<空気調和装置の構成の概要>
この発明の第1実施形態に係る空気調和装置1は、図1に示すように、室内の壁Wに取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。室内機2と室外機3とは、冷媒配管、加湿ホース、伝送線及び通信線などを集合した集合連絡配管4によって接続される。
この空気調和装置1は、熱交換を行って室内の空気調和を行うために、図2に示すような冷媒回路を備えている。冷媒回路は、例えば、室内機2の室内側熱交換器2r(冷房時は蒸発器/暖房時は凝縮器として機能する)及び、室外機3の圧縮機34と四路切換弁36とアキュムレータ3rと室外側熱交換器3s(冷房時は凝縮器/暖房時は蒸発器として機能する)と膨張弁35などが集合連絡配管4の中の冷媒配管で連結されて構成される。また、室内側熱交換器2rと室外側熱交換器3sにおける熱交換を促進するために、室内機2にはファンモータ43で駆動されるクロスフローファン9が設けられ、室外機3にもファンモータで駆動される室外ファン37が設けられている。そして、空気調和装置1を制御するために、リモートコントローラ5などの制御端末から指令を受けて室内機2のファンモータ43などの室内側機器を制御するための電装品箱が室内機2に設けられ、室外機3のファンモータなどの室外側機器を制御するための電装品箱が室外機3に設けられている。そして、室内機2の電装品箱と室外機3の電装品箱とが集合連絡配管4の中を通る伝送線で接続されている。
<室内機の構成の概観>
図3に室内機の正面を示し、図4に室内機の右側面を示す。図1、図3及び図4に示されているように、室内機2は、ケーシング本体6と、水平フラップ11と、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bとを備えている。また、室内機2は、ケーシング本体6の内部に、室内側熱交換器(図示省略)と、室内ファン9と、垂直ルーバー12とを備えている。
室内機2のケーシング本体6は、水平方向に長い略直方体形状の部材である。室内機2は、ケーシング本体6の前面2a、左側面2b、右側面2c、天面2dおよび底面2eすなわち背面2fを除く5つの面が化粧パネル6aで覆われている。なお、室内機2の左側面2bおよび右側面2cに垂直な方向すなわち室内機2の長手方向DrLに沿う方向を左右方向と呼ぶ場合があり、正面視における右手が右方向、正面視における左手が左方向になる。また、室内機2の背面2fから前面2a(正面)に向かう方向を前方といい、天面2dから底面2eの方に向かう方向を下方という。
ケーシング本体6の底面2eから左側面2bおよび右側面2cにかけて、調和空気を吹き出すための吹出口7が形成され、天面2dには、室内空気を吸込むための吸込口8が形成されている。なお、吹出口7の詳細については後述する。
図4に示すように、室内機2のケーシング本体6の内部には、側面視においてケーシング本体6の略中央の背面側寄りにクロスフローファン9が設けられる。正面視においては、図3に示すように、このクロスフローファン9は、吸込口8と同じ程度の長さを有し、室内機2(ケーシング本体6)の長手方向DrLに沿って長く水平に配置されている。
また、ケーシング本体6内のクロスフローファン9の上流側には、室内側熱交換器2rが配置され、クロスフローファン9に吸込まれる前に室内側熱交換器を室内空気が通過することによって空気調和が行われる。図示を省略するが、室内側熱交換器2rは、側面視において、逆V字形状をしている。このようにケーシング本体6の長手方向に長く延びるクロスフローファン9により室内空気の吸い込みと調和空気の吹き出しとを行って効率良く室内の空気調和を実施させる。そのため室内側熱交換器もケーシング本体6の長手方向に長く延びる形状に形成され、長手方向に長く延びる吸込口8と吹出口7との間に配置される。室内側熱交換器の上流にはエアフィルタ(図示省略)が設けられており、クロスフローファン9に導かれる調和空気にエアフィルタの隙間より大きな埃は完全に取り除かれる。
図1に示す室内機2では、前面2aから室内空気の吸い込みは行われず、室内機2はもっぱらケーシング本体6の天面2dの吸込口8から室内空気の吸い込みを行っている。そのため、室内機2の内部における室内空気の循環は、室内機2の天面2dの側から室内機2の底面2eの側に向けて行われる。すなわち、ケーシング本体6の天面2dの吸込口8から吸込まれた室内空気が、順に、エアフィルタ、室内側熱交換器を通過してクロスフローファン9により吹出通路10に送り出され、垂直ルーバー12と水平フラップ11によって気流の向きが調節され、ケーシング本体6の底面2eの吹出口7から吹き出される。
図3および図4に示されているように、吹出通路10には、左側壁10a、右側壁10b、後方案内面10c及び前方案内面10dがある。吹出通路10の後方案内面10cは、側面視において、クロスフローファン9の側に曲率中心を持つ滑らかな曲線を描いており、下方に向かうに従って曲率半径が大きくなる。そして、後方案内面10cと前方案内面10dとの間隔が吹出口7に近づくほど大きくなり、吹出通路10の開口が吹出口7に近づくほど大きくなる。また、クロスフローファン9が、右側面から見て、時計回りに回転して送風し、その中心軸が背面2fの方に寄って配置されているので、吹出通路10は、底面2eの前方側に向けて斜めに形成される。そのため、吹出通路10から吹出口7に向かう調和空気の気流は、下方に向く方向ベクトルと前方に向く方向ベクトルとを有し、乱れの少ない層流になる。
<吹出口周辺の構成>
図5に示すように、吹出口7は、中央吹出口7aと左側方吹出口7bと右側方吹出口7cを含んでいる。吹出通路10は、吹出口7において、中央吹出口7aにつながる中央吹出通路10Aと、左側方吹出口7bにつながる左吹出通路10Bと、右側方吹出口7cにつながる右吹出通路10Cに分かれる。中央吹出通路10Aと左吹出通路10Bとは収納部25aにより仕切られており、中央吹出通路10Aと右吹出通路10Cとは収納部25bにより仕切られているが、中央吹出通路10Aと左吹出通路10Bと右吹出通路10Cとは互いに連通している。そして、中央吹出口7aの開閉は水平フラップ11により行われ、左側方吹出口7bの開閉は左シャッタ20aにより行われ、右側方吹出口7cの開閉は右シャッタ20bにより行われる。
