数で、共振するようになる。2次コイル2のサブ回路6は、3次高調波の周波数で共振し、3次コイル8の3次サブ回路9は、5次高調波の周波数で共振する。
コイルは、共振点の特定周波数において、インダクタンスが極めて大きくなる。従って、このような高調波成分の周波数での共振により、高調波成分の周波数に対して、1次コイル1(2次コイル2)のインダクタンスが極めて大きくなる。
図1の(3)図のグラフは、このような関係の説明に供し、チョークコイルCのインダクタンスの周波数特性例を示す。このグラフでは、85kHz付近で共振点が出ると共に、その際のコイルのインダクタンスが約32μH程度となる。
そこで、前述した一体化結合と、このような直列共振とにより、高調波成分の周波数(高調波周波数)に対し、1次コイル1(2次コイル2,3次コイル8)では、大きなインダクタンスが実現される。
共振等については、以上のとおり。
《作用等》
本発明のチョークコイルCは、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
(1)このチョークコイルCは、メイン回路5の1次コイル1と、サブ回路6や3次サブ回路9等の2次コイル2や3次コイル8等とが、近接一体化配設されて、電磁結合される(図1の(1)図,(2)図を参照)。
(2)すなわち、1次コイル1と2次コイル2や3次コイル8等とは、共に扁平なフラット構造よりなると共に、上下等で重ねて配設されるか一緒に束ねて巻回配設され、もって、近接一体化配設される(図2,図3を参照)。これと共に、1次コイル1と、2次コイル2,3次コイル8等とは、電磁誘導の相互誘導作用に基づき、電磁結合される。
そして電磁結合は、近接一体化配設との組み合わせにより、磁束分布が均等化されるので、強力である。もって、1次コイル1(2次コイル2,3次コイル8)について、大きなインダクタンスが実現される。
(3)又、このチョークコイルCの2次コイル2や3次コイル8等は、コンデンサ7,12と直列接続されており、もって、サブ回路6や3次サブ回路9等は、直列共振回路となっている(図1の(1)図,(2)図を参照)。
(4)そこで、その共振点を減衰,除去すべき高調波周波数に設定することにより、高調波周波数について、1次コイル1(2次コイル2,3次コイル8等)のインダクタンスが、極めて大きくなる。
(5)インバーター10等の交流電源からの出力交流に含まれた高調波周波数つまり高調波成分については、このように1次コイル1(2次コイル2,3次コイル8等)のインダクタンスが、大きくなる。もって、リアクタンスが増大し、高いインピーダンスが与えられることにより、高調波成分は減衰,除去される。
このようにして、高調波電流成分は、チョークコイルCにおいて通過を阻止され、チョークコイルCを通過するのは、正弦波の基本波成分のみとなる。
(6)さて、本発明のチョークコイルCは、このように、扁平フラットな1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等の近接一体化配設と、共振とを組み合わせてなり、空心コイル構造を採用したことにより、比較的低周波領域の高調波成分が、容易に減衰,除去される。
このように、このチョークコイルCは、鉄心コア等の磁心コアを用いなくても、そしてコイル巻数を多くしなくても、大きなインダクタンス素子として機能するので、大幅なコンパクト化,小型化,薄型化,軽量化,コストダウン、等が実現される。
なお、コンデンサ7,12を、環状,略フランジ状に巻回された2次コイル2や3次コイル8の空スペースとなっている中央空間13に、組み込むことも、コンパクト化の一環となる。更に、1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等にリッツ線を使用すると、一段とコンパクト化が促進される。
(7)又、本発明のチョークコイルCは、鉄心コア等の磁心コアを用いない空心コイル構造を採用したことにより、共振曲線のせん鋭度をあらわすQ値(quality factor)が高い。もって、高調波成分について、インダクタンスの周波数特性が向上すると共に、基本波成分については、ほとんどリアクタンスを与えずインピーダンスが減少する。
(8)更に、本発明のチョークコイルCは、1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等が、扁平なフラット構造よりなると共に空心構造よりなり、外表面積が広いので、蓄熱しにくく、放熱性に優れている。
