JP2008299904A - 光学素子および光ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号光と焦点距離が異なって入射する迷光とが干渉せずに信号光を受光させるための素子を提供する。
【解決手段】中心点13より放射状の構造を有し中心点13の円周方向の断面が周期的な光学距離の凹凸となることを特徴とする光学素子10を備え、光学素子10に光を入射させ光を中心点より外側に回折させることで焦点距離の異なる信号光と迷光とが重なる領域を分離させ、信号光に対する明光の干渉を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を回折する回折素子およびこの回折素子を備えて光記録媒体(以下、光ディスク)に対し、光学的情報を記録したり再生したりする光ヘッド装置に関する。
近年、光ディスク記録再生装置が各種開発されており、コンテンツの情報量が年々増加傾向にあり、光ディスク記録容量のさらなる増加が期待されている。光ディスクの記録容量を増加させる手段の一つとして光ディスク内にある情報記録層を多層化させる技術があり、複数の情報記録層を有する光ディスク(以下、多層ディスク)および多層ディスクをアクセス対象とする光ディスク装置が開発されている。
多層ディスクは、情報記録層と情報と記録層の間隔が広いと球面収差の影響によりアクセスする情報記録層からの信号が劣化しやすいため、多層ディスクの情報記録層間の間隔を狭くする傾向にある。しかしながら、多層ディスクの情報記録層間の間隔が狭くなると、いわゆる層間クロストークにより、多層ディスクからの戻り光束には、目的とする情報記録層からの反射光(以下、信号光)だけでなく、目的とする情報記録層以外の情報記録層からの反射光(以下、迷光)も高いレベルで含まれることとなり、記録情報再生信号のS/N低下するという課題があった。
これに対して、光検出器で戻り光束を受光する手前に設置されたピンホールにより迷光を排除させて多層ディスク再生時に層間クロストークを低減させる提案(特許文献1)や、偏光子と液晶パネルとを組み合わせることによって信号光が通過する位置の光のみを透過させるように液晶パネルの信号光通過位置を電圧制御して層間クロストークを低減させる提案(特許文献2)がされている。
このほかに、信号光が集光する点と迷光が集光する点の間に2枚の分割波長板を設け、光の中心が分割波長板境界になるように配置することで信号光と迷光との偏光状態を異なるようにし、偏光子によって信号光のみを抽出する方法が提案されている(特許文献3)。
特許第2624255号公報 特開2007−18603号公報 特開2006−344344号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている装置において、光検出器に入射する迷光成分をさらに減少させるには、ピンホールの径をさらに小さくする必要があるため、光検出器に入射する迷光成分に加えて信号光成分も減少してしまうという不都合があった。また、一度信号光を集光させ、迷光と信号光が集光するポイントが異なることを利用して問題解決を図っていたため、集光ポイントもしくは、集光ポイントと同軸上にマイクロメーターオーダーの位置合わせを必要とする素子を配置しなければならず、作製上非常に困難であった。さらに、新たなレンズ系を必要とし光ヘッド装置の光路長の増大やサイズの増大により、コスト的にも負荷が大きくなるといった問題点もある。
一方、特許文献2に開示されている装置は、新たな光学系を必要とすることは変わらず、さらに、液晶パネルを用いることで更にコストが増大するという課題がある。また、特許文献3に開示されている装置はピンホールを用いたものよりも特性が向上するが、高い位置合わせ精度が要求されることには変わらず、分割波長板の分割位置も同様に高い精度が要求されるためコスト的が増大するという課題がある。また、新たな光学系が必要となることで、光ヘッド装置の大型化を引き起こしてしまう。
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、位置調整が容易であり、新たな光学系を追加する必要がなく、焦点が異なる光のうちの一方の光を効率よく低減できる素子、多層光ディスクの層間クロストークを効果的に低減できる光ヘッド装置を提供することを目的とする。
本発明は、入射する光の進行方向を変えて透過させる位相変調型回折光学素子であって、前記位相変調型回折光学素子は、前記光が入射する面に前記光を回折させる放射状の構造の領域を有し、前記放射状の構造の領域は、前記放射状の構造の中心を中心点として、前記中心点と前記放射状の構造を有する領域の境界との最短距離をrとするとき、前記中心点より厚さ方向の光学距離が半径x(0<x≦r)の円周方向一回りで2以上の一定数の周期からなる周期構造を有する位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成では、位相変調型回折光学素子の放射状の構造の中心を軸として入射する光が外側に回折されて透過する。したがって、位相変調型回折光学素子を透過する、光軸と垂直となる平面の光の形状は環状となる。また、光軸がほぼ等しく焦点位置が異なる例えば光ヘッド装置の信号光と迷光のような集光が入射されると、光軸と垂直な平面位置を調整して2つの環状の光の形状を示すことができる。これにより、焦点位置の異なる光を分離させることができ、一方の光を不要光とするような光学系ではS/Nの改善、干渉の低減によって層間クロストークの改善ができる。入射する光の光学距離を異ならせる構造としては、同一材料で物理的な光学距離の凹凸がある構造でもよいし、2種類以上の光学材料を用いて光学距離の凹凸を持たせる構造であってもよい。
