JP2008286447A - 換気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 二空間の間での気流の流入出を制御する羽根体を適切に傾動させて気流の流入出状態を調整でき、換気効果を最大限高められると共に、空間の間の圧力差が増加傾向にある場合にも通過空気量の増大を抑えつつ換気状態を維持できる換気装置を提供する。
【解決手段】 換気を行おうとする二つの空間30、40に対しそれぞれ開口部11、12を向けた箱状の換気装置本体10を配設すると共に、一方の開口部112を閉塞可能な羽根体13を換気装置本体10内に配設し、羽根体13を二空間の圧力差に応じて傾動させる中、羽根体13が一方の開口部12に近付く向きへ傾動していくにつれ、羽根体13端部と換気装置本体10内面との間隔を徐々に小さくすることから、圧力の変化に対して空気流路の断面積を適切に調節して通過空気量の変化度合を小さく抑えられ、圧力の急変に際し一方の空間への空気の急速な流入出を防いで適切な空気調和状態を保てる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建物の外部空間と室内空間など、二つの空間の間に介在させて配置され、この二空間の間での換気を可能とする換気装置に関し、特に、簡略な羽根体傾動機構で空気の流入出状態を適切に調整管理可能な換気装置に関する。
高層建築物においては、突風等への対応や外壁構造簡略化の面から、窓は開閉できない構造とされ、空気調和設備は外から隔離された室内空間に対し常時空気調和を行うものとされるのが一般的であった。こうした空気調和設備では、中間期等、外気の温度範囲が適切で内外の換気のみでかまわない状況にも拘らず、そのまま内外隔離状態で室内への空気調和が行われており、季節を問わず空気調和のコストが発生することから、近年、外部の適温の空気を直接室内空間に導入して換気を行い、空気調和のコストを軽減する試みがなされている。こうした外気を室内に導入して換気を行うための機構は、なるべくコストを抑えるために、外壁のいずれかの箇所に開口を設け、所定の開閉制御を行いつつ、自然風に任せて外部から室内側へ空気を導入する自然換気タイプとされることが多かった。こうした自然換気を行うための従来の自然換気装置の一例として、特開平10−232039号公報や特開2001−221492号公報に記載されるものがある。
前記従来の自然換気装置は、外壁(カーテンウォール)の窓枠部分等に配設されて空気を通過させる開口部分を設けられる枠状の換気装置本体と、換気装置本体の開口領域に所定角度範囲で傾動可能に配設される羽根部とを備える他、必要に応じて防塵フィルタや雨水進入防止機構、防鳥網等も有してなる構成である。
これら従来の自然換気装置では、外部空気の換気装置本体への流入風速に対応して、開口領域に配置される羽根部が傾動し、装置本体内流路の開口面積を変化させることにより、外部空気の室内流入量を調整している。風速があらかじめ設定された値を上回る場合には、羽根部が流路を閉塞状態として室内への過剰な空気流入とそれに伴う室内空気の乱れを抑える仕組みである。また、換気の必要がない場合、羽根部を必要に応じてモータ等を用いて傾動させ、強制閉状態とすることもできる。
特開平10−232039号公報 特開2001−221492号公報
従来の自然換気装置は以上のように構成されており、前記各特許文献に示された従来の装置は、いずれも外部空気の室内流入状態を外部空気の圧力に応じた羽根部の傾動角度変化で調整でき、強風時には適切に室内への流入を防止できるものとなっている。しかしながら、前記各特許文献に記載された従来いずれの例も、気流通路内に羽根部の傾動中心軸が貫通しており、強制閉状態における換気装置本体と羽根部との間の気密確保が、可動状態を維持する必要のあるこの軸部分で難しくなり、気密と可動状態の両立を図るために気密保持機構が複雑化してコスト高になるという課題を有していた。
さらに、外部空気の圧力が上昇すると羽根部の傾動が大きくなるものの、閉塞に至らない間は圧力の上昇に応じて空気通過量はそのまま増加する特性を示すことから、強い気流がそのまま室内空間に大量に流入して、室内空間における空気調和への影響が大きいという課題を有していた。加えて、羽根部に加わる圧力が所定の限界圧力をわずかでも超えると、圧力と羽根部の元に戻ろうとする復元力との釣合が崩れて、羽根部はさらに傾動して開口を閉じる状態となるため、強風時など、外部からの圧力が高い場合には、強い気流が室内に入るのに続いて羽根部で開口が急速に閉じられるといった状態が頻繁に発生することとなり、換気状態が安定せず換気が適切に行えなくなるという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、二空間の間での気流の流入出を制御する羽根体を適切に傾動させて気流の流入出状態を確実に調整可能とすることができ、換気効果を最大限高められると共に、空間の間の圧力差が増加傾向にある場合にも通過空気量の増大を抑えつつ換気状態を維持できる換気装置を提供することを目的とする。
