JP2006040359A - 積層1/4波長板とそれを用いた光ピックアップ - Google Patents

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Abstract

【課題】光ピックアップに積層1/4波長板を使用した際に、積層1/4波長板を光路から若干傾斜させた場合であっても所望の機能を発揮する積層1/4波長板を提供することを目的とする。
【解決手段】図1は、本発明に係る積層1/4波長板15の入射方向から見た図であり、第一の波長板16と第二の波長板17の夫々の光学軸を示す。実線の光学軸は第一の波長板16の光学軸を示し、点線の光学軸は第二の波長板17の光学軸を示し、第一の波長板16の光学軸の角度θと第二の波長板17の光学軸の角度θは、第一の波長板16と第二の波長板17において夫々主面内に投影した光学軸を示し、所定量、予めずらせて積層する。
【選択図】 図1

Description

本発明は積層1/4波長板とそれを用いた光ピックアップに関し、特に積層1/4波長板を光ピックアップに使用した際に、積層1/4波長板による戻りレーザ光の影響を防止するため、積層1/4波長板を光路に対して若干傾斜して配置しても所望の特性が得られるよう改良した積層1/4波長板とそれを用いた光ピックアップに関するものである。
CD−R、CD−RW、DVD±R、DVD±RW、DVD−RAM等の光ディスクに対する情報の記録や再生を行う際は、光ピックアップが使用され、該光ピックアップには、光ディスクに照射するレーザ光を円偏光とするために1/4波長板が用いられる。
近年、光ピックアップに配置された光学部品において、レーザ光が光学部品の光学面を透過せず表面上で反射が生じ、該反射による戻りレーザ光がLDに到達してレーザ光量に影響し、光ピックアップの特性劣化の原因となることが指摘されている。
そこで、戻りレーザ光に対する対策として従来、特開2003−248959号公報により開示されている手法が提案されている。該提案によれば、戻りレーザ光を防止するために、光ピックアップで用いられ表面反射により戻りレーザ光を発生させる1/4波長板を、光路に対して直交するよう配置せずに若干傾斜させて配置させることにより、1/4波長板において発生する戻りレーザ光が光路を外れて反射するようにしたもので、戻りレーザ光がLDに到達してレーザ光量に悪影響を与えることを防止する。
図6は、従来の光ピックアップの構成例である。図6は、上述したように1/4波長板を配置する際に光路に対して若干傾斜させたものであり、光ピックアップ1は、所定の波長のレーザ光を出射するLD2と、LD2が出射したレーザ光を回折して3ビーム化するグレーティング3と、所定の方向からのレーザ光を透過、或いは反射するビームスプリッタ4と、ビームスプリッタ4を透過したレーザ光を平行光とするコリメートレンズ5と、光ディスク6に向かってレーザ光を反射するミラー7と、ミラー7により反射された直線偏光のレーザ光を円偏光に変換すると共に光ディスク6に形成したピット8により反射した円偏光のレーザ光を直線変更に変換する1/4波長板9と、1/4波長板9を透過するレーザ光を光ディスク6に形成したピット8に集光して照射する対物レンズ10と、光ディスク6に形成したピット8により反射したレーザ光を検出する光検出部11とにより構成する。
図6の動作を説明すると、LD2から出射した所定の波長のレーザ光は、グレーティング3に入射され、3ビーム法によるトラッキング制御を行うためレーザ光は3ビームに分かれて出射する。グレーティング3を出射したレーザ光は、ビームスプリッタ4をそのまま透過してコリメートレンズ5に入射し、平行光となる。次に、平行光となったレーザ光は、ミラー7において90°全反射して1/4波長板9に入射し、直線偏光であったレーザ光を円偏光に変換して透過して、対物レンズ10に入射する。対物レンズ10においては、入射したレーザ光を集光し、光ディスク6に形成したピット8に照射する。
一方、光ディスクに形成したピット8において反射してレーザ光は、対物レンズ10を介して1/4波長板9に入射し、円偏光であったレーザ光を直線偏光に変換し、透過する。
1/4波長板9を透過したレーザ光は、ミラー7において90°全反射し、コリメートレンズ5を介してビームスプリッタ4に入射する。ビームスプリッタ4に入射したレーザ光は、90°全反射して出射し、光検出器11に入射して、光検出を行う。
