以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明における実施形態の複合機1の外観構成を示す斜視図である。なお、以下の実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施例を適宜変更できることは言うまでもない。
図1に示すように、本複合機1は、下部に設けられたプリンタ2と、上部に設けられたスキャナ3と、スキャナ3の正面側に設けられた操作パネル4とを一体的に備えたMFP(Multi Function Peripheral)であり、コピー機能、ファクシミリ機能、パーソナルコンピュータ(以下単に「PC」と称す)など外部のコンピュータ(図示せず)から受信したデータを記録用紙に記録(印刷)するプリンタ機能など複数の機能を実現するものである。
プリンタ2の開口5の上側には、接続パネル70が設けられている。この接続パネル70には、その左端側にUSB端子71が配設されている。USB端子71は、外部機器とUSB接続することにより該外部機器と本複合機1とを通信可能に接続するコネクタ端子である。また、接続パネル70の右端側にはスロット部72が配設されている。スロット部72はメモリカード(カード型メモリ)を装填可能な複数のカードスロットが設けられている。カードスロットにメモリカードが装填され、該装填されたメモリカードから画像データが後述の制御部20(図2参照)により読み出される。
複合機1の正面側には、操作パネル4が設けられている。操作パネル4は、プリンタ2の正面側において前方に突出した端部である突出部16の上方の空きスペースに適合するよう、横長形状に形成されている。換言すれば、操作パネル4は、その縦幅が、スキャナ3の縦幅からプリンタ2の縦幅を減じた長さ(空きスペースの縦幅)に収まる寸法に形成されている。操作パネル4は、プリンタ2やスキャナ3を操作するためのものであり、各種操作キー40と液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)41とを具備する。ユーザは、操作パネル4を用いて、所望の指令を入力することができる。複合機1に所定の指令が入力されると、その入力された情報に基づいて該複合機1の動作が制御部20によって制御される。
なお、複合機1は、操作パネル4から入力された指令のほか、PCなどのコンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指令に基づいて動作するようにシステム構成されている。
図1に示すように、LCD41は、操作パネル4に配置可能な最大の縦幅に大型化されている。一方、LCD41の横幅(横寸法)は、その縦幅の4/3倍よりも長いものである。換言すれば、LCD41の縦幅に対する横幅の寸法の比率が4/3より大きく設定されている。LCD41の縦幅に対する横幅の比率は8/3となっている。
また、LCD41の上面にはLCD41の画面と同寸で形成されたタッチパネル100が設けられている。タッチパネル100は、例えば透明電極をマトリクス上に配列した一対の電極板を備え、ユーザの指やペンなどによる押下操作にて両電極板が局所的に接触して導通することで入力位置を検出することができるように構成された汎用の装置である。なお、LCD41上に設けられるタッチパネル100の方式は、なんら限定されない。例えば、押下操作によって入力信号を発生させる方式のもののみならず、赤外線センサや電界センサなどにより入力位置を検出して入力信号を発生させるものであっても良い。かかる方式のタッチパネルでは、タッチパネル上に近接する物体の位置を非接触の状態で検出することができるので、画面上の汚染や傷の発生を抑制することができる。
本複合機1は、装置内部に取り込まれた画像データのサムネイル画像を、LCD41に表示するように構成されている。また、本複合機1では、取り込まれた画像データの中から所望の画像データを選択するためのスクロールバーが、サムネイル画像と共にLCD41に表示されるようになっている。
このLCD41に表示されたサムネイル画像やスクロールバーに対し、ユーザは、タッチパネル100を介して入力操作を実行することができるようになっており、タッチパネル100からの入力信号により、その入力位置(入力操作の内容)が、複合機1に認識される。
図2は、上記のように構成された複合機1の電気的構成を示すブロック図である。この
複合機1は、ケーブルを介してPCと接続可能なインターフェイス(以下「I/F」と称する)であるパラレルI/F29と、デジタルカメラと接続可能なUSB端子71と、外部メディア(例えば、メモリカードなどフラッシュメモリにより構成される記録媒体)を着脱自在に装着可能なスロット部72とを備えている。このため、PC、デジタルカメラ、外部メディアから画像データを入力することができるようになっている。
制御部20は、プリンタ2、スキャナ3及び操作パネル4を含む複合機1の動作を統括的に制御するものである。制御部20は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)24を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス25を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)26に接続されている。
CPU21は、この複合機1を総括的に制御する中央演算処理装置である。ROM22は、CPU21により実行される各種制御プログラムやそのプログラムを実行する際に用いられる固定値などを記憶するものであり、コピー動作、プリンタ動作、ファクシミリ動作などを行うための制御プログラム22aと、画像処理を行う画像処理プログラム22bとを備えている。
画像処理プログラム22bは、パラレルI/F29、USB端子71、スロット部72を介して、PC、デジタルカメラ、外部メディアから入力された画像データ(元画像データ)に対し、ユーザの入力操作に応じた画像データの選択や、選択された画像データに対する補正などを実行して、出力画像データを生成するものである。図4から図8のフローチャートに示すプログラムは、画像処理プログラム22bの一部としてこのROM22に記憶されている。
この画像処理プログラム22bは、装置内部に取り込んだ画像データを、ユーザが選択できるようにサムネイル画像でLCD41に表示すると共に、全画像データの中からユーザが所望する画像データを選択するためのスクロールバーをLCD41に表示する処理を実行する。スクロールバーには、全画像データの識別情報(本実施形態においては画像の入力順に応じて付される画像番号)が割り付けられるようになっており、ユーザによりタッチパネル100を介してスクロールバーに対する入力がなされると、その入力位置に割り付けられた識別情報にて管理されている画像データ(本実施形態では、その入力位置の識別情報およびその前後の識別情報を有する画像データ)がLCD41に表示される。スクロールバーに対する識別情報の割り付けは、スクロールバーに設けられる各区画毎に実行される。
ここで、画像データの数が多い場合には、スクロールバーの狭小な範囲(1区画)に多数の識別情報が割り付けられることとなるので、スクロールバー上のポインタP(スライド)を移動させるスクロール操作では、所望の画像にたどり着くまでに膨大な処理(表示画像の切り替え)を行わなくてはならない。しかし、本画像処理プログラム22bでは、スクロールバーに対する押下操作(タッチ入力)があると、その位置に対応つけられた識別情報に対応する画像データが即座に表示されるので、スクロールバー上のポインタPをスライドさせて目的の画像データを表示させる場合に比べて、短時間でユーザ所望の画像データを表示することができる。
また、画像処理プログラム22bは、スクロールバーに対する入力があると、スクロールバーの各区画に割り付ける識別情報の数を変更する(不均等に割り付ける)処理を行うようになっている。これにより、入力位置の識別情報およびその周辺の識別情報については、入力以前よりも割り付け数を減らした状態(所定数以下の状態)で、対応する区画に割り付けられる。
スクロールバーにおいて所定範囲(1の区画、長さあたり)における識別情報の割付数が多いほど、タッチ入力で識別情報を選択する場合における誤差(ずれ)が拡大しやすい。入力位置の僅かなずれによって所望の識別情報からかけ離れたものが選択されてしまうからである。このため、所望の画像データの識別情報を指定することが高度になってしまう。
ここで、スクロールバー上の入力位置は、基本的にユーザ所望の画像データの識別情報近辺である。従って、入力位置付近の識別情報については、1区画辺りに割り付ける割付数を減らすことにより、装置内に取り込まれた多数の画像データの識別情報の全てがスクロールバーに割り付けられても、ユーザが表示を所望する画像データの識別情報については、その割り付け位置が視認容易となって選択が容易となる。その結果、ユーザに的確に所望の画像データの識別情報の選択を誘導することができる。
RAM23は、CPU21が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される書き換え可能なメモリである。このRAM23には、入力画像メモリ23aと、出力画像メモリ23bと、画像番号メモリ23cと、設定色メモリ23dと、設定区画数メモリ23eと、画像カウンタ23fと、区画カウンタ23gとを備えている。
入力画像メモリ23aは、PC、デジタルカメラ、外部メディアから、それぞれ、パラレルI/F29、USB端子71、及びスロット部72を介して本複合機1に入力された画像データを記憶するメモリである。この入力画像メモリ23aに記憶される画像データは、新たに複合機1に画像データが入力されると、入力された画像データで更新される。尚、入力された各画像データには、画像データの作成順に付与された識別情報としての画像番号、画像の大きさを示すサイズデータ、サムネイル画像(サムネイル画像データ)がヘッダデータとして付加されており、このヘッダデータと共に、入力画像メモリ23aに記憶される。なお、入力された画像データにサムネイル画像が付加されていない場合には、入力された画像データを本複合機1において縮小処理して、サムネイル画像が作成される。