本発明に係る換気装置は、壁で仕切られた二つの空間のうち一方の空間側に一の開口部を位置させると共に、他方の空間側に他の開口部を位置させて配設され、前記一方の空間と他方の空間との間で空気流通可能とする換気装置本体と、当該換気装置本体内部に可動状態で配設され、空気の通過状態を調整する羽根体とを備える換気装置において、前記換気装置本体が、前記両開口部を除いた部分を閉じられて一の開口部と他の開口部との間に前記羽根体を収容する中空部を生じさせた箱状体とされてなり、前記羽根体が、前記換気装置本体の一の開口部より大となる大きさを有する略板状の第一羽根部材と略板状の第二羽根部材とを所定角度をなす配置で端部同士を連結一体化させた略V字状断面形状として形成されてなり、前記第一羽根部材の端部を傾動の中心とし、且つ前記第一羽根部材を一の開口部寄りとする配置で、第一羽根部材が一の開口部から離れて一の開口部を開放する位置から第一羽根部材が一の開口部に近接して一の開口部を閉塞する位置までの所定角度範囲で傾動可能として前記換気装置本体に支持され、前記換気装置本体における前記一の開口部を配置される一面に隣接する他の所定面が、当該所定面と前記羽根体の第一羽根部材他端部との間に生じる隙間が前記二つの空間間で流通する空気の流路となり、且つ前記羽根体が一の開口部に近付く向きへ傾動していくにつれ前記所定面と第一羽根部材他端部との間隔が徐々に小さくなる配置として形成され、前記羽根体が、前記一の開口部から離れる傾動方向へ所定の付勢力で付勢され、前記他方の空間から加わる圧力が所定範囲内の場合に、前記圧力の大きさに応じた角度分だけ一の開口部に近付く向きへ傾動可能とされるものである。
このように本発明によれば、換気を行おうとする二つの空間に対しそれぞれ開口部を向けた箱状の換気装置本体を配設すると共に、この換気装置本体の二つの開口部間に生じる中空部に一方の開口部を閉塞可能な羽根体を配設し、羽根体を開口部間で二空間の圧力差に応じて傾動させる一方、換気装置本体形状に基づき、羽根体が一方の開口部に近付く向きへ傾動していくにつれ、羽根体端部と換気装置本体内面との間隔を徐々に小さくすることにより、適正範囲を超える圧力が加わって羽根体が傾動し開口部を閉塞する状況以外では、二空間間での通風状態が許容され、羽根体に加わる付勢力と圧力のバランスに基づいて羽根体が換気装置本体内面との間隔を変化させて通過する空気量を調整することとなり、圧力の変化に対して空気の通過可能な流路断面積を適切に調節して通過空気量の変化度合を小さく抑えられ、圧力の急変に際し一方の空間への空気の急速な流入出を防いで適切な空気調和状態を保て、換気調節性能に優れる他、圧力変化に伴って羽根体が開口部を頻繁且つ急激に開閉する事態も防止できる。また、羽根体が中空部に位置して換気装置本体外側の二つの空間とは完全に隔離されることにより、開口部を羽根体で塞ぐのみの簡略な機構で開口部の閉塞状態を確実に得られることとなり、羽根体周りの気密を確保するための構造を簡略化でき、低コスト化を実現できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体が、前記第一羽根部材と第二羽根部材が鋭角をなす形状とされてなり、第一羽根部材と第二羽根部材の一体化している端部を傾動の中心軸として前記換気装置本体に軸支されるものである。
このように本発明によれば、所定角度範囲の略V字状断面形状となる羽根体を、各羽根部材の一体化した部位で傾動可能に支持し、開口部間で二空間の圧力差に応じて傾動させることにより、いずれの羽根部材も支持部分に連結する状態となって羽根体全体の剛性を高くすることができ、空気から圧力を受ける羽根体が傾動に際して各部に変形等の歪みを生じることがなく、開口部やこれを塞ぐ羽根体が大きい場合でも、確実に羽根体で開口部を一様に閉塞、開放でき、適切な空気調和状態の維持が図れる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記換気装置本体が、前記一の開口部を配置される一面と前記他の開口部を配置される他面とが互いに略直角をなす位置関係とされて形成されるものである。
このように本発明によれば、換気装置本体の開口部のある各面を互いに直角をなす位置関係とし、換気装置本体の開口部のある各面と対向する位置に開口部がなく閉じた他の面をそれぞれ位置させ、これら他の面のうち一の開口部がある面と対向する面を羽根体に近付けて、羽根体の第二羽根部材と換気装置本体内面間の隙間も空気の流量を制御する部分として有効に機能させられることにより、他の開口部から一の開口部へ向う空気に対し、羽根体の傾動に伴って流路形状を変化させつつ、第二羽根部材と換気装置本体内面間の隙間、並びに第一羽根部材と換気装置本体内面間の隙間の二箇所で流路断面積を絞ることとなり、一方の空間に流入しようとする空気の圧力変化に対し空気の流量変化をより小さく抑えられ、圧力増加に伴う通過空気量の過度の増大を抑えて流入空気量をほぼ一定に維持でき、一方の空間における空気調和状態をより一層安定化できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記換気装置本体が、前記他の所定面と、当該他の所定面に隣接し且つ前記一の開口部に対向する位置にある別の所定面との交差する入隅部分を、所定の大きさの曲面とされるものである。
