JP2008295773A - 内視鏡の湾曲管、内視鏡、および、内視鏡の湾曲管の製造方法 - Google Patents

内視鏡の湾曲管、内視鏡、および、内視鏡の湾曲管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】湾曲管の湾曲駒の肉厚を厚くすることを防止し、湾曲管の硬度を高くして各湾曲駒の肉厚を薄くしたときに、操作性の良い内視鏡の湾曲管を提供する。
【解決手段】挿入部(12)の軸方向に沿って複数の湾曲駒(62)を互いに対して屈曲可能に連結して構成される内視鏡(10)の湾曲管(52)においては、前記湾曲駒同士は、各湾曲駒に一端が固定され、各湾曲駒に隣接する湾曲駒に他端が固定され、かつ、前記湾曲管の軸方向に延びる線状部材(64)で連結されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、内視鏡の湾曲管、内視鏡、および、内視鏡の湾曲管の製造方法に関する。
例えば特許文献1には、射出成型により一体成型された内視鏡の湾曲管が開示されている。この湾曲管は、樹脂材製パイプの円周方向に対向して細長かつU字形に形成した開口部と、この開口部を形成することにより開口端部間に形成した弾性変形部とにより可撓部を形成するとともに、可撓部をパイプ長手方向に連続的に複数組を形成させ、かつパイプ長軸方向に隣り合う各可撓部に形成する弾性変形部相互間の位置を円周方向に90度ずらし、さらにワイヤを挿通して湾曲作動をさせるためのワイヤガイドをパイプ内周面に配置した構成である。
特開平10−94514号公報
特許文献1に開示された湾曲管を湾曲させたときには、それぞれの弾性変形部が支点となって湾曲する。その際、湾曲管のパイプ形状を保ちつつ支点部分が湾曲したときにその支点部分の破断を防止するために、湾曲管のパイプの肉厚を厚くした場合、湾曲管の外径寸法が大きくなり、挿入部自体の径が大きくなる可能性がある。
これに対して、湾曲管の樹脂材製パイプの硬度を高くして肉厚を薄くした場合、湾曲管の外径寸法は小さくなるものの、樹脂材製パイプの硬度が高いことにより弾性変形部が湾曲し難くなる。このため、湾曲性能(屈曲性能)が低下して湾曲角度が小さくなる。あるいは、所定の湾曲角度を保つためには湾曲部の長さを長くする必要がある。
したがって、いずれの場合も体腔内での観察時の湾曲部の操作性が低下する可能性がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、湾曲管の湾曲駒の肉厚を厚くすることを防止し、湾曲管の硬度を高くして各湾曲駒の肉厚を薄くしたときであっても、操作性の良い内視鏡の湾曲管、内視鏡、および、内視鏡の湾曲管の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明に係る、挿入部の軸方向に沿って複数の湾曲駒を互いに対して屈曲可能に連結して構成される内視鏡の湾曲管においては、前記湾曲駒同士は、一方の湾曲駒に一端が固定され、隣接する他方の湾曲駒に他端が固定され、かつ、前記湾曲管の軸方向に延びる線状部材でそれぞれ連結されていることを特徴とする。
湾曲駒の素材を硬質かつ極力薄肉としても、湾曲駒同士を線状部材で連結した構造とすることにより湾曲管の操作性を維持することができる。
また、前記線状部材は、金属線や繊維の撚り線、組紐、単線、樹脂被覆された線材および繊維材のいずれかであることが好適である。
屈曲性や耐久性に優れた線状部材を用いることによって、湾曲管の操作性を維持することができる。
また、前記湾曲駒は、樹脂材で形成され、前記線状部材の一端および他端は、前記湾曲駒に埋設されて固定されていることが好適である。
このため、線状部材を湾曲駒に確実に固定することができる。
また、前記湾曲駒は、金属材で形成され、前記線状部材は、前記湾曲駒の内周面に固定されていることが好適である。
このため、線状部材を湾曲駒に確実に固定することができる。
また、前記湾曲駒は、第1の母材を内側に、第2の母材を外側にした複数層に形成され、前記線状部材は、前記第1の母材と前記第2の母材との間に固定されていることが好適である。
このため、線状部材を第1の母材と第2の母材との間で湾曲駒に確実に固定することができる。
また、前記湾曲駒は、基部と、この基部に設けられ隣接する湾曲駒に対する回動支点となる耳部とを備え、前記耳部と、前記湾曲駒に隣接する湾曲駒の耳部との間は、各湾曲駒に固定された前記線状部材で連結されていることが好適である。
耳部と隣接する湾曲駒の耳部とを各湾曲駒に固定した線状部材で連結することによって、耳部同士を隣接する湾曲駒に対する回動支点とすることができる。
また、前記湾曲駒は、周方向に複数に分割された、複数の割体を備え、前記割体は、ヒンジにより接続されていることが好適である。
このため、例えばシート状の部材から湾曲管を作成したときに、割体を容易に筒形にすることができる。
また、前記湾曲駒は筒形状であり、その一端部と他端部との間に、前記湾曲駒の軸方向に対して交差する周方向と、この周方向に対して交差する方向とに設けられ操作ワイヤの一部を前記湾曲駒の外側から内側に配設可能なスリットと、前記スリットに隣接する位置に設けられ、前記湾曲駒の外周面に対してその内側に凹まされた凹部とを備えていることが好適である。
操作ワイヤを湾曲駒の外側からスリットを通して湾曲駒の内側に配設するとともに、凹部の外側に配設することにより、操作ワイヤを湾曲駒に対して引っ掛けた状態で使用することができる。このときの作業は操作ワイヤをスリットの外側から内側に入れて周方向に移動するだけの簡単な作業だけであるから、湾曲管に操作ワイヤを配設する作業を大幅に軽減した状態で同じように用いることができる。
また、前記スリットは、前記湾曲駒の前記一端部を含んで前記他端部側に向かって設けられていることが好適である。
湾曲駒の一端部にスリットがあるので、操作ワイヤを容易に湾曲駒の内側に導くことができる。
また、前記スリットは、前記湾曲駒の前記一端部または他端部を含んで前記他端部側または一端部側に向かって設けられていることが好適である。
このため、湾曲駒の一端部または他端部にスリットがあるので、操作ワイヤを容易に湾曲駒の内側に導くことができる。
また、前記スリットは、前記一端部および他端部との間の一部に設けられ、前記凹部は、前記湾曲駒の一端部に隣接して設けられた一端部側凹部と、前記湾曲駒の他端部に隣接して設けられた他端部側凹部とを備えていることが好適である。
湾曲駒の一端部側凹部と他端部側凹部との間にスリットがあり、スリットはこれら凹部よりも湾曲駒の外周面側にあるので、操作ワイヤを容易に湾曲駒の内側のこれら凹部に導くことができる。
また、上記課題を解決するために、この発明に係る、筒形状の複数の湾曲駒が互いに同軸に連結された内視鏡の湾曲管の製造方法にあっては、前記湾曲管の湾曲操作方向数に対応した数の線状部材を並列させた状態で固定したシートを準備する工程と、前記シートに対して各湾曲駒を連結する部分となる可撓部を形成する線状部材を残し、各湾曲駒同士の突き当て部となる開口部を形成して、前記湾曲駒の筒形状を展開した複数のセグメントを準備する工程と、前記複数のセグメントを丸めて筒形状とする工程とを具備することを特徴とする。
湾曲駒の素材を硬質かつ極力薄肉とし、互いに隣接する湾曲駒のそれぞれに一端と他端とが固定され、かつ、湾曲駒同士を線状部材で連結した構造を有する湾曲管を作成することができるので、湾曲管の操作性を維持することができる。
また、前記シートを準備する工程は、前記線状部材を前記シートの母材中に埋設して固定する工程を含むことが好適である。
このため、線状部材を湾曲駒に確実に固定することができる。
また、前記シートを準備する工程は、前記線状部材を前記シートの第1の母材と第2の母材とで挟持して固定する工程を含むことが好適である。
このため、線状部材を第1の母材と第2の母材との間で湾曲駒に確実に固定することができる。
