JP2008286590A - イムノクロマトグラフ方法 - Google Patents

イムノクロマトグラフ方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008286590A
JP2008286590A JP2007130501A JP2007130501A JP2008286590A JP 2008286590 A JP2008286590 A JP 2008286590A JP 2007130501 A JP2007130501 A JP 2007130501A JP 2007130501 A JP2007130501 A JP 2007130501A JP 2008286590 A JP2008286590 A JP 2008286590A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
antibody
solution
compound
colloid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007130501A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Katada
順一 片田
Hiroyuki Chiku
浩之 知久
Takayoshi Oyamada
孝嘉 小山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2007130501A priority Critical patent/JP2008286590A/ja
Publication of JP2008286590A publication Critical patent/JP2008286590A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】分析対象物を含む試料を、簡易、迅速、正確に定性及び定量を行うことができる高感度のイムノクロマトグラフ方法の提供。
【解決手段】被験物質と、該被験物質に対する第一の抗体で修飾した標識物質とをこれらの複合体を形成させた状態で多孔性担体上において展開し、該被験物質に対する第二の抗体を有する多孔性担体上の反応部位において該被験物質と該標識物質を捕捉して該被験物質を検出することを含むサンドイッチイムノクロマトグラフ方法において、該被験物質の分子数に対する、多孔性担体上の反応部位において捕捉される該標識物質の個数の比率が20〜600%であり、かつ被験物質を検出する際に、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感することによって検出を行うことを特徴とするイムノクロマト方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、分析対象物を含む試料を、簡易、迅速、正確に定性及び定量を行うことができる免疫化学的分析方法に関する。
天然物、毒素、ホルモン、又は農薬等の生理活性物質又は環境汚染物質の中には、極微量で作用するものが非常に多い。従って、これらの物質の定性的及び定量的測定には、従来、高感度分析が可能な機器分析法が広く用いられてきた。しかし、機器分析法は、特異性が低く、試料の前処理工程を含め、分析に時間を要する上、操作が煩雑なため、近年要求されている迅速簡便測定目的には不都合である。一方、免疫学的測定法は、特異性も高く、操作も機器分析よりはるかに簡便であることから、生理活性物質又は環境汚染物質の測定分野に徐々に普及してきた。しかし、96穴プレ−トを用いた酵素免疫測定法やラテックス凝集法のような従来の免疫学的測定法は、必ずしも測定の迅速簡便性又は検出感度を満たすものではなかった。
また他のニーズとしては、現在スワブ液や血液と言った比較的侵襲的な検体を用いている検査においても、高感度化が達成されることで、鼻水やうがい液、尿、といった比較的低侵襲的な検体中にごく少量含まれる被検試料を検出することができるようになることで、患者の負担の少ない検査方法が可能となることも期待できる。
近年、特に迅速な診断が求められる感染症の検査に、イムノクロマトグラフ法を用いた検査キット(以後の説明において、イムノクロマトグラフキットと記す。)が多く使用されるようになってきている。これらキットの普及により、患者の感染を迅速・簡便な方法で特定することができ、その後の診断、治療を素早く的確に行うことが可能となってきている。例えば、サンドイッチ法を利用したイムノクロマトグラフ法では、分析対象物(例えば、抗原)に特異的に結合する第1抗体を特定の領域に固定した不溶性薄膜状支持体(例えば、ガラス繊維膜、ナイロン膜、又はセルロ−ス膜など)中に、分析対象物と特異的に結合する標識化第2抗体と、分析対象物を含む可能性のある検体溶液とを展開し、不溶性薄膜状支持体の第1抗体を固定した領域上で、分析対象物との免疫複合体を形成させ、標識の着色又は発色などの信号を検出し、分析対象物を測定することができる。なお、前記標識としては、例えば、酵素を含むタンパク質、着色ラテックス粒子、金属コロイド、又は炭素粒子を使用することができる。
イムノクロマトグラフ法は、その判定・測定に重厚な設備・機器を必要とせず、操作が簡便であり、分析対象物を含む可能性のある検体溶液を滴下した後、約5分〜10分間静置するだけで測定結果が得られるように迅速であるので、簡便・迅速・特異性の高い判定・測定手法として、多くの場面、例えば病院における臨床検査、研究室における検定試験等に広く使われている。
また、天然物、毒素、ホルモン、又は農薬等の生理活性物質又は環境汚染物質は、従来の一般的イムノクロマトグラフ法では検出できない極微量で作用する物質が多く、それらの迅速、簡便、且つ高感度なイムノクロマトグラフ法の開発が求められている。
従来、展開の手段を工夫した技術(例えば、特許文献1及び2を参照)、着色粒子を工夫した技術(例えば、特許文献3及び4を参照)、展開部材を工夫した技術(例えば、特許文献5を参照)、アビジン−ビオチン結合を利用した技術(例えば、特許文献6を参照)、及び酵素免疫法を利用した技術(例えば、特許文献7を参照)、触媒作用のある金属コロイドを用いた技術(例えば、特許文献8を参照)、金属イオンを沈着させる技術(例えば、特許文献9を参照)等、高感度化を目指した数多くの技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術の進歩によりイムノクロマトグラフ法は、分析対象物の検出感度が高くなり酵素免疫測定法に近づいたとは言え、さらなる高感度化が要望されている。
特開平1−32169号公報 特開平4−299262号公報 特開平5−10950号公報 特開平5−133956号公報 特開平7−318560号公報 特開平10−68730号公報 特開平11−69996号公報 特開2002−262638号公報 特開2002−202307号公報
本発明が解決しようとする課題は、イムノクロマトグラフ法の簡便迅速というメリットを保ちつつ、その高感度化をはかることである。
一般に、従来のイムノクロマトグラフ法の検出感度は細菌の場合、105〜107CFU/mLである。最近の高感度な検出法として遺伝子増幅法(PCR法)が挙げられ、その検出感度は103〜104CFU/mLまで達成されている。しかしながら、PCR法は、重厚な設備、機器および煩雑な操作が必要であり、しかも検出までに数時間という長時間を要すため、簡便・迅速な測定方法とは言えない。従来のイムノクロマトグラフ法を1桁〜4桁程度高感度化することは、つまりこれまでPCR法により行っていたような簡便・迅速とは言えなかった検査を、簡便・迅速に行うことを可能にすると考えられる。
また、既にイムノクロマトグラフ法による測定法が確立されている感染症の検査においても高感度化が求められている。例えば、イムノクロマトグラフ法によるインフルエンザ検査は近年その簡便・迅速な検査方法として普及しているが、この検査において、感染初期のウイルス量が比較的少ない際には、その検出感度不足から偽陰性が出てしまい再検査が必要となることがある。一般にインフルエンザウイルスは4時間で10倍に増殖するとされることから、例えば1桁の感度アップにより、従来よりも4時間前の時点で感染を判定できるようになる。何度も通院するという患者の負担を低減するという観点から、イムノクロマトグラフ法のような簡便迅速でさらに高感度な検査法の開発が求められている。
従って、本発明が解決しようとする課題は、迅速且つ簡便であって、しかも、従来公知のイムノクロマトグラフ方法よりも更に高感度なイムノクロマトグラフ方法を提供することである。
通常イムノクロマトグラフ方法において、最小検出感度付近のアッセイでは、抗原数に対し標識物が過剰な関係となる。この抗原濃度域において、抗原に1つの標識物しか結合できないような系では、抗原と同数の標識物がテストライン上に捕捉される、つまり被験物質に対する、多孔性担体上の反応部位において捕捉される該標識物質の個数の比率(=トラップ率)が100%となったときに、全体のシグナルが最大となると考えられる。一方、通常の市販のイムノクロマトグラフキットにおいて、そのトラップ率は10%以下であり、感度向上にはこのトラップ率の向上が望まれる。
ただ、従来の金コロイドや着色ラテックス粒子を用いた光の吸収による目視または機器による判定を行うイムノクロマトグラフ法においては、その視認度確保のため、一定の粒子径が必要であった。
本発明者らは、標識粒子の粒子径を従来よりも小さくすることにより、その粒子の運動性を高め多孔性担体中での捕捉物質との反応効率を向上させることで、または粒子径の小さな標識粒子を用いることで粒子径が大きな場合のよりも凝集度合いを上げることで、トラップ率を上げることができることを見出した。さらに本発明では、その捕捉粒子の数に応じてシグナル増幅されるような、例えば銀塩を用いた増幅法などにより増幅することで、限界検出感度を向上できることを見出した。
なお、本明細書中で述べる「トラップ率」とは、「該被験物質の分子数に対する、多孔性担体上の反応部位において捕捉される該標識物質の個数の比率」のことである。この値は抗原濃度の薄い領域、具体的には抗原数に対して標識粒子数が過剰にあるような条件の際に、算出した値を考える。具体的算出法は実施例中に示した。
