JP2011094877A - 空気調和装置の室内機 - Google Patents

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Abstract

【課題】調和空気の吹出しを左右方向へ広げることが可能であって、全体的にムラのない送風を行わせることが可能な空気調和装置の室内機を提供する。
【解決手段】室内機2の吹出通路10は、調和空気を吹き出すための吹出口7に繋がり、右側壁10bおよび左側壁を有する。室内機2は、吹出通路10の右側に右側壁補助板10fを備え、左側に左側壁補助板を備える。右側壁補助板10fは、右側壁10bの近傍に配置され、左側壁近傍には左側壁補助板が配置されている。右側壁補助板10fおよび左側壁補助板は、吹出口7より吹き出される調和空気を、通常吹出し状態よりも吹出口7の長手方向に広げて吹き出させる広角吹出し状態を形成することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、空気調和装置の室内機に関し、特に室内に調和空気を吹き出すことにより室内の空気調和を行う空気調和装置の室内機に関する。
空気調和装置の室内機は、例えば壁掛け型の場合、本体ケーシング内に、室内側熱交換器を備え、クロスフローファンなどの送風ファンにより室内空気を本体ケーシング内に吸い込み、室内側熱交換器を通して本体ケーシング外に吹出口から主に前方に向けて調和空気を吹き出している。そして、吹出口から吹き出される調和空気の風向を制御するために、左右方向の風向を調節する垂直羽根と上下方向の風向を調節する上下風向調整羽根が設けられるのが一般的である。従来の壁掛け型室内機の吹出口は、室内機前面または室内機底面に設けられるのが一般的であり、室内機停止時には上下風向調整羽根によって覆われ、室内機運転時には上下風向調整羽根によって上下方向の風向が調節される。そのため、上下風向調整羽根は、吹出口と同じ長さ、すなわち本体ケーシングの長手方向の長さよりも短い。
このように室内機前面や室内機底面に吹出口が設けられている場合には、室内機の奥行きがあるために、垂直羽根だけで左右方向に調和空気を吹き出させるとすると、壁掛け型室内機が取り付けられている壁面に近いところには調和空気を送り届けることが難しくなる。吹出口から吹き出される調和空気の風向が壁面に対して所定の角度を持つため、この傾向は室内機からの距離が遠くなればなるほど顕著になる。
そこで、例えば特許文献1(特開平8−136042号公報)などでは、上下風向調整羽根とは別に左右風向板を設けて、左右風向板で左右方向に調和空気を誘導する。
しかし、特許文献1の壁掛け型室内機のような場合には、吹出口から吹き出される気流と左右風向板で誘導される気流から2つの気流の塊が発生する。気流が2つの塊に分かれるために、気流がない領域や気流が重なる領域ができ、全体として調和空気の気流にムラが発生し易くなる。
本発明の課題は、調和空気の吹出しを左右方向へ広げることが可能であって、全体的にムラのない送風を行わせることが可能な空気調和装置の室内機を提供することにある。
第1発明に係る空気調和装置の室内機は、吹出通路と左右側壁補助板とを備えている。吹出通路は、調和空気を吹き出すための吹出口に接続されている。また、吹出通路は、左右の側壁を有する。左右側壁補助板は、左右の側壁の少なくとも一方の近傍に配置される。そして、左右側壁補助板は、吹出口より吹き出される調和空気を、通常吹出し状態よりも吹出口の長手方向に広げて吹き出させる広角吹出し状態を形成し得るものである。
本発明によれば、左右側壁補助板によって広角吹出し状態を形成すると、通常吹出し状態よりも吹出口の長手方向へ広げて、つまり左右方向へ広げて調和空気を吹き出させることができる。
第2発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明の空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板が、左右の側壁の両側の近傍に設けられる。広角吹出し状態のときに、左右側壁補助板は、少なくとも一部が通常吹出し状態の左右の側壁から吹出口の長手方向外側に突出して、誘導面がハ字形に開いた状態に配置される。
本発明によれば、吹出口の長手方向外側に左右側壁補助板が突出することにより、吹出口から吹き出された調和空気が左右側壁補助板に沿って突出したところまで誘導されるので、吹出口が広がったのと同じ効果を持たせることができる。そして、誘導面がハ字形に開いた状態であることから、乱流などを発生させることなく、誘導面に沿って調和空気を左右に広げ易くなる。
第3発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明または第2発明の空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板が、誘導面の反対側に背面を有する。そして、左右側壁補助板は、広角吹出し状態のときに、背面が面する空間が吹出口に連通しないように構成されている。
本発明によれば、広角吹出し状態のときに吹出口から吹き出されて左右側壁補助板の周囲を流れる調和空気は、吹出口に連通しない左右側壁補助板の背面側を流れることがない。そのため、左右側壁補助板の周囲に流れる調和空気は、ほぼ全て、左右側壁補助板の誘導面に沿って導くことができる。
第4発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明から第3発明のいずれかの空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板が、誘導面の反対側に背面を有する。左右側壁補助板は、広角吹出し状態のときに、背面が面する空間が吹出口に連通するように構成されている。
本発明によれば、広角吹出し状態のときに吹出口から吹き出されて左右側壁補助板の周囲を流れる調和空気は、吹出口に連通しない背面側にも流れる。そのため、左右側壁補助板の周囲に流れる調和空気は、誘導面に沿うだけでなく、左右側壁補助板の背面に沿っても導くことができる。
第5発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明から第4発明のいずれかの空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板の断面形状がく字形または逆く字形に折れ曲がって成形され、左右側壁補助板が誘導面に2つの領域を持つ。2つの領域は、断面形状が折れたところを境にしている。そして、左右側壁補助板は、2つの領域のうち吹出口に面するものを変更可能に構成されている。
本発明によれば、左右側壁補助板の誘導面の2つの領域のいずれを吹出口に面するかを選択することができる。そのため、2つの領域の形状や吹出口に面する角度などを異ならせておくことによって、左右側壁補助板について、異なった機能を選択することができる。
第6発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明から第5発明のいずれかの空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板が、通常吹出し状態のときに吹出通路内に収まる。そして、左右側壁補助板は、吹出通路内に収まって、吹出通路の左右の側壁の一部となる。
本発明によれば、通常吹出し状態のときに、左右側壁補助板が吹出通路内に収まって吹出通路の左右の側壁の一部となるので、左右側壁補助板が調和空気の気流を乱さないように収納することが容易である。また、通常吹出し状態において、左右側壁補助板が外観に現れないようにできる。
第7発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明から第6発明のいずれかの空気調和装置の室内機であって、吹出口の周囲に配置される化粧パネルをさらに備える。左右側壁補助板は、通常吹出し状態のときに、化粧パネルに沿った状態になるまで移動可能に構成されている。
本発明によれば、通常吹出し状態のときに、左右側壁補助板が化粧パネルに沿うように収納でき、左右側壁補助板が調和空気の気流を妨げ難くなる。また、化粧パネルに沿うことにより収納スペースを小さくすることができる。
第8発明に係る空気調和装置の室内機は、第7発明の空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板が、通常吹出し状態のときに化粧パネルと面一になる。
本発明によれば、左右側壁補助板が化粧パネルと面一になることで、化粧パネルの意匠の一部に取り込み易くなる。
