JP2010239823A - 電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁束の高調波成分を抑制するにより、電動機の損失を抑制することである。
【解決手段】ステータティース11aのそれぞれは、同相に対応するもの同士で、先端部の形状がロータ12の回転方向において互いに異ならされ、磁気回路が形成されるステータティース11aの磁気的特性は、同相に対応するもの同士で互いに異ならされている。また、高調波抑制要素は、同相に対応するフィルタ巻線14のそれぞれを並列接続した3個の閉回路で構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性体をコアとして巻回した複数のステータ巻線への通電がそれぞれ制御されることで各磁気回路に交番磁束が流れる電動機に関する。
例えば、特許文献1には、コギングトルクやトルクむらを減少させるように構成した電動機が開示されている。この電動機において、アーマチュアのコアは、リング状のボス部の外径に、基部と爪部とで略T字状に形成されるティースが10個形成されて構成される。各爪部の外周には、各永久磁石の磁極端にそれぞれ対向するティースが互いに非対称となるべく、非点対称となる関係で切欠き溝が形成されている。
特開2003−47184号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、ステータおよびロータを構成する磁性体により形成される磁気回路において、磁束の高調波成分(スロット高調波成分)が生じることにより、電動機全体の損失が増加してしまうという問題がある。そのため、電動機の効率が低下してしまうという不都合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁束の高調波成分を抑制するにより、電動機の効率低下を抑制することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、磁気回路のそれぞれを流れる磁束において所定のカットオフ周波数以上の高調波磁束を抑制する高調波磁束抑制要素を備える。この場合、磁気回路のそれぞれは、ステータ巻線のそれぞれに対応して、磁気回路を形成する磁性体の磁気的特性が互いに非対称に構成される。
本発明によれば、ステータ巻線のそれぞれに対応して、磁気回路を形成する磁性体の磁気的特性が互いに非対称の関係となるので、高調波磁束抑制要素により、磁気回路における磁束の高調波成分(スロット高調波成分)を抑制することができる。そのため、電動機全体の損失の増加を抑制することができ、電動機の効率低下を抑制することができる。
第1の実施形態にかかる電動機10の構造を模式的に示す平面展開図 電動機10および電力変換器30を含む回路構成図 第1の実施形態にかかるステータティース11aを有する電動機10におけるU〜W相のコア部に鎖交する磁束のスペクトルを示す説明図 位相情報も含めた各相の鎖交磁束のベクトル和を示す説明図 第2の実施形態にかかる電動機10の構造を模式的に示す平面展開図 電動機10および電力変換器30を含む回路構成図
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電動機10の構造を模式的に示す平面展開図である。本実施形態にかかる電動機10は、永久磁石型同期電動機であり、ラジアルギャップのインナーロータ型として構成されている。この電動機10は、断面がリング状のステータ(固定子)11と、図示しないシャフトに連結されたロータ(可動子)12とを備えており、ロータ12は、ステータ11の内周側にエアギャップを介して配置されている。
ステータ11は、例えば、磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して構成されており、複数のステータティース11aと、略リング状のバックヨーク11bとを有している。複数のステータティース11aは、バックヨーク11bの内周側において等間隔で配置されており、個々のステータティース11aは、ロータ12側に突出した格好となっている。バックヨーク11bは、個々のステータティース11aをその基端側で連結している。
ステータ11は、焼きばめ等の方法を用いて、筒状のステータケース(図示せず)に嵌合させることによりステータケースの内部に格納される。これにより、ステータ11は、周方向の全域において外周側から外力が全体的に作用した状態でステータケースによって固定保持されている。
