JP2008297437A - 超低硫黄軽油の製造方法とその製造装置 - Google Patents

超低硫黄軽油の製造方法とその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO)から軽油として有用な超低硫黄軽油を製造する超低硫黄軽油の製造方法とその製造装置を提供すること。
【解決手段】製造装置100は、FCC装置から留出したLCOから軽質分解軽油(LLCO)留分を分留する分離装置10と、LLCO留分を水素化脱硫処理する水素化脱硫処理装置20を備えている。本実施形態は、分離装置10で分離工程を実施し、水素化脱硫処理装置20で脱硫工程を実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄軽油を製造する製造方法とその製造装置に関する。
従来、原油の精製工程において流動接触分解(FCC:fluid catalytic cracking)が行われる。FCCの主目的は重質油からガソリンや分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)を製造することである。ここで製造されたLCOには芳香族化合物が非常に多く含まれているため、軽油としての品質を満たさない。そこで、一般的にはA重油またはC重油の基材として活用するか、または、他の軽油基材に少量のLCOを混合することによって処理されている。
しかしながら、LCOを他の軽油基材に混合できる量には限度があり、また、最近の重油の需要の低下により、LCOを有効的に活用する技術の開発が期待されている。
例えば、特許文献1には、FCCにより得られる留出油を水素化して軽油として用いる技術が開示されている。特許文献1に記載された製造方法は、第1工程〜第3工程よりなり、第1工程で炭化水素油の水素化脱硫が行われ、第2工程では第1工程で生じた硫化水素、アンモニアを含んだガス成分の除去が行われ、第3工程では芳香族炭化水素の水素化と同時に水素化脱硫も行われる。
特開2001−107060号公報
しかしながら、特許文献1では、多環の芳香族化合物が多量に存在する場合、触媒の水素化脱硫活性を低下させるという問題がある。また、得られる軽油の色相が悪くなるという問題もある。さらに、芳香族炭化水素を完全に水素化するため、水素消費量が多いという問題もある。これらの問題を防ぐ方法として、低温で水素化脱硫することも考えられるが、途中で硫化水素の濃度の高いガスを分離する第2工程を含んでいるため工程が複雑になってしまい実用的でない。さらに、芳香族炭化水素の水素化活性を上げるために高価な貴金属触媒を用いなければならず、経済的に有効でない。
本発明の目的は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から有用な超低硫黄軽油を製造する超低硫黄軽油の製造方法とその製造装置を提供することである。
本発明の超低硫黄軽油の製造方法は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄軽油を製造する超低硫黄軽油の製造方法であって、前記LCOを、1環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下である軽質分解軽油留分を分留する分離工程と、前記分離工程で留出した前記軽質分解軽油留分とともに直留軽油を混合して水素化脱硫処理により軽油を製造する脱硫工程と、を実施することを特徴とする。
流動接触分解は、通常の重質軽油(HGO:Heavy Gas Oil)や減圧軽油(VGO:Vacuum Gas Oil)を原料とする流動接触分解(FCC:fluid catalytic cracking)と、アスファルテン分等の重質分を多く含む重質油を原料とする残油流動接触分解(RFCC:Residue fluid catalytic cracking)とを区別する場合があるが、本発明の流動接触分解はFCCとRFCCのいずれをも含み、いずれの工程で留出されたLCOをも本発明の対象とする。
また、以後は、軽質分解軽油留分をLLCOと表記する場合もある。
この発明によれば、分解軽油(LCO)から1環芳香族分の比率の高い軽質留分を分留し、得られた軽質分解軽油(LLCO)留分に水素化脱硫処理を実施する。
LCOには多環芳香族分が多く含まれているため、LCOにそのまま水素化脱硫処理を行っても硫黄分が十分に低減されないが、本発明のように1環芳香族分を多く含むLLCO留分を分留し、このLLCO留分に対して水素化脱硫処理を実施するので、水素化脱硫処理において無駄に水素を消費することなく、効率よくかつ経済的に超低硫黄の軽油を製造することができる。
