JP2008289340A - セルフベアリングモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 5軸を能動的に制御するためには、複数個の回転体を回転軸で連結する必要があり、小型化や高速回転が難しい。このような問題の解決するため単一の回転子を有するセルフベアリングモータの、回転を含む全ての自由度を能動的に制御できるセルフベアリングモータを提供する。
【解決手段】 磁気的に浮上回転するための第1巻線のほか、さらに第2巻線6−L−1a,6−L−1b,6−L−1c,6−L−1d,6−R−1a,6−R−1b,6−R−1c,6−R−1dから6−L−12a,6−L−12b,6−L−12c,6−L−12d,6−R−12a,6−R−12b,6−R−12c,6−R−12dを取り付け所定の電流を流して、固定子1の内面に回転子7と同極数の回転磁界および回転子7±2極数の浮上磁界を発生させると、回転子7の傾きトルクおよび軸方向力が生じ、回転子7単一で全ての自由度を制御可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】 磁気的に浮上回転するための第1巻線のほか、さらに第2巻線6−L−1a,6−L−1b,6−L−1c,6−L−1d,6−R−1a,6−R−1b,6−R−1c,6−R−1dから6−L−12a,6−L−12b,6−L−12c,6−L−12d,6−R−12a,6−R−12b,6−R−12c,6−R−12dを取り付け所定の電流を流して、固定子1の内面に回転子7と同極数の回転磁界および回転子7±2極数の浮上磁界を発生させると、回転子7の傾きトルクおよび軸方向力が生じ、回転子7単一で全ての自由度を制御可能となる。
【選択図】図1
Description
この発明は真空・宇宙・クリーン環境機器や超高速回転機器および医療用機器等に用いられるセルフベアリングモータに関する。
特殊環境下や高速回転機に磁気軸受や磁気軸受とモータの機能を合わせ持つセルフベアリングモータ(磁気浮上モータ)が使用されている。しかし、5軸を能動的に制御するためには、磁気軸受とセルフベアリングモータおよびアキシャル磁気軸受という複数個の磁気軸受ユニットが必要であり、回転体を回転軸で連結した構成となるため装置の小型化や高速回転が難しいという問題があった。
小型化を図るため、特許文献1のようなモータと磁気軸受とモータの機能を合わせ持つ磁気浮上モータの提案がなされた。また、特許文献2のような、ハイブリッド型磁気浮上モータのバイアス磁束を利用して軸方向の制御を可能とした複合型の磁気浮上モータの提案もなされた。
しかし、このような構造は小型化に限界があることから、さらに小型化を図るため半径方向の2自由度のみを能動的に制御し、残りの自由度を受動的な安定性に依存する方式のセルフベアリングモータが提案され使用されているが、受動安定性に依存しているため性能や信頼性に問題がある。
この発明は上述した問題の解決を図るためのもので、単一の回転子を有するセルフベアリングモータの、回転を含む全ての自由度(6自由度)を能動的に制御できるセルフベアリングモータを提供することにある。
この発明は、セルフベアリングモータの浮上および回転を実現させる磁界を形成するための第1巻線とは別に、軸方向の傾きトルクおよび浮上力を発生させる磁極を形成させるために、回転子外周部ばかりでなく回転子側面にも永久磁石を取り付け、この永久磁石と対向するように固定子をオーバーハング型の突極構造とし、M±2極数の傾きトルク磁界およびM極数の軸方向浮上磁界を同時に発生させる第2巻線と、前記第2巻線に必要な電流を通電する制御手段を有することを特徴とする。
この発明によれば、特許文献1にあるような浮上および回転磁界を発生させるセルフベアリングモータにおいて、M±2極数の傾きトルク磁界およびM極数の軸方向浮上磁界を同時に発生させて、回転子軸方向の傾きトルクや浮上力を得ることで、単一ロータでありながら回転子の全ての自由度を能動的に制御することができるようになる。
この発明の一実施例について、図1、図2、図3を用いて説明する。図1はこの発明の構成の平面図で、1は電磁鋼板など磁性材料を使った固定子である。この固定子には2−1,2−2,......2−12のスロットがあり、回転子半径方向の浮上および回転用磁界発生させるための巻線3−1a,3−1b,3−2a,3−2b,......3−12a,3−12bが配置されている。
