JP2008291287A - 耐連続衝撃性に優れた銅−錫合金めっき製品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノーシアンタイプの銅−錫合金めっきでの課題である2μm以上の厚膜時においても、連続的な衝撃による皮膜の剥離あるいは割れのない連続衝撃性に強いノーシアンタイプの銅−錫合金めっきの製造方法の提供。
【解決手段】(1)金属あるいは表層に金属層を有するセラミックの中から選ばれる素材に、または(2)表層に金属層を有するプラスチックの中から選ばれる素材に、少なくとも可溶性銅塩及び可溶性錫塩、有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可溶性塩、特定の添加剤(光沢剤)から構成されるシアンを含有しない銅−錫合金めっき浴中で、電気めっきを施した後、上記(1)及び(2)で異なる特定の条件でベーキング処理することを特徴とする耐連続衝撃性に優れた、銅−錫合金めっきの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、装飾用・服飾用の用途に適した耐連続衝撃性に優れた銅−錫合金めっきを製造する方法に関するものである。
装飾用・服飾用の表面処理としては、従来よりニッケルめっきが広く使用されてきたが、ニッケルめっきには、ニッケルめっきに直接接触する人の皮膚に、かぶれや炎症を起こす可能性があるというニッケルアレルギーの問題が指摘されており、これに代わる代替技術が求められてきている。こうした背景の中、ニッケルめっきに替わる技術として銅−錫合金めっきが注目されてきている。
工業的に銅−錫合金めっきを行うめっき浴の殆どは、シアン−錫酸浴、シアン−ピロリン酸浴などシアンイオンを含有するめっき浴(以下、シアン浴という)を使用するものであり、排水処理規制が厳しいため処理にコストがかかり、また安全な環境で作業するという見地からも問題があった。したがって、シアンイオンを配合しない(以下、ノーシアンという。)銅−錫合金めっき浴が、特開2004-91882号公報(特許文献1)、特開2001-342592号公報(特許文献2)、特開2002-80993号公報(特許文献3)、特開2002-241987号公報(特許文献4)等で提案されている。また、本発明者等も特開2004-35980号公報(特許文献5)においてシアンを配合しないノーシアンタイプの銅−錫合金めっき浴を提案している。
しかし、ノーシアンタイプ浴で製造した銅−錫合金めっき皮膜の内、銅及び錫の含有量が、銅/錫比=70/30〜30/70wt%の範囲の銅−錫合金めっき皮膜の場合、めっき皮膜厚が2μm以上になると、めっき直後の一次密着性は良好でも、めっきに連続的に衝撃を加えていくと、非常に早い段階でめっき皮膜が磨耗するか、あるいは衝撃により剥離する(以下、「耐連続衝撃性」という。)という問題があることが分かった。また、このような現象は、シアン浴中で電気めっきにより形成した銅−錫合金めっきよりも、ノーシアン浴中で電気めっきにより形成した銅−錫合金めっきで特に顕著にみられることも分かった。
特開2004-91882号公報 特開2001-342592号公報 特開2002-80993号公報 特開2002-241987号公報 特開2004-35980号公報
従って、本発明の課題は、上記ノーシアンタイプ浴で製造した銅−錫合金めっき皮膜の場合に、めっき皮膜厚が2μm以上になると、めっき直後の一次密着性は良好でも、めっきに連続的に衝撃を加えていくと、非常に早い段階でめっき皮膜が磨耗するか、あるいは衝撃により剥離してしまうという耐連続衝撃性の問題を解決することにある。
そこで、本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、銅−錫合金めっきの耐連続衝撃性を向上させるために、シアンを含有しないノーシアンタイプの銅−錫合金めっき浴で作成した銅−錫合金めっきに対して、ベーキング処理を行うことが有効であることを見出し、本発明を完成した。
めっき後にベーキング処理を行うことに関しては、従来より、ニッケル系めっき、あるいはクロムめっき分野において水素脆性によるめっき剥離を防止するため、または、ニッケルーリン系めっきにおいては、ベーキングによる合金化処理によりその皮膜硬度を上昇させるために、電子部品分野における錫めっきにおいては、ベーキングにより錫を溶融させリフローさせることにより、錫めっきのウィスカーを抑制するために、ベーキング処理が行われることがあった。また、銅−錫合金自体を形成させることを目的に、具体的には、銅めっき及び錫めっきを連続で別々に形成させた後、ベーキング処理を行い銅及び錫を熱拡散させることにより、銅−錫合金を形成させるベーキング処理が行われてきた。しかし、ベーキング処理を銅−錫合金めっき自体の耐連続衝撃性を向上させることを狙いとして適用した例は全く無く、本発明者等が、特にノーシアンタイプのめっき浴で電気めっきにより形成させた銅−錫合金めっきの耐連続衝撃性の向上に、特定条件でのベーキング処理が有効であることを始めて見出し、本発明を開発するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の構成よりなる。