第9発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明から第8発明のいずれかの空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板が、回転軸の周りを回動することによって通常吹出し状態と広角吹出し状態の切り替えを行う。左右側壁補助板は、回転軸の軸方向から見たときに、通常吹出し状態にあるときの位置と広角吹出し状態にあるときの位置とが部分的に重なるように構成されている。
本発明によれば、通常吹出し状態と広角吹出し状態の切り替えのための移動前後の位置が重なるように構成されているため、左右側壁補助板の移動範囲を小さくできる。
第10発明に係る空気調和装置の室内機は、第1発明から第9発明のいずれかの空気調和装置の室内機であって、左右側壁補助板の誘導面が吹出口に向かって凸状に湾曲している。
本発明によれば、誘導面が吹出口に向かって凸状に湾曲しているため、誘導面が平面で有る場合に比べて、吹出口から吹き出される調和空気を吹出口から離れるに従って、より大きく左右方向に曲げるものとなる。
第1発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板によって、調和空気の吹出しを左右方向へ広げることが可能であって、全体的にムラのない調和空気の送風を行わせることができる。
第2発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板の配置よって、調和空気を均一に広げ易くなる。
第3発明の空気調和装置の室内機においては、広角吹出し状態において左右側壁補助板の誘導面に沿って左右に広がる調和空気の制御が容易になる。
第4発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板の背面に沿ってより多くの調和空気を左右に広げ易くなる。
第5発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板による制御のバリエーションを増やすことができる。
第6発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板を設けたにも拘らず、通常吹出し状態において制御が容易でかつ、すっきりとした機能美を有する意匠を提供することができる。
第7発明の空気調和装置の室内機においては、通常吹出し状態における調和空気の気流の制御が行い易くなるとともに、室内機のコンパクト化が容易になる。
第8発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板を化粧パネルの意匠に一部とすることで、左右側壁補助板と化粧パネルとの境界が見分け難くなり、外観の美しい室内機を提供することができる。
第9発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板の移動範囲を小さくすることで、室内機のコンパクト化が容易になる。
第10発明の空気調和装置の室内機においては、左右側壁補助板を小型化しても効率よく気流を広げることができる。
第1実施形態の空気調和装置の概要を示す図。 第1実施形態の室内機の正面図。 第1実施形態の室内機の側面図。 吹出通路とその周辺の構成を説明するための斜視図。 吹出通路とその周辺の構成を説明するための斜視図。 右側壁補助板の周辺の概要を説明するための室内機の部分拡大斜視図。 右側壁補助板に周辺の概要を説明するための室内機の部分拡大斜視図。 右側壁補助板の駆動について説明するための部分拡大斜視図。 右側壁補助板の駆動について説明するための部分拡大斜視図。 右側壁補助板について説明するための部分破断斜視図。 (a)右側壁補助板とその周辺の断面図。(b)右側壁補助板とその周辺の断面図。(c)左側壁補助板と右側壁補助板の動作状態を説明するための断面図。 第1実施形態の室内機の斜視図。 水平羽根の動作について説明するための部分破断斜視図。 水平羽根の動作について説明するための部分破断斜視図。 水平羽根の動作について説明するための部分破断斜視図。 水平羽根の動作について説明するための部分破断斜視図。 第1実施形態の制御系統を説明するためのブロック図。 (a)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための正面図。(b)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための側面図。(c)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための底面図。 (a)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための正面図。(b)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための側面図。(c)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための底面図。 (a)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための正面図。(b)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための側面図。(c)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための底面図。 (a)従来の室内機が吹き出す気流を説明するための正面図。(b)従来の室内機が吹き出す気流を説明するための側面図。(c)従来の室内機が吹き出す気流を説明するための底面図。 (a)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための正面図。(b)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための側面図。(c)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための底面図。 (a)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための正面図。(b)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための側面図。(c)第1実施形態の室内機が吹き出す気流を説明するための底面図。 第1実施形態の室内機の正面図。 第1実施形態の室内機の斜視図。 第2実施形態の室内機の部分拡大斜視図。 第2実施形態の室内機の部分拡大斜視図。 右側壁補助板について説明するための部分拡大斜視図。 右側壁補助板について説明するための部分拡大斜視図。 吹出通路とその周辺の構成を説明するための斜視図。 吹出通路とその周辺の構成を説明するための斜視図。 (a)右側壁補助板とその周辺の断面図。(b)右側壁補助板とその周辺の断面図。
<第1実施形態>
<空気調和装置の構成の概要>
この発明の第1実施形態に係る空気調和装置1は、図1に示すように、室内の壁Wに取り付けられる室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。室内機2と室外機3とは、冷媒配管、加湿ホース、伝送線及び通信線などを集合した集合連絡配管4によって接続される。
この空気調和装置1は、熱交換を行って室内の空気調和を行うために冷媒回路を備えている。冷媒回路は、例えば、室内機2の室内側熱交換器(冷房時は蒸発器/暖房時は凝縮器として機能する)及び、室外機3の圧縮機と室外側熱交換器(冷房時は凝縮器/暖房時は蒸発器として機能する)と膨張弁などが集合連絡配管4の中の冷媒配管で連結されて構成される。また、空気調和装置1を制御するために、リモートコントローラ5などの制御端末から指令を受けて室内機2のファンモータなどの室内側機器を制御するための電装品箱が室内機2に設けられ、室外機3のファンモータなどの室外側機器を制御するための電装品箱が室外機3に設けられている。そして、室内機2の電装品箱と室外機3の電装品箱とが集合連絡配管4の中を通る伝送線で接続されている。
<室内機の構成の概観>
図1に示すように、室内機2は、ケーシング本体6の底面2eに吹出口7が形成されている。図2は、本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の室内機の正面図である。図2に示すように、室内機2は、吹出口7から調和空気を吹き出すため、室内空気を吸込む吸込口8をケーシング本体6の天面2dに備えている。
図3は室内機の右側面図である。図3に示すように、室内機2のケーシング本体6の内部には、側面視においてケーシング本体6の略中央の背面側寄りにクロスフローファン9が設けられる。正面視においては、図2に示すように、このクロスフローファン9は、吸込口8と同じ程度の長さを有し、室内機2(ケーシング本体6)の長手方向DrLに沿って長く水平に配置されている。