このように本発明によれば、換気装置本体における羽根体の第一羽根部材端部が近付く入隅部を曲面状とし、羽根体の傾動過程における羽根体の第一羽根部材端部と換気装置本体内面間の間隔変化を急変なく滑らかなものにすることにより、第一羽根部材端部と換気装置本体内面間の隙間形状を羽根体の傾動に合わせて徐々に変化させられ、一方の空間に流入しようとする空気の圧力変化に対する空気流量変化及び羽根体の挙動を滑らかで安定したものとすることができ、換気状態の急激な変化を防いで一方の空間における空気調和状態のさらなる安定化が図れると共に、換気装置本体内の空気流路形状を単純化して圧力損失を抑えられ、他の開口部から一の開口部へ向う空気を湾曲した換気装置本体内面に沿わせてスムーズに進行させられる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体が、羽根体に対し前記他方の空間から加わる圧力が前記所定範囲より小さく、前記第一羽根部材が一の開口部から最大限離れた状態で、第二羽根部材の第一羽根部材と連結していない側の端部と前記換気装置本体内面とのなす最小間隔を、第一羽根部材の傾動中心とされない側の端部と換気装置本体内面とのなす最小間隔より大きくする配置として換気装置本体に支持されるものである。
このように本発明によれば、他の空間から一の空間へ向う空気の圧力が羽根体を一の開口部側へ傾動させるほど大きくない状態で、他の空間寄りにある第二羽根部材と換気装置本体内面との間隔が第一羽根部材と換気装置本体内面との間隔に比べ大きくなることにより、他の空間から換気装置本体内に進入する空気に対し流路の断面積を十分確保できることとなり、空気が第二羽根部材と換気装置本体間を通過する際の圧力損失を最小限に抑えられ、他の空間からの進入空気の圧力が低い状況でも空気をスムーズに通過させて二空間間で適切に換気が行える。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体が、傾動の中心が羽根体の重心位置より常に上側に位置する配置で前記換気装置本体に支持され、
前記羽根体に加わる付勢力が、羽根体重心位置の傾動中心直下からのずれに伴って生じる回転モーメントによるものとなるものである。
このように本発明によれば、羽根体がその傾動中心を羽根体の重心位置より常に上側とする配置で支持され、羽根体が空気の圧力による影響を受けていない釣合状態から傾動して羽根体重心位置が傾動中心直下からずれると、傾動中心の軸線周りに羽根体を元の釣合状態に戻そうとする回転モーメントが生じ、羽根体は釣合状態にとどまろうとする傾動方向へ付勢されることにより、羽根体には羽根体自体の荷重に基づく付勢力が加わることとなり、羽根体以外の付加的な機構を用いることなく羽根体を付勢できることとなり、羽根体の付勢に係る機構部分を大幅に簡略化して低コスト化できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体が、中空構造とされ、中空部分に一又は複数の錘を取付けられるものである。
このように本発明によれば、羽根体の中空部分に装着される錘の重さと取付位置を変えて羽根体の重心位置を移動させたり、羽根体の傾動に対する抵抗力を変化させたりすることにより、羽根体が空気の圧力による影響を受けていない初期状態における位置や、羽根体が傾動して羽根体重心位置が傾動中心直下からずれた際に羽根体に生じる回転モーメントの大きさ等を適宜変化させて、空気圧力に応じた羽根体の傾動度合を調整することができ、羽根体が傾動を開始する際や各開口部を閉塞する位置まで傾動する際における空気の圧力や流速の到達値を空気調和状況や周囲環境の各条件に応じて調節できることとなり、換気性能を最大限に発揮させられる。
以下、本発明の一実施の形態に係る換気装置を図1ないし図5に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る換気装置の概略正面図、図2は本実施の形態に係る換気装置の断面図、図3は本実施の形態に係る換気装置における羽根体軸部と羽根体駆動装置の連結部分概略構成図、図4は本実施の形態に係る換気装置における羽根体傾動過程説明図、図5は本実施の形態に係る換気装置における羽根体の開口部閉止状態説明図である。
前記各図において本実施の形態に係る換気装置1は、外壁で仕切られた建物外の外部空間30と室内空間40の二空間のうち、外部空間30側に開口部11を位置させると共に、室内空間40側に開口部12を位置させて配設され、外部空間30と室内空間40との間で空気流通可能とする箱状の換気装置本体10と、この換気装置本体10内部に可動状態で配設され、空気の通過状態を調整する羽根体13と、この羽根体13を換気装置本体10に対し必要に応じて傾動させて換気装置本体10の外部側と室内側との連通・非連通状態を強制的に切替える羽根体駆動装置14とを備える構成である。
前記換気装置本体10は、細長い矩形状となる各開口部のうち、羽根体13により閉塞され得る前記一の開口部としての開口部12を上方に、また他の開口部11を側方に向けて配置される細長い箱状体であり、開口部11のある側面を建物の外壁面31寄りに位置させると共に、開口部12側を室内寄りに位置させる状態で、窓枠20上側又は下側に沿って外壁(カーテンウォール)に埋込まれて配設され、外部空間30と室内空間40とを連通させて外部空気の室内空間40への流入を可能とする構成である。換気装置本体10の開口部11のある側面と開口部12のある上面は直角をなすように配置され、各開口部11、12はそれぞれ開口面を平面状とされる構成である。
この換気装置本体10では、羽根体13により開閉される開口部12の周囲部分も平面状とされ、この周囲部分が羽根体13の開口部12閉塞時に羽根体13の一部と重なることとなる。そしてこの周囲部分には、開口部12閉塞時における羽根体13との間隙を埋めて羽根体13による開口部12の閉塞を確実なものにする気密材12aがそれぞれ配設される。
