JP2012128898A - 光ピックアップ及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録または再生する光ディスクの種類に対応して光学倍率を設定可能で、かつ光学系を共通化した光ピックアップを提供すること。
【解決手段】光ピックアップは、3波長レーザ光源001とコリメータレンズ006と焦点距離調整素子100と対物レンズ009を備え、焦点距離調整素子100は入射する光ビームに対応してその焦点距離が変化することで、光ピックアップの光学倍率を各光ディスク(BD、DVD、CD)に適した倍率に調整する。また、コリメータレンズ006と、焦点距離調整素子100と、対物レンズ009を、レーザ光源から出射される全ての光ビームに共通の光路上に配置することで、部品数を減らし光ピックアップの小型化を実現する。
【選択図】図7
【解決手段】光ピックアップは、3波長レーザ光源001とコリメータレンズ006と焦点距離調整素子100と対物レンズ009を備え、焦点距離調整素子100は入射する光ビームに対応してその焦点距離が変化することで、光ピックアップの光学倍率を各光ディスク(BD、DVD、CD)に適した倍率に調整する。また、コリメータレンズ006と、焦点距離調整素子100と、対物レンズ009を、レーザ光源から出射される全ての光ビームに共通の光路上に配置することで、部品数を減らし光ピックアップの小型化を実現する。
【選択図】図7
Description
本発明は、使用する光ビームの波長が異なる複数種類の光ディスクの記録または再生に対応した光ピックアップ及びそれを備えた光ディスク装置に関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1に「3波長コリメータレンズと、焦点距離調整素子と、3波長対応対物レンズを有する光路に、焦点距離調整素子4を迂回するためのビームスプリッタ、一対のミラー、ビームスプリッタから成る迂回光路を設け、レーザ光が407nmの波長であれば、当該レーザ光を倍率変換素子に通す光路に通して光路の光学倍率を12倍とし、650nmの波長であれば、当該レーザ光を迂回光路に通して光路の光学倍率を5倍とする。このため、多波長のレーザ光を共通に通すコリメータレンズと対物レンズから成る光学系を収納した光ピックアップにより、各波長に最適な光学倍率を自在に設定することができる。」と記載されている。
Blu−ray(以下、BDと記す)・DVD・CD互換の光ピックアップは、それぞれ波長が異なる3種類の光ビームを独立に出射する3個の光源を有し、光ディスクの記録再生においてBDの場合405nm帯、DVDの場合650nm帯、CDの場合780nm帯の光ビームが用いられる。互換光ピックアップでは、これら3種類の光源から出射した光ビームの光路を共通化することで、部品点数が減り光学系を小型化できる。従って、光ピックアップの光学系をより小型化するためには、3種類の光ビームの光路をできるだけ共通化することが必要である。
例えば、前記光源として、3種類の光ビームを発する半導体レーザを同一のパッケージに格納した、いわゆる3波長半導体レーザが実用化されつつある。また、入射する光ビームの波長に対応して開口数が変化することにより、1個の対物レンズでBD・DVD・CDそれぞれに最適な集光スポットにできる、いわゆる3波長互換対物レンズが実用化されている。これら3波長半導体レーザと3波長互換対物レンズを用いると、各光ビームの光路を共通化することができる。
この課題に対し、特許文献1に開示される光学系では、倍率変換素子と倍率変換素子を迂回するための迂回光路を設置した構成としている。しかしながらこの構成では、迂回光路として複数個のビームスプリッタを追加しているため光学系全体が大きくなり、本来の小型化の目的に合わないものとなっている。
本発明の目的は、記録または再生する光ディスクの種類に対応して光学倍率を設定可能で、かつ光学系を共通化した光ピックアップを提供することにある。
上記目的は、特許請求の範囲に記載の構成により達成できる。一例を挙げるならば、本発明による光ピックアップは、波長の異なる光ビームを出射する2個以上のレーザ光源と、レーザ光源から出射した光ビームを平行光ビームに変換するコリメータレンズと、入射する光ビームの波長に対応して焦点距離が変化する焦点距離調整素子と、光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、コリメータレンズと焦点距離調整素子と対物レンズはレーザ光源から出射される全ての光ビームに共通の光路上に配置されている構成とする。
本発明によれば、BD・DVD・CDなどの複数種類の光ディスクに高品質に記録または再生できるとともに、使用する光ピックアップの小型化を実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定するものではない。
図1と図2は、実施例1におけるBD・DVD・CD互換の光ピックアップの概略構成図であり、図1はBDの記録または再生時の動作を、図2はDVDまたはCDの記録または再生時の動作を示す。
光源パッケージ001には、BD、DVD、CDに情報を記録/再生する3種類の光ビームを出射する3個の光源が搭載されている。具体的には、BD用の405nm帯、DVD用の650nm帯、CD用の780nm帯の波長の光ビームを独立に出射する3個の半導体レーザチップを搭載している。これらの半導体レーザチップから出射した光ビームは直線偏光である。
光源パッケージ001には、BD、DVD、CDに情報を記録/再生する3種類の光ビームを出射する3個の光源が搭載されている。具体的には、BD用の405nm帯、DVD用の650nm帯、CD用の780nm帯の波長の光ビームを独立に出射する3個の半導体レーザチップを搭載している。これらの半導体レーザチップから出射した光ビームは直線偏光である。
図1を用いてBDを記録または再生する場合について説明する。光源パッケージ001はBD用の405nm帯の光ビームを発散光にて出射する。この光ビームの光軸を一点鎖線002、光ビームの強度のピークから所定の割合低下する光ビーム径を有効ビーム径としたときのその外周の光路を実線003で示す。
光源パッケージ001を出射した光ビーム003は、まず光分岐素子004に入射する。光分岐素子004は、入射した光ビーム003の所定の光量を透過し、残りの光量を反射するもので、例えば、平板ミラー、プリズムなどで実現する。光ビーム003は光分岐素子004を反射し、コリメータレンズユニット005に入射する。