また、ケーシング本体6内のクロスフローファン9の上流側には、側面視において、逆V字形状をした室内熱交換器(図示省略)が配置され、クロスフローファン9に吸込まれる前に室内熱交換器を室内空気が通過することによって空気調和が行われる。このようにケーシング本体6の長手方向に長く延びるクロスフローファン9により室内空気の吸い込みと調和空気の吹き出しとを行って効率良く室内の空気調和を実施させるため、室内熱交換器もケーシング本体6の長手方向に長く延びる形状に形成され、長く延びる吸込口8と吹出口7との間に配置される。室内熱交換器の上流にはエアフィルタ(図示省略)が設けられており、クロスフローファン9に導かれる調和空気にエアフィルタの隙間より大きな埃は完全に取り除かれる。
図1、図2及び図3に示されているように、室内機2は、ケーシング本体6の前面2a、左側面2b、右側面2c、天面2dおよび底面2e、すなわち背面2fを除く5つの面が化粧パネル6aで覆われている。なお、室内機2の左側面2bおよび右側面2cを結ぶ方向すなわち室内機2(吹出口7)の長手方向DrLに沿う方向を左右方向と呼ぶ場合があり、正面視における右手が右方向、正面視における左手が左方向になる。また、室内機2の背面2fから前面2a(正面)に向かう方向を前方といい、天面2dから底面2eの方に向かう方向を下方という。
図1には、吹出口7に設けられている水平羽根11が開いている状態が示されており、図3には水平羽根11が閉じている状態が示されている。室内機2は、運転停止時に水平羽根11が閉じて吹出口7が塞がれ、運転時に水平羽根11が開いて吹出口7が開放される。なお、以下の説明において、水平羽根11が吹出口7を塞ぐという表現は吹出口7と水平羽根11の間に調和空気を吹き出す隙間がない状態の表現に用い、水平羽根11が吹出口7を覆うという表現は水平羽根11が閉じる動作に説明の重点を置いて調和空気を吹き出す隙間がある場合もない場合も許容する表現として用いる。
図1に示す室内機2では、前面2aから室内空気の吸い込みは行われず、室内機2はもっぱらケーシング本体6の天面2dの吸込口8から室内空気の吸い込みを行っている。そのため、室内機2の内部における室内空気の循環は、室内機2の天面2dの側から室内機2の底面2eの側に向けて行われる。
<吹出通路>
図2、図3、図4および図5に示されているように、クロスフローファン9から吹出口7に至る、ディフューザー構造の吹出通路10が設けられている。吹出通路10には、左側壁10a、右側壁10b、後方案内面10c及び前方案内面10dがある。吹出通路10の後方案内面10cは、側面視において、クロスフローファン9の側に曲率中心を持つ滑らかな曲線を描いており、下方に向かうに従って曲率半径が大きくなる。そして、後方案内面10cと前方案内面10dとの間隔が吹出口7に近づくほど大きくなり、吹出通路10の開口が吹出口7に近づくほど大きくなる。また、クロスフローファン9が、右側面から見て、時計回りに回転して送風し、その中心軸が背面2fの方に寄って配置されているので、吹出通路10は、底面2eの前方側に向けて斜めに形成される。そのため、吹出通路10から吹出口7に向かう調和空気は、下方に向く方向ベクトルと前方に向く方向ベクトルとを有し、乱れの少ない層流になる。
図4に示すように、室内機2は、吹出口7の左右に、左側壁10aと右側壁10bを有し、これら左側壁10aと右側壁10bおよび吹出口7の近傍に左側壁補助板10eと右側壁補助板10fとを備えている。左側壁補助板10eと右側壁補助板10fは、移動し得るように構成されている。図4には、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fが吹出口7に対して略平行に位置しているところが示されている。左側壁補助板10eと右側壁補助板10fが図4の状態から移動してハ字形に開いているところが図5に示されている。
図4の状態では、左側壁補助板10eの一辺14eと右側壁補助板10fの一辺14fが、吹出通路10の左側壁10aと右側壁10bに平行に配置され、吹出口7の近傍に位置している。このとき吹出通路10の幅W1は、左側壁10aと右側壁10bの幅によって規定される。一方、図5に示す状態は、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fがハ字形に開くだけでなく、左側壁補助板10eの一辺14eと右側壁補助板10fの一辺14fが吹出通路10の奥に移動する。そして、左側壁補助板10eの一辺14eと右側壁補助板10fの一辺14fから吹出口7までの間の左側壁と右側壁は、左側壁補助板10eの外面15eと右側壁補助板10fの外面15fによって構成される。そのため、吹出口7の幅W2が広がる。つまり、図4の状態の吹出口7の幅W1<図5の状態の吹出口7の幅W2、という関係が成り立つ。吹出口7の幅W2が広がっている図5の状態の方が、調和空気を左右方向へ広げて吹出し易くなる。
また、図5のように、ハ字形に左側壁補助板10eと右側壁補助板10fとが開くことによって、左側壁補助板10eの外面15eと右側壁補助板10fの外面15fとに沿って調和空気が吹き出される。それにより、左右方向に大幅に気流の幅を広げて広角に吹き出させることができる。
図6および図7は、それぞれ、右側壁補助板10fが化粧パネル6aと面一になるように収納されている状態と、ハ字形に開いたときの右側壁補助板10fの状態を表している。図6のように、右側壁補助板10fが吹出口7に略平行な状態にあるときは、吹き出される調和空気の気流のうち右側壁10bに近い気流30fは、垂直羽根12の傾きと右側壁10bとの影響を受けて吹き出される。図6の場合には、垂直羽根12がほぼ鉛直方向を向いているので、気流30fは吹出口7を含む面に対して左右に傾かずに鉛直方向に吹き出される。一方、図7の場合には、右側壁10bに近い気流30fは、右側壁補助板10fの外面15fに沿って吹き出される。それにより、吹出口7から吹き出される調和空気の気流は左右方向に広げられて広角に吹き出される。
図8、図9、図10および図11を用いて、右側壁補助板10fの移動について説明する。なお、左側壁補助板10eについては、説明を省略するが、右側壁補助板10fと左右対称の形状で左右対称に位置に取り付けられている。
右側壁補助板10fは、図10および図11に示すように、断面形状がく字形をしている。従って、左側壁補助板10eは、右側壁補助板10fとは対称であるから、断面形状が逆く字形になる。右側壁補助板10fは、断面く字形をしているため、吹出口7に面し得る、第1の領域15faと第2の領域15fbの2つの領域を有している。そして、右側壁補助板10fが回転軸20fを中心に回動するよう構成されているため、図11(a)に示す状態と図11(b)に示す状態を取ることができる。例えば、図11(a)の状態から右側壁補助板10fが回転軸20fの周りを時計回りに回転すると図11(b)の状態になる。左側壁補助板10eも、断面逆く字形をしているため、吹出口7に面し得る、第1の領域15eaと第2の領域15ebの2つの領域を有している(図11(c)参照)。
図11(a)に示す状態は、右側壁補助板10fの外面15fの第1の領域15faが吹出口7に面して、第1の領域15faが吹出通路10の右側壁10bに対して面一になっている。そのため、吹出通路10の右側壁10bに沿って流れてきた調和空気の気流30fは、真直ぐ前方へ吹き出される。また、図11(a)の状態では、化粧パネル6aに沿って右側壁補助板10fが収納されて、右側壁補助板10fが化粧パネル6aと面一になっている。
図11(b)に示す状態は、右側壁補助板10fの第2の領域15fbが吹出口7に面して、第2の領域15fbが右側壁10bから吹出口7の長手方向外側に突出した状態になっている。そのため、吹出通路10の右側壁10bに沿って流れてきた調和空気の気流30fは、右側壁補助板10fの第2の領域15faに沿って右へ誘導される。また、図11(b)の状態では、化粧パネル6aの側に右側壁補助板10fの第1の領域15faが収納され、調和空気の気流30fに悪影響を与えないようになっている。第2の領域15fbは、そのために、回転軸20fとは反対側の方に凸に湾曲しており、緩やかに気流30fを曲げることができる。また、このとき、右側壁補助板10fの背面18fが面する空間は、吹出口7に連通しないように構成されている。そのため、右側壁補助板10fの背面18fの側には、吹出口7から吹き出される調和空気が流れない。図5に示すように、左側壁補助板10eの背面18eの側についても、同様に吹出口7から吹き出される調和空気は流れない。