出力画像メモリ23bは、LCD41に出力する出力画像データ、即ち、ドット展開された画像データが記憶されるメモリである。スクロールバーやサムネイル画像など、LCD41に表示される画像は、この出力画像メモリ23bに書き込まれた後、LCD41に出力される。
画像番号メモリ23cは、スクロールバーの各区画のそれぞれに割り付ける画像番号を、区画カウンタ23gのカウント値に対応つけて記憶するメモリである。スクロールバーは一列の横長のバーの態様を備えて形成されるが、バー内部には予め規定された大きさで区画が形成されている。各区画のそれぞれは後述する区画カウンタ23gのカウント値で指定されるようになっている。つまり、この画像番号メモリ23は、スクロールバー上の位置と、識別情報である画像番号とを対応付けて記憶するためのメモリとなっている。
本複合機1では、画像データが入力されると、各区画に割り付ける画像番号の個数(範囲)が決定される。各区画に対する画像番号の割付においては、割り付ける画像番号の個数を均等とすることを基本としている。また、スクロールバーの右方へいくにつれて画像番号が大きくなるように、各区画に対する割付は実行される。そして、各区画に割り付けられた画像番号が、その割付先の区画を示す区画カウンタ23gのカウント値に対応つけられて、画像番号メモリ23cに記憶される。
設定色メモリ23dは、LCD41に表示するスクロールバーに用いる色数を記憶するメモリである。スクロールバーには、上記したように区画が設けられており、各区画の視認性を向上させるために、本実施形態では、スクロールバーの隣り合う区画には異なる色を表示するようになっている。スクロールバーに用いられる色数については、設定画面(表示色設定画面)からのユーザの入力操作によって設定される。
設定区画数メモリ23eは、LCD41に表示するスクロールバーに設ける区画数を記憶するメモリである。スクロールバーに設ける区画数は、設定画面(区画数設定画面)からのユーザの入力操作によって設定される。
本実施形態では、スクロールバーに対する入力は、タッチパネル100を介してのユーザの押下操作(タッチ入力)によって実行されるように構成されている。ここで、ユーザは不特定多数の者であり、操作する指の大きさも個々に異なる。従って、スクロールバーの区画数が多い、即ち、1の区画のサイズが小さいと、ユーザによっては、自己の指よりも区画の方が小さくなってしまい、押下による入力操作に支障が生じかねない。そこで、ユーザが自己の指の大きさに応じて区画のサイズを選択できるようにすることで、押下操作に支障を来すことを回避しているのである。
なお、スクロールバーに設けられる区画数及び区画に用いられる色数は、任意の構成であり、本実施形態において例示した数に限られるものではなく、それ以上であっても、それ以下であってもよい。
画像カウンタ23fは、入力された画像データの総数を記憶するカウンタである。入力画像メモリ23aへの画像データの書き込みに際して、1の画像データが入力画像メモリ23aに書き込まれる毎に、1ずつカウントアップされる。これにより、入力画像メモリ23aに記憶された画像データの数が画像カウンタ23fに保持される。なお、画像カウンタ23fのカウント値には、初期値として0がセットされている。また、画像カウンタ23fは、入力画像メモリ23aに記憶された画像データに対する処理が終了する際に0クリアされる。
区画カウンタ23gは、画像番号を割り付ける区画を示すためのものであり、スクロールバーに設けられる区画の数(即ち設定区画数メモリ23eに記憶される値)を最大値として、1から最大値までの範囲の値で変化するカウンタである。区画カウンタ23gのカウント値「1」によって、スクロールバーの最左端に表示される区画が示され、区画カウンタ23gのカウント値が大きくなる順に、より右側の区画が示される。区画カウンタ23gのカウント値が最大値にあれば、スクロールバーの最右端に表示される区画が示されている。
ASIC26には、複合機1に所望の命令を入力する操作キー40を制御するパネルゲートアレイ(パネルGA)27が接続されている。また、ASIC26には、LCD41の画面表示を制御するLCDコントローラ28が接続されている。LCDコントローラ28は、CPU21の指令に基づいて、LCD41にプリンタ2又はスキャナ3の動作に関する情報を画面に表示させる。また、スキャナ3により読み取られたデータに対応する画像を画面に表示させ、または、接続された外部装置やスロット部72に挿入されたメモリカードから受け取ったデータに対応する画像をCPU21からの命令に応じて画面に表示させる。
さらに、ASIC26には、スピーカ74に接続されたアンプ73、LCD41に重ねて設けられたタッチパネル100、公衆回線33に接続されファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)31や、NCUを介してモデム32が接続されている。また、ネットワーク上に存在するコンピュータとデータの送受信を行うための、図示しないネットワークインターフェースを備えていてもよい。更には、NCU31に送受話器を接続し、複合機1を通話(電話)機能を備えた構成としてもよい。
図3は、画像番号メモリ23cに記憶される内容を模式的に示した図である。なお、ここでは、スクロールバーには10の区画が形成されるものとされ、入力画像データメモリ23aに書き込まれた画像データの数は1000である場合を例示している。
スクロールバーの各区画は、最左端から順に右方へ向かって、その区画名が、A区画、B区画、・・・J区画とされており、それぞれ、区画カウンタ23gのカウント値1、2、・・・、10に対応している。図3においては、表の最左端の欄に区画名を示し、各区画名の右方に区画カウンタ23gの値を表示し、更にその右方に、区画カウンタ23gの各カウント値に対応して記憶される画像番号(即ち、その区画に割り付けられる画像番号)を示している。
図3(a)には、外部メディア等から入力画像データメモリ23aに画像データが書き込まれた際に、各区画に対し、最初に割り付けられた画像番号が示されている。入力画像データメモリ23aに画像データが書き込まれると、その画像データの総数が基本的に等分されて、対応する画像番号(画像番号の範囲)が各区画に割り付けられる。入力された画像データの数は1000であるので、均等割りによって100個ずつの画像番号が各区画に割り付けられこととなる。従って、図3(a)に示すように、画像番号メモリ23cには、区画カウンタ23gのカウント値1に対応つけて、画像番号1〜100が、区画カウンタ23gのカウント値2に対応つけて、画像番号101〜200が割り付けられることとなり、更にカウント値3〜10のそれぞれにも、100個ずつの画像番号が対応付けられて画像番号メモリ23cに記憶されている。なお、均等割りできなかった場合には、最右端の区画には余りの画像数の分が加算されて画像番号が割り付けられる。
図3(b)は、スクロールバーに対する入力操作がなされた後の画像番号メモリ23cの内容を示したものであり、各区画に対する画像番号の割り付けは図3(a)の初期状態から変更されている。なお、図3(b)には、スクロールバー上における入力位置が、画像番号240であった場合を例示している。
本複合機1では、スクロールバーに対する入力があると、その入力位置に対応する画像番号近傍においては、割り付け先の1の区画における割付個数を減じるように構成されている。具体的には、図3(b)に示すように、当初1区画あたり100ずつの画像番号が割り付けられていたものが、入力位置の画像番号240に対し±20の範囲においては、1区画あたりに割り付ける画像番号の数は10個ずつに減じられている。また、本実施形態においては、入力位置の画像番号はスクロールバーの中央に移動されるように構成されているので、画像番号240の位置への入力が実行されると、画像番号240の割り付け位置は、スクロールバー中央(E区画)に移動される。従って、D区画、E区画、F区画、G区画の4区画において、それぞれ「221〜230」、「231〜240」、「241〜250」、「251〜260」の画像番号が割り付けられることとなり、変更された画像番号の範囲が、対応する区画カウンタ23gのカウント値「4〜6」に対応つけて画像番号メモリ23cに記憶されている。
また、入力位置の画像番号から離れるほど、ユーザが選択を所望する画像番号である期待値は低下するので、入力位置の画像番号から離れるに従い1区画に対する割付個数は、段階的に増加されるようになっており、図3(b)に示すように、C区画及びH区画には40個ずつの画像番号が割り付けられている。また、A区画、B区画には、先頭側の残りの画像番号1〜180を2等分して割り付けが行われており、I区画、J区画には、後方側の残りの画像番号301〜1000を2等分して割り付けが行われている。このように割付状態が変更されると、その変更された画像番号の範囲が対応する区画カウンタ23gのカウント値に対応つけて画像番号メモリ23cに記憶されることとなり、先に画像番号メモリ23cに記憶された内容が更新される。
次に、上記のように構成された複合機1において実行される画像処理を、図4から図8のフローチャートを参照して説明する。また、図4から図8のフローチャートと共に、かかる処理が実行される場合のLCD41の表示画面を示す図9、図10を適宜用いて本複合機1において実行される画像処理を説明する。
図4は、本複合機1においてCPU21によって実行される表示バー設定処理のフローチャートである。また、図9は、この表示バー設定処理が実行される場合のLCD41の表示画面を示した図であるので、この図9を参照しつつ、表示バー設定処理を説明する。