室内機2は、運転停止時に水平フラップ11が閉じて中央吹出口7aの開口面16が塞がれ、運転中に水平フラップ11が開いて中央吹出口7aの開口面16が開放される。図1には、中央吹出口7aの水平フラップ11が開いている状態が示されており、図4には水平フラップ11が閉じている状態が示されている。
吹出通路10に配置されている垂直ルーバー12は、左主垂直ルーバー12a、右主垂直ルーバー12b、左側方垂直ルーバー12cおよび右側方垂直ルーバー12dに分類される複数枚の羽根からなる(図5参照)。垂直ルーバー12は、図6に示すように、左のルーバー19aと右のルーバー19bに分かれて、それぞれ異なる連結棒13a,13bによって連結されている。左のルーバー19aには、左主垂直ルーバー12aと左側方垂直ルーバー12cが含まれ、右のルーバー19bには、右主垂直ルーバー12bと右側方垂直ルーバー12dが含まれる。ステッピングモータ13c、13dからアーム13e,13fを介して駆動力が伝えられて、連結棒13a,13bがそれぞれ独立して駆動されるので、左のルーバー19aと右のルーバー19bは、ケーシング本体6の長手方向に対する垂直な面を中心に、互いに独立して左右に揺動することができる。そのため、ステッピングモータ13c,13dの回転を制御することにより、揺動した後に任意の角度で左主垂直ルーバー12aおよび左側方垂直ルーバー12cと、右主垂直ルーバー12bおよび右側方垂直ルーバー12dとを止めて、室内機2の左右方向における調和空気の吹き出し方向を調整することができる。
図5に示す状態では、左側方垂直ルーバー12cおよび右側方垂直ルーバー12dは、開いている左側方吹出口7bおよび右側方吹出口7cに調和空気を導かない角度で停止している。なお、垂直ルーバー12の傾きと左側方吹出口7bおよび右側方吹出口7cの開閉との関係については次に示す通りであり、図5の状態は、説明のためのものであってこの実施形態の運転時には出現しない。
例えば、中央吹出口7aのみが開放され、中央吹出口7aに調和空気を集中させたいときには、左のルーバー19aと右のルーバー19bの羽根の面を長手方向に対して垂直になるような状態にする(図6(a))。
また、右に向かって調和空気を導きたいときには、図6(b)に示すように、時計回りにステッピングモータ13c,13dを回転させるとアーム13e,13fが支点13g,13hを中心に回転して、アーム13e,13fが連結棒13a,13bを右に押し出し、垂直ルーバー12を右に傾ける。
この垂直ルーバー12の傾きは、ステッピングモータ13c,13dの回転角を制御することにより所望の位置で停止させることができる。例えば、図6(b)のステッピングモータ13c,13dの回転角よりも小さい角度だけ回転させて図6(c)の状態にすると、図6(b)の角度αよりも小さい角度βの傾きを垂直ルーバー12に持たせることができる。
図6に示す連結棒13aとステッピングモータ13cとアーム13eが垂直ルーバー駆動機構42の左ルーバー駆動部42aを構成し、連結棒13bとステッピングモータ13dとアーム13fが垂直ルーバー駆動機構42の右ルーバー駆動部42bを構成する。
<シャッタ>
図7は、左シャッタ近傍の構成を説明するため、左シャッタの周辺の一部分を破断して拡大した図である。図7(a)には、左シャッタ20aが閉じ、水平フラップ11が開いたときの左シャッタの周辺の一部分を破断して拡大した状態が示されている。図7(b)には、左シャッタ20aおよび水平フラップ11が開いたときの左シャッタの周辺の一部分を破断して拡大した状態が示されている。
図7(a)および図7(b)に示されている左シャッタ20aは、支持部材23によって支持されつつ駆動され、左側方吹出口7bを開くときには反時計回りに回動して収納部25aに収納される。この支持部材23には制御部30により制御されたステッピングモータ(図示省略)から駆動力が与えられる。収納部25aには支持部材23が移動するためのスリット26dが形成され、支持部材23の一端部23aが左シャッタ20aに固定され、他端部23bが回転軸に取り付けられている。そのため、左シャッタ20aの回動は、他端部23bを回動の中心としたものになる。収納部25aは、開口部を下に向けた略U字型の形状に変形しており、中央に左シャッタ20aが入るキャビティ26cが形成されている。収納部25aの上端部26aの上に左側方吹出口7bに繋がる左吹出通路10Bがある。左シャッタ20aが回動して略U字型のキャビティ26cに収まるため、キャビティ26cが正面視において斜めに傾いているので、収納部25aの下端部26bと上端部26aの距離が狭まり、左側方吹出口7bに繋がる左吹出通路10Bの開口面積を大きくすることができる。
また、ケーシング本体6は、左側方吹出口7b近傍に凹部15aを有している。この凹部15aには、閉状態の左シャッタ20aが嵌まり込む。同様に、右シャッタ20bを収容する凹部(図示省略)も向かって右側方吹出口7c近傍に設けられる。また、凹部15aは、左シャッタ20aや右シャッタ20bが閉状態である場合に、左シャッタ20aや右シャッタ20bとケーシング本体6とが概ね連続して配置されるように構成されている。このため、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bが閉状態である場合には、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bの外面とケーシング本体6の外面とが略一面状に配置される。