図11(c)には、図11(a)の状態にある右側壁補助板10fを実線で示し、図11(b)の状態にある右側壁補助板10fを点線で示して、両状態を重ねて描写している。図11(c)から分かるように、回転軸20fの軸方向から見たときに両状態にある右側壁補助板10fが部分的に重なっている。この重なっている部分が斜線部21である。これは、右側壁補助板10fの二辺16f,17fを結ぶ直線22よりも右側壁補助板10fの側に、回転軸20fを設けたことによる。回転軸20fが右側壁補助板10fに近づけて設けられているために、斜線部21で重なるほど、右側壁補助板10fが回転してできる軌跡の半径が小さくなる。
この回転軸20fは、図8および図9に示すモータ25fによって駆動される。例えば、右側壁補助板10fには、モータ25fが力を発生していないときには、図8の状態に戻るように付勢されている。そして、モータ25fによって時計回りのトルクが発生すると、図9に示すように右側壁補助板10fが開き、第2の領域15faが吹出口7に面する。第2の領域15faが吹出口7に面した状態で右側壁補助板10fの一部がケーシング本体6に突き当たって停止する。モータ25fの電源が切られるまでは、モータ25fで力が発生しているので付勢力によって図8の状態に戻ることはないが、モータ25fの電源が切られると付勢力によって図8の状態から図9の状態に戻る。右側壁補助板10fのモータや左側壁補助板10eのモータは、制御部によって制御される。
<水平羽根と垂直羽根による気流の調節>
図1に示すように、吹出口7の前方には、水平羽根11が設けられる。また、図12に示すように、吹出通路10には、垂直羽根連結棒13によって連結された複数枚の垂直羽根12が揺動可能に取り付けられている。風向装置は、これら水平羽根11と垂直羽根12とを備えて構成されており、さらに水平羽根11と垂直羽根12を駆動するために後述の駆動機構を備える。そして、駆動機構の動作は後述する制御部により制御される。制御部の制御の下で水平羽根11と垂直羽根12が種々の姿勢をとることによって、調和空気の多種多様な気流が発生する。
室内機2は、この水平羽根11によって室内機2の上下方向の風向きを調節することができる。また、複数の垂直羽根12の面12aは、ケーシング本体6の長手方向に対して垂直な状態を中心にして左右に揺動する。これら垂直羽根12の面12aは、揺動することにより、あるいは揺動した後に任意の角度で止まることにより、調和空気の左右方向についての吹出し方向を調整する。
図13、図14、図15および図16に、水平羽根11の異なる4つの状態を示している。後述するように、左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fは、吹出口7から突出するように移動するので、水平羽根11が吹出通路10内や吹出口7の近傍で角度だけを変化させると、突出した左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fが水平羽根に衝突して上手く動作させることができなくなる。そのため、水平羽根11は、吹出口7を塞いでいる状態から開放するときに前方へ迫出すような移動を行うように構成されている。そして、水平羽根11は、移動して、図13、図14、図15および図16に示す4つの状態を取ることができるが、これら4つの状態への移行途中の状態の姿勢を維持することもできる。
図13に示す状態は、水平羽根11が閉じて水平羽根11により吹出口7が塞がれている状態である。図14、図15および図16に示す状態は、水平羽根11が開いて吹出口7が開放されている状態であるが、図14、図15および図16に示す状態では水平羽根11の姿勢が異なっている。
図14に示す状態は、水平羽根11が迫出し、水平羽根11の前端部11aが後端部11bより上方に上がって、吹出口7に対して水平羽根11が略平行になっている。図15に示す状態は、水平羽根11が迫出し、水平羽根11の前端部11aが後端部11bより下がって、水平羽根11が前端部11aの方から前方に向かって大きく開口している。図16に示す状態は、水平羽根11が迫出し、水平羽根11の前端部11aが後端部11bより上がって、水平羽根11が、ほぼ鉛直に立っており、水平羽根11の後端部11bの方から下方に向かって大きく開口している。
図14、図15および図16に示す状態の姿勢を水平羽根11に取らせるために、水平羽根駆動機構は、図12に示されているように、中間支持アーム40、左支持アーム41および右支持アーム42を備えている。また、水平羽根駆動機構の中間支持アーム40は、回動アーム40aと揺動アーム40bと可動軸40cと連結部40dを含む。中間支持アーム40、左支持アーム41および右支持アーム42は、ケーシング本体6の長手方向の中央とその左右に配置され、中間支持アーム40が後端部11bに近いところに取り付けられ、左支持アーム41および右支持アーム42が前端部11aに近いところに取り付けられ、水平羽根11を支えている。
左支持アーム41および右支持アーム42は、ラックアンドピニオン機構(図示省略)によって前方に向かって斜め下方に伸びるように移動(迫出し)したり、それとは逆の方向に移動して収納されたりする。これら中間支持アーム40、左支持アーム41および右支持アーム42は、水平羽根11と連結される連結部40d,41a,42aが軸支されるのではなく、ボールジョイント(図示省略)で水平羽根11に連結されるため、水平羽根11を支持した状態で前後への回動だけでなく、中間支持アーム40の連結部40dを中心とする左右の回動にも対応できる。
中間支持アーム40の回動アーム40aは、ケーシング本体6に連結される一端側が駆動軸(図示省略)により軸支されており、駆動軸の周りに回動可能である。回動アーム40aの他方端側と揺動アーム40bの一端側とは可動軸40cにより連結されており、揺動アーム40bは、可動軸40cの周りで揺動可能である。また、揺動アーム40bの他方端側がボールジョイント(図示省略)の連結部40dにより水平羽根11に支持されており、揺動アーム40bは、連結部40dの周りに揺動可能である。
連結部40dにより水平羽根11が連結されている位置は、左支持アーム41および右支持アーム42を連結している連結部41a、42aを結ぶ軸が前端部11aに近いのに対し、後端部11bに近い。このように左支持アーム41および右支持アーム42の連結部41a,42aを結ぶ軸と揺動アーム40bの連結部40dの位置が水平羽根11の前後方向にずれているため、回動アーム40aを回動させることによって水平羽根11を回動させることができる。また、揺動アーム40bが揺動することにより、回動アーム40aの一端側の駆動軸と揺動アーム40bの連結部40dとの距離を変化させることができる。風向装置は、ラックアンドピニオン機構による中間支持アーム40,左支持アーム41および右支持アーム42の迫出し量の調整と、駆動軸による水平羽根11の回転角度の調整とによって、水平羽根11の平行移動と回転移動を組み合わせることにより、水平羽根11に種々の姿勢を取らせることができる。
左支持アーム41および右支持アーム42の移動量が同じになるようにラックアンドピニオン機構によって駆動され、左支持アーム41と右支持アーム42の移動に対して回動アーム40aの回動が追随させられることにより、水平羽根11が平行に移動される。それにより、例えば、図14に示すように、水平羽根11が水平になる姿勢を取る。図14の姿勢よりもさらに左支持アーム41と右支持アーム42を伸ばし、中間支持アーム40を右側面2cの方から見て反時計回りに回転させると、図15に示すように前端部11aが下がって前方に開いた姿勢を水平羽根11に取らせることができる。図14の姿勢よりもさらに左支持アーム41と右支持アーム42を伸ばし、中間支持アーム40を右側面2cの方から見て時計回りに回転させると、図16に示すように後端部11bが下がって下方に開いた姿勢を水平羽根11に取らせることができる。また、左支持アーム41と右支持アーム42を伸ばす量(移動量)を異ならせることにより、水平羽根11を左または右に傾けることができる。
空気調和装置の風向装置は、以上説明した水平羽根11と垂直羽根12およびそれらを駆動するための水平羽根駆動機構に加え、垂直羽根駆動機構を備えている。垂直羽根駆動機構は、垂直羽根12を駆動するため、上述の垂直羽根連結棒13を有している(図12参照)。垂直羽根12は、2本の垂直羽根連結棒13で連結されているため、左側面2bに近いグループAと右側面2cに近いグループBの2つのグループに分けることができる。揺動方向は、異なる垂直羽根連結棒13に連結されているグループAとグループBで独立しており、例えばグループAが右に傾いているときに、グループBが左に傾くことがある。また、グループAとグループBにおいて、例えば同じ方向に傾いているときであっても傾く角度を異ならせることができる。当然、グループAとグループBに属する垂直羽根12を同じ向きに揺動させることもできる。