ここで、光ピックアップの光路に配置された1/4波長板9は、若干傾斜して配置されており、1/4波長板9の入射面において反射する戻りレーザ光が、光ピックアップの光路上を伝播することはないので、LD2の発光点や光検出部11の受光部に入射されることは無く、戻りレーザ光によるノイズの影響を排除することが出来る。
特開昭59−216108号公報 特開2003−248959号公報
1/4波長板の機能を有する波長板には、単板タイプと積層タイプとがあるのは周知である。ここでは、積層タイプの1/4波長板を使用した際に生ずる問題点について説明する。
積層1/4波長板としては、特開昭59−216108号公報により提案されている構造があり、板面法線に対して夫々所定の同一角度をなす光学軸を有する複屈折性、若しくは複屈折性と施光性とを備えた結晶板である第一の波長板と第二の波長板とを、前記光学軸の各々が前記第一の波長板と第二の波長板の張り合わせ面に関して互いに対称であると共に、前記板面法線の方向から見て互いに平行である如く貼り合わせて構成する。
図7は、従来の積層1/4波長板の外観図であり、図7(a)は入射面から見た積層1/4波長板12を示し、図7(b)は積層面から見た第一の波長板13と第二の波長板14とを示す。図7に記載した矢印は、実線が第一の波長板、点線が第二の波長板の夫々の光学軸を示し、図7(a)にて示した光学軸は波長板の入射面への投影像の光学軸であり、実際は重なり合っている(同じ方向)。
そこで、積層1/4波長板12における反射による戻りレーザ光の影響を防止するため、図6に示した光ピックアップのように積層1/4波長板12を、光路に対して直交方向から若干傾斜させて配置すると、レーザ光の入射方向から見て、第一の波長板13と第二の波長板14の光学軸の方向が重ならずずれが生ずる。従って、本来の1/4波長板としての機能を発揮せずに、入射した直線偏光を完全な円偏光に変換出来ず、直線偏光を楕円偏光に変換して出射し、光ピックアップの光学特性に悪影響を与えるという問題が生じていた。
レーザ光が楕円偏光となると損失を発生する。又、レーザ光が円偏光の場合は、レーザ光が光ディスクに形成したピットで反射した際に、入射光と反射光とで鏡面対称の関係に基づいて逆回転の円偏光となって反射され、入射光と反射光とで干渉することは無いが、レーザ光が楕円偏光の場合は、入射光と反射光が異なった特性を有する楕円偏光となり、入射光と反射光とで干渉を生じ、光学特性に悪影響を与えていた。
更に、楕円偏光の反射光を1/4波長板12に入射した際に所望の直線偏光に変換出来ず、ミラー7で全反射して1/4波長板12に入射する直線偏光と、1/4波長板12により楕円偏光から変換した直線偏光とが直交した偏光状態とならない。従って、ミラー7方向から1/4波長板12に入射する直線偏光と、1/4波長板12を透過する直線偏光とで干渉が生じて光学特性に悪影響を与える。
図8は、従来の光ピックアップにおいて、積層1/4波長板12を光路に対して若干傾斜させて配置した際の影響を説明する図であり、図8(a)は、光ディスクにレーザ光を照射する様子を示し、図8(b)は、第一の波長板13と第二の波長板14の光学軸のずれを示す。図8に示す如く従来の光ピックアップにおいては、ミラー7において90°全反射した直線偏光のレーザ光L1は、積層1/4波長板12に入射した後、楕円偏光に変換されたレーザ光L2となって透過する。レーザ光L2は、対物レンズ10により集光され光ディスク6に形成したピット8上で反射し、レーザ光L3となって対物レンズ10を介して積層1/4波長板12に入射する。この時、レーザ光L2とL3は、互いに異なる特性の楕円偏光であり、互いに干渉して光学特性の劣化を招く。更に、積層1/4波長板12に入射したレーザ光L3は、直線偏光のレーザ光L4となって透過する。この時、レーザ光L1とL4は、互いに直交した直線偏光とはならずに互いに干渉して光学特性の劣化が生ずる。
又、図8(b)に示す如く、第一の波長板13と第二の波長板14の光学軸は、重なり合わずずれが生じている。