図7(a)および図7(b)において、水平フラップ11を用いて前方に向かって調和空気を送るときの気流の方向を実線の矢印で示し、左右方向へ向かって調和空気を送るときの気流の方向を点線の矢印で示している。図7(a)は、左シャッタ20aが閉じて左側方吹出口7bが塞がれている状態を示しており、このような実線で示された気流が発生している状態すなわち、垂直ルーバー12が長手方向に対して垂直になっている状態を示している。また、図7(b)は、左シャッタ20aが開いて左側方吹出口7bが開放されている状態を示しており、このような点線で示された気流を発生している状態すなわち、垂直ルーバー12の羽根の面が長手方向に対して垂直な方向よりも左に傾いている状態を示している。図7(b)の状態では、水平フラップ11および左側方吹出口7bを使って、ケーシング本体6の左側面2bが面する方向への調和空気の気流を吹き出させることができる。
なお、図7に示すように、水平フラップ11が閉じている状態では、左シャッタ20aの動線上に水平フラップ11が存在するため、左シャッタ20aや右シャッタ20bを開けるときには、先に水平フラップ11を開く動作が行われる。
<垂直ルーバーの傾きとシャッタの開閉>
左シャッタ20aと右シャッタ20bの開閉は、垂直ルーバー12の傾きに応じて選択的に行われる。図8は、室内機2を天面2dの側から見た、垂直ルーバー12の傾きと左シャッタ20aおよび右シャッタ20bの開閉との関係を示す模式図である。垂直ルーバー12は、左のルーバー19aと右のルーバー19bに分かれて連結棒13a,13bに連結され、別々に駆動される。
図8(a)は、垂直ルーバー12の羽根の面が長手方向に対して垂直な状態になっており、左シャッタ20aも右シャッタ20bも閉じている状態を示している。図8(a)の状態では、前方に向かって調和空気を吹き出しており、左右方向への調和空気の吹き出しは行われない。
図8(b)は、垂直ルーバー12の羽根の面が長手方向に対して右側に傾いており、左シャッタ20aが閉じ、右シャッタ20bが開いている状態を示している。図8(b)の状態では、調和空気を右に吹き出すため、左シャッタ20aが閉じている。
図8(c)は、垂直ルーバー12の羽根の面が長手方向に対して左側に傾いており、左シャッタ20aが開き、右シャッタ20bが閉じている状態を示している。図8(b)の状態では、調和空気を左に吹き出すため、右シャッタ20bが閉じている。
図8(d)は、垂直ルーバー12の左のルーバー19aの羽根の面が長手方向に対して左側に傾いており、右のルーバー19bの羽根の面が長手方向に対して左側に傾いており、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bが開いている状態を示している。図8(d)の状態では、調和空気を左および右の両方向に吹き出すため、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bが共に開いている。
図8(e)は、垂直ルーバー12の羽根の面が長手方向に対して垂直な状態を境に左右にスイングしており、左シャッタ20aも右シャッタ20bも閉じている状態を示している。図8(e)の状態では、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bを垂直ルーバー12の羽根の面に対応させて開閉すると、スイングに合わせて開閉動作が連続するため、使用者に対して不快感を与えるので、閉じた状態で固定されている。
図8(a)乃至図8(e)の状態は、全て水平フラップ11は開いた状態になっている。図8(b)乃至図8(d)の状態を実現するためには、いずれも既に説明したように水平フラップ11を開き、続いて左シャッタ20aおよび右シャッタ20bを開く。
上述のような垂直ルーバーの傾きとシャッタの開閉との関係について図9を用いて説明する。図9(a)には、垂直ルーバー12の左のルーバー19aの角度と左シャッタ20aとの関係について記載され、図9(b)には、垂直ルーバー12の右のルーバー19bの角度と右シャッタ20bとの関係について記載されている。
図9(a)に示すように、垂直ルーバー12の左のルーバー19aが取り得る状態の境界には、角度12p〜12u,12x,12yがある。角度12xは、左側全開角度であって、左のルーバー19aがこの角度にあるときは構造当たりを起こしており、原点を決めるための角度である。角度12yは、右側全開角度であって、左のルーバー19aがこの角度にあるときは構造当たりを起こしており、原点を決めるための角度である。角度12pは、据付設定が中央になっているときの左側スイング角度、角度12qは、据付設定が中央になっているときの右側スイング角度であり、据付設定が中央になっているときには、角度12pと角度12qの間の範囲An1を左のルーバー19aがスイングする。角度12rはセンターすなわち室内機の長手方向に対して垂直ルーバー12の羽根の面が垂直になる角度である。
角度12sは、据付設定が左になっているときの左側スイング角度であり、据付設定が左になっているときには、角度12sと角度12qの間の範囲An2を左のルーバー19aがスイングする。また、角度12tは、据付設定が右になっているときの右側スイング角度であり、据付設定が右になっているときには、角度12pと角度12tの間の範囲An3を左のルーバー19aがスイングする。
角度12uは、左シャッタ20aの開閉を判断する境界の角度であり、角度12uと角度12pの間の範囲An4に左のルーバー19aがあるときには、左シャッタ20aを開き、角度12uと角度12qの間の範囲An5に左のルーバー19aがあるときには左シャッタ20aを閉じる。
図9(b)に示すように、垂直ルーバー12が取り得る状態の境界には、角度12p〜12t,12v,12x,12yがある。図9(a)と異なるのは、角度12vであり、右シャッタ20bの開閉を判断する境界の角度である。角度12vと角度12pの間の範囲An6に右のルーバー19bがあるときには、右シャッタ20bを開き、角度12uと角度12qの間の範囲An7に右のルーバー19bがあるときには右シャッタ20bを閉じる。