1.金属または表層に金属層を有するセラミックの中から選ばれる素材に、少なくとも可溶性銅塩及び可溶性錫塩、有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可溶性塩、さらに、分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤から構成されるシアンを含有しない銅−錫合金めっき浴中で、電気めっきを施した後、下記式(1)
Figure 2008291287
(式中、KMは雰囲気温度(℃)であって、次式:60℃≦KM≦250℃の条件を満たし、Tはベーキング時間(hour)である。)を満足する、雰囲気温度(KM)(℃)中でT時間ベーキング処理することを特徴とする銅−錫合金めっきの製造方法。
2.表層に金属層を有するプラスチックの中から選ばれる素材に、少なくとも可溶性銅塩及び可溶性錫塩、有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可溶性塩、さらに、分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤から構成されるシアンを含有しない銅−錫合金めっき浴中で、電気めっきを施した後、下記式(2)
Figure 2008291287
(式中、KPは雰囲気温度(℃)であって、次式:60℃≦KP≦150℃の条件を満たし、Tはベーキング時間(hour)である。)を満足する、雰囲気温度(KP)(℃)中でT時間ベーキング処理することを特徴とする銅−錫合金めっきの製造方法。
3.分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤が、分子中に炭素原子と窒素原子を含有する有機物、及び/または分子中に炭素原子と硫黄原子を含有する有機物である前記1または2に記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
4.分子中に炭素原子と窒素原子を含有する有機物が、アミン誘導体1モルに対して、エピハロヒドリン0.5モル〜2モル、グリシジルエーテル系化合物0.1モル〜5モル配合した混合物及び/またはそれらの一部あるいは全部が反応した反応生成物である前記3に記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
5.前記反応生成物が、アミン誘導体としてジエチレンジアミン(ピペラジン)及び/または1−(2−アミノエチル)ピペラジン、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリン、グリシジルエーテル系化合物としてエチレングリコール・エピクロロヒドリン0〜2モル付加物のポリグリシジルエーテルである前記4に記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
6.ベーキング時間(T)が、0.5〜48時間である前記1〜5のいずれかに記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
7.電気めっき終了後直後から、ベーキング開始までの、時間が72時間以内である前記1〜6のいずれかに記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
8.有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可性塩が、硫酸、アルカンスルホン酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、スルホコハク酸、ピロ燐酸、及びこれらの可溶性塩の中から選ばれる少なくとも1種である耐連続衝撃性に優れた、前記1〜7のいずれかに記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
9.銅−錫合金めっきが、銅及び錫の含有率が銅/錫=70/30〜30/70wt%の銅−錫合金めっきである前記1〜8のいずれかに記載の銅−錫合金めっき製品の製造方法。
10.銅−錫合金めっきの膜厚が、2〜35μmである前記1〜9のいずれかに記載の銅−錫合金めっき製品の製造方法。
発明の実施の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銅−錫合金めっきの製造方法の対象となる被めっき物については、特に限定はなく通電可能な物で有ればよい。例えば、鉄、ステンレス、鋼、銅、真鍮等の金属素材、あるいは前記金属素材、またはセラミックあるいはプラスチック素材に予めなんらかの金属めっきが施された物等が挙げられる。
