JP2008297656A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単なノズル構造、紡糸条件制御によって、クラック及びボイドのない繊維断面がランダム構造である炭素繊維を提供する。
【解決手段】ピッチ導入部1、絞り部2、キャピラリ部3で構成され、絞り部壁面と中心軸との間に為す角(導入角)αが35°以上90°以下であり、導入部径D1とキャピラリ部径D2の比D1/D2が3以上であり、かつ、キャピラリ長Lとキャピラリ径D2の比L/D2が5以上20以下である炭素繊維紡糸用ノズルを用いて、メソフェーズピッチをメルトブロー法で溶融紡糸して炭素繊維前駆体を製造する。
【選択図】図4

Description

本発明は放熱材料、繊維強化樹脂成型材料としての使用に好適な炭素繊維の前駆体の製造方法に関わるものである。さらには該当方法により得られた炭素繊維前駆体より、繊維表面にクラック及びボイドのないピッチ系炭素繊維を製造する方法に関わるものである。
高性能の炭素繊維はポリアクリロニトリル(PAN)を原料とするPAN系炭素繊維と、一連のピッチ類を原料とするピッチ系炭素繊維に分類できる。そして炭素繊維は強度・弾性率が通常の合成高分子に比較して著しく高いという特徴を利用し、航空・宇宙用途、建築・土木用途、スポーツ・レジャー用途などに広く用いられている。
近年、省エネルギーに代表されるエネルギーの効率的使用方法が注目されている一方で、高速化されたCPUや電子回路のジュール熱による発熱が問題になっている。これらを解決するためには、熱を効率的に処理するという、所謂サーマルマネジメントを達成する必要がある。
炭素繊維は、通常の合成高分子に比較しての熱伝導率が高いが、さらなる熱伝導の向上が検討されている。ところが、市販されているPAN系炭素繊維の熱伝導率は通常200W/(m・K)よりも小さくサーマルマネジメントの観点からは必ずしも好適であるとは言い難い。これに対して、ピッチ系炭素繊維は黒鉛化性が高いためにPAN系炭素繊維に比べて高熱伝導率を達成しやすいと認識されている。
熱伝導性の優れた物質として、例えば酸化アルミニウムや窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、炭化ケイ素、石英、水酸化アルミニウムなどの金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物などが知られている。しかし、金属材料系の充填材は比重が高く複合材としたときに重量が大きくなってしまう。また、炭素系材料であるカーボンブラック等の球形材料は、添加量が高くなると、所謂粉落ちが発生し、特に電子機器においては、その導電性が機器に悪影響を与える。これに対して、炭素繊維は比重が小さく金属材料系の充填材と同じ体積で添加した場合の複合材の重量を軽くできるというメリットがあるのみならず、その形状が繊維状であることより、粉落ちが起こり難いというメリットもある。
一方で、ピッチ系炭素繊維は従来から引張強度、引張弾性率、圧縮強度といった機械物性がPAN系炭素繊維に比べて劣っているとされており、これに対して様々な研究が行われている。近年では、紡糸時の分子配向とそれに伴って形成される繊維断面形状によって炭素繊維の機械特性が大きく影響を受けることがわかり、その繊維断面をオニオンまたはランダム構造とすることで、クラックのない機械特性に優れた炭素繊維を得ることができると言われている。しかしながら、通常メソフェーズピッチを紡糸すると、その強い配向性のためにラジアル構造が主体となり、その炭素構造を制御するのが非常に難しいといった問題を有している。この問題を解決するために、ノズル構造によってピッチの流れを乱しランダム配向を促す方法が見出されているが、ノズル構造の複雑化、軸方向の乱れによる表面欠損化といった別問題を招いている。
例えば、特許文献1ではノズル内の導入部に螺旋状体を挿入することによって、ピッチの一部を螺旋状体に沿って下降させ、残りの螺旋状体に接触せずに下降してきたピッチとが混入することにより流れを乱し、ランダム構造を有する炭素繊維を製造する方法について記載がある。
例えば、特許文献2では導入角を45〜75°とし、テーパ末端部で一旦平坦部を設けたあと、L/Dが1.5〜2のキャピラリ部であるノズルを使用することにより、ラジアル構造部分が低減できることについての記載がある。
特開平6−93518号公報 特開平8−41730号公報
上記に述べたごとく、通常メソフェーズピッチを紡糸すると、その強い配向性のためにラジアル構造が主体となる。またラジアル構造を余りにも乱そうとすれば、逆に軸方向に欠損(ボイド)が生じてしまう。さらにノズル構造の複雑化はノズル製作のコストアップ、メンテナンス性の悪さを生じてしまう。即ち本発明の目的は、簡単なノズル構造、紡糸条件制御によって、クラック及びボイドのない繊維断面がランダム構造である炭素繊維の製造方法を提供するところにある。