<制御部>
上述の水平羽根11と垂直羽根12の吹出し方向の調整により、またクロスフローファン9の風速の調整により、室内の形態や室内の状況に対応した適切な空気調和のための調和空気の気流を発生することができる。
これら水平羽根11や垂直羽根12やクロスフローファン9などの制御を行うために、図17に示すような制御部50を備えている。制御部50は、室内機2の各機器を制御するための室内制御部51と、室外機の各機器を制御するための室外制御部52とを備えており、室内制御部51と室外制御部52との間を信号線53で接続して構成されている。
室外制御部52には、圧縮機54、室外電動膨張弁55、四路切換弁56、室外ファン57、複数の圧力センサ58および複数の温度センサ59などが接続されている。室外制御部52は、例えば圧縮機54の回転数を制御することにより冷媒回路の冷媒循環量を制御し、室外電動膨張弁55の開度を制御することにより冷媒回路を流れる冷媒の圧力を制御する。室外制御部52は、四路切換弁56を切り換えることにより、冷凍回路に流れる冷媒の循環経路の切換を行って暖房運転と冷房運転の切換などの運転切換の制御を行う。また、室外制御部52は、室外ファン57の回転数を制御することにより、室外熱交換器における熱交換効率の制御などを行う。そのため、冷媒回路や各機器に設置された複数の圧力センサ58や温度センサ59などによって検知された各部の温度や圧力を、室外制御部52は、制御のための判断に用いている。
一方、室内制御部51には、送受信部60、水平羽根駆動機構61、垂直羽根駆動機構62、クロスフローファン用モータ63、温度センサ64および表示部65などが接続されている。室内制御部51は、制御のために、使用者のリモートコントローラなどと送受信部60との間でデータの送受信を行っている。室内制御部51は、室内の状態や使用者の設定に従って、水平羽根駆動機構61、垂直羽根駆動機構62およびクロスフローファン用モータ63の制御を行い、水平羽根11および垂直羽根12の角度や揺動の状態、およびクロスフローファン用モータ63の回転数を調整し、調和空気の吹出し方向や吹き出す強さなどを変更することができる。室内制御部51は、冷媒回路や各機器に設置された複数の温度センサ64などによって検知された各部の温度などの状態情報を、制御のための判断に用いている。また、室内制御部51は、表示部65を介して、室内機2の設定状態や環境などを使用者に知らせる。
室内制御部51が制御する水平羽根駆動機構61は、水平羽根11を迫出させたり収納したりする駆動に加え、水平羽根11を左または右に傾けるような駆動ができるように、左支持アーム駆動部66と右支持アーム駆動部67とを備えている。そして、室内制御部51は、左支持アーム駆動部66と右支持アーム駆動部67とを独立して駆動させることができる。また、中間支持アーム40を駆動するために中間支持アーム駆動部68を備えている。室内制御部51は、水平羽根11を平行移動させるときには、左支持アーム41の移動量と右支持アーム42の移動量とが同じになるように制御し、水平羽根11が平行移動するように中間支持アーム駆動部68により中間支持アーム40を左支持アーム41と右支持アーム42に追従させる。水平羽根11を左右のいずれかに傾けるときには、左支持アーム41の移動量と右支持アーム42の移動量とが異なるように制御する。
水平羽根11が吹出口7を塞いだ状態から開放して、水平羽根11を所望の状態にするときには、室内制御部51は、まず、左支持アーム駆動部66と右支持アーム駆動部67により左支持アーム41と右支持アーム42を移動して水平羽根11を平行に迫出させる。このとき、中間支持アーム駆動部68は、水平羽根11が平行移動するように、迫出す動作に追従して回動アーム40aを回動させる。それにより、水平羽根11の迫出しによって塞がれていた吹出口7は開放されるが、水平羽根11が吹出口7の周囲に強く擦れずにスムーズに開放される。
次に、左支持アーム41および右支持アーム42を固定した状態にするとともに、中間支持アーム駆動部68により、回動アーム40aを回動させ、左支持アーム41の連結部41aと右支持アーム42の連結部42aとを結ぶ軸の周りで水平羽根11を回動させる。以上のような平行移動と回動移動の2ステップの操作で水平羽根11を所望の状態に移動することができる。
なお、上述のような2ステップの操作を並行して行わせ、平行移動させつつ回動移動をさせることにより1ステップで水平羽根11を所望の状態に移動させるように、室内制御部51が制御することもできる。
<側壁補助板と調和空気の気流>
(冷房運転時の吹出し)
図18、図19、図20および図21を用いて、冷房運転時の調和空気の気流を説明する。図18(a)、図19(a)、図20(a)および図21(a)は正面図、図18(b)、図19(b)、図20(b)および図21(b)は右側面図、図18(c)、図19(c)、図20(c)および図21(c)は底面図である。また、図18、図19、図20および図21において矢印で示されているのが気流である。なお、図21は、比較のための従来の空気調和装置の気流を説明するための図であり、風向羽根によって左右方向に調和空気を吹き出すタイプの室内機を示している。
図18に示されている気流31は、冷房運転時において、前端部11aが後端部11bよりも少し下に位置するように水平羽根11を開き、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fを閉じ、垂直羽根12を鉛直方向に対して垂直にした状態で発生しているものである。
図19に示されている気流32は、冷房運転時において、図18の状態と同様に水平羽根11を開き、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fを閉じ、垂直羽根12を鉛直方向に対して傾けた状態で発生しているものである。
図20に示されている気流33は、冷房運転時において、図18の状態と同様に水平羽根11を開き、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fを開き、垂直羽根12を鉛直方向に対して傾けた状態で発生しているものである。
図18の気流31は、真直ぐ前方に向かっており、図18の状態では前方に向けて調和空気を強く送風することができる。図18の気流31に対して、図19の気流32は、垂直羽根12のグループAとグループBが異なる向きに傾くことにより左右方向(水平羽根11の長手方向)に広がっている。しかし、図19(c)を見れば分かるように、左側面2bおよび右側面2cが面する領域には、吹出口7から吹き出された調和空気の気流が発生しない。
一方、図20の気流33は、左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fがハ字形に開いていることにより、左側面2bおよび右側面2cが面する方に調和空気の気流が発生する。図20の気流33には、左側面2bが面する方向から前面2aの面する方向を経て右側面2cの面する方向に至る前方の180度全体に渡って切れ目がない。それに対し、図21に示す従来の側方風向板214で左右方向に調和空気の気流を発生させると、斜線の領域240に気流の発生がほとんどなくなる。これは、側方風向板214が調和空気の気流を遮るため、図21の気流230が無い部分を生じるからである。
(暖房運転時の吹出し)
図22を用いて暖房運転の吹出しについて説明する。図22(a)は正面図、図22(b)は右側面図、図22(c)は底面図である。上述の冷房運転時の吹出しの説明において左側壁補助板10eと右側壁補助板10fを用いる場合と用いない場合の違いについては説明したので、暖房運転時の吹出しでは従来と同じ左側壁補助板10eと右側壁補助板10fを用いない場合の暖房運転時の吹出しについては説明を省略する。
図22に示されている気流35は、暖房運転時において、前端部11aが後端部11bのより上に位置するように水平羽根11を開き、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fを開き、垂直羽根12を鉛直方向に対して傾けた状態で発生しているものである。
図22(a)を見ると、気流35として、左側壁補助板10eの外面15eに沿って左側面2bの面する方向へ向かう気流35cが生じており、右側壁補助板10fの外面15fに沿って右側面2cの面する方向へ向かう気流35dが生じている。
そして、図22(c)を見ると、前面2aの下方に向かう気流と左側面2bが面する方向に向かう気流に誘導されて斜め前方に向かう気流35dが生じる。また、前面2aの下方に向かう気流と右側面2cが面する方向に向かう気流に誘導されて斜め前方に向かう気流35eが生じる。そのため、水平羽根11の角度と左側壁補助板10eと右側壁補助板10fの角度を調節することにより、室内機2の左側面2bの面する方向、右側面2cの面する方向、前面2aの面する方向およびそれらの間の方向の吹き出される調和空気の量を調節することができる。
