JP2005141884A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005141884A
JP2005141884A JP2003380351A JP2003380351A JP2005141884A JP 2005141884 A JP2005141884 A JP 2005141884A JP 2003380351 A JP2003380351 A JP 2003380351A JP 2003380351 A JP2003380351 A JP 2003380351A JP 2005141884 A JP2005141884 A JP 2005141884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
optical
laser
band
laser beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003380351A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Hatano
卓史 波多野
Yuichiro Otoshi
祐一郎 大利
Katsuya Yagi
克哉 八木
Yuichi Shin
勇一 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Opto Inc filed Critical Konica Minolta Opto Inc
Priority to JP2003380351A priority Critical patent/JP2005141884A/ja
Publication of JP2005141884A publication Critical patent/JP2005141884A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】 青紫色レーザビームとそれよりも長波長帯のレーザビームとに対し使用する受光素子を共通化して、規格の異なった複数の光情報記録媒体に対する互換性を持たせた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】 波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯のレーザビームL1〜L3を出射するレーザ光源D1〜D3と、光ディスクDKで反射したレーザビームL1〜L3を受光して光情報を検出する受光素子PDと、各レーザ光源D1〜D3から光ディスクDKへの光路と光ディスクDKから受光素子PDへの光路との分岐を行う偏光ビームスプリッタCSと、を備え、偏光ビームスプリッタCSと受光素子PDとの間に、波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCFを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は光ピックアップ装置に関するものであり、例えば、青紫色レーザビームとその他の波長帯のレーザビームを用いて、規格の異なった複数の光情報記録媒体に光情報の記録や再生を行うことが可能な光ピックアップ装置に関するものである。
近年、波長405nm帯(=波長405±10nm)の青紫色レーザビームを用いる高密度光情報記録媒体(以下「高密度メディア」という。)、その記録/再生を行う光ディスク装置の開発が活発に行われている。このような高密度メディアの記録/再生を良好に行うためには、精度の高い光ピックアップ装置が必要である。また、高密度メディア用光ディスク装置であっても、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の既存の光情報記録媒体との互換性を持つことが望まれる。
規格の異なる複数の光情報記録媒体に対応した光ピックアップ装置としては、波長650nm帯(=波長650±20nm)の赤色レーザビームと、波長780nm帯(=波長780±20nm)の赤外レーザビームとに対し、使用する受光素子を共通化したDVD/CD対応の光ピックアップ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−91863号公報
特許文献1記載の光ピックアップ装置の場合、赤色と赤外との波長差が小さいため(120nm程度)、両波長帯に対して均一な分光感度を有する1つの受光素子を共用することにより、部品点数の削減を達成している。部品点数の削減は、低コスト化,小型化及び組立調整の容易化を可能にする。しかし、赤色や赤外よりも短い波長帯の青紫色レーザビーム(赤色/赤外との波長差:約250nm/380nm)に対しても、従来の光ピックアップ装置のように受光素子を共用しようとすると、すべてのレーザビームの光量を受光素子の性能に対応させることが困難になり、信号処理上の不都合が生じてしまう。青紫色レーザビームを出射する半導体レーザ光源のレーザ出力が、赤色・赤外のレーザビームを出射する半導体レーザ光源のレーザ出力に比べて弱く、また受光素子の感度が、波長650nm帯や波長780nm帯よりも波長405nm帯において低いからである。したがって、従来の光ピックアップ装置の構成では、高密度メディアと既存の光情報記録媒体との互換性を得ることが困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、青紫色レーザビームとそれよりも長波長帯のレーザビームとに対し使用する受光素子を共通化して、規格の異なった複数の光情報記録媒体に対する互換性を持たせた光ピックアップ装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の光ピックアップ装置は、波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯と波長650nm帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えたことを特徴とする。
第2の発明の光ピックアップ装置は、波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長780nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯と波長780nm帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えたことを特徴とする。
第3の発明の光ピックアップ装置は、波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、波長780nm帯のレーザビームを出射する第3の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えたことを特徴とする。
第4の発明の光ピックアップ装置は、上記第1又は第3の発明において、前記フィルター手段が波長650nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整することを特徴とする。
第5の発明の光ピックアップ装置は、上記第2又は第3の発明において、前記フィルター手段が波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整することを特徴とする。
第6の発明の光ピックアップ装置は、上記第3の発明において、前記フィルター手段が波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整することを特徴とする。
第7の発明の光ピックアップ装置は、上記第1,第3,第4又は第6の発明において、前記フィルター手段が以下の条件式(1A)を満たすことを特徴とする。
0.2<T650/T405<0.6 …(1A)
ただし、
T405:波長405nmのレーザビームの透過率、
T650:波長650nmのレーザビームの透過率、
である。
第8の発明の光ピックアップ装置は、上記第2,第3,第5又は第6の発明において、前記フィルター手段が以下の条件式(1B)を満たすことを特徴とする。
0.2<T780/T405<0.6 …(1B)
ただし、
T405:波長405nmのレーザビームの透過率、
T780:波長780nmのレーザビームの透過率、
である。
第9の発明の光ピックアップ装置は、上記第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記光路分岐手段に前記フィルター手段が一体化されていることを特徴とする。
第10の発明の光ピックアップ装置は、上記第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記受光素子に前記フィルター手段が一体化されていることを特徴とする。
第11の発明の光ピックアップ装置は、上記第1〜第8のいずれか1つの発明において、さらに前記フィルター手段と一体化されたレンズを有することを特徴とする。
第1〜第3の発明によれば、光路分岐手段と受光素子との間に各波長帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えた構成になっているので、青紫色レーザビームとそれよりも長波長帯のレーザビームとに対し使用する受光素子を共通化しても、すべてのレーザビームの光量を受光素子の性能に対応させることが可能となる。したがって、規格の異なった複数の光情報記録媒体に対する互換性を光ピックアップ装置に持たせることができる。
