JP2007236754A - 内視鏡の湾曲部、内視鏡、および、内視鏡の湾曲部の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 工数を少なくして容易に湾曲管を構成することが可能な内視鏡の湾曲部を提供する。
【解決手段】 内視鏡の湾曲部24は、筒状の複数の節輪56を挿入部の軸方向に沿って配列した湾曲管52を備え、前記湾曲管52の外周に前記湾曲管52を被覆する外皮54を配設している。そして、前記節輪56は、前記節輪56の一端から、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に延出された凸状の1対の第1の連結部64と、前記節輪56の他端に、前記第1の連結部64と同じ構成の第1の連結部64を有する隣りの節輪56の第1の連結部64と組み合わせられ、前記隣りの節輪56の第1の連結部64の回動を支持するように、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に設けられた凹状の1対の第2の連結部66とを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 内視鏡の湾曲部24は、筒状の複数の節輪56を挿入部の軸方向に沿って配列した湾曲管52を備え、前記湾曲管52の外周に前記湾曲管52を被覆する外皮54を配設している。そして、前記節輪56は、前記節輪56の一端から、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に延出された凸状の1対の第1の連結部64と、前記節輪56の他端に、前記第1の連結部64と同じ構成の第1の連結部64を有する隣りの節輪56の第1の連結部64と組み合わせられ、前記隣りの節輪56の第1の連結部64の回動を支持するように、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に設けられた凹状の1対の第2の連結部66とを備えている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば医療用や工業用など、種々に用いられる内視鏡の湾曲部、内視鏡、および、内視鏡の湾曲部の製造方法に関する。
特許文献1には、内視鏡の湾曲部が開示されている。この内視鏡の湾曲部の湾曲管は、節輪同士を、突起と、この突起に嵌合される孔部とにより連結している。
特開平11−244224号公報
節輪同士は、特許文献1に開示された連結方法の他、リベットによって節輪同士を連結する場合がある。このような場合、加工工数が非常に大きく、コスト高となる。また、特許文献1に開示された連結方法では、節輪を1つずつ接続するための工数を要する。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、工数を少なくして容易に湾曲管を構成することが可能な内視鏡の湾曲部、内視鏡、および、内視鏡の湾曲部の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、この発明に係る内視鏡の湾曲部、および、内視鏡は、筒状の複数の節輪を挿入部の軸方向に沿って配列した湾曲管を備え、前記湾曲管の外周に前記湾曲管を被覆するチューブを配設している。そして、前記節輪は、前記節輪の一端から、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に延出された凸状の1対の第1の連結部と、前記節輪の他端に、前記第1の連結部と同じ構成の第1の連結部を有する隣りの節輪の第1の連結部と組み合わせられ、前記隣りの節輪の第1の連結部の回動を支持するように、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に設けられた凹状の1対の第2の連結部とを具備することを特徴とする。
節輪の第1の連結部と、前記節輪の隣りの節輪の第2の連結部とをそれぞれ組み合わせることによって、簡単に湾曲管を構成することができる。このため、工数を削減することができるとともに、容易に湾曲管を構成することが可能である。
節輪の第1の連結部と、前記節輪の隣りの節輪の第2の連結部とをそれぞれ組み合わせることによって、簡単に湾曲管を構成することができる。このため、工数を削減することができるとともに、容易に湾曲管を構成することが可能である。
また、前記第1の連結部は、前記節輪の外周面と面一の外面と、前記節輪の内周面よりも薄肉で、その内周面に対して段差を有する内面とを備え、前記第2の連結部は、前記節輪の外周面に対して段差を有し、前記第1の連結部が配設されたときに前記第1の連結部の内面と面一の外面と、前記節輪の内周面に対して面一の内面とを備えていることが好適である。
このため、第1の連結部と第2の連結部とを嵌合させたときに、節輪の外方への出っ張りや、内方への出っ張りを防止することができる。
