JP2008290203A - 研削加工監視システム及び研削加工監視方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動検出装置(3、6)と、振動検出装置で検出された振動を電圧波形に変換して増幅する増幅装置(7)と、増幅装置からの電圧波形を周波数分解するフーリエ変換装置(8)と、制御装置(パソコン10)とを備え、制御装置(10)は、周波数分解により得られた特定の周波数における振動レベルをしきい値と比較して、当該振動レベルがしきい値よりも大きい場合に不都合であると判定する制御を行う。
【選択図】図1
Description
しかし、係る検出技術では、リアルタイムで研削焼けを検出してはいないので、研削焼けが生じたか否かを確認するまで多大な時間を要するという問題が存在する。
仮に、研削焼けを生じたか否かが確認されるまで、ギヤの研削加工ラインの作業を停止したならば、確認完了までには設備稼働ロスが生じてしまう。
さらに上述した従来の研削焼けの検出技術では、一定数の加工を完了する度に砥石を交換している。そのため、砥石を限界まで(寿命まで)使用せずに交換することとなり、非常に不経済である。
しかし、係る加工方法(特許文献1の技術)は、いわゆる「研削焼け」や砥石の劣化を検出するためのものではない。そのため、上述した問題を解消することは出来ない。
本発明の研削加工監視システムは係る知見により創造されたものであり、砥石(1)の回転軸(2)に設けられたセンサ(加速度ピックアップ3)及び研削加工対象物(ワーク4)を回転する回転軸(5)に設けられたセンサ(加速度ピックアップ6)により機械振動を検出する振動検出装置(3、6)と、振動検出装置(3、6)で検出された振動を電圧波形に変換して増幅する増幅装置(アンプ:振動計7)と、増幅装置からの電圧波形を周波数分解するフーリエ変換装置(FTT8)と、制御装置(パソコン10)とを備え、制御装置(10)は、周波数分解により得られた特定の周波数における振動レベルをしきい値と比較して、当該振動レベルがしきい値よりも大きい場合に不都合であると判定する制御を行う様に構成されている(請求項1)。
或いは、本発明において、前記制御装置(10)が判定する不都合は、研削加工対象物(ワーク4)が研削の際に加熱されて焼戻し軟化により硬度が低下する現象(研削焼け)であるのが好ましい(請求項6)。
そのため、研削加工ラインの作業を停止することなく、研削焼けの発生及び/又は砥石の劣化を確認することが出来る。そして、研削加工ラインの作業を停止する必要が無いので、設備稼働ロスが生じてしまうことも無い。
図1において、全体を符号100で示す研削加工監視システムは、2つの振動検出装置3、6と、振動計(例えばアンプ)7と、フーリエ変換装置8と、制御装置であるパソコン(パーソナルコンピュータ)10とを備えている。
ここで、制御装置10はパソコンに限定される訳ではなく、情報処理能力を有する機器であれば、制御装置10として適用可能である。
加速度ピックアップ3は、研削用砥石1(図2参照)の回転中の振動を検出するために、砥石回転軸2に設けられている。
加速度ピックアップ6は、加工対象であるワーク4(図2参照)の回転中の振動を検出するために、ワーク回転軸5に設けている。
砥石回転軸2は、図2では水平方向(図2のY軸方向)に配置されている。そして、加速度ピックアップ3は、砥石回転軸2の端部に取り付けられている。
図2において、ワーク回転軸5は垂直方向(図2のZ軸方向)へ延在している。そしてワーク4は、ワーク回転軸5に対して、相対回転をしないように取り付けられている。
加速度ピックアップ6は、ワーク回転軸5の上方の端部近傍に取り付けられている。
ワーク4に取り付けられた加速度ピックアップ6は、ラインL2により、アンプ7及びフーリエ変換装置8を経由して、パソコン10に接続されている。
加速度ピックアップ3、6により検出された振動は、アンプ7によって電圧波形に変換して増幅される。アンプ7で増幅された電圧波形は、フーリエ変換装置8によって周波数分解される。フーリエ変換装置8における周波数分解の態様については、従来の公知の態様と同様であるため、説明は省略する。
パソコン10は、周波数分解により得られた特定の周波数における振動レベルをしきい値と比較する。そして、当該振動レベルがしきい値よりも大きい場合には、不都合であると判定する。
図3のステップS1では、特定の部品番号における最初のワーク(例えば、変速機用ギヤ)4を、研削機械にセットする。そして、意図的に研削焼けが生じるように研削か高を行う。その様な研削加工を進めながら、砥石軸2及びワーク軸5の機械振動を、砥石軸2に取り付けた加速度ピックアップ3と、ワーク軸5に取り付けた加速度ピックアップ6によって検出する(ステップS2)。