第4〜第6の発明によれば、フィルター手段が波長650nm帯や波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整する構成になっているので、受光素子の性能に対しビーム光量を効果的に対応させることができる。第7,第8の発明によれば、フィルター手段が好ましい透過率比を有する構成になっているので、いずれのレーザビームに関しても高いC/Nを得ることができる。第9〜第11の発明によれば、フィルター手段と他の光学素子との一体化により、光ピックアップ装置の小型化が可能となる。
以下、本発明を実施した光ピックアップ装置を、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
《第1〜第5の実施の形態》
図1〜図5に、光ピックアップ装置の第1〜第5の実施の形態に対応する光学構成をそれぞれ示す。これらの光ピックアップ装置は、青紫色レーザ対応の高密度メディア,赤色レーザ対応の光情報記録媒体,赤外レーザ対応の光情報記録媒体のいずれに対しても光情報の記録/再生を行うことが可能な3波長対応の光ピックアップ装置である。そして半導体レーザ光源として、波長405nm帯(=波長405±10nm)のレーザビームL1を出射する青色レーザ光源D1と、波長650nm帯(=波長650±20nm)のレーザビームL2を出射する赤色レーザ光源D2と、波長780nm帯(=波長780±20nm)のレーザビームL3を出射する赤外レーザ光源D3と、を備えている。ただし、3つのレーザ光源D1〜D3の2つ以上が同時に点灯することはない。例えば、光ディスクDKの厚さの違いや情報記録面SKに書き込まれている何らかの情報に応じて、どのレーザ光源D1〜D3を使うかが判断される。その判断を行うための手段(図示せず)を各光ピックアップ装置が備えており、そこでの判断に基づいて3つのレーザ光源D1〜D3のいずれか1つが点灯する。そして、レーザビームL1〜L3のうちのいずれか1つが出射して、情報記録面SKに対する光情報の記録又は再生が行われることになる。
第1〜第5の実施の形態において、3つのレーザ光源D1〜D3のうち、赤色レーザ光源D2と赤外レーザ光源D3とは近接して共通のパッケージ内に収められている。ただし、互いに110μm離れて配置されているため、結像位置は互いに異なっている。また、各波長対応の光情報記録媒体(図中の光ディスクDKに相当する。)は情報記録面SKまでの厚みが互いに異なっているが、記録/再生する光ディスクDKに応じてレーザビームL1〜L3が情報記録面SKで合焦するように、後述の対物レンズOLが作用する構成になっている。
青色レーザ光源D1から出射するレーザビームL1は、楕円状の光強度分布を有する発散光束であり、青色レーザ光源D1の活性層に対して平行方向の発散角θ‖が楕円短軸方向の発散角、垂直方向の発散角θ⊥が楕円長軸方向の発散角である(θ‖<θ⊥)。そしてこれらの実施の形態では、発散角θ‖=9°,θ⊥=23°(共に半値全角)になっており、図1〜図5に示す青色レーザ光源D1の配置では、発散角θ‖が紙面に平行、発散角θ⊥が紙面に垂直になっている。また、レーザビームL1の偏光状態は、その電気ベクトル方向が青色レーザ光源D1の活性層に対して平行な直線偏光になっている。
赤色,赤外レーザ光源D2,D3から出射するレーザビームL2,L3は、楕円状の光強度分布を有する発散光束であり、赤色,赤外レーザ光源D2,D3の活性層に対して平行方向の発散角θ‖が楕円短軸方向の発散角、垂直方向の発散角θ⊥が楕円長軸方向の発散角である(θ‖<θ⊥)。そしてこれらの実施の形態では、発散角θ‖=9°,θ⊥=16°(共に半値全角)になっており、図1〜図5に示す赤色,赤外レーザ光源D2,D3の配置では、発散角θ⊥が紙面に平行、発散角θ‖が紙面に垂直になっている。また、レーザビームL2,L3の偏光状態は、その電気ベクトル方向が赤色,赤外レーザ光源D2,D3の活性層に対して平行な直線偏光になっている。
青色レーザ光源D1から楕円状の光強度分布で発散するように出射したレーザビームL1は、ビーム整形素子BLで記録/再生のための特性上好ましい光強度分布に整形される。好ましい光強度分布としては、後述の対物レンズOLに入射する光束の周辺強度比(リム強度)として、例えば、65%(ディスクラジアル方向)、60%(ディスクタンジェンシャル方向)である。発散角θ⊥=23°をリム強度65%(ディスクラジアル方向)に割り当てるには、レーザビームL1のNA(numerical aperture)=0.155分を対物レンズOLの開口絞りAPに導いてやればよく、発散角θ‖=9°をリム強度60%(ディスクタンジェンシャル方向)に割り当てるには、レーザビームL1のNA=0.067分を対物レンズOLの開口絞りAPに導いてやればよい。これらの実施の形態のビーム整形素子BLでは、発散角θ⊥方向の整形倍率を0.43×とし、発散角θ‖方向には無変換とすることで上記所望のリム強度を得ている。
ビーム整形素子BLで整形されたレーザビームL1は、DPP法若しくは3ビーム法によるトラッキングを行うために回折格子GRに入射して、光ディスクDKに対する記録/再生を行うためのメインビーム(0次光)と、トラッキングエラーを検出するための2つのサブビーム(±1次光、図1〜図5中では省略する。)と、に分割される。そして回折格子GRから出射したレーザビーム(メインビーム)L1は、光路合成プリズムDPに入射する。
一方、赤色,赤外レーザ光源D2,D3から楕円状の光強度分布で発散するように出射したレーザビームL2,L3は、DPP法若しくは3ビーム法によるトラッキングを行うために回折格子GTに入射して、光ディスクDKに対する記録/再生を行うためのメインビーム(0次光)と、トラッキングエラーを検出するための2つのサブビーム(±1次光、図1〜図5中では省略する。)と、に分割される。そして、回折格子GTから出射したレーザビーム(メインビーム)L2,L3はカップリングレンズCPに入射する。この経路では、レーザビームL2,L3を楕円状の光強度分布のまま対物レンズOLに入射させる構成としており、出射効率とリム強度とのバランスをとるために、カップリングレンズCPでレーザビームL2,L3の発散角を変換させている。カップリングレンズCPで発散角が変換されたレーザビームL2,L3は、1/2波長板HWで偏光方向が90°回転された後、光路合成プリズムDPに入射する。
なお、レーザビームL2,L3のビーム整形は行わない構成になっているので、発散角θ⊥を主としてディスクタンジェンシャル方向に向ける必要がある。これに対しレーザビームL1側は、ビーム整形次第で青色レーザ光源D1の向きを変えることが可能である。したがって、1/2波長板HWをレーザビームL2,L3側に配置せずにレーザビームL1側に配置してもよい。このように、1/2波長板HWを必要に応じて配置することにより、各光学素子の相対的配置を変えて光ピックアップ装置全体の薄型化等を達成することが可能になる。
光路合成プリズムDPは、多層光学薄膜から成るダイクロイック膜DCを介して2つのガラスプリズムが貼り合わされた構成になっている。ダイクロイック膜DCは、波長405nm帯のレーザビームL1を反射させ、波長650nm帯のレーザビームL2と波長780nm帯のレーザビームL3を透過させる波長選択性を有している。したがって3本のレーザビームL1〜L3は、光路合成プリズムDPでの光路合成により、共通経路で偏光ビームスプリッタCSに入射することになる。
光路合成プリズムDPに設けられているダイクロイック膜DCは、波長405nm帯のレーザビームL1を透過させ、波長650nm帯のレーザビームL2と波長780nm帯のレーザビームL3を反射させる波長選択性を有するものでもよい。その場合、青色レーザ光源D1側の光路と赤色,赤外レーザ光源D2,D3の光路とを入れ替えればよい。また、戻り光抑制のためレーザビームL2,L3に対して偏光分離特性を有する光路合成プリズムDPを用いてもよく、必要に応じて1/2波長板HWを省略してもよい。
キューブ形態の偏光ビームスプリッタCSにレーザビームL1〜L3が入射するとき、偏光分離膜PCに対するレーザビームL1〜L3の入射角θ1=45°、角度範囲(開口角)α1=4°である。偏光ビームスプリッタCSは、基板となる2つの透明な三角プリズム間に多層光学薄膜から成る偏光分離膜PCを有する光路分岐手段である。偏光分離膜PCは、入射光束のP偏光成分をほとんど透過させ、かつ、S偏光成分をほとんど反射させる偏光分離特性を有するものであり、このときの偏光分離膜PCに対するレーザビームL1〜L3の偏光方向はP偏光である。したがってレーザビームL1〜L3は、偏光分離膜PCに対し大部分が透過し、これにより各レーザ光源D1〜D3から光ディスクDKへの光路が形成される。
赤色,赤外レーザ光源D2,D3は青色レーザ光源D1に比べてレーザ出力が大きいので、レーザビームL2,L3に対する偏光ビームスプリッタCSのS偏光の反射率は低くてもよい。ただし、入射角特性はフラットであるのが好ましく、フラットでなくても入射角が振れたときにS偏光の反射率が共に高くなる方向ならば構わない。また、赤色,赤外レーザ光源D2,D3はレーザ出力が大きいので、レーザビームL2,L3に対してのみ偏光に依存しないハーフミラー機能で光路分岐を行う偏光ビームスプリッタCSを用いてもよい。
偏光ビームスプリッタCSを透過したレーザビームL1〜L3は、コリメータ光学系CLに入射する。コリメータ光学系CLは、入射してきたレーザビームL1〜L3を略平行ビームに変換する。このコリメータ光学系CLは、空気間隔を挟んで凸レンズと凹レンズとの2群2枚構成になっており、その空気間隔はアクチュエータ(不図示)により可変になっている。空気間隔を変化させることにより、出射するレーザビームL1〜L3の発散角度を変えて、光ディスクDKの基板厚誤差により発生する波面収差を調整することができる。コリメータ光学系CLで略平行ビームに変換されたレーザビームL1〜L3は、1/4波長板QWで円偏光に変換され、開口絞りAPを通過した後、前記3波長について良好な結像性能を有する波長互換タイプの対物レンズOLに入射して、光ディスクDKの情報記録面SK上で光スポットとして結像する。