具体的には、LLCO留分は1環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下であり、好ましくは0.6〜0.8である。1環芳香族分の比率が0.5未満であると、多環芳香族化合物の脱硫反応の競争吸着被毒、さらには触媒劣化に与える影響が大きくなるため好ましくない。また、上限値は1.0以下であればよいが、例えばLCOからLLCO留分を蒸留分離する場合、その得率が小さくなりすぎて効率的でないということから、0.8以下であることが好ましい。
また、LLCO留分に直留軽油を混合して水素化脱硫処理を実施するので、得られる軽油のセタン指数を50以上とすることができる。セタン指数が50以上であれば、通常の軽油として有効である。
このような製造方法で製造された軽油は硫黄分10ppm以下、かつセタン指数50以上という性状を有するので、通常の軽油として有用である。
また、本発明の製造方法によれば、条件を少し変えるだけで上記の超低硫黄軽油を多く製造することができる。したがって、そのときの需要に応じて軽油を製造することができるので、無駄なく効率的に実施できる。
なお、LLCO留分の分離工程は、蒸留塔にて実施することができる。1〜3環の芳香族成分は留出温度によってそれぞれ組成が異なるため、留出温度を変えることによって所望する芳香族成分が多く含まれた留分を得ることができる。すなわち、1環芳香族分を多く含むLLCO留分を容易に分留することができる。
本発明の超低硫黄軽油の製造方法では、前記分離工程は、前記LLCO留分の分留温度を200℃以上290℃以下として実施することが好ましい。
この発明では、LCOを200℃以上290℃以下の範囲で蒸留するので、1環芳香族分を多く含むLLCO留分を分留することができる。より好ましい温度範囲は230℃以上270℃以下である。
なお、分留温度が200℃未満であると、例えばLCOからLLCO留分を蒸留分離する場合、その得率が小さくなりすぎるため効率的ではない。また、290℃を超えると、多環芳香族の水素化脱硫反応への競争吸着被毒、さらには触媒劣化に与える影響が大きくなるため好ましくない。
また、本発明の超低硫黄軽油の製造方法では、前記直留軽油の混合割合を40〜80容量%として実施することが好ましい。
この発明では、LLCO留分に直留軽油を40〜80容量%の範囲で混合して水素化脱硫処理を実施するので、得られる軽油のセタン指数を50以上とすることができる。セタン指数が50以上であれば、通常の軽油として有効である。直留軽油のより好ましい混合割合は50〜80容量%である。
なお、直留軽油の混合割合が40容量%未満であると、セタン指数を50以上とすることが困難である。また、80容量%を超えるのは経済的でない。
本発明の超低硫黄軽油の製造方法では、前記水素化脱硫処理は、水素分圧2MPa以上10MPa以下で行い、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理を実施することが好ましい。
この発明では、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いるので、効率よく脱硫を行うことができ、硫黄分10ppm以下の超低硫黄軽油を製造することができる。
本発明の超低硫黄軽油を製造する製造装置は、炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄軽油を製造する製造装置であって、前記LCOから軽質分解軽油留分を分留する分離手段と、前記分離手段で分留された軽質分解軽油留分を脱硫する脱硫手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、請求項1に記載の超低硫黄軽油を製造する製造方法を展開したもので、前述と同様の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態にかかるLCOから超低硫黄軽油を製造する製造装置の一態様を示した概略図である。図1に示すように、製造装置100は、流動接触分解(FCC)装置装置から留出したLCOから軽質分解軽油(LLCO)留分を分留する分離装置10と、LLCO留分を水素化脱硫処理する水素化脱硫処理装置20を備えている。本実施形態は、分離装置10で分離工程を実施し、水素化脱硫処理装置20で脱硫工程を実施する。各工程について以下に詳述する。
[1.分離工程]
分離工程はLCOからLLCO留分を分留する工程であり、分離装置10にて行われる。分離装置10はFCC装置に接続され、分留塔101を備えている。