また、通常の、標識粒子を目視で検出するような手法においては、標識粒子を小さくすることは1粒子あたりのシグナル自体を小さくすることとなり、感度は低下する。ところが、銀塩を用いた増幅法のように、粒子の数に応じてシグナルを増幅することができ、1粒子あたりのシグナル増幅率が粒子の小ささによるシグナルの不利さを上回る場合、標識粒子の大きさに関わらず標識粒子の捕捉率を向上させることで最終的な限界検出感度を上げることができると考えられる。本発明者らは、標識粒子の粒子径を1〜50nm、より好ましくは1〜15nmと小さくすることにより、その凝集度を上昇させることでトラップ率向上を図り、さらに粒子の数に応じてシグナルを増幅することができるるような、例えば銀塩を用いた増幅法などにより増幅することで、限界検出感度を向上できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、被験物質と、該被験物質に対する第一の抗体で修飾した標識物質とをこれらの複合体を形成させた状態で多孔性担体上において展開し、該被験物質に対する第二の抗体を有する多孔性担体上の反応部位において該被験物質と該標識物質を捕捉して該被験物質を検出することを含むサンドイッチイムノクロマトグラフ方法において、該被験物質の分子数に対する、多孔性担体上の反応部位において捕捉される該標識物質の個数の比率が20〜600%であり、かつ被験物質を検出する際に、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感することによって検出を行うことを特徴とするイムノクロマト方法が提供される。
好ましくは、該標識物質は金属コロイドである。
好ましくは、金属コロイドは金コロイドである。
好ましくは、該標識物質の平均粒径は1〜50nmである。
好ましくは、該標識物質の平均粒径は1〜15nmである。
本発明により、分析対象物を含む試料を、簡易、迅速、正確に定性及び定量を行うことができる高感度のイムノクロマトグラフ方法が提供される。
1.イムノクロマト
一般に、イムノクロマトグラフ方法とは以下のような手法で被分析物を簡便・迅速・特異的に判定・測定する手法である。すなわち、被分析物と結合可能な固定化試薬(抗体、抗原等)を含む少なくとも1つの反応部位を有するクロマトグラフ担体を固定相として用いる。このクロマトグラフ担体上で、分析対象物結合可能な試薬によって修飾された検出用標識物が分散されてなる分散液を移動層として前記クロマトグラフ担体中をクロマトグラフ的に移動させると共に、前記分析対象物と検出用標識物とが特異的に結合しながら、前記反応部位まで到達する。前記反応部位において、前記分析対象物と検出用標識物の複合体が前記固定化試薬に特異的結合することにより、被分析液中に分析対象物が存在する場合にのみ、前記固定化試薬部に検出用標識物が濃縮されることを利用し、それらを目視または適当な機器を用いて被分析液中に被検出物が存在することを定性および定量的に分析する手法である。
本発明におけるイムノクロマトグラフ方法を行う装置は、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を内蔵し、前記固定化試薬に結合した前記分析対象物と検出用標識物の複合体を核として増幅反応によって、シグナルを増幅し、結果として高感度化を達成することを特徴とする。本発明によれば、従来のイムノクロマトグラフ方法におけるような外部より増幅のための金属イオンや還元剤溶液を供給することを必要とせず、一段と簡便で、迅速な高感度イムノクロマトグラフを行うことができる。
2.被検試料
本発明のイムノクロマトグラフ方法で分析することのできる被検試料としては、分析対象物を含む可能性のある試料である限り、特に限定されるものではなく、例えば、生物学的試料、特には動物(特にヒト)の体液(例えば、血液、血清、血漿、髄液、涙液、汗、尿、膿、鼻水、又は喀痰)若しくは排泄物(例えば、糞便)、臓器、組織、粘膜や皮膚、それらを含むと考えられる搾過検体(スワブ)、うがい液、又は動植物それ自体若しくはそれらの乾燥体を挙げることができる。
3.被検試料の前処理
本発明のイムノクロマトグラフ方法では、前記被検試料をそのままで、あるいは、前記被検試料を適当な抽出用溶媒を用いて抽出して得られる抽出液の形で、更には、前記抽出液を適当な希釈剤で希釈して得られる希釈液の形、若しくは前記抽出液を適当な方法で濃縮した形で、用いることができる。前記抽出用溶媒としては、通常の免疫学的分析法で用いられる溶媒(例えば、水、生理食塩液、又は緩衝液等)、あるいは、前記溶媒で希釈することにより直接抗原抗体反応を実施することができる水混和性有機溶媒を用いることもできる。
4.構成
本発明のイムノクロマトグラフ方法において使用することのできるイムノクロマトグラフ用ストリップとしては、通常のイムノクロマトグラフ法に用いることができるイムノクロマトグラフ用ストリップである限り、特に限定されるものではない。例えば、図1に模式的に従来のイムノクロマトグラフ用ストリップの平面図を模式的に示す。図2に図1で示されたイムノクロマトグラフキットの縦断面を模式的に示す縦断面図である。図3は本発明のイムノクロマトグラフ用ストリップの断面図を模式的に示す。
本発明のムノクロマトグラフ用ストリップ10は、展開方向(図1において矢印Aで示す方向)の上流から下流に向かって、試料添加パッド5、標識化物質保持パッド(例えば金コロイド抗体保持パッド)2、クロマトグラフ担体(例えば抗体固定化メンブレン)3、及び吸収パッド4がこの順に、粘着シート5上に配置されている。
前記クロマトグラフ担体3は、補足部位3aを有し、分析対象物と特異的に結合する抗体又は抗原を固定化した領域である検出ゾーン(検出部と記載することもある)31を有し、所望により、コントロール用抗体又は抗原を固定化した領域であるコントロールゾーン(コントロール部と記載することもある)32を更に有する。さらに、検出ゾーン31およびコントロールゾーン32は、増幅のための有機銀塩と銀イオンのための還元剤を含有する。
前記標識化物質保持パッド2は、標識化物質を含む懸濁液を調製し、その懸濁液を適当な吸収パッド(例えば、グラスファイバーパット)に塗布した後、それを乾燥することにより調製することができる。
前記試料添加パッド1としては、例えばグラスファイバーパットを用いることができる。
4−1.検出用標識物
検出用標識物は、免疫凝集反応に用いられている着色粒子を使用することができる。例えば、金属コロイドのような金属等を用いることができる。担体粒子(又はコロイド)の平均粒径は、0.02〜10μmの範囲が好ましい。色素を含有したリポゾ−ムやマイクロカプセル等も着色粒子として使用することができる。従来公知の着色金属コロイドはいずれも標識用着色粒子として使用することができる。例えば、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、およびこれらの複合コロイドなどが挙げられ、好ましくは、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、およびこれらの複合コロイドである。特に、金コロイドと銀コロイドが適当な粒径において、金コロイドは赤色、銀コロイドは黄色を示す点で好ましい。金属コロイドの平均粒径としては、約1nm〜500nmが好ましく、1〜50nmがさらに好ましく。1〜15nmが特に好ましい。金属コロイドと特異結合物質との結合は、従来公知の方法(例えばThe Journal of Histochemistry and Cytochemistry,Vol.30,No.7,pp691−696,(1982))に従い、行うことができる。すなわち、金属コロイドと特異結合物質(例えば抗体)を適当な緩衝液中で室温下5分以上混合する。反応後、遠心分離により得た沈殿を、ポリエチレングリコ−ル等の分散剤を含む溶液中に分散させることにより、目的の金属コロイド標識特異結合物質を得ることができる。金属コロイドとして金コロイド粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法(Nature Phys. Sci.,vol.241,20,(1973)等)により金コロイド粒子を調製することができる。
本発明によれば、検出用標識物として金属コロイド標識又は金属硫化物標識、その他金属合金標識(以下、金属系標識と称することがある)、また金属を含むポリマ−粒子標識を用いるイムノクロマトグラフにおいて、前記金属系標識の信号を増幅させることができる。具体的には、前記分析対象物と検出用標識物の複合体の形成後に、有機銀塩などの銀を含む化合物から供給される銀イオンおよび銀イオンのために還元剤を接触させ、還元剤によって銀イオンを還元して銀粒子を生成させると、その銀粒子が前記金属系標識を核として前記金属系標識上に沈着するので、前記金属系標識が増幅され、分析対象物の分析を高感度に実施することができる。従って、本発明のイムノクロマトグラフ方法においては、還元剤による銀イオンの還元作用により生じた銀粒子を用いて、免疫複合体の標識に沈着させる反応を実施し、こうして増幅された信号を分析することを除けば、それ以外の点では従来公知のイムノクロマトグラフ法をそのまま適用することができる。
本発明のイムノクロマトグラフ方法では、分析対象物(抗原又は抗体)と特異的に結合する抗体若しくは抗原、又は標準化合物を標識するのに用いる標識として、金属コロイド標識又は金属硫化物標識を用いる。前記金属コロイド標識又は金属硫化物標識としては、通常のイムノクロマトグラフ方法に用いることができる標識である限り、特に限定されるものではなく、金属コロイド標識としては、例えば、白金コロイド、金コロイド、パラジウムコロイド、又は銀コロイドそして、それらの混合物を挙げることができ、金属硫化物標識としては、例えば、鉄、銀、パラジウム、鉛、銅、カドミウム、ビスマス、アンチモン、錫、又は水銀の各硫化物を挙げることができる。本発明のイムノクロマトグラフ方法においては、これらの金属コロイド標識及び/又は金属硫化物標識の1又はそれ以上を標識として用いることができる。
4−2.抗体