また、換気装置本体10の両開口部11、12間の部分は、外部空間30や室内空間40から隔離された中空部10aとなっており、羽根体13が常に収容された状態にある。この中空部10aに面して、開口部12に対向する位置にある前記別の所定面としての換気装置本体10の底面10bは、開口部11側へ向けて所定角度の下がり勾配が与えられ、雨等として外部空気と共に換気装置本体10内に進入した水が中空部10aに入った場合も、水を底面10bに沿って外部側へ向けて流し、最終的に水を外部へ流出させることができる。この中空部10aから水が室内側の開口部12を越えて先へ進むことは、羽根体13の存在や開口部12の位置関係から極めて困難であり、水が室内側に達することはない。この他、換気装置本体10の開口部11外側には、必要に応じて防鳥・防虫網、防塵フィルタが配設される。
さらに、換気装置本体10の開口部12を配置される上面に隣接する前記他の所定面は、開口部11のある側面と対向して他の側面10cをなしており、この他の側面10cは、開口部11のある側面に対し所定角度傾いた配置として形成され、この他側面10cと底面10bの交差する入隅部分は、面同士が滑らかにつながる曲面とされる構成である。こうして、中空部10aに面する換気装置枠体10の内面は、各開口部11、12の周囲を除いて、いずれも開口部の開口面に対し傾いた状態となっている。
前記羽根体13は、換気装置本体10の開口部12より大となる中空略板状の第一羽根部材13aと、これと同じ大きさとされる中空略板状の第二羽根部材13bとを互いに所定角度をなす配置関係で一端部同士連結一体化させた略V字状断面形状として形成されると共に、各羽根部材13a、13bの連結する一端部分に傾動中心としての軸部13cを一体形成され、換気装置本体10の中空部10aに傾動可能として配設される構成である。第一羽根部材13aと第二羽根部材13bのなす角度は、略V字状断面となる任意の角度とすることができるが、望ましくは鋭角であり、より望ましくは約50°以上70°以下、さらに望ましくは約60°である。なお、これら第一羽根部材13aと第二羽根部材13bを同じ大きさとしているが、これに限らず、各羽根部材の傾動中心からの長さや厚みを互いに異ならせる構成とすることもできる。
羽根体13は、軸部13cを換気装置本体10の開口部12開口面位置より下側となる開口部12近傍の所定箇所に軸支され、この軸部13cを傾動中心として、重力以外の外力が加わらない状態で羽根体13の各羽根部材のみの重心が軸部13c直下から開口部11側へ所定角度(例えば、羽根体13の各羽根部材のなす角が60°の場合、約7°分)ずれた位置で安定するよう、羽根体13全体の重心を変位させる錘13dを第一羽根部材13aの中空部分に取付けられ、この羽根体13の安定状態となる初期位置、すなわち、第一羽根部材13aが開口部12から十分離れている位置から、開口部12を第一羽根部材13aで閉塞する位置までの所定の角度範囲(例えば、羽根体13の各羽根部材のなす角が60°の場合、約67°の範囲)で傾動可能とされる。
この羽根体13と、換気装置本体10のそれぞれ傾いた他の側面10cから底面10bにかけての内面部分との位置関係から、羽根体13位置が、傾動に伴って開口部11に近く開口部12が大きく開放された状態となる位置から、第一羽根部材13aによる開口部12閉塞位置に近付くにつれて、換気装置本体10他側面10cと羽根体13の第一羽根部材13a他端とが互いに接近すると共に、換気装置本体10の底面10bと羽根体13の第二羽根部材13b他端とが互いに接近することとなる。これは、羽根体13が開口部12側に近付くにつれ、第一羽根部材13aと換気装置本体10の他側面10cとの隙間、並びに第二羽根部材13b先端と換気装置本体10の底面10bとの隙間がそれぞれ徐々に小さくなり、各隙間の通過抵抗が大きくなっていくことを示している。なお、羽根体13の傾動可能な角度範囲にわたって、第二羽根部材13b他端部と換気装置本体10内面との最小間隔は、第一羽根部材13a他端部と換気装置本体10内面との最小間隔より常に大きくなっている。
羽根体13においては、外力の影響を受けない安定状態の初期位置から羽根体13が傾動し、羽根体13全体の重心位置が軸部13c直下の釣合位置からずれるのに伴い、羽根体13全体の荷重による軸部13c周りの回転モーメントが生じ、これが付勢力となって、羽根体13はその初期位置に向う傾動方向へ付勢される仕組みである。この羽根体13に加わる付勢力を、前記錘13dの重量や取付状態を変えることで調整可能であり、換気装置本体10内を通過しようとする空気が所定の圧力上限値に達した場合に、羽根体13が開口部12を閉塞する位置まで傾動する一方、圧力上限値以下の場合は羽根体13が付勢力で開口部12から離れた状態を維持できるように調整される。さらに、羽根体13が所定の重量を有することで、羽根体13に加わる付勢力や軸部13cにおける摩擦力などの羽根体13を釣合状態の初期位置に維持しようとする力が存在し、これに対応する所定の圧力下限値を空気圧力が上回らないと羽根体13は傾動しないため、空気の圧力が前記下限値から前記上限値までの所定範囲内にある場合にのみ、羽根体13は傾動して通過する空気量を調整できることとなる。