又、同様の理由により、形状の自由度が向上し、円,三角,四角、その他各種形状のものを、適宜採用可能である。
作用等については、以上のとおり。
《その他》
なお第1に、本発明は前述したように、鉄心コア等を用いないことを特徴とするが、鉄心コア等を、追加的に使用することも考えられる。
すなわち、扁平なフラット構造の1次コイル1,2次コイル2,3次コイル8等について、見合った若干大き目の大きさのフラットな板状の鉄心コア等の磁心コアを、添設することも考えられる。
このように磁心コアを添設した場合は、1次コイル1(2次コイル2,3次コイル8等)について、大きなインダクタンス,リアクタンス,インピーダンスが得られ、高調波成分が減衰,除去され易くなる半面、Q値が低下し効率が悪くなる難点がある。
なお第2に、本発明のチョークコイルCの技術思想は、トランスにも適用可能である。すなわち、例えば絶縁トランスについて、対向するコイル間に、前述した2次コイル2,サブ回路6,更には3次コイル8,3次サブ回路9等を配設することにより、高調波成分を減衰,除去可能なトランスとすることができる。
ここで、本発明の実施例について説明しておく。まず、図1の(1)図に示した例において、それぞれインダクタンスが60μHの1次コイル1および2次コイル2を使用した場合、約500μHのチョークコイルCが得られた。
このように、インダクタンス性能が約4倍のチョークコイルCが得られたが、更なる構造の見直しにより、より大きなインダクタンス性能のチョークコイルCも、実現可能である。
他方、400Hzのインバーター10を用いた交流電源からの交流について、インダクタンス性能が8mHのこの種従来例のチョークコイルを使用し、もってその高調波を減衰,除去した場合、従来例のチョークコイルは、重量が6kgで体積も大きく製造コストも嵩んでいた。これに対し、本発明を適用して同性能のチョークコイルCによると、従来例に比し、重量が1/3、体積(かさ)が1/3、製造コストは1/10となった。
実施例については、以上のとおり。
1 1次コイル
2 2次コイル
3 コイル導線
4 コイル導線
5 メイン回路
6 サブ回路
7 コンデンサ
8 3次コイル
9 3次サブ回路(複数次サブ回路)
10 インバーター
11 コイル導線
12 コンデンサ
13 中央空間
C チョークコイル
L 負荷

Claims (6)

  1. それぞれ絶縁被覆されたコイル導線が巻回された1次コイルと2次コイルとを、有してなり、該1次コイルは、メイン回路に設けられ、該2次コイルは、該メイン回路とは独立したサブ回路に設けられており、
    該1次コイルと2次コイルとが、近接一体化配設されて電磁結合すると共に、該2次コイルは、該サブ回路のコンデンサと直列共振回路を形成して高調波周波数で共振すること、を特徴とするチョークコイル。
  2. 請求項1において、更に、該2次コイルに準じた構成の3次コイルそして3次サブ回路等、複数次コイルそして複数次サブ回路を有しており、それぞれ対応した各高調波周波数で共振すること、を特徴とするチョークコイル。
  3. 請求項1又は2において、該1次コイル,2次コイル,複数次コイルは、近接一体化配設に基づき、強力に電磁結合されて、大きなインダクタンスが実現されると共に、
    高調波周波数について共振に基づき、より大きなインダクタンスが実現されて、インピーダンスが増大し、もって高調波電流成分が減衰,除去されること、を特徴とするチョークコイル。
  4. 請求項1又は2において、該1次コイル,2次コイル,複数次コイルは、それぞれ、絶縁被覆されたコイル導線が、同一平面において渦巻き状に巻回されてなり、もって凹凸のない平坦で扁平なフラット構造をなすこと、を特徴とするチョークコイル。
  5. 請求項4において、該1次コイルと、2次コイル,複数次コイルとは、軸を揃え上下等に重ねて配設されていること、を特徴とするチョークコイル。
  6. 請求項4において、該1次コイルと、2次コイル,複数次コイルとは、同一平面において内外で並列化された平行位置関係を維持しつつ、同心で渦巻き状に一緒に束ねて巻回配設されていること、を特徴とするチョークコイル。
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