JP2007155213A - 換気装置 - Google Patents

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祥明 樋口
Minoru Sakata
実 坂田
Yoshiaki Hori
慶朗 堀
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清二 宮崎
Yoichi Nakajima
洋一 中島
Keita Ueno
景太 上野
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Abstract

【課題】 空間への気流の流入出を制御する羽根体を傾動させて気流の流入出状態を確実に調整可能とし、換気効果を最大限高められると共に、簡略な換気状態調整機構として低コスト化できる換気装置を提供する。
【解決手段】 換気を行おうとする二つの空間30、40に対しそれぞれ開口部11、12を向けた箱状の換気装置本体10を配設すると共に、この換気装置本体10の二つの開口部11、12間に生じる中空部10dに羽根体13を配設し、羽根体13を二空間の圧力差に応じて自由に傾動させ、羽根体13と開口部11、12との間隔を変化させて換気状態を調整することから、空間に対する空気の急速な流入出を防いで適切な空気調和状況を乱さない一方、通常状態では羽根体13が適切な開度状態で保持されて通風状態を許容でき、羽根体13を傾動させる簡略な機構で換気状態切替が実現して換気装置全体で低コスト化が図れる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、建物の外部空間と室内空間など、二つの空間の間に介在させて配置され、この二空間の間での換気を可能とする換気装置に関し、特に、簡略な羽根体傾動機構で空気の流入出状態を適切に調整管理可能な換気装置に関する。
高層建築物においては、突風等への対応や外壁構造簡略化の面から、窓は開閉できない構造とされ、空気調和設備は外から隔離された室内空間に対し常時空気調和を行うものとされるのが一般的であった。こうした空気調和設備では、中間期等、外気の温度範囲が適切で内外の換気のみでかまわない状況にも拘らず、そのまま内外隔離状態で室内への空気調和が行われており、季節を問わず空気調和のコストが発生することから、近年、外部の適温の空気を直接室内空間に導入して換気を行い、空気調和のコストを軽減する試みがなされている。こうした外気を室内に導入して換気を行うための機構は、なるべくコストを抑えるために、外壁のいずれかの箇所に開口を設け、所定の開閉制御を行いつつ、自然風に任せて外部から室内側へ空気を導入する自然換気タイプとされることが多かった。こうした自然換気を行うための従来の自然換気装置の一例として、特開平10−232039号公報や特開2001−221492号公報に記載されるものがある。
前記従来の自然換気装置は、外壁(カーテンウォール)の窓枠部分等に配設されて空気を通過させる開口部分を設けられる枠状の換気装置本体と、換気装置本体の開口領域に所定角度範囲で傾動可能に配設される羽根部とを備える他、必要に応じて防塵フィルタや雨水進入防止機構、防鳥網等も有してなる構成である。
これら従来の自然換気装置では、外部空気の換気装置本体への流入風速に対応して、開口領域に配置される羽根部が傾動し、装置本体内流路の開口面積を変化させることにより、外部空気の室内流入量を調整している。風速があらかじめ設定された値を上回る場合には、羽根部が流路を閉塞状態として室内への過剰な空気流入を抑える仕組みである。また、換気の必要がない場合、羽根部を必要に応じてモータ等(図示を省略)を用いて傾動させ、強制閉状態とすることもできる。
特開平10−232039号公報 特開2001−221492号公報
