JP2008286941A - 光ファイバケーブル用スロットロッド及びそれを用いた光ファイバケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエチレンを含む熱可塑性樹脂100質量部に対し、金属水和物30〜80質量部を含有させた難燃性樹脂組成物を用いる、光ファイバケーブル用スロットロッドおよびそれに光ファイバ心線が収容された光ファイバケーブル。
【選択図】なし
Description
従来のスロットロッドは、低密度、中密度、高密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂や、それら樹脂を適宜に混合させた樹脂により構成されている。この外周部に設けられる溝4の本数や形状や大きさ等は、光ファイバケーブルの要求特性によって定まるものであり、適宜に設定することができる。
そうした場合、溝部の内周の表面は凹凸面となり、光ファイバ心線はその凹凸面に当接した状態で溝部に収容され、光ファイバはその凹凸面によって曲げられてしまうことから、光ファイバの光伝送損出が増加してしまう。これを防止するために、光ファイバ収容用の溝部内周面を平滑な面とすることが提示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
そのため、溝内の内面部に用いられる材料の密度を従来のスロット材料の密度より低いものとすることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、本体部全体が低密度では、スロットロッドの強度が低くなり、また内面部のみを低密度とし2層のものとすると、その製造工程が複雑で高価なものとなる。
本発明は、スロットロッドの細径化を図りながら、その強度を強くし曲げ弾性率を向上させると共に、溝内面の表面粗さを低減させ、溝の内面と心線との間の摩擦力を適切なものとし、良好な伝送特性を有する光ファイバケーブル用スロットロッドおよびそれを用いた光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)ポリエチレンを含む熱可塑性樹脂100質量部に対し、金属水和物30〜80質量部を含有させた難燃性樹脂組成物を用いることを特徴とする光ファイバケーブル用スロットロッド、
(2)曲げ弾性率が1250MPa以上であり、かつ、溝底部の平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることを特徴とする(1)項に記載のスロットロッド、
(3)前記(1)又は(2)項に記載のスロットロッドに、光ファイバ心線が収容されていることを特徴とする光ファイバケーブル、
(4)外径が24mm以下であることを特徴とする(3)項に記載の光ファイバケーブル、
(5)スロットロッド径が20mm以下であることを特徴とする(3)又は(4)項に記載の光ファイバケーブル、および、
(6)光ファイバ心線数が300〜1200心であることを特徴とする(3)〜(5)ののいずれか1項に記載の光ファイバケーブル
を提供するものである。
上記難燃性樹脂組成物には、必要に応じ一般的に使用されている各種の添加剤、例えば酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤等を本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
ポリエチレン以外の樹脂成分を混合することにより強度、表面粗さ性が良好となる。
上記金属水和物の表面処理に用いられるシランカップリング剤としては、例えば、末端にアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ビニル基(メタクロキシル基)、エポキシ基を有するものが挙げられる。これらのシランカップリング剤は単独でも2種以上併用してもよい。
また、本発明で用いることができるシランカップリング剤表面処理水酸化マグネシウムとしては、表面無処理のもの(市販品としては、キスマ5(商品名、協和化学(株)製)など)、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたもの(キスマ5A(商品名、協和化学(株)製)など)、リン酸エステル処理されたもの(キスマ5J(商品名、協和化学(株)製))などを上記のビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤により表面処理したもの、またはビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤によりすでに表面処理された水酸化マグネシウムの市販品(キスマ5L、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学(株)製)など)がある。
また、上記以外にも、予め脂肪酸やリン酸エステルなどで部分的に表面処理した水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムに追加的にビニル基又はエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤を用い表面処理を行った金属水和物なども用いることができる。
