JP6781612B2 - シールドマシンの劣化診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カッタヘッドを回転させることで地盤を掘削するシールドマシンの劣化診断方法に関するものである。
ガスタービンなどの軸受となるボールベアリングや回転装置の劣化や損傷を診断させるために、回転装置に振動センサを設置して稼働中の振動を検知させ、測定された振動を解析することによって亀裂や損傷などの状態や発生箇所を推測する方法が知られている(特許文献1,2など参照)。
特許文献1に開示されている異常診断装置は、稼働環境の変化が少ないプラントなどにおいて高速の一定速度で回転する軸受に対して適用されるもので、ベアリング球が亀裂や破損した際に発生する高周波振動を検知させることで、異常の有無を診断させる。
特開2002−188411号公報 特開平3−63531号公報
しかしながらシールドマシンのカッタヘッドは、単に回転させるだけでなく、土質状況によって刻々と変化する圧力を地盤から受けた状態で低速で回転させることになるため、安定した状態で稼働するプラントなどで使用される異常診断装置をそのまま適用することができない。
そこで、本発明は、様々な性状の地盤を掘削するシールドマシンに対して掘削中の監視を行うことで、重大な故障の発生を事前に防ぐことが可能なシールドマシンの劣化診断方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のシールドマシンの劣化診断方法は、カッタヘッドを回転させることで地盤を掘削するシールドマシンの劣化診断方法であって、前記カッタヘッドを地盤に押し付ける圧力及び回転速度並びに回転時に発生する振動を測定するステップと、測定された前記回転速度及び振動の低周波数成分から第1の劣化度を判定するステップと、測定された前記圧力及び回転速度並びに振動の高周波数成分から第2の劣化度を判定するステップとを備えたことを特徴とする。
ここで、前記第1の劣化度の判定は、低周波数成分の周波数解析の結果から健全時の状態との相関関係を算出し、第1の設定値以下の相関関係を示したときに劣化があると判定する構成とすることができる。
また、前記第2の劣化度の判定は、高周波数成分の振動の発生時間が健全時の状態に基づいた第2の設定値以上となったときに劣化があると判定する構成とすることができる。
さらに、前記地盤に押し付ける圧力は、前記シールドマシンの推進ジャッキの圧力に基づいて算出することができる。また、前記低周波数成分の振動は加速度センサで測定し、前記高周波数成分の振動はAEセンサで測定する構成とすることができる。
このように構成された本発明のシールドマシンの劣化診断方法は、カッタヘッドの回転時に発生する振動だけでなく、カッタヘッドを地盤に押し付ける圧力及び回転速度を測定する。そして、振動の低周波数成分と振動の高周波数成分の両方で劣化度を判定する。
このため、強度や状態が異なる様々な性状の地盤を掘削している最中であっても、シールドマシンに対して劣化診断を行い続けることができ、破損などの重大な故障の発生を事前に防ぎ、工期の遅れや修復コストの増大を防ぐことができる。
また、振動の低周波数成分の周波数解析の結果から健全時の状態との相関関係を算出し、設定値以下の相関関係を示したときに劣化があると判定することで、アンバランスやミスアライメントなどベアリング球以外で発生する劣化を検知させることができる。
さらに、高周波数成分の周波数の発生時間が健全時の状態に基づいた設定値以上となったときに劣化があると判定することで、ベアリング球の亀裂の発生など軸受の損傷を早期に検知させることができる。
そして、低周波数成分の振動を加速度センサで測定し、高周波数成分の振動をAEセンサで測定するのであれば、低周波と高周波の振動を直接、高精度で測定させることができる。
