JP2008297386A - インク組成物、導電性膜及び導電性膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インク組成物12は、アルカリに可溶な平均粒子径が0.1〜2μmの微粒子を有する。支持体10上にパターン状にインク組成物12が塗設され、その上に金属めっき層14が形成されている。そして、インク組成物12と金属めっき層14との間に、アルカリによって溶解した微粒子の跡が凹部16として形成されている。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、導電性繊維からなる電磁波シールド材が開示されている。しかし、このシールド材はメッシュ線幅が太くディスプレイ画面をシールドすると、画面が暗くなり、ディスプレイに表示された文字が見えにくいという欠点がある。
フォトリソグラフィ法を利用したエッチング加工により、透明基体上に金属薄膜のメッシュを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜5等参照)。この方法では、微細加工が可能であるため、高開口率(高透過率)のメッシュを作製することができ、強力な電磁波が放出されても遮蔽できるという利点を有する。しかし、その製造工程は煩雑、且つ、複雑で、生産コストが高価になるという間題点があった。また、エッチング工法によるところから、格子模様の交点部が直線部分の線幅より太い問題があることが知られている。また、モアレの問題も指摘され、改善が要望されている。
無電解めっき触媒をスクリーン印刷等の印刷法で格子状パターンとして形成し、次いで無電解めっきを行う方法が提案されている(例えば、特許文献6、7等参照)。しかし、印刷される線幅は60μm程度と太く、ディスプレイの用途としては不適切であった。従って、線幅を狭くするために、印刷方法の検討や印刷インクの改良が検討されてきた。しかしながら、線幅を細くするのに従い、印刷による格子状パターンと無電解めっきの密着性の悪化が顕著となってきた。この密着性を良くするには格子状パターンに微細な凹凸を設けることが有効であるが、この格子状パターンのみに表面凹凸を付与することは難しく、開口部まで凹凸になることでヘイズ性の悪化を招くこととなった。
パラジウム(Pd)触媒を吸着したアルミナ粉末150g及びエチルセルロース78gをα−テルピネオール750gに溶解した溶液とを混合して混合液とし、さらにこの混合液をロールミルにて分散させ、インク1を作製した。
Pd触媒を吸着したアルミナ粉末150g、平均粒子径が0.05μmのメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸のモル比が7:3の共重合体4.5g及びエチルセルロース78gをα−テルピネオール750gに溶解した溶液とを混合して混合液とし、さらにこの混合液をロールミルにて分散させ、インク2を作製した。
メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体を平均粒子径が0.15μmのものに変えた以外はインク2と同様にしてインク3を作製した。
メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体を平均粒子径が0.4μmのものに変えた以外はインク2と同様にしてインク3を作製した。
メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体を平均粒子径が1.5μmのものに変えた以外はインク2と同様にしてインク5を作製した。
メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体を平均粒子径が3μmのものに変えた以外はインク2と同様にしてインク6を作製した。
前述のインク1〜6を用いて、スクリーン印刷法によってPETフィルム上に線幅25μm、開口部275μmのメッシュパターンを作成した。60℃で5分間乾燥した後、水酸化カリウム5wt%水溶液中に5分間浸積した。水洗後、このPETフィルムを無電解銅めっき液(硫酸銅・五水和物 15g/L、トリエタノールアミン(80%) 18g/L、ポリエチレングリコール 0.1g/L、水酸化ナトリウム 8.5g/L、ホルマリン(37%) 5.5g/L:pH 12.5に調整)に25℃で10分間浸漬し、銅めっきを行い線幅25μm、開口部275μmのメッシュパターンを有する導電性膜1〜6を得た。
得られた導電性膜1〜6に関し、下記の評価を行った。
ダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にてめっき後のサンプルの表面抵抗率を測定した。
日本電色製ヘイズメーターにて、めっき後のサンプルのヘイズを測定した。
めっき後のサンプルの全光線透過率を測定した。