対物レンズOLは、図1〜図5では単レンズであり、かつ、1つのレンズで3種類の波長若しくは光ディスクに対応しているが、別の態様であってもよい。例えば、レンズ自体については、2枚以上の光学素子で組み合わせてもよく、特にNAが大きい場合、複数枚のレンズ構成は有利である。また、複数種類の光ディスク互換については、記録・再生の対象光ディスクごとに、複数のレンズを用意し機械的に切り替えて使用する、いわゆる複数レンズ方式を採用することもできる。例えば、青紫レーザビームL1を使用する光ディスクDKに対する専用の対物レンズと、赤色レーザビームL2を使用する光ディスクDK用及び赤外レーザビームL3を使用する光ディスクDK用の対物レンズの2つのレンズを使用する、ツインレンズ方式を採用してもよい。
また、1つの対物レンズOLで光ディスクDKに応じた収束光を発生させることになるので、各レーザビームL1,L2,L3の実使用NA≒0.85,0.65,0.50とすると、入射角度範囲=±4°,±3.1°,±2.4°となる。したがって、この入射角度範囲での各波長のレーザビームL1〜L3に関して偏光分離膜PCを設計すればよい。対物レンズOLの手前に、球面収差やコマ収差を補正するための液晶補正素子を配置してもよい。液晶補正素子を用いることにより、コリメータ光学系CLの空気間隔を機械的に変化させる構成と同様、球面収差等を調整することができる。
情報記録面SK上で結像したレーザビームL1〜L3は、情報記録面SKで反射されて戻り光となり、対物レンズOL,開口絞りAP,1/4波長板QW,コリメータ光学系CLを順に通過して、偏光ビームスプリッタCSに戻る。レーザビームL1〜L3は、偏光ビームスプリッタCSに戻ってくる途中、1/4波長板QWを通過するため、偏光分離膜PCへはS偏光として入射することになる。このS偏光成分の反射により光ディスクDKから受光素子PDへの光路が形成される。したがって、偏光ビームスプリッタCSで反射したレーザビームL1〜L3は、第1,第2の実施の形態ではセンサーレンズSLと光学フィルターCFを通過した後、第3〜第5の実施の形態ではセンサーレンズSLとフィルター膜FCを通過した後、信号系の受光素子PD上で集光することになる。そして、レーザビームL1〜L3に含まれている光情報が受光素子PDで検出される。
第1の実施の形態では、センサーレンズSLと受光素子PDとの間に、光学フィルターCFが独立した光学素子として配置されている。第2の実施の形態では、偏光ビームスプリッタCSの受光素子PD側のプリズム面に、光学フィルターCFが貼り合わせにより一体化された状態で配置されている。第3の実施の形態では、偏光ビームスプリッタCSの受光素子PD側のプリズム面に、誘電体膜から成るフィルター膜FCが成膜により一体化された状態で配置されている。第4の実施の形態では、センサーレンズSLの偏光ビームスプリッタCS側のレンズ面に、誘電体膜から成るフィルター膜FCが成膜により一体化された状態で配置されている。第5の実施の形態では、受光素子PDの偏光ビームスプリッタCS側のカバーガラス面に、誘電体膜から成るフィルター膜FCが成膜により一体化された状態で配置されている。
第1〜第5の実施の形態において、偏光ビームスプリッタCSと受光素子PDとの間に配置されている光学フィルターCF又はフィルター膜FCは、波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整するフィルター手段であり、波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように、各レーザビームL1〜L3の透過光量を波長選択的に変化させる。その透過光量の調整により、すべてのレーザビームL1〜L3の光量を受光素子PDの性能に対応させることが可能となる。つまり、青紫色レーザビームL1とそれよりも長波長帯のレーザビームL2,L3とに対し使用する受光素子PDが共通化されているにもかかわらず、信号処理上の不都合が生じない。したがって、規格の異なった複数の光情報記録媒体(高密度メディアを含む。)に対する互換性を光ピックアップ装置に持たせることができる。
フィルター手段としての光学フィルターCFやフィルター膜FCは、偏光ビームスプリッタCSと受光素子PDとの間に位置すればよく、第1〜第5の実施の形態の配置に限らない。また、第3〜第5の実施の形態のようにフィルター膜FCとして他の光学素子と一体化すれば、部品点数を増やすことなく低コストでフィルター手段を構成することができるため好ましく、製造上の容易さ等の観点から言えば、偏光ビームスプリッタCSのプリズム面にフィルター膜FCを成膜する構成が好ましい。なお、レーザビームL1〜L3の主光線に対して光学フィルターCF又はフィルター膜FCを傾けることにより非点収差を発生させれば、非点収差法によるフォーカシングやエラー検出を簡単な構成で安価に行うことができる。
フィルター手段としての光学フィルターCFやフィルター膜FCの機能を更に詳しく説明する。各レーザ光源D1〜D3のレーザ出力は互いに異なり、また、受光素子PDの波長に対する感度比も異なる。図14に、2つのタイプの受光素子M405,M655について、その分光感度特性を示す。いずれも感度に高い波長依存性を有しており、その感度比は、波長650nm帯及び波長780nm帯での感度:約400mA/Wに対し、波長405nm帯での感度:約300mA/Wになっている。したがって、同じ受光素子PDで3つの波長に対応しようとすると、受光量と受光感度から構成される出力が同じになるようにバランスさせる必要がある。そのカラーバランスを調整するのが、上記波長選択性を有する光学フィルターCF又はフィルター膜FCである。
一般に青色レーザ光源は赤色レーザ光源や赤外レーザ光源よりもレーザ出力が低いため、光学フィルターCF又はフィルター膜FCで赤色・赤外のレーザビームL2,L3の光量を低下させるのが好ましく(例えば30〜60%低下)、例えば、図13に示すような分光透過率特性を有する光学フィルターCF又はフィルター膜FCを用いるのが好ましい。また、光ディスクDKに対する照射光量の規格(例えば、高密度メディアで0.35mW,DVD/CDで0.70〜1.00mW)を上回ると、光ディスクDKに保持されている記録情報が消去されるおそれがあり、下回ると記録情報の読み取りが困難になる。このため、使用する光ディスクDKの光量規格を考慮した分光透過率特性を有する光学フィルターCF又はフィルター膜FCを用いるのが好ましい。第1〜第5の実施の形態では、上記レーザ出力特性や光量規格に対応した分光透過率特性を、光学フィルターCF又はフィルター膜FCに持たせることにより、すべてのレーザビームL1〜L3に対し受光素子の共通化を達成している。
上記光学フィルターCF又はフィルター膜FCを用いたカラーバランス調整は、第1〜第5の実施の形態のような3波長互換タイプの光ピックアップ装置に限らず、2波長互換タイプの光ピックアップ装置にも適用可能である。したがって、波長405nm帯と波長650nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCF又はフィルター膜FC、波長405nm帯と波長780nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCF又はフィルター膜FC、あるいは第1〜第5の実施の形態のように波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCF又はフィルター膜FCを用いればよい。その際、波長650nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整してもよく、波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整してもよく、第1〜第5の実施の形態のように波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整してもよい。これらの調整においては、波長650nm帯,波長780nm帯のうちの少なくとも一方の透過光量のみを低下させてもよく、波長650nm帯,波長780nm帯のうちの少なくとも一方の透過光量を波長405nm帯の透過光量より大きく低下させてもよい。
光学フィルターCF又はフィルター膜FCは、以下の条件式(1A)を満たすことが望ましい。条件式(1A)の上限を越えると、赤色レーザビームの光量が多すぎて、青紫色レーザビームのCN比(C/N:Carrier to Noise ratio)が高くとれなくなる。逆に、条件式(1A)の下限を越えると、赤色レーザビームの光量が少なすぎて、赤色レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。
0.2<T650/T405<0.6 …(1A)
ただし、
T405:波長405nmのレーザビームの透過率、
T650:波長650nmのレーザビームの透過率、
である。
光学フィルターCF又はフィルター膜FCは、以下の条件式(1B)を満たすことが望ましい。条件式(1B)の上限を越えると、赤外レーザビームの光量が多すぎて、青紫色レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。逆に、条件式(1B)の下限を越えると、赤外レーザビームの光量が少なすぎて、赤外レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。