本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 シールドマシンの掘削中の状態を模式的に示した説明図である。 カッタヘッドを回転させる軸受ベアリング部の概略構成を説明する斜視図である。 健全時に発生する低周波振動をカッタ回転速度と周波数との関係で示した周波数スペクトル図である。 掘削時に発生する低周波振動を示した周波数スペクトル図である。 健全時の振動波形とそこから作成される周波数スペクトルを示した説明図である。 掘削時の振動波形とそこから作成される周波数スペクトルを示した説明図である。 健全時に発生する高周波振動の発生時間をカッタ回転速度と推進ジャッキ圧力との関係で示した図である。 掘削時に発生する高周波振動の発生時間をカッタ回転速度と推進ジャッキ圧力との関係で示した図である。 高周波振動の検出方法を説明するための一例である。 高周波振動の発生時間の積算方法を説明するための一例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法の処理の流れを説明するフローチャートである。また、図2Aは、シールドマシンの劣化診断方法が適用されるシールドマシン1の掘削中の状態を模式的に示した説明図である。
まず図2Aを参照しながら、シールドマシン1について説明する。シールドマシン1は、円筒状の本体の前面に配置されたカッタヘッド2を回転させることで地盤Gを掘削する。
カッタヘッド2で掘削された土砂は、スクリューコンベア11によって内部に取り込まれて、連続コンベア12によってシールドマシン1の後方に搬送される。
シールドマシン1によって掘削された地盤Gには、複数の円弧板状のセグメント5,・・・が環状に設置されて、シールドトンネルの覆工部(外殻)が設けられることになる。
そして、そのセグメント5に反力を取りながら推進ジャッキ4を伸長させることで、カッタヘッド2を地盤Gに押し付けることができる。この結果、カッタヘッド2は、掘削時には地盤Gから地山反力G1を受けることになる。
この地山反力G1を受けた状態でカッタヘッド2を回転させる回転機構が、駆動モータ21と軸受ベアリング部3とによって主に構成される。図2Bに模式的に示したように、軸受ベアリング部3は、ベアリングハウジング内に鋼球のベアリング球31,・・・を備えている。
このベアリング球31は、地山反力G1を受けて変形しながら転がることになる。すなわち掘削が進むにつれて、ベアリング球31には変形が繰り返し起こるため、疲労が進んでベアリング球31自体に亀裂が発生することがある。
また、ベアリングハウジングの内部では、たまった鉄の粉やかけら等がベアリング球31によって圧砕されることもある。このような亀裂や破壊が起きるときに、瞬間的(単発的)に高周波振動(振動の高周波数成分)が発生することになる。ここでは、超音波域である20kHzを超える周波数を高周波振動とする。
一方、カッタヘッド2の回転に伴って軸受ベアリング部3又はその周辺には、摺動(こすれ合い)に起因する低周波振動(振動の低周波数成分)が発生することがある。ここでは可聴域20kHz以下の周波数を低周波振動とする。
この低周波振動は、軸受ベアリング部3が健全なときでも観測されるが、掘削が進んで行くと、軸受部やベアリングハウジングなどの部材の変形、ボルトの緩みなどによる「がたつき」等に起因して、発生する低周波振動の振幅や周波数(周波数スペクトル)にも変化が生じる。
要するに、高周波振動を監視することでベアリング球31の亀裂の発生などを早期に検知させることができ、低周波振動を監視することでアンバランスやミスアライメントなどベアリング球31以外で発生する劣化を検知させることができるようになる。
そこで、本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法では、低周波振動及び高周波振動の両方を測定対象とし、カッタヘッド2の軸受ベアリング部3を主としたシールドマシン1の劣化診断を行う。
本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法は、健全時の状態と掘削時の状態(現状)とを比較することによって行われる。すなわち、シールドマシン1が健全な状態のときに発生する低周波振動及び高周波振動を測定しておき、その測定結果と掘削時の低周波振動及び高周波振動の測定結果とを比較し、相違点からシールドマシン1の状態を判定する。
そこで、まず低周波振動の測定結果による判定方法について説明する。ベアリング球31の亀裂の発生や鉄粉の破砕など以外の摺動による低周波振動の発生は、摺動部の速度に関係する。
このため、健全時、例えば初期掘進時に、カッタヘッド2の回転速度であるカッタ回転速度R(rpm)とそのときに発生する低周波振動の周波数スペクトル(20kHz以下の振動の周波数成分を対象)を記録しておく。