このため、第1の連結部と第2の連結部とを嵌合させたときに、節輪の外方への出っ張りや、内方への出っ張りを防止することができる。
また、前記第1の連結部と前記第2の連結部とが組み合わせられたとき、前記節輪と隣りの節輪との節輪同士の外周面は面一であることが好適である。
このため、湾曲管の外方の段差を防止することができる。
このため、湾曲管の外方の段差を防止することができる。
また、前記第1の連結部の縁部は、円弧状に形成されていることが好適である。
このため、第2の連結部に対して容易に回動可能である。
このため、第2の連結部に対して容易に回動可能である。
また、前記第1の連結部は、前記節輪の一端から略半円状に突出されていることが好適である。
このため、第2の連結部に対して容易に回動可能である。
このため、第2の連結部に対して容易に回動可能である。
また、前記節輪の外周面には、突起が配設され、前記外皮には、その内周面に、前記突起が配設されて前記節輪を整列させるガイド溝を備えていることが好適である。
このため、節輪を容易に整列させて、湾曲管を構成することができる。
このため、節輪を容易に整列させて、湾曲管を構成することができる。
また、前記突起は、前記第1の連結部の外周面に配設されていることが好適である。
このため、容易に節輪の向きを規定することができる。
このため、容易に節輪の向きを規定することができる。
また、前記突起は、前記挿入部の中心軸に対して対向した位置に設けられ、前記外皮は、前記ガイド溝を前記挿入部の中心軸に対して対向した位置に備えていることが好適である。
このため、突起により、外皮に対して節輪が周方向に移動することを防止することができる。
このため、突起により、外皮に対して節輪が周方向に移動することを防止することができる。
また、前記第1の連結部と、前記第2の連結部とは、前記挿入部の中心軸に対して略直交する位置に配設されていることが好適である。
このため、湾曲管の湾曲範囲を上下方向および左右方向で略同一に形成することができる。
このため、湾曲管の湾曲範囲を上下方向および左右方向で略同一に形成することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る、筒状の複数の節輪を互いに軸方向に配列して形成される内視鏡の湾曲部の製造方法は、前記節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記節輪の隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせ、前記隣りの節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記隣りの節輪のさらに隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせる作業を順次行なって前記湾曲管を形成する湾曲管形成工程と、前記湾曲管を所定の状態に保持するチューブを前記湾曲管の外側に配設する外皮チューブ配設工程とを具備することを特徴とする。
節輪の第1の連結部と、前記節輪の隣りの節輪の第2の連結部とをそれぞれ組み合わせることによって、簡単に湾曲管を構成することができる。このため、工数を削減することができるとともに、容易に湾曲管を構成することが可能である。
節輪の第1の連結部と、前記節輪の隣りの節輪の第2の連結部とをそれぞれ組み合わせることによって、簡単に湾曲管を構成することができる。このため、工数を削減することができるとともに、容易に湾曲管を構成することが可能である。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る、筒状の複数の節輪を互いに軸方向に配列して形成される内視鏡の湾曲部の製造方法は、前記節輪に設けられた突部を、前記節輪を案内するガイド溝を有するチューブに沿って配設する第1の工程と、前記節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記節輪の隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせ、前記隣りの節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記隣りの節輪のさらに隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせる作業を順次行なって湾曲管を形成する第2の工程と、前記チューブで前記湾曲管の外周を保持させる第3の工程とを具備することを特徴とする。
節輪の第1の連結部と、前記節輪の隣りの節輪の第2の連結部とをそれぞれ組み合わせることによって、簡単に湾曲管を構成することができる。このとき、突部によってチューブの所定の位置に各節輪を配設することができる。このため、工数を削減することができるとともに、容易に湾曲管を構成することが可能である。