めっき後の表面にカッターナイフで碁盤目状に切り込みを入れた。その後、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着して密着試験を行った。剥がれの有無を目視で観察し、下記の4段階評価を行った。
○:めっき部分の剥がれが70%以上、90%未満
△:めっき部分の剥がれが50%以上、70%未満
×:めっき部分の剥がれが50%未満。
厚さ100μmのPETベースの印刷面に、ポリウレタンラッテクス(ネオレッズR−967、Avecia社)、アルミナ微粒子、カルボジイミド(カルボジライトV−02−L2社)からなる透明インク受容層を厚さ3μmに水系塗布し、その後の印刷のための下地膜とした。次いで、格子柄の細線からなるメッシュパターンのスクリーン版を使用して、スクリーン印刷を行い、印刷パターンを作成した。このときの印刷インクは、パラジウム触媒インクを使用し、スクリーン版の細線の線幅は30μm、ラインとラインのスペースは300μmとした。次いで、無電解めっき処理(無電解めっき液:奥野製薬株式会社製 OPC−750無電解銅 M)にて上記印刷パターン上に無電解めっき層を作成し、シールドパターン層にした。
実施例1からポリウレタンラテックスをポリアクリルラテックス(ジュリマーET−410、日本純薬)に変更する以外は実施例1と同様にシールドパターン層を作成した。
実施例1からアルミナ微粒子をシリカ微粒子に変更する以外は実施例1と同様にシールドパターン層を作成した。
印刷のための下地膜を作成しない以外は実施例1と同様にシールドパターン層を作成した。
実施例1からアルミナ粒子を除去する以外は実施例1と同様にシールドパターン層を作成した。
実施例1からカルボジイミドを除去する以外は実施例1と同様にシールドパターン層を作成した。
密着性は、めっき面にニチバンテープを張った後、10回すり、その後引き剥がした。
◎:剥離なし
○:剥がれ半分以下
△:半分以上の剥がれ
×:全て剥がれる(メッシュのみ)
××:メッシュ+樹脂層はがれ
○:剥離、傷なし
×:傷発生
14…金属めっき層 16…凹部
Claims (12)
- アルカリに可溶な平均粒子径が0.1〜2μmの微粒子を有するインク組成物。
- 請求項1記載のインク組成物において、
前記アルカリに可溶な微粒子が、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体、又はメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸エチルとメタアクリル酸の共重合体からなることを特徴とするインク組成物。 - 請求項1又は2記載のインク組成物において、
無電解めっき触媒を有することを特徴とするインク組成物。 - パターン状に塗設されたインク組成物とその上に形成されためっき層との界面が半球状の凹凸形状を有することを特徴とする導電性膜。
- アルカリに可溶で、且つ、平均粒子径が0.1〜2μmの微粒子を有するインク組成物が細線形状を有するパターンに塗設された後、アルカリにて処理され、さらに、めっきにより前記パターンの表面に金属膜が形成されてなることを特徴とする導電性膜。
- 請求項5記載の導電性膜において、
前記アルカリに可溶な微粒子が、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体、又はメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸エチルとメタアクリル酸の共重合体からなることを特徴とする導電性膜。 - 請求項4〜6のいずれか1項に記載の導電性膜において、
前記インク組成物が無電解めっき触媒を有することを特徴とする導電性膜。 - 請求項4〜7のいずれか1項に記載の導電性膜において、
前記パターンのライン幅が20μm以下であることを特徴とする導電性膜。 - アルカリに可溶で、且つ、平均粒子径が0.1〜2μmの微粒子を有するインク組成物を細線形状を有するパターンに塗設する工程と、
前記パターンをアルカリにて処理する工程と、
電解めっきにより前記パターンの表面に金属膜を形成する工程とを有することを特徴とする導電性膜の製造方法。 - 請求項9記載の導電性膜の製造方法において、
前記アルカリに可溶な微粒子が、メタアクリル酸メチルとメタアクリル酸の共重合体、又はメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸エチルとメタアクリル酸の共重合体からなることを特徴とする導電性膜の製造方法。 - 請求項9又は10記載の導電性膜の製造方法において、
前記インク組成物が無電解めっき触媒を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。 - 請求項9〜11のいずれか1項に記載の導電性膜の製造方法において、
前記パターンのライン幅が20μm以下であることを特徴とする導電性膜の製造方法。
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