光源パッケージ001を出射した光ビーム003は、まず光分岐素子004に入射する。光分岐素子004は、入射した光ビーム003の所定の光量を透過し、残りの光量を反射するもので、例えば、平板ミラー、プリズムなどで実現する。光ビーム003は光分岐素子004を反射し、コリメータレンズユニット005に入射する。
コリメータレンズユニット005は、1個のコリメータレンズ006と、焦点距離調整素子である2個のアクティブ液晶レンズ007,008で構成される。2個のアクティブ液晶レンズ007,008は、電圧印加回路012により光ディスクの種類に応じて印加電圧の切り替えがなされる。ここにアクティブ液晶レンズ007,008は、液晶をレンズ状の空間に封入し、印加する電圧のパターンを変化することで見かけ上の液晶の屈折率が変化する素子である。これよりレンズの焦点距離を自由に設定することができ、本実施例ではその特性を利用している。BDの記録/再生の場合には、2個のアクティブ液晶レンズ007,008には所定の電圧が印加され、レンズとして機能する。コリメータレンズユニット005に入射した光ビーム003は、まずコリメータレンズ006にて平行光に変換される。次に、光ビーム003はアクティブ液晶レンズ007で一旦発散光に変換された後、アクティブ液晶レンズ008にて再び平行光に変換される。
光ビーム003は、コリメータレンズユニット005を通過後、対物レンズ009に入射する。対物レンズ009は入射した光ビームの波長に対応して開口数(以下、NA)が変化するものであり、405nm帯ではNA=0.85、650nm帯ではNA=0.6〜0.65、780nm帯ではNA=0.45〜0.53程度となる。以下、このような対物レンズを3波長互換対物レンズと呼ぶ。対物レンズ009を透過した光ビーム003は、光ディスク(ここではBD)010内の所定の情報層に集光照射される。
なお、対物レンズ009はアクチュエータ(図示せず)に保持され、光ディスクの垂直方向および半径方向に駆動することができる。垂直方向の駆動はフォーカシング制御、半径方向の駆動はトラッキング制御およびレンズシフトに用いられる。
なお、対物レンズ009はアクチュエータ(図示せず)に保持され、光ディスクの垂直方向および半径方向に駆動することができる。垂直方向の駆動はフォーカシング制御、半径方向の駆動はトラッキング制御およびレンズシフトに用いられる。
光ディスク010内の所定の情報層で反射した光ビームは、対物レンズ009、コリメータレンズユニット005を透過し、光分岐素子004に入射する。入射した光ビームは光分岐素子004を透過し、透過ビーム003’となって光検出器011に入射する。光検出器011は、入射した光ビーム003’の光量に応じて再生信号、フォーカシング制御信号、トラッキング制御信号を生成する。
次に、図2を用いてDVDを記録または再生する場合について説明する。図2に示す光学部品はすべて図1と共通であり、同じ符号を用いて表記している。光源パッケージ001はDVD用の650nm帯の光ビームを発散光にて出射する。この光ビームの光軸を一点鎖線013、強度のピークから所定の割合低下する光ビーム径を有効ビーム径としたときのその外周の光路を実線014で示す。光源パッケージ001から出射した光ビーム014は、光分岐素子004で反射し、コリメータレンズユニット005に入射する。
コリメータレンズユニット005に入射した光ビーム014は、コリメータレンズ006にて平行光に変換されたあと、アクティブ液晶レンズ007,008に入射する。DVDの記録再生の場合には、電圧印加回路012はアクティブ液晶レンズ007,008に電圧を印加せず、アクティブ液晶レンズ007,008を単なる透明平板として機能させる。その結果、光ビーム014はアクティブ液晶レンズ007,008を直進して透過する。その後、光ビーム014は対物レンズ009により光ディスク(ここではDVD)015の所定の情報層に集光照射される。このとき、対物レンズ009のNAは0.6〜0.65になる。
光ディスク015で反射した光ビームは、対物レンズ009、コリメータレンズユニット005、光分岐素子004を透過し、透過ビーム014’となって光検出器011に入射する。光検出器011は、入射した光ビーム014’の光量に基づき再生信号、フォーカシング制御信号、トラッキング制御信号を生成する。
次に、図2を用いてCDを記録または再生する場合について説明する。光源パッケージ001はCD用の780nm帯の光ビームを発散光にて出射する。光ビームの光軸013と有効ビーム径の光路014は同様である。
コリメータレンズユニット005において、CDを記録/再生する場合は、DVDの記録/再生の場合と同様、電圧印加回路012は2個のアクティブ液晶レンズ007,008に電圧を印加しない。そのため光ビーム014は直進し、対物レンズ009にて光ディスク(ここではCD)015内の所定の情報層に集光照射される。このとき、対物レンズ009のNAは0.45〜0.53になる。光ディスク015で反射した光ビームは光分岐素子004を透過し、透過ビーム014’となって光検出器011に入射する。光検出器011は、入射した光ビーム014’の光量に基づき再生信号、フォーカシング制御信号、トラッキング制御信号を生成する。
上記のように、本実施例の光ピックアップは、BD、DVD、CDの各ディスクに対する光学系を共通化し、それらの光路003,014をほぼ共通としている。これより、従来の光ピックアップに比べて部品点数が削減し小型化を実現している。
本実施例の光ピックアップは、少なくとも光源パッケージ001、光分岐素子004、コリメータレンズユニット005、対物レンズ009、光検出器011を有して構成されていれば良く、さらに波長板や回折格子が組み込まれたり、途中の光路がミラーなどで折り曲げた光学系であっても良い。
本実施例の光ピックアップは、少なくとも光源パッケージ001、光分岐素子004、コリメータレンズユニット005、対物レンズ009、光検出器011を有して構成されていれば良く、さらに波長板や回折格子が組み込まれたり、途中の光路がミラーなどで折り曲げた光学系であっても良い。
次に、本実施例の光ピックアップにおける光学倍率の設定について説明する。光学倍率(以下、単に倍率とも呼ぶ)を上げた場合、光ディスク上に集光される光スポットが小さく絞られるが、一方で光源から光ディスクに照射される光ビームのエネルギー伝達効率、すなわち結合効率が低くなる。逆に倍率を下げた場合、光ディスク上に集光される光スポットがぼやける一方、結合効率が高くなる。その結果、種類の異なる光ディスクに対する最適な倍率はそれぞれ異なる値となる。