表示バー設定処理は、LCD41に表示するスクロールバーの態様を設定する処理であり操作キー40による所定の操作を契機として開始され、まず、図9(a)に示す区画数設定画面をLCD41に表示する(S1)。区画数設定画面の右方には、区画数選択ボタン41aが表示されている。区画数選択ボタン41aは、「小」ボタン41a1、「中」ボタン41a2、「大」ボタン41a3を備えており、区画数設定画面において画面上方から各ボタンが上記した順で表示されている。「小」ボタン41a1は、最小の区画サイズを設定するためのボタンであり、区画数10を指定するボタンである。「中」ボタン41a2は、中間の区画サイズを設定するためのボタンであり、区画数7を指定するボタンである。「大」ボタン41a3は最大の区画サイズを設定するためのボタンであり、区画数5を指定するボタンである。各ボタン41a1〜41a3の左方には、各ボタン41a1〜41a3が選択された場合に表示されるスクロールバーの態様41b(41b1,41b2,41b3)がそれぞれ表示されている。
そして、この区画数設定画面において区画数が設定されたか否か、即ち、区画数選択ボタン41aが押下されたかを確認し(S2)、押下されていなければ(S2:No)、選択ボタン41aの入力を待機し、一方、区画数選択ボタン41aが押下されていれば(S2:Yes)、選択された区画数を設定区画数メモリ23eに書き込んだ後(S3)、図9(b)に示す表示色設定画面をLCD41に出力して画面表示を切り替える(S4)。
表示色設定画面の右方には、表示色選択ボタン41cが表示されている。表示色選択ボタン41cは、「2色」ボタン41c1、「3色」ボタン41c2、「7色」ボタン41c3を備えており、表示色設定画面において画面上方から各ボタン41c1〜41c3が上記した順で表示されている。「2色」ボタン41c1は、スクロールバーに用いる色数を2色とすることを指定するためのボタンである。同様に、「3色」ボタン41c2は、スクロールバーに用いる色数を3色に、「7色」ボタン41c2は、スクロールバーに用いる色数を7色に指定するためのボタンである。各ボタン41c1〜41c3の左方には、各ボタン41c1〜41c3が選択された場合に表示されるスクロールバーの態様41d(41d1,41d2,41d3)がそれぞれ表示されている。
そして、表示色設定画面において色数が選択されたか、即ち、表示色選択ボタン41cが押下されたかを確認し(S5)、ここで押下されていなければ(S5:No)、表示色選択ボタン41cの入力を待機し、一方、表示色選択ボタン41cが押下されていれば(S5:Yes)、選択された色数(押下された表示色選択ボタン41c1に対応する色数)を設定色メモリ23dに記憶して(S6)、この表示バー設定処理を終了する。
なお、S2,S5の処理において、所定時間以上入力がなかった場合には非図示のステップによりタイムアウトの処理を実行してこの表示バー設定処理を終了する。
図5は、本複合機1においてCPU21によって実行される表示選択処理のフローチャートである。なお、図10は、入力された画像データを選択するための表示画面であってこの表示選択処理が実行される場合にLCD41に表示される画面を示した図であるので、この図10を参照しつつ、図5の表示選択処理を説明する。
表示選択処理は、複合機1に入力された画像データの中から、ユーザ所望の画像データを抽出して表示するための処理であり、複合機1に外部メディア等から画像データが入力されたことを契機として開始され、まず、画像データを入力画像メモリ23aに書き込む画像書込処理を実行する(S12)。この画像書込処理(S12)では、外部メディア等から画像データを入力画像メモリ23aに書込むと共に、1の画像データを書き込む毎に画像カウンタ23fのカウント値を1ずつカウントアップする。これにより、入力された画像データの総数が画像カウンタ23fにて示されることとなる。
その後、画像カウンタ23fのカウント値が、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数(スクロールバーの総区画数)を10倍した値以上であるかを確認する(S13)。ここで確認したカウント値が、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数の10倍値以上であれば(S13:Yes)、スクロールバーの各区画に対し10ずつ以上の画像番号を割り付けることができる。故に、画像カウンタ23fのカウント値を、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数で除して(即ち、均等割して)、1区画に割り付ける画像番号の個数を算出する(S14)。次いで、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数で区分されたスクロールバーを設定色メモリ23dに記憶される色数でLCD41に表示する(S15)。なお、設定された色数に応じて、表示色およびその順は予め設定されており、このS15の処理では、CPU21は、予め設定された表示色をその順に従って各区画の色を表示する。
続いて、各区画(各区画を示す区画カウンタ23gのカウント値)のそれぞれに対応つけて割り付ける画像番号を(先頭の画像番号からS14の処理で算出された個数ずつ)、画像番号メモリ23cに記憶する(S16、図3参照)。なお、S14の処理で画像番号の数を均等割りできなかった場合には、最右端のJ区画には余りの画像数の分が加算されて画像番号が割り付けられる。そして、スクロールバー下方左端に画像番号1を表示すると共に、各区画の下方にその区画に属する最後の画像番号を表示する(S17)。
図10(a−1)に示す表示画面は、S14〜S17の処理に対応して表示される表示画面であり、画面下方に10個の区画を備えたスクロールバーが表示されている。各区画は、左から順にA区画、B区画、・・・、J区画とされており、各区画は交互に異なる色となるよう2色で色分けられている。ここで、図10(a−1)には、外部メディア等から入力された画像データが1000個であった場合が示されており、各区画のそれぞれには100個ずつの単位で入力された画像データの画像番号が割り付けられている。そして、A区画の左端が先頭側であることを示すべく、A区画の左端下方に画像番号1が表示されており、また、各区画の下方には、その区画に割り付けられた最後の画像番号(100,200,・・・,1000)が表示されている。これにより、ユーザは、各区画に割り付けられた画像番号を容易に認識することができる。
S17の処理の後は、スクロールバーの右端にポインタPを表示し(S18)、更に、入力画像メモリ23aに書き込んだ画像データの内、最後の画像番号の画像データから先頭側へ合計5つの画像データを抽出してLCD41にその表示する(S19)。なお、本表示選択処理においてLCD41に表示される画像データは、入力された画像データのサムネイル画像データである。
図10(b)は、かかるS18,S19の処理に対応して表示される表示画面であり、図10(a−1)に表示されたスクロールバーの右端にポインタP(図10においては灰色の矩形で表示)が現出され、更に、スクロールバーの上方には、入力画像メモリ23aに記憶される画像データの内、最後の画像番号から5つの画像データ(画像番号が996〜1000である画像データ)が表示されている。
その後、入力が実行されたかを確認し(S20)、入力がなければ(S20:No)、何らかの入力を待機する。また、ここで何らかの入力があれば(S20:Yes)、その入力位置を確認する(S21)。入力位置が、LCD41表示画面上の画像であるか、又はスクロールバー以外のその他の入力(例えば、操作キー40の所定操作によるキャンセルコマンドの入力など)であった場合には(S21:「画像」、「その他」)、この表示選択処理を終了する。表示画面上からの画像データの押下は、画像データの選択確定とCPU21に判断される。表示選択処理は、ユーザが処理を行う画像データを選択するための処理であり、従って、画像データの押下によってその選択が完了したこととなるので、この表示選択処理を終了する。
また、S21で確認した結果、入力位置が、LCD41表示画面上のスクロールバーであって、かつ、スクロールバー中のポインタP以外の場所であった場合には(S21:スクロールバー(ポインタP以外))、入力位置の区画に割り付けられた画像番号の個数が10以下であるかを確認し(S22)、10を超えていれば(S22:No)、その入力位置に対応する画像番号の近傍範囲について1区画あたりに割り付ける個数を減らしたスクロールバーを再表示するために、画像番号の再割付を行う第1割付処理(S23)と第2割付処理(S24)とを実行してから、更に、新たな入力を確認するためにその処理をS20の処理に移行する。
S21の処理におけるLCD41の表示画面上における入力位置の認識は、タッチパネル100からの入力信号に基づいて行われ、例えば、図10(c)に示すように、C区画内のある位置(矢印にて示す位置)が押下されると、その入力位置の座標がCPU21によって認識され、入力位置がC区画であることが判別される。また、CPU21は、入力位置がスクロールバー上(ポインタP以外)にあると、区画の長さに対する入力位置座標の比に応じて当該区画に割り付けられた画像番号を応分し、区画内のいずれの画像番号の指定であるかを決定する。
複合機1は、表示選択処理において、スクロールバーの各区画(各区画を指定する区画カウンタ23gの値)に対応つけて画像番号メモリ23cに画像番号を記憶し、上記のように入力位置の区画の長さに対する比に応じて、区画内に対応つけた各画像番号の割付位置を確定することで、スクロールバー上の各位置に対応して各画像番号を管理している。なお、かかる構成が請求項記載の識別情報管理手段に該当する。図10(c)の例では、ユーザによる入力位置(矢印で示す位置)の画像番号Xは240と決定されている。
更に、S22の処理で確認した結果、入力位置の区画に割り付けられた画像番号の個数が10以下であった場合には(S22:Yes)、ポインタPの表示を入力位置に切り替えてから(S25)、入力位置の画像番号X±2の範囲の合計5つの画像データを、入力画像メモリ23aから読み出してLCD41に出力し、先の画像データの表示を更新する(S26)。その後、新たな入力を確認するためにその処理をS20の処理に移行する。