本実施形態において、ステータ11は、9相(3相×3)に対応するステータ巻線用のステータティース11aを備え、個々のステータティース11aには、図示しないインシュレータ(絶縁部材)13を介してステータ巻線13が各々巻回されている。9つのステータ巻線13は、U1相、V1相、W1相に対応する3つのステータ巻線13と、U2相、V2相、W2相に対応する3つのステータ巻線13と、U3相、V3相、W3相に対応する3つのステータ巻線13とで構成されている。3組のU相〜W相(U1相〜W1相、U2相〜W2相、U3相〜W3相)のそれぞれにおいて、同一組内の3つのステータ巻線13にそれぞれ供給される電流の総和はゼロとなる。
一方、ロータ12は、例えば、シャフトのまわりに磁性体の電磁鋼板を軸方向に複数積層して形成されている。ロータ12の内部には、複数の永久磁石15が周方向に沿って等間隔で埋め込まれている。
この電動機10は、後述する電力変換器30から9相の交流電力が対応する相のステータ巻線13にそれぞれ供給されることにより生じる磁界と、回転子の永久磁石が作る磁界との相互作用により駆動する。具体的には、電動機10では、ロータ12に埋め込まれた永久磁石15と、ロータ12自体を構成する磁性体(電磁鋼板)と、ステータ11を構成する磁性体(電磁鋼板)とによって、磁気回路が形成される。そして、永久磁石15からの磁石磁束、およびステータ巻線13をインバータ制御により通電することで発生する交番磁束が、この磁気回路を流れることで電磁力によるトルクが発生し、ロータ12およびこれに連結されたシャフトが回転する。
本実施形態の特徴の一つとして、電流総和がゼロとなる3相のステータ巻線13が巻回される3つのステータティース11aは、その先端形状(ロータ12側に突出する先端部の形状)がそれぞれ同一形状に形成されている。具体的には、U1相、V1相、W1相のステータ巻線13が巻回される各ステータティース11aの先端形状は、それぞれ同一形状に形成され、U2相、V2相、W2相のステータ巻線13が巻回される各ステータティース11aの先端形状も、それぞれ同一形状に形成される。また、U3相、V3相、W3相のステータ巻線13が巻回される各ステータティース11aの先端形状も、それぞれ同一形状に形成される。
例えば、ノーマルなステータティースの先端形状を、全周囲において外側に突出する突出部を有するフランジ形状とする。本実施形態において、U1相、V1相、W1相に対応する各ステータティース11aの先端形状は、軸方向に延在する一対の側面部のうち、一方の側面部(図中の右側)に対応する突出部が切り欠かれた形状となっている。一方、U2相、V2相、W2相に対応する各ステータティース11aの先端形状は、全周囲において外側に突出する突出部を有するフランジ形状となっている。また、U3相、V3相、W3相に対応する各ステータティース11aの先端形状は、軸方向に延在する一対の側面部のうち、他方の側面部(図中の左側)に対応する突出部が切り欠かれた形状となっている。
一方で、個々のステータティース11aの先端形状は、同相に対応するもの同士について、互いに異なる形状(非対称)となるように設定されている。上述した通り、U1相、U2相、U3相に対応する各ステータティース11aの先端形状は、それぞれ異なる形状となるように形成されており、V1相、V2相、V3相に対応する各ステータティース11aの先端形状も、それぞれ異なる形状となるように形成されている。また、W1相、W2相、W3相に対応する各ステータティース11aの先端形状も、それぞれ異なる形状となるように形成される。このような形状の非対称性により、磁気回路が形成される磁性体(ステータティース11a)の磁気的特性は、同相に対応するもの同士で互いに異なるように設定されている。
また、本実施形態において、個々のステータティース11aには、ステータ巻線13とは別個の巻線であるフィルタ巻線14が各々巻回されている。なお、フィルタ巻線14は、磁気回路を流れる磁束において高調波磁束を抑制する高調波磁束抑制要素としての機能を担っており、その詳細については後述する。
