JP4577447B2 - 光ピックアップ - Google Patents
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Description
図9は、従来の2波長対応の光ピックアップの構成例である。光ピックアップ1は、CDに対応した785nmの波長のレーザ光を出射するレーザダイオード(以降、LDと称す)2と、LD2が出射する直線偏光のレーザ光の偏波面を回転させる1/2波長板3と、1/2波長板3を透過したレーザ光を所定の比率で、反射及び透過する偏光ビームスプリッタ(以降、PBSと称す)4と、PBS4を透過するレーザ光をモニターするフロントモニター(以降、FMと称す)5と、DVDに対応した660nmの波長のレーザ光を出射するLD6と、LD6が出射する直線偏光のレーザ光の偏波面を回転させる1/2波長板7と、1/2波長板7を透過したレーザ光を所定の比率で、反射及び透過するPBS8と、PBS8を透過するレーザ光をモニターするFM9と、前記PBS4及びPBS8を反射したレーザ光を90°反射させるミラー10と、ミラー10で反射したレーザ光を平行光とするコリメートレンズ11と、コリメートレンズ11を透過する直線偏光のレーザ光を円偏光に変換する広帯域1/4波長板12と、光ディスク13に形成されたピット14にレーザ光を集光する集光レンズ15と、ピット14において反射したレーザ光を前記複数の光学部品を経由して検出する光検出器(以降、PDと称す)16とにより構成する。
図10は、LDの前面に配置した1/2波長板の第一の機能を説明する図である。PBS4における透過光量と反射光量は、PBS4に入射する直線偏光の偏波面の回転角度により決定出来ることが知られており、その回転角度を2φ1とすると、
透過光量T=(sin(2φ1))2
反射光量R=(cos(2φ1))2
の関係式を満足する。そこで、LD2の前面に1/2波長板3を配置してLD2が出射するレーザ光を1/2波長板3に入力し、直線偏光の偏波面を所定の角度になるよう回転させる。
透過光量T=0.1=(sin(2φ1))2
反射光量R=0.9=(cos(2φ1))2
を満足するφ1を求めれば良く、この場合は、φ1=9.2°となるような1/2波長板を用いればよい。
図11は、LDの前面に配置した1/2波長板の第二の機能を説明する図であり、図12は、光ディスクに形成したピットにレーザビームを照射したレーザスポットの様子を示す図である。図11については、光ピックアップにおける1/2波長板の第二の機能を説明する際に必要な光学部品のみを記載している。一般的にLD2が出射するレーザ光の光量分布は、レーザビームの中心部がもっとも強度な領域として、レーザビームの裾野に広がって強度は低下するといったものであり、又、レーザビームは非点収差を有しておりその形状は楕円形である。従って、光ディスク13に形成したピット14に照射されるレーザスポットは、図12(a)に示したような形状となり、LD2がレーザ光を出射する時の出射角度により、例えば、ピットの形状に対して(1)、(2)、(3)の如く配置される。
以上説明したように、1/2波長板3、及び1/2波長板7は、PBS4、及びPBS8における透過・反射特性を決定すると共に、LD2及びLD6の回転角度を補正する機能を有する。
図13に、従来の広帯域1/4波長板の構造を示す。図13に示す如く広帯域1/4波長板12は、1/2波長板17と1/4波長板18とを接着剤19を用いて積層した構造である。各波長板の材質としては、延伸フィルム、或いは水晶等が用いられ、入射する直線偏光のレーザ光を円偏光に変換する。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであって、広帯域1/4波長板の光学特性を改良すると共に、光ピックアップを構成する光学部品の部品点数の削減を図ることを目的とする。
請求項1に記載の光ピックアップは、第一の波長の光を出射する第一の発光素子と、前記第一の波長とは波長の異なる第二の波長の光を出射する第二の発光素子と、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子から出射した光を光記録媒体に集光するための集光レンズと、前記光記録媒体から反射した光を検出するための光検出器と、を備えた光ピックアップであって、前記第一の発光素子から前記集光レンズに至る光路を第一の光路とし、前記第二の発光素子から前記集光レンズに至る光路を第二の光路とし、前記第一の光路上に前記第一の波長の光に対して位相差Γ1の第一の波長板を配置し、前記第二の光路上に前記第二の波長の光に対して位相差Γ2の第二の波長板を配置し、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子から前記集光レンズに至る光路中に、前記第一の波長の光に対して位相差Γ3の第三の波長板を配置し、前記第一の波長板を透過した前記第一の波長の光は、前記第三の波長板を透過したときに、直線偏光から円偏光に変換されて前記第三の波長板を出射し、前記第二の波長板は、前記第二の波長の光が前記第三の波長板を透過するときに円偏光に変換されて出射できるように、前記第二の波長に対する前記第三の波長板の位相差Γ3からのずれを補償するよう構成する。
本発明における広帯域波長板は、1/4波長板の波面収差を解消するため、2枚の波長板を積層する際に、2枚の波長板の間にスペーサを挟み込んで積層し、2枚の波長板の光学面にギャップを設けたことを特徴とする。
図1は、本発明に係る広帯域1/4波長板の第一の実施例を説明するための構造図であり、図1(a)は分解図を示し、図1(b)は、A−A’における断面図を示す。広帯域1/4波長板20は、枠状のスペーサ21を1/2波長板17と1/4波長板18との間に挟み込んで積層したものである。従って、1/2波長板17と1/4波長板18の光学有効領域面は、ギャップ22を介して積層することになり、広帯域1/4波長板20における波面収差は解消される。