図9は、従来の積層1/4波長板12を光路に対して若干傾斜させて配置した際の出射光の楕円率及び位相特性例を示す。図9は、横軸にレーザ光の波長(nm)を示し、左側縦軸は位相特性を示し、右側縦軸は楕円率を示し、本例は波長650nmのレーザ光に対応した積層1/4波長板12の特性について示す。図9に示す如く、波長650nmのレーザ光に対応する特性は、楕円率≠1、位相特性≠90°であり、1/4波長板としての機能を果たしていない。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであって、光ピックアップに積層1/4波長板を使用した際に、積層1/4波長板を光路から若干傾斜させて配置した場合であっても所望の機能を発揮する積層1/4波長板とそれを用いた光ピックアップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係わる積層1/4波長板とそれを用いた光ピックアップは、以下の構成をとる。
請求項1に記載の積層1/4波長板は、二枚の光学結晶板を貼り合わせた構造を備えた積層1/4波長板であって、空気の屈折率をn、光学結晶板の屈折率をn’、1/4波長板に入射する光線の入射角をΨ(Ψは0ではない)、1/4波長板を通過する光線と板面法線とのなす角度をΨ’とした時に、
Ψ’=sin−1{(n/n’)・sinΨ}
の関係式を満足すると共に、
第一の光学結晶板の板面法線と光学軸とのなす角度をβ、第二の光学結晶板の板面法線と光学軸とのなす角度をβ、入射する光線の入射偏波面と第一の光学結晶板の光学軸を板面に投影したものとのなす角度をθ、入射する光線の入射偏波面と第二の光学結晶板の光学軸を板面に投影したものとのなす角度をθとした時に、入射する光線の入射偏波面と第一の光学結晶板の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度θ’と、入射する光線の入射偏波面と第二の光学結晶板の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度θ’とが
θ’=tan−1{tanθ・cosΨ+
tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ
θ’=tan−1{tanθ・cosΨ+
tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ
θ’=θ
の関係式を満足するよう構成する。
請求項2に記載の積層1/4波長板は、前記二枚の光学結晶板が、複屈折性もしくは複屈折性と施光性とを備えた結晶材料にて構成する。
請求項3に記載の積層1/4波長板は、前記二枚の光学結晶板を構成する結晶材料が水晶であるよう構成する。
請求項4に記載の光ピックアップは、直線偏光されたレーザ光を出射する光源から光記憶媒体までの光路上に、請求項1乃至3の何れかに記載の積層1/4波長板を、その板面法線とレーザ光の光軸とのなす角度がΨとなるように配設するよう構成する。
請求項1乃至3に記載の発明は、光ピックアップに用いる積層1/4波長板を光路から若干傾斜させて配置しても1/4波長板としての機能を損なうことが無いので、光ピックアップに本積層1/4波長板を用いる上で大きな効果を発揮する。
請求項4に記載の発明は、光ピックアップに本発明に係わる積層1/4波長板を使用した際に、レーザ光の戻り光を低減するために積層1/4波長板を光路から若干傾斜させて配置しても、1/4波長板としての機能を損なうことが無く、光ピックアップの性能向上を図る上で著しい効果を発揮する。
以下、図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明は、光ピックアップにおいて、積層1/4波長板を光路より若干傾斜させて配置した際に生じる第一の波長板と第二の波長板との光学軸のずれを予め見越し、第一の波長板と第二の波長板の光学軸をずらして積層するようにした。従って、本発明における積層1/4波長板は、光路から所定量傾斜させた時に第一の波長板と第二の波長板の光学軸が重なるよう機能する。
図1は、本発明に係わる積層1/4波長板の構造を示し、図1(a)は、積層1/4波長板15を入射方向から見た図を示し、図1(b)は、積層面から見た図を示し、第一の波長板16と第二の波長板17の夫々の光学軸を示す。第一の波長板16と第二の波長板17は、光学軸の各々が第一の波長板16と第二の波長板17の貼り合わせ面に対して互いに対称関係になっておらず、実線の光学軸は第一の波長板16の光学軸を示し、点線の光学軸は第二の波長板17の光学軸を示し、第一の波長板16の光学軸の角度θと第二の波長板17の光学軸の角度θは、第一の波長板16と第二の波長板17において夫々主面内に投影した光学軸を示し、所定量、予めずらして積層する。