本発明者らは、繊維表面にクラック及びボイドのない炭素繊維を製造する方法について検討したところ、構造の簡単なある特定のノズルを用いて、特定の紡糸条件で炭素繊維前駆体を得ることにより、繊維表面にクラック及びボイドのない炭素繊維を製造する方法を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明はピッチ導入部、絞り部、キャピラリ部で構成され、絞り部壁面と中心軸との間に為す角(導入角)αが35°以上90°以下、導入部径D1とキャピラリ部径D2の比D1/D2が3以上であり、なおかつ、キャピラリ長Lとキャピラリ径D2の比L/D2が5以上20以下である炭素繊維紡糸用ノズルを用いて、メソフェーズピッチをメルトブロー法で溶融紡糸することを特徴とする炭素繊維前駆体の製造方法である。
本発明の紡糸条件は、ピッチ導入部におけるレイノルズ数Re1と絞り部末端(キャピラリ部入口)におけるレイノルズ数Re2の比Re2/Re1が3以上であることが好ましい。さらにキャピラリ部におけるレイノルズ数Re3が0.03以下であることが好ましい。
本発明の方法で得られた炭素繊維前駆体は、酸化性ガス雰囲気下で不融化し、次いで不活性ガス雰囲気下で焼成することで炭素繊維を製造することができる。
本発明の炭素繊維前駆体の製造方法により、簡単なノズル構造、紡糸条件制御によって、クラック及びボイドのない繊維断面がランダム構造である炭素繊維を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について順次説明する。
本発明で製造される炭素繊維の原料としては、例えば、ナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物、石油系ピッチや石炭系ピッチといった縮合複素環化合物等が挙げられる。その中でもナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物が好ましく、特に光学的異方性ピッチ、すなわちメソフェーズピッチが好ましい。これらは、一種を単独で用いても、二種以上を適宜組み合わせて用いてもよいが、メソフェーズピッチを単独で用いることが炭素繊維の熱伝導性を向上させる上で特に望ましい。
原料ピッチの軟化点はメトラー法により求めることができ、250℃以上350℃以下が好ましい。軟化点が250℃より低いと、不融化の際に繊維同士の融着や大きな熱収縮が発生する。また、350℃より高いとピッチの熱分解が生じ糸状になりにくくなる。
原料ピッチはメルトブロー法により紡糸され、その後不融化、焼成によって3次元ランダムマット状炭素繊維とする。以下各工程について説明する。
(1)メゾフェーズピッチから炭素繊維前駆体を製造する工程
本発明はピッチ導入部、絞り部、キャピラリ部で構成され、絞り部壁面と中心軸との間に為す角(導入角)αが35°以上90°以下であり、導入部径D1とキャピラリ部径D2の比D1/D2が3以上であり、かつ、キャピラリ長Lとキャピラリ径D2の比L/D2が5以上20以下である炭素繊維紡糸用ノズルを用いて、メソフェーズピッチをメルトブロー法で溶融紡糸することを特徴とする炭素繊維前駆体の製造方法である。
炭素繊維紡糸用ノズルにおいて、絞り部壁面と中心軸との間に為す角(導入角)αは、35°以上90°以下であり、好ましくは45°以上80℃以下である。導入角を35°以上90°以下とすることで断面方向の配向を最適に乱すことができる。導入角が35°未満であると、断面方向の配向の乱れが十分でなく、繊維断面がラジアル構造になり易い。また導入角が90°を超えると、圧力損失が大きくなり過ぎて、ノズルの耐圧を超えてしまうため好ましくない。
導入部径D1とキャピラリ部径D2の比D1/D2は3以上であり、好ましくは5以上である。D1/D2を3以上とすることで断面方向の配向を最適に乱すことができる。D1/D2が3未満であると、断面方向の配向の乱れが十分でなく、繊維断面がラジアル構造になり易い。
なお、導入部は断面が円状である必要はなく、また1導入部に対して多キャピラリ部を持った構造でもよい。断面が円状以外の場合のD1はその断面を円状とみなしたときの等価直径であり、多キャピラリ部を持った構造の場合のD1はその断面積をキャピラリ数で割ったときの断面積に対する等価直径とする。
キャピラリ長Lとキャピラリ径D2の比L/D2は、5以上20以下であり、好ましくは8以上15以下である。L/D2を5以上20以下とすることで繊維軸方向の流れが整流され、繊維軸方向の分子配向が高くなる。この範囲は導入角を35°以上90°以下、D1/D2を3以上としたときに乱れた繊維軸方向の配向を再整列させるための最適範囲である。繊維軸方向への配向力は断面方向への配向力よりも遥かに大きいためにこの制御が可能となる。L/D2が5未満であると、この再整列が十分でなく、繊維表面にボイドが出来易い。またL/D2が20以上であると、ランダム構造である繊維断面が再整列し過ぎるとともに、圧力損失が大きくなり過ぎて、ノズルの耐圧を超えてしまうために好ましくない。