前記セラミックあるいはプラスチック素材に予め行う金属めっきの種類、及びこれを単層でおこなうのか複層でおこなうのかは、特に限定はなく用途に応じて選択できるが、本発明で行なう銅−錫合金めっきとの相性からは、銅−錫合金めっき層と直接接する下地となる金属めっき処理としては、銅含有量が80wt%以上の銅めっき、ニッケル含有量が80wt%以上のニッケルめっき、もしくは錫含有量が80wt%以上の錫めっきが好ましく、中でも、銅含有量が90wt%以上の銅めっき、または錫含有量が90wt%以上の錫めっきが、耐連続衝撃性をより向上させるので好ましい。
本発明では、少なくとも、被めっき物に後述するノーシアンタイプの銅−錫合金めっき浴を用いて、電気めっき行い、銅及び錫の含有量が銅/錫比で銅/錫=30/70〜70/30wt%の銅−錫合金めっきを施した後に何らかの炉に入れ、素材の種類(金属またはセラミックの場合と、プラスチックの場合)により異なる特定の条件でベーキング処理を行うことを特徴とする。
まず、素材が、金属またはセラミックの場合は、下記式(1)を満足する雰囲気温度(KM)(℃)でT時間ベーキング処理を施す。
Figure 2008291287
式(1)中、雰囲気温度KM は60℃≦KM≦250℃の範囲であり、Tは処理時間(hour )である。
(KM×T)が30未満か6000を超えると、耐連続衝撃性の改善が得られない。好ましい(KM×T)は100〜3000であり、200〜2000がより好ましい。
また、雰囲気温度(KM)は、60℃≦KM≦250℃とする。60℃未満では、処理時間及び(1)式に関係なく耐連続衝撃性を向上させる効果が得られない。また、250℃を超えると、むしろ耐連続衝撃性が劣化するため好ましくない。より好ましい温度範囲は、80℃〜200℃であり、さらに好ましい温度範囲は、100℃〜150℃である。
一方、素材がアミド樹脂、ABS樹脂等のプラスチック素材の場合は、下記式(2)を満足する雰囲気温度(Kp)(℃)でT時間ベーキング処理を施す。
Figure 2008291287
式(2)中、雰囲気温度(Kp)は、60℃≦KP≦150℃の範囲であり、Tは処理時間(hour)である。
(KP×T)が30未満か、あるいは5000を超えると、ともに耐連続衝撃性の改善効果が得られない。好ましい(KP×T)は100〜3000であり、400〜2000がより好ましい。
また、雰囲気温度(KP)は、60℃≦KP≦150℃とする。KPが60℃未満では、処理時間及び(2)式に関係なく、耐連続衝撃性の改善が得られないため好ましくなく、150℃を超えると耐連続衝撃性がむしろ劣化するので好ましくない。60℃〜130℃がより好ましく、さらに80℃〜110℃が一層好ましい。
なお、ベーキング処理時間は、素材に関係なく、0.5〜48時間が好ましい。1〜24時間がより好ましく、さらに6〜12時間が一層好ましい。
ベーキング処理の際の炉内の雰囲気ガスは、品質に悪影響を及ぼさない限り、自由に選択できる。例えば、窒素等の還元性ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、及び大気等を利用でき、用途に合わせて選択できる。中でも、品質に問題が生じなければ、コストの観点から、大気中で行うのが最も好ましい。
本発明の銅−錫合金めっき浴は、少なくとも可溶性銅塩及び可溶性錫塩、有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可溶性塩、さらに、分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤から構成されるシアンを含有しない銅−錫合金めっき浴であれば、いずれのものも使用することが出来る。
可溶性銅塩としては、銅のシアン塩以外の可溶性銅塩であれば何を利用してもよく、特に限定されない。例えば、第一銅塩としては、酸化第一銅、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅が挙げられ、第2銅塩としては、酸化第二銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、炭酸第二銅、メタンスルホン酸第二銅等の有機スルホン酸第二銅、スルファミン酸第二銅、ピロリン酸第二銅、リン酸第二銅、酢酸第二銅、クエン酸第二銅、グルコン酸第二銅、酒石酸第二銅、乳酸第二銅、コハク酸第二銅、イセチオン酸第二銅、ホウフッ化第二銅、ギ酸第二銅、ケイフッ化第二銅等が挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種の可溶性銅塩が使用できる。
これらの中でも、酸化第一銅、硫酸第二銅、ピロリン酸第二銅、メタンスルホン酸第二銅を使用しためっき浴で電気めっきされた銅−錫合金が、本発明の特定のベーキング処理において、最も効果が得られるので好ましく、中でも最も顕著な効果が得られるのはピロリン酸第二銅である。
