JP2016079506A - 表面の虹色着色処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】銅系金属表面の少なくとも一部を虹色に着色するための処理方法及び前記方法を含む服飾品または装飾品の製造方法の提供。
【解決手段】被めっき素材を、水溶性銅塩、水溶性錫塩及びピロリン酸のアルカリ金属塩を必須成分とするめっき浴により電気めっきするめっき工程、及び得られためっき物を亜塩素酸塩類及びアルカリ金属の水酸化物を含有し亜塩素酸塩類の濃度が0.5〜220g/Lである亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬する化成処理工程を有することを特徴とする、表面の少なくとも一部を虹色に着色する表面処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブローチ、ボタン、カフスボタン、スナップボタン、フック&アイ、ハトメ、バックル、スライドファスナー類、ループ類等の服飾品、ネックレス、イヤリング等の装飾品、及び玩具、その他工業用品等に利用さる金属の表面外観を、有機系塗料等を使用せず表面の少なくとも一部が虹色になるような外観に着色するための表面処理方法に関するものである。さらに詳しく言えば、被めっき物に水溶性銅塩、水溶性錫塩及びピロリン酸のアルカリ金属塩を必須成分とするめっき浴中で電気めっきした後に、特定の亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬することにより、表面の少なくとも一部を虹色に着色する表面処理方法、及び前記方法を含む服飾品または装飾品の製造方法に関するものである。
衣料品メーカーでは、衣類、袋物等の縫製の際に使用する針が衣類中に残留することによる人体への刺傷の危険性が問題視されており、これを防止するために磁気探針が実施されている。そのため、服飾品用途として利用される金属としては、磁性のない非磁性の金属を利用することが必要であり、中でもニッケルと比較してアレルゲンになりにくい物質であることから、銅系の金属が利用されることが多い。
これら銅系金属を、実際に服飾品または装飾品等の分野で使用するにあたっては、その機能とともに、表面(外観)がどのような色調であるかが非常に重要であり、服飾品、装飾品等の製造に関わるメーカーにとっては、他の製品と差別化した色調の製品をいかに提供するかということが関心事の一つであり、また要求される品質ともなっている。
銅系金属の表面を様々な色調に着色する従来の方法としては主に下記の(1)及び(2)に大別される。
(1)有機系塗料等により表面コーティングする方法、すなわち、所望の色を発色させるために顔料または染料を適宜含有した有機系塗料により塗装(コーティング)する方法。
(2)有機系塗料を使用しない方法として、例えば、金属それ自体の色調をそのまま利用する方法、あるいは、金属表面に何らかの化成処理を施すことにより表面を特定の色に着色(発色)させる方法。
(1)による有機系塗料のコーティングによる方法では、顔料(着色顔料、光輝材等)、染料等の選択、組み合わせにより、任意の様々な色に着色可能であるため、虹色を有した皮膜も、コーティング方法、顔料等の工夫により可能かもしれないが、この虹色着色皮膜は有機系皮膜であるため、皮膜によっては傷が目立ちやすい等の問題が生じることがある。
一方、(2)の有機系塗料を使用しない方法としては、まず、金属自体が本来持っている色調を利用する方法が挙げられる。例えば、銅−錫合金においては、金属中の銅及び錫の含有率を変えることにより、赤黄色〜銀白色〜白色(電着合金の場合)、銅赤色〜灰黄色〜銀白色〜暗灰色〜淡灰色〜蒼灰色〜銀灰色(鋳造合金の場合)等の外観色が得られることが知られている。特許文献1、特許文献2または特許文献4においては、銅−錫合金めっきとして、赤銅色、黄色(黄金色)、白色、銀白色等の色調のものが記載されている。また、特許文献3及び特許文献4においては、特定の添加剤、界面活性剤等を添加しためっき浴でめっきすることにより、黒色系の色調を有した銅−錫合金めっきが提案されている。
次に、金属表面に何らかの化成処理(後処理)を施すことにより着色させる方法としては、古くから銅系金属(及び鉄系金属)のような金属を黒色化させる用途として、各種薬品メーカーより強アルカリの薬液(亜塩素酸塩系溶液等)等による各種黒染め処理(黒色化処理)薬液が市販されており、これにより銅、鉄系金属においては黒色の色調が得られることが広く知られている。
また、金属表面に、(有色(黄色))クロメート処理を施すことにより、金属とクロメート処理の組み合わせによっては色調として、虹色の外観が得られることがあることが知られているが、クロムを使用しているため、人体と接触する可能性の高い装飾品、服飾品としてはあまり好ましくない。
以上のように、有機系塗料等を使用せず、装飾品、服飾品用途としても適用可能な、表面の少なくとも一部を虹色の色調にする着色処理方法は実用化されていない。そのため、他の製品との差別化をはかる色調の一つとして、有機系塗料、クロメート等を使用せず金属の表面を虹色の色調に着色するための処理方法の確立が望まれていた。
特許第4249438号公報 特許第3455712号公報 特許第4299239号公報 特許第3674887号公報
本発明の課題は、銅系金属表面の少なくとも一部を虹色に着色するための処理方法及び前記方法を含む服飾品または装飾品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、金属表面を、有機系塗料またはクロメート等に頼らずに虹色に着色するために、銅系金属表面と無機系処理液による化成処理に関して鋭意検討を行った結果、特定組成の銅−錫系めっき浴でめっきした後に、その表面を特定の亜塩素酸塩系化成処理液で処理することにより虹色に着色することが可能であることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、下記[1]〜[5]の金属表面の虹色着色処理方法、[6]の表面が虹色の色調を有する銅系金属めっきからなる服飾品及び装飾品の製造方法に関するものである。