図2は、電動機10および電力変換器30を含む回路構成図である。電力変換器30は、電源20に接続されており、電源20からの直流電力を9相の交流電力に変換し、変換された9相の交流電力を電動機10に供給する。この電力変換器30は、それぞれがU相、V相、W相を含む3相の交流電力を出力する3つの3相インバータ31〜33で構成されている。個々の3相インバータ31〜33の入力側は、正極側および負極側の直流母線を介し、電源20に接続されており、3つの3相インバータ31〜33は直列接続されている。第1の3相インバータ31の出力側は、U1相、V1相、W1相に対応する3つのステータ巻線13と接続され、第2の3相インバータ32の出力側は、U2相、V2相、W2相に対応する3つのステータ巻線13と接続される。また、第3の3相インバータ33の出力側は、U3相、V3相、W3相に対応する3つのステータ巻線13と接続される。個々の3相インバータ31〜33は、電源20からの直流電力を、その電流総和がゼロとなる3相(U相、V相、W相)の交流電力に変換し、変換された3相の交流電力を対応する各ステータ巻線13にそれぞれ供給する。
個々の3相インバータ31〜33は、正極側の直流母線と、3相に対応する各出力端子との間に、上アームに対応するスイッチをそれぞれ備えるとともに、負極側の直流母線と、3相に対応する各出力端子との間に、下アームに対応するスイッチをそれぞれ備えている。個々のスイッチは、一方向の導通を制御可能な半導体スイッチ(例えば、IGBT等のトランジスタといったスイッチング素子)を主体に構成されており、個々の半導体スイッチには、還流用ダイオードが逆並列接続されている。
上下アームに対応する個々のスイッチの開閉状態は、例えば、PWM波電圧駆動といった制御方式により、制御装置(図示せず)によって制御される。PWM波電圧駆動は、直流電力からPWM波電圧を生成して電動機10に印加する、具体的には、キャリア電圧と正弦波制御電圧とに基づいてPWM制御を行い、PWM制御のデューティー指令値を算出することで等価的な正弦波交流電圧を電動機10に印加する駆動方式である。このPWM波電圧駆動によって電力変換器30を制御する場合、3つの3相インバータ31〜33において、PWMキャリアは40度づつ位相がオフセットされている。
以下、本実施形態の特徴の一つである高調波磁束抑制要素について説明する。高調波磁束抑制要素は、各ステータティース11aに巻回されるフィルタ巻線14によって構成される。具体的には、高調波磁束抑制要素は、3つのフィルタ巻線14毎に、当該フィルタ巻線14同士を並列に結線した閉回路で構成される。9相の電動機10である本実施形態は、9つのフィルタ巻線14を備えるため、3つの閉回路に対応する高調波抑制要素が形成されることとなる。なお、個々の閉回路において、フィルタ巻線14のそれぞれには、カットオフ周波数調整用かつ冷却用の抵抗素子が直列接続されている。
個々のステータティース11aの先端形状が同相で対応するもの同士で異なる本実施形態において、個々の閉回路を構成する3つのフィルタ巻線14は、3つの3相インバータ31〜33からそれぞれ出力される各相の電流に応じて決定される。具体的には、一つの閉回路は、キャリア位相がそれぞれ異なる同相電流が当該閉回路を通過するように3つのフィルタ巻線14同士が結線されており、換言すれば、同相に対応するフィルタ巻線14のそれぞれが並列接続される。本実施形態において、第1の閉回路は、U1相電流、U2相電流、U3相電流が当該閉回路を通過するように、U相に対応する3つのフィルタ巻線14を結線して構成される。第2の閉回路は、V1相電流、V2相電流、V3相電流が当該閉回路を通過するように、V相に対応する3つのフィルタ巻線14を結線することにより構成される。また、第3の閉回路は、W1相電流、W2相電流、W3相電流が当該閉回路を通過するように、W相に対応する3つのフィルタ巻線14を結線することにより構成される。
このような閉回路から構成される高調波磁束抑制要素は、閉回路に循環電流が誘起されることにより、磁気回路を流れる磁束、すなわち、磁束経路中の磁束のうち、所定のカットオフ周波数以上の高調波の交番磁束の通過を抑制する。換言すれば、この電動機10では、磁気回路を流れる磁束の中で、閉回路の特性(抵抗素子)によって決まるカットオフ周波数以上の高調波の交番磁束が3つのフィルタ巻線14で構成される閉回路によって通過が抑制される。高調波の交番磁束が減衰することで磁気回路を流れる磁束の波形の歪率が低減され、これにより、基本波成分比率が高められる。高調波の交番磁束のエネルギーは、この高調波磁束抑制要素での局部的な鉄損(渦電流損失やヒステリシス損失)として消費される。これにより、鉄損が低減されることになる。