図2は、本発明に係わる光ピックアップにおいて、積層1/4波長板15を光路に対して若干傾斜させて配置した際の影響を説明する図であり、図2(a)は、光ディスクにレーザ光を照射する様子を示し、図2(b)は、第一の波長板16と第二の波長板17の光学軸を示し、図2(c)は、レーザ光が積層1/4波長板15を透過する様子を示す。図2(a)に示す如く本発明に係わる光ピックアップにおいては、ミラー7において90°全反射した直線偏光のレーザ光L1は、光路に対して若干傾斜した積層1/4波長板15に入射した後、円偏光に変換されたレーザ光L5となって透過する。積層1/4波長板15は、第一の波長板16と第二の波長板17とにより構成され、図1において示したように光路より若干傾斜させて配置した際に生じる第一の波長板16と第二の波長板17の光学軸のずれを予め見越し、第一の波長板16と第二の波長板17の光学軸をずらして積層するようにした積層波長板であり、直線偏光のレーザ光L1を円偏光に変換可能である。
レーザ光L5は、対物レンズ10により集光され光ディスク6に形成したピット8上で反射し、レーザ光L6となって対物レンズ10を介して積層1/4波長板15に入射する。この時、レーザ光L5とL6は、互いに回転方向が異なる円偏光であり、互いに干渉しないため光学特性の劣化を招くことはない。積層1/4波長板15に入射したレーザ光L6は、直線偏光のレーザ光L7となって透過する。この時、レーザ光L1とL7は、互いに直交した直線偏光となり互いに干渉しないので光学特性の劣化が生ずることは無い。
図2(b)は、傾斜させた本発明に係わる積層1/4波長板15を入射面から見た実効主面内方位角を示し、θ’は、入射する光線の入射偏波面と第一の波長板の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度を示し、θ’は、入射する光線の入射偏波面と第二の波長板の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度を示し、積層1/4波長板15を傾斜させた状態でθ’=θ’の関係を満足する。
図2(c)は、傾斜させた本発明に係わる積層1/4波長板15に、所定の入射角でレーザ光が入射した際のレーザ光が透過する様子を示す。ミラー7を反射したレーザ光L1は、第一の波長板16へΨの角度で入射し、例えば、積層1/4波長板15を水晶基板により構成すると、水晶基板の屈折率n’によりΨ’の角度で屈折する。レーザ光L1は、同じ屈折率である第二の波長板17をそのままの入射角で透過し、所定の屈折率で空気中に出射される。
ここで、空気の屈折率をn、水晶基板の屈折率をn’、第一の波長板16への入射角をΨ、水晶基板の屈折角をΨ’とすると、
n・sinΨ=n’・sinΨ’
の関係式を満足することから、
Ψ’=sin−1{(n/n’)・sinΨ}・・・(1)
となる。
次に、本発明に係わる積層1/4波長板15の設計方法について説明する。
図3は、本発明に係わる積層1/4波長板15において、第一の波長板16と第二の波長板17夫々の光学軸の関係を説明する図である。図において、第一の波長板16の板面法線と光学軸のなす角度をβ、入射する光線の入射偏波面と第一波長板16の光学軸を板面に投影したものとのなす角度をθ、レーザ光の入射角(積層1/4波長板15の傾斜角)をΨ、第二の波長板17の板面法線と光学軸のなす角度をβ、入射する光線の入射偏波面と第二の波長板17の光学軸を板面に投影したものとのなす角度をθ、とし、一方、前述したように、入射する光線の入射偏波面と第一の波長板16の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度をθ’、入射する光線の入射偏波面と第二の波長板17の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度をθ’とすると以下の関係式を満足する。
第一の波長板16において、
θ’=tan−1{tanθ・cosΨ’+
tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ}・・・(2)