この他、この錘13dを含めた羽根体13全体の重心位置を調整することで、羽根体13の外力が加わらない状態での初期位置や羽根体13に加わる付勢力を変化させて室内外の気流に対する羽根体13の挙動の調整を行うこともできる。例えば、羽根体13の開口部12から離れる向きへの傾動が、羽根体13のストッパ10d等との物理的な接触により限界位置に達している状態でも、羽根体13全体の重心が傾動中心直下から開口部12側に若干ずれるよう設定して、羽根体13になおも開口部12から離れる向きに傾動させようとする付勢力が加わるようにし、開口部11側からの空気圧力がこの付勢力より小さい場合に、羽根体13が付勢力でストッパ10dに押付けられる状態を維持することで、微風時等の羽根体13のばたつきをより確実に抑えられることとなる。こうした調整に用いる錘は、羽根体13の第一羽根部材13a中空部分への装着のみに限らず、第二羽根部材13bや、羽根体13の軸部13cのうち換気装置本体10外に延出した部分に、一又は複数装着することもできる。
なお、羽根体13は全て中空部10aに位置して換気装置本体10外側の二つの空間30、40とは完全に隔離されることから、開口部12を羽根体13で塞ぐのみの簡略な機構で開口部12の閉塞状態を確実に得られることとなり、軸部13cの軸支部分等で気密を維持しつつ傾動可能とするような複雑な機構を用いずに済むなど、羽根体13周りの気密を確保するための構造を簡略化できる。また、羽根体13をスムーズに動かすために、換気装置本体10の軸部13c軸支部分近傍で羽根体13と換気装置本体10間にわずかな隙間が生じているが、羽根体13で開口部12を閉じている状態では第一羽根部材13aで完全に開口部12が閉塞されるため、この隙間が残っても室内空間40側への空気の漏れはない。
前記羽根体駆動装置14は、換気装置本体10側部に側方へ突出する状態で配設され、継手機構15を介して羽根体13の軸部13cと連結され、必要に応じて軸部13cを回転駆動して羽根体13を開口部12側へ所定角度傾動させ、羽根体13を開口部12の強制閉止状態に移行させる構成である。この羽根体駆動装置14は、羽根体13の軸部13cを回転駆動する公知のギヤドモータタイプのものであり、詳細な説明は省略する。
前記継手機構15は、入力側から出力側へのみ力(トルク)を伝達し、逆の出力側から入力側へは伝達しない公知の機構であり、入力側を羽根体駆動装置14に、また、出力側を羽根体13の軸部13cにそれぞれ取付けられ、羽根体駆動装置14の動作状態では羽根体駆動装置14からの入力を受けて羽根体13の軸部13cを一体に連動させ、羽根体駆動装置14で羽根体13を傾動可能とする一方、羽根体駆動装置14からの入力がない通常の自然換気状態では、羽根体13の軸部13cは一切拘束されず、羽根体13の羽根体駆動装置14に対する自由な回転、すなわち、羽根体13の自由な傾動を許容するものである。これら羽根体駆動装置14及び継手機構15により、換気装置の自然換気状態と強制閉止状態とを切替えられ、自然換気状態では、外部空間30又は室内空間40から羽根体13に加わる圧力に応じて、付勢力と釣合う所定角度に羽根体13が傾動する仕組みである。
次に、前記構成に基づく換気装置における羽根体の動作について説明する。建物外に適切な風速範囲の風が吹いており、且つ室内空間40が外部空間30より圧力の低い状態では、換気装置本体10の外側端部から外部の空気が開口部11を通過して中空部10aに進入する。外部空気の気流は羽根体13に対し風圧を与えるが、圧力が所定値、例えば、約30Pa以下の低い状態では、外部空気の圧力は羽根体軸部13cの摩擦力や羽根体13の重量で羽根体13を釣合状態にとどめようとする付勢力等に打勝てず、風圧による羽根体13の室内側への傾動はほとんどなく、外部空気の室内側への進行を妨げない(図2参照)。
これにより、外部空気は中空部10aにおける羽根体13の第二羽根部材13bと換気装置本体10の底面10b間の広く開いた隙間を通過し、換気装置本体10の内面に沿って進行して徐々に上向きに進行方向を変え、さらに、少し狭い第一羽根部材13aと換気装置本体10の側面10c間の隙間を通って室内側の開口部12に達し、これを通過して室内空間40に流入することとなる。この羽根体13がほとんど傾動せず初期状態にとどまる所定圧力、例えば、約30Paまでは、圧力増大に伴い外部空間30から中空部10aを通過して室内空間40に向う空気量も大きくなる。
外部空気の圧力が前記所定値より大きくなると、外部空気は、羽根体13と換気装置本体10内面との間を通って室内空間40側に向いながら、その圧力で羽根体13を開口部12を閉塞する向きに傾動させる。適切な風速範囲においては、外部空気の圧力の強さに応じて羽根体13の傾動状態が変化し、圧力が大きくなるほど、羽根体13の第一羽根部材13aが開口部12側に近付いていく。
この羽根体13が開口部12側へ傾動する状況では、羽根体13の第二羽根部材13bと換気装置本体10の底面10b間の隙間、並びに第一羽根部材13aと換気装置本体10の他側面10c間の隙間が、傾動する羽根体13が開口部12側へ近付く、すなわち、羽根体13に加わる圧力が大きくなるにつれて狭まっていく。この中空部10aにおける第一羽根部材13aと第二羽根部材13b各端部外側の二つの隙間が、空気に通過抵抗を与えて外部空気の通過を抑えるように作用し、また圧力が大きくなるにつれて狭まって、通過抵抗を一層大きくすることから、そのまま通過空気量が圧力上昇に合わせて単純に増大するのを防止でき、中空部10aを通って室内空間40に至る空気量を一定の値以下に制限したり、ほぼ一定値に維持することができ、過大な空気流入を確実に防止可能である。