本発明のイムノクロマトグラフ方法においては、分析対象物に対して特異性を有する抗体として、特に限定されるものではないが、例えば、その分析対象物によって免疫された動物の血清から調製する抗血清、抗血清から精製された免疫グロブリン画分、その分析対象物によって免疫された動物の脾臓細胞を用いる細胞融合によって得られるモノクローナル抗体、あるいは、それらの断片[例えば、F(ab’)2、Fab、Fab’、又はFv]を用いることができる。これらの抗体の調製は、常法により行なうことができる。
4−3.クロマトグラフ担体
クロマトグラフ担体としては、多孔性担体が好ましい。特に、ニトロセルロース膜、セルロース膜、アセチルセルロース膜、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ナイロン膜、ガラス繊維、不織布、布、または糸等が好ましい。
通常クロマトグラフ担体の一部に検出用物質を固定化させて検出ゾーンを作製する。検出用物質は、検出用物質をクロマトグラフ担体の一部に物理的または化学的結合により直接固定化させてもいいし、検出用物質をラテックス粒子などの微粒子に物理的または化学的に結合させ、この微粒子をクロマトグラフ担体の一部にトラップさせて固定化させてもいい。なお、クロマトグラフ担体は、検出用物質を固定化後、不活性蛋白による処理等により非特異的吸着防止処理をして用いるのが好ましい。
4−4.試料添加パッド
試料添加パッドの材質は、セルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、及び綿布等の均一な特性を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。試料添加部は、添加された分析対象物を含む試料を受入れるだけでなく、試料中の不溶物粒子等を濾過する機能をも兼ねる。また、分析の際、試料中の分析対象物が試料添加部の材質に非特異的に吸着し、分析の精度を低下させることを防止するため、試料添加部を構成する材質は、予め非特異的吸着防止処理して用いることもある。
4−5.標識化物質保持パッド
標識化物質保持パッドの素材としては、例えば、セルロース濾紙、グラスファイバー、及び不織布等が挙げられ、前述のように調製した検出用標識物を一定量含浸し、乾燥させて作製する。
4−6.吸収パッド
吸収パッドは、添加された試料がクロマト移動により物理的に吸収されると共に、クロマトグラフ担体の検出部に不溶化されない未反応標識物質等を吸収除去する部位であり、セルロ−ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等吸水性材料が用いられる。添加された試料のクロマト先端部が吸収部に届いてからのクロマトの速度は、吸収材の材質、大きさなどにより異なるので、その選定により分析対象物の測定に合った速度を設定することができる。
5.免疫検査の方法
以下、本発明のクロマトグラフ方法について、その具体的な実施態様であるサンドイッチ法について説明する。サンドイッチ法では、特に限定されるものではないが、例えば、以下の手順により分析対象物の分析を実施することができる。まず、分析対象物(抗原)に対して特異性を有する第1抗体及び第2抗体を、先に述べた方法により予め調製しておく。また、第2抗体を、予め標識化しておく。第1抗体を、適当な不溶性薄膜状支持体(例えば、ニトロセルロ−ス膜、ガラス繊維膜、ナイロン膜、又はセルロ−ス膜等)上に固定し、分析対象物(抗原)を含む可能性のある被検試料(又はその抽出液)と接触させると、その被検試料中に分析対象物が存在する場合には、抗原抗体反応が起きる。この抗原抗体反応は、通常の抗原抗体反応と同様に行なうことができる。前記抗原抗体反応と同時又は反応後に、過剰量の標識化第2抗体を更に接触させると、被検試料中に分析対象物が存在する場合には、固定化第1抗体と分析対象物(抗原)と標識化第2抗体とからなる免疫複合体が形成される。
サンドイッチ法では、固定化第1抗体と分析対象物(抗原)と第2抗体との反応が終了した後、前記免疫複合体を形成しなかった標識化第2抗体を除去し、続いて、例えば、不溶性薄膜状支持体における固定化第1抗体を固定した領域に、金属イオン及び還元剤を供給することにより、前記免疫複合体を形成した標識化第2抗体の標識からの信号を増幅する。あるいは、標識化第2抗体に金属イオン及び還元剤を添加し、同時に薄膜状支持体に添加することにより、前記免疫複合体を形成した標識化第2抗体の標識からの信号を増幅する。
6.銀を含む化合物
本発明で用いる銀含有化合物としては、有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。
本発明に用いられる有機銀塩は、還元可能な銀イオンを含む有機化合物である。好ましくは、還元剤の存在下で50℃以上まで加熱されると、光に比較的に安定な金属銀を形成する銀塩または配位化合物である。
本発明に用いられる有機銀塩は、アゾ−ル化合物の銀塩およびメルカプト化合物の銀塩より選ばれる化合物が好ましい。好ましくは、アゾ−ル化合物としては含窒素ヘテロ環化合物であり、より好ましくはトリアゾ−ル化合物およびテトラゾ−ル化合物である。メルカプト化合物は、メルカプト基またはチオン基を分子内に少なくとも1つ有する化合物
である。
本発明における窒素含有ヘテロ環化合物の銀塩は、好ましくはイミノ基を有する化合物の銀塩である。代表的な化合物としては次にあげるものであるが、これらの化合物に限定されることはない。1,2,4−トリアゾ−ルの銀塩、又はベンゾトリアゾ−ルおよびその誘導体の銀塩(例えば、メチルベンゾトリアゾ−ル銀塩又は5−クロロベンゾトリアゾ−ル銀塩)、米国特許第4,220,709に記載されているフェニルメルカプトテトラゾ−ルのような1H−テトラゾ−ル化合物、米国特許第4,260,677に記載のイミダゾ−ルおよびイミダゾ−ル誘導体。この種の銀塩のうち、特に好ましい化合物はベンゾトリアゾ−ル誘導体の銀塩、又はこれらの2つ以上の混合物である。
本発明に用いられる窒素含有ヘテロ環化合物の銀塩として最も好ましくは、ベンゾトリアゾ−ル誘導体の銀塩である。
本発明におけるメルカプト基またはチオン基を持つ化合物は、好ましくは5つまたは6つの原子を含むヘテロ環化合物である。この場合に環中の原子の少なくとも1つは窒素原子であり、その他の原子は炭素、酸素、硫黄原子である。このようなヘテロ環化合物としてはトリアゾ−ル類オキサゾ−ル類、チアゾ−ル類、チアゾリン類、イミダゾ−ル類、ジアゾ−ル類、ピリジン類、およびトリアジン類が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
メルカプト基またはチオン基を持つ化合物の銀塩のうち代表的な化合物を以下に挙げるが、これらに限定されるわけではない。
3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾ−ルの銀塩、2−メルカプト−ベンズイミダゾ−ルの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアゾ−ルの銀塩、2−(2−エチルグリコ−ルアミド)ベンゾチアゾ−ルの銀塩、5−カルボキシ−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンゾオキサゾ−ルの銀塩、米国特許第4,123,274記載の化合物の銀塩(例えば1,2,4−メルカプトチアゾ−ル誘導体の銀塩、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾ−ルの銀塩)、およびチオン化合物の銀塩[例えば米国特許No.3,785,830に記載の3−(2−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩]。
本発明におけるメルカプト基またはチオン基を持つ化合物としては、ヘテロ環を含まない化合物を用いることも出来る。ヘテロ環を含まないメルカプトまたはチオン誘導体としては、総炭素数が10以上の脂肪族または芳香族炭化水素化合物が好ましい。
ヘテロ環を含まないメルカプトまたはチオン誘導体のうち有用な化合物としては以下に挙げるものがあるが、これらに制限されるわけではない。
チオグリコ−ル酸銀塩(例えば炭素原子数12から22までのアルキル基を持つS−アルキルチオグリコ−ル酸の銀塩)、ジチオカルボン酸の銀塩(たとえばジチオ酢酸の銀塩又はチオアミドの銀塩)
カルボン酸の銀塩を持つ有機化合物もまた好ましく用いられる。例えば、直鎖のカルボン酸である。具体的には、C数6〜22のカルボン酸が好ましく用いられる。加えて芳香族カルボン酸の銀塩である。芳香族カルボン酸とその他のカルボン酸の例として、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されることはない。
置換または無置換の安息香酸銀(例えば3,5−ジヒドロキシ安息香酸銀、o−メチル安息香酸銀、m−メチル安息香酸銀、p−メチル安息香酸銀、2,4−ジクロロ安息香酸銀、アセタミド安息香酸銀、およびp−フェニル安息香酸銀)、タンニン酸銀、フタル酸銀、テレフタル酸銀、サリチル酸銀、フェニル酢酸銀、又はピロメリット酸銀。
本発明においては米国特許第3,330,663に記載されたようなチオエ−テル基を含む脂肪酸銀もまた好ましく用いられる。エ−テルまたはチオエ−テル結合を含む炭化水素鎖を有するか、α−位(炭化水素基の上)またはオルト位(芳香族基の上)に立体的に遮蔽された置換基を有する可溶性のカルボン酸銀も用いることができる。これらは、塗布溶媒中で溶解性が向上し、光散乱が少ない塗布物になる。
そのような銀のカルボン酸塩は、米国特許第5,491,059に記載されている。ここで記載されている銀塩の混合物はどれでも、本発明においては必要に応じて使うことができる。
米国特許第4,504,575に記載のスルホン酸塩の銀塩もまた、本発明の態様においては使用することが出来る。EP−A−0227141に記載のsulfosuccinatesの銀塩もまた、本発明において有用である。
さらに、本発明においては例えば米国特許第4,761,361と米国特許第4,775,613に記載のアセチレンの銀塩も使用することが出来る。米国特許第6,355,408に記載のコア−シェル型銀塩として提供されることもできる。これらの銀塩は、一つ以上の銀塩から成るコアと一つ以上の異なる銀塩からなるシェルで構成される。