図2は図1のA−A’断面を示したものである。図2に示されるように、固定子1は各スロット間に固定子外周の両側側面に飛び出すようにオーバーハング形状の突極を有している。固定子左側が4−L−1,4−L−2,......4−L−12であり、右側が4−R−1,4−R−2,......4−R−12である。この突極部には、左側に5−L−1,5−L−2,......5−L−12、右側に5−R−1,5−R−2,......5−R−12のスロットがあり、左側の5−L−1のスロットには6−L−1a,6−L−1b,6−L−1c,6−L−1dの巻線が、右側の5−R−1のスロットには6−R−1a,6−R−1b,6−R−1c,6−R−1dの巻線が収納され、右突極の巻線は左突極の巻線に対し逆相になるように結線される。残りの各スロットの巻線も同じように左側と右側で逆相になるように結線される。後述するように、4極の永久磁石によって構成される回転子の場合、図1に示されるx,y軸回りのトルクを与える6極の回転磁界と、図2のz軸方向の力を与える4極の回転磁界を同時に発生させるように各巻線に電流を流す。
図3に回転子の平面図を示す。回転子7は円筒状の磁性材料で構成され、外周部に8−1,8−2,8−3,8−4という4枚の永久磁石が貼り付けられている。さらに、軸方向のトルクと力を発生させるために、回転子左側面に9−L−1,9−L−2,9−L−3,9−L−4、右側面に9−R−1,9−R−2,9−R−3,9−R−4という合計8枚の永久磁石が外周面と全て同極になるように貼り付けられ、N,S,N,Sの4極回転子を形成し、前記固定子内に空隙を介して配置される。
このような構成において、特許文献1のように固定子巻線3−1a,3−1b,3−2a,3−2b,......3−12a,3−12bに電流を流し半径方向の浮上力と回転トルクを与えると同時に、6−L−1a,6−L−1b,6−L−1c,6−L−1d,6−R−1a,6−R−1b,6−R−1c,6−R−1dから6−L−12a,6−L−12b,6−L−12c,6−L−12d,6−R−12a,6−R−12b,6−R−12c,6−R−12dの各突極巻線に6極の回転磁界と4極の回転磁界を同時に発生するように電流を流すことで、回転子7の傾きトルクと軸方向力を与えることができるため、単一回転子で全軸制御可能なセルフベアリングモータが実現する。
ここでより具体的に、x,y軸回りのトルクとz軸方向力の発生原理について説明する。図4はx軸回りのトルク発生原理を示すもので、回転子7の磁極配置を左側と右側から見た図であり、ここでは側面永久磁石のみを示す。回転子が左側から見て半時計方向に電気角でπ/2ずつ回転するとき、固定子突極部が回転子外周部に図示されるような6極回転磁界を作ることで、どの回転子角位置においても回転子左側上部で反発力が左側下部では吸引力が作用しており、回転子右側上部で吸引力が右側下部で反発力が作用しx軸回りのトルクが発生していることがわかる。
この傾きトルクを数式を用いて表すために、回転子左側面の永久磁石と固定子突極との空隙に作る磁束密度を次式のように仮定する。
一方、軸方向力発生の原理を図5に示す。図4と同様に、回転子7の磁極配置を左側と右側から見た図であり、回転子が左側から見て半時計方向に電気角でπ/2ずつ回転するとき、固定子突極部が回転子外周部に図示されるような4極回転磁界を作ることで、どの回転子角位置においても回転子左側で反発力が右側では吸引力が作用しており、回転子にz軸右方向力が発生していることがわかる。
この発明の異なるもう一つの実施例について、図6、図7を用いて説明する。図6は平面図で、この固定子に回転子半径方向の浮上および回転用磁界発生させるための巻線3−1a,3−1b,3−2a,3−2b,......3−12a,3−12bが配置されているのは実施例1と同じである。
図7は図6のB−B’断面を示したものである。図7に示されるように、固定子11と固定子12とは各スロット間ごとに磁性体ブリッジコア15−1,15−2,......15−12によって接続され、固定子外周の両側側面に飛び出すようにオーバーハング形状の突極を有している。固定子左側が14−L−1,14−L−2,......14−L−12であり、右側が14−R−1,14−R−2,......14−R−12である。磁性体ブリッジコア15−1には、16−1a,16−1b,16−1c,16−1dの巻線が巻かれており、15−2から15−12についても同様に対応する巻線が巻かれている。
このような構成において、特許文献1のように固定子巻線3−1a,3−1b,3−2a,3−2b,......3−12a,3−12bに電流を流し半径方向の浮上力と回転トルクを与えると同時に、16−1a,16−1b,16−1c,16−1dから16−12a,16−12b,16−12c,16−12dの磁性体ブリッジコア巻線に6極の回転磁界と4極の回転磁界を同時に発生するように電流を流すことで、回転子7の傾きトルクと軸方向力を与えることができるため、単一回転子で全軸制御可能なセルフベアリングモータが実現する。