なお、羽根体13は第一羽根部材13aと第二羽根部材13bを有して風圧を受ける面積が大きいものの、羽根体13全体の荷重も比較的大きくなっているため、風圧の微小な急変には追随しにくくなっており、傾動する過程で羽根体13には細かい振れが生じず、空気の脈動を発生させて室内空間に不快な状況をもたらすようなことはない。さらに、羽根体13が傾動しないか、わずかに傾動する状況では、羽根体13と換気装置本体10内面との間に十分な流路断面積が確保される点がほとんど変化しないことから、流路の抵抗を抑えることができ、処理風量を大きくできる。
建物外に吹く風の風速が高まるなど、圧力が換気に適した範囲を超えて所定の閉塞圧力、例えば、80Pa以上に達すると、換気装置本体10に室内側へ向けて勢いよく進入した外部の空気が、外部空間30寄りの開口部11を通過して中空部10aに進入し、室内側へ向おうとするが、この時、外部空気の圧力が大きくなっているために、羽根体13を押す圧力が付勢力に打勝ち、羽根体13が開口部12閉塞側に傾動し、第一羽根部材13aが開口部12周囲の気密材12aに当接し、開口部12がほぼ塞がれた状態となる(図5参照)。
こうして開口部12が羽根体13によりほとんど塞がれることで、外部空気の室内側への進行が抑えられ、室内に強い空気流が吹込む事態を防止できる。この時、羽根体13が開口部12周囲の気密材12aに機械的な駆動力で強力に押付けられるわけではないので、羽根体13と気密材12aとの間に若干隙間が残り、この隙間から室内側への外部空気のごくわずかな漏れを生じる場合もあるが、漏れ量やその流速は極めて小さいものであり、この漏れが室内空間の空気調和状態に影響を与えることはない。
一方、建物外に風が吹いているものの、換気装置1の面する外部側が風下側となった場合など、室内空間の圧力が外部より高くなっている状態では、羽根体13は開口部12に近付く向きの力を受けないために開口部12から離れた位置にある。この状態では、換気装置本体10の室内側端部から室内の空気が進入し、室内寄りの開口部12を通過し、中空部10aに進入する。室内空気の気流は羽根体13に対し圧力を与え、羽根体13を開口部12から離れた状態に維持しつつ、羽根体13と換気装置本体10内面との間を通って換気装置本体10の外部側の開口部11から外部に流出することとなる。
同じ状況でさらに風が強まるなど、室内空間に比べて外部の圧力が著しく低下し、適切な内外圧力差を超えた場合、またこの他、換気の必要がない場合や、夏期や冬期など外部からの空気流入が空調負荷となるために換気を行いたくない場合等には、所定の操作により羽根体駆動装置14を動作させ、継手機構15を介して羽根体13を羽根体駆動装置14に一体に拘束した状態としつつ、羽根体13を開口部12寄りに強制傾動させる。羽根体13は羽根体駆動装置14の駆動により傾動し、羽根部材13aが開口部12周囲の気密材12aにそれぞれ強く押付けられることで、羽根体13で開口部12を確実に閉塞した強制閉止状態となる。
この強制閉止状態では、羽根体13の羽根部材13aが室内側の開口部12を完全に覆って隙間無く閉塞できることとなり、一切漏れ等もなく、内外圧力差に伴い室内空気が室内空間40から換気装置本体10の開口部12に勢いよく進入し、中空部10a及び開口部11を通過して外部空間30へ進行する事態が抑えられ、室内空気の外部への流出に伴う室内への強い空気流の発生等も無くなり、室内の空気調和状態が乱れることはない。また同時に、外部空気の室内側への進行も抑えられた状態となる。
そして、羽根体駆動装置14の動作解除指示を行えば、羽根体駆動装置14が元の状態に復帰し、継手機構15を介した羽根体13の羽根体駆動装置14への拘束が解かれ、羽根体13は自由に傾動可能な状態に戻る。
なお、この動作説明中では省略したが、建物における換気装置1設置箇所とは別の所定箇所には、換気装置1と同様の構成を有して、換気装置1の設置される室内空間40と他の室内空間あるいは外部空間30との間の空気流通を制御する他の換気装置が一又は複数存在しており、各空間の空気の圧力に応じた動作を個々に行いながら、結果として、換気装置1が外部空間30から室内空間40へ空気を取入れる際には、他の換気装置が逆に室内空間30から空気を流出させ、また、換気装置1が室内空間40から外部空間30へ空気を流出させる際には、他の換気装置が逆に室内空間40へ空気を流入させるなど、他の換気装置は換気装置1と連係して換気動作しており、換気装置全体として換気対象となる室内空間30に対し自然風に基づく自然換気を確実に行える仕組みとなっている。
このように、本実施の形態に係る換気装置では、換気を行おうとする二つの空間30、40に対しそれぞれ開口部11、12を向けた箱状の換気装置本体10を配設すると共に、この換気装置本体10の二つの開口部間に生じる中空部10aに一方の開口部12を閉塞可能な羽根体13を配設し、羽根体13を開口部間で二空間の圧力差に応じて傾動させる一方、換気装置本体10形状に基づき、羽根体13が一方の開口部12に近付く向きへ傾動していくにつれ、羽根体13端部と換気装置本体10内面との間隔を徐々に小さくすることから、過大な圧力が加わって羽根体13が開口部12を閉塞する状況以外では、二空間間での通風状態が許容され、羽根体13に加わる付勢力と圧力のバランスに基づいて羽根体13が換気装置本体10内面との間隔を変化させて通過する空気量を調整することとなり、圧力の変化に対して空気の通過可能な流路断面積を適切に調節して通過空気量の変化度合を小さく抑えられ、圧力の急変に際し一方の空間への空気の急速な流入出を防いで適切な空気調和状態を保て、換気調節性能に優れる。