高調波磁束抑制要素は、上述したように、所定のカットオフ周波数以上の交番磁束の通過を抑制して、磁気回路の鉄損を低減させるといった機能を有するものである。ここで、高調波磁束抑制要素によるカットオフ周波数が過度に小さいと、高調波の交番磁束だけでなく、電動機10のトルクに寄与する基本波成分までも減少させてしまうことになる。一方、高調波磁束抑制要素によるカットオフ周波数が過度に大きいと、磁気回路の鉄損を低減させるという本来の機能を達成できなくなる。このため、高調波磁束抑制要素は、電動機10の性能や用途に応じた最適なカットオフ周波数特性が得られるようにしておくことが望まれる。
このように本実施形態において、電動機10は、複数の磁気回路を流れる磁束のそれぞれにおいて所定のカットオフ周波数以上の高調波磁束を抑制する高調波磁束抑制要素を備える。また、磁気回路のそれぞれは、磁気回路が形成される磁性体の磁気的特性が互いに非対称に構成される。具体的には、ステータティース11aのそれぞれは、同相に対応するもの同士で、先端部の形状がロータ12の回転方向において互いに異ならされ、磁気回路が形成されるステータティース11aの磁気的特性は、同相に対応するもの同士で互いに異ならされている。また、高調波抑制要素は、同相に対応するフィルタ巻線14のそれぞれを並列接続した3個の閉回路で構成される。
電動機10において、電力変換器30を駆動方式としてPWM波電圧駆動を行う場合、電磁鋼板で形成されるステータ11やロータ12のコア部や、永久磁石15等の鉄損には、スロット高調波成分の他にPWM波電圧駆動に起因するキャリア高調波成分が含有され、鉄損増加の要因となる。
図3は、本実施形態にかかるステータティース11aを有する電動機10におけるU〜W相のコア部に鎖交する磁束のスペクトルを示す説明図である。先端形状が対称に形成されたステータティースを有する電動機において、U相、V相、W相のステータティースに鎖交する磁束のスペクトルは概ね同一である。U相、V相、W相は120度位相がずれているので、3つのフィルタ巻線14で構成される閉回路に誘起電圧差が発生しないため、当該閉回路(高調波磁束抑制要素)に電流が流れず、高調波磁束を抑制することはできない。しかしながら、本実施形態によれば、ステータティース11aの先端形状を非対称としている。これにより、各相においてスロット高調波成分に振幅差と位相差を発生させることができる。その結果、図3に示すように、各相の鎖交磁束スペクトルを異ならせることができることができる。また、図4は、位相情報も含めて各相の鎖交磁束のベクトル和を示す説明図である。ここで、同図において、四角のプロットは対称形状のステータティースを有する電動機に関するベクトル和を示し、菱形のプロットは、非対称形状のステータティース11aを有する電動機10に関するベクトル和を示す。同図から分かるように、非対称形状のステータティース11aを有する電動機10では、ベクトル和が有限の値を持つことがわかる。これにより、非対称形状のステータティース11aの場合、高調波磁束抑制要素である閉回路に循環電流が誘起され、磁気回路における磁束の高調波成分(スロット高調波成分)を抑制することができる。そのため、電動機全体の損失の増加を抑制することができ、電動機10の効率低下を抑制することができる。
また、本実施形態において、ステータ巻線13のそれぞれは、位相が異なる3種類のPWMキャリアを用いてPWM波電圧駆動される3個の3相インバータ31〜33を介して通電される。かかる構成によれば、スロット高調波成分に加え、キャリア高調波成分についても抑制できるので、電動機10の効率低下をより抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態にかかる電動機10について説明する。第2の実施形態にかかる電動機10が、第1の実施形態のそれと相違する点は、ステータティース11aの先端形状のパターンと高調波磁束抑制要素の回路構成である。第1の実施形態と共通する構成については説明を省略することとし、以下、相違点を中心に説明を行う。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる電動機10の構造を模式的に示す平面展開図である。本実施形態において、個々のステータティース11aの先端形状は、同相に対応するもの同士について、それぞれ同一形状に形成されている。具体的には、3組のU相(U1相〜U3相)のステータ巻線13が巻回されるステータティース11aの先端形状は、それぞれ同一形状に設定され、3組のV相(V1相〜V3相)のステータ巻線13が巻回されるステータティース11aの先端形状も、それぞれ同一形状に設定される。また、3組のW相(W1相〜W3相)のステータ巻線13が巻回されるステータティース11aの先端形状も、それぞれ同一形状に設定され。