図2は、本発明に係る広帯域1/4波長板の第二の実施例を説明するための構造図であり、図2(a)は分解図を示し、図2(b)は、A−A’にける断面図を示す。広帯域1/4波長板23は、2本の角型の棒状のスペーサ24を1/2波長板17と1/4波長板18との間の対向する外辺に挟み込んで積層したものである。従って、1/2波長板17と1/4波長板18の光学有効領域面は、ギャップ22を介して積層することになり、広帯域1/4波長板23における波面収差は解消される。
図3は、広帯域1/4波長板を構成する2枚の波長板を個別に空間配置した場合の光ピックアップの構成例である。光ピックアップ25は、CDに対応した785nmの波長のレーザ光を出射するLD2と、LD2が出射する直線偏光のレーザ光の偏波面を回転させる1/2波長板3と、1/2波長板3を透過したレーザ光を所定の比率で、反射及び透過するPBS4と、PBS4を透過するレーザ光をモニターするFM5と、DVDに対応した660nmの波長のレーザ光を出射するLD6と、LD6が出射する直線偏光のレーザ光の偏波面を回転させる1/2波長板7と、1/2波長板7を透過したレーザ光を所定の比率で、反射及び透過するPBS8と、PBS8を透過するレーザ光をモニターするFM9と、前記PBS4及びPBS8を反射したレーザ光を90°反射させるミラー10と、ミラー10で反射したレーザ光を平行光とするコリメートレンズ11と、コリメートレンズ11を透過する直線偏光のレーザ光を円偏光に変換する、単色光の波長λに対して位相差が180°の1/2波長板17と位相差が90°の1/4波長板18とを空間配置した広帯域1/4波長板26と、光ディスク13に形成されたピット14にレーザ光を集光する集光レンズ15と、ピット14において反射したレーザ光を前記複数の光学部品を経由して検出するPD16とにより構成する。
その結果、H/M31に入射したレーザ光の10%は、透過してFM32に入射され、入射したレーザ光のレベルを検出し、前述したように、APC回路(図示していない)を動作させてLD2の出射レベルを一定に保つ。本実施例におけるFMは、従来例と異なり、レーザ光の波長785nmと660nmの両者に対して一つのFMを兼用している。
次に、1/2波長板29を透過したレーザ光はPR30に入射される。PR30は、前述したように直線偏光の偏光方向がS偏光のものに対しては波長依存性を有し、785nmの波長のレーザ光は全反射し、660nmの波長のレーザ光は全透過する。そこで、PR30から出射されるレーザ光は、S偏光の660nmのレーザ光であり、全透過してH/M31に入射される。
そこで、H/M31に入射したレーザ光の10%は、透過してFM32に入射され、入射したレーザ光のレベルを検出し、前述したように、APC回路(図示していない)を動作させてLD6の出射レベルを一定に保つ。
1/2波長板28 位相差Γ1 180°(λ=785nm)
面内方位角θ1 45°
1/2波長板29 位相差Γ2 198°(λ=660nm)
面内方位角θ2 45°
1/4波長板33 位相差Γ3 90°(λ=785nm)
面内方位角θ3 135°
図7は、各波長板のパラメータ、及び機能を示し、図7(a)は、1/2波長板28と1/4波長板33とを組み合わせた例を示し、図7(b)は、1/2波長板29と1/4波長板33とを組み合わせた例を示す。各波長板の光学軸は、図7に示す如く光線の入射面に対して平行である。
Claims (5)
- 第一の波長の光を出射する第一の発光素子と、
前記第一の波長とは波長の異なる第二の波長の光を出射する第二の発光素子と、
前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子から出射した光を光記録媒体に集光するための集光レンズと、
前記光記録媒体から反射した光を検出するための光検出器と、を備えた光ピックアップであって、
前記第一の発光素子から前記集光レンズに至る光路を第一の光路とし、
前記第二の発光素子から前記集光レンズに至る光路を第二の光路とし、
前記第一の光路上に前記第一の波長の光に対して位相差Γ1の第一の波長板を配置し、
前記第二の光路上に前記第二の波長の光に対して位相差Γ2の第二の波長板を配置し、
前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子から前記集光レンズに至る光路中に、前記第一の波長の光に対して位相差Γ3の第三の波長板を配置し、
前記第一の波長板を透過した前記第一の波長の光は、前記第三の波長板を透過したときに、直線偏光から円偏光に変換されて前記第三の波長板を出射し、
前記第二の波長板は、前記第二の波長の光が前記第三の波長板を透過するときに円偏光に変換されて出射できるように、前記第二の波長に対する前記第三の波長板の位相差Γ3からのずれを補償することを特徴とする光ピックアップ。 - 前記第一の波長板は、波長が785nmである光に対して位相差Γ1=180°を有し、
前記第一の波長板に入射する光の偏波面と当該第一の波長板の光学軸とのなす角θ1が、45°であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ。 - 前記第二の波長板は、波長が660nmである光に対して位相差Γ2=198°を有し、
前記第二の波長板に入射する光の偏波面と当該第二の波長板の光学軸とのなす角θ2が、45°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ。 - 前記第三の波長板は、波長が785nmである光に対して位相差Γ3=90°を有し、
前記第三の波長板に入射する光の偏波面と当該第三の波長板の光学軸とのなす角θ3が、135°であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光ピックアップ。 - 前記第一の波長が785nmであり、前記第二の波長が660nmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光ピックアップ。
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