一方、S21で確認した結果、入力位置が、LCD41表示画面上のスクロールバーであって、かつ、スクロールバーのポインタPであった場合には(S21:スクロールバー(ポインタP))、入力位置の区画に割り付けられた画像番号の個数が10以下であるかを確認し(S27)、10を超えていれば(S27:Yes)、その入力位置に対応する画像番号の近傍範囲について、1区画あたりに割り付ける個数を減らしたスクロールバーを再表示するために、その処理をS23の第1割付処理に移行する。
また、S27の処理で確認した結果、入力位置の区画に割り付けられた画像番号の個数が10以下であれば(S27:Yes)、その区画に割り付けられた画像番号の数は十分に少なく再割付が不要であるので、ユーザの押下動作に応じたスクロール操作を実行するスクロール処理を実行してから(S28)、新たな入力を確認するためにその処理をS20の処理に移行する。
更に、S13の処理で確認した結果、画像カウンタ23fのカウント値が、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数(スクロールバーの総区画数)を10倍した値に満たなければ(S13:No)、画像カウンタ23fのカウント値を10で除し、余りがなければ算出した商を区画数とし、余りがあれば算出した商+1を、スクロールバーの区画数として設定する(S29)。
その後、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数で区分したスクロールバーを、設定色メモリに記憶される色数でLCD41に表示してから(S30)、その処理をS16の処理に移行する。なお、S29の処理を経由して実行されるS16の処理では、先頭の画像番号から10ずつの画像番号がA区画から順に対応つけられて画像番号メモリ23cに書き込まれる。
図10(a−2)に示す表示画面は、S14,S15の処理に代えて、S29,S30の処理が行われた場合に表示される表示画面である。この図10(a−2)においては、入力された画像データが35個であった場合が示されており、S29,S30の処理に従って、その区画数はA区画〜D区画までの4つとなり、S16の処理により、A区画〜C区画には10個の画像番号が割り付けられ、D区画には余りの5個の画像番号が割り付けられている。スクロールバーのその他の表示態様は、図10(a−1)と同様であり、各区画は交互に異なる色となるよう2色で色分けられると共に、その下方には区画に割り付けられた最後の画像番号(10,20,30,35)が表示されている。
本実施形態では、LCD41に表示する画像データを全画像データの中から抽出するためにスクロールバーには画像番号が割り付けられており、1の押下操作によってスクロールバー上のあるポイントが指定されると、そのポイント(入力位置)に対応する(割り付けられている)画像番号にて指定される画像データが、入力画像メモリ23aから読み出されてLCD41に表示されるように構成されている。
かかる構成において、多量の画像データが複合機1に取り込まれていると、1区画の狭い範囲に多数の画像番号が割り付けられることとなるので、その区画に属する1の画像番号を指定することが困難になってしまう。本複合機1においては、ユーザがスクロールバー上において自己が所望する画像データの画像番号のあたりを押下すれば、この第1割付処理(S23)と後述する第2割付処理(S24)とにより、その画像番号近傍において1区画に割り付けられる画像番号の個数を減じるので、その区画におけるユーザ所望の画像番号の選択を容易とすることができる。
図6は、図5の表示選択処理の中で実行される第1割付処理(S23)のフローチャートである。第1割付処理(S23)は、スクロールバー上の入力位置に対応する画像番号から先頭側において画像番号の再割付を実行するものである。また、入力位置の画像番号近傍については、1区画に対する割付数を減らす処理である。
この第1割付処理(S23)では、区画カウンタ23gのカウント値を5にセットしてから(S41)、ユーザが押下したスクロールバー上の入力位置の画像番号をXとし、画像番号Xが60以上であるかを確認する(S42)。その結果、60以上であれば(S42:Yes)、画像番号(X−9)から画像番号XまでをE区画に割り付け、画像番号(X−19)から画像番号(X−10)までをD区画に割り付け、画像番号(X−59)から画像番号(X−20)をC区画に割り付ける(S43)。そして、区画カウンタ23gのカウント値から3を減算する(S44)。
その後、画像番号Xより小さい側において未割り付けの画像番号の個数が80以上あるかを確認し(S45)、ここで、その個数が80以上であれば(S45:Yes)、画像番号Xより小さい側における未割付けの画像番号の個数を2分割し(S46)、分割した後半の画像番号を区画カウンタ23gのカウント値が示す区画に割り付ける(S47)。そして、区画カウンタ23gのカウント値から1減算した後(S48)、分割した前半の画像番号を区画カウンタ23gのカウント値が示す区画に割り付ける(S49)。
例えば、図10(d)に示す例においては、入力位置の画像番号240に応じて再割付が実行されたスクロールバーを表示している。図10(d)に示すように画像番号Xが240となるので、S41〜S49の処理に従って画像番号の再割付が実行されると、E区画には231〜240の画像番号が割り付けられ、D区画には221〜230の画像番号が割り付けられ、C区画には181〜220の画像番号が割り付けられる。ここで、区画カウンタ23gのカウント値は「2」となり、また、残りの画像番号の個数は180であるので、後半90個の画像番号91〜180がB区画に割り付けられる。その後は、区画カウンタ23gのカウント値は「1」となるので、残余の画像番号1〜90がA区画に割り付けられる。
S49の処理の後は、画像番号1が割り付けられた区画(先頭区画)の左端部の画像番号の表示を1に変更すると共に、先頭区画よりも左方になる区画に表示された画像番号を消去してから(S50)、先頭区画からE区画までにおいて各区画に新たに割り付けられた画像番号の内の最後の(各区画最大の)画像番号を各区画の下方に表示して、先に表示されていた画像番号を更新し(S51)、この第1割付処理(S23)を終了する。
また、S45の処理で確認した結果、未割付けの画像番号の個数が80未満であれば(S45:No)、未割付けの画像番号を区画カウンタ23gのカウント値が示す区画に割り付けて(S52)、その処理をS50の処理に移行する。
一方、S42の処理で確認した結果、入力位置の画像番号Xが60未満であれば(S42:No)、S43の処理に従った割付けを行うことができないので、入力位置の画像番号Xが40以上であるかを確認し(S53)、その結果、画像番号Xが40以上であると(S53:Yes)、画像番号(X−9)から画像番号XまでをE区画に割り付け、画像番号(X−19)から画像番号(X−10)までをD区画に割り付ける(S54)。そして、区画カウンタ23gのカウント値から2を減算して(S55)、その処理をS45の処理に移行する。このため、S54の処理を経由した場合には、残りの画像番号は、S45以降の処理によってC区画に割り付けられる。
更に、S53の処理で確認した結果、画像番号Xが40未満であると(S53:No)、入力位置の画像番号Xが10以下であるかを確認する(S56)。ここで、入力位置の画像番号Xが10以下であれば(S56:Yes)、S45の処理に移行する。すると、未割付けの画像番号の個数は10以下であり、区画カウンタ23gのカウント値は「5」のままであるので、残りの10以下の画像番号はS45の以降の処理によって全てE区画に割り付けられることとなる。
また、S56の処理で確認した結果、入力位置の画像番号Xが10を超えていれば(S56:No)、画像番号(X−9)から画像番号Xまでの10個の画像番号をE区画に割り付けた後(S57)、残りの画像番号を割り付けるために、区画カウンタ23gのカウント値から1を減算して(S58)、その処理をS45の処理に移行する。これにより、S57の処理を経由した場合には、残りの画像番号は、S45以降の処理によってC区画に割り付けられる。
このようにスクロールバーへの入力がなされると、第1割付処理によって、その入力位置に対応する画像番号から先頭側において画像番号の再割付を実行することができる。また、再割付後のスクロールバーにおいて、入力位置の画像番号を含む区画に割り付ける画像番号の個数を、10個までとすることができる。
図7は、図5の表示選択処理の中で実行される第2割付処理(S24)のフローチャートである。第2割付処理(S24)は、スクロールバー上の入力位置に対応する画像番号から後方側において画像番号の再割付を実行するものである。また、入力位置の画像番号近傍については、1区画に対する割付数を減らす処理である。
この第2割付処理(S24)では、区画カウンタ23gのカウント値を6にセットしてから(S61)、ユーザが押下したスクロールバー上の入力位置の画像番号Xが、「画像番号の最大値−60」以下であるかを確認する(S62)。その結果、「画像番号の最大値−60」以下であれば(S62:Yes)、画像番号(X+1)から画像番号(X+10)までをF区画に割り付け、画像番号(X+11)から画像番号(X+20)までをG区画に割り付け、画像番号(X+21)から画像番号(X+60)までをH区画に割り付ける(S63)。そして、区画カウンタ23gのカウント値に3を加算する(S64)。
その後、画像番号Xより大きい側において未割り付けの画像番号の個数が80以上あるかを確認し(S65)、ここで、その個数が80以上であれば(S65:Yes)、画像番号Xより大きい側における未割付けの画像番号の個数を2分割し(S66)、分割した前半の画像番号を区画カウンタ23gのカウント値が示す区画に割り付ける(S67)。そして、区画カウンタ23gのカウント値に1加算した後(S68)、分割した後半の画像番号を区画カウンタ23gのカウント値が示す区画に割り付ける(S69)。