また、前記複数のセグメントを準備する工程は、前記線状部材の軸線方向に沿って前記母材の厚さを薄くするヒンジを形成する工程を含み、前記複数のセグメントを丸めて筒形状とする工程は、前記ヒンジによって前記セグメントを丸めて筒形状とする工程を含むことが好適である。
このため、ヒンジにより各セグメントをより容易に筒形に形成し易くなる。
また、前記複数のセグメントを丸めて筒形状とする工程は、前記シートの端部同士を結合する工程を含むことが好適である。
このため、セグメントを確実に筒形状に維持することができる。
また、前記複数のセグメントを準備する工程は、前記シートを変形させて操作ワイヤを受けるワイヤガイドを形成する工程を含むことが好適である。
このため、セグメントを筒形状とした状態で簡単にワイヤガイドを形成することができる。
この発明によれば、湾曲管の湾曲駒の肉厚を厚くすることを防止し、湾曲管の硬度を高くして各湾曲駒の肉厚を薄くしたときであっても、操作性の良い内視鏡の湾曲管、内視鏡、および、内視鏡の湾曲管の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
第1の実施の形態について図1ないし図4を用いて説明する。
図1に示すように、内視鏡10は、細長い挿入部12と、この挿入部12の基端部に設けられた操作部14と、この操作部14から延出されたユニバーサルケーブル16とを備えている。
挿入部12は、先端硬質部22と、この先端硬質部22の基端部に設けられた湾曲部24と、この湾曲部24の基端部に設けられた蛇管部26とを備えている。蛇管部26の基端部は、操作部14に連結されている。先端硬質部22には、それぞれ図示しないが、観察光学系、撮像素子、照明光学系、送気送水ノズル、鉗子出口などが配設されている。
操作部14は、操作部本体14aと、グリップ14bと、スイッチカバー14cとを備えている。
操作部本体14aは、吸引制御バルブ32と、送気送水バルブ34と、リモートスイッチ36とを例えば並設した状態に備えている。リモートスイッチ36の一部は、スイッチカバー14cの内部に配設されている。操作部14の挿入部12側のグリップ14bには、鉗子栓48が着脱可能に装着されている。
操作部14には、それぞれ硬質の樹脂材で形成されたアングルノブ42(第1および第2の湾曲操作ノブ42UD,42RL)と湾曲固定レバー44(第1および第2のエンゲージレバー44UD,44RL)とが取り付けられている。
第1の湾曲操作ノブ42UDは、挿入部12の湾曲部24を上下方向に湾曲させるときに操作される。第2の湾曲操作ノブ42RLは、挿入部12の湾曲部24を上下方向に対して90度異なる位置である左右方向に湾曲させるときに操作される。第1のエンゲージレバー44UDは、第1の湾曲操作ノブ42UDを所望の状態で固定するときに操作される。すなわち、第1のエンゲージレバー44UDは、湾曲部24を上下方向に湾曲させた状態を保持するときに使用される。第2のエンゲージレバー44RLは、第2の湾曲操作ノブ42RLを所望の状態で固定するときに操作される。すなわち、第2のエンゲージレバー44RLは、湾曲部24を左右方向に湾曲させた状態を保持するときに使用される。
これら第1の湾曲操作ノブ42UDおよび第2の湾曲操作ノブ42RLには、それぞれ湾曲部24の先端まで延びた1対の操作ワイヤ50(図2(A)参照)の基端が接続されている。これら操作ワイヤ50の先端は、湾曲部24の後述する湾曲管52の先端に固定されている。なお、操作ワイヤ50は、湾曲部24のアングルノブ42の湾曲操作による動力を湾曲管52に伝達するため、適度なコシを有する。
湾曲部24は、図2に示す湾曲管52と、この湾曲管52の外周に配設された湾曲管外皮54(図1参照)とを備えている。湾曲管外皮54は、例えば熱を加えると収縮する熱収縮チューブにより形成されている。
図2から図4に示すように、湾曲管52は、円環状または円筒状(以下、これらを総称して筒形状という)の複数の湾曲駒(管状部材)62と、線状部材64とを備えている。各湾曲駒62は、線状部材64によって隣接する湾曲駒62に接続されている。
図3に示すように、湾曲駒62は、円筒状の基部72と、この基部72の一側(一端部)72aに一体的に形成された1対の回動支点としての一側耳部74と、この基部72の他側(他端部)72bに一体的に形成された1対の回動支点としての他側耳部76とを備えている。一側耳部74は、基部72の中心軸に対して対向する位置に形成されている。他側耳部76は、基部72の中心軸に対して対向する位置に形成されている。なお、一側耳部74と他側耳部76とは、基部72の中心軸に対して周方向に90度ずれた位置にある。
そして、図2から図4に示すように、線状部材64は、湾曲駒62の中心軸に対して対向する状態でかつ、中心軸の方向に沿って各耳部74,76に配設されている。そして、一側耳部74は、隣接する湾曲駒62の他側耳部76に線状部材64により接続されている。言い換えると、他側耳部76は隣接する湾曲駒62の一側耳部74に線状部材64により接続されている。線状部材64は、一端が基部72の内部に配設されて固定され、他端が一側耳部74の一側72aから突出し、また、他側耳部76の他側72bから突出している。そして、この線状部材64の他端は隣接する湾曲駒62の基部72の内部にそれぞれ配設されて固定されている。
なお、図2(B)および図4(A)に示すように、一側耳部74と隣接する湾曲駒62の他側耳部76との間の隙間は、隣接する湾曲駒62同士の回動を許容することができれば良いため、僅かであり、他側耳部76と隣接する湾曲駒62の一側耳部74との間も僅かである。
線状部材64は、隣接する湾曲駒62同士が互いに対して回動するなどの繰り返しの応力に耐える素材で形成されている。線状部材64は、例えば操作ワイヤ50と同じ素材(例えば、撚り線のワイヤ素材)で形成されている。その他、線状部材64は、天然繊維(絹、綿等)や合成繊維(クロロカーボン、ポリエステル等)の繊維または金属細線を編んだロープ、組紐、単線の芯線を樹脂材や繊維で被覆して補強したもの、撚り線のワイヤを樹脂材や繊維で被覆して補強したもの等が用いられる。
図3に示すように、湾曲駒62の基部72には、操作ワイヤ50が配設される2対のワイヤガイド82が形成されている。これらワイヤガイド82は、一側耳部74および他側耳部76が形成された位置に近接する位置に形成されている。すなわち、ワイヤガイド82は、基部72の周方向に沿って中心軸に対して90度おきに形成されている。
図3に示すように、ワイヤガイド82は、1対の周方向スリット(第1および第2のスリット)84a,84bと、これら周方向スリット84a,84bの間に配設された凹部86と、1対の軸方向スリット(第1および第2のスリット)88a,88bとを備えている。このうち、1対の周方向スリット84a,84bは、湾曲駒62の基部72の周方向にほぼ沿って、一側72aと他側72bとの間に形成されている。また、1対の軸方向スリット88a,88bは、周方向スリット84a,84bの長手方向に対して直交する方向である軸方向に向かって、一側72aと周方向スリット84aとの間および他側72bと周方向スリット84bとの間に形成されている。
凹部86は、円筒状の基部72の周方向の外周面よりも中心軸側(内側)に凹まされ、特に、例えば波型状に形成されている。そして、この凹部86は、軸方向スリット88a,88bの位置に対応した一方の凹部(第1のワイヤ受部)86aと、軸方向スリット88a,88bの位置から基部72の周方向にずれた位置に対応した他方の凹部(第2のワイヤ受部)86bとを有し、一方の凹部86aと他方の凹部86bとの間は、山状(凸状)に高くなっている。このうち、他方の凹部(第2のワイヤ受部)86bの位置は、基部72の中心軸に対して線状部材64の配設位置と略同じになっている。
1対の周方向スリット84a,84bの長手軸は、湾曲駒62の中心軸に対して交差されている。なお、周方向スリット84a,84bは、基部72の周方向に一致している必要はなく、多少のズレは許容された状態に形成されていても良い。また、1対の周方向スリット84a,84bは、互いに平行であることが好適であるが、必ずしも平行である必要はない。