本発明中において、非感光性銀源としてもう一つ有用なものは米国特許6472131に記載の2つの異なった銀塩から構成される銀の二量体合成物である。そのような非感光性の銀の二量体合成物は2つの異なる銀塩から成る。前記二種の銀塩が直鎖の飽和炭化水素基を銀の配位子として含む場合にはそれら配位子の炭素原子数の差が6以上である。
有機銀塩は、銀として一般に0.001モル/m2〜0.2モル/m2、好ましくは0.001モル/m2〜0.05モル/m2含有される。
本発明に用いられる無機銀塩、もしくは銀錯体は、還元可能な銀イオンを含む化合物である。好ましくは、還元剤の存在下で50℃以上まで加熱されると、光に比較的に安定な金属銀を形成する無機銀塩、もしくは銀錯体である。
本発明に用いられる無機銀塩は、例えば、ハロゲン化銀(塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、ヨウ化銀、塩ヨウ化銀、塩ヨウ臭化銀、およびヨウ臭化銀等)、チオ硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、チオシアン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、および亜硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩等が挙げられる。
本発明に用いられる無機銀塩は、好ましくはハロゲン化銀である。
本発明に用いられるハロゲン化銀の粒子形成方法は、写真業界でよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物(例えば、硝酸銀)及びハロゲン供給化合物を添加することにより調製される。
ハロゲン化銀の粒子サイズは、検査ノイズを小さくする上で微細であることが好ましく、具体的には0.20μm以下、より好ましくは0.10μm以下、更に好ましくはナノ粒子の範囲がよい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子の投影面積(平板粒子の場合は主平面の投影面積)と同面積の円像に換算したときの直径をいう。
チオ硫酸銀、チオシアン酸銀、および亜硫酸銀等もハロゲン化銀と同様の粒子形成方法により銀供給化合物(例えば、硝酸銀)及びチオ硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、チオシアン酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)の銀塩、および亜硫酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩等)を混合することにより調製される。
本発明に用いられる銀錯体は、例えば、チオ硫酸塩と銀イオンの錯体、チオシアン酸塩と銀イオンの錯体、またはこれらの複合銀錯体、および、シュガーチオン誘導体と銀イオンの錯体、環状イミド化合物(例えば、ウラシル、ウラゾール、5−メチルウラシル、バルビツール酸など)と銀イオンの錯体、1,1−ビススルホニルアルカン類と銀イオンの錯体である。本発明に用いられる好ましい銀錯体は、環状イミド化合物(例えば、ウラシル、ウラゾール、5−メチルウラシル、バルビツール酸など)と銀イオンの錯体である。
本発明に用いられる銀錯体は、通常知られている塩形成反応により調製することができる。例えば、水もしくは水混和性溶媒中で水溶性銀供給体(例えば、硝酸銀)と銀錯体に対応する配位子化合物とを混合することにより調製される。調製された銀錯体は、透析法もしくは限外濾過法などの公知の脱塩方法により副成する塩類を除去して用いることが出来る。
無機銀塩、もしくは銀錯体は、銀として一般に0.001モル/m2〜0.2モル/m2、好ましくは0.01モル/m2〜0.05モル/m2含有される。
また、無機銀塩または銀錯体を使用する場合は、無機銀塩もしくは銀錯体の溶剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる溶剤としては、上記の銀錯体の項で説明した銀錯体を形成する配位子として用いられる化合物が好ましく用いられる。例えば、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩、シュガーチオン誘導体、環状イミド化合物、および1,1−ビススルホニルアルカン類糖である。本発明に用いられる溶剤として、より好ましくは、ウラシル、ウラゾール、5−メチルウラシル、バルビツール酸などの環状イミド化合物である。本発明に用いられる溶剤は、銀イオンに対してモル比で0.1モル〜10モルの範囲で好ましく用いられる。
7.銀イオンのための還元剤
銀イオンのための還元剤は、銀(I)イオンを銀に還元することができるいかなる材料でも用いることができる。
湿式のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる現像主薬(例えばメチル没食子酸塩、ヒドロキノン、置換ヒドロキノン、3−ピラゾリドン類、p−アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、ヒンダードフェノール類、アミドキシム類、アジン類、カテコール類、ピロガロール類、アスコルビン酸(またはその誘導体)、およびロイコ色素類)、および本分野での技術に熟練しているものにとって明らかなその他の材料は、たとえば米国特許第6,020,117号(バウアーほか)で記述されるように、本発明において用いることができる。
「アスコルビン酸還元剤」はアスコルビン酸、その誘導体との複合体を意味する。アスコルビン酸還元剤は下記のように多くの文献において記載されており、例えば米国特許第5,236,816号(Purolほか)とその中で引用されている文献が挙げられる。
本発明における還元剤として、アスコルビン酸還元剤が好ましい。有用なアスコルビン酸還元剤は、アスコルビン酸と類似物、異性体とその誘導体を含む。そのような化合物は含む以下にあげるものであるが、これらに限定されるわけではない。
D−またはL−アスコルビン酸とその糖誘導体(例えばsorboascorbic酸、gamma.−lactoascorbic酸、6−desoxy−Lアスコルビン酸、L−rhamnoascorbic酸、imino−6−desoxy−Lアスコルビン酸、glucoascorbic酸、fucoascorbic酸、glucoheptoascorbic酸、maltoascorbic酸、L−arabosascorbic酸)、アスコルビン酸のナトリウム塩、アスコルビン酸のカリウム塩、イソアスコルビン酸(またはL−エリスロアスコルビン酸)、その塩(例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩または当技術分野において知られている塩)、endiolタイプのアスコルビン酸、enaminolタイプのアスコルビン酸、チオエノ−ルタイプのアスコルビン酸、たとえば米国特許第5,498,511、EP−A−0585,792、EP−A−0573700、EP−A−0588408、米国特許第5,089,819、米国特許第5,278,035、米国特許第5,384,232、米国特許第5,376,510、JP7−56286、米国特許第2,688,549、およびReseach Disclosure37152(1995年3月)に記載されているような化合物。
これらの化合物のうち、好ましくは、D、LまたはD,L−アスコルビン酸(そして、そのアルカリ金属塩)かイソアスコルビン酸(またはそのアルカリ金属塩)であり、ナトリウム塩が好ましい塩である。必要に応じてこれらの還元剤の混合物を用いることができる。
ヒンダードフェノール類も単独で、または一つ以上の硬調化還元剤とコントラスト強化剤と組み合わせて好ましく用いられる。
ヒンダードフェノールは、ベンゼン環上に一つだけの水酸基を有し、少なくとも一つの置換基を水酸基に対してオルト位に有する化合物である。ヒンダードフェノール還元剤は複数の水酸基を別々のベンゼン環に持っていれば、複数の水酸基を有していて構わない。
ヒンダードフェノール還元剤は、たとえば、ビナフトール類(すなわちジヒドロキシビナフトール類)、ビフェノール類(すなわちジヒドロキシビフェノール類)、ビス(ヒドロキシナフチル)メタン類、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン類(すなわちビスフェノール類)、ヒンダ−ドフェノール類、およびヒンダードナフトール類が挙げられ、これらは置換されていて構わない。
代表的なビナフトール類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
1,1’−bi−2−ナフトール、1,1’−bi−4−メチル−2−ナフトール、6,6’−ジブロモ−bi−2−ナフトール、および米国特許第3,094,417号と米国特許第5,262,295号に記載されている化合物。
代表的なビフェノール類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−di−t−ブチル−5,5’−ジメチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルビフェニル、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−di−t−ブチル−5,5’−ジクロロビフェニル、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4−メチル−6−n−ヘキシルフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、および米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
代表的なビス(ヒドロキシナフチル)メタン類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
4,4’−メチレンビス(2−メチル−1−ナフト−ル)、米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