本発明においては、上記構造のノズルを用いて紡糸することに加えて、特定の紡糸条件に制御することが好ましい。溶融ピッチの配向度合は溶融ピッチの流れに依存しており、紡糸粘度及び流速によって制御できる。即ち、流れの状態はレイノルズ数によって表すことができる。レイノルズ数は下記式(1)より求めることができ、代表長さは各部直径(Re1計算においてはD1、Re2及びRe3計算においてはD2)である。
Re=ρud/μ (1)
(ρは溶融ピッチ密度kg/m3、uはキャピラリ内流速m/s、dは代表長さm、μは溶融粘度Pa・s)
前述のノズルを用いた場合、ピッチ導入部におけるレイノルズ数Re1と絞り部末端(すなわちキャピラリ部入口)におけるレイノルズ数Re2の比Re2/Re1が3以上が好ましく、より好ましくは5以上である。Re2/Re1が3未満であると、断面方向の配向の乱れが十分でなく、繊維断面がラジアル構造となり易い。
さらにキャピラリ部におけるレイノルズ数Re3が0.03以下とすることが好ましく、より好ましくは0.027以下である。このような条件で紡糸を行うで、クラック及びボイドのない炭素繊維前駆体を得ることができる。またRe3が0.03を超えると、キャピラリ部での整流効果が十分でなく、繊維軸方向に十分な配向ができず、ボイドが出来てしまうことがある。なお、本発明においては、Re3が0.03以下の範囲で、キャピラリ部の紡糸粘度が30Pa・S以下であることがより好ましい。
ノズル孔から出糸された炭素繊維前駆体は、100〜350℃に加温された毎分100〜10000mの線速度のガスを細化点近傍に吹き付けることによって短繊維化される。吹き付けるガスは空気、窒素、アルゴンを用いることができるが、コストパフォーマンスの点から空気が望ましい。
炭素繊維前駆体は、金網ベルト上に捕集され連続的なマット状になり、さらにクロスラップされることで3次元ランダムマット状になる。
3次元ランダムマットとは、クロスラップされていることに加え、炭素繊維前駆体が三次元的に交絡しているマットをいう。この交絡は、ノズルから、金網ベルトに到達する間にチムニと呼ばれる筒において達成される。線状の繊維が立体的に交絡するために、通常一次元的な挙動しか示さない繊維の特性が立体においても反映されるようになる。
(2)炭素繊維前駆体から不融化炭素繊維を製造する工程
上記で得た炭素繊維前駆体を酸化性ガス雰囲気下で不融化して、不融化炭素繊維を製造することができる。炭素繊維前駆体の不融化処理は、炭素化もしくは黒鉛化された炭素繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せず次工程である焼成工程に移ると、炭素繊維前駆体が熱分解したり、溶融して融着したりするなどの問題を生じる。
使用するガス成分としては、酸化性のガスであれば特に制限はないが、例えば空気、酸素、ハロゲンガス、二酸化窒素、オゾンなどを採択することができる。これらの中でも、コストパフォーマンスと低温で速やかに不融化させうるという点から空気及び/またはハロゲンガスを含む混合ガスである事が好ましい。
なお、ハロゲンガスとしてはフッ素、ヨウ素、臭素などを取り上げることが出来るが、これらの中でもヨウ素が特に好ましい。ガス気流下での不融化の具体的な方法としては、温度150〜350℃、好ましくは170〜320℃で、1時間以下、好ましくは0.5時間以下で所望のガス雰囲気中で処理する事が好ましい。
(3)不融化炭素繊維から炭素化もしくは黒鉛化炭素繊維を製造する工程
上記で得た不融化炭素繊維を不活性ガス雰囲気中で炭素化もしくは黒鉛化し炭素繊維を製造することができる。不融化炭素繊維の炭素化は真空中、或いは窒素、アルゴン、クリプトン等の不活性ガス中で焼成されるが、常圧で、且つコストの安い窒素中で実施するのが特に好ましい。炭素化の温度としては500〜2000℃、より好ましくは800〜1800℃である。
通常2000℃を超える炭素繊維の焼成は黒鉛化と呼ばれ、窒素ガス等は電離を起こしてしまうため、アルゴン、クリプトンといった不活性ガスを使用する。炭素繊維の熱伝導率を高くするためには、2300〜3500℃で処理することが好ましく、さらには2500〜3200℃で処理するのが特に好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。尚、実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。
(1)炭素繊維の断面構造
黒鉛化した炭素繊維の断面および表面を走査型電子顕微鏡S−2400(株式会社日立製作所製)で観察することで確認した。