同様に、1対の軸方向スリット88a,88bの長手軸は、周方向スリット84a,84bの長手軸に交差されている。なお、軸方向スリット88a,88bは、湾曲駒62の軸方向に一致している必要はなく、多少のズレは許容された状態に形成されていても良い。また、1対の軸方向スリット88a,88b同士は、互いに同一軸上にあることが好適であるが、多少のズレは許容された状態に形成されていても良い。
軸方向スリット88aは、周方向スリット84aから基部72の一側72aまで形成され、軸方向スリット88bは、周方向スリット84bから他側72bまで形成されている。このため、周方向スリット84aと軸方向スリット88aとにより、互いに連絡された一側72aに近接する第1のスリットが形成されている。また、周方向スリット84bと軸方向スリット88bとにより、互いに連絡された他側72bに近接する第2のスリットが形成されている。すなわち、第1のスリットの軸方向スリット88aの一端は、基部72の一側72aにあり、他端は周方向スリット84aにある。第2のスリットの軸方向スリット88bの一端は、基部72の他側72bにあり、他端は周方向スリット84bにある。さらに、軸方向スリット88a,88bの他端は、図3および図4(B)に示すように、周方向スリット84a,84bの周方向の略中央部からやや外れた位置にある。
なお、軸方向スリット88a,88bの他端は、図3および図4(B)に示す状態よりもさらに周方向の端部側にあっても良いし、逆に略中央部にあっても良い。すなわち、軸方向スリット88a,88bの他端の位置は、周方向スリット84a,84b上の適宜の位置に設定されている。
さらに、基部72は例えばステンレス鋼材などの金属材料や熱可塑性樹脂材料またはそれらの組み合わせからなる硬質の素材で薄肉に形成されている。このため、図4に示す周方向スリット84aと軸方向スリット88aと基部72の一側72aとにより囲まれる部分の少なくとも一方、および、周方向スリット84bと軸方向スリット88bと基部72の他側72bとにより囲まれる部分の少なくとも一方は、板バネ状に弾性変形可能な板バネ部90a,90bである。このため、操作ワイヤ50を軸方向スリット88a,88bを介して基部72の外側から板バネ部90a,90bの内側に配設する場合、板バネ部90a,90bが基部72の内側に弾性変形する。そうすると、軸方向スリット88a,88bの幅は、操作ワイヤ50の直径とほぼ同一か、または、僅かに小さくても良い。
なお、板バネ部90a,90bが柔らかい状態(弾性変形し易い状態)を望むのであれば、板バネ部90a,90bの周方向スリット84a,84bの方向の長さは長くなる。一方、板バネ部90a,90bが硬い状態(弾性変形し難い状態)を望むのであれば、板バネ部90a,90bの周方向スリット84a,84bの方向の長さは短くなる。なお、図4(A)および図4(B)中、板バネ部90a,90bに軸方向スリット88a,88bを挟んで対向する符号91で示す位置も、軸方向スリット88a,88bの端部で、周方向スリット84a,84bに対する位置によっては板バネ部として作用し得る。
板バネ部90a,90bのうち、軸方向スリット88a,88bに近接する側であって、湾曲駒62の中心軸に近接する側には、湾曲駒62の中心軸方向に向かって突出した内向きの突起92が形成されている。このため、図4(A)に示すように、板バネ部90a,90bには、操作ワイヤ50が湾曲管52の軸方向および凹部86の長手方向に多少のガタを許容した状態で配設される収容空間94が波型状の凹部86との間、すなわち、他方の凹部86bとの間に形成されている。
次に、この実施の形態に係る湾曲管52の作用について説明する。
まず、図2(A)に示すように、湾曲駒62の一側耳部74とその一方側で隣接する湾曲駒62の他側耳部76とを線状部材64で連結し、湾曲駒62の他側耳部76とその他方側で隣接する湾曲駒62の一側耳部74とを線状部材64で連結する。同様に、順次線状部材64で湾曲駒62をそれぞれ連結して湾曲管52を作成する。湾曲管52の作製方法については後述する。
そして、各湾曲駒62の円筒状の基部72の外側から軸方向スリット88a,88bを通して凹部86の第1のワイヤ受部(一方の凹部)86aに操作ワイヤ50を配設する。この状態から、操作ワイヤ50を湾曲駒62の周方向スリット84a,84bに沿って同時に周方向の所定の方向(第2のワイヤ受部(他方の凹部)86bの方向)に移動させる。
このとき、凹部86と、板バネ部90a,90bの突起92との間は操作ワイヤ50の直径よりも狭い。このため、凹部86と突起92との間に操作ワイヤ50を通す際には板バネ部90a,90bを弾性変形させて突起92を押し退けて凹部86の収容空間94となる第2のワイヤ受部(他方の凹部)86bに配設する。このようにして、操作ワイヤ50をワイヤガイド82に配設する。
ここで、操作ワイヤ50は、湾曲部24のアングルノブ42の湾曲操作による動力を湾曲管52に伝達するため、適度なコシを有する。このため、操作ワイヤ50は、湾曲駒62が隣接する湾曲駒62に対して回動しても、突起92の存在により軸方向スリット88a,88bから操作ワイヤ50が抜けることが規制される。
この実施の形態に係る湾曲駒62は硬質の素材で形成され、これら湾曲駒62同士を連結する線状部材64は可撓性を有する。このため、薄肉の硬質素材で形成された湾曲駒62を用いた湾曲管52を湾曲させたとしても、湾曲駒62自体の外径や内径は無視できるほどしか変化しない。加えて、隣接する湾曲駒62同士を可撓性を有する線状部材64で連結した状態で湾曲管52を湾曲させるので、従来のように硬質素材で形成された湾曲駒による湾曲管を湾曲させた場合に生じたような湾曲角度の低下をきたすことが防止される。
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
湾曲駒62を硬質の素材で形成し、湾曲駒62同士を屈曲性が高く可撓性を有するとともに耐久性に優れた線状部材64で連結して湾曲管52を形成した。このため、湾曲管52を湾曲させても、湾曲駒62自体の変形を最小限に留めて、湾曲角度の低下を防止することができる。また、このように湾曲駒62の素材を硬質かつ極力薄肉とすることによって、湾曲管52をより軽量にすることができる。したがって、湾曲駒62の素材を硬質かつ極力薄肉とし、湾曲駒62同士を線状部材64で連結した構造を有する湾曲管52を有する湾曲部24の操作性を維持することができる。
また、操作ワイヤ50を湾曲管52に配設する場合、湾曲駒62の外周面の外側から軸方向スリット88a,88bを通して凹部86の第1のワイヤ受部86aに向かって挿入し、その後、周方向スリット84a,84b内を移動させるだけで収容空間94の第2のワイヤ受部86bに配設することができる。この場合、操作ワイヤ50を湾曲駒62の基部72の外周面から内側に向かって入れるので、湾曲駒62が隣接した湾曲駒62に対して回動した状態であっても、収容空間94内に操作ワイヤ50を容易に収容することができる。
したがって、全ての湾曲駒62の軸方向スリット88a,88bに操作ワイヤ50を配設した後で、一度の操作で操作ワイヤ50を全ての収容空間94に配設することができる。また、各湾曲駒62の収容空間94に逐一操作ワイヤ50を配設することもできる。このため、湾曲管52に対して操作ワイヤ50を容易に配設することができる。
次に、この実施の形態に係る湾曲管52の幾つかの作製方法について説明する。なお、ここで説明する作製方法は一例であり、工程が前後することが許容される場合もあり得る。
〈第1の作製方法〉
ここでは、図5から図10を用いて熱可塑性樹脂材を用いて湾曲管52を製造する場合の製造工程について説明する。