また、前記位相変調型回折光学素子が同一の材料で形成され、前記周期構造の断面が凹凸の形状を有する上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、同一の材料を凹凸の形状に加工する簡潔なプロセスで位相変調型回折光学素子を作製することができる。また、凹凸の周期は凹部と凸部が1つずつのみ含むとは限らず複数の組み合わせであってもよい。凹凸の形状も矩形に限らず、階段形状やブレーズ形状、正弦波形状やそれらの組み合わせでもよい。また、凹部と凸部との境界は中心点から放射状に直線状と限らず曲線状であってもよい。
また、前記断面の前記凹凸の1周期は、1つの凹部と1つの凸部とからなる上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、ブレーズ形状や三角形状の凹凸形状も含め、回折効率を向上させることができる。よって、信号光と迷光の分離精度がより向上し、S/Nが改善するので好ましい。
また、前記凹凸の形状が矩形である上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、位相変調型回折光学素子の作製が容易であるため、低コスト化が実現できる。
前記凹凸の溝部を凹凸を形成する材料とは異なる屈折率を有する材料で充填平坦化されている上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、溝部を充填することで、形状的に外力等に弱い部分を保護することができ、信頼性等が向上する。溝部は凹凸の最大高さより低く凹みとなっている空間であり、後述する凹部とは必ずしも同一ではない。
また、前記凹凸を形成する材料または前記凹凸の溝部を充填平坦化する材料のいずれか一方が屈折率異方性を有し、屈折率異方性を有する材料の常光屈折率(n)または異常光屈折率(n)が他方の材料の屈折率に略等しい上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、偏光状態により回折作用する偏光状態と回折作用しない偏光状態とを選択することができる。例えば、光源と多層ディスクへの光路である往路と多層ディスクから光検出器の光路である復路にて偏光方向が直交するような光ヘッド装置の光学系において、本発明の素子を光が往路にて透過する場合には作用せず、復路にて透過する場合にのみ作用する素子を作製できる。この構成により、利用効率の向上や素子配置上の制約が少なくなることでのクロストーク低減効果がより向上するような配置構成ができ、設計自由度を大きくすることができる。
また、前記光が入射する面の前記光が照射される部分である有効領域の外縁が前記中心点を囲んで外側にある上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、位相変調型回折光学素子を透過する光は、放射状の構造の中心より外側に回折され、光軸がほぼ等しく焦点位置が異なる光を制御よく分離することができる。
また、前記入射する光の光軸が前記中心点に略一致して通過する上記に記載の位相変調型回折光学素子を提供する。
この構成により、位相変調型回折光学素子を透過する光は、光軸を中心に光量が均等に外側に回折されやすく、光軸がほぼ等しく焦点位置が異なる光を制御よく分離することができる。
また、光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反射された戻り光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記光ディスクから光検出器へ向かう戻り光の光路中に前記位相変調型回折光学素子を備え、前記位相変調型回折光学素子は、前記情報記録面からの戻り光である信号光を前記光検出器の受光エリアに導くとともに、前記情報記録面とは異なる前記光ディスクの面からの戻り光である迷光を前記光検出器の受光エリアから排除させる光ヘッド装置を提供する。
この構成により、多層ディスク等を再生する光ヘッド装置において層間クロストークが改善でき、良好なRF信号、サーボ信号を得て再生することが可能となる。光ヘッド装置では信号光の焦点近傍に光検出器を配置することで、通過する光束のうち迷光成分の多くを信号光から分離でき、これらの光の干渉が抑制される。さらに、迷光は焦点位置の関係で信号光より大きく回折することにより光検出器の受光エリアに導かれる光量が減少する。一方、信号光は回折するものの光検出器上の光量はほぼ回折前と同じとなることでS/Nの改善から層間クロストークの改善できる。