節輪の第1の連結部と、前記節輪の隣りの節輪の第2の連結部とをそれぞれ組み合わせることによって、簡単に湾曲管を構成することができる。このとき、突部によってチューブの所定の位置に各節輪を配設することができる。このため、工数を削減することができるとともに、容易に湾曲管を構成することが可能である。
この発明によれば、工数を少なくして容易に湾曲管を構成することが可能な内視鏡の湾曲部、内視鏡、および、内視鏡の湾曲部の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
第1の実施の形態について図1から図3を用いて説明する。
図1に示すように、内視鏡10は、細長い挿入部12と、この挿入部12の基端部に設けられた操作部14と、この操作部14から延出されたユニバーサルケーブル16とを備えている。
図1に示すように、内視鏡10は、細長い挿入部12と、この挿入部12の基端部に設けられた操作部14と、この操作部14から延出されたユニバーサルケーブル16とを備えている。
挿入部12は、先端硬質部22と、この先端硬質部22の基端部に設けられた湾曲部24と、この湾曲部24の基端部に設けられた蛇管部26とを備えている。蛇管部26の基端部は、操作部14に連結されている。先端硬質部22には、それぞれ図示しないが、観察光学系、撮像素子、照明光学系、送気送水ノズル、鉗子出口などが配設されている。
操作部14は、操作部本体14aと、グリップ14bと、スイッチカバー14cとを備えている。
操作部本体14aは、吸引制御バルブ32と、送気送水バルブ34と、リモートスイッチ36とを例えば並設した状態に備えている。リモートスイッチ36の一部は、スイッチカバー14cの内部に配設されている。
操作部本体14aは、吸引制御バルブ32と、送気送水バルブ34と、リモートスイッチ36とを例えば並設した状態に備えている。リモートスイッチ36の一部は、スイッチカバー14cの内部に配設されている。
吸引制御バルブ32は、吸引管路(図示せず)の切り替えを行なう際に使用される。送気送水バルブ34は、観察光学系の対物レンズを洗滌するときに液体を出したり、洗滌したときの液体を吹き飛ばす際の送気や送水に使用される。リモートスイッチ36は、上述した撮像素子により撮像した映像信号に対して所望の処理を行なう際に使用される。その他、リモートスイッチ36は、例えば内視鏡10によって観察される像を拡大したり、その像を切り取ったり(写真に撮ったり)するように、適宜に割り当てられている。
操作部14には、それぞれ硬質の樹脂材で形成されたアングルノブ42(第1および第2の湾曲操作ノブ42UD,42RL)と湾曲固定レバー44(第1および第2のエンゲージレバー44UD,44RL)とが取り付けられている。
第1の湾曲操作ノブ42UDは、挿入部12の湾曲部24を上下方向に湾曲させるときに操作される。第2の湾曲操作ノブ42RLは、挿入部12の湾曲部24を上下方向に対して90度異なる位置である左右方向に湾曲させるときに操作される。第1のエンゲージレバー44UDは、第1の湾曲操作ノブ42UDを所望の状態で固定するときに操作される。すなわち、第1のエンゲージレバー44UDは、湾曲部24を上下方向に湾曲させた状態を保持するときに使用される。第2のエンゲージレバー44RLは、第2の湾曲操作ノブ42RLを所望の状態で固定するときに操作される。すなわち、第2のエンゲージレバー44RLは、湾曲部24を左右方向に湾曲させた状態を保持するときに使用される。
操作部14の挿入部12側のグリップ14bには、鉗子栓48が着脱可能に装着されている。
ユニバーサルケーブル16は、例えばポリウレタン等の樹脂材で被覆されている。このユニバーサルケーブル16の操作部14に対して遠位側の端部には、硬質の樹脂材で形成されたコネクタ(図示せず)が取り付けられている。
図2(A)に示すように、湾曲部24は、湾曲管(節輪群)52と、この湾曲管52の外周に配設された湾曲管外皮54とを備えている。湾曲管外皮54は、例えば熱収縮チューブにより形成されている。
図2(C)に示すように、この湾曲管52は、例えば金属材製の複数の節輪56が挿入部12の軸方向に沿って隣り合った状態に整列されている。図2(B)に示すように、各節輪56は、円筒状の基部62と、第1の連結部64と、第2の連結部66とを備えている。
各節輪56の基部62には、挿入部12の中心軸に向かってプレス加工により切り曲げられた1対のワイヤ受部62aが形成されている。これらワイヤ受部62aは、挿入部12の中心軸に対して対称の位置に形成されている。1対のワイヤ受部62aが形成された基部62上の周方向の位置は、基部62の一端に形成された第2の連結部66の周方向の位置と一致する位置である。
節輪56の基部62の一端には、1対の第1の連結部64が形成されている。第1の連結部64の外周面は基部62の外周面と面一に形成されている。第1の連結部64の内周面と基部62の内周面との間には、段差が形成されている。一方、基部62の他端には、1対の第2の連結部66が形成されている。第2の連結部66の外周面と基部62の外周面との間には段差が形成されている。第2の連結部66の内周面は基部62の内周面と面一に形成されている。第1の連結部64が挿入部12の中心軸に対して略0度と略180度の位置に形成されているとすると、第2の連結部66は挿入部12の中心軸に対して略90度と略270度の位置に形成されている。
