JP6844552B2 - 圧延機の異常振動検出方法 - Google Patents

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本発明は、圧延機で金属板の圧延中に発生するチャタリングの検知に好適な圧延機の異常振動検出方法に関する。
金属板の製造における冷間圧延機やテンションレベラーなどの圧延設備では、異常振動(チャタリング)が発生すると金属板表面に幅方向のマーク(チャタマーク)が生じ、金属板の長手方向に縞状模様となることが知られており、これまで、このような異常振動を検出する技術として種々の提案がなされてきた。
特許文献1では、金属圧延機各部の1か所異常に振動検出器を設置し、振動の加速度及び振動のエネルギーが一定値を超えた時に異常信号を発するようにしている。
特許文献2では、圧延機各部の1か所異常に振動検出器を設置し、検出した振動周波数がミル固有振動数、ギアの噛み合い不良、ベアリング不良、スピンドルとロールのカップリングのガタ、ロール疵より発生する固有の振動周波数をチャタマーク発生原因毎の基本周波数とし、振動の実測値の周波数分析を行った結果が、チャタマーク発生原因毎の基本周波数の整数倍の周波数において設定値を超えたときにチャタリング発生と定義している。
特許文献3では、振動センサの固有振動数領域の振動を測定してミクロ的なスリップを検知するようにしている。
特許文献4では、鋼帯圧延機に設けられた振動センサで検出した運転中の振動値を周波数解析し、圧延機の軸受の傷発生を示す周波数と照合して異常有無を検知するようにしている。
特許文献5では、圧延機のスタンド間における鋼板張力値の変動を読み込み、張力値の変動を周波数解析し、圧延機の異常発生時鋼板の固有振動数を含む周波数帯域における各周波数の強度を求め、それが所定の閾値異常になったときに異常と判断している。
特許文献6では−、圧延機の入出側の小径ロールに設置した振動計により検出した振動値のうち、鋼板の弦振動の周波数に一致する成分が予め設定した閾値を超えた場合に異常と判定している。
特開昭50−8445号公報 特開平8−108205号公報 特開平7−12641号公報 特開2010−234422号公報 特開2014−4612号公報 特開2016−153138号公報
ところで、上記特許文献1に記載された先行技術では、設置した振動計から得られる振動加速度に対し、周波数解析等はせずに閾値を設定する方法が提案されているが、得られる振動加速度は主に低周波数の振動強度が支配的となり、周波数の高い側の振動強度の変化を捉えることは難しいという課題がある。
また、特許文献2〜6に記載された先行技術のように、設備的に予め予測される周波数に着目して振動監視する方法も提案されているが、本発明者等が冷間圧延機で発生するチャタマークについて調査したところ、設備的に予め予測される周波数以外でも、チャタマークが発生するケースがあり、特性の周波数のみを監視していてはチャタマーク発生を捉えられないという課題がある。なお、そのようなチャタリングは、操業中の板破断を起因としたロールの微小疵や圧延機の附帯設備が発生する微小振動がロールに多角形摩耗を引き起こすことを原因としており、予め周波数を予見することが不可能であるという課題がある。さらに、そのようなチャタマークを引き起こす振動は、例えばベアリング故障等で発生する振動強度に比べて非常に小さいことが経験上分っている。
なお、そのような、チャタマークを異常振動として検出するために周波数を特定せずに閾値を設けた場合には、通常発生しているチャタマークに繋がらないギアの噛み合い振動、ベアリング振動や振動ノイズを異常と判断してしまうという課題がある。
そこで、本発明は、上記先行技術の課題に着目してなされたものであり、チャタマークに繋がる異常振動を正確に判定することができる圧延機の異常振動検出方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る圧延機の異常振動検出方法の一態様は、金属板の冷間圧延時に、圧延スタンドの1か所以上に設置した振動計により振動信号を収集し、圧延速度の変動が少ない定速状態であるときに収集した振動信号に対して所定周期毎に高速フーリエ変換による周波数解析を行い、得られた各周波数成分のスペクトル値に対して平均化処理を行う。
本発明の一態様によれば、チャタマークを発生する異常振動を的確に検出することができる。