また、光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反射された戻り光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記戻り光の光路中に前記位相変調光学素子と、分割波長板と、シリンドリカルレンズと、を備え、前記分割波長板は、前記戻り光が入射する面の前記戻り光が入射する部分が進相領域Rと遅相領域Rに分割され、前記進相領域Rと遅相領域Rを透過する波長λの前記戻り光の位相をそれぞれ、P、Pとするときの位相差(P−P)が略λ/2となり、前記シリンドリカルレンズにより、前記光検出器の前記受光エリアに前記信号光が導かれかつ前記迷光が導かれないか、前記受光エリアの前記信号光と前記迷光とが重なって導かれる部分の前記信号光と前記迷光との位相差が略λ/2となる光ヘッド装置を提供する。
この構成では、シリンドリカルレンズの非点収差法によりシリンドリカルレンズの曲率方向とその垂直方向との焦点距離が異なること、分割波長板により光を通過させる領域ごとの光の位相差を実質的にλ/2とすること、を利用して位相変調光学素子を通過する信号光と迷光との干渉を抑制させることができる。この構成では、光検出器の受光エリアに信号光を導き、迷光を排除させることもできるが、迷光の一部が受光エリアに導かれて信号光と重なって受光されても干渉を抑制することができる。分割波長板の分割領域の形状や分割状態はとくに制限がなく、非点収差法によって受光する光検出器の位置を調整して信号光と迷光との位相差がλ/2となっていればよい。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の位相変調型回折光学素子の構成について図1および図2を用いて説明する。図1(a)は本発明の回折素子10の平面模式図を示しており、透明基板により形成される位相変調型回折光学素子10の上面には、中心半径が一定となる円周方向に周期構造を有し、その構造ごとに凸部領域11と凹部領域12の2つの領域の断面が矩形の凹凸となるように交互にパターンニングされている。以下、この円周方向の凹凸の周期構造を回折格子構造という。
図1(b)は図1(a)の斜視図であり、凸部の高さ(凹部の深さ)は特定の波長帯の光が位相変調型回折光学素子10に垂直に入射すると凸部領域11と凹部領域12を透過する光の位相差が半波長分となるように設定されている。この設計によって光は全回折し、中心13近辺を直進する光の成分がほぼ0となる。回折格子構造は、少なくとも光が入射する有効領域に施されていればよく、光が入射しない有効領域外に回折格子構造が無くとも問題はない。また、この凹凸は入射する光の光学距離を異ならせ、回折を発現させるための構造であるので、このほかに例えば2種類以上の適切な光学材料を組み合わせて光学距離を異ならせて凹凸のない平面形状としてもよい。以下は、同一の材料において凹凸形状を有する構造について説明する。
光は光軸と図1の中心13が一致して通過しなくても図1の中心13より外側に回折させることができる。また、光軸と位相変調型回折光学素子10の中心13とが一致していると、外側に均等な回折光になって制御しやすく好ましい。光軸と中心13は必ずしも一致させなくてもよいが、少なくとも位相変調型回折光学素子10の中心13は光が入射する有効領域の外縁より内側に位置させて、透過する光が環状の回折光となるようにする。これらのことから、有効領域は入射する光の形状に合わせてもよいので、図1のような円形に限らず、例えば入射光の形状が楕円であれば中心を内側に囲み、この円形の位相変調型回折光学素子を有効領域に合わせて楕円形に切り取った形であってもよい。有効領域とならない部分はどのような材料や形状でもよいので、位相変調型回折光学素子の外形などは任意に設計してよい。
また、図1の円周方向の断面の凹凸からなる回折格子構造は矩形に限らず、図1(d)のようにブレーズ形状であってもよく、とくに凹凸の深さを適切に設定することで信号光強度が上がるため好ましい。このほかに、三角波形状、正弦波形状であってもよい。断面の凹凸の凸部は、矩形であれば円周方向に隣接する部分よりも高い部分、凹部は円周方向に隣接する部分より低い部分を示す。ブレーズ形状、三角波形状、正弦波形状などであれば、凸部は極大値点と隣り合う極小値点との中間の高さよりも高い部分であり、凹部は極小値点と隣り合う極大値点との中間の高さよりも低い部分とする。1つの凸部と隣接する1つの凹部とを合わせて1つの凹凸とするとき、円周方向の断面の周期は1つの凹凸で構成されているとは限らず図1(c)のように、2つ以上連続する凹凸を1つの周期18としてもよい。
また、回折格子構造は各形状に合わせて入射光を全回折させる深さに設定することで、光検出器上に照射される信号光の領域から再生する信号層以外の層から反射される迷光を分離させることができるため好ましい。