<水平フラップ>
図10は、水平フラップ11の外観とその周囲の構造を示す斜視図である。水平フラップ11は、室内機2の下方を構成する取り付け板60から吊り下げられている。この取り付け板60に取り付けられる水平フラップ11によって中央吹出口7aを塞ぐことができるように、取り付け板60は、中央吹出口7aの開口面16よりも上方に配置されかつ、吹出通路10の前方案内面10dの側に配置されている。
水平フラップ駆動機構41の左支持アーム駆動部46は、駆動源として駆動用モータ54aを備えており、駆動用モータ54aの駆動軸55aにはピニオンギア52aが取り付けられている。取り付け板60の開口部61aでピニオンギア52aがラックギア56aと噛み合っており、ラックギア56aが形成されている左支持アーム53aの迫出し量がピニオンギア52aの回転数によって制御される。そのために、駆動用モータ54aにはステッピングモータが用いられ、左支持アーム53aが案内溝62aにスライド自在に挿通されており、駆動用モータ54aの回転に連れて左支持アーム53aが案内溝62a内をスライドする。左支持アーム53aの先端は、水平フラップ11の連結部11pに固定された回転軸57aによって回動自在に軸支されている。
同様に、右支持アーム駆動部47は、駆動源として駆動用モータ54bを備えており、駆動用モータ54bの回転に連れて右支持アーム53bが案内溝62b内をスライドし、右支持アーム53bの迫出し量が駆動用モータ54bの回転数によって制御される。なお、開口部61bで噛み合わされる右支持アーム駆動部47のピニオンギアについては図示を省略している。右支持アーム53bの先端も、水平フラップ11の連結部11qに固定された回転軸(図示省略)によって回動自在に軸支されている。
中間支持アーム駆動部48は、駆動源として駆動用モータ54cを備えている。駆動用モータ54cは、中間支持アーム53cを駆動するため、中間支持アーム53cの回動アーム58aに取り付けられている。回動アーム58aは、可動軸(図示省略)によって揺動アーム58bに連結されている(図11(c)参照)。そして、揺動アーム58bが水平フラップ11の連結部11rにおいて揺動可能に軸支されている。この揺動アーム58bを駆動用モータ54cの回転軸の回りで回転させることによって、主に、水平フラップ11の回転動作を行わせる。
図11は、水平フラップの動作を説明するため、側面から見た吹出口近傍の断面を模式的に示した図である。図11(a)は、空気調和装置1の動作が停止して、水平フラップ11が全閉になっているときの状態を示している。このとき、左支持アーム53aおよび右支持アーム53bは、水平フラップ11がスムーズに移動可能な範囲で、迫出し量が最も少なくなるように収納されている。左支持アーム53aを収納するには、駆動用モータ54aが、右から見て反時計回りにピニオンギア52aを回転させて左支持アーム53aを引き込むように駆動する。右支持アーム53bを収納するにも、駆動用モータ54bが、右から見て反時計回りにピニオンギアを回転させて右支持アーム53bを引き込むように駆動する。その際、駆動用モータ54cは、右から見て反時計回りに回動アーム58aを回転させて揺動アーム58bを上に引き上げ、水平フラップ11の後端部の側を上に持ち上げる。各駆動用モータ54a,54b,54cは、水平フラップ11がケーシング本体6に当接した後も駆動力を発生し続ける。しかし、水平フラップ11がケーシング本体6に当接しているため、ラックギア56a,56bや回動アーム58aは移動しない。このように、ラックギア56a,56bや回動アーム58aが動かなくなってからも各駆動用モータ54a,54b,54cが駆動力を発生する工程がいわいる増し締めである。このような増し締めを行うことで、水平フラップ11によって中央吹出口7aを確実に塞ぐことができる。
図11(b)は、水平フラップ11を開いた後に、右から見て、水平フラップ11を時計回りに最も回転させた状態を示している。以下の説明において、水平フラップ11を時計回りに最も回転させた状態をリンク全開状態という。リンク全開状態にするには、リンク全開状態になっても水平フラップ11がケーシング本体6に当たらないところまで左支持アーム53aおよび右支持アーム53bが迫出していなくてはならない。図11(b)に示されている状態は、水平フラップ11がケーシング本体6に当たらないところまで左支持アーム53aおよび右支持アーム53bが迫出しているが、その迫出し量をできる限り少なくした状態である。以下の説明では、このように水平フラップ11がどのような姿勢でもケーシング本体6に当たらない範囲で左支持アーム53aおよび右支持アーム53bの迫出し量をできる限り少なくした状態をラックアッパーポジションという。このラックアッパーポジションでは、水平フラップ11がどの角度でも水平フラップ11はケーシング本体6には当接しない。そして、リンク全開状態では、水平フラップ11以外の可動部分がいずれかの箇所に当たってそれ以上移動しなくなる構造当たりを起こしている。そのような構造当たりを起こしたときに、図11(a)の水平フラップ11の増し締めを行うことで水平フラップ11の位置決めを行い、図11(b)の場合には水平フラップ11の回転角度の基準を与えることができる。
図11(c)は、ラックアッパーポジションにおいて、右から見て、水平フラップ11を反時計回りに最も回転させた状態を示している。以下の説明において、水平フラップ11を反時計回りに最も回転させた状態をリンク全閉状態という。リンク全閉状態にするには、リンク全閉状態になっても水平フラップ11がケーシング本体6に当たらないところまで左支持アーム53aおよび右支持アーム53bが迫出していなくてはならない。そして、リンク全閉状態でも、水平フラップ11以外の可動部分がいずれかの箇所に当たってそれ以上動かなくなる構造当たりを起こしている。そのような構造当たりを起こしたときに増し締めを行うことで水平フラップ11の位置決めを行い、図11(b)の場合と同様に水平フラップ11の回転角度の基準を与えることができる。従って、制御部30は、図11(b)と図11(c)のいずれかまたは両方を使って水平フラップ11の回転角度を把握しながら正確に制御することができる。