[1]被めっき素材を、水溶性銅塩、水溶性錫塩及びピロリン酸のアルカリ金属塩を必須成分とするめっき浴により電気めっきするめっき工程、及び得られためっき物を亜塩素酸塩類及びアルカリ金属の水酸化物を含有し亜塩素酸塩類の濃度が0.5〜220g/Lである亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬する化成処理工程を有することを特徴とする、表面の少なくとも一部を虹色に着色する表面処理方法(ただし、前記虹色とは、処理後の表面が有している色を、目視により赤系、黄〜金系、緑系、青系、紫系、白〜銀系、黒系及びこれら前述の色以外の色の8種に分類して判定した結果、青系または緑系の色の中から1色以上、かつ赤系、黄〜金系、紫系の色の中から2色以上の色を有したものをいう。)。
[2]めっき浴中にグリシジルエーテル系化合物を含有する前記1に記載の方法。
[3]めっき浴中の水溶性銅塩及び水溶性錫塩の濃度が、金属銅、金属錫の質量換算で銅/錫=1.5〜6.5である前記1または2に記載の方法。
[4]亜塩素酸塩系化成処理液が、さらにリン酸類及びグリコール類から選択される少なくとも1種を含有する前記1〜3のいずれかに記載の方法。
[5]前記化成処理工程の後、保護皮膜を形成する工程を有する前記1〜4のいずれかに記載の方法。
[6]前記1〜5のいずれかに記載の方法により表面処理する工程を含む、表面の少なくとも一部が虹色の色調を有する服飾品または装飾品の製造方法。
従来、銅系金属表面の少なくとも一部を虹色に着色することを工業的に実用化するには、有機系塗料あるいはクロメート処理によってしかその可能性はなかったが、本発明により、有機系塗料(顔料及び/または染料含む)、クロメート処理に頼ることなく、全く新しい方法によって、表面の少なくとも一部が虹色の色調を有した銅系金属めっきよりなる製品を得ることが可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、被めっき素材に、水溶性銅塩、水溶性錫塩及びピロリン酸のアルカリ金属塩を必須成分とするめっき浴(ピロリン酸浴)を用いて電気めっきした後に、特定組成の亜塩素酸塩類、アルカリ金属の水酸化物を含有する亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬することを特徴とする。この特定のめっきと特定の化成処理の組み合わせによりはじめて、金属表面の少なくとも一部が虹色を有した色調の外観が得られる。
本発明において、虹色の色調とは、処理された物品表面が有している色を、目視により赤系、黄〜金系、緑系、青系、紫系、白〜銀系、黒系及びこれら前述の色以外の色の8種に分類して判定した結果、青系または緑系の色の中から1色以上、かつ赤系、黄〜金系、紫系の色の中から2色以上の色を有したものをいう。
好ましい色調としては、これらの色が斑模様及び/または縞模様(ただし、本発明では特に模様の形式にはこだわらない)になっている状態、または表面に干渉色を有している状態になり、全体として味わいのあるものになっている。
なお、前述の条件を満たしていれば、他の色が表面の外観に存在していてもよい。
水溶性銅塩としては、例えば、硫酸銅、メタンスルホン酸銅、ピロリン酸銅等のようなめっき液に溶解可能な銅塩であり、単独で使用してもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。中でもピロリン酸銅が最も好ましい。
水溶性錫塩としては、例えば、ピロリン酸第一錫、塩化第一錫、硫酸第一錫、メタンスルホン酸第一錫等のようなめっき液に溶解可能な錫塩であり、単独で使用してもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。中でもピロリン酸第一錫が最も好ましい。
ピロリン酸アルカリ金属塩としては、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。中でも、ピロリン酸カリウムが好ましい。
水溶性銅塩あるいは水溶性錫塩のいずれかを含まないピロリン酸浴を用いた場合は(すなわち、銅めっき、錫めっきでは)、本発明の効果は得られない。
水溶性銅塩及び水溶性錫塩の濃度は、特に限定されるものではないが、水溶性銅塩及び水溶性錫塩の好ましい配合比としては、金属塩中の金属銅ならびに金属錫の質量換算で銅/錫=1.5〜6.5が好ましい。より好ましくは、銅/錫=1.7〜4.5である。
また、めっき液中の水溶性銅塩の濃度は、金属銅の質量換算で3.5〜14g/Lであることがより好ましく、水溶性錫塩の濃度は、金属錫の質量換算で1.4〜4g/Lがより好ましい。
ピロリン酸のアルカリ金属塩の濃度は、特に限定されるものではないが、通常、ピロリン酸のアルカリ金属塩の濃度として、200g/L〜500g/Lが好ましい。
本発明では、さらに、めっき浴中にグリシジルエーテル系化合物を添加剤として含有させることが好ましい。グリシジルエーテル系化合物を含有させることにより、電気めっきの管理範囲が広くなり、安定した電気めっきが可能になる結果、めっきのバラツキ等の問題が少なくなり、その後の亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬する化成処理工程により本発明の効果である虹色発色効果を安定的に発現することが可能となる。
グリシジルエーテル系化合物としては、化合物中に少なくとも一つのグリシジルエーテル構造(例えば、式(I)の構造)を有する化合物、アミン誘導体、アルデヒド誘導体、エピハロヒドリン等のようなグリシジルエーテル構造を有しない他の化合物1種以上とグリシジルエーテル構造を有する化合物の少なくとも一部が反応してなる反応物、またはこれらの混合物等が挙げられる。