図1は本発明の光ファイバケーブルの一例のケーブル構造を示す構造図である。以下、図において周知例と同符号は同じものを示す。図1において、光ファイバケーブル1は、中心に抗張力体2を備えたスロットロッド3、スロットロッド3の溝4に挿入された8心光ファイバテープ心線5、溝4に挿入された8心光ファイバテープ心線5を押さえるためにスロットロッド3の外周に巻かれた押え巻(プラスチックテープ)6、および押え巻6の外側を覆う外被7からなる。抗張力体2は通常鋼線である。スロットロッド3はポリエチレンからなる熱可塑性樹脂と金属水和物を含有する難燃性樹脂組成物からなり、外被7はポリエチレン製である。溝の内面には、光ファイバテープ心線5の移動を適度に抑制することができる程度の摩擦力が生じる。説明の便宜上、1つの溝4にのみ光ファイバ心線5を図示しているが、他の溝4にも同様に光ファイバテープ心線5が挿入されている。
また、良好な伝送特性を得る観点から、溝底部の平均表面粗さ(Ra)が1.2μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。溝底部の平均表面粗さ(Ra)は、JIS B 1601に基づいて測定することができる。
本発明のスロットロッドの外径は、20〜19mmが好ましく、19.5〜19.1mmがより好ましい。
本発明で用いられるスロットロッドの溝の軌跡は限定されるものではなく、溝が螺旋状に形成されているS撚り又はZ撚りであっても、溝が螺旋状に形成され交互に配置されているSZ撚りであってもよい。
既存の地下管路を有効に活用した光ケーブル網を構築するためには、外径24mm以下の光ファイバケーブル、外径20mm以下のスロットロッドが要求を満たすものである。
なお本発明で、光ファイバケーブルの外径とは、外被を含めた外径である。
光ファイバ心線の心数は特に限定されないが、光ファイバ心線数を多くする要望から、本発明の光ファイバケーブルに収容される光ファイバ心線の心数は、300〜1200心が好ましく、1000心が特に好ましい。
図1に符号3で示すような光ファイバ用スロットロッドを作製した。
表1に各例の樹脂組成物に用いた各成分材料の含有量(表中の数字は質量部である)を示す。表に示す各成分材料を室温にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、外径20mm、13溝S撚りスロット、中心テンションメンバ(抗張力体):7/1.2のスロットロッドを押出成形した。
(1)高密度ポリエチレン(密度:956kg/m3)
商品名:「ハイゼックス540E」 製造元:(株)プライムポリマー
(2)高密度ポリエチレン(密度:950kg/m3)
商品名:「HD320」 製造元:日本ポリエチレン(株)
(3)脂肪酸処理水酸化マグネシウム
商品名:「マグシーズN4」 製造元:神島化学(株)
(4)シラン処理水酸化マグネシウム
商品名:「キスマ5L」 製造元:協和化学(株)
(a)曲げ弾性率
JIS K 7171に基づき、各スロットロッドの曲げ弾性率を測定した。
光ファイバケーブルとした場合での耐衝撃特性(リブに折れや過度な変形がないこと)を満たすには、曲げ弾性率1250MPa以上が必要である。
(b)脆化性(耐寒性)
JIS K 6760に規定される試験方法に基づき、各スロットロッドの耐寒性試験を行った。
スロットロッドは−30℃でクラックの発生が無いことが必要であるので、目視により−30℃でクラックの発生がないものは「○」、クラックが発生したものは「×」とした。
(c)平均表面粗さ(Ra)
得られた各スロットロッドの溝底部の平均表面粗さRa(μm)を、JIS B 1601に従って測定した。
良好な伝送特性を確保するためには1.2μm以下が必要であり、0.5μm以下であることが好ましい。
これに対して、従来例では曲げ弾性率、耐衝撃特性を満足できず、金属水和物の配合量が本発明の範囲を下回った場合(比較例1)は、平均表面粗さが劣り、逆に多すぎる場合(比較例2)は、脆化性が劣る結果となる。
2 抗張力体
3 スロットロッド
4 溝
5 光ファイバテープ心線
6 押え巻
7 外被
Claims (6)
- ポリエチレンを含む熱可塑性樹脂100質量部に対し、金属水和物30〜80質量部を含有させた難燃性樹脂組成物を用いることを特徴とする光ファイバケーブル用スロットロッド。
- 曲げ弾性率が1250MPa以上であり、かつ、溝底部の平均表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスロットロッド。
- 請求項1又は2に記載のスロットロッドに、光ファイバ心線が収容されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
- 外径が24mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバケーブル。
- スロットロッド径が20mm以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載の光ファイバケーブル。
- 光ファイバ心線数が300〜1200心であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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