可溶性錫塩としては、錫のシアン塩以外の可溶性錫塩であれば何を利用してもよく、特に限定されない。例えば、第一錫塩としては、メタンスルホン酸第一錫等の有機スルホン酸第一錫、ピロリン酸第一錫、塩化第一錫、硫酸第一錫、酢酸第一錫、スルファミン酸第一錫、グルコン酸第一錫、酒石酸第一錫、酸化第一錫、ホウフッ化第一錫、イセチオン酸第一錫、コハク酸第一錫、乳酸第一錫、クエン酸第一錫、リン酸第一錫、ヨウ化第一錫、ギ酸第一錫、ケイフッ化第一錫が挙げられ、第2錫塩としては、錫酸ナトリウム、錫酸カリウムが挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種の可溶性錫塩が使用できる。
これらの中でも、酸化第一錫、ピロリン酸第一錫、硫酸第一錫、メタンスルホン酸第一錫を使用しためっき浴から電気めっきされた銅−錫合金が、本発明の特定のベーキング処理において、最も効果が得られるのでこのましく、中でも最も本発明において顕著な効果が得られるのは、ピロリン酸第一錫である。
可溶性銅塩及び可溶性錫塩の配合量は、めっきにより形成される銅−錫合金の組成が、銅/錫比で銅/錫=30/70〜70/30wt%の範囲になるように、夫々の浴の種類及びめっき条件にあわせて配合量を適宜選択すればよいが、好ましくは、可溶性銅塩の配合量は、銅として0.01g/L〜100g/Lが好ましく、特に0.1g/L〜30g/Lが好ましい。また、可溶性錫塩の配合量は、錫として0.1g/L〜200g/Lが好ましく、特に1g/L〜80g/Lが好ましい。
有機酸及び/または無機酸及びこれらの可溶性の塩としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ギ酸、乳酸、プロピオン酸、酢酸、グルコン酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、トリカルバル酸、フェニル酢酸、安息香酸、アニス酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ポリリン酸、ヘキサメタリン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、硝酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、クロロプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−スルホ酢酸、2−スルホプロピオン酸、3−スルホプロピオン酸、スルホコハク酸、スルホマレイン酸、スルホフマル酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホサリチル酸、ベンズアルデヒド酸、p−フェノールスルホン酸、またはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びモノエチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等から選ばれる有機アミン塩から選ばれる1種または2種以上を使用することが出来る。
これらの中でも、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、スルホコハク酸、ピロリン酸およびこれらの可溶性塩が好ましく、中でも、硫酸、メタンスルホン酸、ピロ燐酸およびこれらの可溶性塩が特に好ましい。塩としては、これらのナトリウム塩またはマグネシウム塩またはカリウム塩が好ましい。
これらの配合量は、浴電圧及び銅−錫合金比率の安定性の観点から適宜選択できるが、5g/L〜1000g/Lが好ましい。
本発明では、分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤を使用する。この添加剤は必須であり、この添加剤が含有されていないと、たとえ、本発明による最適なベーキング処理条件でベーキングしたとしても、本発明の効果が得られない。
分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤(光沢剤ともいう。)としては、例えば、メチオニン及び/またはメチオニン誘導体、チオ尿素またはその誘導体、2−メルカプト基含有芳香族化合物、アミン誘導体、エピハロヒドリン及びグリシジルエーテル系化合物の混合物及び/またはそれらの一部あるいは全部が反応した反応生成物、ジチオグリコール系添加剤等が挙げられる。
これらの光沢剤のなかでも、分子中に炭素原子と窒素原子を含有する有機物、及び/または分子中に炭素原子と硫黄原子を含有する有機物が特に好ましく、特に炭素原子と窒素原子を含有する有機物が最も好ましい。
これらの分子中に炭素と窒素を含有する添加剤の中でも、アミン誘導体1モルに対して、エピハロヒドリン0.5モル〜2モル、グリシジルエーテル系化合物0.1モル〜5モル配合した混合物及び/またはそれらの一部あるいは全部が反応した反応生成物が好ましく、さらには、アミン誘導体としてはジエチレンジアミン(ピペラジン)及び/または1−(2−アミノエチル)ピペラジン、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリン、グリシジルエーテル系化合物として、さらに下記一般式(I)