従来の自然換気装置は以上のように構成されており、前記各特許文献に示された従来の装置は、いずれも外部空気の室内流入状態を風圧に応じた羽根部の傾動角度変化で調整でき、強風時には適切に室内への流入を防止できるものとなっている。特に、前記特許文献1に記載の装置は、強風時の外部から室内への空気流入を抑えられる他に、装置のある建物外面側が風下側になるなどして室内側の圧力が外部側より相対的に高くなった場合に、別の羽根部の動作で流路を閉鎖でき、室内側からの空気流出が過剰となって室内に不快な空気流が発生する等、空気調和状態が乱れるようなことも防止できる。しかし、前記特許文献1に記載の装置は、外部から室内への流入制御と室内から外部への流出制御をそれぞれ別体の羽根部で個別に行っていることから、機構が複雑化、大型化し、建物への設置に制約が生じると共に、高コストになるという課題を有していた。
また、前記特許文献2に記載の装置は、羽根部を一つのみとし、コンパクトな構成にできるものの、室内側からの空気流出状態の調整は考慮されておらず、外部より室内側の圧力が相対的に高くなった場合、そのままでは室内空間から外部への空気流出を抑えることができず、外部への急激な空気流出に伴う室内への不快な空気流発生を抑えるためには、羽根部を強制閉状態とする他なく、継続的に自然換気を行うことが難しいという課題を有していた。
さらに、前記各特許文献に記載された従来いずれの例も、気流通路内に羽根部の傾動中心軸が貫通しており、強制閉状態における換気装置本体と羽根部との間の気密確保が、可動状態を維持する必要のあるこの軸部分で難しくなり、気密と可動状態の両立を図るために気密保持機構が複雑化してコスト高になるという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、空間への気流の流入出を制御する羽根体を適切に傾動させて気流の流入出状態を確実に調整可能とすることができ、換気効果を最大限高められると共に、換気状態制御及び気密保持の機構を簡略にして低コスト化できる換気装置を提供することを目的とする。
本発明に係る換気装置は、壁で仕切られた二つの空間のうち一方の空間側に一の開口部を位置させると共に、他方の空間側に他の開口部を位置させて配設され、前記一方の空間と他方の空間との間で空気流通可能とする換気装置本体と、当該換気装置本体内部に可動状態で配設され、空気の通過状態を調整する羽根体とを備える換気装置において、前記換気装置本体が、前記両開口部を除いた部分を閉じられて一の開口部と他の開口部との間に前記羽根体を収容する中空部を生じさせた箱状体とされてなり、前記羽根体が、前記換気装置本体の中空部横断面より小で且つ前記各開口部より大となる大きさとして形成され、少なくとも一の開口部を閉塞可能な位置から他の開口部を閉塞可能な位置までの角度範囲で傾動可能に配設されると共に、所定の付勢力で開口部間の中間位置にとどまろうとする傾動方向へ付勢されてなり、前記羽根体が、前記各空間から加わる風圧に応じて前記各開口部との間隔を変化させ、前記一方の空間から加わる風圧が一定限度以上の場合は他の開口部側へ近接して当該他の開口部をほぼ閉塞可能とし、また、前記他方の空間から加わる風圧が一定限度以上の場合は一の開口部側へ近接して当該一の開口部をほぼ閉塞可能とするものである。
このように本発明によれば、換気を行おうとする二つの空間に対しそれぞれ開口部を向けた箱状の換気装置本体を配設すると共に、この換気装置本体の二つの開口部間に生じる中空部にいずれの開口部も閉塞可能に傾動する羽根体を配設し、羽根体を開口部間で二空間の圧力差に応じて自由に傾動させ、羽根体と開口部との間隔を変化させて二空間間の換気状態を調整することにより、一方の空間における空気の風速や圧力が適正範囲を超える場合には風圧により羽根体が傾動して流路をほぼ閉塞可能とし、他方の空間に対する空気の急速な流入と流出の両方を防いで適切な空気調和状況を乱さない一方、通常状態では付勢力と風速や圧力とのバランスに基づいて羽根体が適切な開度状態で保持されて通風状態を許容することができ、換気調節性能に優れる上、羽根体を傾動させる簡略な機構で換気状態切替が実現でき、換気装置全体で低コスト化が図れる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体が、傾動中心に一致する軸部を有し、当該軸部が前記各開口部より上側で且つ羽根体の重心位置より上側となる配置で軸支され、前記羽根体に加わる付勢力が、羽根体重心位置の傾動中心直下からのずれに伴って生じる回転モーメントによるものとなるものである。