第1の連結部64は、挿入部12の軸方向に延出されるように凸状に形成されている。この第1の連結部64の縁部は、円弧状に形成されている。特に、第1の連結部64の縁部は、略半円状である。
一方、第2の連結部66は、挿入部12の軸方向に沿って凹状に形成されている。この第2の連結部66は、隣りの節輪56に形成された第1の連結部64を支持する。特に、この第2の連結部66は、隣りの節輪56に形成された第1の連結部64の先端部の一部のみを支持する。このため、第2の連結部66に対して隣りの節輪56の第1の連結部64が回動する。
なお、湾曲部24の最も先端側に設けられた節輪56には、第2の連結部66のみ設けられ、第1の連結部64は設けられていない。一方、湾曲部24の最も基端側に設けられた節輪56には、第1の連結部64のみ設けられ、第2の連結部66は設けられていない。
次に、この実施の形態に係る内視鏡10の挿入部12の製造方法について説明する。ここでは、特に、湾曲管52の製造方法について説明する。
図3に示す横断面が例えば十字状の治具70を準備する。そして、最も先端側の節輪56を治具70に沿って配設する。このとき、節輪56のワイヤ受部62aが治具70の対向する第1の凹部70aに配設される。次に、最も先端側の節輪56の第2の連結部66と、第2番目の節輪56の第1の連結部64とを嵌合させる。このとき、2番目の節輪56のワイヤ受部62aが治具70の対向する第2の凹部70bに配設される。
図3に示す横断面が例えば十字状の治具70を準備する。そして、最も先端側の節輪56を治具70に沿って配設する。このとき、節輪56のワイヤ受部62aが治具70の対向する第1の凹部70aに配設される。次に、最も先端側の節輪56の第2の連結部66と、第2番目の節輪56の第1の連結部64とを嵌合させる。このとき、2番目の節輪56のワイヤ受部62aが治具70の対向する第2の凹部70bに配設される。
同様に、第2番目の節輪56の第2の連結部66と、第3番目の節輪56の第1の連結部64とを嵌合させる。その後、同様にして、順次節輪56を積層する。最後に、最も基端側の節輪56の第1の連結部64を、1つ前の節輪56の第2の連結部66に嵌合させる。このようにして、湾曲管52を形成する。
この状態で、湾曲管52に、チューブ状の外皮54を被覆する。この外皮54に所定の熱を加えてその外皮チューブ54を収縮させる。このため、節輪56同士が連結されて所定の状態に保持される。
なお、操作ワイヤは、節輪56を順次積層する際にワイヤ受部62aに挿通させることが好適である。また、節輪56を積層した後に、ワイヤ受部62aに順次挿通させることも好適である。
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下のことが言える。
内視鏡10の湾曲部24の湾曲管52の節輪56同士の接合に、リベット止めや、節輪56間の組み立てを必要とすることがない。節輪56同士を順次重ね合わせてその外周を柔軟性を有する樹脂材(外皮54)で固定するだけで、湾曲可能な湾曲部24を構成することができる。
内視鏡10の湾曲部24の湾曲管52の節輪56同士の接合に、リベット止めや、節輪56間の組み立てを必要とすることがない。節輪56同士を順次重ね合わせてその外周を柔軟性を有する樹脂材(外皮54)で固定するだけで、湾曲可能な湾曲部24を構成することができる。
したがって、工数を減らして湾曲部24を構成することができ、製造コストを大幅に下げることができる。
なお、この実施の形態では、上下方向および左右方向に等しく湾曲可能な湾曲部24を構成する例について説明したが、上下方向および左右方向で湾曲可能範囲を異なるものにすることもできる。この場合、節輪56と、この節輪56に隣接する節輪56との第1および第2の連結部64,66を、挿入部12の中心軸に平行な同じ軸上に設けることによって、例えば左右方向よりも上下方向により多く湾曲する湾曲管52を得ることができる。
次に、第2の実施の形態について図4を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材または同一の作用を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図4(A)から図4(C)に示すように、第1の連結部64の外周面には、それぞれ小円柱状の突起64aが形成されている。第1の連結部64の内周面は基部62の内周面と面一に形成されている。第2の連結部66は、基部62の他端に凹状に形成されている。これ以外、湾曲管52の構成は第1の実施の形態で説明した湾曲管52と同様である。