例えば、図10(d)に示す例においては、画像番号Xが240であり画像番号の最大値が1000であるので、S61〜S69の処理に従って画像番号の再割付が実行されると、F区画には241〜250の画像番号が割り付けられ、G区画には251〜260の画像番号が割り付けられ、H区画には261〜300の画像番号が割り付けられる。ここで、区画カウンタ23gのカウント値は「9」となり、また、残りの画像番号の個数は700あるので、前半350個の画像番号301〜650がI区画に割り付けられる。その後は、区画カウンタ23gのカウント値は「10」となるので、残余の画像番号651〜1000がJ区画に割り付けられる。
S69の処理の後は、ポインタPをE区画後端に表示した後(S70)、最大の画像番号(最大値)が割り付けられた区画(最終区画)の右端部の画像番号の表示を最大値に変更すると共に、最終区画よりも右方になる区画に表示された画像番号を消去してから(S71)、F区画から最終区画までにおいて各区画に新たに割り付けられた画像番号の内の最後の(各区画最大の)画像番号を各区画の下方に表示して、先に表示されていた画像番号を更新する(S72)。続いて、第1割付処理と本処理とによって新たに割り付けられた画像番号を各区画を示す区画カウンタ23gのカウント値に対応つけて画像番号メモリ23cに書込み(S73)、更に、入力位置の画像番号X±2の範囲の画像データを入力画像メモリ23aから読み出してLCD41に出力して先の画像データの表示を更新し(S74)、この第2割付処理(S24)を終了する。
また、S65の処理で確認した結果、未割付けの画像番号の個数が80未満であれば(S65:No)、未割付けの画像番号を区画カウンタ23gのカウント値が示す区画に割り付けて(S75)、その処理をS70の処理に移行する。
一方、S62の処理で確認した結果、入力位置の画像番号Xが、「画像番号の最大値−60」を超えていれば(S62:No)、S63の処理に従った割付けを行うことができないので、入力位置の画像番号Xが「画像番号の最大値−40」以下であるかを確認し(S76)、その結果、画像番号Xが「画像番号の最大値−40」以下であると(S76:Yes)、画像番号(X+1)から画像番号(X+10)までをF区画に割り付け、画像番号(X+11)から画像番号(X+20)までをG区画に割り付ける(S77)。そして、区画カウンタ23gのカウント値に2を加算した後(S78)、その処理をS65の処理に移行する。このため、S77の処理を経由した場合には、残りの画像番号は、S65以降の処理によってH区画に割り付けられる。
更に、S76の処理で確認した結果、画像番号Xが「画像番号の最大値−40」を超えていた場合には(S76:No)、入力位置の画像番号Xが「画像番号の最大値−10」以上であるかを確認する(S79)。ここで、入力位置の画像番号Xが「画像番号の最大値−10」以上であれば(S79:Yes)、S65の処理に移行する。すると、未割付けの画像番号の数は10以下であり、区画カウンタ23gのカウント値は「6」のままであるので、残り10個以下の画像番号はS65の以降の処理によって全てF区画に割り付けられることとなる。
また、S79の処理で確認した結果、入力位置の画像番号Xが「画像番号の最大値−10」未満であれば(S79:No)、画像番号(X+1)から画像番号(X+10)までの10個の画像番号をF区画に割り付けた後(S80)、残りの画像番号を割り付けるために、区画カウンタ23gのカウント値に1を加算して(S81)、その処理をS65の処理に移行する。これにより、S80の処理を経由した後において残りの画像番号は、S65以降の処理によってG区画に割り付けられる。
このように第2割付処理によって、スクロールバー上の入力位置に対応する画像番号から後方側において画像番号の再割付を実行することができる。また、再割付後のスクロールバーにおいて、入力位置の画像番号を含む区画に割り付ける画像番号の個数を、10個までとすることができる。
図8は、図5の表示選択処理の中で実行されるスクロール処理(S28)のフローチャートである。スクロール処理(S28)は、入力位置の区画に割り付けられた画像番号の個数が10以下である場合において、ユーザがスクロールバー上のポインタPを押下しつつスライド動作を実行すると、画像データをスクロール表示するためのものであり、まず、入力位置が、先のポインタPの表示位置(先の入力位置)から移動したかを確認し(S90)、ここで入力位置が移動していれば(S90:Yes)、ポインタPのスライド動作が実行されているので、移動先の入力位置の画像番号X±2の範囲の画像データを入力画像メモリ23aから読み出してLCD41に出力し、画像データの表示を更新する(S91)。
その後、ポインタPの表示を移動先の入力位置に切り替えてから(S92)、ポインタPの現在位置の区画に割り付けられた画像番号の個数が10以下であるかを確認する(S93)。ここで、その画像番号の個数が10以下であると(S93:Yes)、その処理をS90の処理に移行して、継続してスクロール表示を実行する一方、その個数が10を超えていると(S93:No)、このスクロール処理(S28)を終了する。このため、ユーザにてスライド操作されたポインタPが、10個を超える画像番号が割り付けられた区画に移動した場合には、図5の表示選択処理におけるS20の処理に移行することとなる。このため、S21,S27の処理を経由して、S23の処理に移行することとなり、ポインタ移動先の区画に割り付ける画像番号の数を10個以下とする再割付が実行される。
また、S90の処理で確認した結果、入力位置が、先のポインタPの表示位置(先の入力位置)から移動していなければ(S90:No)、タッチパネル100からの入力信号がオフとなったか(即ち、ユーザが押下操作を中断したか)を確認し(S94)、その入力信号がオンのままであれば(S94:No)、その処理をS90の処理に移行して、入力位置の移動または入力信号のオフを待機する。また、S94の処理で確認した結果、入力信号がオフであれば(S94:Yes)、ユーザは押下したポインタPをスライドさせることなく既に押下操作を中断しているので、このスクロール処理(S28)を終了する。
このように、本実施形態においては、スクロールバーの各区画に対し(内部的に)画像番号を割り付けており、スクロールバー上の押下操作によって、その位置に割り付けられた画像番号に対応した画像データを表示するのでスクロール操作を不要とできる。故に、スクロール操作によって画像データをスクロール表示させることでユーザが所望の画像を検索(選択)する機構に比べて、多数の画像データの中から所望の画像データを簡便かつ迅速に選択することができる。
また、多数の画像データが入力されている場合には画像番号が1区画内に密に割り付けられているので、スクロールバーに対する押下操作で画像番号を選択すると、ユーザ所望の画像番号からずれた位置の画像データが選択されてしまいかねないが、本実施形態では、上記した不均等割付によって、入力位置の画像番号が含まれる区画については、割り付けられる画像番号の個数を減らすことができるので、画像番号を特定するためのユーザの入力操作を容易にすることができる。言い換えれば、スクロールバーに対する入力操作によって、ユーザは所望の画像番号、即ち、表示させたい画像データを的確に選択することができる。
更に、ユーザが選択する期待度の低い画像番号の範囲(入力位置の画像番号から離れた画像番号)においては、1区画内に割り付ける画像番号の個数を増やすことで、最初に割り付けた画像番号を欠落させることなくスクロールバーに割り付けられたまますることができる。従って、ユーザが、再度、違う画像データを選択しようとした場合に、同一画面上でその選択動作を実行することができ、操作性が良い上、迅速に新たな画像データの選択を行うことができる。
また、画像番号の再割付においては、入力位置の画像番号がスクロールバーの中央に配置されるように画像番号の割付が行われるので、ユーザ所望の画像番号を視認容易とすることができ、その後のユーザの操作性を良好にすることができる。
また、スクロールバーは、識別情報となる画像番号に対応した区画を備えた単純な矩形で形成されているので、その表示を迅速に行うことができる。
次に、図11から図13を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態の複合機1は、画像データに予め付与された画像番号(または複合機1に画像を取り込む際に順に付与された画像番号)を識別情報とし、画像番号を割り付けたスクロールバーを用いて、ユーザが所望の画像データを選択できるように構成された。これに代えて、第2実施形態の複合機1は、画像データに付加されている日付データを識別情報とし、かかる日付データによって画像データを階層化して管理するように構成されている。
日付データは、年、月、日の各値を備えたものであり、画像データが作成された日付を示すものである。第2実施形態のスクロールバーの各区画には日付データが割り付けられており、ユーザがスクロールバーに対して入力操作を行うと、その入力位置の日付データに対応する画像データがLCD41に出力されるようになっている。尚、上記第1実施形態と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図11は、第2実施形態の複合機1に設けられたRAM23の構成を示す図である。第2実施形態の複合機1のRAM23の入力画像メモリ23aには、入力された画像データを画像データに付加されている日付データ毎に基づいて階層化して管理(記憶)するために、年別エリア23a1が備えられている。
年別エリア23a1は、画像データに付加された日付データが示す年の情報(年度)に応じて設けられるエリアであり、入力された全ての画像データの年度に応じて、各年度毎に各1ずつ設けられる。入力された画像データは、その日付データの年の情報に基づいて、対応する年別エリアに書き込まれる。この年別エリア23a1内には、更に、画像データを作成された月別に記憶するための月エリア23a2が設けられている。
月エリア23a2は、1月から12月に対応する12のエリアで構成されており、各月に対応する画像データを記憶するためのエリアである。入力された画像データは、その日付データの月の情報に基づいて、年別エリア23a1の対応する月エリア23a2に書き込まれる。