(無感気流モード時の吹出し)
以下の説明において、人体が気流を感じ難いように気流を非常に弱くする調和空気の吹出しモードを無感気流モードという。図23(a)には無感気流モード時の室内機の正面図を示し、図23(b)には室内機の右側面図を示し、図23(c)には室内機の底面図を示している。無感気流モード時には、水平羽根11の前端部11aが後端部11bよりもやや上がり、水平羽根11の上面が吹出口に対向する状態になっている。つまり、無感気流モードでの水平羽根11の姿勢は、水平羽根11が吹出口7を閉じている姿勢に対して概ね平行である。吹出口7から吹き出される気流に対して水平羽根11の上面が直交する状態に水平羽根11を迫出させることで、水平羽根11の姿勢が図23のようになる。水平羽根11が吹出口7から吹き出される気流に対して直交する角度に保たれると、調和空気は水平羽根11に当たって前方と左右方向だけでなく後方にも流れ、すなわち4方向に吹出し可能な状態となる。
図23に示す状態は、吹出口7から吹き出される層流の吹出し方向に対して水平羽根11の上面が垂直になる状態よりもやや前端部6dが下がった状態である。この状態では、水平羽根11に当たって気流は弱められるが、調和空気の後方への流れは、ほとんど存在しないといえる状態か、あるいは極めて弱い状態である。図23には後方に発生した極めて弱い気流が前方や左右方向に向いた矢印よりも小さな矢印で示されている。また、このとき、クロスフローファン9の回転数も下げて、吹出口7から吹き出させる風量を下げる。それにより、吹き出される調和空気の風量が少なくなって風速が弱くなるのに加え、水平羽根11に調和空気を当てて風速を減少させることで人に空気の流れを感じ難くさせている。
図23に示す状態では、ケーシング本体6と水平羽根11との間にできる隙間が狭くなっている。それにより、左右方向すなわち左側面2bおよび右側面2cが面する方向への調和空気を吹き出す強さを、例えば図18の冷房運転時の吹き出しに比べて強くし易くなる。この場合、図5に示すように、左側壁補助板10eの一辺14eや右側壁補助板10fの一辺14fが吹出通路10の奥から傾斜を始めるように構成することで、より左右方向への吹出し量の増加がある。
(左右の風量の調節)
左右の風量の調節は、上述のように、主に垂直羽根12の傾きによって行うことができる。また、図24や図25に示すように水平羽根11を左に傾けたり、または図示を省略するが水平羽根11を右に傾けたりすることにより、左右の風量の調節を行うことができる。その際に、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fの一方のみを開いたり、それぞれの開く角度を変更したりすることにより、さらに左右の風量を細かく調整することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る空気調和装置の部分斜視図を図26および図27に示す。第2実施形態に係る空気調和装置1Aが第1実施形態に係る空気調和装置1と異なるところは、室内機2Aと室内機2との構成の違いにある。第1実施形態および第2実施形態の室内機2,2A以外の構成は同じであるため、第2実施形態についてはこれらの説明を省略する。
第2実施形態に係る室内機2Aは、ケーシング本体6Aの長手方向長さとほぼ同じ長さの吹出口7Aと水平羽根11Aを備えている。水平羽根11Aがケーシング本体6Aの長手方向と同じ長さを有しているため、左側壁補助板(図27には記載されていない)と右側壁補助板10fAは、水平羽根11Aが閉じているときは水平羽根11Aに覆われて隠れている。左側壁補助板と右側壁補助板10fAは移動し得るように構成されている。図27には、右側壁補助板10fAが右方向外側に最も開いた状態が示されている。
右側壁補助板10fAは、回転軸20fAを中心に回動することができ、吹出口7Aに収納された状態(図28)と吹出口7Aから突出した状態(図29)を取ることができる。この右側壁補助板10fAは、回転軸20fAとは反対側に凸に湾曲しており、外面15fAだけでなく背面18fAが面する空間も吹出口7Aに連通している。
<吹出通路>
室内機2Aには、図30および図31に示されているように、クロスフローファン9Aから吹出口7Aに至る、ディフューザー構造の吹出通路10Aが設けられている。吹出通路10Aには、左側壁10aA、右側壁10bA、後方案内面10cA及び前方案内面10dAがある。吹出通路10Aの後方案内面10cAは、クロスフローファン9Aの側に曲率中心を持つ滑らかな曲線を描いており、下方に向かうに従って曲率半径が大きくなる。そして、後方案内面10cAと前方案内面10dAとの間隔が吹出口7Aに近づくほど大きくなり、吹出通路10Aの開口が吹出口7Aに近づくほど大きくなる。また、クロスフローファン9Aが、右側面から見て、時計回りに回転して送風し、その中心軸が室内機の背面の方に寄って配置されているので、吹出通路10Aは、底面の前方側に向けて斜めに形成される。そのため、吹出通路10Aから吹出口7Aに向かう調和空気は、天面から底面の方に向く方向ベクトルと背面から前面の方に向く方向ベクトルとを有し、乱れの少ない層流になる。
図30に示すように、室内機2Aは、吹出口7Aの左右に、左側壁10aAと右側壁10bAを有し、これら左側壁10aAと右側壁10bAおよび吹出口7Aの近傍に左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAとを備えている。左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAは、可動し得るように構成されている。図30には、左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAが吹出口7に対して略垂直に位置しているところが示されている。左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAが図30の状態から移動してハ字形に開いているところが図31に示されている。
図30の状態では、左側壁補助板10eAの一辺14eAと右側壁補助板10fAの一辺14fAが、吹出通路10Aの奥において左側壁10aAと右側壁10bAに密着するように配置されている。また、左側壁補助板10eAの一辺19eAと右側壁補助板10fAの一辺19fAが、吹出通路10Aの前方案内面10dAと後方案内面10cAにほぼ密着するように配置されている。そのため、このとき吹出通路10Aの幅W3は、左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAの間隔によって規定される。
一方、図31に示す状態は、左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAがハ字形に開くだけでなく、左側壁補助板10eAの一辺14eAと右側壁補助板10fAの一辺14fAが吹出通路10の左側壁10aAと右側壁10bAから離れる。そして、左側壁補助板10eAの一辺14eAと右側壁補助板10fAの一辺14fAから吹出口7Aまでの間の左側壁10aAと右側壁10bAに沿って調和空気の気流が流れるようになる。そのため、吹出口7Aの幅が広がる。つまり、図30の状態の吹出口7Aの幅W3<図31の状態の吹出口7Aの幅W4、という関係が成り立つ。吹出口7Aの幅W4が広がっている図31の状態の方が、調和空気を左右方向へ広げて吹出し易くなる。また、図31のように、ハ字形に左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAとが開くことによって、左側壁補助板10eAの外面15eAと右側壁補助板10fAの外面15fAとに沿って調和空気が吹き出される。それにより、左右方向に大幅に気流の幅を広げて広角に吹き出させることができる。一方、吹出口7Aの幅W4が狭い図30の状態の方が調和空気を前方に強く吹き出し易くなっている。
次に、図32を用いて、右側壁補助板10fAの移動について説明する。以下の説明では、左側壁補助板10eAについての説明を省略するが、右側壁補助板10fAと左右対称の形状で左右対称に位置に取り付けられているので、右側壁補助板10fAの移動に対して左右対称になる左側壁補助板10eAの移動は、右側壁補助板10fAの説明から容易に理解される。