Figure 2016079506
グリシジルエーテル構造を有する化合物の中でも、分子中に2個以上のグリシジルエーテル構造を有する多官能グリシジルエーテルが好ましく、具体的には下記一般式(II)
Figure 2016079506
(式中、R1及びR2は同一でも異なってもよく、各々次式
Figure 2016079506
で示される基を表わし、nは0または1である。)で示されるエチレングリコール・エピクロロヒドリン0〜2モル付加物のポリグリシジルエーテルが好ましい。例えば、一般式(II)でn=0は、エチレングリコールジグリシジルエーテルである。
特に好ましいグリシジルエーテル系化合物としては、アミン誘導体及び/またはエピハロヒドリンと、分子中に2個以上のグリシジルエーテル構造を有する多官能グリシジルエーテルの少なくとも一部が反応してなる反応物、及び/またはこれらの混合物である。
この場合のアミン誘導体としては、例えばアンモニア、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジエチレンジアミン(別名:ピペラジン)、n−プロピルアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソプロパノールアミンなどが挙げられるが、中でもジエチレンジアミン(別名:ピペラジン)、1−(2−アミノエチル)ピペラジンが好ましい。また、エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられるが、エピクロロヒドリンが好ましい。
グリシジルエーテル系化合物のめっき浴中の含有量は特に限定されないが、通常、0.005g/L〜5g/Lの範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.01g/L〜1g/Lである。
本発明で使用するめっき浴ではシアン化物は使用しないことが好ましい。シアン化物は有毒であり作業者への負荷が大きくなるためである。
めっき浴としては、シアン化物を含有せず、前記グリシジルエーテル系化合物を含有するピロリン酸浴が特に好ましい。
本発明では、めっき浴中に、液の安定性向上のためにメタンスルホン酸等のような有機スルホン酸及びその塩を添加することができる。
また、市販のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤や、市販の応力減少剤、電導性補助剤、酸化防止剤、消泡剤、pH緩衝剤、他の光沢剤等の添加剤を適宜選択して添加することができる。
めっき浴のpHは、特に限定されないが、好ましくは5〜10の範囲に調整する。
上記のpHにめっき浴を調整するために必要に応じてpH調整剤を使用することができる。pH調整剤としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、有機スルホン酸、リン酸、縮合リン酸等が挙げられる。
めっきを行う場合のめっき浴の浴温は、特に制限されず適宜選択可能であるが、10℃〜60℃とすることが好ましい。特に好ましい浴温は20℃以上40℃以下である。
めっき時の電流密度としては、選択されるめっき方法、被めっき物の形状、めっき液の組成、めっき液の浴温、後述する亜塩素酸塩系化成処理液の組成ならびに処理条件等、本発明の範囲内での処理条件の様々な組み合わせと、要求される仕上がり外観等に応じて適宜最適な電流密度を選択し設定することができるが、通常は0.03〜10A/dm2の範囲で設定することが好ましい。
使用できる被めっき物としては、通電可能なものであれば特に制限されない。例えば、鉄、鋼、銅、真鍮、亜鉛等の金属素材、あるいはセラミックあるいはプラスチック素材あるいはダイキャスト素材に予めなんらかの金属めっきが施された物等が挙げられる。なお、服飾品、装飾品に適用される場合は、被めっき物としても、非磁性の金属素材ならびに金属めっきであることが好ましい。
本発明では前述の銅−錫系めっき浴にて電気めっきを行った後に特定の亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬する化成処理工程を有する。
亜塩素酸塩系化成処理液は、亜塩素酸塩類及びアルカリ金属の水酸化物を含み、亜塩素酸塩類の濃度は0.5〜220g/Lである。
亜塩素酸塩類の濃度が0.5g/L未満であるか、あるいはアルカリ金属の水酸化物を含有しない場合は、本発明の効果が得られないか、または得られたとしても虹色の色調となるのにかなりの時間を必要とするため、本発明には適さない。
亜塩素酸塩類の濃度が220g/L超では、それ以上の効果が得られないか、または、処理液の酸化力が強くなりすぎるため、工業的に生産可能な処理条件が得られなくなる。さらには、生産時の薬液の持ち出しによる薬液の損失が大きくなるという問題もあり、本発明には適さない。
亜塩素酸塩類のより好ましい濃度は1.5g/L〜150g/Lであり、もっとも好ましくは40g/L〜100g/Lである。
アルカリ金属の水酸化物含有量は、特に限定されないが、好ましくは1.25g/L〜800g/L、さらに好ましくは3.75g/L〜500g/Lである。
本発明において使用する亜塩素酸塩類とは、亜塩素酸とアルカリ金属及び/またはアルカリ土類金属の塩であり、例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カルシウム等が挙げられ、中でも亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。また、アルカリ金属の水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、中でも水酸化ナトリウムが最も好ましい。
このように、本発明による特定の銅−錫系めっき浴にて電気めっきを行った後にさらに上記の亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬することにより、虹色の色調を有した外観が初めて得られる。