0.2<T780/T405<0.6 …(1B)
ただし、
T405:波長405nmのレーザビームの透過率、
T780:波長780nmのレーザビームの透過率、
である。
《第6の実施の形態》
図6に、光ピックアップ装置の第6の実施の形態に対応する光学構成を示す。この光ピックアップ装置は、青紫色レーザ対応の高密度メディア,赤色レーザ対応の光情報記録媒体,赤外レーザ対応の光情報記録媒体のいずれに対しても光情報の記録/再生を行うことが可能な3波長対応の光ピックアップ装置である。そして半導体レーザ光源として、波長405nm帯(=波長405±10nm)のレーザビームL1を出射する青色レーザ光源D1と、波長650nm帯(=波長650±20nm)のレーザビームL2を出射する赤色レーザ光源D2と、波長780nm帯(=波長780±20nm)のレーザビームL3を出射する赤外レーザ光源D3と、を備えている。ただし、3つのレーザ光源D1〜D3の2つ以上が同時に点灯することはない。例えば、光ディスクDKの厚さの違いや情報記録面SKに書き込まれている何らかの情報に応じて、どのレーザ光源D1〜D3を使うかが判断される。その判断を行うための手段(図示せず)を各光ピックアップ装置が備えており、そこでの判断に基づいて3つのレーザ光源D1〜D3のいずれか1つが点灯する。そして、レーザビームL1〜L3のうちのいずれか1つが出射して、情報記録面SKに対する光情報の記録又は再生が行われることになる。
3つのレーザ光源D1〜D3のうち、赤色レーザ光源D2と赤外レーザ光源D3とは近接して共通のパッケージ内に収められている。ただし、互いに110μm離れて配置されているため、結像位置は互いに異なっている。また、各波長対応の光情報記録媒体(図中の光ディスクDKに相当する。)は情報記録面SKまでの厚みが互いに異なっているが、記録/再生する光ディスクDKに応じてレーザビームL1〜L3が情報記録面SKで合焦するように、後述の対物レンズOLが作用する構成になっている。
青色レーザ光源D1から出射するレーザビームL1は、楕円状の光強度分布を有する発散光束であり、青色レーザ光源D1の活性層に対して平行方向の発散角θ‖が楕円短軸方向の発散角、垂直方向の発散角θ⊥が楕円長軸方向の発散角である(θ‖<θ⊥)。そしてこの実施の形態では、発散角θ‖=9°,θ⊥=23°(共に半値全角)になっており、図6に示す青色レーザ光源D1の配置では、発散角θ⊥が紙面に平行、発散角θ‖が紙面に垂直になっている。また、レーザビームL1の偏光状態は、その電気ベクトル方向が青色レーザ光源D1の活性層に対して平行な直線偏光になっている。
赤色,赤外レーザ光源D2,D3から出射するレーザビームL2,L3は、楕円状の光強度分布を有する発散光束であり、赤色,赤外レーザ光源D2,D3の活性層に対して平行方向の発散角θ‖が楕円短軸方向の発散角、垂直方向の発散角θ⊥が楕円長軸方向の発散角である(θ‖<θ⊥)。そしてこの実施の形態では、発散角θ‖=9°,θ⊥=16°(共に半値全角)になっており、図6に示す赤色,赤外レーザ光源D2,D3の配置では、発散角θ‖が紙面に平行、発散角θ⊥が紙面に垂直になっている。また、レーザビームL2,L3の偏光状態は、その電気ベクトル方向が赤色,赤外レーザ光源D2,D3の活性層に対して平行な直線偏光になっている。
青色レーザ光源D1から楕円状の光強度分布で発散するように出射したレーザビームL1は、ビーム整形素子BLで記録/再生のための特性上好ましい光強度分布に整形される。好ましい光強度分布としては、後述の対物レンズOLに入射する光束の周辺強度比(リム強度)として、例えば、65%(ディスクラジアル方向)、60%(ディスクタンジェンシャル方向)である。発散角θ⊥=23°をリム強度65%(ディスクラジアル方向)に割り当てるには、レーザビームL1のNA(numerical aperture)=0.155分を対物レンズOLの開口絞りAPに導いてやればよく、発散角θ‖=9°をリム強度60%(ディスクタンジェンシャル方向)に割り当てるには、レーザビームL1のNA=0.067分を対物レンズOLの開口絞りAPに導いてやればよい。この実施の形態のビーム整形素子BLでは、発散角θ⊥方向の整形倍率を0.43×とし、発散角θ‖方向には無変換とすることで上記所望のリム強度を得ている。
ビーム整形素子BLで整形されたレーザビームL1は、DPP法若しくは3ビーム法によるトラッキングを行うために回折格子GRに入射して、光ディスクDKに対する記録/再生を行うためのメインビーム(0次光)と、トラッキングエラーを検出するための2つのサブビーム(±1次光、図1中では省略する。)と、に分割される。そして回折格子GRから出射したレーザビーム(メインビーム)L1は、光路合成プリズムDPに入射する。
一方、赤色,赤外レーザ光源D2,D3から楕円状の光強度分布で発散するように出射したレーザビームL2,L3は、DPP法若しくは3ビーム法によるトラッキングを行うために回折格子GTに入射して、光ディスクDKに対する記録/再生を行うためのメインビーム(0次光)と、トラッキングエラーを検出するための2つのサブビーム(±1次光、図6中では省略する。)と、に分割される。そして、回折格子GTから出射したレーザビーム(メインビーム)L2,L3はカップリングレンズCPに入射する。この経路では、レーザビームL2,L3を楕円状の光強度分布のまま対物レンズOLに入射させる構成としており、出射効率とリム強度とのバランスをとるために、カップリングレンズCPでレーザビームL2,L3の発散角を変換させている。カップリングレンズCPで発散角が変換されたレーザビームL2,L3は、1/2波長板HWで偏光方向が90°回転された後、光路合成プリズムDPに入射する。
なお、レーザビームL2,L3のビーム整形は行わない構成になっているので、発散角θ⊥を主としてディスクタンジェンシャル方向に向ける必要がある。これに対しレーザビームL1側は、ビーム整形次第で青色レーザ光源D1の向きを変えることが可能である。したがって、1/2波長板HWをレーザビームL2,L3側に配置せずにレーザビームL1側に配置してもよい。このように、1/2波長板HWを必要に応じて配置することにより、各光学素子の相対的配置を変えて光ピックアップ装置全体の薄型化等を達成することが可能になる。
光路合成プリズムDPは、多層光学薄膜から成るダイクロイック膜DCを介して2つのガラスプリズムが貼り合わされた構成になっている。ダイクロイック膜DCは、波長405nm帯のレーザビームL1を反射させ、波長650nm帯のレーザビームL2と波長780nm帯のレーザビームL3を透過させる波長選択性を有している。したがって3本のレーザビームL1〜L3は、光路合成プリズムDPでの光路合成により、共通経路で偏光ビームスプリッタBSに入射することになる。
光路合成プリズムDPに設けられているダイクロイック膜DCは、波長405nm帯のレーザビームL1を透過させ、波長650nm帯のレーザビームL2と波長780nm帯のレーザビームL3を反射させる波長選択性を有するものでもよい。その場合、青色レーザ光源D1側の光路と赤色,赤外レーザ光源D2,D3の光路とを入れ替えればよい。また、戻り光抑制のためレーザビームL2,L3に対して偏光分離特性を有する光路合成プリズムDPを用いてもよく、必要に応じて1/2波長板HWを省略してもよい。
平行平面板状の偏光ビームスプリッタBSにレーザビームL1〜L3が入射するとき、偏光分離膜PCに対するレーザビームL1〜L3の入射角θ1=60°、角度範囲(開口角)α1=4°である。偏光ビームスプリッタBSは、基板となる透明な平行平面板PTと、その一方の面に施された多層光学薄膜(又は保護膜で覆われた多層光学薄膜)から成る偏光分離膜PCと、他方の面に施された多層光学薄膜(又は保護膜で覆われた多層光学薄膜)から成る反射防止膜ACと、で構成された光路分岐手段である。偏光分離膜PCは、入射光束のS偏光成分をほとんど反射させ、かつ、P偏光成分をほとんど透過させる偏光分離特性を有するものであり、このときの偏光分離膜PCに対するレーザビームL1〜L3の偏光方向はS偏光である。したがってレーザビームL1〜L3は、空気との接触状態にある偏光分離膜PCで大部分が反射され、これにより各レーザ光源D1〜D3から光ディスクDKへの光路が形成される。
偏光ビームスプリッタBSの偏光分離膜PCに対し、θ1=60°で各レーザビームL1〜L3を入射させる構成とすることにより、偏光分離性能が向上し、また平行平面板PTが厚くなりすぎずに非点収差発生が大きく、相対的にコマ収差が少ない検出系とすることができる。θ1=45°に制約されない構成の方が、光ピックアップ設計の自由度が向上するというメリットもある。
図7に、3波長帯(波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯),膜面に対する入射角度60±4°{(A)56°,(B)60°,(C)64°}で用いる偏光分離膜PCの偏光分離特性を透過率(%;太線:S偏光の透過率,細線:P偏光の透過率)で示す。この偏光分離特性を有する偏光分離膜PCは、第6の実施の形態用として最適化したものであり、実使用波長である400nm〜415nm,60±4°の範囲において、P偏光の透過率Tp>92%,S偏光の反射率Rs>95%;650nm〜665nm,入射角度60±4°の範囲において、P偏光の透過率Tp>90%,S偏光の反射率Rs>95%;780nm〜795nm,入射角度60±3°の範囲において、P偏光の透過率Tp>90%,S偏光の反射率RS>95%と、良好な特性が得られている。また、図8に反射による位相の変化{(A)波長405nm,(B)波長650nm,(C)波長780nmでのS偏光の位相シフト}を示す。図8から分かるように、反射による位相シフトは各波長帯の使用角度範囲において概ね直線的になっている。