また、第2実施形態の複合機1のRAM23には、年度メモリ23hが設けられている。年度メモリ23hは、ユーザにて指定された年、即ち、スクロールバー上の入力位置に対応する年を記憶するためのメモリである。第2実施形態では、画像データの表示に際し、この年度メモリ23hに記憶されている年の情報がCPU21によって参照され、その年の情報に対応する年別エリアから画像データが読み出されてLCD41に表示される(図12参照)。
更に、第2実施形態においては、画像カウンタ23fは、各年別エリア23a1毎に書き込まれる画像データの数をカウントするように構成されており、カウントされた値は各年度に対応つけてRAM23の所定のエリアに記憶される。このため、第2実施形態の画像カウンタ23fは、画像データの年度に対応する数分設けられても良く、また、各年度毎に画像データをカウントするものとして、次年度の画像データのカウントの開始前に0クリアされるように構成されたものであっても良い。また、第2実施形態においては、区画カウンタ23gは非設とされている。
なお、第2実施形態においては、画像データの識別情報を表示するバーは、ポインタPをスライドさせてスクロール処理を実行することはできないが、便宜上、スクロールバーと称する。
図12は、第2実施形態において実行される表示選択処理のフローチャートである。また、図13は、第2実施形態の表示選択処理が実行される場合のLCD41の表示画面を示した図であり、この図13を参照しつつ、第2実施形態の表示選択処理を説明する。
第2実施形態の表示選択処理は、第1実施形態の表示選択処理と同様に、複合機1に外部メディア等から画像データが入力されたことを契機として開始され、入力された画像データを、その画像データに付加された日付データに基づいて年月日順に並べ替える(S101)。そして、入力された画像データが属する年度(日付データが示す年度)の数分、入力画像メモリ23aに年別エリア23a1を設けた後(S102)、S101の処理において並べ替えた画像データを、その年度に応じた年別エリア内の対応する月エリア23a2に書き込む(S103)。年別エリア23a1内には、12の月エリア23a2が設けられているので、画像データに付加された日付データに基づき、12の月エリア23a2の内の対応するエリアに各画像データは書き込まれる。
その後、画像データが属する年度の数分の区画を有するスクロールバーをLCD41に出力してから(S104)、スクロールバーの左端の区画から右方へ向かって昇順となるように年度を各区画に表示すると共に、各年度に属する画像データの数(各年度に対応してRAM23の所定エリアに記憶される画像カウンタ23hのカウント値)を各区画内に表示する(S105)。続いて、スクロールバーの右端にポインタPを表示し(S106)、更に、入力された画像データの内、最新の画像データから先頭側へ5つの画像データを日付データに基づいて抽出してLCD41に表示する(S107)。
図13(a)には、上記のS104〜S107の処理が実行されることによってLCD41に表示された表示画面を示している。入力された画像データは2004年から2007年の間の日付データを有しているので、図13(a)においては、2004年、2005年、2006年、2007年の4つの区画がスクロールバーに設けられている。各区画には、括弧書きでその年度に属する画像データの数が表示されており、各年度ともその数が250であることが示されている。また、最新の画像データは2007年のものであり、最も日付データの新しい画像データから5つの画像データがスクロールバーの上方に表示されている。
S107の処理の後は、入力が実行されたかを確認し(S108)、入力がなければ(S108:No)、何らかの入力を待機する。また、ここで何らかの入力があれば(S108:Yes)、その入力位置を確認する(S109)。入力位置が、LCD41表示画面上の画像であるか、又はスクロールバー以外のその他の入力(例えば、操作キー40の所定操作によるキャンセルコマンドの入力など)であった場合には(S109:「画像」、「その他」)、この表示選択処理を終了する。
また、入力位置が、年度の表示(各年度表示)の区画のいずれかであった場合には(S109:各年度表示)、入力位置の区画に表示されている年度を年度メモリ23hに書込み(S110)、その入力位置の年度の表示に対応する年別エリア23a1からその年度において最も日付データの新しい5つの画像データを読み出してLCD41に表示し、先の表示を更新する(S111)。各年度表示の区画が押下されると、その押下された年度に属する画像データの表示要求であるとCPU21は判断する。そして、表示要求された年度において、ユーザが、月ごとに画像データを選択できるように1〜12月のそれぞれに対応する区画を有する14の区画で形成されたスクロールバーをLCD41に表示する(S112)。
そして、スクロールバーの最左端の区画に、選択された年度(年度メモリ23hに記憶される年度)の前の年度までを示す前年度表示を、スクロールバーの最右端の区画に、選択された年度の次年度以降を示す後年度表示を、内側の12の各区画に1月〜12月のそれぞれを表す数字1〜12(月表示)を表示する(S113)。続いて、ポインタPの表示を、現在表示されている画像データの属する月に対応する位置に切り替える(S114)。S114の処理の後は、その処理をS108の処理に移行して、新たな入力を待機する。
図13(b)には、このS111〜S114の処理によって表示される14の区画で形成されたスクロールバーを示している。なお、図13(b)の例は、図13(a)において2006年が選択された状態に対応している。
スクロールバーには、1月〜12月のそれぞれに対応する区画が形成されており、各区画には対応する月を表す数字が表示されている。また、最左端の区画は選択された年度よりも前の年度に対応する区画であり、「〜2005」と記載された前年度表示がなされている。最右端の区画には「2007〜」と記載された後年度表示がなされている。また、スクロールバーの上方には、選択された年度(年度メモリ23hに記憶されている年度)に属する画像データの内、最も新しい日付データのものから5つの画像データが表示されるようになっており、これに対応する画像データとして、図13(b)においては、2007年12月31日の画像データが表示されている。このため、ポインタPは、スクロールバーの12月の区画に配置される。
また、S109の処理で確認した結果、入力位置が月表示の区画であると(S109:月表示)、選択された年度の年別エリア23a1において入力位置の月表示に対応する月エリア23a2に記憶される画像データの中から、5つの画像データを読み出して表示する(S115)。入力位置が月表示である場合には、既に年度の指定は終了しており、LCD41には図13(b)に示したような表示画面が表示された状態にあって、かかる画面上において月表示がユーザにて入力(押下)されたこととなる。つまり、ユーザ所望の月が選択されたこととなる。従って、ユーザが選択した月において日毎に画像データを選択可能とする34区画で形成されたスクロールバーをLCD41に出力して、先のスクロールバーの表示を更新する(S116)。次いで、スクロールバーの最左端の区画には選択された月(入力位置の月表示)よりも前の月を示す前月表示を、最右端の区画には選択された月よりも後の月を示す後月表示を、最左端と最右端とを除く内側の各区画には、1日〜31日のそれぞれを表す数字1〜31(日表示)を表示する(S117)。そして、その処理をS114の処理に移行する。これにより、図13(c)に示す表示画面がLCD41に出力されることとなる。
なお、図13(c)は、図13(b)の画面において10月に対応する月表示「10」の区画が入力された場合の画面を表示している。このため、スクロールバーの最左端の区画には前月表示として「〜9月」が表示され、スクロールバーの最右端の区画には後月表示として「11月〜」が表示されており、また、内側の区画には1〜31の数字が日表示として表示されている。更には、スクロールバーの上方には、10月の画像データの内で、最も新しい10月31日の画像データが表示されている。そして、ポインタPはスクロールバーの31日の区画に配置される。
また、S109の処理で確認した結果、入力位置が日表示の区画であれば(S109:日表示)、図13(c)の表示画面においてスクロールバーに設けられたいずれかの日表示の区画が押下された状態にあり、入力位置に表示されている日に属する(日表示に対応する)全ての画像データを対応する月エリア23a2から読み出して、LCD41に表示する(S118)。その後、その処理をS108の処理に移行する。
更に、S109の処理で確認した結果、入力位置が前月表示または後月表示のいずれかの区画であれば(S109:前月表示、後月表示)、LCD41における表示画面は図13(c)の画面であり、同じ年度において現在表示中の月とは異なる月の画像データの表示要求であると判断できる。故に、年度メモリ23hに記憶される年度に対応する年別エリア23a1から日付データの新しい順に5つの画像データを読み出してLCD41に表示し(S119)、更に、14区画で形成されたスクロールバー、即ち、各月毎に画像データを選択するための図13(b)に表示されるスクロールバーを表示して、その表示を更新する(S120)。
そして、スクロールバーの最左端の区画に、選択された年度の前の年度までを示す前年度表示を、スクロールバーの最右端の区画に、選択された年度(年度メモリ23hに記憶される年度)の次年度以降を示す後年度表示を、内側の12の各区画に1月〜12月のそれぞれを表す数字1〜12(月表示)を表示した後(S121)、その処理をS114の処理に移行する。これにより、LCD41の画面は1つ前の画面表示に差し替えられ、別の月の画像データを指定することが可能になる。また、該画面における前年度表示または後年度表示の区画を押下することで初期画面へ復帰することができる。