Figure 2008291287
(式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、各々次式(II)
Figure 2008291287
で表される基を表し、nは0または1である。)
で示されるエチレングリコール・エピクロロヒドリン0〜2モル付加物のポリグリシジルエーテルが好ましい。
添加剤の配合量は最適な配合量を適宜選択できるが、通常0.001g/L〜200g/Lの範囲であり、0.005g/L〜100g/Lが好ましく、さらに0.1g/L〜50g/Lの範囲が最も好ましい。
本発明では、上記めっき浴に必要に応じて、その他の添加剤として、既に公知の界面活性剤、応力減少剤、電導性補助剤、酸化防止剤、消泡剤、pH緩衝剤、皮膜改質剤、他の光沢剤も適宜選択して添加することもできる。これらの添加剤の内、界面活性剤は、連続衝撃時の剥離やワレの起点となりうる、ピットを防止するのに有効である。
より具体的には、カチオン系界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデセニルジメチルエチルアンモニウム塩、ドデシルジメチルアンモニウムベタイン、オクタデシルジメチルアンモニウムベタイン、ジメチルベンジルドデシルアンモニウム塩、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ドデシルピコリニウム塩、ドデシルイミダゾリニウム塩、オレイルイミダゾリニウム塩、オクタデシルアミンアセテート、ドデシルアミンアセテート等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、(ポリ)アルキルナフタレンスルホン酸塩等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリアルキレングリコール、高級アルコール、フェノール、アルキルフェノール、ナフトール、アルキルナフトール、ビスフェノール類、スチレン化フェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、スルホンアミド、リン酸、多価アルコール、グルコシド等のポリオキシアルキレン付加物(オキシエチレンとオキシプロピレンのブロック共重合体を含む)などが挙げられ、さらに具体的には、ノニルフェノールポリエトキシレート、オクチルフェノールポリエトキシレート、ドデシルアルコールポリエトキシレート、スチレン化フェノールポリエトキシレート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、クミルフェノールポリエトキシレート、ポリオキシエチレンα−ナフトール、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、各種の型のものが使用でき、例えば、ベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、また、エチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドとアルキルアミンまたはジアミンとの縮合生成物の硫酸化あるいはスルホン化付加物も使用できる。
さらに、上記炭化水素系界面活性剤(両性、ノニオン、カチオン、アニオン型)の水素の1つ以上をフッ素に置き換えたフッ素系界面活性剤を使用することにより、炭化水素系界面活性剤より微量の添加でも、炭化水素系界面活性剤と同等以上の添加効果が得られ、尚かつ、めっき浴の液安定性もさらに向上する。
界面活性剤のめっき液中への添加量としては、0.001g/L〜20g/Lが好ましく、0.005g/L〜10g/Lがさらに好ましく、0.01g/L〜5g/Lが特に好ましい。界面活性剤の含有量が0.001g/Lより少ないと界面活性剤添加による効果が得られず、また20g/Lより多くてもそれ以上の効果を得ることができず経済的に不利になるばかりでなく、めっき液の発泡が激しくなり、環境に対して悪影響がある点でも好ましくない。
応力減少剤としては、例えば、ナフトールスルホン酸、サッカリン、1−5ナフタレンジスルホン酸ナトリウム等が挙げられ、電導性補助剤としては、塩酸、硫酸、酢酸、硝酸、スルファミン酸、ピロリン酸、ホウ酸等の酸と、それらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール等のヒドロキシフェニル化合物や、αまたはβ−ナフトール、フロログルシン、L−アスコルビン酸、ソルビトール、エリソルビン酸等が挙げられる。
pH緩衝剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、リン酸ニ水素ナトリウム、リン酸ニ水素カリウム、リン酸ニ水素アンモニウム等が挙げられる。