代表的なビス(ヒドロキシフェニル)メタン類は以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン(CAO−5)、1,1’−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(NONOXまたはPERMANAX WSO)、1,1’−ビス(3,5−di−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,4’−エチリデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノ−ル)、2,2’−イソブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェノ−ル)(LOWINOX 221B46)、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、および米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
代表的なヒンダードフェノールは以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,6−ジメチルフェノール、および2−t−ブチル−6−メチルフェノール。
代表的なヒンダードナフトールは以下に挙げられる化合物であるが、これらに制限されることはない。
1−ナフトール、4−メチル1−ナフトール、4−メトキシ1−ナフトール、4−クロロ1−ナフトール、2−メチル1−ナフトール、および米国特許第5,262,295号に記載の化合物。
その他、下記の化合物の還元剤として開示されている。
アミドキシム類(例えばフェニルアミドキシム)、2−チエニルアミドキシム、p−フェノキシフェニルアミドキシム、アジン類(たとえば4−ヒドロキシ−3,5−dimethoxybenzaldehydrazine)、脂肪族カルボン酸アリルヒドラジドとアスコルビン酸の組み合わせ(例えば2,2’−bis(hydroxymethyl)−propionyl−β−phenylヒドラジドとアスコルビン酸の組み合わせ)、ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミン、レダクトンおよびヒドラジンの少なくとも一方の組合せ(たとえばヒドロキノンとビス(エトキシエチル)ヒドロキシルアミンの組合せ)、ピペリジ−4−メチルフェニルヒドラジン、ヒドロキサム酸(例えばフェニルヒドロキサム酸、p−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸、およびo−アラニンヒドロキサム酸)、アジンとスルホンアミドフェノール類の組合せ(たとえばフェノチアジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール)、α−シアノフェニル酢酸誘導体(例えばエチル−α−シアノ−2−メチルフェニル酢酸、エチル−α−シアノフェニル酢酸)、ビス−o−ナフトール(例えば2,2’−ジヒドロキシ−1−ビナフチル、6,6’−ジブロモ−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン]、
ビス−o−ナフト−ルと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ(例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン)、5−ピラゾロン(例えば3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン)、レダクトン類(例えばジメチルアミノヘキソ−スレダクトン、アンヒドロジヒドロ−アミノヘキソ−スレダクトン、またはアンヒドロジヒドロ−ピペリドン−ヘキソースレダクトン)、スルホンアミドフェノール還元剤(例えば2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、p−ベンゼンスルホンアミドフェノール)、インダン−1,3−ジオン類(例えば2−フェニルインダン−1,3−ジオン)、クロマン類(例えば2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキシクロマン)、1,4−ジヒドロキシピリジン類(例えば2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルベトキシ−1,4−ジヒドロピリジン)、アスコルビン酸誘導体(1−アスコルビン酸パルミテ−ト、アスコルビン酸ステアレ−ト)、不飽和アルデヒド(ケトン)、3−ピラゾリドン類。
本発明に用いることのできる還元剤として、米国特許第5,464,738に記載されるようなスルホニルヒドラジンを含む置換ヒドラジンがある。この他の有用な還元剤は、例えば、米国特許第3,074,809、米国特許第3,094,417、米国特許第3,080,254および米国特許第3,887,417に記載されている。米国特許第5,981,151に記載の補助還元剤もまた有用である。
還元剤として、ヒンダードフェノール還元剤とその他以下に挙げるような様々な補助還元剤から選ばれる化合物と組み合わせて用いられる場合もある。さらにコントラスト強化剤を加えた3成分の還元剤の混合物もまた有用である。補助還元剤としては米国特許第5,496,695に記載のトリチルヒドラジド、ホルミル−フェニルヒドラジドを用いることができる。
コントラスト強化剤を還元剤とともに用いることができる。コントラスト強化剤としては例えば、下記の化合物が有用であるが、これらに限定されるわけではない。
ヒドロキシルアミン(ヒドロキシルアミンとalkyl−とアリ−ル置換誘導体を含む)、米国特許第5,545,505に記載のalkanolaminesとフタル酸アンモニウム、米国特許第5,545,507に記載のヒドロキサム酸化合物、米国特許第5,558,983に記載のN−アシルヒドラジン化合物、米国特許第5,637,449に記載の水素原子ドナー化合物。
全ての還元剤と有機銀塩の組み合わせが等しく効果があるわけではない。好ましい組合せの一つは、有機銀塩としてベントリアゾ−ルの銀塩又はその置換化合物、又はその混合物と、還元剤としてアスコルビン酸型還元剤である。
本発明における還元剤は、有機銀中の銀に対して1質量%〜10質量%(乾燥質量)含まれる。多層構造において、還元剤が有機銀塩を含む層以外の層に加えられるならば、わずかに割合は高く、およそ2質量%〜15質量%がより望ましい。補助還元剤は、およそ0.001質量%〜1.5質量%(乾燥重)含まれる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
(1)直径5nm金コロイドイムノクロマトキット(実施例1及び4、比較例1及び5の作成)
1. 検出用標識物である抗hCG抗体修飾金コロイド(直径5nm)の作成
1-1.直径5 nm金コロイド
直径5 nm金コロイド溶液(EM.GC5、BBI社)9 mLに50 mM KH2PO4バッファー(pH 7.0 )1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、100 μg / mLの抗hCGモノクローナル抗体(Anti-hCG 5008 SP-5、Medix Biochemica社)溶液1 mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1 %ポリエチレングリコール(PEG Mw.20000、品番168-11285、和光純薬)水溶液を550 μL加え攪拌し、続いて10 %牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A-7906、SIGMA)水溶液を1.1 mL加え攪拌した。この溶液を50000×g、4 ℃、で遠心した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この際の遠心時間を、20分としたものを比較例1、30分としたものを実施例1、60分としたものを実施例4、120分としたものを比較例5とした。この後、20 mLの金コロイド保存液(20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 150 mM NaCl, 1 % BSA, 0.1 % NaN3)に分散し、再び50000×g、4℃、30分間遠心した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(5 nm)溶液を得た。
2. 金コロイド抗体保持パットの作成
上記の1で作成した各抗体修飾金コロイドを、金コロイド塗布液(20 mM Tris-Hclバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 5 % スクロース)及び水により希釈し、520 nmのODが1.5となるように希釈した。この溶液を、8 mm×150 mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社)1枚あたり0.8 mLずつ均一に塗布し、一晩減圧乾燥し、金コロイド抗体保持パッドを得た。
3. 抗体固定化メンブレン(クロマトグラフ担体)の作成
25 mm×200 mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF240、ミリポア社)に関し以下のような方法により抗体を固定し抗体固定化メンブレンを作成した。メンブレンの長辺を下にし、下から8 mmの位置に、0.5 mg / mLとなるように調製した固定化用抗hCGモノクローナル抗体(Anti-Alpha subunit 6601 SPR-5、Medix Biochemica社)溶液をインクジェット方式の塗布機(BioDot社)を用いて幅1 mm程度のライン状に塗布した。同様に、下から12 mmの位置に、0.5 mg / mLとなるように調製したコントロール用抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L),ウサギF(ab')2, 品番566-70621、和光純薬)溶液をライン状に塗布した。塗布したメンブレンは、温風式乾燥機で50 ℃、30分間乾燥した。ブロッキング液(0.5 w%カゼイン(乳由来、品番030-01505、和光純薬)含有50 mMホウ酸バッファー(pH 8.5))500 mLをバットに入れ、そのまま30分間静置した。その後、同様のバットに入れた洗浄・安定化液(0.5 w%スクロース、0.05 w%コール酸ナトリウム、50 mM Tris-Hcl(pH 7.5))500 mLに移して浸し、そのまま30分間静置した。メンブレンを液から取り出し、室温で一晩乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。