要するに、図3Aに示すような健全状態の周波数スペクトルデータ群を作成しておく。この図からわかるように、カッタ回転速度R毎に異なる周波数スペクトルが現れる。ここで、周波数ごとの強度は、電圧などの検出値によって表される。
そして、シールドマシン1の掘削が始まると、地盤Gの性状(強度や状態など)に合わせて様々なカッタ回転速度Rによって掘削が行われることになる。図3Bは、ある時点のカッタ回転速度Rと、測定された低周波振動の周波数スペクトルを示している。
そこで、さらに詳細に説明する。図4Aに示すように、健全時の振動は上段図に示されるように振動波形として測定される。この振動波形に対して高速フーリエ変換(FFT)などの周波数解析を行うことによって、下段図に示されるような周波数スペクトルが生成される。健全時においては、この周波数スペクトルをカッタ回転速度R毎に生成しておく。
同様に掘削時は、掘削中のカッタ回転速度Rに応じた振動波形が図4Bの上段図に示すように測定される。そこで、この振動波形に対して周波数解析(FFT)を行うことによって、下段図に示されるような周波数スペクトルを生成させる。
ここで、軸受ベアリング部3が健全であれば、健全時に同じカッタ回転速度Rで生成された周波数スペクトルと同一又は類似する周波数スペクトルが掘削時においても生成されることになる。
この同一又は類似する程度の判定を、例えば相関関係を使用して判断する。相関関係を確認するためには、例えばピアソンの積率相関係数を使用することができる。
要するに、健全時の周波数スペクトルデータと掘削時の周波数スペクトルデータとを使用してピアソンの積率相関係数を算出し、その相関係数rがある値(第1の設定値)より大きければ正常な状態と判断し、第1の設定値以下であれば異常がある状態と判断させる。
なお、異常と診断されて点検を実施したが異常が認められなかった場合は、比較に使用された初期データ(健全時のデータ)が適切でないおそれがあるため、健全時のデータの再計測を行う。例えば、軸受ベアリング部3の馴染みなどの問題で、初期データが健全時データとして使用できない場合がある。
続いて、高周波振動の測定結果による判定方法について説明する。ベアリング球31の亀裂や鉄粉の破砕などによる高周波振動の発生は、地山反力G1の大きさ及びカッタ回転速度Rに関係する。
ここで、地山反力G1の大きさは、推進ジャッキ4の圧力(推進ジャッキ圧力F)に基づいて算定でき、ベアリング球31に作用する力と捉えることができる。推進ジャッキ4は、シールドマシン1には複数台が配置されるため、それら配置された推進ジャッキ4の圧力の合計値を、推進ジャッキ圧力Fとする。
そして、健全時、例えば初期掘進時に、推進ジャッキ圧力F及びカッタ回転速度R(rpm)とそのときに発生する高周波振動の発生時間Nを記録しておく。ここで、高周波振動は20kHzを超える振動の周波数成分を対象とする。
例えば、図5Aに示すように、カッタ回転速度R(rpm)と推進ジャッキ圧力Fとを横軸と縦軸とし、高周波振動の発生時間Nを鉛直軸とする健全状態の関係データを蓄積しておく。
一方、シールドマシン1の掘削が始まると、地盤Gの性状(強度や状態など)に合わせて様々な推進ジャッキ圧力F及びカッタ回転速度Rによって掘削が行われることになる。図5Bは、ある時点のカッタ回転速度Rと推進ジャッキ圧力Fと、測定された高周波振動の発生時間Nとを示している。
そこで、さらに詳細に説明する。図6Aに示すように、高周波振動は振幅として最大値と最小値を有する状態で発生するため、正負の閾値(第2の設定値)を超えた時間(図の斜線範囲)をまずは抽出する。
そして、図6Bの上段に示すように、抽出された高周波振動が発生している時間を、高周波振動の大きさに関わらず下段のようにカウント周期に置き換え、発生時間Nとして積算させる。健全時は、この高周波振動の発生時間Nを、推進ジャッキ圧力Fとカッタ回転速度Rとの関係毎に生成しておく。
同様に掘削時は、掘削中の推進ジャッキ圧力Fとカッタ回転速度Rを測定し、その状態ときの高周波振動の発生時間Nをカウントさせる。この際、ベアリング球31が健全であれば、健全時に同じ推進ジャッキ圧力Fとカッタ回転速度Rで発生した高周波振動の発生時間Nと同一又は類似する時間だけ掘削時においても高周波振動が発生することになる。