本発明を適用し得る圧延設備の概略構成を示すシステム構成図である。 振動信号処理計算機で実効する異常振動検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 圧延速度の変化を示す特性線図である。 高速圧延時における周波数解析結果を示す波形図であって、(a)は平均化処理前の周波数解析結果、(b)は平均化処理誤の周波数解析結果を示す。 低速圧延時における周波数解析結果を示す波形図であって、(a)は平均化処理前の周波数解析結果、(b)は平均化処理誤の周波数解析結果を示す。
以下、本発明に係る鋼塊転回装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
先ず、本発明を適用し得る圧延システム構成について図1を伴って説明する。
異常振動の検出対象となる冷間連続圧延機(コールドタンデムミル)10は、4つの圧延スタンドST1〜ST4が所定間隔を保って一列に配置されている。
各圧延スタンドSTi(i=1〜4)は、ミルハウジング11内に、金属板(鋼帯)12を圧延するための一対のワークロール(WR)13及びワークロール13に圧下力を作用させるための一対のバックアップロール(BUR)14を備えている。
各圧延スタンド間には、テンションメータロール15とパスラインロール16とが設けられている。
そして、各圧延スタンドSTiのミルハウジング11の上部に振動計17が設けられていると共に、テンションメータロール15及びパスラインロール16にもそれぞれ振動計18が設けられている。これら振動計17及び18は、圧電素子型センサが好適であるが、これに限定されるものではなく、任意の振動計を適用することができる。
また、冷間連続圧延機10の出側における圧延スタンドST4のワークロール13の回転速度を検出して圧延速度を検出する圧延速度検出部19が設けられている。この圧延速度検出部19としては、ワークロール13の回転速度を検出する場合に限らず、メジャリングロールのような接触式板速検出器やレーザードップラー法を使用した非接触式板速検出器を適用するようにしてもよい。
各振動計17及び18で検出した振動検出信号SV及び圧延速度検出部19で検出した圧延速度検出信号Vrは、振動信号処理計算機20に入力される。
この振動信号処理計算機20は、各振動計17及び18から入力される振動検出信号SVについて個別に異常振動検出処理を行う。
この異常振動検出処理は、所定のサンプリング周期T1で収集した振動検出信号SVに対して高速フーリエ変換(FFT)方式の周波数解析を行って振動検出信号SVに含まれる周波数成分とその大きさを表すスペクトル値を求める周波数解析処理を複数回実行する。そして、振動信号処理計算機20は、複数回の周波数解析処理結果である各スペクトル値を平均化処理してチャタマークを発生するスペクトル値を抽出し、抽出したスペクトル値と閾値とを比較して異常振動であるか否かを判定する。
ここで、周波数解析を行うサンプリング周期T1は、実装されている計算機の能力と、要求される周波数解析範囲及び分解能により決定されるが、圧延機のチャタリングは0〜1000Hzで発生することを考慮すると、サンプリング周波数は2000Hz以上が要求され、かつ5Hz以下の周波数分解能を持つことが好ましく、そうした場合にはサンプリング周期T1は、0.2秒以上にすることが好ましい。ただし、サンプリング周期を長くしすぎた場合には後で実施する平均化処理においてサンプル数が少なくなるため、サンプリング周期T1は、0.2〜1秒の範囲とすることが好ましい。
平均化処理は、一定圧延速度で一定時間以上圧延している区間(平均処理区間と称する)で実施する。平均化処理は、ごく一般的な算術平均処理であり、平均化処理区間でえられているサンプリング周期T1毎の周波数解析結果(N回分)を周波数毎に加算し、サンプリング回数Nで除した値を平均値とする。
ここで、一定圧延速度とは圧延速度が例えば±1m/min以内の変動幅で圧延していることが望ましい。これは圧延速度の変動が大きい区間で平均化した場合には、速度に応じて周波数の変化する振動について得られる周波数応答はブロード化してしまうためである。
また、一定時間以上とは、一定圧延速度で少なくとも10点以上の周波数解析結果が得られるような時間とすることが望ましい。例えばサンプリング周期T1を1秒とした場合には一定時間が10秒以上一定圧延速度で圧延していることが必要となる。