本発明では、上述の亜塩素酸塩系化成処理液に好ましくはリン酸類またはグリコール類のいずれかを添加することが、表面の平滑性が向上するため好ましく、リン酸類、グリコール類を併用して添加することがより好ましい。
ここでいう、リン酸類とは、例えば、リンのオキソ酸(亜リン酸、次亜リン酸、リン酸)、縮合リン酸、及びリンのオキソ酸または縮合リン酸とアルカリ金属またはアルカリ土類金属との塩のことをいい、これらの少なくとも1種以上を使用することができる。
具体的には、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸カリシウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリリン酸が最も好ましい。
また、リン酸類の好ましい濃度は0.1g/L〜44g/Lであり、特に好ましくは0.3g/L〜30g/Lである。
グリコール類とは、炭化水素の分子中2つの炭素原子に1つずつヒドロキシ基が置換している構造を持つ化合物のことをいい、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、中でもエチレングリコールが好ましい。グリコール類の好ましい濃度は0.01g/L〜4.4g/Lであり、特に好ましくは0.03g/L〜3g/Lである。
亜塩素酸塩系化成処理液のpHは、特に限定されない。なお、pHを最適範囲に調整するためには、リン酸類以外の他の有機酸及び/または無機酸及びこれらの可溶性の塩をさらに添加することができる。例えば、塩酸、硫酸、アルキルスルホン酸等が挙げられ、中でも塩酸が好ましい。
化成処理温度は特に限定されないが、処理液温度として15℃〜80℃が好ましい。特に好ましくは25℃〜65℃である。
化成処理時間は特に限定されず、目視により表面が所望の虹色を有する色調となる最適な処理時間を選択することが可能であるが、生産性の観点から処理時間としては、10秒〜60分が好ましく、最も好ましくは1分〜30分である。
本発明の表面が虹色の色調を有する物品の製造方法として、亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程後に、変色の防止ならびに磨耗防止のために、保護皮膜を形成する工程を設けることができる。保護皮膜としては、例えば、透明(クリアー)な有機皮膜、あるいは虹色の色調を害さない範囲で顔料、染料等を含有した半透明の有機皮膜が挙げられる。本工程としては、ニス等による透明な有機皮膜による塗装工程を設けることがより好ましい。塗装方法は、刷毛塗り、ローラー塗り、拭き付け塗装、浸漬塗装等の公知の技術を使用すればよく、本発明では特に限定されない。
本発明においては、外観の品質の対象となる面(例えば、通常の使用において目視可能な面)のみが虹色の外観色調を有していればよく、外観品質の対象とならない面に関してはどのような外観色調を有していても構わない。
本発明の表面が虹色の色調を有する物品の製造方法としては、上述した電気めっき工程及び亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程が必須工程として含まれていればよく、好ましくは化成処理工程後に保護皮膜形成工程が設けられ、また、その他に、脱脂工程、水洗工程、活性化処理工程、乾燥工程、他の化成処理工程等を必要に応じて適宜導入することができる。
さらに、本発明による銅−錫系めっき浴での電気めっき工程より前であれば、他の金属めっき処理を行ってもよいし、亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程の前後いずれかの工程で変色防止処理等の他の化成処理工程を導入したりすることも、本発明の効果を害さないかぎり可能である。
なお、本発明による電気めっき工程と亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程をオフラインで行う場合、または電気めっき後から亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程までにかなりの時間が空く場合は、めっき処理後に、めっき表面等の変色、腐食等を防止するために、変色防止剤、防錆剤等による化成処理及び/または防錆処理を実施することが好ましい。
変色防止剤としては、金属用の市販の変色防止剤等を適宜選択し使用することができる。なお、亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程前に変色防止剤、防錆剤等による化成処理及び/または防錆処理が実施されている場合は、亜塩素酸塩系化成処理液による化成処理工程を行う前に、アルカリ系薬液による脱脂処理、及び/または酸系薬液による活性化処理を実施することが外観の均一性、虹色の発色の観点から好ましい。
本発明による表面の少なくとも一部が虹色の色調を有した製品の適用用途としては、ブローチ、ボタン、カフスボタン、スナップボタン、フック&アイ、ハトメ、バックル、スライドファスナー類、ループ類等の服飾品、ネックレス、イヤリング等の装飾品、玩具、及びその他工業用品等に好適に適用される。中でも、服飾品、装飾品への用途への適用が最も好適である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の記載により限定されるものではない。
なお、表面外観の評価基準は以下に基づいて行った。
[表面外観の評価基準]
処理後の表面が有している色を、目視により赤系、黄〜金系、緑系、青系、紫系、白〜銀系、黒系及びこれら前述の色以外の色の8種に分類して判定した結果、青系または緑系の色の中から1色以上、かつ赤系、黄〜金系、紫系の色の中から2色以上有するものを「虹色の色調を有している」として評価し、これ以外のものを「虹色の色調を有していない」とする。
実施例1:
真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(1)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行い、水洗した。次いで、カゴに移し、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(1)に、50℃で3分50秒浸漬し、水洗、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
めっき浴(1)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸銅(II)四水和物(純度98%以上):18g/L(銅濃度約6.0g/L
(純度98%と仮定して算出))
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):4g/L(錫濃度約2.2g/L(純度98
%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=約2.74)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ(登録商標
) RK−100,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
亜塩素酸処理溶液(1)
亜塩素酸ナトリウム:50g/L
水酸化ナトリウム:125g/L
ポリリン酸:10g/L
エチレングリコール:1g/L
塩酸:0.5g/L
実施例2:
真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(2)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行い、水洗した。次いで、カゴに移し、市販の硝酸(67.5%HNO3)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(1)に70℃で50秒浸漬し、水洗、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
めっき浴(2)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸銅(II)四水和物(純度98%以上):18g/L(銅濃度約6.0g/L
(純度98%と仮定して算出))
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):6g/L(錫濃度約3.3g/L(純度95
%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=約1.83)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ RK−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
実施例3:
予め銅めっきが施された真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(3)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行った後、水洗した。次いで、カゴに移し、市販の変色防止剤(アイガード2040、15ml/L、(株)アイコー製)に室温で30秒浸漬したあと水洗し、乾燥した。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(2)に50℃で3分浸漬し、水洗、乾燥して、めっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
めっき浴(3)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸銅(II)四水和物(純度98%以上):18g/L(銅濃度約6.0g/L
(純度98%と仮定して算出))
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):4g/L(錫濃度約2.2g/L(純度95
%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=約2.74)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ NC−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩:0.0007g/L(商品名:
ソフィアロイ NC−100,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃
度)
亜塩素酸処理溶液(2)
亜塩素酸ナトリウム:75g/L
水酸化ナトリウム:188g/L
ポリリン酸:15g/L
エチレングリコール:1.5g/L
塩酸:0.75g/L
実施例4:
亜塩素酸処理溶液(3)を使用し、亜塩素酸処理溶液への浸漬時間を30分とする以外は、実施例3と同様の方法で実施し、めっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
亜塩素酸処理溶液(3)
亜塩素酸ナトリウム:2g/L
水酸化ナトリウム:5g/L
ポリリン酸:0.4g/L
エチレングリコール:0.04g/L
塩酸:0.02g/L
比較例1:
真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、めっき浴(1)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行った後、水洗、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していなかった。
比較例2:
真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、めっき浴(2)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行い、水洗した後、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していなかった。
比較例3:
真鍮(黄銅)製のボタン:アンダーパーツ部材を適量バレルに投入し、電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で3分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(4)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行った後、水洗した。次いで、カゴに移し、市販の変色防止剤(アイガード2040、15ml/L、(株)アイコー製)に室温で30秒浸漬したあと水洗し、乾燥した。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(1)に50℃で3分50秒浸漬し、水洗、乾燥して、めっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していなかった。
さらに、亜塩素酸処理溶液(1)の浸漬時間を、10分、30分、60分と延長したが、いずれも虹色の色調は示さなかった。
めっき浴(4)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):4g/L(錫濃度約2.2g/L(純度95
%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=0)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ NC−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩:0.0007g/L(商品名:
ソフィアロイ NC−100,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃
度)
比較例4:
真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(5)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行った後、水洗し、乾燥した。次いで、カゴに移し、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(1)に70℃で50秒浸漬し、水洗、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していなかった。
めっき浴(5)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):3g/L(錫濃度約1.6g/L(純度95
%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=0)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ RK−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
比較例5:
真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)120ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(6)中で52℃、電流密度0.1A/dm2で30分間めっきを行った後、水洗した。次いで、カゴに移し、市販の変色防止剤(ベルゾーンSF−310、50ml/L、大和化成株式会社)に室温で30秒浸漬したあと水洗し、乾燥した。その後、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L;50℃、30秒)を行い市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(1)に60℃で1分浸漬し、水洗、乾燥して、めっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していなかった。
めっき浴(6)
ピロリン酸カリウム:390g/L、
ピロリン酸銅(II)四水和物(純度98%以上):90g/L(銅濃度約30.0g/
L(純度98%と仮定して算出))
グリシジルエーテル系化合物:0.067g/L(商品名:ソフィアロイ RK−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
比較例6:
亜塩素酸処理溶液(4)を使用し、亜塩素酸処理溶液への浸漬時間を5分、30分、60分とする以外は、実施例3と同様の方法で実施し、めっき製品を得た。5分、30分、60分と浸漬時間の異なるめっき製品の表面外観を評価したところ、いずれのめっき製品も虹色の色調を有していなかった。
亜塩素酸処理溶液(4)
亜塩素酸ナトリウム:0.3g/L
水酸化ナトリウム:0.75g/L
ポリリン酸:0.06g/L
エチレングリコール:0.006g/L
塩酸:0.003g/L
実施例5:
予め銅めっきが施された真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(3)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行い、水洗し、さらに市販の変色防止剤(アイガード2040、15ml/L、(株)アイコー製)に室温で30秒浸漬したあと水洗し、乾燥した。
次いで、カゴに移し、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(5)に、50℃で4分浸漬し、水洗、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