この同一又は類似する程度の判定を、例えば健全時の高周波振動の発生時間Nを下限値として比較することで判断する。要するに、健全時の高周波振動の発生時間Nと掘削時の発生時間Nとを比較して、測定誤差範囲を考慮した健全時の発生時間(第2の設定値)未満であれば正常な状態と判断し、第2の設定値以上であれば異常がある状態と判断させる。そして、異常と診断された場合は、ベアリング球31の点検を実施する。
図1は、本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。このフローチャートでは、1種類の振動センサによって、振動の低周波数成分と高周波数成分の両方を測定する場合を例に説明する。
まず、上述した方法によって、比較の基になる健全時のデータを蓄積しておく。すなわち、ステップS10に示すように、初期掘進時に様々に条件を変えたときの低周波振動を測定しておくとともに、同時にステップS20に示すように高周波振動も測定しておく。
そして、ステップS1でカッタヘッド2を回転させることによって掘削を開始する。ここで、カッタ回転速度R及び推進ジャッキ圧力Fは、シールドマシン1の稼働状況を示すマシン制御信号として、逐次計測されて記録される。
シールドマシン1による掘削中は、振動センサによって軸受ベアリング部3周辺に発生する振動が測定される(ステップS2)。また、振動センサの検出値は、以後の解析が行いやすくなるように増幅器によって増幅される(ステップS3)。
このようにして1種類の振動センサによって測定された振動は、低周波通過フィルタ(フィルタ回路)によって低周波数成分(20kHz以下)が取り出されるとともに(ステップS11)、高周波通過フィルタ(フィルタ回路)によって高周波数成分(20kHz超過)が取り出される(ステップS21)。
ステップS12では、サンプリング回路によって20kHz以下の周波数をアナログデジタル変換(AD変換)する。このサンプリング時間は、例えば1/40000秒の速さ(40kHzのサイクル)とする。
サンプリングされたデータは、ステップS13において周波数解析(FFT)が実行される。この周波数解析は、設定されたデータ数(2のべき乗が単位となるので2^12=4096データなど)で行われる。
続いてステップS14では、周波数解析の結果を健全時データと比較するための相関計算が行われる。すなわち、マシン制御信号から現時点のカッタ回転速度Rを入力して、健全時スペクトルデータメモリ(S10)の該当する周波数スペクトルデータを選択し、読み込ませる。
そして、健全時と現時点(掘削時)の周波数スペクトルの相関計算となるピアソンの積率相関係数を算出し、相関係数rが第1の設定値以下か否かを判定する(ステップS15)。この第1の設定値は、掘削による振動、施工作業の音などの雑音等の現場の状況に応じて決めることができるが、例えば0.65とする。
そして、相関係数rが第1の設定値以下の場合は、ステップS16において表示器に異常を示す表示をさせる。なお、相関係数rが第1の設定値を超えている場合は、表示器に正常が表示され続ける設定にしておくことができる。表示器に異常が表示された場合は、軸受ベアリング部3などの詳細点検やメンテナンスを実施して、異常箇所の確認がなされる。
一方、ステップS21で高周波通過フィルタによって分離された高周波数成分(20kHz超過)は、ステップS22においてピーク検出回路で設定した振幅の閾値(第2の設定値、図6A参照)を超えていた時間だけステップS23に信号として送られる。ここで、振幅の閾値としては、ノイズレベル(稼働していない時に出てくる高周波振動)以上の値を設定する。
そして、ステップS23では、ステップS22から送られてきた信号を高周波振動の発生時間Nとして積算する。このとき、累積していく時間は、設定したカウント周期の時間毎に区切る。カウント周期は、高周波振動の発生の累積時間を例えば1秒間などで区切ってステップS24に送る。
ステップS24では、マシン制御信号から現時点のカッタ回転速度Rと推進ジャッキ圧力Fとを取り込み、健全時発生時間データメモリ(S20)の該当する発生時間データを選択し、読み込ませる。
そして、ステップS25で健全時と現時点(掘削時)の高周波振動の発生時間Nを比較し、健全時+10%(測定誤差範囲)以上であれば、表示器に異常を表示させる(ステップS26)。ここでも第2の設定値未満の場合は、表示器に正常が表示され続ける設定にしておくことができる。表示器に異常が表示された場合は、ベアリング球31を主とした軸受ベアリング部3の詳細点検やメンテナンスを実施して、異常状況の確認がなされる。