一方、第二の波長板17において、
θ’=tan−1{tanθ・cosΨ’+
tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ}・・・(3)
そこで、本発明においては、積層1/4波長板15を所定の角度Ψで傾斜させた際に、第一の波長板16と第二の波長板17との光学軸が重なり合っているように見えるので、
θ’=θ’・・・(4)
の関係式を満足するように、第一の波長板16と第二の波長板17とを設計して積層すればよい。
従って、(2)、(3)、(4)式より、
tan−1{tanθ・cosΨ’+
tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ}=
tan−1{tanθ・cosΨ’+
tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ}・・・(5)
の関係式を満足する。
そこで、(5)式のΨ’に、前記(1)式のΨ’を代入すると、パラメータθ1、θ2と、積層1/4波長板15の傾斜角Ψ、β1、β2との関係式が得られる。ここで、β1、β2は、水晶基板の切断角度により一義的に決まる値であり、又、傾斜角Ψは、光ピックアップの仕様に基づいて指定される値であるので、これらの数値を(5)式に当てはめると、第一の波長板16と第二の波長板17の夫々の予めずらしておく必要のある光学軸の角度θ1、θ2の関係式が求まり、(5)式を満足するθ1、θ2を求めて第一の波長板16と第二の波長板17を積層する際の積層角度とする。
次に、本設計方法を用いて決定した積層1/4波長板15の位相特性と楕円率をシミュレーションにより求めた。
図4は、本発明に係わる積層1/4波長板15を光路に対して若干傾斜させて配置した際の出射光の位相特性及び楕円率を示す例である。図4は、横軸にレーザ光の波長(nm)を示し、左側縦軸は位相特性を示し、右側縦軸は楕円率を示し、本例は波長650nmのレーザ光に対応した積層1/4波長板15の特性について示す。図4の特性によれば、位相特性は650nm近辺で90°となり、楕円率は同じく650nm近辺で1となって円偏光であることを示す。
次に、本発明に係わる積層1/4波長板を光ピックアップに用いた場合について説明する。
図5は、本発明に係わる光ピックアップの実施例を示す構成図である。光ピックアップ18は、所定の波長のレーザ光を出射するLD2と、LD2が出射したレーザ光を回折して3ビーム化するグレーティング3と、所定の方向からのレーザ光を透過、或いは反射するビームスプリッタ4と、ビームスプリッタ4を透過したレーザ光を平行光とするコリメートレンズ5と、光ディスク6に向かってレーザ光を反射するミラー7と、ミラー7により反射された直線偏光のレーザ光を円偏光に変換すると共に光ディスク6に形成したピット8により反射した円偏光のレーザ光を直線変更に変換する積層1/4波長板15と、積層1/4波長板15を透過するレーザ光を光ディスク6に形成したピット8に集光して照射する対物レンズ10と、光ディスク6に形成したピット8により反射したレーザ光を検出する光検出部11とにより構成する。
図5の動作を説明すると、LD2から出射した所定の波長のレーザ光は、グレーティング3に入射され、3ビーム法によるトラッキング制御を行うためレーザ光は3ビームに分かれて出射する。グレーティング3を出射したレーザ光は、ビームスプリッタ4をそのまま透過してコリメートレンズ5に入射し、平行光となる。次に、平行光となったレーザ光は、ミラー7において90°全反射して積層1/4波長板15に入射し、直線偏光であったレーザ光を円偏光に変換して透過して、対物レンズ10に入射する。積層1/4波長板は、光路に対して若干傾斜して配置されている。対物レンズ10においては、入射したレーザ光を集光し、光ディスク6に形成したピット8に照射する。
一方、光ディスクに形成したピット8において反射してレーザ光は、対物レンズ10を介して積層1/4波長板15に入射し、円偏光であったレーザ光を直線偏光に変換し、透過する。
積層1/4波長板15を透過したレーザ光は、ミラー7において90°全反射し、コリメートレンズ5を介してビームスプリッタ4に入射する。ビームスプリッタ4に入射したレーザ光は、90°全反射して出射し、光検出器11に入射して、光検出を行う。