外皮54は、節輪56の基部62の外周面よりも僅かに大きく形成された内周面を備えている。図4(D)に示すように、外皮54は、その内周面に、挿入部12の軸方向に沿ってガイド溝54aが形成されている。ガイド溝54aは、挿入部12の中心軸に対して周方向に0度から90度おきに4つ形成されている。これらガイド溝54aには、突起64aが配設される。この場合、ガイド溝54aによって節輪56同士の回動方向を容易に決めることができるため、外皮54の外周面に対して、上下(UD)方向および左右(RL)方向の表示を前もって行なうことができる。
次に、この実施の形態に係る内視鏡10の挿入部12の製造方法について説明する。ここでは、特に、湾曲管52の製造方法について説明する。
図3に示す、横断面が例えば十字状の治具70を外皮54の中心軸上に配設する。そして、最も先端側の節輪56を治具70に沿って配設する。このとき、この節輪56の内側のワイヤ受部62aが、治具70の対向する第1の凹部70aに配設される。また、この節輪56の外側の突起64aを、外皮54のガイド溝54aに沿って外皮54の一端から他端まで摺動させる。そして、外皮54の他端部に最も先端側の節輪56を配設する。
図3に示す、横断面が例えば十字状の治具70を外皮54の中心軸上に配設する。そして、最も先端側の節輪56を治具70に沿って配設する。このとき、この節輪56の内側のワイヤ受部62aが、治具70の対向する第1の凹部70aに配設される。また、この節輪56の外側の突起64aを、外皮54のガイド溝54aに沿って外皮54の一端から他端まで摺動させる。そして、外皮54の他端部に最も先端側の節輪56を配設する。
次に、最も先端側の節輪56に対して第2番目の節輪56を配設する。この場合、第2番目の突起64aを最も先端側の節輪56の突起64aを摺動させたガイド溝54aとは異なるガイド溝54aに沿って摺動させる。このため、この節輪56のワイヤ受部62aが治具70の対向する第2の凹部70bに配設される。そして、最も先端側の節輪56の第2の連結部66と、第2番目の節輪56の第1の連結部64とを嵌合させる。
同様に、第2番目の節輪56に対して第3番目の節輪56を配設する。この場合、第3番目の突起64aを最も先端側の節輪56の突起64aを摺動させたガイド溝54aと同じガイド溝54aに沿って摺動させる。このため、この節輪56のワイヤ受部62aが治具70の対向する第1の凹部70aに配設される。そして、第2番目の節輪56の第2の連結部66と、第3番目の節輪56の第1の連結部64とを嵌合させる。
以後、同様にして、第4番目、第5番目など、所定の数の節輪56によって湾曲管52を形成する。
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下のことが言える。
予め外皮54の外周面に湾曲の方向等を印刷した状態で、各節輪56の突起64aをガイド溝54aに順次配設することによって、湾曲部24を構成することができる。このため、湾曲管52に対して外皮54を改めて位置決めする必要がない。したがって、湾曲部24を製造する際、工数を減らして容易に形成することができる。
予め外皮54の外周面に湾曲の方向等を印刷した状態で、各節輪56の突起64aをガイド溝54aに順次配設することによって、湾曲部24を構成することができる。このため、湾曲管52に対して外皮54を改めて位置決めする必要がない。したがって、湾曲部24を製造する際、工数を減らして容易に形成することができる。
突起64aを1対設けることによって、外皮54に対して節輪56が周方向に移動することを防止することができる。
なお、この実施の形態では、第1の連結部64の外周面に突起64aを設けることについて説明したが、図5(A)および図5(B)に示すように、基部62に突起64aを設けても良い。この場合、湾曲管52の外周には、図5(C)に示すように、ガイド溝54aを有する外皮54が配設される。
また、この実施の形態では、突起64aが小円柱状であるとして説明したが、ガイド溝54aに配設し易いように基部62に対する遠位部がテーパ状に形成されていることも好適である。これは、後述する第3の実施の形態でも同様である。
次に、第3の実施の形態について図6を用いて説明する。この実施の形態は第1および第2の実施の形態の変形例であって、第1および第2の実施の形態で説明した部材と同一の部材または同一の作用を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図6(A)および図6(B)に示すように、第1の連結部64の内周面には、中心軸方向に向かって突出した内方突起64bが形成されている。
第2の連結部66は、基部62に近接するほど肉厚で、基部62から離隔するほど薄肉となるように一部が切り削がれている。この第2の連結部66には、この内方突起64bが配設される凹部66aが形成されている。
第2の連結部66は、基部62に近接するほど肉厚で、基部62から離隔するほど薄肉となるように一部が切り削がれている。この第2の連結部66には、この内方突起64bが配設される凹部66aが形成されている。