図5および図6に示すように、台となる熱可塑性の第1の樹脂材製シート(第1の母材)102aと、第1の樹脂材製シート102aの蓋となる熱可塑性の第2の樹脂材製シート(第2の母材)102bを準備する。これら第1および第2の樹脂材製シート102a,102bは、同じ素材で形成されていることが好適である。これら第1および第2の樹脂材製シート102a,102bは、略同じ大きさで矩形状に形成されている。
図5に示すように、第1の樹脂材製シート102aには、第1の樹脂材製シート102aの長手方向に対して直交する方向を周方向として丸めて端部同士を突き合わせて円筒としたときに、その円筒の中心軸に対して0度と規定した位置、これに対して周方向に90度ずれた位置、180度ずれた位置、270度ずれた位置の4つの位置に、それぞれ線状部材64が配置される位置を決める位置決め部104が配設されている。特に、第1の樹脂材製シート102aの長手方向には、所定の間隔ごとに位置決め部104が配設されている。すなわち、位置決め部104は、第1の樹脂材製シート102aの長手方向に平行に4列に配設されている。
図6に示すように、各位置決め部104は、小さな間隔をおいて対向する1対のピン104a,104bが周方向となる方向に並設された状態で植設され、または、略U字状に形成されている。なお、ピン104a,104bは熱可塑性材料で形成されていることも好適であるし、熱硬化性材料や金属材で形成されていることも好適である。
この状態の第1の樹脂材製シート102aの位置決め部104のピン104a,104bの間に、線状部材64を配置する。ここでは、4つの線状部材を便宜的に第1から第4の線状部材64a,64b,64c,64dとして符号を付して説明する。
この状態で第2の樹脂材製シート102bを被せる。そして、真空を引いて第1および第2の樹脂材製シート102a,102b間に存在する空気を抜きながら第1および第2の樹脂材製シート102a,102bを加熱して軟化させ、第1および第2の樹脂材製シート102a,102bを一体化させる。以下、図7に示すように、一体化させた樹脂材製シート(母材)に符号102を付して説明する。ピン104a,104bが同じ熱可塑性材料で形成されている場合、ピン104a,104bもシート102に一体化する。
このとき、一体化させた樹脂材製シート102の内部に第1から第4の線状部材64a,64b,64c,64dが埋設されて固定される。
さらに、治具106a,106bを用いてシート102の長手方向に対して直交する方向の一方の端部を凹状の凹部108aに形成し、他方の端部を凸状の凸部108bに形成する。
その後、一体化させた樹脂材製シート102を硬化させる。なお、図8および図9では、凹部108aと凸部108bの図示を省略している。
なお、このように樹脂材製シート102に埋設した第1から第4の線状部材64a,64b,64c,64dのうち、シート102から突出した部分をカットして除去する。
次に、図8に示すように、シート102の長手方向に対して直交する方向に、例えばプレス加工により開口部110を形成する。開口部110は、第1から第4の線状部材64a,64b,64c,64dの軸方向に対して直交する方向に長手方向を有する状態で形成されている。開口部110は、シート102に対して2つの状態(第1の状態および第2の状態)に形成されている。
開口部110の第1の状態は、第1から第4の線状部材64a,64b,64c,64dのうち、第1および第3の線状部材64a,64cを残して第2および第4の線状部材64b,64dを除去するとともに、第1および第3の線状部材64a,64cを支持するピン104a,104bを除去した状態にある。このため、後述するセグメント112同士は、第1および第3の線状部材64a,64cと、第1および第3の線状部材64a,64cの周囲の板厚方向の熱可塑性樹脂材とにより接続されている。
なお、このとき、第2および第4の線状部材64b,64dは開口部110により断線する。すなわち、第2および第4の線状部材64b,64dは、開口部110の縁部(基部72の一側72aおよび他側72bに対応する)に対向した状態にある。
開口部110の第2の状態は、第1から第4の線状部材64a,64b,64c,64dのうち、第2および第4の線状部材64b,64dを残して第1および第3の線状部材64a,64cを除去するとともに、第2および第4の線状部材64b,64dを支持するピン104a,104bを除去した状態にある。このため、後述するセグメント112同士は、第2および第4の線状部材64b,64dと、第2および第4の線状部材64b,64dの周囲の板厚方向の熱可塑性樹脂材とにより接続されている。
なお、このとき、第1および第3の線状部材64a,64cは開口部110により断線する。すなわち、第1および第3の線状部材64a,64cは、開口部110の縁部(基部72の一側72aおよび他側72bに対応する)に対向した状態にある。
そして、第1の状態の開口部110と第2の状態の開口部110とは、シート102の長手方向に所定の間隔ごとに交互に形成されている。すなわち、第1の状態の開口部110および第2の状態の開口部110によって、湾曲駒62となる複数のセグメント(以下、符号112を付す)が形成される。つまり、湾曲駒62を展開した状態がセグメント112に相当する。このため、シート102は、一つ一つが湾曲駒62となる複数のセグメント112に分割され、隣接するセグメント112同士は、それぞれ2箇所で連結されている。
次に、図9に示すように、各セグメント112には、例えばプレス加工により、シート102の長手方向に沿って軸方向スリット88a,88bを入れるとともに、シート102の長手方向に直交する方向に周方向スリット84a,84bを入れる。周方向スリット84a,84bは各セグメントの周方向となる方向に4対並設されている。このとき、各セグメント112の第1ないし第4の線状部材64a,64b,64c,64dは、周方向スリット84a,84bによってそれぞれ断線する。すなわち、第1ないし第4の線状部材64a,64b,64c,64dは、周方向スリット84a,84bの縁部に対向した状態にある。
軸方向スリット88a,88bは、各セグメント112において、第1ないし第4の線状部材64a,64b,64c,64dに平行に形成されている。そして、各軸方向スリット88a,88bの一端は周方向スリット84a,84bにあり、他端は開口部110にある。なお、軸方向スリット88a,88bの幅は、操作ワイヤ50の外径と同じか、僅かに小さくても良い。
そして、凹部86を形成するように、各セグメント112における互いに対向する4対の周方向スリット84a,84bの間を加熱しながらプレス加工によりそれぞれ波型に形成する。すなわち、各セグメント112に対してそれぞれ4つの波型を形成する。また、この際、軸方向スリット88a,88bの板バネ部90a,90bとなる側に突起92を形成する。
その後、シート102を加熱して筒状に丸めて、端部を突き合わせる。このとき、図7に示す一端の凹部108aを他端の凸部108bに配設して端部同士を一体化させた後、硬化させる。このため、各セグメント112の端部同士が連結されて管状(筒形状)となる。すなわち、各セグメント112は湾曲駒62となる。隣接する湾曲駒62同士は第1ないし第4の線状部材64a,64b,64c,64dのうちの2本で連結されているので、第1の実施の形態で説明した湾曲管52(図2(A)参照)が得られる。
なお、第1の作製方法では、互いに対向する4対の周方向スリット84a,84bの間を波型に形成するのに、シート状の状態から形成する場合について説明したが、各セグメント112を管状とした後に、局部的に加熱するなどして、プレス加工により波型の部分を形成することも好適である。
また、第1の作製方法ではシート102を丸める場合について説明したが、図10に示すように、シート102を、局部的に肉厚を薄くしたヒンジ118により複数の割体116a,116bに分割し、隣接する割体116a,116b同士をヒンジ状に枢支することも好適である。例えば2つの割体116a,116bで湾曲管52が形成される場合、各割体116a,116bの端部は略半円状であることが好適である。この場合、2つの割体116a,116bを合わせることによって、端部を略円形状にすることができ、すなわち、略円筒状の湾曲管52を成形することができる。