図11(d)は、ラックアッパーポジションにおける運転時の水平フラップの状態を示している。図11(b)のリンク全開状態や図11(c)のリンク全閉状態で運転すると、構造当たりを起こしているために振動などの影響を受けて早く劣化してしまうため、リンク全開状態よりも少し反時計回りに回転した角度とリンク全閉状態よりも少し時計回りに回転した角度との間の角度を使って運転が行われる。
図11(e)は、水平フラップ11を開いた後に、右から見て、水平フラップ11を反時計回りに最も回転させた状態(リンク全閉状態)を示している。図11(e)に示されている状態は、水平フラップ11がケーシング本体6に当たらないところまで左支持アーム53aおよび右支持アーム53bが迫出しているが、その迫出し量をできる限り多くした状態である。以下の説明では、このように左支持アーム53aおよび右支持アーム53bの迫出し量が最大の状態をラックロウアーポジションという。このラックロウアーポジションでは、水平フラップ11がどの角度でも水平フラップ11はケーシング本体6には当接しない。そして、リンク全閉状態では、水平フラップ11以外の可動部分がいずれかの箇所に当たってそれ以上移動しなくなる構造当たりを起こしている。そのため、起こしたときに増し締めを行うことで水平フラップ11の位置決めを行い、図11(e)の場合にも水平フラップ11の回転角度の基準を与えることができ、制御部30は、図11(e)を使って水平フラップ11の回転角度を把握しながら正確に制御することができる。
ラックロウアーポジションでは、左支持アーム53aおよび右支持アーム53bの迫出し量が最大になるので、左支持アーム53aおよび右支持アーム53bに水平フラップ11の長さが加わると、室内機2の下方に配置される家具などに水平フラップ11がぶつかる可能性が大きくなる。そのため、ラックロウアーポジションにおいてはリンク全開状態を禁止している。
図11(f)は、ラックロウアーポジションにおける運転時の水平フラップの状態を示している。図11(e)のリンク全閉状態で運転すると、構造当たりを起こしているために振動などの影響を受けて早く劣化してしまうため、リンク全閉状態よりも少し時計回りに回転した角度を使って運転が行われる。
<制御部>
上述の水平フラップ11と垂直ルーバー12の吹出し方向の調整により、クロスフローファン9の風速の調整により、また左シャッタ20aおよび右シャッタ20bの開閉により、室内の形態や室内の状況に対応した適切な空気調和のための調和空気の気流を発生することができる。水平フラップ11や垂直ルーバー12や左シャッタ20aおよび右シャッタ20b並びにそれらの駆動機構が風向装置を構成しており、この風向装置の制御を行うために、図7に示すような制御部30を備えている。
制御部30は、室内機2の各機器を制御するための室内制御部31と、室外機の各機器を制御するための室外制御部32とを備えており、室内制御部31と室外制御部32との間を信号線33で接続して構成されている。
室外制御部32は、圧縮機34、室外電動膨張弁35、四路切換弁36、室外ファン37、複数の圧力センサ38および複数の温度センサ39などに接続されている。室外制御部32は、四路切換弁36を切り換えることにより、冷凍回路に流れる冷媒の循環経路の切換を行って暖房運転と冷房運転の切換などの運転切換の制御を行う。室外制御部32は、例えば圧縮機34の回転数を制御することにより冷媒回路の冷媒循環量を制御し、室外電動膨張弁35の開度を制御することにより冷媒回路を流れる冷媒の圧力を制御する。また、室外制御部32は、室外ファン37の回転数を制御することにより、室外側熱交換器における熱交換効率の制御などを行う。そのため、冷媒回路や各機器に設置された複数の圧力センサ38や温度センサ39などによって検知された各部の温度や圧力を、室外制御部32は、制御のための判断に用いている。
一方、室内制御部31には、送受信部40、水平フラップ駆動機構41、垂直ルーバー駆動機構42、シャッタ駆動機構49、クロスフローファン用モータ43、温度センサ44および表示部45などが接続されている。室内制御部31は、制御のために、使用者のリモートコントローラ5などと送受信部40との間でデータの送受信を行っている。室内制御部31は、室内の状態や使用者の設定に従って、水平フラップ駆動機構41、垂直ルーバー駆動機構42およびクロスフローファン用モータ43の制御を行い、水平フラップ11および垂直ルーバー12の角度や揺動の状態、およびクロスフローファン用モータ43の回転数を調整し、調和空気の吹出し方向や吹き出す強さなどを変更することができる。室内制御部31は、冷媒回路や各機器に設置された複数の温度センサ44などによって検知された各部の温度などの状態情報を、制御のための判断に用いている。また、室内制御部31は、表示部45を介して、室内機2の設定状態や環境などを使用者に知らせる。
室内制御部31が制御する水平フラップ駆動機構41は、水平フラップ11を迫出させたり収納したりする駆動ができるように、左支持アーム駆動部46と右支持アーム駆動部47と中間支持アーム駆動部48を備えている。室内制御部31は、水平フラップ11を平行移動させるときには、左支持アーム53aの移動量と右支持アーム53bの移動量とが同じになるように制御するとともに、水平フラップ11が平行移動するように中間支持アーム53cを左支持アーム53aおよび右支持アーム53bの動きに追従させる。