さらに、基部62の外周面には、外方突起64aが形成されている。第1の連結部64と第2の連結部66とは、同じ軸上に形成されている。このため、この節輪56には、同じ方向に回動可能な節輪56が装着される。このような構成は、所定の方向(例えば上下方向)の湾曲可能範囲を他の方向(例えば左右方向)の湾曲可能範囲に比べて大きくする場合に有効である。すなわち、隣接する節輪56の種類によっては、湾曲部24の曲率を変更して湾曲可能範囲を変更可能である。
この実施の形態に係る内視鏡10の挿入部12の湾曲部24の湾曲管52の作用について説明する。
図6(B)に示すように、隣接する節輪56同士は、第1の連結部64の内方突起64bと、第2の連結部66の凹部66aとが嵌合されている。このため、隣接する節輪56同士は、内方突起64bを支軸として互いに対して回動可能である。したがって、内方突起64bを凹部66aに配設するだけで第1の連結部64を第2の連結部66に嵌合させることができる。このため、隣接する節輪56同士を容易につなぐことができる。
図6(B)に示すように、隣接する節輪56同士は、第1の連結部64の内方突起64bと、第2の連結部66の凹部66aとが嵌合されている。このため、隣接する節輪56同士は、内方突起64bを支軸として互いに対して回動可能である。したがって、内方突起64bを凹部66aに配設するだけで第1の連結部64を第2の連結部66に嵌合させることができる。このため、隣接する節輪56同士を容易につなぐことができる。
なお、この実施の形態では、節輪56は、第2の連結部66が設けられた側の端面が節輪56の中心軸に対して直交する面に沿うように形成されているが、この端面を切り削いでも良い。そうすると、隣接する節輪56同士の可動範囲を広げることができる。したがって、湾曲部24の湾曲範囲を大きくすることができる。すなわち、湾曲部24の曲率を大きくとることができる。
次に、図7を参照しながら第4の実施の形態について説明する。この実施の形態は第2の実施の形態の変形例であって、第2の実施の形態で説明した部材と同一の部材または同一の作用を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図7に示すように、節輪56の第1の連結部64は、基部62の外周面よりも外方に突出された突出部68を備えている。この突出部68は、第2の実施の形態で説明した突起64aの代わりに、外皮54のガイド溝54aに配設される。すなわち、第1の連結部64の外周面は、全面的に、外方突起64aと同じように作用する。図示しないが、外皮54の内周のガイド溝54aは、上述した突起64aが配設されるガイド溝54aよりも大きく広げられた状態に形成されている。
このため、第1の連結部64に別に突起64aを設けずに、第1の連結部64の外周面に全体的に突起64aの役割を果たさせることができる。
なお、節輪56の中心軸に対して0度、90度、180度、270度の周方向の位置に第2の連結部66が形成されている。このため、図7に示す節輪56の下側に隣接する節輪56の向きを適宜に変化させることができる。
次に、図8を参照しながら第5の実施の形態について説明する。この実施の形態は第2の実施の形態の変形例であって、第2の実施の形態で説明した部材と同一の部材または同一の作用を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図8に示す上側の節輪56の一端面(下方側)および他端面(上方側)は、軸方向に延出されてそれぞれに第1の連結部64が形成されている。このうち、一端面には、1対の第1の連結部64が形成されている。他端面には、一端面の第1の連結部64に対して直交する位置に1対の第1の連結部64が形成されている。この他端面側の1対の第1の連結部64は、基部62の外周面よりも径方向外方に突出された突出部68を備えている。すなわち、第1の連結部64の外周面と基部62の外周面との間には段差が形成されている。この突出部68は、外皮54のガイド溝54a(図4(D)参照)に配設される。
図8に示す下側の節輪56の一端面(上方側)には、1対の第1の連結部64が形成されている。これら第1の連結部64の遠位端には、凹状の第2の連結部66が形成されている。下側の節輪56の他端面(下方側)には、第2の連結部66が形成されている。この第2の連結部66は、基部62の外周面よりも径方向外方に突出された突出部68を備えている。すなわち、第2の連結部66の外周面と基部62の外周面との間には段差が形成されている。この突出部68は、外皮54のガイド溝54aに配設される。したがって、上側の節輪56の一端側の第1の連結部64と、下側の節輪56の一端側の第2の連結部66とを係合させるとともに、下側の節輪56の他端側に形成された凹状の第2の連結部66に対して、上側の節輪56と同じ構成を有する他の節輪56における突起部68を有する第1の連結部64を係合させて、この係合作業を他の節輪56に対しても反復する。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