(2)紡糸におけるメソフェーズピッチのキャピラリ内流速
ギアポンプから送液される時間当たりの送液量からキャピラリを通過するピッチ速度を算出することで求めた。
(3)キャピラリ内におけるメソフェーズピッチの溶融粘度
紡糸時の樹脂温度とキャピラリ内流速から、キャピラリレオメータを用いて評価した。
(4)レイノルズ数
下記式(1)より求めた。なお代表長さは各部直径とした。
Re=ρud/μ (1)
ここで、ρは溶融ピッチ密度kg/m3、uはキャピラリ内流速m/s、dは代表長さm、μは溶融粘度Pa・sとする。
[実施例1]
縮合多環炭化水素化合物よりなる、光学的異方性割合が100%、軟化点が283℃であるピッチを主原料とした。この原料を330℃において、導入部径1.2mm、導入角45°、直径0.2mmφ、L/D2=10のキャピラリからなる紡糸用ノズルを用い、キャピラリ内流速0.15m/sで送液し、かつキャピラリ横のスリットから毎分5500mで350℃の空気を吹き付けて、溶融ピッチを牽引して平均繊維径11.0μmの炭素繊維前駆体からなる目付け300g/m2である不織布を作成した。
なお、溶融ピッチの密度は1.22g/cm2、キャピラリレオメータで評価した330℃、0.15m/sにおけるキャピラリ内の溶融粘度は17Pa・S、紡糸条件はRe2/Re1=6、Re3=0.0022とした。
上記炭素繊維前駆体からなる不織布を、空気雰囲気下170℃から290℃まで30分で昇温して不融化炭素繊維からなる不織布を得た。次いで、左記不織布を窒素ガス雰囲気下800℃で焼成した後、アルゴンガス雰囲気下2400℃で黒鉛化した。得られた炭素繊維の断面顕微鏡観察(図1)から、ランダム構造であることが確認できた。さらに表面の顕微鏡観察(図2)より繊維表面にクラック及びボイドが存在しないことが確認できた。
[比較例1]
縮合多環炭化水素化合物よりなる、光学的異方性割合が100%、軟化点が283℃であるピッチを主原料とした。この原料を330℃において、導入部径0.3mm、導入角15°、直径0.2mmφ、L/D2=1のキャピラリからなる紡糸用ノズルを用い、キャピラリ内流速0.15m/sで送液し、かつキャピラリ横のスリットから毎分5500mで350℃の空気を吹き付けて、溶融ピッチを牽引して平均繊維径10.5μmの炭素繊維前駆体からなる目付け300g/m2である不織布を作成した。
なお、溶融ピッチの密度は1.22g/cm2、キャピラリレオメータで評価した330℃、0.15m/sにおけるキャピラリ内の溶融粘度は17Pa・S、紡糸条件はRe2/Re1=1.5、Re3=0.0022とした。
上記炭素繊維前駆体からなる不織布を、空気雰囲気下170℃から290℃まで30分で昇温して不融化炭素繊維からなる不織布を得た。次いで、左記不織布を窒素ガス雰囲気下800℃で焼成した後、アルゴンガス雰囲気下2400℃で黒鉛化した。得られた炭素繊維の断面顕微鏡観察(図3)から、ラジアル構造であることが確認できた。さらに繊維表面にクラックが存在していることが確認できた。
実施例1の操作により得られた炭素繊維断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真図である。 実施例1の操作により得られた炭素繊維表面を撮影した走査型電子顕微鏡写真図である。 比較例1の操作により得られた炭素繊維断面を撮影した走査型電子顕微鏡写真図である。 本発明によるノズルの模式図である。
符号の説明
1 ピッチ導入部
2 絞り部
3 キャピラリ部
D1 導入部径
D2 キャピラリ径
L キャピラリ長
α 導入角

Claims (4)

  1. ピッチ導入部、絞り部、キャピラリ部で構成され、絞り部壁面と中心軸との間に為す角(導入角)αが35°以上90°以下であり、導入部径D1とキャピラリ部径D2の比D1/D2が3以上であり、かつ、キャピラリ長Lとキャピラリ径D2の比L/D2が5以上20以下である炭素繊維紡糸用ノズルを用いて、メソフェーズピッチをメルトブロー法で溶融紡糸することを特徴とする炭素繊維前駆体の製造方法。
  2. ピッチ導入部におけるレイノルズ数Re1と絞り部末端におけるレイノルズ数Re2の比Re2/Re1が3以上である請求項1に記載の炭素繊維前駆体の製造方法。
  3. キャピラリ部におけるレイノルズ数Re3が0.03以下である請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの方法で得られた炭素繊維前駆体を、酸化性ガス雰囲気下で不融化し、次いで不活性ガス雰囲気下で焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
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