また、S109の処理で確認した結果、その入力位置が、前年度表示または後年度表示が表示される区画であると(S109:前年度表示、後年度表示)、その処理をS104の処理に移行する。これにより、S104〜S107の処理が再度実行されることとなり、図13(a)に示す初期画面が表示されるので、ユーザは、複合機1に入力された画像データについて、新たに年度を指定して、表示する画像データ(例えば別の年度の画像データ)を選択することができる。
このように、第2実施形態によれば、入力された画像データを日付データに基づいて階層化することができ、その階層、即ち、年、月、日毎の単位で画像データを選択することができる。このため、ユーザが入力された全ての画像データの中から所望の画像データを検索する場合に、感覚的にその所在を容易に把握することができ、画像データ選択のための操作性を向上させることができる。故に、所望の画像データを効率的に短時間で行うことができる。
次に、図14を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。上記第1実施形態の複合機1は、スクロールバーの各部には識別情報(画像番号)が割り付けられ、スクロールバー上において入力が発生すると、その入力位置に割り付けられた識別情報に対応する画像データが表示されるように構成された。第3実施形態においては、スクロールバーには、識別情報に代えて画像データそのものが割り付けられており、また、表示されるスクロールバーにおいても画像データそのもの(縮小された画像データ)が現出された態様となっている。このため、第3実施形態においては、画像番号メモリ23cは非設とされ、画像データを画像番号の序列に従って入力画像メモリ23aの先頭アドレス側から順に記憶すると共に、スクロールバーの各区画(各位置)に対応して入力画像メモリ23aのアドレスをRAM23の所定領域に記憶するようになっている。尚、上記第1実施形態と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
この第3実施形態においては、図5のフローチャートにて示した第1実施形態の表示選択処理と同様の表示選択処理が実行される。この第3実施形態の表示選択処理は、第1実施形態の表示選択処理と以下の点において異なっている。第1の変更点は、S16の処理において、スクロールバーに対して画像番号ではなく画像データそのものを割り付けるべく、各区画に対応つけて各画像データの記憶されている入力画像メモリ23aの各アドレスをRAM23に書き込む点である。なお、この第3実施形態におけるS16の処理が請求項記載の第2割付手段に該当する。
このため、S21の処理において、入力位置がスクロールバー上(ポインタP以外)にあると判断されると、区画の長さに対する入力位置座標の比に応じて当該区画に割り付けられた画像データの範囲から、区画内のいずれの画像データの指定であるかを決定する。この第3実施形態の表示選択処理において実行されるかかる処理が請求項記載の画像管理手段に該当する。
第2の変更点は、スクロールバー上において入力が実行された場合、第1割付処理(S23)及び第2割付処理(S24)において、その入力位置に対応する画像データ近傍については、1区画に対し割り付ける最小の画像データの数を「10」ではなく「6」としている点である。そして、この表示選択処理に従って図14の表示画面がLCD41に出力される。
図14は、第3実施形態の複合機1において、入力された画像データを選択するためにLCD41に出力される表示画面である。上記したように、図14に示す表示画面は、第1実施形態と同様に表示選択処理によってLCD41に表示される。なお、図14では、入力された画像データの総数が1000であり、スクロールバーに設けられる区画数は10で設定されている場合の表示画面を例示している。
図14(a)は、画像データが複合機1に入力されたことを契機として表示される初期画面である。第1実施形態と同様に、左から順にA区画、B区画、・・・、J区画の10の区画がスクロールバーに設けられている。各区画には、画像データに付加された画像番号の順に従って、100ずつ画像データが割り付けられている。そして、A区画の左端が先頭側であることを示すべく、A区画の左端下方に画像番号1が表示されており、また、各区画の下方には、その区画に割り付けられた最後の画像の画像番号(100,200,・・・,1000)が表示されている。更には、スクロールバーの右端にポインタPが現出され、スクロールバーの上方には、入力画像メモリ23aに記憶される画像データの内、最後の画像番号から5つの画像データ(画像番号が996〜1000である画像データ)が表示されている。
図14(b)は、図14(a)の表示画面において画像番号240の画像データが押下(入力)されたことに伴って表示された画面を示したものである。画像番号240近傍の画像データは、スクロールバーの中央の区画に割り付けられることとなり、画像番号235〜240の6つの画像データがE区画に配置されている。また、画像番号241〜246の6つの画像データがF区画に配置されている。更には、D区画、G区画には、表示選択処理に従って、10ずつの画像データが割り付けられ、C区画、H区画には40ずつの画像データが割り付けられている。そして、A区画、B区画、I区画、J区画には、先頭側、後方側それぞれにおいて残りの画像データが2等分されて配置されている。
このように、第3実施形態によれば、画像データそのものをスクロールバーに割り付けることができるので、画像データが画像番号の順に整列されていることに加え、縮小表示された画像データの色合いなどから、ユーザが所望の画像データであるかを推測することができ、多数の画像データの中から所望の画像データを選択することを容易とすることができる。
次に、図15と図16とを参照して、本発明の第4実施形態について説明する。上記した第1実施形態の表示選択処理は、外部から入力された画像データの中から、スクロールバーに対する入力操作に応じて画像データを選択して表示する処理を実行するものであった。これに代えて、第4実施形態の表示選択処理では、画像データを補正する(補正画像データを作成する)ことができるようになっており、補正前の画像データを履歴データとして記憶すると共に、履歴データとして記憶された画像データの中から、スクロールバーに対する入力操作に応じて画像データを選択して表示するように構成されている。
このため、入力画像メモリ23aは、複合機1に入力された全ての画像データを記憶するメモリとしてではなく、入力された画像データの内のユーザにて指定されたもの及びその指定された画像データを補正した補正画像データを記憶するメモリとして構成されている。尚、上記第1実施形態と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図15は、第4実施形態において実行される表示選択処理のフローチャートである。また、図16は、第4実施形態の表示選択処理が実行される場合のLCD41の表示画面を示した図であり、この図16を参照しつつ、第4実施形態の表示選択処理を説明する。
第4実施形態の表示選択処理は、複合機1に外部メディア等から画像データが入力されたことを契機として開始され、まず、入力された画像データの中から1の画像データが指定されたかを確認する(S150)。この画像データの指定は、ユーザによるLCD41からの入力操作および操作キー41の所定操作に基づいて行われる。
そして、画像データを入力画像メモリ23aに書き込むと共に、1の画像データを書き込む毎に画像カウンタ23fのカウント値を1ずつカウントアップする画像書込処理を実行する(S12)。第4実施形態では、この画像書込処理(S12)により、指定された1の画像データが入力画像メモリ23aに記憶される。また、第4実施形態においては、この画像書込処理(S12)にて入力画像メモリ23aに書き込まれる画像データには、1から順に次第に大きくなるように画像番号が付加されるようになっている。
そして、第1実施形態と同様にS13〜S19の処理を実行する。なお、第4実施形態においては、S19の処理に代えて、S19の処理に相当するS151の処理が実行される。第1実施形態のS19の処理は、5の画像データをLCD41に表示するものであるが、このS19の処理に相当するS151の処理では2の画像データをLCD41に表示するようになっている。
また、第4実施形態においては、このS151の処理の後における非図示のステップにより、画像データを補正するコマンドを入力する補正ボタン200などの各種コマンドを入力するためのボタンがLCD41に表示される。
これにより、図16(a)に示すように、入力された画像データの中から指定された1の画像データ(初期の画像データ)が表示された表示画面がLCD41に表示される。また、表示画面の下方には、入力画像メモリ23aに記憶される全ての画像データの画像番号が割り付けられたスクロールバーが表示される。また、表示画面上において画像データの右方には、選択中の画像データに対して各種の補正を実行する補正ボタン200が現出されている。
補正ボタン200は、複数のボタン(「モノクロ」ボタン200a、「セピア」ボタン200b、「補正3」ボタン200c、「補正4」ボタン200d、「補正5」ボタン200e)を備えている。補正ボタン200は、選択中の画像データ(即ち、スクロールバーのポインタが位置で指定される画像データ)に対する各種補正を行うためのものであり、補正ボタン200が押下されると、押下された補正ボタン200に対応するコマンドが実行され、各ボタン200a〜200eに固有の補正が画像データに対して実行される。例えば「モノクロ」ボタン200aが押下されると、選択中の画像データの色彩はモノクロに補正される。また、「セピア」ボタン200bが押下されると、選択中の画像データの色彩はセピア色に補正される。更に、他のボタン200c〜200eの入力によって、解像度の変更、濃度調整、ウォーターマークや文字データの挿入等の補正が実行される。