x,y軸回りのトルクとz軸方向の力の発生原理については、実施例1と同様であり、6極回転磁界を作ることで傾きトルクを、4極回転磁界を作ることで軸方向力を任意に発生させることが可能である。
本発明にかかるセルフベアリングモータは真空・宇宙・クリーン環境機器や超高速回転機器および医療用機器等において特に有用である。
1…固定子、2−1〜2−12…浮上および回転制御用巻線スロット、3−1a〜3−12b…浮上および回転制御用巻線、4−L−1〜4−R−12…固定子オーバーハング突極、5−L−1〜5−R−12…傾きおよび軸方向制御用巻線スロット、6−L−1a〜6−R−1d…傾きおよび軸方向制御用巻線、7…回転子、8−1〜8−4…回転子外周部永久磁石、9−L−1〜9−R−4…回転子側面永久磁石、10,11…固定子、12−L−1〜12−R−12…固定子オーバーハング突極、13−1〜13−12…磁性体ブリッジコア、14−1a〜14−12d…傾きおよび軸方向制御用巻線。
Claims (4)
- 永久磁石によって構成されM個の磁極数を有する回転子と、回転子の外周と空隙を隔てて対向する固定子にM±2極数の浮上磁界およびM極数の回転トルク磁界を同時に発生させるための浮上・回転用の第1巻線に必要な電流を通電する制御手段を有するセルフベアリングモータにおいて、前記固定子に軸方向の傾きトルクおよび浮上力を発生させる磁極を形成させるために、M±2極数の傾きトルク磁界およびM極数の軸方向浮上磁界を発生させるための第2巻線と、前記第2巻線に必要な電流を通電する制御手段を有することを特徴とするセルフベアリングモータ。
- 請求項1において、前記回転子側面に外周部と同一磁極で同一極数の永久磁石を配置する構造を有することを特徴とするセルフベアリングモータ。
- 請求項1において、前記固定子の幅を軸方向に分割し、前記回転子を包み込むように半径方向に突極部を設けた分割固定子の間を磁性材コアで連結するブリッジ構造とし、該ブリッジ構造を有する部分に前記第2巻線を巻き回す構造を有することを特徴とするセルフベアリングモータ。
- 請求項1において、前記固定子の幅を軸方向に延長してスロット部を設け、前記固定子を包み込むように前記スロット部の外側突極部を半径方向にも延長するオーバーハング構造とし、この外側突極部に第2巻線を巻き回す構造を有することを特徴とするセルフベアリングモータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007154525A JP2008289340A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | セルフベアリングモータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007154525A JP2008289340A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | セルフベアリングモータ |
Publications (1)
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JP2008289340A true JP2008289340A (ja) | 2008-11-27 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2007154525A Pending JP2008289340A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | セルフベアリングモータ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008289340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014121098A (ja) * | 2012-12-12 | 2014-06-30 | Tokyo Institute Of Technology | ベアリングレスモータ、回転機および非接触磁気力支持ポンプ |
-
2007
- 2007-05-15 JP JP2007154525A patent/JP2008289340A/ja active Pending
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JP2014121098A (ja) * | 2012-12-12 | 2014-06-30 | Tokyo Institute Of Technology | ベアリングレスモータ、回転機および非接触磁気力支持ポンプ |
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