4. 有機銀塩含有シ−トの作製
4−1.塗布用材料の準備
1)脂肪酸銀分散物の調製
<脂肪酸銀分散物の調製>
ラウリン酸150g、蒸留水422mL、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2mL、t−ブチルアルコ−ル120mLを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ラウリン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4gの水溶液206.2mL(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635mLの蒸留水と30mLのt−ブチルアルコ−ルを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のラウリン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとラウリン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はラウリン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロ−ルした。また、ラウリン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ラウリン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ラウリン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケ−キとして保管した。
得られたラウリン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値で厚さ=0.1μm、縦=0.2μm、横=0.2μm、平均アスペクト比1.9球相当径の変動係数11%の結晶であった。
乾燥固形分260kg相当のウエットケ−キに対し、ポリビニルアルコ−ル(商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバ−羽根でスラリ−化し、更にパイプラインミキサ−(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザ−M−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1150kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
2)還元剤分散物の調製
《還元剤−2分散物の調製》
還元剤−2(6,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジメチル−2,2’−ブチリデンジフェノール)10kgと変性ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製、ポバ−ルMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ−ズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
3)水素結合性化合物−1分散物の調製
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10kgと変性ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製、ポバ−ルMP203)の10質量%水溶液16kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ−ズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物−1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
4)還元促進剤−1分散物の調製
還元促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製、ポバ−ルMP203)の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ−ズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た還元促進剤分散物に含まれる還元促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
5)還元促進剤−2の分散物調製
還元促進剤−2の固体分散物についても還元促進剤−1と同様の方法により分散し、20質量%の分散液を得た。
6)ポリハロゲン化合物の調製
《有機ポリハロゲン化合物−1分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−1(トリブロモメタンスルホニルベンゼン)10kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製ポバールMP203)の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
《有機ポリハロゲン化合物−2分散物の調製》
有機ポリハロゲン化合物−2(N−ブチル−3−トリブロモメタンスルホニルベンゾアミド)10kgと変性ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製ポバ−ルMP203)の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ−ズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が30質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
7)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgのクラレ(株)製変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1(6−イソプロピルフタラジン)の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
8)メルカプト化合物の調製
《メルカプト化合物−1水溶液の調製》
メルカプト化合物−1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
《メルカプト化合物−2水溶液の調製》
メルカプト化合物−2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
9)SBRラテックス液の調製
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5質量%)7.73g、1mol/L、NaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/LのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスTP−1を774.7g得た。
イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
上記ラテックスは、ゲル化率73質量%、平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し25℃にて測定)であった。
4−2.塗布液の調製
1)有機銀塩含有層塗布液の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物1000g、水135mL、有機ポリハロゲン化合物−1分散物25g、有機ポリハロゲン化合物−2分散物39g、フタラジン化合物−1溶液171g、SBRラテックス液1060g、還元剤−2分散物153g、水素結合性化合物−1分散物22g、還元促進剤−1分散物4.8g、還元促進剤−2分散物5.2g、およびメルカプト化合物−2水溶液8mLを順次添加し、そのままコ−ティングダイへ送液し、塗布した。
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコ−ルPVA−205(クラレ(株)製)1000g、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩5質量%水溶液27ml、メチルメタクリレ−ト/スチレン/ブチルアクリレ−ト/ヒドロキシエチルメタクリレ−ト/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液4200mLにエアロゾ−ルOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27mL、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、8.9mL/m2になるようにコ−ティングダイへ送液した。
3)第2の保護層塗布液の調製
イナートゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水840mLに溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレ−ト/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸の15質量%メタノ−ル溶液を46mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を5.4mLを加えて混合し、塗布直前に4質量%のクロムみょうばん40mLをスタチックミキサーで混合したものを塗布液量が26.1mL/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