右側壁補助板10fAは、図32に示すように、断面形状が吹出口7Aの側に凸に湾曲している。右側壁補助板10fAは、外面15fAが吹出口7Aに面し、背面18fAが面する空間が吹出口7Aに連通している。そして、右側壁補助板10fAが回転軸20fAを中心に回動するよう構成されているため、図32(a)に示す状態と図32(b)に示す状態を取ることができる。例えば、図32(a)の状態から右側壁補助板10fAが回転軸20fAの周りを時計回りに回転すると図32(b)の状態になる。
図32(a)に示す状態は、右側壁補助板10fAの外面15fAが吹出口7Aに面して、右側壁補助板10fAの上部の一辺14fAが吹出通路10Aの右側壁10bAに密着している。そのため、吹出通路10Aの右側壁10bAに沿って調和空気の気流が流れずに、気流37fは、吹出口7Aにおいて真直ぐ前方へ向いている。また、図32(a)の状態では、吹出通路10Aの奥に右側壁補助板10fAが収納されている。
図32(b)に示す状態は、右側壁補助板10fAの外面15fAが吹出口7Aに面して、外面15fAが右側壁10bAから吹出口7Aの長手方向外側に突出した状態になっている。そのため、吹出通路10Aの右側壁10bAに沿って流れてきた調和空気の気流38fは、右側壁補助板10fAの背面18fAに沿って右へ誘導される。また、このとき、右側壁補助板10fAの背面18fAが面する空間は、吹出口7Aに連通するように構成されている。そのため、右側壁補助板10fAの背面18fAの側には、吹出口7Aから吹き出される調和空気が流れる。
この回転軸20fAは、モータ(図示省略)によって駆動される。例えば、右側壁補助板10fAには、モータが力を発生していないときには、図32(a)の状態に戻るように付勢されている。そして、モータによって時計回りのトルクが発生すると、図31に示すように右側壁補助板10fAが開き、背面18fAの面する領域が吹出口7Aに連通する。背面18fAが吹出口7Aに面した状態で右側壁補助板10fAの一部がケーシング本体6Aに突き当たって停止する。モータの電源が切られるまでは、モータで力が発生しているので付勢力によって図32(b)の状態に戻ることはないが、モータの電源が切られると付勢力によって図32(a)の状態から図32(b)の状態に戻る。右側壁補助板10fAのモータや左側壁補助板10eのモータ(図示省略)は、後述する制御部によって制御される。左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAと垂直羽根12が似ているため、区別が難しく思われるかもしれない。しかし、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAは、後方案内面10cA及び前方案内面10dAにまで達しており、収納された状態で左側壁補助板10eAよりも左側および右側壁補助板10fAよりも右側に調和空気が流れない点で、垂直羽根12とは異なる。そのため、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAが開いたときに、それまで機能しなかった左側壁10aAおよび右側壁10bAの吹出口7A近傍の領域が機能を始める点も異なる。
左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAと図21に示した従来の側方風向板214との区別が難しく思われるかもしれない。しかし、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAは、開いたときに、図21に示す側方風向板214のように調和空気を遮ることなく調和空気の気流の方向を徐々に変えるところが、従来の側方風向板214と異なる。
<風向装置の構成および制御部>
第2実施形態の風向装置の構成および制御部については、以上説明した水平羽根11Aの構造上の違い以外の垂直羽根12およびそれらの駆動機構などは第1実施形態と同様であり、それらを制御する制御部についても第1実施形態の制御部50と同様に構成される。
<側壁補助板と調和空気の気流>
第2実施形態の水平羽根11Aと左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAとの位置関係が、第1実施形態の水平羽根11と左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fとの位置関係と異なるので、互いに異なるところがある。しかし、従来と比較した場合には、図18から図25を用いて説明したような気流を発生する点では同じである。
第2実施形態の室内機2Aにおける調和空気の気流が、第1実施形態の室内機2と異なる点は、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAがハ字形に開いているときに、左側壁補助板10eAの背面18eAおよび右側壁補助板10fAの背面18fAが面する領域を気流が通過するよう構成されているところである。また、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAが収納されているときは、吹出口7Aに近い左側壁10aAおよび右側壁10fAの一部領域に沿って流れず、左側壁補助板10eAの外面15eAおよび右側壁補助板10fAの外面15fAに沿って流れ、ハ字形に開いたときにこの一部領域に流れるように構成されているところが異なる。
<変形例>
(1)上記各実施形態では、壁掛け型の室内機2,2Aの場合について説明したが、室内機のタイプは壁掛け型に限られるものではなく、据え置き型であってもよく、それ以外のタイプであってもよい。
(2)上記各実施形態では、左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fで、図11(a)の状態と図11(b)の状態とを切り替えている。しかし、左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fの状態が異なる領域を3つ以上にして、もっと多段階に切り替えるように構成してもよい。また、異なる領域の境目をなくして連続的に変更できるようにしてもよい。
(3)上記第2実施形態では、左側壁10aAと右側壁10bAが断面ハ字形に広がる場合について説明したが、湾曲しつつ広がってもよく、同様の効果を有する。また、第1実施形態では、左側壁10aAと右側壁10bAが互いに平行に対向している場合について説明したが、第2実施形態のように広がるように構成することもできる。
<特徴>
(a)
空気調和装置1,1Aの室内機2,2Aは、吹出通路10,10Aを有するケーシング本体6,6Aと左側壁補助板10e,10eAと右側壁補助板10f,10fAを備えている。吹出通路10,10Aは、クロスフローファン9,9Aで送風される調和空気を吹き出すための吹出口7,7Aに接続されおり、左側壁10a,10aA、右側壁10b,10bA、後方案内面10c,10cA及び前方案内面10d、10dAを有している。
左側壁補助板10e,10eAは、左側壁10a,10aAの近傍に配置され、右側壁補助板10f,10fAは、右側壁10b,10bAの近傍に配置される。図5、図7、図9および図10並びに図29に示されているように、左側壁補助板10e,10eAおよび右側壁補助板10f,10fAが、開いて外面15e,15eA,15f,15fA(誘導面)がハ字形に配置される状態(広角吹出し状態)と、図4、図6、図8および図28に示されているように、左側壁補助板10e,10eAおよび右側壁補助板10f,10fAが収納されている状態(通常吹出し状態)とを取り得る。
広角吹出し状態では、この外面15e,15eA,15f,15fAに沿って調和空気が誘導される。それにより、吹出口7,7Aから吹き出される調和空気を、吹出口7,7Aの長手方向(左右方向)に広げることができる。吹き出す角度を広角にするため、従来のように風向板で遮って異なる気流の塊を発生させる場合と比較して、全体に均一に気流を発生させることができる。その際、左側壁補助板10e,10eAおよび右側壁補助板10f,10fAの外面15e,15eA,15f,15fAが、左側壁10a,10aAと右側壁10b、10bAから左右方向外側に突出してハ字形に開くことで、乱流などの発生をさせることなく、気流の向きを大幅に均一に変更することができる。この外面15e,15eA,15f,15fAが吹出口7,7Aに向かって凸状に湾曲している。そのため、外面15e,15eA,15f,15fAが平面で有る場合に比べて、吹出口7,7Aから吹き出される調和空気を吹出口7,7Aから離れるに従って、より大きく左右方向に曲げてスムーズに広げることができる。凸状に湾曲させることにより、同じ大きさの左側壁補助板および右側壁補助板を使うのであれば効率よく気流を広げることができることになり、同じ程度に気流を広げるのであれば補助板のコンパクト化が図れることになる。
(b)