なお、図10中ではヒンジ118はシート102の長手方向に沿って、切り込みを入れることによってシート102に一体的に形成された状態を示すが、割体116a,116b自体が別部材のヒンジにより接続されて枢支可能にされることも好適である。また、割体は、2つに限らず、3つ以上に分割されていることも好適である。
また、この第1の作製方法では、開口部110や周方向スリット84a,84b、軸方向スリット88a,88bを形成するのにプレス加工を用いるものとして説明したが、例えばレーザ加工、高圧ジェット水流による加工、放電加工など、種々の加工法が許容される。
〈第2の作製方法〉
ここでは、金属材製の矩形状のシート(母材)122を用いて湾曲管52を製造する場合の製造工程について図11から図17を用いて説明する。
まず、薄い金属材製シート122を準備する。図11に示すように、このシート122に例えばプレス加工により湾曲駒62の一側耳部74および他側耳部76のためのスリット124を形成する。スリット124は、シート122の長手方向に沿って所定の間隔(すなわち、湾曲駒62をシート状に展開したときの操作ワイヤまたは枢支軸の位置と対応する間隔)をおいて4列に形成されている。これらスリット124は、細長い楕円形状でも良いが、図11に示すように、例えば一方が凸状で他方が凹状の三日月型に形成されていることも好適である。
スリット124が三日月型に形成されている場合、湾曲管52の湾曲駒62の一側耳部74および他側耳部76間の線状部材64の露出が殆どない状態であっても、例えば湾曲駒62の一側耳部74が凸型の曲面で他側耳部76が凹型の曲面となり、これらにより、隣接する湾曲駒62同士の所定範囲内の回動が容易となる。
次に、図12に示すように、芯材126aに樹脂材126bを被覆させた線状部材64(ここでは、便宜的に線状部材126として符号を付して説明する)を準備する。芯材126aには、撚り線のワイヤ素材などが用いられる。また、樹脂材126bには、熱可塑性樹脂材や熱硬化性樹脂材などが用いられる。
そして、図13に示すように、4つの線状部材126を金属材製シート122の所定の位置に例えば接着剤などにより固定する。このとき、各線状部材126は、金属材製シート122に対してそれぞれスリット124を跨ぐように固定する。このため、4つの線状部材126は、互いに略平行に固定されている。
この状態で、図14(A)に示すように、第1の作製方法の開口部110(図8参照)と同様に、例えばプレス加工によりシート122に開口部128を形成する。このとき、半分のスリット124は開口部128の形成により除去される。さらに、開口部128の形成とともに線状部材126が断線される。
このとき、または、その後、図14(B)に示すように、線状部材126には、スリット124に対応する部分の樹脂材126bにくびれ126cを作る。
開口部128によって、湾曲駒62となる複数のセグメント(以下、符号130を付す)が形成される。このため、シート122は、一つ一つが湾曲駒62となる複数のセグメント130に分割され、隣接するセグメント130同士は、線状部材126によってそれぞれ2箇所で連結されている。
さらに、第1の作製方法と同様に、各セグメント130には、シート122の長手方向に沿って軸方向スリット88a,88bを入れるとともに、シート122の長手方向に直交する方向に周方向スリット84a,84bを入れる(図9参照)。
このとき、各セグメント130の線状部材126は、周方向スリット84a,84bによってそれぞれ断線する。すなわち、線状部材126は、周方向スリット84a,84bの縁部に対向した状態にある。軸方向スリット88a,88bは、各セグメント130において、線状部材126に平行に形成されている。
そして、凹部86を形成するように、各セグメント130における互いに対向する4対の周方向スリット84a,84bの間をプレス加工によりそれぞれ波型に形成する。すなわち、各セグメント130に対してそれぞれ4つの波型を形成する。
その後、線状部材126が金属材製シート122の内側となるように、シート122の長手方向に沿って金属材製シート122を筒状に丸めて、端部を突き合わせる。この端部の突き合わせに先立って、図15(A)に示す金属材製シート122の一端および他端を互いに対して嵌合するための嵌合部132a,132bを形成する。この端部において、一端の嵌合部132aは内周面側が除去され、他端の嵌合部132bは外周面側が除去されて、それぞれ段差が形成されている。この段差の形成の工程は、スリット124を入れる前であるなど、何れの工程の前でも良い。そして、図15(B)に示すように、これら嵌合部132a,132bを嵌合させた後、突き合わせた部分にレーザ溶接、スポット溶接、高周波溶接や接着剤等により固定部134を作成して金属材製シート122の一端および他端を固定させる。
このため、各セグメント130の端部同士が連結されて管状(筒形状)となる。すなわち、各セグメント130は湾曲駒62となる。隣接する湾曲駒62同士は線状部材126のうちの2本で連結されているので、図16に示す湾曲管52が得られる。
なお、図15(A)および図15(B)に示す嵌合部132a,132bの形状は、例えば図17に示す嵌合部136a,136bなど、種々に変更可能である。金属材製シート122の一端の嵌合部136aは、その基部側よりも遠位側が広がった凸状であり、他端の嵌合部136bは一端の嵌合部136aに対して内周面側または外周面側から嵌合可能な形状である。
なお、第2の作製方法では、図示しないが、第1の作製方法で説明したように、ヒンジによりシート122を複数の割体で形成することも好適である。後述する第3の作製方法も同様である。
第2の作製方法では、スリット124の形状を三日月型としたが、スリットの形状を変更することによって、隣接する湾曲駒62同士の回動量を種々に変更可能であり、湾曲管52の湾曲角度を湾曲管52の長手方向に沿って制御できるようになる。例えば一側耳部74および他側耳部76の両方が凸型の曲面の場合(図2(A)参照)、一側耳部74が凹型の曲面で他側耳部76が凸型の曲面の場合(図14および図16参照)よりも回動範囲は広い。また、例えば一側耳部74および他側耳部76の両方が凸型の平面の場合、湾曲管52の湾曲駒62の一側耳部74および他側耳部76間の線状部材64の露出が殆どない状態のとき、隣接する湾曲駒62同士は殆ど回動することができないなど、回動範囲は狭くなる。
〈第3の作製方法〉
ここでは、プラスチック板(第2の母材)142と金属箔(第1の母材)144とを用いて湾曲管52を製造する場合の製造工程について図18を用いて説明する。金属箔144には、例えば銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの素材が用いられている。
熱可塑性樹脂材または熱硬化性樹脂材で矩形状に形成されたプラスチック板142を準備する。
このプラスチック板142には、所定の位置に線状部材64(ここでは、便宜的に線状部材146a,146b,146c,146dとして符号を付して説明する)を収容するための凹部142a,142b,142c,142dが形成されている。さらに、このプラスチック板142には、凹部142a,142b,142c,142dを横切るようにして、第2の作製方法(図11および図13参照)と同様に、例えば三日月状のスリット(図示せず)が形成されている。
一方、金属箔144にも三日月状のスリット144aが形成されている。
そして、プラスチック板142の凹部142a,142b,142c,142dにそれぞれ線状部材146a,146b,146c,146dを配置する。