次に、異常振動検出処理について図2のフローチャートを伴って具体的に説明する。
この異常振動検出処理は、振動検出信号SVのサンプリング周期T1に余裕時間を加えた作動周期でメインプログラムに対するタイマ割込処理として実行される。
この異常振動検出処理は、図2に示すように、先ず、ステップS1で、圧延速度検出器19で検出した圧延速度Vr(n)を読み込み、次いでステップS2に移行して振動検出信号SV(n)を読み込んで振動検出信号記憶領域に記憶する振動検出信号読込処理を起動する。この振動検出信号読込処理は、振動計17又は18から出力される振動検出信号SVをサンプリング周期T1の間収集して記憶部21に形成された振動検出信号記憶領22に記憶する。
次いで、ステップS3に移行して、圧延速度フラグFが“0”にリセットされているか否かを判定し、F=“0”であるときには、ステップS4に移行する。このステップS4では、ステップS1で読み込んだ圧延速度Vr(n)を基準圧延速度Vrbとして一次記憶部に記憶し、次いでステップS5に移行して圧延速度フラグFを“1”にセットしてから割込処理を終了する。
一方、ステップS3の判定結果が圧延速度フラグFが“1”にセットされているときには、ステップS6に移行して、基準圧延速度VrbからステップS1で読み込んだ圧延速度Vr(n)を減算した絶対値が予め設定された速度偏差ΔV(例えば1m/min)を超えているか否かを判定する。この判定は、金属板12の圧延速度Vrが定速であるか否かを判定するものである。このステップS6の判定結果が、|Vrb−Vr(n)|>ΔVであるときには、定速状態ではないものと判断してステップS7に移行し、周波数解析結果記憶領域の解析結果を消去してから前述したステップS4に移行する。
また、ステップS6の判定結果が、|Vrb−Vr(n)|≦ΔVであるときには、金属板12の圧延速度Vrが変動が少ない定速であると判断してステップS8に移行する。
このステップS8では、振動検出信号記憶領域に記憶されている前回の振動検出信号SV(n−1)を高速フーリエ変換(FFT)方式の周波数解析を行い、振動信号に含まれる周波数成分とその大きさを表すスペクトル値でなる解析結果を得、この解析結果を記憶部21に形成された解析結果記憶領域23に記憶してからステップS9に移行する。
このステップS9では、解析結果記憶領域に所定数N個(例えばN=10)の解析結果が蓄積されたか否かを判定する。このステップS9の判定結果が、解析結果の記憶数がN個に達していない場合にはそのままタイマ割込処理を終了する。
また、ステップS9の判定結果が、解析結果の記憶数がN個に達したときには、ステップS10に移行して、各解析結果の平均化処理を行ってからステップS11に移行する。この平均化処理は、各解析結果の周波数毎にスペクトル値を加算した合計スペクトル値を個数Nで除して平均値を算出する。
ステップS11では、平均化した周波数解析結果からチャタマークを発生させるチャタリング原因周波数のスペクトル値を抽出し、このチャタリング原因周波数のスペクトル値と予め設定した正常時のチャタリング原因周波数のスペクトル値であるスペクトル値閾値と比較する。
ここで、チャタリング原因周波数は、冷間連続圧延機10の圧延速度によって変化する。すなわち、金属板12を冷間連続圧延機10で圧延する場合の圧延速度は、図3に示すように、停止状態から圧延開始すると、約800m/minの高速圧延速度まで10秒程度で一気に増速した後高定速圧延状態となり、その後約200秒を超えた時点で約600m/minの低速圧延速度まで減速した後低定速圧延状態となり、この低定速圧延状態から270秒を超えた時点で一気に減速されて停止される。このように、圧延速度は、高定速圧延状態と低定速圧延状態の2段階に変化し、これに応じてチャタリング原因周波数も変化する。すなわち、高定速圧延状態でのチャタリング原因周波数は510Hzとなり、低定速圧延状態でのチャタリング原因周波数は400Hzとなる。
したがって、冷間連続圧延機10が正常であるときに、高定速圧延状態のチャタリング原因周波数510Hzにおけるスペクトル値をスペクトル閾値として求めておくと共に、低定速圧延状態のチャタリング原因周波数400Hzにおけるスペクトル値をスペクトル閾値として求めておき、基準圧延速度Vrbに基づいてチャタリング原因周波数のスペクトル閾値を決定する。