左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fが図5、図7、図9、図10および図11(b)に示すようにハ字形に開いている状態で、左側壁補助板10eの背面18eおよび右側壁補助板10fの背面18fの面する空間は、吹出口7と連通しない。吹出口7から吹き出されて左側壁補助板10eと右側壁補助板10fの周囲を流れる調和空気は、吹出口7に連通しない背面側を流れることがないため、水平羽根11で十分に気流が制御される。そのため、調和空気の気流の制御が容易になる。
一方、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAが図27、図29および図32(b)に示すようにハ字形に開いている状態で、左側壁補助板10eAの背面18eAおよび右側壁補助板10fAの背面18fAの面する空間は、吹出口7Aと連通する。吹出口7Aから吹き出されて左側壁補助板10eAと右側壁補助板10fAの周囲を流れる調和空気は、吹出口7Aに連通する背面側を流れるため、左右方向により多くの気流を誘導することができる。この場合、左側壁補助板10eAおよび右側壁補助板10fAの先端で外面15eA,15fAと背面18eA,18fAに沿って流れてきた調和空気が合流する。そのため、従来の風向板のように異なる気流の塊が発生することがないので、均一に調和空気を広げて吹き出させることができる。
(c)
図10および図11から分かるように、右側壁補助板10fの断面形状がく字形に折れ曲がって成形され、左側壁補助板10eの断面形状が逆く字形に折れ曲がって成形されている。それにより、左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fが、外面15eA,15fA(誘導面)に2つの領域即ち第1の領域15ea,15faと第2の領域15eb,15fbを持つ。そして、左側壁補助板10eおよび右側壁補助板10fは、回転軸20e,20fを中心に回転することができ、第1の領域15ea,15faが吹出口7に面するようにするか、第2の領域15eb,15fbが吹出口7に面するようにするかを、回転することによって切り替えることができる。
第1の領域15ea,15faが吹出口7に面しているときは、第1の領域15ea,15faが左側壁10aや右側壁10bに対してほぼ面一になっているため、左側壁10aや右側壁10bに沿って送られてきた調和空気をそのまま真直ぐに前方に吹き出させることができる。第2の領域15eb,15fbが吹出口7に面しているときは、第2の領域15eb,15fbが左側壁10aや右側壁10bに対して角度を有し、吹出口7の方に向かって凸状に湾曲している。そのため、左側壁10aや右側壁10bに沿って送られてきた調和空気を左右方向に広げて吹き出させ易くなっている。
このように、形状の異なる第1の領域15ea,15faと第2の領域15eb,15fbを持ち、それを切り替えられるようにすることで、調和空気の気流の調整を行い易くなる。
第1の領域15ea,15faが吹出口7に面している場合(図11(a)参照)には、第2の領域15eb,15fbは、化粧パネル6aに沿って収納されており、化粧パネル6aと面一になっている。それにより、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fとを収納スペースを省いて、コンパクトに収納することができ、また室内機2の外観も、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fが化粧パネル6aの一部とみなせ、すっきりとして機能的な美しさを呈する。
左側壁補助板10eと右側壁補助板10fは、第1の領域15ea,15faと第2の領域15eb,15fbの切換を回転軸20e,20fを中心に回転することによって行っている。この回転軸20e,20fは、図11(c)に示すように、回転軸20e,20fの軸方向から見たときに、左側壁補助板10eと右側壁補助板10fの2つの辺16e,16fと辺17e,17fを結ぶ直線22よりも左側壁補助板10eと右側壁補助板10fの側に配置される。それにより、回転したときの左側壁補助板10eと右側壁補助板10fの軌跡が小さくなり、室内機2のコンパクト化が容易になる。特に、図11(c)に示すように、通常吹出し状態にあるときの位置と広角吹出し状態にあるときの位置とが、斜線部21で重なるように構成することで、コンパクト化がより容易になる。
1,1A,空気調和装置
2,2A 室内機
6,6A ケーシング本体
7,7A 吹出口
10,10A 吹出通路
10a,10aA 左側壁
10b、10bA 右側壁
10e,10eA 左側壁補助板
10f,10fA 右側壁補助板
11,11A 水平羽根
12 垂直羽根
特開平8−136042号公報

Claims (10)

  1. 調和空気を吹き出すための吹出口(7,7A)に接続され、左右の側壁(10a,10aA、10b、10bA)を有する吹出通路(10,10A)と、
    前記左右の側壁の少なくとも一方の近傍に配置され、前記吹出口より吹き出される調和空気を、通常吹出し状態よりも前記吹出口の長手方向に広げて吹き出させる広角吹出し状態を形成するための左右側壁補助板(10e,10eA,10f,10fA)とを備え、
    前記左右側壁補助板は、前記吹出口の方に面する誘導面(15e,15eA,15f,15fA)を有し、調和空気の吹出し方向に対して、前記通常吹出し状態のときに前記左右の側壁が開いている角度よりも前記広角吹出し状態のときに前記誘導面が開いている角度を大きくすることにより、前記吹出口から吹き出される調和空気の流れを前記誘導面に沿って誘導して前記長手方向に広げて吹き出させる、空気調和装置の室内機。
  2. 前記左右側壁補助板(10e,10eA,10f,10fA)は、前記左右の側壁の両側の近傍に設けられ、前記広角吹出し状態のときに、少なくとも一部が前記通常吹出し状態の前記左右の側壁から前記吹出口の長手方向外側に突出して前記誘導面がハ字形に開いた状態に配置されてなる、請求項1に記載の空気調和装置の室内機。
  3. 前記左右側壁補助板(10e,10f)は、前記誘導面の反対側に背面(18e,18f)を有し、前記広角吹出し状態のときに、前記背面が面する空間が前記吹出口に連通しないように構成されている、請求項1または請求項2に記載の空気調和装置の室内機。
  4. 前記左右側壁補助板(10eA,10fA)は、前記誘導面の反対側に背面(18eA,18fA)を有し、前記広角吹出し状態のときに、前記背面が面する空間が前記吹出口に連通するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
  5. 前記左右側壁補助板(10e,10f)は、断面形状がく字形または逆く字形に折れ曲がって成形されて折れたところを境に前記誘導面(15e,15f)に2つの領域(15ea,15eb,15fa,15fb)を持ち、前記2つの領域のうち前記吹出口に面するものを変更可能に構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
  6. 前記左右側壁補助板(10eA,10fA)は、前記通常吹出し状態のときに前記吹出通路内に収まり、前記吹出通路の前記左右の側壁の一部となる、請求項1から5のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
  7. 前記吹出口の周囲に配置される化粧パネル(6a)をさらに備え、
    前記左右側壁補助板(10e,10f)は、前記通常吹出し状態のときに前記化粧パネルに沿った状態になるまで移動可能に構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
  8. 前記左右側壁補助板(10e,10f)は、前記通常吹出し状態のときに前記化粧パネル(6a)と面一になる、請求項7に記載の空気調和装置の室内機。
  9. 前記左右側壁補助板(10e,10f)は、回転軸(20e,20f)の周りを回動することによって前記通常吹出し状態と前記広角吹出し状態の切り替えを行い、前記回転軸の軸方向から見たときに前記通常吹出し状態にあるときの位置と前記広角吹出し状態にあるときの位置とが部分的に重なるように構成されている、請求項1から8のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
  10. 前記左右側壁補助板(10e,10eA,10f,10fA)は、前記誘導面(15e,15eA,15f,15fA)が前記吹出口に向かって凸状に湾曲している、請求項1から9のいずれかに記載の空気調和装置の室内機。
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