4)第1の保護層塗布液の調製
イナ−トゼラチン100g、ベンゾイソチアゾリノン10mgを水800mLに溶解し、流動パラフィンの10質量%乳化物を10g、ヘキサイソステアリン酸ジペンタエリスリットの10質量%乳化物を30g、メチルメタクリレ−ト/スチレン/ブチルアクリレ−ト/ヒドロキシエチルメタクリレ−ト/アクリル酸共重合体(共重合質「量比57/8/28/5/2)ラテックス19質量%液180g、フタル酸15質量%メタノ−ル溶液40mL、フッ素系界面活性剤(F−1)の1質量%溶液を5.5mL、フッ素系界面活性剤(F−2)の1質量%水溶液を5.5mL、スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム塩の5質量%水溶液を28mL、ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径0.7μm、体積加重平均の分布30%)4g、ポリメチルメタクリレ−ト微粒子(平均粒径3.6μm、体積加重平均の分布60%)21gを混合したものを最外層塗布液とし、8.3mL/m2になるようにコ−ティングダイへ送液した。
4−3.有機銀塩含有シ−トの塗布
仮支持体(厚み100μmのPET)上に有機銀塩層、中間層、第2保護層、および第1保護層の順番でスライドビ−ド塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作製した。このとき、有機銀塩層と中間層の塗布液は31℃に、第2の保護層塗布液は36℃に、第1保護層塗布液は37℃に温度調整した。
有機銀塩層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
・脂肪酸銀 3.09
・ポリハロゲン化合物−1 0.14
・ポリハロゲン化合物−2 0.28
・フタラジン化合物−1 0.18
・SBRラテックス 9.43
・還元剤−2 0.77
・水素結合性化合物−1 0.112
・還元促進剤−1 0.019
・還元促進剤−2 0.016
・メルカプト化合物−2 0.003
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピ−ド160m/minで行い、コ−ティングダイ先端と支持体との間隙を0.10mm〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196Pa〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾ−ンにて、乾球温度10℃〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23℃〜45℃、湿球温度15℃〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40%RH〜60%RHで調湿した後、膜面を70℃〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
4−4.増感シートの作製
得られた塗布試料を200mm×70mmに裁断し、その保護層表面にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製 No31B 71ハイ)を貼り付け、仮支持体より有機銀塩層を含む塗布層を粘着テープに貼り付けて剥離し、増感シートを得た。
5.イムノクロマトグラフキットの作製
5−1.キットの組み立て
バック粘着シート1(ARcare9020、ニップンテクノクラスタ社)に、3で作製した抗体固定化メンブレン3を貼り付けた。その際メンブレン長辺側のうち、抗hCG抗体ライン側を下側とする。その上に増感シ−ト6を有機銀塩層面を抗体固定化メンブレン面に対面するように貼り付けた。抗体固定化メンブレンの下側に約2mm重なるように2で作製した金コロイド抗体保持パッド2を貼り付け、約4mm重なるようにして金コロイド抗体保持パッド下側に試料添加パッド5(18mm×150mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社))を重ねて貼り付けた。さらに、抗体固定化メンブレンの上側には約5mm重なるように吸収パッド4(20mm×150mmに切ったセルロ−ス膜(Cellulose Fiber Sample Pad、ミリポア社))を重ねて貼り付けた。これら重ね張り合わせた部材を、部材の長辺側を5mm幅になるように短辺に平行にギロチン式カッタ−(CM4000、ニップンテクノクラスタ社)切断していくことで、5mm×55mmのイムノクロマトグラフ用ストリップを作製した。これらをプラスチックケース(ニップンテクノクラスタ社)に入れ、試験用イムノクロマトグラフキットとした。
(2)直径15nm金コロイドイムノクロマトキット(実施例2及び5、比較例2及び6の作成)
1. 検出用標識物である抗hCG抗体修飾金コロイド(直径15nm)の作成
1-1.直径15 nm金コロイド
比較例2、実施例2では直径15 nm金コロイド溶液として、EM.GC15(BBI社)、実施例5、比較例6ではAuクエン酸コロイド溶液粒径15nm品(田中貴金属社)を用いた。直径15 nm金コロイド溶液9 mLに50 mM KH2PO4バッファー(pH 7.0 )1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、50 μg / mLの抗hCGモノクローナル抗体(Anti-hCG 5008 SP-5、Medix Biochemica社)溶液1 mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1 %ポリエチレングリコール(PEG Mw.20000、品番168-11285、和光純薬)水溶液を550 μL加え攪拌し、続いて10 %牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A-7906、SIGMA)水溶液を1.1 mL加え攪拌した。この溶液を8000×g、4 ℃、遠心(himacCF16RX、日立)した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この際の遠心時間を比較例2では30分と、実施例2では40分と、実施例5では30分、比較例6では60分とした。この後、20 mLの金コロイド保存液(20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 150 mM NaCl, 1 % BSA, 0.1 % NaN3)に分散し、再び8000×g、4℃、30分間遠心した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(50 nm)溶液を得た。
以下、(1)の2〜5と同様にして直径15nm金コロイドイムノクロマトキットを作製し各試験用イムノクロマトグラフキットとした。
(3)直径50nm金コロイドイムノクロマトキット(実施例3及び6、比較例3及び7の作成)
1. 検出用標識物である抗hCG抗体修飾金コロイド(直径50nm)の作成
1-1.直径50 nm金コロイド
直径50 nm金コロイド溶液(EM.GC50、BBI社)9 mLに50 mM KH2PO4バッファー(pH 7.0 )1mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、50 μg / mLの抗hCGモノクローナル抗体(Anti-hCG 5008 SP-5、Medix Biochemica社)溶液1 mLを加え攪拌した。10分間静置した後、1 %ポリエチレングリコール(PEG Mw.20000、品番168-11285、和光純薬)水溶液を550 μL加え攪拌し、続いて10 %牛血清アルブミン(BSA FractionV、品番A-7906、SIGMA)水溶液を1.1 mL加え攪拌した。この溶液を8000×g、4 ℃、遠心(himacCF16RX、日立)した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この際の遠心時間を比較例3では30分と、実施例3では60分、実施例6では90分、比較例7では120分とした。この後、20 mLの金コロイド保存液(20 mM Tris-HClバッファー(pH 8.2), 0.05 % PEG(Mw.20000), 150 mM NaCl, 1 % BSA, 0.1 % NaN3)に分散し、再び8000×g、4℃、30分間遠心した後、1 mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(50 nm)溶液を得た。
以下、(1)の2〜5と同様にして直径50nm金コロイドイムノクロマトキットを作製し各試験用イムノクロマトグラフキットとした。
(4)直径80nm金コロイドイムノクロマトキット(比較例4の作成)
1. 検出用標識物である抗hCG抗体修飾金コロイド(直径80nm)の作成
1-1.直径80 nm金コロイド
直径80 nm金コロイド溶液(Auクエン酸コロイド溶液粒径80 nm品、田中貴金属)9 mLに50 mMグリシンバッファー(pH 9.0)1 mLを加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、100 μg / mLの抗hCG抗体(Anti-hCG 5008 SP-5、Medix Biochemica社)溶液1 mLを加え攪拌した。その後は(3)の1-1と同様の操作で抗体修飾を行い、抗体修飾金コロイド(80 nm)溶液を得た。
以下、(1)の2〜5と同様にして直径80nm金コロイドイムノクロマトキットを作製し各試験用イムノクロマトグラフキットとした。
試験例:性能評価
(1)金コロイド粒子径の測定
購入した金コロイドは、金コロイドの粒子径はマイクロトラック(日機装株式会社)にて測定し、体積平均値を平均粒子径として測定し、粒子径が正しいことを確認した。