水平フラップ11が吹出口7を塞いだ状態から開放して、水平フラップ11を所望の状態にするときには、室内制御部31は、まず、左支持アーム駆動部46と右支持アーム駆動部47により左支持アーム53aと右支持アーム53bを駆動する。水平フラップ11の迫出しによって塞がれていた吹出口7は開放されるが、このとき、中間支持アーム駆動部48は、水平フラップ11が中央吹出口7aの開口面16に対して迫出す動作に追従して回動アーム58aを回動させる。それにより、水平フラップ11が吹出口7の周囲に強く擦れずにスムーズに吹出口7から開放される。
次に、左支持アーム53aおよび右支持アーム53bを固定した状態にするとともに、中間支持アーム駆動部48により、回動アーム58aを回動させ、左支持アーム53aの連結部と右支持アーム53bの連結部とを結ぶ軸の周りで水平フラップ11を回動させる。以上のような平行移動と回動移動の2ステップの操作で水平フラップ11を所望の状態に移動することができる。なお、上述のような2ステップの操作を並行して行わせ、平行移動させつつ回動移動をさせることにより1ステップで水平フラップ11を所望の状態に移動させるように、室内制御部31が制御することもできる。
これら中間支持アーム53c、左支持アーム53aおよび右支持アーム53bの動作と水平フラップ11の具体的な姿勢制御については後述する。
シャッタ駆動機構49は、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bを駆動するための機構であり、後述するシャッタ駆動機構駆動用モータとシャッタ駆動アームなどを備えている。制御部30により、シャッタ駆動機構49の駆動が制御されることによって左シャッタ20aや右シャッタ20bの開閉が制御される。シャッタ駆動機構49による左シャッタ20aと右シャッタ20bの開閉は独立に行うことができ、それぞれ独立に制御部30による制御が可能である。
<サーモオフと水平フラップの動作>
図7に示した制御部30は、室内機2に設けられている温度センサ44などにより、室内が設定されている温度になると、圧縮機34の運転を停止するなどして図1Bの室内側熱交換器2rにおける冷媒と室内空気との熱交換を抑制し、あるいは停止するような制御を行う。以下、設定温度になったときに制御部30が行う熱交換の停止または抑制の動作をサーモオフという。サーモオフの状態においても、室内機2のクロスフローファン9は運転されており、吹出口7から空気の吹き出しは行われる。通常は、サーモオフ状態においては、熱交換が抑制されるため、クロスフローファン9を駆動するファンモータ43の回転数を下げることが好ましい。
クロスフローファン9の回転数を下げても、運転状態における水平フラップ11の姿勢と、垂直ルーバー12の姿勢とをサーモオフ前の状態に保っていると、室内機2から吹き出される空気の流れが使用者に感じられる。
サーモオフになる前の水平フラップ11の状態としては、例えば、ほぼ水平な底面2eに対して220度の角度を有する図13(a)の姿勢に固定されている場合、ほぼ水平な底面2eに対して180度の角度を有する図13(b)の姿勢に固定されている場合、ほぼ水平な底面2eに対して60度の角度を有する図13(c)の姿勢に固定されている場合などがある。図13(a)および図13(b)の姿勢は、主に冷房運転時に採用されるものであり、図13(c)の姿勢は、主に暖房運転時に採用されるものである。なお、図13並びに、後述の図14および図15においては、水平フラップ11の姿勢を見易くするため、中間支持アーム53cの記載を省略している。
サーモオフになる前の水平フラップ11の状態として、例えば、図14(a)や図14(b)に示すように水平フラップ11が連続してスイングされている場合がある。
一方、サーモオフ時に水平フラップ11が取る姿勢は、図15に示すように、中央吹出口7aの開口面16に水平フラップ11が略平行なものである。図11を用いて説明したように、中間支持アーム53cによって水平フラップ11の回転角度を調節して、図15の水平フラップ11の姿勢を実現させる。サーモオフ制御を行う場合には、既に左支持アーム53aと右支持アーム53bが迫出しているので、中間支持アーム53cによって水平フラップ11を回転させるだけで、中央吹出口7aに対して略平行な姿勢を水平フラップ11に素早く取らせることができる。
次に、図16のフローチャートに沿って、サーモオフ制御について説明する。図16に示す手順は、空気調和装置1が通常の運転を行っており、通常の運転でサーモオフとサーモオンの状態が交互に繰り返されているときの風向装置の制御である。サーモオフ制御においては、ファンの回転数は第1所定値になるものとする。ここでは、サーモオフ制御だけでなく、冷房運転または除湿冷房運転において、サーモオフに近い状態のときにも無感角度に水平フラップ11を無感角度に移動する制御を行う場合を一例として示している。
ステップS1では、サーモオフの状態か否かを判断している。サーモオフの状態でなくても、冷房運転または除湿冷房運転時には水平フラップ11を無感角度に移動することがあるので、ステップS1でNoの場合には、ステップS7に進む。
ステップS1で、サーモオフ状態になったと判断されると、ステップS2に進み、加湿・換気・空気清浄などの運転を行っているか否かを判断する。もし、加湿・換気などが行われていれば、水平フラップ11については無感角度に移動させないので、ステップS9に進み、水平フラップ11、垂直ルーバー12並びに左シャッタ20aおよび右シャッタ20bに現在の状態を維持させる。つまり、風向装置に対して動作変更に指示を与えず、水平フラップ11を無感角度に移動するか否かの判断処理を終了する。一方、通常の暖房運転などの場合には、ステップS2で、加湿・換気・空気清浄などの運転が行われていないと判断されると、ステップS3に進む。
ステップS3においては、上下スイング設定がオン状態になっているか否かの判断が行われる。上下スイング設定以外の場合には、使用者がリモートコントローラ5を使って水平フラップ11の状態を指示していることになるので、指示と異なる姿勢をとらせると、使用者が室内機2の動作に違和感を覚える。その違和感から使用者によっては室内機2の故障と勘違いをする可能性もある。このように使用者が違和感を覚えるのを回避するために、上下スイング設定のときに限って、サーモオフ時に水平フラップ11を無感角度に移動させる。従って、ステップS3において、上下スイング設定がオフであると判断されると、ステップS9に進み、上下スイング設定がオンであると判断されるとステップS4に進む。