消泡剤、及び他の光沢剤としては、銅めっき、錫めっき、銅−錫合金めっき及び一般めっき用の市販のものを適宜選択して利用できる。
皮膜改質剤としては、市販のものを適宜選択して利用できる。例えば、水溶性金塩、水溶性銀塩、水溶性亜鉛塩、水溶性ビスマス塩、水溶性ニッケル塩、水溶性コバルト塩、水溶性鉄塩、水溶性パラジウム塩、水溶性アンチモン塩、及び水溶性鉛塩等から選ばれる1種または2種以上の水溶性金属塩等を使用できる。
これら応力減少剤、電導性補助剤、酸化防止剤、消泡剤、pH緩衝剤、皮膜改質剤のめっき浴の配合量としては、めっきの品質に悪影響を及ぼさない範囲で、適宜選択して配合することができる。
めっき時のめっき液の浴温は、特に制限されないが、10〜70℃とすることが好ましい。10℃未満の低温では析出効率が低下する傾向があり、70℃を超える高温では、めっき液の蒸発、第一錫イオンの酸化促進により、めっき液の組成を安定化させることが困難となる。特に好ましい浴温は20〜40℃である。
めっき時の電流密度は、めっき方法、被めっき物の形状、目的とするめっきの組成及び仕上がり外観等に応じて適宜最適な電流密度を選択し設定することができる。例えば、バレルめっき、ラックめっきの場合0.03A/dm2〜10A/dm2であり、ジェットめっきのような強い液流動をともなう高速めっきでは、50A/dm2程度までのより高い電流密度を利用できる。
陽極としては、可溶性陽極(例えば、錫陽極、銅−錫合金陽極等)、不溶性陽極(例えば、ステンレス、炭素、白金陽極、チタン陽極、チタン−白金陽極、イリジウムオキサイド被覆チタン電極のような酸化物被覆陽極等)等の銅−錫合金めっき用として利用可能な公知の陽極が利用できる。
前述したノーシアンめっき浴で形成される銅−錫合金めっきの銅及び錫の含有量は、銅/錫組成比で、銅/錫=30/70〜70/30wt%とする。この組成比が、この範囲から外れると、ベーキングによる耐連続衝撃性の向上効果は得られない。より好ましくは銅−錫合金めっきの銅/錫比が銅/錫=60/40〜30/70wt%が好ましい。
本発明における銅−錫合金皮膜のめっき厚は、2μm〜35μmとする。2μm未満及び35μm超では、ベーキングによる効果が得られにくくなる。より好ましいめっき厚は、3〜20μmであり、より好ましくは、3〜10μmである。
本発明の実施の形態は、(1)前述した金属、または予め金属めっきを施したプラスチックまたはセラミックスに、公知の方法でめっき前処理を行い、ノーシアンタイプの銅−錫合金めっき浴を用いて電気めっきを行う工程と、(2)その後に少なくともベーキング処理を行う工程を含み、その両工程の前後に、脱脂工程、活性化処理工程、水洗工程、乾燥工程、その他のめっき工程、化成処理工程等を適宜、目的・用途に合わせて選択し、組み合わせて利用することができる。
他の工程との組み合わせの例としては、例えば、金属、または予め金属めっきを施したプラスチックまたはセラミックスに、適宜、脱脂、活性化処理、水洗等の前処理を施した後、前述したノーシアンタイプの銅−錫合金めっき浴にて電気めっき工程を行い、水洗工程、乾燥工程後、ベーキング処理工程を行うなどが挙げられる。銅−錫合金めっきの後に他の金属めっきや後処理等を施してもよいし、乾燥とベーキング処理を同一工程で行ってもよい。
但し、銅−錫合金めっき工程〜ベーキング処理工程を開始するまでの時間は72時間以内とし、より好ましくは48時間以内、さらに好ましくは24時間以内とする。72時間を超えると、ベーキング処理による効果が得られなくなる。
プラスチックまたはセラミックスに予め銅系めっき、ニッケル系めっき等の金属めっきを施すための手段は、本発明では何ら限定されず、無電解めっき(化学)法等の公知の手段を利用することにより行うことが出来る。
例えば、プラスチック(ABS樹脂)に予め金属めっきを行う場合を例示すると、洗浄工程→エッチング工程→中和工程→活性化工程(酸浸漬処理→キャタリスト処理→アクセレーター処理)→化学めっき工程(無電電解めっき)→電気めっき工程のような方法を取ることができる。
ここで、電気めっき工程は1回のみでなく、何工程も繰り返すことにより複層とすることも可能である。また、電気めっき工程の前に酸浸漬処理等の活性化処理工程を設けることも出来、プラスチックの種類によっては、前処理前に熱処理を行うことも出来る。各工程には水洗工程を適宜設けることが出来る。
本願発明による銅−錫合金めっきの製造方法は、服飾品・装飾品用のめっきに好適に使用できるが、電子・電気部品等その他用途への適用も何ら制限するものではない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本願発明を説明するが、本願発明は以下の記載により限定されるものではない。
(1)添加剤(A)溶液の調製
アミン誘導体としてピペラジン、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリン、グリシジルエーテル系化合物としてエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用し、以下の添加剤Aを調製した。