図9に、3波長帯(波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯),膜面に対する入射角度45±4°{(A)41°,(B)45°,(C)49°}で用いる偏光分離膜PCの偏光分離特性を反射率(%;Rs:S偏光の反射率,Rp:P偏光の反射率)で示し、図10に、3波長帯(波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯),膜面に対する入射角度45±4°{(A)41°,(B)45°,(C)49°}で用いる偏光分離膜PCの偏光分離特性を透過率(%;太線:S偏光の透過率,細線:P偏光の透過率)で示す。この偏光分離特性を有する偏光分離膜PCは、偏光ビームスプリッタBSの配置を第6の実施の形態の状態から変えて最適化したものであり、実使用波長である400nm〜415nm,入射角度45±4°の範囲において、P偏光の透過率Tp>92%,S偏光の反射率Rs>95%;650nm〜665nm,入射角度45±4°の範囲において、P偏光の透過率Tp>90%,S偏光の反射率Rs>95%;780nm〜795nm,入射角度45±3°の範囲において、P偏光の透過率Tp>90%,S偏光の反射率RS>95%と、良好な特性が得られている。また、図11に反射による位相の変化{(A)波長405nm,(B)波長650nm,(C)波長780nmでのS偏光の位相シフト}を示す。図11から分かるように、反射による位相シフトは各波長帯の使用角度範囲において概ね直線的になっている。
本実施の形態のように、整形後のレーザビームL1〜L3を空気との接触状態にある偏光分離膜PCで反射させる構成にすれば、光路分岐の光学構成が簡単になるとともに光学的レイアウトの自由度が高くなるため、光ピックアップ装置の軽量化・薄型化・小型化・低コスト化が容易になる。また、平行平面板状の偏光ビームスプリッターBSを用いることにより、偏光ビームスプリッタBSを透過する戻り光に対し非点収差を発生させることができるので、非点収差法によるフォーカシングやエラー検出も可能となる。したがって、偏光ビームスプリッタBSの製造工程簡略化と非点収差発生素子の省略により、光ピックアップ装置の低コスト化にも寄与することができる。また、貼合面が不要であるため接着剤層による吸収がなく、光利用効率の高い光学系とすることができる。このようにして、青紫色レーザを用いる高密度メディアに対応可能であって、簡単な構成でありながら小型化・低コスト化が容易な光ピックアップ装置を実現することができる。
前述したように多層光学薄膜で構成される偏光分離膜PCは、入射光束のS偏光成分の大部分を反射させP偏光成分の大部分を透過させる偏光分離特性を有している。この偏光分離特性を向上させるには、一般に入射角を小さくし、発散光束の場合にはその発散角範囲を狭くする方が好ましい。その入射角依存性を満たすために、本実施の形態ではビーム整形素子BLを用いている。つまり、発散角θ⊥を縮小するビーム整形素子BLを偏光ビームスプリッタBSの入射前に配置しており、そのビーム整形素子BLがレーザビームL1〜L3の楕円長軸方向の発散角を縮小することにより、空気中入射でありながら偏光分離膜PCへの入射角度範囲を60±4°と狭めている。これにより偏光ビームスプリッタの入射角依存性に適合した最適な偏光分離特性での光路分岐が可能となる。また、ビーム整形素子BLを使って入射角度範囲を狭くすることにより、膜設計の点で、S偏光の反射位相を直線にすることが容易に実現できる。
前述した入射角依存性や光学的レイアウト等の観点から、偏光ビームスプリッタBSに入射するレーザビームL1〜L3の主たる偏光成分がS偏光であり、以下の条件式(1)を満たすことが望ましい。条件式(1)を満たすことにより、偏光分離膜PCの偏光分離特性を活かして、より一層良好な光路分岐が可能となる。
35≦θ1≦65 …(1)
ただし、
θ1:偏光ビームスプリッタに対するレーザビームの主光線の入射角度(°)、
である。
また偏光ビームスプリッタBSは、入射するレーザビームL1〜L3のS偏光成分の一部を透過させるように構成されている。偏光ビームスプリッタBSを透過したレーザビームL1〜L3は、絞りST,集光レンズDL及び光学フィルターFLを通過した後、レーザパワーモニタPMで受光される。レーザパワーモニタPMは、偏光ビームスプリッタBSを透過したレーザビームL1〜L3で各レーザ光源D1〜D3のレーザ出力を検出するモニタ用受光素子であり、ゴーストを防止するためにレーザビームL1〜L3の主光線に対して傾けてある。偏光ビームスプリッタBSには光ディスクDKからの戻り光がP偏光として入射するため、反射防止膜AC無しでも充分高い透過率Tpが得られる。したがって反射防止膜ACを省略してもよいが、反射防止膜ACが無いと、レーザパワーモニタPMが使用するS偏光に関しては無視できない反射損失が生じてしまう。このため、透過率Tsを高くすることの可能な反射防止膜ACを施すのが好ましい。
偏光ビームスプリッタBSとレーザパワーモニタPMとの間には、偏光ビームスプリッタBSを透過したレーザビームL1〜L3に対して以下の条件式(2)を満たす光学フィルターFLが配置されている。条件式(2)を満たす光学フィルターFLを用いることにより、波長に応じた光量でレーザ出力をモニタすることが可能となる。
TS650<TS405 …(2)
ただし、
TS405:波長405nmのレーザビームのS偏光成分の透過率(%)、
TS650:波長650nmのレーザビームのS偏光成分の透過率(%)、
である。
上記波長選択性を有する光学フィルターFLにより、偏光ビームスプリッタBSを透過したレーザビームL1〜L3に対するカラーバランス調整が行われる。そしてレーザパワーモニタPMは、光学フィルターFLを透過したレーザビームL1〜L3でレーザ光源D1〜D3のレーザ出力を検出する。各レーザ光源D1〜D3のレーザ出力は互いに異なり、また前述したように、レーザパワーモニタPMに用いる受光素子の波長に対する感度比も異なる(図14参照。)。したがって、同じレーザパワーモニタPMで3つの波長に対応しようとすると、受光量と受光感度から構成される出力が同じになるようにバランスさせる必要がある。一般に青色レーザ光源は赤色レーザ光源や赤外レーザ光源よりもレーザ出力が低いため、光学フィルターFLで赤色・赤外のレーザビームL2,L3の光量を低下させるのが好ましく(例えば30〜60%低下)、例えば、図13に示すような分光透過率特性を有する光学フィルターFLを用いるのが好ましい。また、光ディスクDKに対する照射光量の規格(例えば、高密度メディアで0.35mW,DVD/CDで0.70〜1.00mW)を上回ると、光ディスクDKに保持されている記録情報が消去されるおそれがあり、下回ると記録情報の読み取りが困難になる。このため、使用する光ディスクDKの光量規格を考慮した分光透過率特性を有する光学フィルターFLを用いるのが好ましい。
この実施の形態では、集光レンズDLとレーザパワーモニタPMとの間に光学フィルターFLが配置されているが、偏光ビームスプリッタBSとレーザパワーモニタPMとの間であれば、どこに光学フィルターFLを配置しても構わない。例えば、レーザパワーモニタPM上に光学フィルターFLを設けてもよく、偏光ビームスプリッタBSの裏面にフィルター膜を設けて光学フィルターFLを構成してもよい。偏光ビームスプリッタPBを構成している平行平面板PTの裏面にフィルター膜を施せば、部品点数を増やすことなく低コストで光学フィルターFLを構成することができる。その場合、信号光の光路とレーザパワーモニタPMへの光路とがダブり易くなり、モニタ光が影響を受けるおそれがある。しかし、入射角を小さくして平行平面板PTの板厚を大きくすれば、屈折作用により光路を分離して上記ダブりを回避することが可能である。
上述したように、赤色,赤外レーザ光源D2,D3は青色レーザ光源D1に比べてレーザ出力が大きいので、レーザビームL2,L3に対する偏光ビームスプリッタBSのP偏光の透過率は低くてもよい。ただし、入射角特性はフラットであるのが好ましく、フラットでなくても入射角が振れたときにP偏光の透過率が共に高くなる方向ならば構わない。また、赤色,赤外レーザ光源D2,D3はレーザ出力が大きいので、レーザビームL2,L3に対してのみ偏光に依存しないハーフミラー機能で光路分岐を行う偏光ビームスプリッタBSを用いてもよい。
偏光ビームスプリッタBSで反射したレーザビームL1〜L3は、コリメータ光学系CLに入射する。コリメータ光学系CLは、入射してきたレーザビームL1〜L3を略平行ビームに変換する。このコリメータ光学系CLは、空気間隔を挟んで凸レンズと凹レンズとの2群2枚構成になっており、その空気間隔はアクチュエータ(不図示)により可変になっている。空気間隔を変化させることにより、出射するレーザビームL1〜L3の発散角度を変えて、光ディスクDKの基板厚誤差により発生する波面収差を調整することができる。コリメータ光学系CLで略平行ビームに変換されたレーザビームL1〜L3は、1/4波長板QWで円偏光に変換され、開口絞りAPを通過した後、前記3波長について良好な結像性能を有する波長互換タイプの対物レンズOLに入射して、光ディスクDKの情報記録面SK上で光スポットとして結像する。なお、対物レンズOLは単レンズ方式に限らず、ツインレンズ方式でもよい。