FCC装置は、通常、重質油からのガソリンやLCOを生成するが、生成LCO中には芳香族分やオレフィン分が多量に含まれている。FCC装置の原料油として特に好ましいのは、重質軽油、減圧軽油、常圧残油、脱歴油、原油およびこれらを事前に脱硫処理したもののほか、これらの混合物が挙げられる。
FCC装置で生成されたLCOは分離装置10に導入され、分留塔101で蒸留され、分留塔101の塔頂からLLCO留分を分留するとともに、塔底から重質分解軽油(HLCO:Heavy Light Cycle Oil)留分を分留する。
ここで、LLCO留分とは、LCOの軽質留分であって該留分中に含まれる全芳香族化合物のうち1環芳香族化合物の比率が0.5以上1.0以下である留分のことである。
原料であるLCOの芳香族化合物の存在量を高速液体クロマトグラフ法を用いて分析すると、図2に示す結果が得られた。図2からわかるように、留出温度が低いほど1環芳香族化合物が多く留出し、留出温度が高いほど2環および3環の多環芳香族化合物が多く留出する。1環芳香族化合物を多く含む軽質分解軽油(LLCO)留分を分留するには、LCOの軽質留分の分留温度を200℃以上290℃以下の範囲とすることが好ましい。LLCO留分を多く分留したい場合は、分留温度を230℃以上290℃以下とすることがより好ましい。目的とするLLCO留分の比率に応じて分留温度を調整することができる。
[2.脱硫工程]
分離工程で分留されたLLCO留分は水素化脱硫処理装置20に通油され、水素化脱硫される。この工程が脱硫工程である。
水素化脱硫処理装置20は、反応温度320℃以上400℃以下、水素分圧2MPa以上10MPa以下、液空間速度(LHSV)0.3h−1以上2.0h−1以下、の条件で運転される。また、水素化脱硫処理触媒として、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくとも1種を耐火性酸化物担体に担持したものを用いることができる。耐火性酸化物担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、マグネシア、酸化亜鉛、結晶性アルミノシリケート、粘土鉱物またはそれらの混合物が挙げられる。中でも、アルミナ、特にγ-アルミナが好ましい。その平均細孔は50Å以上150Å以下の範囲のものが好ましく、60Å以上140Å以下の範囲のものがより好ましい。形状については、粉体でもよく、円柱、三つ葉、四つ葉などの成形体でもよい。
また、LLCO留分は直留軽油と混合して水素化脱硫処理装置20に通油される。直留軽油と混合することによって、生成される軽油のセタン指数を向上させることができる。
以上より、LLCO留分はこのような脱硫工程を経て、硫黄分10ppm以下、かつ、セタン指数50以上の軽油を製造することができる。
[3.超低硫黄軽油の製造方法]
次に、具体的な製造方法について説明する。
まず、FCC装置で得られた分解軽油(LCO)を分離装置10に通油する。分離装置10の分留塔101にて温度200〜290℃の範囲内、例えば240℃で蒸留を行う。分留塔101の塔頂から分留された留分を軽質分解軽油(LLCO)留分とする。
LLCO留分は直留軽油とともに水素化脱硫処理装置20に通油され、脱硫されて硫黄分10ppm以下かつセタン指数50以上の軽油となる。
[4.本実施形態における作用効果]
本実施形態によれば、FCC装置で得られた分解軽油(LCO)から軽質分解軽油(LLCO)留分を分留し、LLCO留分を水素化脱硫処理で脱硫することにより硫黄分10ppm以下の超低硫黄の軽油を製造することができる。なお、脱硫工程において直留軽油を混合しているので得られた軽油はセタン指数が50以上と高く、通常の軽油として有用である。
このように得られた軽油は硫黄分が10ppm以下と低いので、環境にやさしく、環境規制にも対応した燃料油を提供することができる。
なお、分離工程で得られたLLCO留分は、灯油としての性状も備えているので灯油基材としても活用することができる。
また、本実施形態では、分離工程において所望するLLCO留分の比率に応じて分留温度を200℃以上290℃以下の範囲内で調整することができ、その結果、得られる軽油基材の量を調整することができる。すなわち、分留温度を変えるだけで、所望する量の軽油基材を製造することができる。
本実施形態では、水素化脱硫処理装置20に周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくとも1種を耐火性酸化物担体に担持した触媒を用い、2MPa以上10MPa以下の水素分圧で実施したので、脱硫活性が高く、脱硫を十分に行うことができる。