なお、前記実施の形態に係る換気装置においては、換気装置本体10における各開口部11、12の配置される面同士が直角をなすように配置されると共に、羽根体13の第一羽根部材13a及び第二羽根部材13bと換気装置本体10の開口部11、12のない内面との間隔が羽根体13の傾動に伴って適切に変化するよう換気装置本体10形状を設定する構成としているが、これに限らず、各開口部11、12を配置される各面のなす角度を、室内外に面する空気供給・排出口の配設位置や自然換気の換気量に応じて任意に設定し、またこれら各開口部の位置関係に合わせて換気装置本体の各面形状を設定する構成とすることもできる。
また、前記実施の形態に係る換気装置においては、羽根体駆動装置14を用いて、羽根体13を強制閉止状態まで駆動する構成としているが、これに限らず、羽根体13を強制的に傾動させる手段として手動操作機構を配設し、作業者が手操作で羽根体13を傾動可能とする構成とすることもでき、羽根体13の強制閉止のための機構を大幅に簡略化してコストダウンが図れる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、羽根体13の形状や軸支位置、錘13dの配設位置設定等を工夫し、羽根体13を傾動させると、軸部13c直下から重心がずれて軸部13c周りに回転モーメントが生じることを利用して、羽根体13を開口部12から離した釣合状態にとどめる付勢力を発生させる構成としているが、これに限らず、付勢力を発生させる手段として、重力を利用しないばね等の機構を用いる構成とすることもできる。そして、このようなばね等の機構を採用した場合には、羽根体13の軸部13cと平行な装置長手方向を横向きとして配設する構成に限定されず、装置長手方向を縦向きとして、窓縦枠の一部として、又は窓枠横の外壁に埋込む等して配設する構成とすることができる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、羽根体13の第一羽根部材13a中空部分に錘13dを配設し、錘13dの重量によって傾動可能部分全体の重心位置を羽根体13単独の重心位置から移動させ、羽根体13の初期位置を羽根体13単独の釣合状態と異ならせて、空気の圧力変化に羽根体13を適切に対応させられる構成としているが、この他、羽根体13の第二羽根部材13b中空部分に同じ錘を配設したり、軸部13cの換気装置本体10外の部分に対し軸中心について羽根体13と同じ対称配置となるようにして錘を複数取付けたりして、傾動可能部分全体の重心位置を羽根体13単独の重心位置から動かさないようにしつつ、羽根体13傾動時の回転モーメントは変化させ、付勢力の発生具合を変化させる構成とすることもでき、圧力変化に対する追随度合など羽根体13傾動動作に一層の変化を与えられることとなる。
また、前記実施の形態に係る換気装置においては、外壁内部に設置して建物の外部空間30と室内空間40との換気に用いる構成としているが、これに限らず、外部に面する部屋に囲まれて一又は複数の部屋が存在するなど、室内空間が外部に面しない壁を隔てて隣合う場合に対応して、こうした室内空間の間の壁に換気装置を配設し、これら室内空間間の換気に用いることもでき、二つの室内空間間に適切な範囲内の圧力差が生じる際には、前記実施形態同様に換気が実現することとなる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、換気装置本体10の開口部11、12や羽根体13はそれぞれ一つずつ配設する構成としているが、これに限らず、換気装置本体10の開口部12や羽根体13を羽根体13の傾動中心軸線方向に複数配置する構成とすることもでき、換気装置本体10が羽根体13の傾動中心軸線方向に長尺となる形状とされた場合に、開口部12や羽根体13が一つずつのままではこれらも長尺とせざるを得ず、長尺化に伴う施工性の悪化や、工作精度の劣化を招いてしまうなどの問題が生じるのに対し、こうした開口部12や羽根体13を複数並べて配設することで、換気装置本体10が長尺となった場合でも一つ一つの開口部12や羽根体13をそれぞれ長尺とせずに済み、これら開口部12や羽根体13の長尺化に伴う前記問題点を回避できることとなり、羽根体13が傾動して開口部12閉塞位置に達した状態での各羽根体13と開口部12の相互の位置精度を高めて、より確実な閉塞状態が得られる。
また、前記実施形態に係る換気装置において、羽根体13は第一羽根部材13aと第二羽根部材13bとを一端部同士で連結一体化させて形成され、この一体化している一端部を傾動の中心として換気装置本体10に支持させる構成としているが、これに限らず、図6に示すように、傾動の中心を第一羽根部材53aと第二羽根部材53bの連結された一端部ではなく第一羽根部材53aの他端部に設定し、羽根体53における傾動中心位置と第二羽根部材53bの位置関係を大きく変化させた構成とすることもでき、他の開口部51から一の開口部52へ向う空気に対し、中空部50aで羽根体53の開口部52側への傾動に伴って流路形状を変化させつつ、第二羽根部材53b他端部と換気装置本体50の底面50b間の隙間、並びに第一羽根部材53a一端部と換気装置本体50の側面50c間の隙間の二箇所で流路断面積を絞ることとなり、前記実施形態同様、一方の空間に流入しようとする空気の圧力変化に対し空気の流量変化をより小さく抑えられ、圧力増加に伴う通過空気量の過度の増大を抑えて流入空気量をほぼ一定に維持できる。