光学倍率Mは、対物レンズ009の焦点距離FOBJに対するコリメータレンズ006の焦点距離FCPの比で定義され、(1)式で表される。
M=FCP/FOBJ (1)
この倍率Mを上げた場合、対物レンズの中心の光強度に対する有効開口の外縁部近傍に入射する光束の光強度、すなわちRIM強度が高くなる。一般に、RIM強度が高いほど、光ディスク上に集光させる光スポットを小さく絞ることができる。BDはDVDやCDに比べて情報ピットが小さいので、光ディスク上の光スポットをDVDやCDに比べて小さく絞る必要がある。BDを記録/再生する光学系は、RIM強度を大きくするため倍率Mを少なくとも8倍以上に設定する必要がある。
一方、倍率Mを大きくしすぎると、光源から光ディスクに照射される光ビームのエネルギー伝達効率、すなわち結合効率が低くなり、記録/再生性能が劣化する。DVDやCDを記録/再生する光学系の倍率Mは、4〜7倍が適切である。
M=FCP/FOBJ (1)
この倍率Mを上げた場合、対物レンズの中心の光強度に対する有効開口の外縁部近傍に入射する光束の光強度、すなわちRIM強度が高くなる。一般に、RIM強度が高いほど、光ディスク上に集光させる光スポットを小さく絞ることができる。BDはDVDやCDに比べて情報ピットが小さいので、光ディスク上の光スポットをDVDやCDに比べて小さく絞る必要がある。BDを記録/再生する光学系は、RIM強度を大きくするため倍率Mを少なくとも8倍以上に設定する必要がある。
一方、倍率Mを大きくしすぎると、光源から光ディスクに照射される光ビームのエネルギー伝達効率、すなわち結合効率が低くなり、記録/再生性能が劣化する。DVDやCDを記録/再生する光学系の倍率Mは、4〜7倍が適切である。
3波長半導体レーザと3波長互換対物レンズを用いた従来の光ピックアップでは、光ピックアップの倍率がBDに適切な値になるように光学部品を配置し、DVDやCDを記録再生する場合は、結合効率の低下、つまり記録再生性能の劣化を補うため、レーザ光源から出射する光ビームの強度を強くすることで対応してきた。
これに対し本実施例では、以下に説明するように、入射する光ビームに対応して焦点距離調整素子の焦点距離を調整する構成とした。これより、DVDやCDの場合でも光ピックアップの倍率を適切な値に設定できるので、光ビームの強度を強くすることなく記録/再生性能を確保することができ、光ピックアップの省エネ化にもつながる。
本実施例の光ピックアップは、コリメータレンズユニット005内のアクティブ液晶レンズ007、008に与える印加電圧の切り替えによって、コリメータレンズユニット全体の焦点距離を変化させるようにした。ここで、コリメータレンズユニット全体の焦点距離とは、コリメータレンズユニットを構成する各光学素子を1つの光学素子とみなした場合の焦点距離のことを言う。
アクティブ液晶レンズ007,008に電圧を印加した場合におけるコリメータレンズユニット005の焦点距離をFCP(Blue)、アクティブ液晶レンズ007,008に電圧を印加しない場合におけるコリメータレンズユニット005の焦点距離をFCP(Red)とする。焦点距離FCP(Blue)の場合の光ピックアップの倍率M(Blue)、および焦点距離FCP(Red)の場合の光ピックアップの倍率M(Red)は、対物レンズの焦点距離FOBJを用いて(2)および(3)式で表わされる。
M(Blue)=FCP(Blue)/FOBJ (2)
M(Red)=FCP(Red)/FOBJ (3)
倍率M(Blue)が8倍以上、倍率M(Red)が4〜7倍となるようにFCP(Blue)およびFCP(Red)を設定することで、3波長の光ビームが通る光学系が全て共通でありながら、BDおよびDVD・CDの記録/再生に応じて、これに適した倍率Mの切り替えが可能になる。
M(Blue)=FCP(Blue)/FOBJ (2)
M(Red)=FCP(Red)/FOBJ (3)
倍率M(Blue)が8倍以上、倍率M(Red)が4〜7倍となるようにFCP(Blue)およびFCP(Red)を設定することで、3波長の光ビームが通る光学系が全て共通でありながら、BDおよびDVD・CDの記録/再生に応じて、これに適した倍率Mの切り替えが可能になる。
次に、コリメータレンズユニット005の内部の設定方法を詳細に説明する。ここでは、対物レンズ009の焦点距離FOBJ=2mmとし、倍率Mの目標値を、倍率M(Blue)=15倍、倍率M(Red)=5倍とする。また、アクティブ液晶レンズ007と008の間隔は2mmで固定とする。
図3と図4は、コリメータレンズユニット005のパラメータを説明する図であり、図3はDVDまたはCDの記録/再生時を、図4はBDの記録/再生時を示す。コリメータレンズユニット005の構成部品であるコリメータレンズ006の焦点距離をFCP0、アクティブ液晶レンズ007の焦点距離をFCP1、アクティブ液晶レンズ008の焦点距離をFCP2とする。アクティブ液晶レンズ007とアクティブ液晶レンズ008との間隔d1とする。また、各パラメータの符号は、光ビームが進行する図中の矢印方向(右方向)を正とする。
図3はDVDまたはCDの場合で、目標倍率M(Red)=5倍となるには、上記(3)式より、コリメータレンズユニット005の焦点距離FCP(Red)=10mmでなければならない。前記したように、DVDやCDを記録/再生する場合、コリメータレンズユニット005に入射した光ビーム014は、コリメータレンズ006で平行光ビームに変換される。その後アクティブ液晶レンズ007および008は単なる透明平板として機能する。よって焦点距離FCP(Red)はコリメータレンズ006の焦点距離FCP0のみに依存し、焦点距離FCP(Red)=FCP0=10mmとなる。
次に、図4はBDの場合で、目標倍率M(Blue)=15倍を得るためのアクティブ液晶レンズ007,008の焦点距離FCP1,FCP2を決定する。コリメータレンズユニット005に入射した光ビーム003は、コリメータレンズ006で平行光ビームに変換される。その後、アクティブ液晶レンズ007で発散し、アクティブ液晶レンズ008で収束して再び平行光ビームとなる。このように、平行光ビームの状態で入射した光ビームを再び平行光ビームの状態で出射させるためには、アクティブ液晶レンズ007および008の各焦点を所定位置(図4ではP点の位置)に一致させる必要がある。なお、このような光学系をアフォーカル光学系といい、平行光ビームの倍率を変換する有効な光学系である。
本実施例では、BDを記録または再生する場合にのみアクティブ液晶レンズにレンズ作用を持たせることで、倍率の変換を実現している。もちろん、DVDやCDを記録/再生する場合にアクティブ液晶レンズにレンズ作用を持たせても良い。