このステップS11の比較結果が抽出したスペクトル値がスペクトル閾値を超えているときにはチャタリングが発生していると判断してステップS12に移行し、アラームを発信してからステップS13に移行する。また、ステップS11の判定結果が、抽出したスペクトル値がスペクトル閾値以下であるときには正常と判断してステップS13に移行する。
このステップS13では、周波数解析結果記憶領域及び振動検出信号記憶領域の記憶データを消去してからステップS14に移行し、圧延速度フラグFを“0”にリセットしていからタイマ割込処理を終了する。
次に、本発明に係る異常振動検出方法について説明する。
この異常振動検出方法では、圧延速度Vrの変動が少ない圧延状態を一定時間継続している状態で異常判定を行う。このため、前述した図2のフローチャートに示すように、振動計17又は18から振動検出信号を読み込む度に圧延速度検出部19から圧延速度Vr(n)を読み込んで定速圧延状態であるか否かを判断している。
したがって、図3に示すように、時点t1で冷間圧延を開始し、時点t2で高定速圧延状態に移行した場合を想定すると、時点t1から時点t2までの間では、圧延速度Vrが急勾配で増加している。このとき、図2の異常判定処理を開始したときに圧延速度フラグFは“0”に初期化されるので、ステップS1で読み込んだ圧延速度Vr(n)が基準圧延速度Vrbとして記憶される(ステップS4)。このとき、圧延速度フラグFが“1”にセットされることにより、次回のタイマ割込時には、ステップS3からステップS6に移行し、読み込んだ圧延速度Vr(n)が基準圧延速度Vrbに対して速度偏差ΔV(±1m/min)以内の定速状態であるか否かを判定する。
このとき、圧延速度Vrの加速状態では、|Vrb−Vr(n)|>ΔVとなり、周波数解析結果記憶部には解析結果が記憶されていないが、記憶データが消去されて、読み込んだ圧延速度Vr(n)が再度基準圧延速度Vrbとして記憶される。
この状態が繰り返されて圧延速度が高定速圧延状態となって、圧延速度Vrの変動が少なくなった時点から、読み込んだ振動検出信号SV(n)の解析を開始する。この場合、ステップS2で読み込みを開始した振動検出信号SV(n)については読み込みが完了するまでに0.2〜1秒掛かるので、前回のタイマ割込処理で記憶した振動検出信号SV(n)について高速フーリエ変換方式の周波数解析を実行する(ステップS8)。
このときの周波数解析結果は、図4(a)に示すように、0〜1000Hzの周波数範囲で、周波数毎に多数のスペクトル値が発生している。ここで、高定速圧延状態における圧延速度Vr=800m/minにおけるチャタリング原因周波数510Hzについては近傍の振動によるスペクトル値に埋もれており、チャタリング原因周波数のスペクトル値を抽出することができない。
このため、本実施形態では、圧延速度Vrが定速を維持している状態で、振動検出信号SVをサンプリングする毎に、複数N回(N=10)周波数解析を実行し、解析結果を周波数解析結果記憶領域に記憶して行く。
そして、周波数解析結果記憶領域に複数N個の周波数解析結果が記憶されたときに、ステップS9からステップS10に移行して、記憶された複数N個の周波数解析結果における各周波数毎のスペクトル値を平均化処理する。すなわち、各周波数分析結果の周波数におけるスペクトル値を個別に加算した合計スペクトル値を記憶数Nで除する算術平均処理を行って平均スペクトル値を算出する。
このように、N個の周波数分析結果を周波数毎のスペクトル値を平均化処理することにより、チャタリング原因周波数510Hzにおける平均スペクトル値は、チャタリングを生じさせる振動が連続して起きているので、チャタリング原因周波数の平均スペクトル値は図4(b)に示すように、ピークがはっきりと表れる。これに対して、チャタリング原因周波数の前後の周波数では、振動が不規則であるため、平均化すると平均スペクトル値が小さくなる。
したがって、図4(b)からチャタリング原因周波数510Hzの平均スペクトル値を抽出し、この平均スペクトル値を正常時のスペクトル値であるスペクトル閾値と比較する(ステップS11)。これにより、異常振動であるか否かを判別することができ、チャタリング原因周波数510Hzの平均スペクトル値がスペクトル閾値以下であるときには正常と判断して周波数解析結果記憶領域及び振動検出信号記憶領域の記憶データを消去し(ステップS13)、圧延速度フラグFを“0”にリセットする(ステップS14)。