本発明の一実施形態に係る換気装置の概略正面図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における羽根体軸部と羽根体駆動装置の連結部分概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における羽根体傾動過程説明図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における羽根体の開口部閉止状態説明図である。 本発明の他の実施形態に係る換気装置の断面図である。
符号の説明
1 換気装置
10、50 換気装置本体
10a、50a 中空部
10b、50b 底面
10c、50c 側面
10d ストッパ
11、12 開口部
12a 気密材
13、53 羽根体
13a、53a 第一羽根部材
13b、53b 第二羽根部材
13c 軸部
13d 錘
14 羽根体駆動装置
15 継手機構
20 窓枠
30 外部空間
31 外壁面
40 室内空間
51、52 開口部

Claims (7)

  1. 壁で仕切られた二つの空間のうち一方の空間側に一の開口部を位置させると共に、他方の空間側に他の開口部を位置させて配設され、前記一方の空間と他方の空間との間で空気流通可能とする換気装置本体と、当該換気装置本体内部に可動状態で配設され、空気の通過状態を調整する羽根体とを備える換気装置において、
    前記換気装置本体が、前記両開口部を除いた部分を閉じられて一の開口部と他の開口部との間に前記羽根体を収容する中空部を生じさせた箱状体とされてなり、
    前記羽根体が、前記換気装置本体の一の開口部より大となる大きさを有する略板状の第一羽根部材と略板状の第二羽根部材とを所定角度をなす配置で端部同士を連結一体化させた略V字状断面形状として形成されてなり、前記第一羽根部材の端部を傾動の中心とし、且つ前記第一羽根部材を一の開口部寄りとする配置で、第一羽根部材が一の開口部から離れて一の開口部を開放する位置から第一羽根部材が一の開口部に近接して一の開口部を閉塞する位置までの所定角度範囲で傾動可能として前記換気装置本体に支持され、
    前記換気装置本体における前記一の開口部を配置される一面に隣接する他の所定面が、当該所定面と前記羽根体の第一羽根部材他端部との間に生じる隙間が前記二つの空間間で流通する空気の流路となり、且つ前記羽根体が一の開口部に近付く向きへ傾動していくにつれ前記所定面と第一羽根部材他端部との間隔が徐々に小さくなる配置として形成され、
    前記羽根体が、前記一の開口部から離れる傾動方向へ所定の付勢力で付勢され、前記他方の空間から加わる圧力が所定範囲内の場合に、前記圧力の大きさに応じた角度分だけ一の開口部に近付く向きへ傾動可能とされることを
    特徴とする換気装置。
  2. 前記請求項1に記載の換気装置において、
    前記羽根体が、前記第一羽根部材と第二羽根部材が鋭角をなす形状とされてなり、第一羽根部材と第二羽根部材の一体化している端部を傾動の中心軸として前記換気装置本体に軸支されることを
    特徴とする換気装置。
  3. 前記請求項1又は2に記載の換気装置において、
    前記換気装置本体が、前記一の開口部を配置される一面と前記他の開口部を配置される他面とが互いに略直角をなす位置関係とされて形成されることを
    特徴とする換気装置。
  4. 前記請求項3に記載の換気装置において、
    前記換気装置本体が、前記他の所定面と、当該他の所定面に隣接し且つ前記一の開口部に対向する位置にある別の所定面との交差する入隅部分を、所定の大きさの曲面とされることを
    特徴とする換気装置。
  5. 前記請求項3又は4に記載の換気装置において、
    前記羽根体が、羽根体に対し前記他方の空間から加わる圧力が前記所定範囲より小さく、前記第一羽根部材が一の開口部から最大限離れた状態で、第二羽根部材の第一羽根部材と連結していない側の端部と前記換気装置本体内面とのなす最小間隔を、第一羽根部材の傾動中心とされない側の端部と換気装置本体内面とのなす最小間隔より大きくする配置として換気装置本体に支持されることを
    特徴とする換気装置。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれかに記載の換気装置において、
    前記羽根体が、傾動の中心が羽根体の重心位置より常に上側に位置する配置で前記換気装置本体に支持され、
    前記羽根体に加わる付勢力が、羽根体重心位置の傾動中心直下からのずれに伴って生じる回転モーメントによるものとなることを
    特徴とする換気装置。
  7. 前記請求項6に記載の換気装置において、
    前記羽根体が、中空構造とされ、中空部分に一又は複数の錘を取付けられることを
    特徴とする換気装置。
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