次に、本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のシールドマシンの劣化診断方法は、カッタヘッド2の回転時に発生する振動だけでなく、カッタヘッド2を地盤Gに押し付けた際の地山反力G1を反映する推進ジャッキ圧力F及びカッタ回転速度Rを測定する。そして、振動の低周波数成分と振動の高周波数成分の両方で劣化度を判定する。
このため、強度や状態が異なる様々な性状の地盤Gを掘削している最中であっても、シールドマシン1に対して劣化診断を行い続けることができ、破損などの重大な故障の発生を事前に防ぐことができる。重大な故障が発生してカッタヘッド2の回転が突然停止して、工事が中断されることになれば、工期の遅れや修復コストの増大が予想されるが、これらを未然に防ぐことができる。
また、振動の低周波数成分の周波数解析の結果から健全時の状態との相関関係を算出し、設定値以下の相関関係を示したときに劣化があると判定することで、アンバランスやミスアライメントなどベアリング球31以外で発生する劣化を検知させることができる。
さらに、高周波数成分の周波数の発生時間Nが健全時の状態に基づいた設定値以上となったときに劣化があると判定することで、ベアリング球31の亀裂の発生など軸受の損傷を早期に検知させることができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、1種類の振動センサによって低周波振動と高周波振動の両方を一度に測定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、低周波数成分の振動を加速度センサで測定し、高周波数成分の振動をAEセンサで測定することができる。低周波と高周波のセンサを別に測定する場合には、フィルタ回路が不要となる。また、加速度センサやAEセンサは、小型で軽量であるため、容易に設置することができる。
そして、低周波と高周波の振動が直接、高精度で測定されてデータとして使用できるのであれば、周波数解析及び発生時間の積算処理などは汎用コンピュータによって容易に実行させることができる。
G 地盤
R カッタ回転速度(回転速度)
F 推進ジャッキ圧力(圧力)
N 発生時間
1 シールドマシン
2 カッタヘッド
4 推進ジャッキ

Claims (5)

  1. カッタヘッドを回転させることで地盤を掘削するシールドマシンの劣化診断方法であって、
    前記カッタヘッドを地盤に押し付ける圧力及び回転速度並びに回転時に発生する振動を測定するステップと、
    測定された前記回転速度及び振動の低周波数成分から、軸受ベアリング部におけるベアリング球以外で発生する劣化の度合いを表す第1の劣化度を判定するステップと、
    測定された前記圧力及び回転速度並びに振動の高周波数成分から、前記ベアリング球における劣化の度合いを表す第2の劣化度を判定するステップとを備えたことを特徴とするシールドマシンの劣化診断方法。
  2. 前記第1の劣化度の判定は、低周波数成分の周波数解析の結果から健全時の状態との相関関係を算出し、第1の設定値以下の相関関係を示したときに劣化があると判定することを特徴とする請求項1に記載のシールドマシンの劣化診断方法。
  3. 前記第2の劣化度の判定は、高周波数成分の振動の発生時間が健全時の状態に基づいた第2の設定値以上となったときに劣化があると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のシールドマシンの劣化診断方法。
  4. 前記地盤に押し付ける圧力は、前記シールドマシンの推進ジャッキの圧力に基づいて算出されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシールドマシンの劣化診断方法。
  5. 前記低周波数成分の振動は加速度センサで測定し、前記高周波数成分の振動はAEセンサで測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシールドマシンの劣化診断方法。
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