このため、次のタイマ割込タイミングで、新たな基準圧延速度Vrbが設定されて、振動検出信号SVの読み込み処理と周波数分析処理及び平均化処理が実行される。
なお、振動検出信号記憶領域に1又は2以上の振動検出信号が記憶されている状態で、圧延速度Vr(n)が基準圧延速度Vrbから速度偏差ΔVを超えて変動した場合には、それまでの記憶された振動検出信号及び周波数分析結果が消去されて、読み込み中の振動検出信号から新たに周波数分析が開始される。
その後、時点t3で圧延速度Vrが減速を開始すると、周波数解析が中断され、時点t4で低定速圧延状態となって、定速状態が一定時間継続されたときに周波数解析が実行され、周波数解析結果が複数N個となった時点で、平均化処理が実行されてチャタリング原因周波数400Hzの平均スペクトル値と正常時のスペクトル値であるスペクトル閾値と比較して、異常振動の検出が行われる。
この場合も、平均化処理前の周波数分析結果は、図5(a)に示すように、ある程度ピーク値を判断可能であるが、平均化処理を行うことにより、図5(b)に示すように、チャタリング原因周波数400Hzにおける平均スペクトル値がより明確に判別することができる。
このように、本実施形態によると、圧延速度が定速状態を一定期間維持している状態で、振動検出信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングした振動検出信号を周波数分析して周波数毎のスペクトル値を得る周波数分析処理を行う。この周波数分析処理を複数回繰り返し、複数の周波数分析結果を平均化処理することにより、チャタリング原因周波数における平均スペクトル値を得ることにより、チャタリング原因周波数のスペクトル値を正確に検出することができる。そして、この平均スペクトル値をスペクトル閾値と比較することで、チャタリングが生じる異常振動が発生しているか否かを正確に判断することができる。
なお、上記実施形態では、振動検出信号SVのサンプリング周期を1秒とし周波数分析を行うことを10回繰り返す場合について説明したが、これに限定されるものではなく、上述したようにサンプリング周期T1は0.2秒以上に設定すればよく、また平均化を行う分析結果数は10個に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
また、上記実施形態では、振動検出信号を収集する毎に、圧延速度Vrも収集する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、所定数の振動検出信号を連続的に収集し、その間に所定間隔で圧延速度Vrを収集して、圧延速度の変動があった時点で、再度振動検出信号の収集を開始するようにしてもよい。
この場合には、サンプリング周期T1の振動検出信号を収集する毎に、周波数分析処理を実行し、周波数分析結果がN個に達したときに、周波数分析結果を平均化処理すればよい。
また、上記実施形態では、圧延速度を最終スタンドST4で検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、各圧延スタンドST1〜ST3に個別に設けるようにしてもよい。
10…冷間連続圧延機、11…ハウジング、12…金属板、13…ワークロール、14…バックアップロール、15…テンションメータロール、16…パスラインロール、17,18…振動計、19…圧延速度検出部、20…振動信号処理計算機、21…振動検出信号記憶領域、22…周波数分析結果記憶領域

Claims (2)

  1. 金属板の冷間圧延時に、圧延スタンドの1か所以上に設置した振動計により振動信号を収集し、圧延速度の変動が少ない定速状態であるときに収集した振動信号に対して所定周期毎に高速フーリエ変換による周波数解析を行い、得られた各周波数成分のスペクトル値に対して平均化処理を行い、
    前記平均化処理において、複数N個の周波数解析結果の周波数におけるスペクトル値を個別に加算した合計スペクトル値をNで除する算術平均処理を行うことを特徴とする圧延機の異常振動検出方法。
  2. 前記平均化処理を行ったスペクトル値が予め得られている該当する定速圧延速度における正常時のスペクトル値を超えたときに異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の圧延機の異常振動検出方法。
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