プラスチック板142に金属箔144を、各三日月状のスリットの位置を一致させた状態で貼り合わせて一体化させる。以下、これをシート148と称する。すなわち、シート148は、樹脂材と金属材との2層(複数層)で形成されている。なお、一般に、プラスチック材に比べて金属材の伸びは少ないので、シート148をシート148の軸方向に沿って筒状に丸めたときの状態を考慮しつつ可撓性のある接着剤で貼り合わせる。
このシート148に第1および第2の作製方法と同様に、開口部110(図8参照)を形成し、複数のセグメント112に分割する。その後、各セグメント112に周方向スリット84a,84bおよび軸方向スリット88a,88b(図9参照)を入れる。さらに、周方向スリット84a,84b間に凹部86を形成する。
そして、シート148の軸方向に沿って筒状に丸めてシート148の端部同士を突き合わせる。このとき、金属箔144が内側となるように丸める。なお、シート148において、突き合わせるプラスチック板142の一端および他端にそれぞれ、第2の作成方法と同様に、凸状および凹状の嵌合部(図7中の符号108a,108bに示す部分参照)を形成しておくと、端部同士の位置合わせおよび連結の作業性が良い。
なお、これら第1から第3の作製方法においては、図4(A)および図4(B)に示す形状のワイヤガイド82を形成する場合について説明したが、ワイヤガイド82は、例えば図19(A)から図19(C)に示す第1から第3の変形例など、種々の形状が許容される。
(ワイヤガイド82の第1の変形例)
次に、ワイヤガイド82の第1の変形例について図19(A)を用いて説明する。この変形例では、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図19(A)に示すように、湾曲駒62の凹部86には、湾曲駒62の外側から内側に向けて、軸方向スリット88a,88bを通した操作ワイヤ50を受ける第1のワイヤ配設部としての第1のワイヤ受部(ワイヤ挿入用凹部)86aと、第1のワイヤ受部86aから操作ワイヤ50を湾曲駒62の周方向に沿って移動させたときに操作ワイヤ50を受ける第2のワイヤ配設部としての第2のワイヤ受部(ワイヤ係止用凹部、収容空間)86bとが形成されている。これら第1および第2のワイヤ受部86a,86bの間には、操作ワイヤ50を第1のワイヤ受部86aから第2のワイヤ受部86bに移動させる際に障壁となる凸状の障壁部86cを備えている。
なお、これら第1および第2のワイヤ受部86a,86bは、この変形例では、それぞれほぼU字溝状に形成され、凸状の障壁部86cによって凹部86は略W形の波型となっている。
次に、この変形例に係る湾曲管52の作用について説明する。
第1の実施の形態で説明したように、各湾曲駒62の基部72の外側から軸方向スリット88を通して、湾曲駒62の外周面よりも凹状態となっている凹部86の第1のワイヤ受部86aに操作ワイヤ50を配設する。
この状態から、操作ワイヤ50を湾曲駒62の周方向スリット84a,84bに沿って同時に周方向の所定の方向に移動させる。このとき、第1のワイヤ受部86aに隣接する障壁部86cと、板バネ部90a,90bとの間は操作ワイヤ50の直径よりも狭い。このため、障壁部86cを通る際には板バネ部90a,90bを弾性変形させて第2のワイヤ受部86bに配設させる。このようにして、操作ワイヤ50をワイヤガイド82に配設させる。
ここで、操作ワイヤ50は、湾曲部24のアングルノブ42の湾曲操作による動力を湾曲管52に伝達するため、適度なコシを有する。一方、操作ワイヤ50が配設された後の湾曲管52は外皮54に被覆されているので、外方への変形は規制されている。このため、操作ワイヤ50は、湾曲駒62が隣接する湾曲駒62に対して回動しても、外皮54により変形が規制された板バネ部90a,90bと障壁部86cとの存在により軸方向スリット88a,88bから操作ワイヤ50が抜けることが防止される。
また、第2のワイヤ受部86bは障壁部86cに対して深いU字溝状に形成されている。このため、操作ワイヤ50は、第2のワイヤ受部86b内において第1の実施の形態で説明した収容空間94に配設された状態と同様に、自由に移動可能である。
以上説明したように、この変形例によれば、以下の効果が得られる。
凹部86にU字溝状の第1および第2のワイヤ受部86a,86bが設けられている。このため、軸方向スリット88から凹部86に向かって挿入した操作ワイヤ50を軸方向スリット88に対して深い位置にある第1のワイヤ受部86aに配設することができる。その後、操作ワイヤ50を周方向に移動させる際に、凸状の障壁部86cを通すので、操作ワイヤ50が軸方向スリット88a,88bから抜けることを極力防止することができる。
また、操作ワイヤ50をU字溝状の第2のワイヤ受部86bに配設することができるので、操作ワイヤ50にアングルノブ42から力が伝達されたときに、抵抗を少なくした状体で第2のワイヤ受部86b内で移動させることができる。
さらに、第1および第2のワイヤ受部86a,86b間に障壁部86cを設けたので、一旦第2のワイヤ受部86bに配設された操作ワイヤ50が第1のワイヤ受部86a側に移動するのを規制することができる。このため、障壁部86cは、一旦第1のワイヤ受部86aから第2のワイヤ受部86bに配設した操作ワイヤ50が軸方向スリット88から抜けることを防止する抜け止めとして作用させることができる。
なお、第1の実施の形態で説明した突起92は設けられていても良いが、この変形例では、障壁部86cが突起92と同じ役割を果たすので、突起92は設けられていなくても良い。
(ワイヤガイド82の第2の変形例)
次に、ワイヤガイド82の第2の変形例について図19(B)を用いて説明する。この変形例では、第1の実施の形態およびワイヤガイド82の第1の変形例で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図19(B)に示すように、湾曲駒62には、操作ワイヤ50が配設されるワイヤガイド82が形成されている。このワイヤガイド82は、湾曲駒62の一側72aと他側72bとの間に、湾曲駒62の周方向に沿って形成された1つの周方向スリット84と、周方向スリット84に隣接する位置に一側72a側に一側72aを含んで設けられた凹部86と、周方向スリット84と他側72bとを連絡するように設けられた軸方向スリット88とを備えている。この軸方向スリット88は、周方向スリット84の長手方向に対して直交する方向の、湾曲駒62の軸方向に向かって形成されている。この軸方向スリット88の幅は、操作ワイヤ50の直径にほぼ同一か、または、僅かに小さくても良い。
さらに、凹部86の第1および第2のワイヤ受部87a,87bは、ワイヤガイド82の第1の変形例で説明した凹部86の第1および第2のワイヤ受部86a,86bと同様に波型状に形成されている。このため、障壁部87cも、第1の変形例(図19(A)参照)で説明した障壁部86cに対して、第1および第2のワイヤ受部87a,87bに対して滑らかに形成されている。
次に、この変形例に係る湾曲管52の作用について説明する。
第1の実施の形態で説明したように、各湾曲駒62の基部72の外側から内側に軸方向スリット88を通すとともに、周方向スリット84に隣接した凹部86の第1のワイヤ受部87aに操作ワイヤ50を配設する。
この状態から、操作ワイヤ50を湾曲駒62の周方向スリット84に沿って同時に周方向の所定の方向に移動させる。このとき、第1のワイヤ受部87aに隣接する障壁部87cの頂部と、板バネ部90の内面との間の径方向の隙間は操作ワイヤ50の直径よりも狭いので、障壁部87cを通る際には板バネ部90を弾性変形させて第2のワイヤ受部87bに配設させる。このようにして、操作ワイヤ50をワイヤガイド82に配設させる。
ここで、操作ワイヤ50は、湾曲部24のアングルノブ42の湾曲操作による動力を湾曲管52に伝達するため、適度なコシを有する。一方、操作ワイヤ50が配設された後の湾曲管52は外皮54に被覆されているので、外方への変形は規制されている。このため、操作ワイヤ50は、湾曲駒62が隣接する湾曲駒62に対して回動しても、外皮54により変形が規制された板バネ部90と障壁部87cとの存在により軸方向スリット88から操作ワイヤ50が抜けることが防止される。