これに対して、個々のステータティース11aの先端形状は、相毎に、それぞれが異なる形状(非対称)となるように設定されている。例えば、ノーマルなステータティースの先端形状を、全周囲において外側に突出する突出部を有するフランジ形状とする。本実施形態において、3組のU相に対応するステータティース11aの先端形状のそれぞれは、軸方向に延在する一対の側面部のうち、一方の側面部(図中の右側)に対応する突出部が切り欠かれた形状となっている。一方、3組のV相に対応するステータティース11aの先端形状のそれぞれは、全周囲において外側に突出する突出部を有するフランジ形状となっている。また、3組のW相に対応するステータティース11aの先端形状のそれぞれは、軸方向に延在する一対の側面部のうち、他方の側面部(図中の左側)に対応する突出部が切り欠かれた形状となっている。これにより、磁気回路が形成される磁性体(ステータティース11a)の磁気的特性が相毎に異ならされている。
以下、本実施形態の高調波磁束抑制要素について説明する。高調波磁束抑制要素は、各ステータティース11aに巻回されるフィルタ巻線14によって構成される。具体的には、高調波磁束抑制要素は、3つのフィルタ巻線14毎に、当該フィルタ巻線14同士を直列に結線した閉回路で構成される。9相の電動機10である本実施形態では、9つのフィルタ巻線14を備えるため、3つの閉回路に対応する高調波抑制要素が形成されることとなる。なお、個々の閉回路には、カットオフ周波数調整用かつ冷却用の抵抗素子が1つ設けられている。
個々のステータティース11aの先端形状が相互に異なる本実施形態において、個々の閉回路を構成する3つのフィルタ巻線14は、3つの3相インバータ31〜33からそれぞれ出力される各相の電流に応じて決定される。具体的には、1組の閉回路は、キャリア位相がそれぞれ異なるU相電流、V相電流、W相電流が当該閉回路を通過するように3つのフィルタ巻線14同士が結線されており、換言すれば、各相に対応するフィルタ巻線14のそれぞれを直列接続される。本実施形態において、第1の閉回路は、U1相電流、V2相電流、W3相電流が当該閉回路を通過するように、U1相、V2相、W3相に対応する3つのフィルタ巻線14を結線することにより構成される。第2の閉回路は、U2相電流、V3相電流、W1相電流が当該閉回路を通過するように、U2相、V3相、W1相に対応する3つのフィルタ巻線14を結線することにより構成される。また、第3の閉回路は、U3相電流、V1相電流、W2相電流が当該閉回路を通過するように、U3相、V1相、W2相に対応する3つのフィルタ巻線14を結線することにより構成される。
このように本実施形態において、電動機10は、複数の磁気回路を流れる磁束のそれぞれにおいて所定のカットオフ周波数以上の高調波磁束を抑制する高調波磁束抑制要素を備える。また、磁気回路のそれぞれは、磁気回路が形成される磁性体の磁気的特性が互いに非対称に構成される。具体的には、ステータティース11aのそれぞれは、相毎に、先端部の形状がロータ12の回転方向において異ならされ、磁気回路が形成されるステータティース11aの磁気的特性は相毎に異ならされている。また、高調波磁束抑制要素は、各相に対応するフィルタ巻線のそれぞれを直列接続した3個の閉回路で構成されている。
かかる構成によれば、第1の実施形態と同様に、高調波磁束抑制要素である閉回路に循環電流が誘起され、磁気回路における磁束の高調波成分(スロット高調波成分)を抑制することができる。そのため、電動機全体の損失の増加を抑制することができ、電動機10の効率低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、高調波磁束抑制要素である閉回路を構成する巻線が、第1の実施形態に示す手法と比べて短くすることが可能である。また、閉回路を構成する抵抗素子も各閉回路に一つ設ければよいので、構造の簡素化を図ることができる。