上述した通り、フーリエ変換機8による電圧波形の周波数分解は、従来技術と同様に行われる。
上述したステップS1〜S5は、同一加工ロット中の最初のワークを、加工結果の合否の判断基準(しきい値)を得るためののみ使用している。
振動計(アンプ)7により増幅された電圧信号は、フーリエ変換機8に伝送され、電圧波形の周波数分解が行われる(ステップS9)。
ステップS9で得た振動レベルがしきい値以下であれば(ステップS10がYES)、ステップS11に進む。
一方、ステップS9で得た振動レベルがしきい値を超えていれば(ステップS10がNO)、ステップS14に進む。
一方、ステップS9で得た振動レベルがしきい値を超えていれば(ステップS10がNO)、パソコン10は砥石の劣化又は研削焼けが生じていると判断して(ステップS14)、必要な処置(例えば、不良となったワークを片付ける等)を実行し(ステップS15)、ステップS12に進む。
直前に加工したワーク4が最後のワークであれば(ステップS12がYES)、研削加工監視に関する制御を終了する。
直前に加工したワーク4が最後のワーク4でなければ(ステップS12がNO)、次のワーク4(ワークNoが「n+1」のワーク)を選び、当該「次のワーク4(ワークNoが「n+1」のワーク)」について、ステップS7以降を繰り返す。
以下、図4に基づいて、図示の実施形態の変形例に係る監視制御方法について説明する。
そして、そのデータ(研削焼けを生じたワークにおける周波数及びしきい値)から、監視するべき部品番号における周波数としきい値を決定する(ステップS2A)。その後、図3のステップS6へ進み、S6以降を実行する。
図4の変形例におけるその他の構成や作用効果については、図1〜図3の実施形態と同様である。
2・・・回転軸
3・・・センサ
4・・・研削加工対象物/ワーク
5・・・回転軸
6・・・センサ
7・・・増幅装置/アンプ
8・・・フーリエ変換装置
10・・・パソコン
10M・・・表示部
100・・・研削加工監視システム
Claims (8)
- 砥石の回転軸に設けられたセンサ及び研削加工対象物を回転する回転軸に設けられたセンサにより機械振動を検出する振動検出装置と、振動検出装置で検出された振動を電圧波形に変換して増幅する増幅装置と、増幅装置からの電圧波形を周波数分解するフーリエ変換装置と、制御装置とを備え、制御装置は、周波数分解により得られた特定の周波数における振動レベルをしきい値と比較して、当該振動レベルがしきい値よりも大きい場合に不都合であると判定する制御を行う様に構成されていることを特徴とする研削加工監視システム。
- 前記制御装置が判定する不都合は砥石の劣化であり、当該砥石の劣化を表示する表示装置を備えた請求項1の研削加工監視システム。
- 前記制御装置が判定する不都合は、研削加工対象物が研削の際に加熱されて焼戻し軟化により硬度が低下する現象であり、当該現象を表示する表示装置を備えた請求項1の研削加工監視システム。
- 砥石の回転軸に設けられたセンサ及び研削加工対象物を回転する回転軸に設けられたセンサにより機械振動を検出する振動検出工程と、検出された機械振動を増幅装置によって電圧波形に変換して増幅する振動/電圧波形変換工程と、増幅装置からの電圧波形をフーリエ変換装置により周波数分解する周波数分解工程と、周波数分解により得られた特定の周波数における振動レベルをしきい値と比較する比較工程と、当該振動レベルがしきい値よりも大きい場合に不都合であると判定する判定工程とを有することを特徴とする研削加工監視方法。
- 判定工程で判定する不都合は砥石の劣化である請求項4の研削加工監視方法。
- 前記制御装置が判定する不都合は、研削加工対象物が研削の際に加熱されて焼戻し軟化により硬度が低下する現象(所謂「研削焼け」)である請求項4の研削加工監視方法。
- 同一の研削加工対象物が加熱されて焼戻し軟化により硬度が低下する現象(研削焼け)を生じる様に研削加工を行い、係る研削加工における機械振動及び対応する電圧波形のデータから、特定の周波数及びしきい値を決定する工程を有する請求項4〜6の何れか1項の研削加工監視方法。
- 監視の対象とは異なる研削加工対象物が加熱されて焼戻し軟化により硬度が低下する現象を生じた結果として決定された特定の周波数及びしきい値を用いて、監視の対象である研削加工対象物における特定の周波数及びしきい値を決定する工程を備える請求項4〜6の何れか1項の研削加工監視方法。
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