(2)捕捉金コロイド個数の測定と捕捉部位で捕捉された金コロイドの試験液中のhCG抗原分子数に対する比率(トラップ率)の算出
1質量%BSAを含むPBSバッファーにhCG(リコンビナントhCG R−506、ロ−ト製薬(株)製)を溶解し、1.8×10-12Mの溶液を作製した。この試験用hCG溶液を各試験用イムノクロマトグラフキットに100μL滴下し、10分後に抗体固定メンブレンの抗hCG抗体を塗布した部位(補足部位)を切り出し、混酸により抽出した後、ICP-MSを用いて金量を定量した。この金量を1粒子当りの金微粒子質量で除することにより捕捉部位でトラップされた金コロイドの数および、その際の捕捉部位で捕捉された金コロイドの試験液中のhCG抗原分子数に対する比率(トラッフ゜率)を求めた。この際のキットに添加した抗原数に対して、標識物である金コロイド粒子数は過剰にあるような条件となっている。
(3)最小検出感度試験法
1質量%BSAを含むPBSバッファーにhCG(リコンビナントhCG R−506、ロ−ト製薬(株)製)を溶解し、各濃度の試験用hCG溶液を作製した。
各試験用イムノクロマトグラフキットに、各濃度の試験用hCG溶液を100μL滴下し、15分後に抗体固定メンブレンの抗hCG抗体を塗布した部位(補足部位)を目視した際の着色度合いを、着色が濃い「+++」、着色がある「++」、薄い着色がある「+」、着色がない「−」、の4段階で判別した。
最も薄い濃度で判別できた濃度(「+」判定)をそのキットでの最小検出感度とした。
尚、キットBは滴下13分後に、キットの表面温度が60℃になる様にホットプレートで30秒間熱をかけた。
上記の試験結果を表1に示す。表1から明らかなように、本発明による実施例1〜6に記載したイムノクロマト方法において、従来のイムノクロマト方法(比較例3の増幅前)の最小検出感度1.8pMよりも4倍以上高感度にhCGを検出できた。
比較のイムノクロマトグラフキットの一態様を模式的に示す平面図である。 図1で示されたイムノクロマトグラフキットの縦断面を模式的に示す縦断面図である。 本発明で用いることができるイムノクロマトグラフキットの縦断面を模式的に示す縦断面図である。
符号の説明
1:バック粘着シート
2:金コロイド抗体保持パッド
3:抗体固定化メンブレン
3a: 捕捉部位
31:検出部
32:コントロール部
4:吸収パッド
5:試料添加パッド
6:増感シート
10:イムノクロマトグラフキット

Claims (5)

  1. 被験物質と、該被験物質に対する第一の抗体で修飾した標識物質とをこれらの複合体を形成させた状態で多孔性担体上において展開し、該被験物質に対する第二の抗体を有する多孔性担体上の反応部位において該被験物質と該標識物質を捕捉して該被験物質を検出することを含むサンドイッチイムノクロマトグラフ方法において、該被験物質の分子数に対する、多孔性担体上の反応部位において捕捉される該標識物質の個数の比率が20〜600%であり、かつ被験物質を検出する際に、銀を含む化合物及び銀イオンのための還元剤を用いて増感することによって検出を行うことを特徴とするイムノクロマト方法。
  2. 該標識物質が金属コロイドである、請求項1に記載のイムノクロマト方法。
  3. 該金属コロイドが金コロイドである、請求項2に記載のイムノクロマト方法。
  4. 該標識物質の平均粒径が1〜50nmである、請求項1から3の何れかに記載のイムノクロマト方法。
  5. 該標識物質の平均粒径が1〜15nmである、請求項4に記載のイムノクロマト方法。
JP2007130501A 2007-05-16 2007-05-16 イムノクロマトグラフ方法 Pending JP2008286590A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007130501A JP2008286590A (ja) 2007-05-16 2007-05-16 イムノクロマトグラフ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007130501A JP2008286590A (ja) 2007-05-16 2007-05-16 イムノクロマトグラフ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008286590A true JP2008286590A (ja) 2008-11-27

Family

ID=40146454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007130501A Pending JP2008286590A (ja) 2007-05-16 2007-05-16 イムノクロマトグラフ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008286590A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010114145A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-07 Fujifilm Corporation Method and device for assay
JP2012211849A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Fujifilm Corp 高感度なイムノクロマトグラフ方法
WO2020040159A1 (ja) 2018-08-21 2020-02-27 デンカ生研株式会社 表面プラズモン共鳴を担体粒子を用いて増幅させるイムノクロマト法
WO2020066654A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 富士フイルム株式会社 免疫クロマトグラフィー用複合粒子及びその製造方法、並びに、免疫クロマトグラフィー
KR20200102420A (ko) 2017-12-22 2020-08-31 가부시키가이샤산와카가쿠켄큐쇼 면역크로마토그래피 장치
JPWO2020203228A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010114145A1 (en) * 2009-03-30 2010-10-07 Fujifilm Corporation Method and device for assay
US8802426B2 (en) 2009-03-30 2014-08-12 Fujifilm Corporation Method and device for assay
JP2012211849A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Fujifilm Corp 高感度なイムノクロマトグラフ方法
KR20200102420A (ko) 2017-12-22 2020-08-31 가부시키가이샤산와카가쿠켄큐쇼 면역크로마토그래피 장치
US11619630B2 (en) 2017-12-22 2023-04-04 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co., Ltd. Immunochromatography device
WO2020040159A1 (ja) 2018-08-21 2020-02-27 デンカ生研株式会社 表面プラズモン共鳴を担体粒子を用いて増幅させるイムノクロマト法
WO2020066654A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 富士フイルム株式会社 免疫クロマトグラフィー用複合粒子及びその製造方法、並びに、免疫クロマトグラフィー
JPWO2020066654A1 (ja) * 2018-09-28 2021-08-30 富士フイルム株式会社 免疫クロマトグラフィー用複合粒子及びその製造方法、並びに、免疫クロマトグラフィー
JP7104798B2 (ja) 2018-09-28 2022-07-21 富士フイルム株式会社 免疫クロマトグラフィー用複合粒子及びその製造方法、並びに、免疫クロマトグラフィー
JPWO2020203228A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5117928B2 (ja) イムノクロマトグラフデバイス
JP4920553B2 (ja) イムノクロマトグラフキット
JP2008139297A (ja) イムノクロマトグラフキット
JP5275737B2 (ja) イムノクロマトグラフ方法
US8877515B2 (en) Measurement kit and an immunochromatography method
JP5435878B2 (ja) 断片化抗体を標識物質に固定した標識粒子
JP5091074B2 (ja) 断片化抗体を用いたイムノクロマトグラフ方法
JP7141458B2 (ja) クロマトグラフキットおよびクロマトグラフ方法
JP4865664B2 (ja) 多孔性担体内で2以上の液を混合する方法
JP2009216696A (ja) 2つの展開液の展開方向を交差させ、かつ、異なる方向から展開させる測定キット、及びイムノクロマトグラフ方法
JP4980945B2 (ja) 金属粒子及びそれを用いた検査方法
JP2008286590A (ja) イムノクロマトグラフ方法
JP5091075B2 (ja) イムノクロマトグラフ方法
JP5091009B2 (ja) イムノクロマトグラフ方法
JP2009216695A (ja) イムノクロマトグラフ方法
JP4892500B2 (ja) 非特異吸着抑制剤を用いたイムノクロマトグラフ方法
JP4977588B2 (ja) イムノクロマトグラフ方法
EP2065706B1 (en) Immunochromatography method
JP2009085700A (ja) イムノクロマトグラフキット
JP4913025B2 (ja) イムノクロマトグラフ方法
JP4870695B2 (ja) メンブレン内の標識を洗浄、増幅、停止する方法
JP5128256B2 (ja) イムノクロマトグラフ方法