なお、ステータティース11aの先端形状を異ならせる手法は、上述した実施形態に限定されない。本実施形態では、ステータティース11aの先端部のフランジ部の長さ(ロータ12の回転方向に対応する長さ)を変更するものであるが、このフランジ部の位置をオフセットさせたりしてもよい。また、フランジ部を異なる形態で切り欠いたりしてもよい。
また、本実施形態では、ステータティース11aの先端形状を異ならせることで、磁気回路が形成される磁性体の磁気的特性を互いに非対称に構成しているが、磁気的特性を非対称に構成する手法はこれに限定されない。例えば、ステータティース11aの形状をすべて同一とした上で、磁気回路を構成する磁性体(ステータ11の一部やロータの一部)の導電率、ヒステリシス特性、板厚、飽和磁束密度および透磁率の少なくとも一つを互いに異なることでもよい。例えば、ステータ11を構成する積層鋼板の導電率や板厚を変えた場合には、磁束が交番した際の渦電流特性が変化し、鎖交する磁束の周波数によって位相差を与えることができる。また、飽和磁束密度や透磁率を変えた場合にも、飽和による周波数成分比率の変化を発生させることができる。
10…電動機
11…ステータ
11a…ステータティース
11b…バックヨーク
12…ロータ
13…ステータ巻線
14…フィルタ巻線
15…永久磁石
20…電源
30…電力変換器
31〜33…3相インバータ

Claims (10)

  1. ステータおよびロータを構成する磁性体により磁気回路が形成され、磁性体をコアとして巻回した複数のステータ巻線への通電がそれぞれ制御されることで各磁気回路に交番磁束が流れる電動機において、
    前記磁気回路のそれぞれを流れる磁束において所定のカットオフ周波数以上の高調波磁束を抑制する高調波磁束抑制要素を備え、
    前記磁気回路のそれぞれは、前記ステータ巻線のそれぞれに対応して、当該磁気回路を形成する磁性体の磁気的特性が非対称に構成されることを特徴とする電動機。
  2. 前記ステータは、相数のn(n:自然数)倍に対応するステータ巻線用の複数のティースを備え、
    前記磁気回路のそれぞれは、同相に対応するもの同士について、当該磁気回路を構成する磁性体の磁気的特性が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載された電動機。
  3. 前記ティースのそれぞれは、同相に対応するもの同士について、前記ロータと対向する先端部の形状が前記ロータの回転方向において互いに異なることを特徴とする請求項2に記載された電動機。
  4. 前記磁気回路のそれぞれはは、同相に対応するもの同士について、当該磁気回路が形成される前記磁性体の導電率、ヒステリシス特性、板厚、飽和磁束密度および透磁率の少なくとも一つが互いに異なることを特徴とする請求項2または3に記載された電動機。
  5. 前記複数のティースは、フィルタ巻線がそれぞれ巻回されており、
    前記高調波抑制要素は、同相に対応する前記フィルタ巻線のそれぞれを並列接続したn個の閉回路で構成されることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載された電動機。
  6. 前記ステータは、相数のn(n:自然数)倍に対応するステータ巻線用の複数のティースを備え、
    前記磁気回路のそれぞれは、相毎に、当該磁気回路が形成される磁性体の磁気的特性が異なることを特徴とする請求項1に記載された電動機。
  7. 前記ティースのそれぞれは、相毎に、前記ロータと対向する先端部の形状が前記ロータの回転方向において異なることを特徴とする請求項6に記載された電動機。
  8. 前記磁気回路のそれぞれは、相毎に、当該磁気回路が形成される磁性体の導電率、ヒステリシス特性、板厚、飽和磁束密度および透磁率の少なくとも一つが異なることを特徴とする請求項6または7に記載された電動機。
  9. 前記複数のティースは、フィルタ巻線がそれぞれ巻回されており、
    前記高調波抑制要素は、各相に対応するフィルタ巻線のそれぞれを直列接続したn個の閉回路で構成されることを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載された電動機。
  10. 前記ステータ巻線のそれぞれは、位相が異なるn種類のPWMキャリアを用いてPWM波電圧駆動されるn個の多相インバータを介して通電されることを特徴とする請求項2から9のいずれか一項に記載された電動機。
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