添加剤(A):
温度計、蛇管冷却機及び撹拌機をセットした密閉式容器に水300mLとピペラジン1モルを投入し、撹拌溶解してピペラジン水溶液(a)を得た。また、エピクロロヒドリン0.8モル、エチレングリコールジグリシジルエーテル1.5モルを予め別容器で混合し混合物(b)を得た。この混合物(b)を撹拌状態で少量ずつピペラジン溶液(a)に投入後冷却し、水を添加し全量を2Lとし、添加剤(A)を得た。
(2)ノーシアンタイプ銅−錫合金めっき浴
以下のノーシアンタイプのめっき浴(1)、(2)を使用した。
ノーシアンタイプ銅−錫合金めっき浴(1)
ピロ燐酸カリウム:350g/L
ピロ燐酸第二銅 : 4g/L
ピロ燐酸第一錫 : 35g/L
pH: 7.5
メタンスルホン酸: 60g/L
添加剤(A): 1ml/L
ノーシアンタイプ銅−錫合金めっき浴(2)
ピロ燐酸カリウム:300g/L
ピロ燐酸第二銅 : 30g/L
ピロ燐酸第一錫 : 15g/L
pH: 7.5
メタンスルホン酸: 55g/L
実施例1
予め銅めっき10μm(銅≒100wt%)が施されたプラスチック(ABS樹脂)素材(100mm×650mm)を、浸漬脱脂(エースクリーン5300(奥野製薬工業(株)製):50g/L,50℃,0.5分)を行い、水洗後、さらに電解脱脂(エースクリーン5300(奥野製薬工業(株)製):50g/L,50℃,5V,1分),そして水洗を行った。その後、エッチング処理(硫酸30ml/L、酢酸30ml/L、過酸化水素水40ml/L、室温、15秒)後、さらに3.5%塩酸溶液に室温で1分浸漬後、水洗を行い、めっき浴(1)中で26℃、電流密度1.0A/dm2、揺動(8cm/秒)を行いながら,所定皮膜厚によるようにめっき時間を調整し、めっきを行った後、水洗、乾燥後、表1に示すベーキング条件でベーキングを行い、実施例1のめっき品を得た。
この、めっき品の色調、耐食性、密着性、耐連続衝撃性を下記評価法により評価し、表1にまとめて示した。なお、銅ー錫めっきの銅及び錫の組成(オージェ電子分光法により測定。以下同様)は、銅/錫比が銅/錫=60/40〜30/70wt%の範囲であった。
[皮膜厚]
めっき品の断面を電子顕微鏡で観察し、めっき厚を測定した。
[色調]
めっき品の光沢の有無及び色調を目視により評価した。
[耐食性]
恒温恒湿試験(60℃,98%RH)を行い、20時間後の外観の変色の有無で下記の基準により評価した。
◎:変色面積が表面積の5%以下、
○:表面積の5%超10%以下が変色、
△:表面積の10%超25%未満が変色、
×:表面積の25%以上が変色。
[密着性]
めっきの表面を、2mm碁盤目にカットし、その後テープ剥離を行った、その時のめっき剥離の有無を目視で下記の基準により評価した。
◎:めっき剥離無し、
△:わずかなめっき剥離有り、
×:めっき剥離大。
[連続衝撃性]
めっき品を30mm×30mmに剪断し、そのめっき面の裏面に約135gの重りを貼り付けたものを10個準備する。直径7mmのセラミックビーズと正4面体(一辺14mm)のセラミックの混合物が容量で50%程度入った水平回転式六角筒状バレル(図1)の中に、先ほど準備しためっき品を2個投入した後、1分間に8回転の回転数でバレルを回転させる。観察は、1時間ごとにバレルを停止させ、めっき品を取り出し、めっきの剥離あるいはワレがないか観察し、はじめてワレ及び/または剥離が生じた時間を最大耐久時間として記録する。この試験を3回繰り返し、計6個の最大耐久時間の平均を計算し、その平均時間を評価の対象とし、以下の評価基準により判断した。
◎:12時間以上、
○+:8時間以上12時間未満、
○:6時間以上8時間未満、
△:4時間以上6時間未満、
×:4時間未満。
実施例2〜16及び比較例1〜4、6
ベーキング条件が異なるのみで、実施例1と同様の手順で、めっきを行い実施例2〜16及び比較例1〜4、6のめっき品を得た。このめっき品の色調、耐食性、密着性、耐連続衝撃性を実施例1と同じ方法で評価し、表1にまとめて示した。なお、銅−錫めっきの銅及び錫の組成は、銅/錫比が銅/錫=60/40〜30/70wt%の範囲であった。
比較例5
めっき浴(2)を使用した以外は、実施例1と同様の手順で、めっきをおこない、比較例5のめっき品を得た。この、めっき品の色調、耐食性、密着性、耐連続衝撃性を実施例1と同じ方法で評価し、表1にまとめて示した。なお、銅−錫めっきの銅及び錫の組成は、銅/錫比が銅/錫=60/40〜30/70wt%の範囲であった。
実施例17〜26及び比較例7〜11
素材として真鍮版(100mm×650mm)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順でめっきを行い、表1に示すベーキングを行った。このめっき品の色調、耐食性、密着性、耐連続衝撃性を実施例1と同じ方法で評価し、表1にまとめて示した。なお、銅−錫めっきの銅及び錫の組成は、銅/錫比が銅/錫=60/40〜30/70wt%の範囲であった。