回折格子構造の中心13からの半径が等しく円周方向に隣り合う凹部(または凸部)の幅の中心点間をピッチとするとき、回折格子構造のピッチ、形状は、使用する光ヘッド装置の方式、光検出器の受光エリア形状、これらの光学位置が最適になるように設計することができる。図1(a)のように円の中央部分が外周部分に比べてピッチが小さくなるように設計されていることによって、迷光になりやすい部分の光がより大きく回折されて光検出器に導かれるため好ましい場合が多い。また、一定の半径の円周において回折格子構造の単位角度あたりの凹凸の数(角周波数)を多くすると光がより遠くへ回折させることができる。一方、角周波数を大きくしすぎると光検出器上に迷光だけでなく信号光もなくなることもあるので、使用する光ヘッド装置と光学配置を適切に設定するとよい。
回折格子構造は、図1(b)、図1(d)のように中心より円周に向かう直線上は一定の高さ(深さ)の形状に限らず、例えば図1(e)のようにある半径より外側の円周方向の断面の凹凸の形状が、その半径より内側の円周方向の断面の凹凸対して円周方向に位相がシフトしているような形でもよい。ただし、この場合はシフトしている外側の放射状の構造の中心は内側の構造と同一である。また、凹凸の凹部(溝部)に異なる材料を形成し、各材料の屈折率差を利用して光が全回折するような位相差が得られるようにしてもよい。
透明基板は、例えば石英、無アルカリガラス、アルカリガラスのようなガラス材料や、アクリル等の樹脂材料で構成されるが、耐熱性及び耐久性に優れる点でガラス材料が好ましい。形成される透明基板の両面にはARコートが施されていると、透過率が上がるためより好ましい。また、回折格子構造を形成する材料は基板と同一の材料でもよく凹凸を形成する材料が基板の材料と異なっていてもよい。また、回折格子構造の溝部を透明材料で充填平坦化すると信頼性が向上するため好ましい。
本発明の位相変調型回折光学素子は透明基板で形成されているが、レンズ、位相差板、遮光膜、分割波長板およびデポラライザなどを積層することで省スペース化を実現できる。また、遮光膜、分割波長板およびデポラライザは層間クロストークの低減効果をより高めることができるため好ましい。
次に、図2の位相変調型回折光学素子10を通過する前後の光の断面形状の概念図を用いて本発明の原理を説明する。簡単のため、入射する光の光軸は中心13と一致する光学系として説明する。図2(a)は透過前の光の形状を示し、図2(b)は透過直後の光の形状を示す。上記のように位相変調型回折光学素子の円の中心部を通過する光は凹凸のピッチが短いため外側に遠く回折し、周辺部を通過する光も中心部よりも凹凸のピッチは長いので外側へ回折されるが中心部よりも大きく回折はしない。この原理より断面の凹凸が矩形の場合、図2(a)で示す円形スポットの光の照射領域から図2(b)のような環状の領域に変換される。また、図1(d)のように位相変調型回折光学素子10の周期構造をブレーズ形状とする場合は、図2(c)のように回折光は、リング形状となる。ブレーズ形状は、断面が矩形ときの回折光に比べ、中心より外側へも内側へも回折光が広がりにくく設計でき、迷光の制御がしやすくS/Nが向上するだけでなく迷光部分の領域が小さくなるので、光軸が異なる信号光と迷光を分離する際にも制御しやすいので好ましい。
光検出器は信号光がほぼ焦点に近い光学位置に配置されるとき、焦点位置が異なる迷光は集光されず大きく広がっている状態で光検出器に照射される。図2(b)に示すように回折格子構造によって環状に光が変換されると、光検出器上で集光される信号光も環状で集光される。一方、集光されない迷光は光検出器上で信号光に比べて大きな環状の光となり、光検出器にて検出させないようにでき、迷光を排除させることができる。また、信号光は光検出器上では小さな環状の光に変換されるが、上記回折格子構造の角周波数を調整して信号光を光検出器の受光エリア上から出ない程度にすることができる。
回折格子構造を形成している材料は、透明な材料であれば、有機材料、無機材料のどちらでも、透明基板上に回折格子構造を有する膜を積層してもよいが、透明基板表面に形成するとプロセス上好ましい。有機材料としてはアクリル系、エポキシ系をはじめ、その他の透明樹脂などが利用でき、無機材料としては石英をはじめ、その他のガラス材料などが利用できる。有機材料は加工が簡単であるため好ましく、無機材料は、耐久性、信頼性の面で好ましい。
また例えば、屈折率異方性のある材料を用いて、回折格子構造の溝部を前記材料の常光屈折率または異常光屈折率と略等しい屈折率を有する等方性材料で充填平坦化することで、入射する光の偏光方向によって光をほぼ透過させたり、光をほぼ回折させることができる。したがって、光の偏光依存性がある素子が作製でき、偏光系の光ヘッド装置では透過率、光ヘッド装置の特性の劣化なく、位相変調回折光学素子を配置する自由度が高くなるため好ましい。
また、回折格子構造を波長依存性のある材料で形成すると上記のように回折する波長の光を選択できるように組み合わせることもでき、複数の波長の光が通る光路上にも配置することができる。この場合、上記回折機能を施す必要がない波長の光が入射する光ヘッド装置に組み込んでも特性を劣化させることなく利用できてよい。例えば、多層光ディスク再生用の波長では回折させて迷光を低減できる光学系と、単層光ディスク再生用の波長では回折作用がなく光検出器に光を導く光学系を実現することができる。