一般的に、アフォーカル光学系である2個のアクティブ液晶レンズ007および008の倍率M(CP)は、各々のアクティブ液晶レンズの焦点距離FCP1と焦点距離FCP2を用いて(4)式で与えられる。
M(CP)=−FCP2/FCP1 (4)
ここで、2個のアクティブ液晶レンズ007,008の焦点位置P点とアクティブ液晶レンズ007との間隔をd2とする。また、前記したようにアクティブ液晶レンズ007と008の間隔はd1である。すると、焦点距離FCP1,FCP2は(5),(6)式で与えられる。
FCP1=−d2 (5)
FCP2=d1+d2 (6)
また、(5),(6)式を(4)式に代入すると倍率M(CP)は(7)式になる。
M(CP)=(d1+d2)/d2 (7)
M(CP)=−FCP2/FCP1 (4)
ここで、2個のアクティブ液晶レンズ007,008の焦点位置P点とアクティブ液晶レンズ007との間隔をd2とする。また、前記したようにアクティブ液晶レンズ007と008の間隔はd1である。すると、焦点距離FCP1,FCP2は(5),(6)式で与えられる。
FCP1=−d2 (5)
FCP2=d1+d2 (6)
また、(5),(6)式を(4)式に代入すると倍率M(CP)は(7)式になる。
M(CP)=(d1+d2)/d2 (7)
倍率M(Blue)は、倍率M(Red)と2個のアクティブ液晶レンズ007,008の倍率M(CP)を用いて(8)式でも表すことができる。
M(Blue)=M(CP)×M(Red) (8)
(8)式より、倍率M(Blue)=15倍、倍率M(Red)=5倍とするには、倍率M(CP)は3倍となる。そこで例えば、液晶レンズ007と008の間隔d1を2mmとすると、(7)式より、間隔d2=1mmとなる。従って、間隔d1=2mm、間隔d2=1mmを(5),(6)式に代入すると、焦点距離FCP1=−1mm、焦点距離FCP2=3mmが得られる。
M(Blue)=M(CP)×M(Red) (8)
(8)式より、倍率M(Blue)=15倍、倍率M(Red)=5倍とするには、倍率M(CP)は3倍となる。そこで例えば、液晶レンズ007と008の間隔d1を2mmとすると、(7)式より、間隔d2=1mmとなる。従って、間隔d1=2mm、間隔d2=1mmを(5),(6)式に代入すると、焦点距離FCP1=−1mm、焦点距離FCP2=3mmが得られる。
以上をまとめると、対物レンズ009の焦点距離FOBJ=2mmの場合において、倍率M(Red)=5倍、倍率M(Blue)=15倍とするには、例えば、コリメータレンズ006の焦点距離FCP0=10mm、所定の電圧が印加された場合のみレンズとして機能するアクティブ液晶レンズ007の焦点距離FCP1=−1mm、アクティブ液晶レンズ008の焦点距離FCP2=3mmとすればよい。
上記光学パラメータは一例であり、(1)ないし(8)式を用いるといかなる倍率にも設定できる。なお、2個のアクティブ液晶レンズ007,008はアフォーカル光学系であるため、倍率M(CP)はコリメータレンズ006とアクティブ液晶レンズ007との間隔に依存しない。
上記光学パラメータは一例であり、(1)ないし(8)式を用いるといかなる倍率にも設定できる。なお、2個のアクティブ液晶レンズ007,008はアフォーカル光学系であるため、倍率M(CP)はコリメータレンズ006とアクティブ液晶レンズ007との間隔に依存しない。
本実施例では、BDを記録/再生する場合のみアクティブ液晶レンズにレンズ機能を持たせることで、倍率の変換を実現している。これとは逆に、DVDやCDを記録/再生する場合にアクティブ液晶レンズにレンズ機能を持たせるような構成とすることもできる。
以上のように、本実施例の光ピックアップは、コリメータレンズユニット内にある2個のアクティブ液晶レンズに印加する電圧を切り替えることで、光ディスクの種類に応じた適切な光学倍率M(Blue)、M(Red)を選択することができ、記録または再生時の信号品質の劣化をなくすことができる。かつ本実施例では、光学系を共通化しているので、光ピックアップのさらなる小型化を図ることができる。
本実施例の構成は、光学倍率を変換するだけでなく、球面収差の補正に関しても効果がある。光ディスクを記録/再生するとき、ディスクの板厚誤差によって球面収差が発生し、記録または再生性能を劣化させる。球面収差を補正するには、光ディスクで発生する球面収差の量と方向に応じて対物レンズに入射する光ビームを発散または収束させると効果的である。
従来の光ピックアップは、コリメータレンズを光軸方向に駆動することで光ビームを発散または収束させ、ディスク上に発生する球面収差を補正している。本実施例においても、コリメータレンズ006を光軸方向に駆動させることで、球面収差の補正をすることができる。さらに本実施例では、アクティブ液晶レンズ007の焦点距離を変化させても、光ビームの発散・集光状態を変化させることができる。すなわち、アクティブ液晶レンズ007への印加電圧を調整することでも、球面収差を補正することができる。
図5は、実施例2におけるBD・DVD・CD互換の光ピックアップの概略構成図である。図5では、BD、DVD、CDの記録または再生時の動作を合わせて示す。実施例1(図1、図2)と共通の光学部品は同じ番号を用いて表記し、詳細な説明を省略する。
光源パッケージ204には、BD用の405nm帯、DVD用の650nm帯、CD用の780nm帯の光ビームを直線偏光で出射する半導体レーザチップが搭載されている。実施例1の光源パッケージ001との違いは、BD用の光ビームとDVD・CD用の光ビームとは偏光方向が異なることである。このような光ビームは、例えばBD用の半導体レーザチップに対し、DVD・CD用の半導体レーザチップを90度回転することで実現できる。あるいは、図1のように偏光方向が同じ光源パッケージ001を用いる場合であっても、BDの光ビームのみに作用する波長選択性1/4波長板等の偏光変換素子を組み込むことで、BD用光ビームとDVD・CD用光ビームの偏光方向を変えることができる。本実施例はいずれの構成でも良く、偏光方向が特定方向の光ビームと、特定方向以外の光ビームが焦点距離調整素子に入射する構成であれば良い。
コリメータレンズユニット201では、焦点距離調整素子としてアクティブ液晶レンズ007,008の代わりに偏光性液晶レンズ202,203を用いている。偏光性液晶レンズは偏光方向によって屈折率が変化する素子であって、入射する光ビームが特定の偏光方向であるときレンズとして機能し、特定以外の偏光方向であるときは単なる透明平板として機能するものである。2個の偏光性液晶レンズ202,203の焦点距離は、実施例1のアクティブ液晶レンズ007,008の焦点距離FCP1,FCP2と等しく、アフォーカル光学系となっている。そして、特定の偏光方向の光ビームが2個の偏光性液晶レンズ202,203に入射する場合のみ、倍率を変化させることができる。