また、1つの対物レンズOLで光ディスクDKに応じた収束光を発生させることになるので、各レーザビームL1,L2,L3の実使用NA≒0.85,0.65,0.50とすると、入射角度範囲=±4°,±3.1°,±2.4°となる。したがって、この入射角度範囲での各波長のレーザビームL1〜L3に関して偏光分離膜PCを設計すればよい。対物レンズOLの手前に、球面収差やコマ収差を補正するための液晶補正素子を配置してもよい。液晶補正素子を用いることにより、コリメータ光学系CLの空気間隔を機械的に変化させる構成と同様、球面収差等を調整することができる。
情報記録面SK上で結像したレーザビームL1〜L3は、情報記録面SKで反射されて戻り光となり、対物レンズOL,開口絞りAP,1/4波長板QW,コリメータ光学系CLを順に通過して、偏光ビームスプリッタBSに戻る。レーザビームL1〜L3は、偏光ビームスプリッタBSに戻ってくる途中、1/4波長板QWを通過するため、偏光分離膜PCへはP偏光として入射することになる。このP偏光成分の透過により光ディスクDKから受光素子PDへの光路が形成される。偏光分離膜PCに対するレーザビームL1〜L3の入射角θ1=45°、角度範囲(開口角)α1=5°の範囲であれば、偏光分離膜PCのP偏光透過率Tpを90%以上にすることができる。したがって偏光ビームスプリッタBSは、光ディスクDKからの戻り光を高い効率で透過させることができる。偏光ビームスプリッタBSを透過したレーザビームL1〜L3は、光学フィルターCFとセンサーレンズSLを経て、信号系の受光素子PD上で集光する。そして、レーザビームL1〜L3に含まれている光情報が受光素子PDで検出される。
第6の実施の形態では、偏光ビームスプリッタBSとセンサーレンズSLとの間に、光学フィルターCFが独立した光学素子として配置されている。この光学フィルターCFは、前記第1〜第5の実施の形態の場合と同様、偏光ビームスプリッタCSと受光素子PDとの間に位置すればよく、他の光学素子と一体化させてもよい。なお、光学フィルターCFはレーザビームL1〜L3の主光線に対し傾いた状態で配置されているので、非点収差法のための非点収差の発生にも寄与している。
第6の実施の形態において、偏光ビームスプリッタCSと受光素子PDとの間に配置されている光学フィルターCFは、波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整するフィルター手段であり、波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように、各レーザビームL1〜L3の透過光量を波長選択的に変化させる。その透過光量の調整により、すべてのレーザビームL1〜L3の光量を受光素子PDの性能に対応させることが可能となる。つまり、青紫色レーザビームL1とそれよりも長波長帯のレーザビームL2,L3とに対し使用する受光素子PDが共通化されているにもかかわらず、信号処理上の不都合が生じない。したがって、規格の異なった複数の光情報記録媒体(高密度メディアを含む。)に対する互換性を光ピックアップ装置に持たせることができる。
フィルター手段としての光学フィルターCFの機能を更に詳しく説明する。各レーザ光源D1〜D3のレーザ出力は互いに異なり、また、受光素子PDの波長に対する感度比も異なる。図14に、2つのタイプの受光素子M405,M655について、その分光感度特性を示す。いずれも感度に高い波長依存性を有しており、その感度比は、波長650nm帯及び波長780nm帯での感度:約400mA/Wに対し、波長405nm帯での感度:約300mA/Wになっている。したがって、同じ受光素子PDで3つの波長に対応しようとすると、受光量と受光感度から構成される出力が同じになるようにバランスさせる必要がある。そのカラーバランスを調整するのが、上記波長選択性を有する光学フィルターCFである。
一般に青色レーザ光源は赤色レーザ光源や赤外レーザ光源よりもレーザ出力が低いため、光学フィルターCFで赤色・赤外のレーザビームL2,L3の光量を低下させるのが好ましく(例えば30〜60%低下)、例えば、図13に示すような分光透過率特性を有する光学フィルターCFを用いるのが好ましい。また、光ディスクDKに対する照射光量の規格(例えば、高密度メディアで0.35mW,DVD/CDで0.70〜1.00mW)を上回ると、光ディスクDKに保持されている記録情報が消去されるおそれがあり、下回ると記録情報の読み取りが困難になる。このため、使用する光ディスクDKの光量規格を考慮した分光透過率特性を有する光学フィルターCFを用いるのが好ましい。第6の実施の形態では、上記レーザ出力特性や光量規格に対応した分光透過率特性を、光学フィルターCFに持たせることにより、すべてのレーザビームL1〜L3に対し受光素子の共通化を達成している。
上記光学フィルターCFを用いたカラーバランス調整は、第6の実施の形態のような3波長互換タイプの光ピックアップ装置に限らず、2波長互換タイプの光ピックアップ装置にも適用可能である。したがって、波長405nm帯と波長650nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCF、波長405nm帯と波長780nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCF、あるいは第6の実施の形態のように波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整する光学フィルターCFを用いればよい。その際、波長650nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整してもよく、波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整してもよく、第6の実施の形態のように波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整してもよい。これらの調整においては、波長650nm帯,波長780nm帯のうちの少なくとも一方の透過光量のみを低下させてもよく、波長650nm帯,波長780nm帯のうちの少なくとも一方の透過光量を波長405nm帯の透過光量より大きく低下させてもよい。
第6の実施の形態においても、光学フィルターCFは前記条件式(1A)を満たすことが望ましい。条件式(1A)の上限を越えると、赤色レーザビームの光量が多すぎて、青紫色レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。逆に、条件式(1A)の下限を越えると、赤色レーザビームの光量が少なすぎて、赤色レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。また第6の実施の形態においても、光学フィルターCFは前記条件式(1B)を満たすことが望ましい。条件式(1B)の上限を越えると、赤外レーザビームの光量が多すぎて、青紫色レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。逆に、条件式(1B)の下限を越えると、赤外レーザビームの光量が少なすぎて、赤外レーザビームのC/Nが高くとれなくなる。
第6の実施の形態では、フォーカシング・エラー検出方式として非点収差法を採用しており、トラッキング・エラー検出方式としてPP法(push-pull method)又はDPP法(differential push-pull method)を採用している。前述したように、傾いた平行平面板PTをレーザビームL1〜L3が通過する際に非点収差が付加されるので、簡単な構成でフォーカスエラー信号を得ることができる。受光素子PDは、多分割されたPINフォトダイオードで構成されており、入射光束の強度に比例した電流出力又はIV変換された電圧を各素子から出力する。その出力が検出回路系(不図示)に送られて、情報信号,フォーカスエラー信号,トラックエラー信号が生成される。そのフォーカスエラー信号,トラックエラー信号に基づいて、磁気回路,コイル等から成る2次元アクチュエータ(不図示)により、それと一体的に設けられている対物レンズOLの位置が制御され、常に情報トラック上に光スポットが合わされる。
《第7の実施の形態》
図12に、光ピックアップ装置の第7の実施の形態に対応する光学構成を示す。この光ピックアップ装置では、光路合成プリズムDPのダイクロイック膜DCを透過したレーザビームL1と、ダイクロイック膜DCで反射されたレーザビームL2,L3と、をレーザパワーモニタPMが受光して、各レーザ光源D1〜D3のレーザ出力を検出する構成になっており、レーザパワーモニタPMの配置が異なるほかは、前記第6の実施の形態と同様の構成になっている。したがって、第6の実施の形態と同様の構成では同様の効果を得ることができる。
この実施の形態におけるダイクロイック膜DCの偏光分離特性の例としては、波長405nm帯のレーザビームL1に対し、S偏光の反射率がRs90%、S偏光の透過率Tsが10%、P偏光の反射率が大で、波長650nm帯のレーザビームL2と波長780nm帯のレーザビームL3に対し、S偏光の反射率が5〜10%、S偏光の透過率が90〜95%、P偏光の透過率が大であるものが挙げられる。このような偏光分離特性を有する光路合成プリズムDPを用いることにより、レーザパワーモニタPM側にとっての不要偏光成分を偏光ビームスプリッタBS側に逃せるというメリットが得られる。逆に、波長405nm帯のレーザビームL1に対し、S偏光の反射率がRs90%、S偏光の透過率Tsが10%、P偏光の透過率が大とすると、光ディスクDKからの戻り光を2重の偏光分離で抑制できるというメリットが得られる。
この実施の形態では、レーザパワーモニタPMに対するビーム強度が高まるので、集光レンズDLを省略した構成にしている。また、光学フィルターFLも省略しているが、光路合成プリズムDPとレーザパワーモニタPMとの間に、前記第6の実施の形態と同様、光学フィルターFL(図13)を配置してもよい。光路合成プリズムDPのレーザパワーモニタPM側の面に光学フィルターFLを構成するフィルター膜を施すことにより、コンパクトな構成で前述の効果を得ることができる。