ここで、光ピックアップ18の光路に配置された積層1/4波長板15は、光路に対して若干傾斜して配置しても所定の機能を有するよう構成されており、光ピックアップ18を構成する際に、積層1/4波長板15を光路に対して若干傾斜して配置することにより、積層1/4波長板15の入射面において反射する戻りレーザ光が、光ピックアップの光路上を伝播することはないので、LD2の発光点や光検出部11の受光部に入射されることは無く、戻りレーザ光によるノイズの影響を排除することが出来る。
本発明に係る積層1/4波長板15の入射方向から見た図であり、第一の波長板16と第二の波長板17の夫々の光学軸を示す。 本発明に係わる光ピックアップにおいて、積層1/4波長板15を光路に対して若干傾斜させて配置した際の影響を説明する図である。 本発明に係わる積層1/4波長板15において、第一の波長板16と第二の波長板17夫々の光学軸の関係を説明する図である。 本発明に係わる積層1/4波長板15を光路に対して若干傾斜させて配置した際の出射光の楕円率及び位相特性例を示す。 本発明に係わる光ピックアップの実施例を示す構成図である。 従来の光ピックアップの構成例である。 従来の積層1/4波長板12の外観図である。 従来の光ピックアップにおいて、積層1/4波長板12を光路に対して若干傾斜させて配置した際の影響を説明する図である。 従来の積層1/4波長板12を光路に対して若干傾斜させて配置した際の出射光の楕円率及び位相特性例を示す。
符号の説明
1・・光ピックアップ、 2・・LD、
3・・グレーティング、 4・・ビームスプリッタ、
5・・コリメートレンズ、 6・・光ディスク、
7・・ミラー、 8・・ピット、
9・・1/4波長板、 10・・対物レンズ、
11・・光検出器、 12・・積層1/4波長板、
13・・第一の波長板、 14・・第二の波長板、
15・・積層1/4波長板、 16・・第一の波長板、
17・・第二の波長板、 18・・光ピックアップ

Claims (4)

  1. 二枚の光学結晶板を貼り合わせた構造を備えた積層1/4波長板であって、
    空気の屈折率をn、光学結晶板の屈折率をn’、1/4波長板に入射する光線の入射角をΨ(Ψは0ではない)、1/4波長板を通過する光線と板面法線とのなす角度をΨ’とした時に、
    Ψ’=sin−1{(n/n’)・sinΨ}
    の関係式を満足すると共に、
    第一の光学結晶板の板面法線と光学軸とのなす角度をβ、第二の光学結晶板の板面法線と光学軸とのなす角度をβ、入射する光線の入射偏波面と第一の光学結晶板の光学軸を板面に投影したものとのなす角度をθ、入射する光線の入射偏波面と第二の光学結晶板の光学軸を板面に投影したものとのなす角度をθとした時に、
    入射する光線の入射偏波面と第一の光学結晶板の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度θ’と、入射する光線の入射偏波面と第二の光学結晶板の光学軸を入射する光線に垂直な面に投影したものとのなす角度θ’とが
    θ’=tan−1{tanθ・cosΨ+
    tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ
    θ’=tan−1{tanθ・cosΨ+
    tan(π−β)・cosΨ’・tanΨ’/cosθ
    θ’=θ
    の関係式を満足していることを特徴とする積層1/4波長板。
  2. 前記二枚の光学結晶板は、複屈折性もしくは複屈折性と施光性とを備えた結晶材料にて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層1/4波長板。
  3. 前記二枚の光学結晶板を構成する結晶材料が水晶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層1/4波長板。
  4. 直線偏光されたレーザ光を出射する光源から光記憶媒体までの光路上に、請求項1乃至3の何れかに記載の積層1/4波長板を、その板面法線とレーザ光の光軸とのなす角度がΨとなるように配設したことを特徴とする光ピックアップ。
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