本発明の位相変調型回折光学素子は、回折格子構造を、エッチングプロセス、射出成型およびエンボス加工などの方法で作製できる。詳細は実施例にて説明する。また、戻り光透過ではなく反射させて利用する場合であれば、回折格子構造を形成している材料、基板材料ともに、透明材料に限らず、金属膜、多層膜など光を反射する材料が利用できる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の光ヘッド装置の構成について図3を用いて説明する。本実施の形態の光ヘッド装置20は、直線偏光の光を出射する半導体レーザー21と偏光ビームスプリッタ22と入射された直線偏光の光を平行化するコリメータレンズ23と直線偏光の光を円偏光に光に変換する1/4波長板24と対物レンズ25と本発明の位相変調型回折光学素子10と光検出器27とを備えている。
半導体レーザー21が紙面に平行な振動方向となる直線偏光の光を出射し、偏光ビームスプリッタ22を経て、コリメータレンズ23にて平行化される。そして、1/4波長板24にて円偏光の光に変換され、対物レンズ25にて光ディスク26の図示しない情報記録層上に集光される。集光された光は情報記録層にて反射され、対物レンズ25を通り1/4波長板24にて紙面に垂直な振動方向となる直線偏光の光へ変換され、コリメータレンズ23を透過する。その後、偏光ビームスプリッタ22にて光路が光検出器側に偏向され、本発明の位相変調型回折光学素子10を経て、信号光の集光経路28で光検出器27へ入射する。このとき、図示しない再生する情報記録層以外の層からの反射光である迷光も同様に光検出器27へ入射する。図3に迷光の集光経路として、再生する情報記録層より半導体レーザー側の層からの反射光の集光経路29a、再生する情報記録層より半導体レーザーと逆側の層からの反射光の集光経路29bを示す。集光状態にある信号光と比べて、これらいずれの迷光も光検出器28の位置では光が広がっている。
図4(a)に本発明の位相変調型回折光学素子を利用しなかった場合の光検出器上の迷光4、信号光5の照射領域、図4(b)に利用した場合の光検出器上の迷光6、信号光7の照射領域の模式図を示す。また、図4(a)、図4(b)の一点鎖線の交点は入射する光の光軸を示す。図4(a)では、信号光領域6と迷光領域5とが重なる領域ができ、光検出器の受光エリアの形状によらず迷光が受光エリア上に照射され、さらに信号光と迷光とが互いに干渉する。
一方、偏光ビームスプリッタと光検出器との間の光路中に本発明の位相変調型回折光学素子を配置すると、図4(b)に示すように、信号光領域8と迷光領域7とが重なる領域はなくなり、光検出器の受光エリアのパターンを適切に設計することによって迷光領域を排除することができる。
以上のように本実施の形態の光ヘッド装置20によれば、位相変調型回折光学素子10によって迷光を大きく回折させることによって光検出器への迷光の照射を排除できる。さらに、信号光は光強度の減少を抑えて光検出器に導くことができるので、このような多層光ディスクの層間クロストークの低減に効果があることがわかる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の光ヘッド装置の構成を図5の非点収差法を用いる光ヘッド装置を例にとって説明する。本実施の形態の光ヘッド装置30は、直線偏光の光を出射する半導体レーザー21と偏光ビームスプリッタ22と入射された直線偏光の光を平行化するコリメータレンズ23と直線偏光の光を円偏光の光に変換する1/4波長板24と対物レンズ25とシリンドリカルレンズ50と本発明の回折素子10と分割波長板40と光検出器27を備えている。また、3ビーム法を用いる光ヘッド装置では、グレーティング28を備える。
半導体レーザー21が紙面に平行な振動方向となる直線偏光の光を出射し、偏光ビームスプリッタ22を経て、コリメータレンズ23にて平行化される。3ビーム法では、グレーティング28によって入射する光を回折させ、1つのメインビームと2つのサブビームにする。直線偏光の光は1/4波長板24にて円偏光の光に変換され、対物レンズ25にて光ディスク26の図示しない情報記録層上に集光される。情報記録層に集光された光は、反射され、対物レンズ25を通過して1/4波長板24にて紙面に垂直な振動方向となる直線偏光の光へ変換され、コリメータレンズ23を透過する。そして、偏光ビームスプリッタ22にて光検出器側に偏向され、本発明の位相変調型回折光学素子10、分割波長板40、シリンドリカルレンズ50を経て光検出器27へ入射する。このとき、再生しようとする情報記録層以外の層からの反射光となる迷光も光検出器27へ入射する。また、位相変調型回折光学素子10は実施の形態1で説明したものと同様のものである。
図6〜図8を用いて位相変調型回折光学素子10と分割波長板40とを組み合わせることによりクロストークの低減効果が向上する原理を説明する。例として、分割波長板40は、図6に示すように対角線上にて2種類の領域に分割され、進相領域である41aおよび41bでは光の変調がなく透過させ、遅相領域である42aおよび42bでは波長λで入射する光に対してλ/2板として機能する。また、この分割波長板40とシリンドリカルレンズ50とを組み合わせるとき、シリンドリカルレンズの曲率方向が図6の43の方向になるように配置する。