なお、上述した各実施の形態には以下の構成(i),(ii),…が含まれており、その構成によると、青紫色レーザビームとそれよりも長波長帯のレーザビームとに対し使用する受光素子を共通化して、規格の異なった複数の光情報記録媒体に対する互換性を持たせた光ピックアップ装置を実現することができる。
(i) 波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、前記第1の半導体レーザ光源から発散状態で出射したレーザビームの光強度分布を楕円状から円形状に整形するビーム整形素子と、そのビーム整形素子で整形されたレーザビームの光路と前記第2の半導体レーザ光源から出射したレーザビームの光路とを多層光学薄膜で合成する光路合成手段と、その光路合成手段で光路が合成されたレーザビームを空気との接触状態にある偏光分離膜で反射させる偏光ビームスプリッタと、その偏光ビームスプリッタで反射したレーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、前記偏光ビームスプリッタと前記受光素子との間に位置し、波長650nm帯のレーザビーム光量を波長405nm帯のレーザビーム光量よりも大きく低下させるフィルター手段と、を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
(ii) 波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、その第2の半導体レーザ光源と近接するように位置し波長780nm帯のレーザビームを出射する第3の半導体レーザ光源と、前記第1の半導体レーザ光源から発散状態で出射したレーザビームの光強度分布を楕円状から円形状に整形するビーム整形素子と、そのビーム整形素子で整形されたレーザビームの光路と前記第2,第3の半導体レーザ光源から出射したレーザビームの光路とを多層光学薄膜で合成する光路合成手段と、その光路合成手段で光路が合成されたレーザビームを空気との接触状態にある偏光分離膜で反射させる偏光ビームスプリッタと、その偏光ビームスプリッタで反射したレーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、前記偏光ビームスプリッタと前記受光素子との間に位置し、波長650nm帯及び波長780nm帯のレーザビーム光量を波長405nm帯のレーザビーム光量よりも大きく低下させるフィルター手段と、を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
(iii) 前記ビーム整形素子での整形によりレーザビームの楕円長軸方向の発散角が縮小することを特徴とする上記(i)又は(ii)記載の光ピックアップ装置。
(iv) 前記偏光ビームスプリッタに入射するレーザビームの主たる偏光成分がS偏光であり、前記条件式(1)を満たすことを特徴とする上記(i)〜(iii)のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
(v) 前記偏光ビームスプリッタをレーザビームのS偏光成分の一部が透過し、その透過したレーザビームに対して前記条件式(2)を満たす光学フィルターと、その光学フィルターを透過したレーザビームで各半導体レーザ光源のレーザ出力を検出するモニタ用受光素子と、を更に有することを特徴とする上記(i)〜(iv)のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
(vi) 前記光路合成手段をレーザビームの一部が透過し、その透過したレーザビームに対して前記条件式(2)を満たす光学フィルターと、その光学フィルターを透過したレーザビームで各半導体レーザ光源のレーザ出力を検出するモニタ用受光素子と、を更に有することを特徴とする上記(i)〜(iv)のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
光ピックアップ装置の第1の実施の形態を示す光学構成図。 光ピックアップ装置の第2の実施の形態を示す光学構成図。 光ピックアップ装置の第3の実施の形態を示す光学構成図。 光ピックアップ装置の第4の実施の形態を示す光学構成図。 光ピックアップ装置の第5の実施の形態を示す光学構成図。 光ピックアップ装置の第6の実施の形態を示す光学構成図。 波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯;入射角度60±4°で用いる偏光分離膜の偏光分離特性を透過率で示すグラフ。 波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯;入射角度60±4°で用いる偏光分離膜での反射による位相シフトを示すグラフ。 波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯;入射角度45±4°で用いる偏光分離膜の偏光分離特性を反射率で示すグラフ。 波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯;入射角度45±4°で用いる偏光分離膜の偏光分離特性を透過率で示すグラフ。 波長405nm帯,波長650nm帯,波長780nm帯;入射角度45±4°で用いる偏光分離膜での反射による位相シフトを示すグラフ。 光ピックアップ装置の第7の実施の形態を示す光学構成図。 各実施の形態に用いる光学フィルター及びフィルター膜の分光透過率特性を示すグラフ。 各実施の形態に用いる受光素子の分光感度特性を示すグラフ。
符号の説明
D1 青色レーザ光源(第1の半導体レーザ光源)
D2 赤色レーザ光源(第2の半導体レーザ光源)
D3 赤外レーザ光源(第2,第3の半導体レーザ光源)
L1 青紫色(波長405nm帯)のレーザビーム
L2 赤色(波長650nm帯)のレーザビーム
L3 赤外(波長780nm帯)のレーザビーム
BL ビーム整形素子
DP 光路合成プリズム(光路合成手段)
DC ダイクロイック膜
CS 偏光ビームスプリッタ(光路分岐手段)
PC 偏光分離膜
OL 対物レンズ
DK 光ディスク(光情報記録媒体)
SL センサーレンズ
CF 光学フィルター(フィルター手段)
FC フィルター膜(フィルター手段)
PD 受光素子
BS 偏光ビームスプリッタ(光路分岐手段)

Claims (11)

  1. 波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、
    前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯と波長650nm帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長780nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、
    前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯と波長780nm帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 波長405nm帯のレーザビームを出射する第1の半導体レーザ光源と、波長650nm帯のレーザビームを出射する第2の半導体レーザ光源と、波長780nm帯のレーザビームを出射する第3の半導体レーザ光源と、各波長帯のレーザビームの光路を合成する光路合成手段と、各レーザビームを光情報記録媒体に対して結像させる対物レンズと、光情報記録媒体で反射したレーザビームを受光して光情報を検出する受光素子と、各半導体レーザ光源から光情報記録媒体への光路と光情報記録媒体から前記受光素子への光路との分岐を行う光路分岐手段と、を備えた光ピックアップ装置であって、
    前記光路分岐手段と前記受光素子との間に、波長405nm帯,波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を調整するフィルター手段を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 前記フィルター手段が波長650nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整することを特徴とする請求項1又は3記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記フィルター手段が波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整することを特徴とする請求項2又は3記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記フィルター手段が波長650nm帯及び波長780nm帯の透過光量を波長405nm帯の透過光量に近づけるように調整することを特徴とする請求項3記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記フィルター手段が以下の条件式(1A)を満たすことを特徴とする請求項1,3,4又は6記載の光ピックアップ装置;
    0.2<T650/T405<0.6 …(1A)
    ただし、
    T405:波長405nmのレーザビームの透過率、
    T650:波長650nmのレーザビームの透過率、
    である。