比較例12
素材として真鍮版(100mm×650mm)を使用し、めっき液としてめっき浴(2)を使用した以外は、実施例1と同様の手順でめっきを行い、表1に示すベーキングを行った。このめっき品の色調、耐食性、密着性、耐連続衝撃性を実施例1と同じ方法で評価し、表1にまとめて示した。なお、銅−錫めっきの銅及び錫の組成は、銅/錫比が銅/錫=60/40〜30/70wt%の範囲であった。
Figure 2008291287
実施例及び比較例で作製されためっき品の耐連続衝撃性評価に用いた水平回転式六角筒状バレルの概念図。

Claims (10)

  1. 金属または表層に金属層を有するセラミックの中から選ばれる素材に、少なくとも可溶性銅塩及び可溶性錫塩、有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可溶性塩、さらに、分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤から構成されるシアンを含有しない銅−錫合金めっき浴中で、電気めっきを施した後、下記式(1)
    Figure 2008291287
    (式中、KMは雰囲気温度(℃)であって、次式:60℃≦KM≦250℃の条件を満たし、Tはベーキング時間(hour)である。)を満足する、雰囲気温度(KM)(℃)中でT時間ベーキング処理することを特徴とする銅−錫合金めっきの製造方法。
  2. 表層に金属層を有するプラスチックの中から選ばれる素材に、少なくとも可溶性銅塩及び可溶性錫塩、有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可溶性塩、さらに、分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤から構成されるシアンを含有しない銅−錫合金めっき浴中で、電気めっきを施した後、下記式(2)
    Figure 2008291287
    (式中、KPは雰囲気温度(℃)であって、次式:60℃≦KP≦150℃の条件を満たし、Tはベーキング時間(hour)である。)を満足する、雰囲気温度(KP)(℃)中でT時間ベーキング処理することを特徴とする銅−錫合金めっきの製造方法。
  3. 分子中に炭素原子と窒素原子及び/または硫黄原子とから選ばれる原子を含有する物質よりなる添加剤が、分子中に炭素原子と窒素原子を含有する有機物、及び/または分子中に炭素原子と硫黄原子を含有する有機物である請求項1または2に記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
  4. 分子中に炭素原子と窒素原子を含有する有機物が、アミン誘導体1モルに対して、エピハロヒドリン0.5モル〜2モル、グリシジルエーテル系化合物0.1モル〜5モル配合した混合物及び/またはそれらの一部あるいは全部が反応した反応生成物である請求項3に記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
  5. 前記反応生成物が、アミン誘導体としてジエチレンジアミン(ピペラジン)及び/または1−(2−アミノエチル)ピペラジン、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリン、グリシジルエーテル系化合物としてエチレングリコール・エピクロロヒドリン0〜2モル付加物のポリグリシジルエーテルである請求項4に記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
  6. ベーキング時間(T)が、0.5〜48時間である請求項1〜5のいずれかに記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
  7. 電気めっき終了後直後から、ベーキング開始までの、時間が72時間以内である請求項1〜6のいずれかに記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
  8. 有機酸及び/または無機酸及び/またはこれらの可性塩が、硫酸、アルカンスルホン酸、グルコン酸、クエン酸、酒石酸、スルホコハク酸、ピロ燐酸、及びこれらの可溶性塩の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の銅−錫合金めっきの製造方法。
  9. 銅−錫合金めっきが、銅及び錫の含有率が銅/錫=70/30〜30/70wt%の銅−錫合金めっきである請求項1〜8のいずれかに記載の銅−錫合金めっき製品の製造方法。
  10. 銅−錫合金めっきの膜厚が、2〜35μmである請求項1〜9のいずれかに記載の銅−錫合金めっき製品の製造方法。
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