図7は集光中の光がシリンドリカルレンズに入射して透過する状態を示す模式図である。シリンドリカルレンズは曲率方向の光を集光させるので、非点収差法によって集光中の光のうち曲率方向の光51は先に焦点53を結び、一方で曲率方向と直交する方向の光52は遠くに焦点54を結ぶ。また、上記振る舞いをする光を信号光とすると、信号光を検出する光検出器は焦点位置53と焦点位置54の光軸の間に配置させる。これより、光検出器では、光軸を含みシリンドリカルレンズの曲率と直交する面(光52の面)を基準に上下空間を進む光が焦点53より先でクロスした状態で検出される。
一方、光検出器を上記のような配置とすると、シリンドリカルレンズ50を透過して光検出器上に検出される迷光は、シリンドリカルレンズの曲率方向の焦点位置および曲率方向と直交する方向の焦点位置を越えて光軸に対してクロスした発散状態または、いずれの方向も焦点位置の手前となる集光状態とすることが可能である。分割波長板40とシリンドリカルレンズ50とを、シリンドリカルレンズの曲率方向を43の方向となるように配置すると、信号光のうち41aの領域を透過する光と42aの領域を透過する光とが入れ替わり、同様に41bの領域を透過する光と42bの領域を透過する光とが入れ替わった状態になる。一方、迷光は上述の焦点位置の関係からこれらの領域が入れ替わらないまたは、曲率方向と曲率方向と直交する方向の2方向つまり、進相領域である41aと41b、および遅相領域である42aと42bとを通過する光が入れ替わるので、空間的な光の偏光状態は結果的に変化しない。分割波長板の42aおよび42bの領域はλ/2板として作用するので、光検出器上では信号光と迷光との偏光状態が直交する。
例えば、図8に信号光と迷光とが光検出器上で重なって照射されるときの模式図を示すが、光検出器の受光エリア63上において回折される迷光62や信号光61に重なる場合でも、重なった部分の偏光状態が互いに直交状態となるために干渉せず層間クロストークが抑えられる効果がある。
位相変調型回折光学素子、分割波長板、シリンドリカルレンズの光学配置はこの形態に限らず、異なる順番であっても迷光が信号光に重ならずに光検出器に入射するまたは、一部これらが重なっても偏光状態が異なっていればよい。また、分割波長板には、波長λで入射する光の位相差がλ/2となる2種類の領域があれば多くの組み合わせによって実現できるが、一方の領域を無変調として他方をλ/2の位相差を持たせると簡便になり好ましい。
また、分割波長板40は図6に示す形状や分割配置に限らないが、シリンドリカルレンズの曲率方向となる第1の軸43と直交する方向となる第2の軸44の軸対称となる領域を透過する光の偏光方向が互いに異なる部分が大きくかつ、透過する光の偏光方向が互いに直交となる構造とすることで、光検出器上の信号光と迷光との偏光状態が異なるようになり好ましい。分割波長板は、シリンドリカルレンズ、光検出器の配置によって信号光と迷光との干渉がもっとも少なくできるように設計する方が良い場合があり、例えば3ビーム法などの複数の光検出器を使用するような方式が当てはまる。
また、シリンドリカルレンズの曲率方向と分割波長板の分割線は必ずしも一致しなくてよい場合もある。例えば、迷光の光軸の延長線上に光検出器の受光エリアが配置されない光学系においては、本発明の位相変調型回折光学素子を透過する光が図1(a)の13を中心として円周方向にも回折する場合がある。このとき、分割波長板の分割線とシリンドリカルレンズの曲率方向も回折光の変化に合わせて調整する必要性がある。また、他の例として本発明の位相変調型回折光学素子が図1(c)のように1つの周期が2つの凹凸以上からなる構造では回折する環状の光の形状に合わせて分割波長板の進相領域、遅相領域を決めることで、各領域を透過した各偏光状態の光の形状が異なるようにすることができるので迷光との干渉性を効果的に減少できてよい。
このように、分割波長板を用いることで、光検出器上で信号光と迷光が重なっても干渉が抑えられることから、迷光を大きく外側に回折させなくてもよく、回折素子10の回折格子構造のピッチを大きくでき好ましい。また、光検出器で検出される信号光のリング形状も小さくなるので、信号光の光量が大きくなり好ましい。このように位相変調型回折光学素子と分割波長板とを組み合わせて用いると、層間クロストークの低減効果が向上し好ましい。
分割波長板は、エッチング、貼り合わせなどで作製が可能であり、位相変調型回折光学素子と一体化すると小型化、信頼性が向上し好ましい。分割波長板の材料は、有機フィルムを延伸したもの、液晶性ポリマー、水晶などの複屈折材料が利用できる。
以上のことから、本発明の回折素子と分割波長板を利用することで信号光と迷光とが互いに干渉しなくなり、層間クロストークが改善がされる。また、光検出器上の迷光成分はサブビーム光検出に作用する左右の光受光エリアに均等に照射されるためにプッシュプル信号を生成する演算の際にオフセットが取り除かれ、影響を小さくすることができる。