ステップS4では、垂直ルーバー12により左右スイングが行われているか否かの判断を行う。左右スイング設定がオンになっていなければ、左右風向設定がなされているので、ステップS5に進んで左右風向角度の記憶を行った後にステップS6に進む。もし、左右スイング設定がオンであれば、サーモオフ制御の解除後も左右スイングを行うので、そのままステップS6に進む。
ステップS6では、垂直ルーバー12の左のルーバー19aを左に向け、右のルーバー19bを右に向ける。また、据付位置設定が中央の場合には左シャッタ20aおよび右シャッタ20bを、据付位置設定が左すみの場合には右シャッタ20bを、据付位置設定が右すみの場合には左シャッタ20aを開く。そして、水平フラップ11を無感角度に移動する。それにより、サーモオフ制御において、あるいは冷房運転または除湿冷房運転においてサーモオフ制御に近い状態において、水平フラップ11を無感角度に移動することができる。
ステップS1からステップS7に進むと、冷房運転または除湿冷房運転か否かが判断される。もし、冷房運転または除湿冷房運転でなければステップS9に進み、上述の通り現状の風向装置の状態を維持してこのフローを終了する。
ステップS7において、冷房運転また除湿冷房運転であると判断されると、ステップS8に進み、ファン回転数が第2所定値以下か否かが判断される。このファン回転数の第2所定値は、サーモオフ時のファン回転数の第1所定値よりも大きいが第1所定値に近い値である。ステップS8でファン回転数が第2所定値以下であると判断されると、水平フラップ11を無感角度に移動させるべく、ステップS3に進み、上述のステップS3以下の処理を行う。ステップS8において、ファン回転数が第2所定値よりも大きいと判断されると、ステップS9に進み、風向装置に対して動作変更に指示を与えず、水平フラップ11を無感角度に移動するか否かの判断処理を終了する。
水平フラップ11が無感角度になっていなければ、以上のような図16に示すフォーチャートの処理を運転中繰り返し行う。そして、サーモオフ時に水平フラップ11が無感角度になった場合には、その状態を解除するため、図17のフローチャートに示す処理が行われる。
図16に示すフローでは、冷房運転および除湿冷房運転では、サーモオフ設定に変更される前のサーモオフに近い状態で水平フラップ11が無感角度に移動した。しかし、この場合においても、室内が設定温度に到達したと制御部30が判断した場合に、室内側熱交換器2rの熱交換能力およびクロスフローファン9の回転数が予め定められているサーモオフ設定に変更されると、その時点で本願発明の意図する状況を出現させることができる。すなわち、上述の冷房運転および除湿冷房運転の場合にも、サーモオフ時に、水平フラップ11を中央吹出口7aに対して略平行な姿勢にするサーモオフ制御と、室内側熱交換器2rの熱交換能力およびクロスフローファン9の回転数が予め定められているサーモオフ設定とが同時に揃うことになる。従って、このようにサーモオフになる前に予め変更しておく態様も本願発明の範囲に入ることになる。
サーモオフ時に水平フラップ11が無感角度になった場合には、その状態を解除するか否かについて図17に示す判断が繰り返し行われ、解除する際には図17のフローチャートに示す処理が行われる。
図17に示すように、まずステップS10においてサーモオフの状態か否かの判断が行われる。サーモオフが解除されていても、冷房運転時や除湿冷房運転時には、無感角度を維持する必要があるので、ステップS10でサーモオフ状態でないと判断されるとステップS11に進み、ファン回転数が第2所定値を超えたか否かが判断される。ステップS11でファン回転数が第2所定値を超えたと判断されると、水平フラップ11の無感角度を解除するためステップS20に進む。もし、ステップS11でファン回転数が第2所定値を超えていないと判断されれば、水平フラップ11が無感角度を維持する必要があるので、ステップS13に進む。
一方、ステップS10でサーモオンの状態が維持されていると判断されれば、ステップS12に進み、加湿・換気・空気清浄などの運転への切り替えがあったか否かが判断される。加湿などの運転への切り替えがあれば、水平フラップ11の無感角度の解除を行うべく、ステップS13に進む。
ステップS13では、上下スイング設定がオンになっているか否かが判断される。上下スイング設定がオンになっていれば、ステップS14に進み、左右スイング設定がオンになっているか否かが判断される。ステップS14で左右スイング設定がオンになっていると判断されれば、ステップS15に進み、水平フラップ11にスイング動作を繰り返させる一方、記憶部31bに記憶されている角度に垂直ルーバー12を移動する。左右スイング設定がオンになっていなければ、ステップS14からステップS17に進み、記憶部31bに記憶されている角度に水平フラップ11および垂直ルーバー12を移動する。
ステップS17では、ステップS14と同様の判断が行われ、左右スイング設定がオンになっていればステップS18に進み、水平フラップ11および垂直ルーバー12にスイング動作を繰り返し行わせる。もし、ステップS17で、左右スイング設定がオンになっていなければステップS19に進み、記憶されている角度に垂直フーバー12を移動し、水平フラップ11を繰り返しスイングさせるように変更する。
ステップS20では、上下スイング設定が解除されたか否かが判断される。上下スイング設定が解除されていれば、ステップS19に進み、上述のステップS19以下の処理を行う。ステップS20で、上下スイング設定が解除されたと判断されれば、ステップS21に進み、水平フラップ11および垂直ルーバーの現状の状態を維持する。このステップS20において維持されているのが、水平フラップ11が中央吹出口7aの開口面16に対して略平行な姿勢をとっている状態である。