  8. 前記フィルター手段が以下の条件式(1B)を満たすことを特徴とする請求項2,3,5又は6記載の光ピックアップ装置;
    0.2<T780/T405<0.6 …(1B)
    ただし、
    T405:波長405nmのレーザビームの透過率、
    T780:波長780nmのレーザビームの透過率、
    である。
  9. 前記光路分岐手段に前記フィルター手段が一体化されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記受光素子に前記フィルター手段が一体化されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  11. さらに前記フィルター手段と一体化されたレンズを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
JP2003380351A 2003-11-10 2003-11-10 光ピックアップ装置 Pending JP2005141884A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003380351A JP2005141884A (ja) 2003-11-10 2003-11-10 光ピックアップ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003380351A JP2005141884A (ja) 2003-11-10 2003-11-10 光ピックアップ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005141884A true JP2005141884A (ja) 2005-06-02

Family

ID=34690110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003380351A Pending JP2005141884A (ja) 2003-11-10 2003-11-10 光ピックアップ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005141884A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052419A1 (ja) * 2005-11-01 2007-05-10 Mitsubishi Electric Corporation 光ピックアップ装置および光ディスク装置
JP2007200469A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Konica Minolta Opto Inc 光ピックアップ装置
WO2007099963A1 (ja) * 2006-02-28 2007-09-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ピックアップ、光学素子、光情報装置、コンピュータ、光情報媒体プレーヤ、カーナビゲーションシステム、光情報媒体レコーダ、及び光ディスクサーバ
WO2008069116A1 (ja) * 2006-12-05 2008-06-12 Nec Corporation 光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置
WO2021014565A1 (ja) * 2019-07-23 2021-01-28 三菱電機株式会社 レーザ装置
CN114353830A (zh) * 2021-12-27 2022-04-15 北京遥感设备研究所 一种用于恒星标校的光路切换装置及切换方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052419A1 (ja) * 2005-11-01 2007-05-10 Mitsubishi Electric Corporation 光ピックアップ装置および光ディスク装置
US8018799B2 (en) 2005-11-01 2011-09-13 Mitsubishi Electric Corporation Optical pickup device and optical disc device
JP2007200469A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Konica Minolta Opto Inc 光ピックアップ装置
WO2007099963A1 (ja) * 2006-02-28 2007-09-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 光ピックアップ、光学素子、光情報装置、コンピュータ、光情報媒体プレーヤ、カーナビゲーションシステム、光情報媒体レコーダ、及び光ディスクサーバ
US8000209B2 (en) 2006-02-28 2011-08-16 Panasonic Corporation Optical pickup, optical element, optical information device, computer, optical information medium player, car navigation system, optical information medium recorder and optical disk server for use with a light source which emits a divergent beam
CN101390164B (zh) * 2006-02-28 2012-02-08 松下电器产业株式会社 光学拾波器、光学元件、光信息装置、计算机、光信息媒体播放器、汽车导航系统、光信息媒体记录器、光盘服务器
JP4953470B2 (ja) * 2006-02-28 2012-06-13 パナソニック株式会社 光ピックアップ、光学素子、光情報装置、コンピュータ、光情報媒体プレーヤ、カーナビゲーションシステム、光情報媒体レコーダ、及び光ディスクサーバ
WO2008069116A1 (ja) * 2006-12-05 2008-06-12 Nec Corporation 光ヘッド装置及び光学式情報記録再生装置
WO2021014565A1 (ja) * 2019-07-23 2021-01-28 三菱電機株式会社 レーザ装置
CN114353830A (zh) * 2021-12-27 2022-04-15 北京遥感设备研究所 一种用于恒星标校的光路切换装置及切换方法
CN114353830B (zh) * 2021-12-27 2023-11-14 北京遥感设备研究所 一种用于恒星标校的光路切换装置及切换方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3240846B2 (ja) 光ヘッド
US7050380B2 (en) Optical element, optical pickup unit, and optical disk drive unit
JP4412085B2 (ja) 光ピックアップ装置、記録及び/又は再生装置
JP4155166B2 (ja) 光ピックアップ装置
TWI254295B (en) Optical pickup
KR100483129B1 (ko) 광헤드및광디스크장치
JP2005129186A (ja) 光ピックアップ装置
JP2005141884A (ja) 光ピックアップ装置
US20080049586A1 (en) Optical pickup apparatus and optical information recording/reproducing apparatus
US20070230964A1 (en) Optical pickup device and optical information recording/reproducing device
JP2002230818A (ja) 光ヘッド装置
JP3455675B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2000099978A (ja) 光ピックアップ
JP4377253B2 (ja) 光ピックアップおよび光情報再生装置または光情報記録再生装置
JP2002207110A (ja) 複合機能プリズム及び光ピックアップ装置
US20060126458A1 (en) Optical pickup head and information recording and/or reproducing device incorporating same
JP3570139B2 (ja) 光ピックアップ
JP2006309851A (ja) 光ヘッド装置および情報記録再生装置
US20060104182A1 (en) Optical pickup head and information recording and/or reproducing device incorporating same
JP2008146685A (ja) 光ピックアップ装置及び情報記録再生装置
JP2003030887A (ja) 光学ピックアップ装置
JP2008090893A (ja) 光ピックアップ装置
JP2008146684A (ja) 光ピックアップ装置及び情報記録再生装置
JP2003123305A (ja) 光ヘッド装置
JP2007157236A (ja) 光ピックアップ及び光ディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081111