その後、S20の処理において入力が確認された場合において(S20:Yes)、その入力位置が補正ボタン200以外であれば(S21:画像データ、その他、スクロールバー(ポインタ以外)、スクロールバー(ポインタ))、その入力位置に応じてLCD41に表示する画像データの選択を行うべく、第1実施形態と同様にS22〜S28の処理を実行する。
なお、第4実施形態においては、第1実施形態のS26の処理に代えて、S154の処理が実行される。第1実施形態のS26の処理では、スクロールバー上における入力位置の画像番号X±2の画像データを入力画像メモリ23aから読み出して表示したが、これに相当する第4実施形態のS153の処理では、スクロールバー上における入力位置の画像番号X〜(X−1)の画像データを入力画像メモリ23aから読み出して表示する。
一方、S21で確認した結果、入力位置がLCD41の画面上に設けられた補正ボタン200であった場合には(S21:補正ボタン)、ポインタが位置する画像番号の画像データについて、押下された補正ボタン200に応じた補正画像データを作成し、補正前の画像データに並べて表示する(S152)。なお、第4実施形態においては、LCD41に表示可能な最大の画像データは2とされているので、補正データが作成される前に2の画像データが表示されていた場合には、最も古い履歴の画像データが画面上から消去される。その後、S151で作成された補正画像データに対して、入力画像メモリ23aに記憶される画像データの最後の画像番号+1の画像番号を付加してから(S153)、その処理をS12の処理に移行する。故に、このS151の処理で作成された補正画像データは、画像書込処理(S12)によって、入力画像メモリ23aに書き加えられる。これにより、補正前の画像データは履歴データとして継続して入力画像メモリ23aに保持され、画像データに付される画像番号は履歴の順を示すこととなる。
画像書込処理(S12)の実行後は、S13以降の処理に従ってスクロールバーが再表示される。従って、LCD41に表示される表示画面が例えば、図16(b)に示すような画面となる。
一方、S13の処理で確認した結果、画像カウンタ23fのカウント値が、設定区画数メモリ23eに記憶される区画数(スクロールバーの総区画数)を10倍した値に満たなければ(S13:No)、画像カウンタ23fのカウント値(即ち入力画像メモリ23aに記憶される画像データの数)が10以下であるかを確認する(S155)。
確認の結果、画像カウンタ23fのカウント値が10を超えていれば(S155:No)、第1実施形態と同様にS29,S30の処理を実行して画像データの数に応じた態様でスクロールバーを表示し、その処理をS16の処理に移行する。また、S29の処理を経由して実行されるS16の処理においては、第1実施形態と同様にA区画から順に10ずつ画像番号が割り付けられ、S156の処理を経由して実行されるS16の処理においては、A区画から順に1ずつ画像番号が割り付けられる。
また、S155の処理で確認した結果、画像カウンタ23fのカウント値が10以下であれば(S155:Yes)、画像カウンタ23fのカウント値(即ち入力画像メモリ23aに記憶される画像データの数)をスクロールバーの区画数に設定する(S156)。これにより、スクロールバーの1区画が1の画像データ(1の画像番号)に対応することとなる。その後、その処理をS30の処理に移行する。
なお、第4実施形態では、1画面に表示される最大の画像データの数を2としているので、スクロール処理(S28)においては、スクロールの進行方向に向かう順に2の画像データが順次表示される。
図16(b)は、図16(a)に示す初期の画像データに対して5回補正が実行された場合の表示画面であり、スクロールバーには、現在の画像データ及び過去4回の画像データのそれぞれに対応した5区画が設けられている。また、該表示画面では、現在の画像データ(最新の画像データ、画像番号5の画像データであって4回の補正を経た画像データ)が右方に表示されている。 最新の画像データは、初期の画像データに対して、色調がセピア色に補正され、また、画像データ内左上に文字データ「A」が挿入され、画像データ内の右下に文字データ「B」が挿入されている。この最新の画像データの左方には、1つ前の画像データ(画像番号4の画像データ)であって、最新の画像データに対し、画像データ内に「B」が挿入される前の状態にある画像データが並んで表示されている。
ここで、スクロールバーの各区画は画像番号に対応つけられており、また、画像番号で指定される過去の補正画像データは履歴データとして入力画像メモリ23aに保持されているので、ユーザはスクロールバーに対する入力操作によって履歴データとして記憶されている画像データの中から所望の補正段階の画像データを指定することができる。
図16(b)の表示画面において、スクロールバー上の画像番号3が付された区画(C区画)が、ユーザによって押下(指定)されると、図16(c)の表示画面に、画面表示が切り替わる。この図16(c)の画面には、2回補正が行われた画像番号3の画像データが表示され、更にその左方には画像番号3の画像データの1つ前の状態の画像データ(画像番号2の画像データ)が表示されている。
この図16(c)の表示画面では、図16(a)に示した初期の画像データに対し、1回目の補正によって得た色調がセピア色に変更された画像データが表示され、2回目の補正で得た文字データ「AB」が挿入された画像データが表示されている。ユーザは、当該表示画面で選択中の画像データ、即ち2回の補正が実行された画像番号3の画像データに対し、補正ボタン200を使用して所望の補正を行うことができる。つまり、ユーザは過去の各補正段階の画像データに遡って補正画像データを作成できる。
このように、第4実施形態においては、画像データの補正の履歴が保持されると共に、表示画面におけるスクロールバーに対する入力操作によって、過去の各補正段階の画像データを1の押下操作(ワンタッチ入力)で選択できる。故に、履歴データの中からユーザは任意の画像データを簡便に読み出すことができ、画像データに対する再補正を効率的に行うことができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1、第2、第4実施形態では、幅方向には単数の識別情報を割り付けた一列態様のスクロールバーを1つLCD41に表示するように複合機1は構成された。また、第3実施形態においても、表示するスクロールバーは1つとされた。これに代えて、スクロールバーを複数表示するように複合機1を構成しても良い。これによれば、選択対象の画像データが多数であっても、1の区画内に割り付ける画像データまたはその識別情報の数を少なくすることができ、スクロールバーに対するユーザの入力操作において、所望のデータからのずれを小さくすることができる。
更には、上記各実施形態では、表示選択処理によってLCD41に出力するスクロールバーを直線上に配置するように構成していたが、必ずしも、スクロールバーを直線状に配置する必要はなく、渦巻状、湾曲状であっても、画面形状に沿って周設された形状で配置する構成であっても良い。これによれば、スクロールバー全体の長さを直線状のものに比べて伸長させることができるので、1区画のサイズを長くすることができ、長さ辺りに割り付けられるデータの数を減らすことができる。故に、スクロールバーに対するユーザの入力操作において、所望のデータからのずれを小さくすることができる。
また、上記各実施形態では、LCD41に表示されるスクロールバーを常に1つとするように構成されたが、これに代えて、スクロールバー上において入力操作が実行されると、その部分の情報を含む所定範囲を別のスクロールバーで形成して、元のスクロールバーと共にLCD41に表示するように構成しても良い。
また、上記各実施形態は、スクロールバー上において入力が実行されると、その入力位置近傍の画像データ又は識別情報の割付数を減少させたスクロールバーをLCD41に表示するように構成したが、1区画に割り付ける割付数は任意の数であって、上記実施形態において例示した値に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、画像番号、日付データを識別情報とし、その規則(画像番号の順序、日付データの並び)に従って、識別情報をスクロールバーの一端から他端へ向かう方向に割り付けるように構成していたが、スクロールバーに割り付ける識別情報はこれに限られるものではなく、例えば、画像データのファイル名などであっても良く、かかるファイル名をあいうえお順やアルファベット順でスクロールバーに割り付ける構成としても良い。
更に、上記各実施形態においては、複合機1においてスクロールバー上への入力はタッチパネル100で行われた(入力装置をタッチパネル100で構成した)が、これに代えて、カーソルをLCD41に出力し、マウスなどのポインティングデバイスによってカーソル操作を実行することで入力操作を行うように構成しても良い。
加えて、上記した第1、第4実施形態は、スクロールバーの各区画(各位置)に画像の識別情報(画像番号)を対応つけ、スクロールバー上の入力が検出されると、その入力位置に対応つけられた識別情報に基づいて画像データを入力画像メモリ23aから抽出する構成とした。これに代えて、画像データを識別情報の序列に従って入力画像メモリ23aの先頭アドレス側から順に記憶すると共に、スクロールバーの各区画(各位置)と入力画像メモリ23aのアドレスとを対応つけて管理する構成、即ち、識別情報によらず直接的に画像データとスクロールバーの各位置とを対応つける構成として、スクロールバー上の入力位置に対応つけられた画像データを入力画像メモリ23aから抽出するようにしても良い。
また、上記各実施形態において、ユーザによって選択された画像データに対する処理は、特に限定されるものではなく、例えば、複合機1に搭載されたプリンタ2による印刷、ファクシミリ送信、PCやネットワークへの送信などが例示される。
更には、上記した第1実施形態から第3実施形態において画像データが選択された場合には、上記第4実施形態において示したような補正処理を行うように第1から第3実施形態の複合機1を構成してもよく、更には、補正処理後の補正画像データを、印刷、ファクシミリ送信、ネットワーク出力するように構成しても良い。