まず、BDを記録または再生する場合について説明する。光源パッケージ204からは405nm帯の直線偏光の光ビームが出射される。この光ビームは、光軸002をたどって有効ビーム003がコリメータレンズユニット201に入射する。
偏光性液晶レンズ202,203は、BD用の光ビームの偏光方向に対してレンズとして機能するよう設定しておく。入射した光ビーム003は、まずコリメータレンズ006を通過して平行光に変換される。その後、光ビームは実線003aで示すように偏光性液晶レンズ202で一旦発散し、偏光性液晶レンズ203で再び平行光ビームに変換される。その後、対物レンズ009へ進行する。このときの光ピックアップの倍率M(Blue)は、コリメータレンズ006と、対物レンズ009と、偏光性液晶レンズ202,203の各焦点距離で決まり、前記(1)ないし(8)式を用いて表すことができる。各式中の倍率M(CP)は、偏光性液晶レンズ202,203の倍率に置き換わる。
次に、DVDやCDを記録または再生する場合について説明する。光源パッケージ204からは650nmまたは780nmの直線偏光の光ビームが出射される。これらの光ビームの偏光方向は、BD用の光ビームの偏光方向に対して90度回転している。この光ビームは、BD用の光ビームと同じ光路003でコリメータレンズユニット201に入射する。
入射した光ビーム003は、まずコリメータレンズ006にて平行光に変換される。偏光性液晶レンズ202,203は、前記したように、DVDやCD用の光ビームの偏光方向に対しては単なる透明平板として機能する。そのため光ビームは、図中の破線003bで示すように偏光性液晶レンズ202,203をそのまま通過し、対物レンズ009へ直進する。このときの光ピックアップの倍率M(Red)は、コリメータレンズ006と対物レンズ009の焦点距離のみで決定する。
上記のように、実施例2ではBD用とDVD・CD用の光ビームの偏光方向が90度異なるようにし、偏光性液晶レンズによりBD用の光ビームに対してのみレンズとして機能するように設定している。実施例2においても、光ピックアップを構成するほとんどの光学系が共通で、かつBDとDVD・CDのそれぞれに適切な倍率M(Blue)、M(Red)に変化させることができる。
なお、BD用とDVD・CD用の光ビームの光路を分け、BD用の半導体レーザをDVD・CD用の半導体レーザに対して光軸中心に90度回転させる構成であっても、BDとDVD・CD用光ビームの偏光方向を変えることができる。すなわち、このような偏光変換素子を用いてBD用とDVD・CD用光ビームの偏光方向を変えても良い。
更には、偏光性液晶レンズ202,203を、2個の偏光性ホログラフィック回折格子(偏光性HOE)に置き換えても良い。偏光性HOEは、偏光方向によって回折角が変化することでその焦点距離が変化する素子である。このように、本実施例における焦点距離調整素子は、偏光性液晶レンズや偏光性HOEなどの偏光選択性レンズであれば良い。
実施例3は、BD・DVD互換の光ピックアップの場合である。その構成は、実施例2(図5)に示す光ピックアップの光源パッケージ204を、BD用半導体レーザチップとDVD用半導体レーザチップを搭載する光源パッケージ304に置き換えている。また、コリメータレンズユニット201内の偏光性液晶レンズ202,203を、波長選択性ホログラフィック回折格子(以下、波長選択性HOE)302,303に置き換えたコリメータレンズユニット301としている。
波長選択性HOE302,303は、平板の表面に、深さが特定波長の整数倍である同心円状の回折格子を形成したものである。特定波長の光ビームが波長選択性HOEを通過するとき、段差によって位相差が生じ回折が発生するが、特定波長以外の光ビームはそのまま通過する。回折光ビームの+1次光強度が最大となるよう回折格子をブレーズ化すると、所定の焦点距離を持つレンズとして機能する。すなわち波長選択性HOEは、入射する光ビームが特定の波長であるときレンズとして機能し、それ以外の波長であるとき平板として機能するものである。本実施例における波長選択性HOE302,303は、BD用光ビームの波長を回折しDVD用光ビームの波長を透過するようにしている。
まず、BDを記録または再生する場合について説明する。光源パッケージ304から出射したBD用の光ビーム003は、光軸002をたどってコリメータレンズユニット301に入射する。コリメータレンズユニットに入射した光ビームは、まずコリメータレンズ006で平行光に変換される。その後、実線003aで示すように波長選択性HOE302,303で発散・集光され、再び平行光ビームに変換される。アクティブ液晶レンズ007,008と同様、波長選択性HOE302,303もアフォーカル光学系であり、光ビームの倍率が拡大される。その後、対物レンズ009へ進行する。光ピックアップの倍率M(Blue)は、コリメータレンズ006と、対物レンズ009と、波長選択性HOE302,303の焦点距離で決定し、(1)ないし(8)式で表すことができる。各式での倍率M(CP)は、偏光性HOE302,303の倍率に置き換わる。
次に、DVDを記録または再生する場合について説明する。光源パッケージ304から出射したDVD用の光ビーム003は、光軸002をたどってコリメータレンズユニット301に入射する。入射した光ビームは、まずコリメータレンズ006で平行光に変換され、波長選択性HOE302,303へ入射する。波長選択性HOEは、DVDの波長に対しては単なる透明平板として機能する。光ビームは、図中の破線003bで示すように、波長選択性HOE302,303をそのまま透過し、対物レンズ009へと進行する。光ピックアップの倍率M(Red)は、コリメータレンズ006と対物レンズ009の焦点距離のみで決定する。
本実施例では焦点距離調整素子として波長選択性HOEを用いる構成としたが、波長により屈折率が変化する波長選択性液晶レンズのような波長選択性レンズで構成しても良い。これより、BDとDVDに応じた適切な倍率M(Blue)、M(Red)に変換することができる。
以上述べた各実施例1、2、3については、以下の図6〜図8のように変形することも可能である。これらの図は実施例1に基づく場合であるが、実施例2,3に基づく場合でも同様である。