[5.本実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、FCC装置から得られたLCOを分離装置10に通油して、LLCO留分と重質分解軽油(HLCO)留分とに分離したが、RFCC装置から得られたLCOを分離装置10に通油してもよい。
また、前記実施形態では、脱硫工程においてLLCO留分に直留軽油を混合させたが、これは直留軽油に限定されず、例えば、脱硫軽油(DGO)などを用いてもよい。DGOを用いる場合、LLCO留分の脱硫工程後に混合させることが好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制約されるものではない。
本実施形態における分離工程のベンチ試験を行った(試験1)後、本実施形態における脱硫工程の水素化処理ベンチ試験(試験2)を行った。
<試験1>
FCC装置から得られた分解軽油(LCO)を蒸留装置にて軽質分解軽油(LLCO)留分と重質分解軽油(HLCO)留分とに分留し、得られたLLCO留分およびHLCO留分の性状を分析した。
硫黄分については、放射励起法(JIS K2541−4 「原油及び石油製品−硫黄分試験方法 第4部:放射線式励起法」)を、密度については、振動式密度法(JIS K2249 「原油及び石油製品−密度試験方法(振動式密度試験方法)」)を、窒素分は化学発光法(JIS K2609 「原油及び石油製品−窒素分試験方法(化学発光法)」)、さらに飽和分、オレフィン分、芳香族分等の組成については、高速液体クロトグラム法(JPI−5S−49−97 「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」)を用いた。また、セタン指数は、セタン指数計算方法(JIS K2280 「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数計算方法」)を用いて測定値より求めた。
[実施例1]
LLCO留分の蒸留終点(EP)を分留温度の目標として、分留温度230℃で、LLCO留分とHLCO留分の比率が20/80質量%となるように、分留を行った。
[実施例2]
分留温度270℃で、LLCO留分とHLCO留分の比率が40/60質量%となるように、分留を行った。
[比較例1]
実施例1および実施例2との比較を行うために、分離前のLCOの性状を分析した。
実施例1〜2および比較例1のサンプルの分析結果を以下の表1に示す。
Figure 2008297437
表1からわかるように、実施例1および実施例2のLLCO留分は全芳香族分中の1環芳香族分の比率が高く、HLCO留分は全芳香族分中の2環+3環芳香族分の比率が高い。このように、LLCO留分およびHLCO留分の比率を調整することができる。
<試験2>
試験1で得られたLLCO留分を用いて水素化脱硫処理を行った。
水素化脱硫処理は、以下に示す水素化脱硫触媒100ccを充填した反応管に、実施例3、4および比較例2、3に示すサンプルを通油し、通油後のサンプルの性状を分析し、評価した。
水素化脱硫処理で用いた水素化脱硫触媒は、アルミナ担体にチタン水溶液を含浸担持した担体に、ニッケル、モリブデン、リンを含む金属溶液を含浸担持して調製した。詳細は以下のとおりである。
塩基性炭酸ニッケル(FLUKA:NiO;62.3質量%)95g、三酸化モリブデン323g、正リン酸(純度80質量%)39gをイオン交換水1000ccに加えて、攪拌しながら80℃で溶解させ、80℃で濃縮後、室温に冷却、純水にて500ccに定容し、ニッケルモリブデンリン含浸液(S1)を調整した。
四塩化チタン500gおよび純水1リットルをそれぞれ氷水の冷却槽で冷却しておく。この冷却しておいた純水を攪拌し、そこに冷却しながら徐々に四塩化チタンを滴下して、無色のチタニアゾル塩酸溶液を得た。このチタニアゾル溶液に、1.2倍当量のアンモニア水(濃度:1mol/l)を滴下し、1時間攪拌し、水酸化チタンゲルを得た。そのゲルを吸引濾過で分別し、約1リットルの純水に再分散させ濾過洗浄した。この操作を洗浄液が中性になるまで4〜5回繰り返し、塩素根を取り除いた。
得られた水酸化チタンゲルをTiOとして11g採取した。それに25質量%アンモニア水を50cc添加し、攪拌した。さらに、30質量%過酸化水素水100ccを徐々に添加し、チタニアゲルを溶解させ、ペルオキソチタン溶液を得た。そこへ、クエン酸第一水和物29gを徐々に添加して、攪拌しつつゆっくりと昇温し、50℃にて余剰の過酸化水素水を除去した。さらに、80℃にて溶液を全量が117ccになるまで濃縮し黄橙色透明なヒドロキシカルボキシラトチタンアンモニウム液(T1)を得た。