亜塩素酸処理溶液(5)
亜塩素酸ナトリウム:50g/L
水酸化ナトリウム:650g/L
ポリリン酸:10g/L
エチレングリコール:1g/L
塩酸:0.5g/L
*液が若干白濁
実施例6:
真鍮(黄銅)製のループ類(服飾品)を適量バレルに投入し(同時にくっつき、凝集防止のためのダミーも投入)し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(1)中で25℃、電流密度0.3A/dm2で20分間めっきを行い、水洗し、次いで、ループ類のみをカゴに移した後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で適宜浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(1)に、50℃で2分30秒秒浸漬し、水洗後、市販の変色防止剤(アイガード2040、20ml/L、(株)アイコー製)に室温で5分浸漬したあと水洗、乾燥して、めっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
めっき浴(7)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸銅(II)四水和物(純度98%以上):18g/L(銅濃度約6.0g/L
(純度98%と仮定して算出))
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):3.5g/L(錫濃度約1.9g/L(純度
95%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=約3.13)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ RK−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
実施例7:
予め銅めっきが施された真鍮(黄銅)製のボタン:トップパーツ部材を適量バレルに投入し、浸漬脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、12分)を行い、さらに電解脱脂(ソフィアクリーナー1100(日本ニュークローム(株)):80g/L、50℃、5V、12分)、及び水洗を行った。その後、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で5分浸漬後、水洗を行い、下記のめっき浴(8)中で25℃、電流密度0.25A/dm2で20分間めっきを行った後、水洗し、市販の変色防止剤(アイガード2040、15ml/L、(株)アイコー製)に室温で30秒浸漬したあと水洗し、乾燥した。次いで、カゴに移し、市販塩酸(35%HCl)100ml/L溶液に室温で1分浸漬後、水洗したのち、亜塩素酸処理溶液(6)に50℃で2分浸漬し、水洗、乾燥した。その後、さらに市販のラッカースプレー(透明(クリアー))でスプレー塗装し、自然乾燥することによりめっき製品を得た。得られためっき製品の表面外観を評価したところ虹色の色調を有していた。
めっき浴(8)
ピロリン酸カリウム:370g/L、
ピロリン酸銅(II)四水和物(純度98%以上):36g/L(銅濃度約12.0g/
L(純度98%と仮定して算出))
ピロリン酸第一錫(純度95%以上):6g/L(錫濃度約3.3g/L(純度95
%と仮定して算出))
(金属銅/金属錫=約3.65)
メタンスルホン酸(純度70%以上):35ml/L
グリシジルエーテル系化合物:0.017g/L(商品名:ソフィアロイ NC−1
00,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃度)
パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩:0.0007g/L(商品名:
ソフィアロイ NC−100,日本ニュークローム(株)製、濃度は化合物の濃
度)
亜塩素酸処理溶液(6)
亜塩素酸ナトリウム:25g/L
水酸化ナトリウム:62.5g/L
ポリリン酸:5g/L
エチレングリコール:0.5g/L
塩酸:0.25g/L

Claims (6)

  1. 被めっき素材を、水溶性銅塩、水溶性錫塩及びピロリン酸のアルカリ金属塩を必須成分とするめっき浴により電気めっきするめっき工程、及び得られためっき物を亜塩素酸塩類及びアルカリ金属の水酸化物を含有し亜塩素酸塩類の濃度が0.5〜220g/Lである亜塩素酸塩系化成処理液に浸漬する化成処理工程を有することを特徴とする、表面の少なくとも一部を虹色に着色する表面処理方法(ただし、前記虹色とは、処理後の表面が有している色を、目視により赤系、黄〜金系、緑系、青系、紫系、白〜銀系、黒系及びこれら前述の色以外の色の8種に分類して判定した結果、青系または緑系の色の中から1色以上、かつ赤系、黄〜金系、紫系の色の中から2色以上の色を有したものをいう。)。
  2. めっき浴中にグリシジルエーテル系化合物を含有する請求項1に記載の方法。
  3. めっき浴中の水溶性銅塩及び水溶性錫塩の濃度が、金属銅、金属錫の質量換算で銅/錫=1.5〜6.5である請求項1または2に記載の方法。
  4. 亜塩素酸塩系化成処理液が、さらにリン酸類及びグリコール類から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記化成処理工程の後、保護皮膜を形成する工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により表面処理する工程を含む、表面の少なくとも一部が虹色の色調を有する服飾品または装飾品の製造方法。
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