以上説明したように、この変形例によれば、以下の効果が得られる。
この変形例では、周方向スリット84、凹部86および軸方向スリット88を各ワイヤガイド82に1つずつ設ければよいので、湾曲駒62をより簡単に製造することができる。
なお、この変形例では、一側72a側に一側72aを含んだ凹部86を、他側72b側に軸方向スリット88を設けた場合について説明したが、一側72a側に軸方向スリット88を、他側72b側に他側72bを含んだ凹部86を設ける構造であることも好適である。
また、この変形例では、凹部86を波型状として説明したが、ワイヤガイド82の第1の変形例で説明したように、U字溝状の第1および第2のワイヤ受部86a,86bと、障壁部86cとを備えた波型状としていることも好適である。
(ワイヤガイド82の第3の変形例)
次に、ワイヤガイド82の第3の変形例について図19(C)を用いて説明する。この変形例は第1の実施の形態、ワイヤガイド82の第1および第2の変形例で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
湾曲駒62には、操作ワイヤ50が配設されるワイヤガイド82が形成されている。各ワイヤガイド82は、湾曲駒62の一側72aと他側72bとの間で、1対の周方向スリット184a,184bと、軸方向スリット188と、一側72aを含んだ第1の凹部(一端部側凹部)186aと、他側72bを含んだ第2の凹部(他端部側凹部)186bとを備えている。1対の周方向スリット184a,184bは、第1の実施の形態および第1の変形例で説明した1対の周方向スリット84a,84bと同様に配設されている。
軸方向スリット188は、1対の周方向スリット184a,184b間に、周方向スリット184a,184bに対して例えば直交する方向である湾曲駒62の軸方向に沿って形成されている。このため、1対の周方向スリット184a,184bと、軸方向スリット188とは、基部72の一側72aおよび他側72bの間で連絡されている。さらに、この軸方向スリット188の幅は、操作ワイヤ50の直径にほぼ同一か、または、僅かに小さくても良い。
第1の凹部186aは、基部72の一側72aと、この一側72aに近接する周方向スリット184aとの間に形成されている。第2の凹部186bは、基部72の他側72bと、この他側72bに近接する周方向スリット184bとの間に形成されている。
第1および第2の凹部186a,186bには、ワイヤガイド82の第2の変形例(図19(B)参照)で説明したように、第1のワイヤ受部87a、第2のワイヤ受部87b、凸状の障壁部87cがそれぞれ形成されて第1および第2の凹部186a,186bは波型状となっている。
さらに、周方向スリット184aと周方向スリット184bと軸方向スリット188とにより囲まれる部分の少なくとも一方は、板バネ状に弾性変形可能な板バネ部190である。
次に、この変形例に係る湾曲管52の作用について説明する。
第1の実施の形態で説明したように、各湾曲駒62の基部72の外側から内側に軸方向スリット88を通すとともに、周方向スリット184a,184bに隣接した凹部186a,186bの第1のワイヤ受部87aに操作ワイヤ50を配設する。
この状態から、操作ワイヤ50を湾曲駒62の周方向スリット184a,184bに沿って同時に周方向の所定の方向に移動させる。このとき、第1のワイヤ受部87aに隣接する障壁部87cの頂部と、板バネ部190の内面との間の径方向の隙間は操作ワイヤ50の直径よりも狭いので、障壁部87cを通る際には板バネ部190を弾性変形させて第2のワイヤ受部87bに配設させる。このようにして、操作ワイヤ50をワイヤガイド82に配設させる。
ここで、操作ワイヤ50は、湾曲部24のアングルノブ42の湾曲操作による動力を湾曲管52に伝達するため、適度なコシを有する。一方、操作ワイヤ50が配設された後の湾曲管52は外皮54に被覆されているので、外方への変形は規制されている。このため、操作ワイヤ50は、湾曲駒62が隣接する湾曲駒62に対して回動しても、外皮54により変形が規制された板バネ部190と障壁部87cとの存在により軸方向スリット188から操作ワイヤ50が抜けることが防止される。
以上説明したように、この変形例によれば、以下の効果が得られる。
操作ワイヤ50を湾曲管52に配設する場合、軸方向スリット188の外側から隣接する凹部186a,186bに向かって操作ワイヤ50を挿入し、その後、周方向スリット184a,184b内を移動させて第2のワイヤ受部87bに配設することができる。この場合、操作ワイヤ50を湾曲駒62の基部72の外周面から内側に向かって入れるので、湾曲駒62が隣接した湾曲駒62に対して回動した状態であっても、第2のワイヤ受部87b内に操作ワイヤ50を収容することができる。
したがって、全ての湾曲駒62の軸方向スリット188に操作ワイヤ50を配設した後で、一度の操作で操作ワイヤ50を第2のワイヤ受部87bに配設することができる。また、各湾曲駒62の第2のワイヤ受部87bに逐一操作ワイヤ50を配設することもできる。このため、湾曲管52に対して操作ワイヤ50を容易に配設することができる。
なお、上記における周方向スリット84a,84b,84,184a,184bは、スリットを形成する対向面間に隙間を有するものに限らず、例えば基部72を周方向にて剪断加工により剪断(分断)した剪断部でも良く、この剪断部も周方向スリットに含まれるものである。
これまで、第1の実施の形態、第1から第3の作製方法、ワイヤガイド82の第1から第3の変形例について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡を示す概略的な斜視図。 (A)は第1の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の湾曲部に配設される湾曲管に操作ワイヤを挿通させた状態を示す概略的な斜視図、(B)は図2(A)中の符号2Bで示す位置の概略的な拡大図。 第1の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の湾曲部に配設される湾曲管の湾曲駒を示す概略的な斜視図。 (A)は第1の実施の形態に係る内視鏡の挿入部の湾曲部に配設される湾曲管の湾曲駒のワイヤガイドを示す概略的な斜視図、(B)は図4(A)中の矢印4B方向から観察した湾曲駒を示す概略図。 内視鏡の湾曲管の第1の作製方法による第1の樹脂材製シートの位置決め部のピンの間に線状部材を配設し、第2の樹脂材製シートを第1の樹脂材製シートに被せる状態を示す概略的な斜視図。 内視鏡の湾曲管の第1の作製方法による第1の樹脂材製シートの位置決め部のピンの間に線状部材を配設し、第2の樹脂材製シートを第1の樹脂材製シートに被せる状態の一部を示す概略的な横断面図。 内視鏡の湾曲管の第1の作製方法による樹脂材製シートに線状部材を埋設した状態の一部を示す概略的な横断面図。 内視鏡の湾曲管の第1の作製方法による、線状部材を埋設した樹脂材製シートを複数のセグメントに分割するため開口部を形成した状態を示す概略的な斜視図。 内視鏡の湾曲管の第1の作製方法による、線状部材を埋設した樹脂材製シートに開口部を形成し、複数に分割したセグメントに周方向スリットおよび軸方向スリットを形成した状態を示す概略的な斜視図。 内視鏡の湾曲管の第1の作製方法による、線状部材を埋設した樹脂材製シートにワイヤガイドを形成した後、ヒンジにより各セグメントを丸めて湾曲管を形成した状態を示す概略図。 内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による金属材製シートに三日月状のスリットを形成した状態を示す概略的な平面図。 内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による線状部材を示す概略的な斜視図。 