本発明の実施例について図1〜図8を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず本発明の第1の実施例を説明する。図1は本発明の構成を示す位相変調型回折光学素子の主要部である。したがって、実際は光が入射されない円形部の外側の構造・材料や回折素子自体の外形は任意であり、実施例では製造上の簡便より外形は四角形の回折素子を作製する。透明基板12として、厚さ0.5mmのガラス基板の上面に図示しないフォトレジストを塗布する。図2の領域11のみ光が透過するようなフォトマスクを用いてUV露光して現像を行い、フォトレジストを領域11のみに分布させる。次に、約430nmエッチングを行いガラス基板の上面に図2のような周期構造を作製する。また、405nmにおけるガラスの屈折率は1.47である。その後、レジストを除去し、ガラス基板の両面に図示しないAR処理を施す。
最後に、複数作製した回折素子をダイシングソーにて5mm×5mmに切断し、光ヘッド装置に適用できる形状とする。切断後、波長633nmのHe−Neレーザーを用いてこの位相変調型回折光学素子の透過波面収差を測定すると、25mλrms以下であり、光ヘッド装置用の透過波面収差として十分に使用できることが確認される。この、位相変調型回折光学素子を第2の実施形態のように光ヘッド装置に搭載し、多層光ディスクの情報記録層の信号を読み取ると、層間クロストークによる迷光ノイズの低減が確認される。
[実施例2]
次に本発明の第2の実施例を説明する。図9は本発明の位相変調型回折光学素子と分割波長板を積層させた素子の構成図である。説明のため積層部が2つの部分に分かれているが実際は一体化されている。この構成図も同様に主要部のみであり、実際には上述のように外形の形状は任意である。簡便のために本実施例では四角形の外形の素子を例とする。
実施例1と同様にエッチングにて表面に回折格子構造を有する厚さ0.5mmのガラス基板71を形成する。ガラス基板71の回折格子構造を有する面と反対面にポリイミドの被膜を形成し、ラビングにより水平配向処理をして配向膜72とする。配向膜72のガラス基板の対向面上に図示しない直径4.0μmのSiOビーズをスペーサとして散布する。その後、図示しないポリイミド配向膜付きガラスを用意する。ポリイミド付きガラスのポリイミド配向膜上を離散化処理し、ラビング方向が平行となるように配置する。
さらに、ポリイミド配向膜付きガラスの外周部に図示しない熱硬化型のエポキシシール材を印刷する。対向させた配向膜付ガラス基板と離散化処理されたポリイミド配向膜付きガラス基板をエポキシシール材で固定し、2枚のガラス基板間のギャップが4.0μmの液晶セルを形成する。このように対向させた2枚のガラス基板の4.0μmのスペースに液晶モノマーを注入し、挟持させる。
液晶材料は、光重合開始剤としてベンゾインニソプロピルエーテルが0.5%添加されたUV硬化性の液晶モノマー組成物である。また、注入した高分子液晶モノマーは重合後のポリマーにおける屈折率異方性Δnが405nmの波長の光で0.05である。
波長365nmのUV光を液晶材料全体に照射し、水平配向状態のまま液晶モノマー組成物全体を重合・固化する。30分間140℃の熱処理をして、厚さ4.0μmの水平配向した高分子液晶層31を形成する。その後、上記の離型化処理されたポリイミド配向膜付きガラス基板を除去する。これより、ガラス基板71上の配向膜72の上に水平配向した4.0μmの厚さの高分子液晶の層を形成する。
高分子液晶の層を実施例1と同様のエッチングプロセスにより図6のように2つの高分子液晶膜73をパターニングし、分割波長板の作用がなすようにパターンニングする。
ガラス基板71上の配向膜72の上にパターンニングされた高分子液晶膜73の上にUV接着剤を滴下し、AR処理を施された基板73と重ね合わせる。UV接着剤層74の最も薄い部分を5μmとする。挟持されたUV接着剤領域に5000mJ、365nmのUV光を照射することによりUV接着剤層74とし、発明した位相変調型回折光学素子と分割波長板を一体化する。
最後に、作成した位相変調型回折光学素子をダイシングソーにより外形5mm×5mmに切断し、光ヘッド装置に適用できる形状とする。切断後、波長633nmのHe−Neレーザーを用いてこの広帯域波長板の透過波面収差を測定すると、25mλrms以下であり、光ヘッド装置用の透過波面収差として十分に使用できることが確認される。本素子を非点収差法を利用する光ヘッド装置にて使用したところ、層間クロストークの改善が確認される。
以上説明したように、本発明の位相変調型回折光学素子を利用すれば、焦点位置の異なる信号光成分と迷光成分とが混在する光束から信号光成分を効率よく抽出、分離できる。複数の記録層を有する光記録媒体を再生する光ヘッド装置に、本発明の位相変調型回折光学素子を利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る位相変調型回折光学素子 本発明の第1の実施形態に係る位相変調型回折光学素子に入射する光の透過前後の形状変化を示す模式図 本発明の第1の実施形態に係る光ヘッド装置の構成模式図 本発明の第1の実施形態に係る位相変調型回折光学素子に入射する信号光、迷光の透過前後の形状変化を示す模式図 本発明の第3の実施形態に係る光ヘッド装置の構成模式図 分割波長板の分割模式図 シリンドリカルレンズを通過する光の焦点の関係図 光ヘッド装置のフォトディテクター上のサブビームと迷光の状態の一例の模式図 本発明の位相変調型回折光学素子と分割波長板を一体化した素子の模式図