左シャッタ20aおよび右シャッタ20bは、据付位置設定によって固定されてなければ、垂直ルーバー12の状態に応じて開閉がなされる。
<変形例>
(1)上記実施形態では、壁掛け型の室内機2の場合について説明したが、室内機のタイプは壁掛け型に限られるものではなく、天井設置型や据え置き型であってもよく、それ以外のタイプであってもよい。
(2)上記実施形態では、垂直ルーバー12が左のルーバー19aと右のルーバー19bの2つに分かれ、それぞれ別々に駆動される場合について説明したが、垂直ルーバー12は分かれて駆動されず、一体として一つのステッピングモータにより駆動されている場合にも適用できる。また、3つ以上に分かれている場合でも適用できるが、その場合には、最も左側にあるルーバーで左シャッタ20aの開閉を判断し、最も右側にあるルーバーで右シャッタ20bの開閉を判断するのが好ましい。
(3)上記実施形態では、左側方吹出口7bおよび右側方吹出口7cを設け、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bによりそれらの開閉を行うように構成しているが、左側方吹出口7bおよび右側方吹出口7cがないタイプの室内機にも適用できる。
<特徴>
(a)空気調和装置1は、ケーシング本体6を有する室内機2、室内機2と室外機3とを制御する制御部30、およびケーシング本体6に設けられた室内側熱交換器2r(熱交換手段)とクロスフローファン9と水平フラップ11とを備えている。水平フラップ11は、ケーシング本体6の中央吹出口7aを覆い得るように中央吹出口7aの前方に設けられている。制御部30は、室内が設定温度に到達したと判断した場合には、例えば圧縮機34を停止させるなどして室内側熱交換器2rにおける熱交換能力およびクロスフローファン9の回転数を予め定められているサーモオフ設定に変更する。それにより、サーモオフに適した風量や風速が得られ易くなる。このサーモオフ設定において、例えば、クロスフローファン9の回転数は、通常運転時よりも小さく設定される。
そして、水平フラップ11が、図15に示されるように中央吹出口7aに対して略平行な姿勢になるように、制御部30がサーモオフ制御を行う。サーモオフ制御において略平行な姿勢に移動するとき、水平フラップ11は、迫出し量を変えずに回動する。それにより、水平フラップ11の姿勢変更に必要な動作時間の短縮を図ることができる。このような姿勢を水平フラップ11にとらせると、水平フラップ11が中央吹出口7aを覆って吹き出される調和空気を遮ることができる。このようなファンの回転数の制御とフラップによる気流制御の相乗効果により、ドラフト感が軽減されて人体が感じる不快感が低減される。
(b)リモートコントローラ5(操作器)から水平フラップ11の姿勢についての指示が送信されてきている場合には、リモートコントローラ5からの指示に従って、サーモオフ制御における水平フラップ11の姿勢の変更を制御部30が無効化するように構成する(ステップS4,S9)。例えば、サーモオフ制御における水平フラップ11の姿勢の変更を行わせるのは、水平フラップ11がスイング状態にあるときなど水平フラップ11が自動的に移動するように設定されていて、使用者から水平フラップ11の姿勢についての指定がないときに限ることができる。このようにリモートコントローラ5などからの使用者の指示に応じて有効・無効の切換ができるように構成することで、使用者が設定した状態に対して、使用者の期待を裏切るような動作を行わせないようにすることができる。それにより、サーモオフ時に水平フラップ11の姿勢を変更する制御を行っても、使用者が感じる操作上の違和感を低減することができる。
一方、サーモオフ時に水平フラップ11が中央吹出口7aに対して略平行な姿勢をとっている場合、制御部30は、リモートコントローラ5から気流を変更する指示があったときには、サーモオフ制御における水平フラップ11の姿勢の制御を解除する(ステップS20)。それにより、リモートコントローラ5の操作者の指示を優先させることができ、使用者に違和感を与えないですむ。操作上の違和感を覚えるのを防止することで、不快感の低減効果を高めることができる。
(c)制御部30は、サーモオフ制御において水平フラップ11を中央吹出口7aに対して略水平な姿勢にするときは、垂直ルーバー12を前方方向に対して傾けるように制御する(ステップS6)。このとき、制御部30は、水平フラップ11に当たった調和空気が前後左右の四方向に吹き出るよう垂直ルーバー12の傾きを調節する。サーモオフ制御において水平フラップ11の姿勢だけでなく、垂直ルーバー12の姿勢を前方方向に対して傾けるよう制御部30が制御するので、垂直ルーバー12によって調和空気が左右方向への角度を持って吹き出され、前方に向かう気流をさらに弱めることができ、さらに垂直ルーバー12の方向きを調整して水平フラップ11に当たった調和空気を四方向から吹き出させるようにすると前方へ向かう気流をさらに弱めることができ、使用者が感じるドラフト感を小さくすることができる。
(d)ケーシング本体6に左側方吹出口7bおよび右側方吹出口7cが形成されていて、左側方吹出口7bを開閉するための左シャッタ20aと右側方吹出口7cを開閉するための右シャッタ20bが設けられている場合には、水平フラップ11を中央吹出口7aに対して略水平な姿勢にするときは、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bのうちの少なくとも一方を開放する(ステップS6)。それにより、左シャッタ20aおよび右シャッタ20bの少なくとも一方から調和空気が吹き出されるので、前方以外で調和空気を吹き出すことで、前方へ向かう気流をさらに弱め、使用者が感じるドラフト感をさらに小さくすることができる。