内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による金属材製シートの三日月状のスリット上に線状部材を固定した状態を示す概略的な平面図。 (A)は内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による金属材製シートの三日月状のスリット上に線状部材を固定した後、開口部を形成して金属材製シートを複数のセグメントに分割した状態を示す概略的な平面図、(B)は図14(A)中の線状部材にくびれを作製するとともに線状部材を断線させた状態を示す概略図。 (A)は内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による金属材製シートの各セグメントの端部に形成された嵌合部を示す概略的な斜視図、(B)は図15(A)中の嵌合部を嵌合させた状態を示す概略図。 内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による金属材製シートの各セグメントを丸めて湾曲駒を形成した状態を示す概略的な斜視図。 内視鏡の湾曲管の第2の作製方法による金属材製シートの各セグメントの端部に形成された嵌合部の変形例を示す概略的な斜視図。 内視鏡の湾曲管の第3の作製方法による、凹部に線状部材を配置したプラスチック板に、三日月状のスリットを有する金属箔を配置する状態を示す概略的な斜視図。 (A)はワイヤガイドの第1の変形例を示す概略的な斜視図、(B)はワイヤガイドの第2の変形例を示す概略的な斜視図、(C)はワイヤガイドの第3の変形例を示す概略的な斜視図。
符号の説明
50…操作ワイヤ、52…湾曲管、62…湾曲駒、64…線状部材、72…基部、72a…一側、72b…他側、74…一側耳部、76…他側耳部、82…ワイヤガイド、84a,84b…周方向スリット、86…凹部、88a,88b…軸方向スリット

Claims (18)

  1. 挿入部の軸方向に沿って複数の湾曲駒を互いに対して屈曲可能に連結して構成される内視鏡の湾曲管において、
    前記湾曲駒同士は、一方の湾曲駒に一端が固定され、隣接する他方の湾曲駒に他端が固定され、かつ、前記湾曲管の軸方向に延びる線状部材でそれぞれ連結されていることを特徴とする内視鏡の湾曲管。
  2. 前記線状部材は、金属線や繊維の撚り線、組紐、単線、樹脂被覆された線材および繊維材のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の湾曲管。
  3. 前記湾曲駒は、樹脂材で形成され、
    前記線状部材の一端および他端は、前記湾曲駒に埋設されて固定されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の内視鏡の湾曲管。
  4. 前記湾曲駒は、金属材で形成され、
    前記線状部材は、前記湾曲駒の内周面に固定されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の内視鏡の湾曲管。
  5. 前記湾曲駒は、第1の母材を内側に、第2の母材を外側にした複数層に形成され、前記線状部材は、前記第1の母材と前記第2の母材との間に固定されていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の内視鏡の湾曲管。
  6. 前記湾曲駒は、基部と、この基部に設けられ隣接する湾曲駒に対する回動支点となる耳部とを備え、
    前記耳部と、前記湾曲駒に隣接する湾曲駒の耳部との間は、各湾曲駒に固定された前記線状部材で連結されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲管。
  7. 前記湾曲駒は、周方向に複数に分割された、複数の割体を備え、
    前記割体は、ヒンジにより接続されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲管。
  8. 前記湾曲駒は筒形状であり、その一端部と他端部との間に、
    前記湾曲駒の軸方向に対して交差する周方向と、この周方向に対して交差する方向とに設けられ操作ワイヤの一部を前記湾曲駒の外側から内側に配設可能なスリットと、
    前記スリットに隣接する位置に設けられ、前記湾曲駒の外周面に対してその内側に凹まされた凹部と
    を備えていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲管。
  9. 前記スリットは、前記湾曲駒の前記一端部を含んで前記他端部側に向かって設けられていることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡の湾曲管。
  10. 前記スリットは、前記湾曲駒の前記一端部または他端部を含んで前記他端部側または一端部側に向かって設けられていることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡の湾曲管。
  11. 前記スリットは、前記一端部および他端部との間の一部に設けられ、
    前記凹部は、
    前記湾曲駒の一端部に隣接して設けられた一端部側凹部と、
    前記湾曲駒の他端部に隣接して設けられた他端部側凹部と
    を備えていることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡の湾曲管。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1に記載の湾曲管を有する挿入部と、
    前記挿入部の基端部に設けられた操作部と
    を具備することを特徴とする内視鏡。
  13. 筒形状の複数の湾曲駒が互いに同軸に連結された内視鏡の湾曲管の製造方法であって、
    前記湾曲管の湾曲操作方向数に対応した数の線状部材を並列させた状態で固定したシートを準備する工程と、
    前記シートに対して各湾曲駒を連結する部分となる可撓部を形成する線状部材を残し、各湾曲駒同士の突き当て部となる開口部を形成して、前記湾曲駒の筒形状を展開した複数のセグメントを準備する工程と、
    前記複数のセグメントを丸めて筒形状とする工程と
    を具備することを特徴とする内視鏡の湾曲管の製造方法。
  14. 前記シートを準備する工程は、前記線状部材を前記シートの母材中に埋設して固定する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記シートを準備する工程は、前記線状部材を前記シートの第1の母材と第2の母材とで挟持して固定する工程を含むことを特徴とする請求項13もしくは請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記複数のセグメントを準備する工程は、前記線状部材の軸線方向に沿って前記母材の厚さを薄くするヒンジを形成する工程を含み、
    前記複数のセグメントを丸めて筒形状とする工程は、前記ヒンジによって前記セグメントを丸めて筒形状とする工程を含むことを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか1に記載の製造方法。
  17. 前記複数のセグメントを丸めて筒形状とする工程は、前記シートの端部同士を結合する工程を含むことを特徴とする請求項13から請求項16のいずれか1に記載の製造方法。
  18. 前記複数のセグメントを準備する工程は、前記シートを変形させて操作ワイヤを受けるワイヤガイドを形成する工程を含むことを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか1に記載の製造方法。
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