24…湾曲部、52…湾曲管、54…湾曲管外皮、54a…ガイド溝、56…節輪、62…基部、62a…ワイヤ受部、64…第1の連結部、66…第2の連結部
Claims (12)
- 筒状の複数の節輪を挿入部の軸方向に沿って配列した湾曲管を備え、前記湾曲管の外周に前記湾曲管を被覆するチューブを配設した内視鏡の湾曲部であって、
前記節輪は、
前記節輪の一端から、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に延出された凸状の1対の第1の連結部と、
前記節輪の他端に、前記第1の連結部と同じ構成の第1の連結部を有する隣りの節輪の第1の連結部と組み合わせられ、前記隣りの節輪の第1の連結部の回動を支持するように、前記挿入部の軸方向に、略対向する状態に設けられた凹状の1対の第2の連結部と
を具備することを特徴とする内視鏡の湾曲部。 - 前記第1の連結部は、前記節輪の外周面と面一の外面と、前記節輪の内周面よりも薄肉で、その内周面に対して段差を有する内面とを備え、
前記第2の連結部は、前記節輪の外周面に対して段差を有し、前記第1の連結部が配設されたときに前記第1の連結部の内面と面一の外面と、前記節輪の内周面に対して面一の内面とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の湾曲部。 - 前記第1の連結部と前記第2の連結部とが組み合わせられたとき、前記節輪と隣りの節輪との節輪同士の外周面は面一であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の内視鏡の湾曲部。
- 前記第1の連結部の縁部は、円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲部。
- 前記第1の連結部は、前記節輪の一端から略半円状に突出されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲部。
- 前記節輪の外周面には、突起が配設され、
前記外皮には、その内周面に、前記突起が配設されて前記節輪を整列させるガイド溝を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲部。 - 前記突起は、前記第1の連結部の外周面に配設されていることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡の湾曲部。
- 前記突起は、前記挿入部の中心軸に対して対向した位置に設けられ、
前記外皮は、前記ガイド溝を前記挿入部の中心軸に対して対向した位置に備えていることを特徴とする請求項6もしくは請求項7に記載の内視鏡の湾曲部。 - 前記第1の連結部と、前記第2の連結部とは、前記挿入部の中心軸に対して略直交する位置に配設されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1に記載の内視鏡の湾曲部。
- 請求項1から請求項9のいずれか1に記載の湾曲部を具備することを特徴とする内視鏡。
- 筒状の複数の節輪を互いに軸方向に配列して形成される内視鏡の湾曲部の製造方法であって、
前記節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記節輪の隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせ、前記隣りの節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記隣りの節輪のさらに隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせる作業を順次行なって前記湾曲管を形成する湾曲管形成工程と、
前記湾曲管を所定の状態に保持するチューブを前記湾曲管の外側に配設する外皮チューブ配設工程と
を具備することを特徴とする内視鏡の湾曲部の製造方法。 - 筒状の複数の節輪を互いに軸方向に配列して形成される内視鏡の湾曲部の製造方法であって、
前記節輪に設けられた突部を、前記節輪を案内するガイド溝を有するチューブに沿って配設する第1の工程と、
前記節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記節輪の隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせ、前記隣りの節輪の一端に設けられた凸状の第1の連結部に対し、前記隣りの節輪のさらに隣りの節輪の他端に設けられた凹状の第2の連結部を組み合わせる作業を順次行なって湾曲管を形成する第2の工程と、
前記チューブで前記湾曲管の外周を保持させる第3の工程と
を具備することを特徴とする内視鏡の湾曲部の製造方法。
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