符号の説明
1:相変調型回折光学素子通過前の光の形状
2、3:位相変調型回折光学素子通過後の光の形状
4:位相変調型回折光学素子通過前の迷光の形状
5:位相変調型回折光学素子通過前の信号光の形状
6:位相変調型回折光学素子通過後の迷光の形状
7:位相変調型回折光学素子通過後の信号光の形状
10、15、19、71、80:位相変調型回折光学素子
11、16、81:凸部領域
12、17、82:凹部領域
13:放射状の構造の中心点
18:凹凸の1周期
20、30:光ヘッド装置
21:半導体レーザー
22:偏光ビームスプリッタ
23:コリメータレンズ
24:1/4波長板
25:対物レンズ
26:多層光ディスク
27:光検出器
28:信号光の集光経路
29a、29b:迷光の集光経路
31:グレーティング
40:分割波長板
41a、41b:無変調領域
42a、42b:1/2波長板領域
43:第1の軸
44:第2の軸
50:シリンドリカルレンズ
51:シリンドリカルレンズの曲率方向の光
52:シリンドリカルレンズの曲率方向と直交する光
53:シリンドリカルレンズの曲率方向の光の焦点
54:シリンドリカルレンズの曲率方向と直交する光の焦点
61:光検出器の受光エリア上の信号光
62:迷光
63:光検出器の受光エリア
70:位相変調型回折光学素子と分割波長板との積層素子
71、75:ガラス基板
72:配向膜
73:高分子液晶膜
74:UV接着剤層

Claims (10)

  1. 入射する光の進行方向を変えて透過させる位相変調型回折光学素子であって、
    前記位相変調型回折光学素子は、前記光が入射する面に前記光を回折させる放射状の構造の領域を有し、
    前記放射状の構造の領域は、前記放射状の構造の中心を中心点として、前記中心点と前記放射状の構造を有する領域の境界との最短距離をrとするとき、前記中心点より厚さ方向の光学距離が半径x(0<x≦r)の円周方向一回りで2以上の一定数の周期からなる周期構造を有する位相変調型回折光学素子。
  2. 前記位相変調型回折光学素子が同一の材料で形成され、前記周期構造の断面が凹凸の形状を有する請求項1に記載の位相変調型回折光学素子。
  3. 前記断面の前記凹凸の1周期は、1つの凹部と1つの凸部とからなる請求項1または請求項2に記載の位相変調型回折光学素子。
  4. 前記凹凸の形状が矩形である請求項1〜請求項3に記載の位相変調型回折光学素子。
  5. 前記凹凸の溝部を凹凸を形成する材料とは異なる屈折率を有する材料で充填平坦化されている請求項1〜請求項4に記載の位相変調型回折光学素子。
  6. 前記凹凸を形成する材料または前記凹凸の溝部を充填平坦化する材料のいずれか一方が屈折率異方性を有し、屈折率異方性を有する材料の常光屈折率(n)または異常光屈折率(n)が他方の材料の屈折率に略等しい請求項5に記載の位相変調型回折光学素子。
  7. 前記光が入射する面の前記光が照射される部分である有効領域の外縁が前記中心点を囲んで外側にある請求項1〜請求項6いずれか一項に記載の位相変調型回折光学素子。
  8. 前記入射する光の光軸が前記中心点に略一致して通過する請求項7に記載の位相変調型回折光学素子。
  9. 光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反射された戻り光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、
    前記光ディスクから光検出器へ向かう戻り光の光路中に請求項1〜請求項8に記載の位相変調型回折光学素子を備え、
    前記位相変調型回折光学素子は、前記情報記録面からの戻り光である信号光を前記光検出器の受光エリアに導くとともに、前記情報記録面とは異なる前記光ディスクの面からの戻り光である迷光を前記光検出器の受光エリアから排除させる光ヘッド装置。
  10. 光源と、前記光源からの出射光を光ディスクの情報記録面上に集光させる対物レンズと、集光されて光ディスクの情報記録面によって反射された戻り光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記戻り光の光路中に請求項1〜請求項8に記載の位相変調光学素子と、分割波長板と、シリンドリカルレンズと、を備え、
    前記分割波長板は、前記戻り光が入射する面の前記戻り光が入射する部分が進相領域Rと遅相領域Rに分割され、
    前記進相領域Rと遅相領域Rを透過する波長λの前記戻り光の位相をそれぞれ、P、Pとするときの位相差(P−P)が略λ/2となり、
    前記シリンドリカルレンズにより、前記光検出器の前記受光エリアに前記信号光が導かれかつ前記迷光が導かれないか、前記受光エリアの前記信号光と前記迷光とが重なって導かれる部分の前記信号光と前記迷光との位相差が略λ/2となる光ヘッド装置。
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