図6は、レーザ光源を同一の光源パッケージではなく複数の光源パッケージ101,102を有する構成である。この場合には、例えばビームスプリッタ103を用いることで、出射される各光ビームの光路を共通とすることができる。
図6は、レーザ光源を同一の光源パッケージではなく複数の光源パッケージ101,102を有する構成である。この場合には、例えばビームスプリッタ103を用いることで、出射される各光ビームの光路を共通とすることができる。
図7は、焦点距離調整素子100をコリメータレンズユニットから独立させて配置した構成である。この場合、コリメータレンズ006、焦点距離調整素子100、対物レンズ009が、レーザ光源から出射される全ての光ビームに共通の光路上に配置されていれば良い。ここで焦点距離調整素子100は、アクティブ液晶レンズ、偏光性液晶レンズ、波長選択性ホログラフィック回折格子のいずれでもよい。
図8は、コリメータレンズ006と焦点距離調整素子100の間に立ち上げミラー104を配置した構成である。この場合、焦点距離調整素子100と対物レンズ009を組み合わせたような構成になるが、コリメータレンズユニット005と同様に光ピックアップの倍率を調整することができるとともに、立ち上げミラー104により光路を略垂直方向に変換することでレーザ光源等の部品配置の自由度が増す。立ち上げミラー104は、焦点距離調整素子100と対物レンズ009の間に配置しても良い。
さらに、コリメータレンズユニットを構成する光学部品の配置については、コリメータレンズ006を焦点距離調整素子100より対物レンズ009側の光路上に配置しても、あるいはコリメータレンズ006を焦点距離調整素子100の2枚のレンズ007、008の間に配置しても良い。また、焦点距離調整素子100については、3枚以上のレンズを組み合わせてBD、DVD、CDの3波長それぞれに適切になるように光ピックアップの倍率を調整することもできる。
実施例4は、実施例1〜3の光ピックアップを用いた光ディスク装置について説明する。
図9は、実施例4における光ディスク装置のブロック構成図を示す。ここでは、実施例1の光ピックアップを用いた場合について説明する。
光ディスク401は、トレー(図示せず)に装着され、スピンドル402に固定されている。光ピックアップ403は、ガイドバー404に沿って光ディスク401の所定の位置にアクセスすることができる。
図9は、実施例4における光ディスク装置のブロック構成図を示す。ここでは、実施例1の光ピックアップを用いた場合について説明する。
光ディスク401は、トレー(図示せず)に装着され、スピンドル402に固定されている。光ピックアップ403は、ガイドバー404に沿って光ディスク401の所定の位置にアクセスすることができる。
コントロール回路405は、スピンドルモータ制御回路406を駆動しスピンドル402を回転させることで、光ディスク401を回転させる。またコントロール回路405は、アクセス制御回路407を駆動し、光ピックアップ403を光ディスク401の所定半径位置にアクセスする。またコントロール回路405は、レーザ駆動回路408を駆動し、光ピックアップ403内のBD用レーザ光源を点灯する。またコントロール回路405は、アクチュエータ駆動回路413を駆動し、アクチュエータ(図示せず)を光ディスクの垂直方向に駆動させる。
光ピックアップ403は、光検出器に入光した光ビームの強度に応じた検出信号をサーボ信号生成回路411に送信する。サーボ信号生成回路411は、検出信号に応じてフォーカス制御信号を生成し、コントロール回路405に送信する。コントロール回路405はフォーカス制御信号を媒体判別回路410に送信する。
媒体判別回路410は、例えばフォーカス制御信号レベルを予め設定した所定のスライスレベルと比較し、光ディスク401の種類を判別する。
フォーカス制御信号レベルが所定(BD用)のスライスレベルに満たしていれば、光ディスク401はBDであると判別する。フォーカス制御信号レベルが所定(BD用)のスライスレベルに満たない場合は、DVD用、CD用の光源を順次点灯し、フォーカス制御信号レベルと所定(DVD用、CD用)のスライスレベルと比較し、媒体を判定する。媒体判別結果は、コントロール回路405へ送信される。コントロール回路405は、媒体判別結果に応じて倍率選択回路409を駆動し、光ピックアップ403の光学倍率を選択する。
なお、フォーカス制御信号レベルが所定(BD用)のスライスレベルに満たない場合は、光源をDVD用、CD用に順次切り替えて点灯させると共に、倍率をDVD、CDに適切な倍率に切り替えてから媒体判別を行っても良い。
フォーカス制御信号レベルが所定(BD用)のスライスレベルに満たしていれば、光ディスク401はBDであると判別する。フォーカス制御信号レベルが所定(BD用)のスライスレベルに満たない場合は、DVD用、CD用の光源を順次点灯し、フォーカス制御信号レベルと所定(DVD用、CD用)のスライスレベルと比較し、媒体を判定する。媒体判別結果は、コントロール回路405へ送信される。コントロール回路405は、媒体判別結果に応じて倍率選択回路409を駆動し、光ピックアップ403の光学倍率を選択する。
なお、フォーカス制御信号レベルが所定(BD用)のスライスレベルに満たない場合は、光源をDVD用、CD用に順次切り替えて点灯させると共に、倍率をDVD、CDに適切な倍率に切り替えてから媒体判別を行っても良い。
倍率選択回路409は、例えば光ディスク401がBDであれば図1に示す電圧印加回路012からアクティブ液晶レンズ007,008に電圧を印加し、光ディスク401がDVDまたはCDであれば電圧印加回路012から電圧を印加しないように制御する。これより、光ディスクの媒体の種類に応じて光ピックアップ403の倍率を適切な値に変化させることができる。
コントロール回路405は、フォーカス制御信号に応じてアクチュエータ駆動回路413を駆動し、アクチュエータ(図示せず)に搭載された対物レンズの焦点が光ディスクの情報層に一致するよう制御する。サーボ信号生成回路411は、さらにトラッキング制御信号を生成し、コントロール回路405に送信する。コントロール回路405は、トラッキング制御信号に応じてアクチュエータ駆動回路413を駆動し、アクチュエータに搭載された対物レンズの焦点を光ディスク401のトラックに一致するよう制御する。