吸水率0.8cc/gのγ-アルミナ担体(A1)100gに、その吸水量に見合うようにヒドロキシカルボキシラトチタンアンモニウム溶液(T1)60ccを純水で希釈し、常圧にて含浸し、70℃で1時間真空にて乾燥後、120℃、3時間乾燥機にて乾燥させ、500℃で4時間焼成し担体(A2)を得た。
ニッケルモリブデンリン含浸液(S1)を50cc採取し、トリエチレングリコール6gを添加し、吸水率0.75cc/gの担体(A2)100gに、その吸水率に見合うように純水で容積を調整した溶液を、常圧下で含浸し、120℃で16時間乾燥させ、水素化脱硫触媒を調整した。
[参照例1]
参照例として、一般的な中東系原油からの直留軽油のみを上記反応管に通油した。
[実施例3]
参照例1の直留軽油に、実施例1のLLCO留分を20%混合した。
[実施例4]
参照例1の直留軽油に、実施例2のLLCO留分を20%混合した。
[比較例2]
参照例1の直留軽油に、比較例1のLCOを15%混合した。
[比較例3]
参照例1の直留軽油に、比較例1のLCOを20%混合した。
上記実施例3、4および比較例2、3のサンプルの水素化脱硫処理前後の性状を以下の表2に示す。なお、表2中のWAT(Weight Average Temperature)とは、生成油中の硫黄分含有量を達成する温度のことである。
Figure 2008297437
表2の比較例2および比較例3からわかるように、LCOを水素化処理した後のセタン指数を55以上に維持するには、LCOの混合比率を15%までにしか上げることができない。また、硫黄分8ppmを得るためのWATは、参照例に比べて7℃上昇した。
一方、実施例3および実施例4は1環芳香族分を多く含んだ軽質分解軽油(LLCO)留分であるので、混合比率を20%まで向上させても、セタン指数57と良好な値が得られた。また、硫黄分8ppmを得るためのWATは、参照例と比べてもほとんど変わらない。
したがって、1環芳香族分の比率の高い軽質留分は、直留軽油に高比率で混合させることができ、高いセタン指数を有する超低硫黄軽油を製造できることがわかる。
本発明は、炭化水素油の流動接触分解で留出する分解軽油(LCO)から有用な超低硫黄軽油を製造する方法として利用することができる。
本発明の一実施形態にかかる超低硫黄軽油の製造装置を示す概略図。 LCOに含まれる芳香族分の組成比率と留出温度の関係を示すグラフ。
符号の説明
10…分離装置
20…水素化脱硫処理装置

Claims (5)

  1. 炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄軽油を製造する超低硫黄軽油の製造方法であって、
    前記LCOを、1環芳香族分の比率が全芳香族分に対して0.5以上1.0以下である軽質分解軽油留分を分留する分離工程と、
    前記分離工程で留出した前記軽質分解軽油留分とともに直留軽油を混合して水素化脱硫処理により軽油を製造する脱硫工程と、を実施する
    ことを特徴とする超低硫黄軽油の製造方法。
  2. 請求項1に記載の超低硫黄軽油の製造方法において、
    前記分離工程は、前記軽質分解軽油留分の分留温度を200℃以上290℃以下として実施する
    ことを特徴とする超低硫黄軽油の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の超低硫黄軽油の製造方法において、
    前記直留軽油の混合割合を40〜80容量%として実施する
    ことを特徴とする超低硫黄軽油の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の超低硫黄軽油の製造方法において、
    前記脱硫工程は、水素分圧2MPa以上10MPa以下で行い、周期表第6、第8、第9、第10族金属のうち少なくともいずれか1種を含有した水素化脱硫触媒を用いて水素化脱硫処理を実施する
    ことを特徴とする超低硫黄軽油の製造方法。
  5. 炭化水素油の流動接触分解で留出される分解軽油(LCO:Light Cycle Oil)から超低硫黄軽油を製造する製造装置であって、
    前記LCOから軽質分解軽油留分を分留する分離手段と、
    前記分離手段で分留された軽質分解軽油留分を脱硫する脱硫手段と、
    を具備したことを特徴とした超低硫黄軽油の製造装置。
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