光ピックアップ403は、光検出器からの検出信号を再生信号生成回路412に送信する。再生信号生成回路412は検出信号に応じて再生信号を生成し、コントロール回路405に送信する。コントロール回路405は、再生信号の性能(例えば、再生信号のジッタや振幅)が最良になるよう、球面収差調整回路414を駆動し光ディスク上の球面収差を調整する。球面収差調整は、図1に示す対物レンズ009に入射する光ビームの角度を調整することで行う。そのため球面収差調整回路414は、コリメータレンズ006を光軸方向に駆動し、光ディスク上の球面収差を調整する。
また他の球面収差調整方法として、図1に示すアクティブ液晶レンズ007,008の焦点距離を調整することで、対物レンズ009に入射する光ビームの角度を調整することができる。その場合は、球面収差調整回路414によりアクティブ液晶レンズ007,008の焦点距離を調整し、光ディスク上の球面収差を調整する構成としても良い。
上記説明は、光ディスクの情報を再生する場合であるが、光ディスクに情報を記録する場合は、上記の動作を行いつつ、光源を点灯させ光ビームを光ディスク405へ集光照射させる。
光ディスク装置に接続されたホストは、所定の媒体に合った記録信号をコントロール回路405に送信する。コントロール回路405はこの記録信号に応じてレーザ駆動回路408を駆動し、光ディスクに401に情報を記録する。このときコントロール回路405は、アクセス制御回路407とスピンドルモータ駆動回路406を駆動し、光学ピックアップ403のアクセス制御と光ディスク401の回転制御などを行う。
光ディスク装置に接続されたホストは、所定の媒体に合った記録信号をコントロール回路405に送信する。コントロール回路405はこの記録信号に応じてレーザ駆動回路408を駆動し、光ディスクに401に情報を記録する。このときコントロール回路405は、アクセス制御回路407とスピンドルモータ駆動回路406を駆動し、光学ピックアップ403のアクセス制御と光ディスク401の回転制御などを行う。
以上、実施例1の光ピックアップを用いた光ディスク装置について説明した。なお、実施例2、3の光ピックアップを用いた光ディスク装置の場合には、上記した倍率選択回路409の動作は不要であり省略できる。すなわち、光ディスクの媒体の種類に応じて光ビームの偏光方向(実施例2)や波長(実施例3)が切り替わることを利用し、光ピックアップ403の倍率を自動的に変化させることができる。
図10は、図9の光ディスク装置の動作フローを示す図であり、光ディスク401がトレーに装着されてから倍率選択終了に至る工程を示す。
トレーに光ディスクを装着すると、スピンドルモータ402が駆動し、光ディスクを回転させる(S501)。コントロール回路405は倍率選択回路409を駆動し、光ピックアップ403を初期値としてBDに適切な倍率にする(S502)。次に、BD用光源を点灯する(S503)。アクチュエータを光ディスクの垂直方向に加振する(S504)。光ピックアップ403から検出信号がサーボ信号生成回路411に送信され、フォーカス制御信号が生成される。フォーカス制御信号は、コントロール回路405を介して媒体判別回路410に送信され、媒体判別がなされる(S505)。
トレーに光ディスクを装着すると、スピンドルモータ402が駆動し、光ディスクを回転させる(S501)。コントロール回路405は倍率選択回路409を駆動し、光ピックアップ403を初期値としてBDに適切な倍率にする(S502)。次に、BD用光源を点灯する(S503)。アクチュエータを光ディスクの垂直方向に加振する(S504)。光ピックアップ403から検出信号がサーボ信号生成回路411に送信され、フォーカス制御信号が生成される。フォーカス制御信号は、コントロール回路405を介して媒体判別回路410に送信され、媒体判別がなされる(S505)。
媒体がBDと判断された場合(S506)、コントロール回路405は何もしないで倍率選択を終了する。媒体がDVDまたはCDと判断された場合(S507)、コントロール回路405は倍率選択回路409を駆動し、光ピックアップ403をDVDまたはCDに適切な倍率にする(S508)。以後、DVDまたはCD用光源を点灯する。
本実施例の光ディスク装置は、以上の動作フローより、光ピックアップ403の倍率をBDまたはDVD・CDに適切な倍率に切り替えて設定できる。
本実施例の光ディスク装置は、以上の動作フローより、光ピックアップ403の倍率をBDまたはDVD・CDに適切な倍率に切り替えて設定できる。
図10の動作フローでは、S502において、光ピックアップ403の倍率の初期値をBDに適切な値に設定したが、DVDまたはCDに適切な倍率に設定しても良い。
以上のように本実施例によれば、光ディスクの媒体に応じて適切な光学倍率を設定することができる光ピックアップ及び光ディスク装置を提供できる。
以上のように本実施例によれば、光ディスクの媒体に応じて適切な光学倍率を設定することができる光ピックアップ及び光ディスク装置を提供できる。
001,101,102,204,304…光源パッケージ、
004…光分岐素子、
005,201,301…コリメータレンズユニット、
006…コリメータレンズ、
007,008…アクティブ液晶レンズ、
009…対物レンズ、
010,015,401…光ディスク、
011…光検出器、
012…電圧印加回路、
100…焦点距離調整素子、
202,203…偏光性液晶レンズ、
302,303…波長選択性ホログラフィック回折格子、
403…光ピックアップ、
405…コントロール回路、
409…倍率選択回路、
410…媒体判別回路、
414…球面収差調整回路。
004…光分岐素子、
005,201,301…コリメータレンズユニット、
006…コリメータレンズ、
007,008…アクティブ液晶レンズ、
009…対物レンズ、
010,015,401…光ディスク、
011…光検出器、
012…電圧印加回路、
100…焦点距離調整素子、
202,203…偏光性液晶レンズ、
302,303…波長選択性ホログラフィック回折格子、
403…光ピックアップ、
405…コントロール回路、
409…倍率選択回路、
410…媒体判別回路、
414…球面収差調整回路。
Claims (13)
- 光ディスクに光ビームを集光するとともに該光ディスクから反射した光ビームを受光する光ピックアップにおいて、
波長の異なる光ビームを出射する2個以上のレーザ光源と、
該レーザ光源から出射した光ビームを平行光ビームに変換するコリメータレンズと、
入射する光ビームの波長に対応して焦点距離が変化する焦点距離調整素子と、
光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、
前記コリメータレンズと前記焦点距離調整素子と前記対物レンズは、前記レーザ光源から出射される全ての光ビームに共通の光路上に配置されている光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
前記焦点距離調整素子に電圧を印加する電圧印加手段を有し、
前記焦点距離調整素子は、印加される電圧に応じて焦点距離が変化する光ピックアップ。 - 請求項2記載の光ピックアップにおいて、
前記焦点距離調整素子は、2個以上のアクティブ液晶レンズで構成される光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
前記レーザ光源は、特定の偏光方向をもつ第1の光ビームと、該特定の偏光方向以外の偏光方向をもつ第2の光ビームを出射し、
前記焦点距離調整素子は、入射する光ビームのうち前記第1の光ビームを屈折または回折するとともに、前記第2の光ビームをそのまま透過する偏光選択性レンズで構成される光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
前記レーザ光源から出射した光ビームのうち、少なくとも特定の波長の光ビームの偏光方向を変換する偏光変換手段を有し、
該偏光変換手段は、特定の偏光方向をもつ第1の光ビームと、該特定の偏光方向以外の偏光方向をもつ第2の光ビームを出射し、
前記焦点距離調整素子は、入射する光ビームのうち前記第1の光ビームを屈折または回折するとともに、前記第2の光ビームをそのまま透過する偏光選択性レンズで構成される光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
前記焦点距離調整素子は、入射する光ビームのうち特定の波長の光ビームを屈折または回折するとともに、前記特定の波長以外の波長の光ビームはそのまま透過する波長選択性レンズで構成される光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
前記焦点距離調整素子は、前記コリメータレンズと該焦点距離調整素子を1つの光学素子とみなした場合の焦点距離(F1)の前記対物レンズの焦点距離(F2)に対する比(F1/F2)が、波長400nm帯の光ビームで8倍以上、波長650〜800nm帯の光ビームで4ないし7倍となるように調整する光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
前記焦点距離調整素子は、前記コリメータレンズの焦点距離(F3)の、該焦点距離調整素子と前記対物レンズを1つの光学素子とみなした場合の焦点距離(F4)に対する比(F3/F4)が、波長400nm帯の光ビームで8倍以上、波長650〜800nm帯の光ビームで4ないし7倍となるように調整する光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
光ビームの光路を略垂直方向に変換する立ち上げミラーを有し、
該立ち上げミラーは、前記コリメータレンズから出射した光ビームを反射して前記焦点距離調整素子に入射するように配置されている光ピックアップ。 - 請求項1記載の光ピックアップにおいて、
光ビームの光路を略垂直方向に変換する立ち上げミラーを有し、
該立ち上げミラーは、前記焦点距離調整素子から出射した光ビームを反射して前記対物レンズに入射するように配置されている光ピックアップ。 - 光ディスクに情報を記録または再生する光ディスク装置において、
前記光ディスクに光ビームを集光するとともに該光ディスクから反射した光ビームを受光する光ピックアップと、
前記光ディスクの媒体の種類を判別する媒体判別手段を有し、
前記光ピックアップは、
波長の異なる光ビームを出射する2個以上のレーザ光源と、
該レーザ光源から出射した光ビームを平行光ビームに変換するコリメータレンズと、
入射する光ビームの波長に対応して焦点距離が変化する焦点距離調整素子と、
光ビームを光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、
前記コリメータレンズと前記焦点距離調整素子と前記対物レンズは、前記レーザ光源から出射される全ての光ビームに共通の光路上に配置されており、
前記媒体判別手段の媒体判別結果に応じて前記レーザ光源から出射する光ビームを切り換えることで、前記焦点距離調整素子により前記光ピックアップの光学倍率を調整する光ディスク装置。 - 請求項11記載の光ディスク装置において、
前記媒体判別手段の媒体判別結果に応じて前記光ピックアップの倍率を選択する倍率選択手段を有していることを特徴とする光ディスク装置。 - 複数のレーザ光源から波長の異なる光ビームを出射する光ピックアップの光学倍率の調整方法において、
前記光学倍率を第1の値に設定し、該第1の光学倍率に対応する第1のレーザ光源を点灯するステップと、
光ディスクの媒体の種類を判別するステップと、
前記光ディスクが前記第1のレーザ光源から出射する光ビームに対応する媒体の場合は、光学倍率の調整を終了し、
前記光ディスクが前記第1のレーザ光源から出射する光ビームに対応する媒体以外の場合は、前記光学倍率を第2の値に設定するステップと、
前記光ディスクが前記第1のレーザ光源から出射する光ビームに対応する媒体以外の場合は、前記第2の光学倍率に対応する第2のレーザ光源を点灯するステップと、
を有する光ピックアップの光学倍率調整方法。
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WO2013054634A1 (ja) * | 2011-10-14 | 2013-04-18 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 | 立体画像投影装置、立体画像投影方法、及び立体画像投影システム |
-
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WO2013054634A1 (ja) * | 2011-10-14 | 2013-04-18 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 | 立体画像投影装置、立体画像投影方法、及び立体画像投影システム |
JPWO2013054634A1 (ja) * | 2011-10-14 | 2015-03-30 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 | 立体画像投影装置、立体画像投影方法、及び立体画像投影システム |
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