このように本発明によれば、羽根体の軸部が、各開口部より上側で且つ羽根体の重心位置より上側となる配置で軸支され、開口部間の中間位置から羽根体が傾動して羽根体重心位置が軸部直下からずれると、軸部周りに羽根体を元の中間位置に戻そうとする回転モーメントが生じ、羽根体は中間位置にとどまろうとする傾動方向へ付勢されることにより、羽根体には羽根体自体の荷重に基づく付勢力が加わることとなり、羽根体以外の付加的な機構を用いることなく羽根体を付勢できることとなり、羽根体の付勢に係る機構部分を大幅に簡略化して低コスト化できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記各開口部が、それぞれ開口面を平面状とされると共に、当該開口面の延長面同士が交わり、且つ当該延長面同士の交線位置が前記中空部の上部側に位置する配置とされ、前記羽根体が、板状体で形成されると共に、前記延長面同士の交線位置近傍を傾動の中心として配設されるものである。
このように本発明によれば、各開口部をその開口面が平面形状をなすと共に、開口面の延長面同士が中空部の上部で交わる配置とし、且つ羽根体の傾動中心である軸部が、中空部の上部に配置され、羽根体で開閉される各開口部に跨ることがなく、軸支部分も中空部以外の二空間にそれぞれ連通する換気装置本体の他部分とは完全に隔離されることにより、開口面が平面状である開口部を板状の羽根体で塞ぐのみの簡略な閉塞機構で流路の非連通状態を問題なく得られることとなり、羽根体構造を簡略化できる上、簡略な機構でも開口部を隙間無く閉止して確実に空気の漏れを防げ、閉塞状態での気密の確保が低コストで実現できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体が、一又は複数の錘を取付けられるものである。
このように本発明によれば、羽根体に装着される錘の重さと取付位置を変えて羽根体の重心位置を羽根体上で移動させられることにより、羽根体が傾動して羽根体重心位置が軸部直下からずれた際に羽根体に生じる回転モーメントの大きさを適宜変化させて、羽根体に加わる風圧に対する羽根体の傾動具合を調整することができ、羽根体が各開口部を閉塞する位置まで傾動する空気の設定風速又は風圧を空気調和状況や周囲環境の各条件に応じて調節できることとなり、換気性能を最大限に発揮させられる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記羽根体をいずれか一方の開口部を閉塞する状態まで強制傾動させる強制傾動手段と、前記羽根体の自由な傾動を許容する状態と羽根体を前記強制傾動手段の拘束下におく状態とを切替え可能とされる動作切替手段とを備え、前記羽根体で換気装置本体における内外連通・非連通状態を強制的に切替え可能とするものである。
このように本発明によれば、羽根体を傾動させる強制傾動手段、及び羽根体の拘束状態を切替える動作切替手段を配設し、必要に応じて羽根体を強制傾動手段でいずれかの開口部側に強制傾動させ、羽根体で開口部を確実に閉塞した強制閉止状態が得られることにより、換気装置を通じて二つの空間の換気を行う状態と換気装置を通じた換気を一切行わない状態とを強制的に切替えられることとなり、通常は適切に換気を行える一方、換気の必要がない場合や、夏期や冬期など外部からの空気流入が空調負荷となるために換気を行いたくない場合等に対応でき、空気の二空間の間での流通を抑えて各空間の状況を維持できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記強制傾動手段が、前記羽根体を傾動させる駆動力を発生させる駆動装置であるものである。
このように本発明によれば、強制傾動手段として駆動装置を用い、所定の動作指示により駆動装置を動作させると、駆動装置が継手機構を介して羽根体を一体に拘束した状態とし、羽根体を一方の開口部側に強制傾動させ、羽根体で開口部を閉塞した強制閉止状態へ移行する一方、駆動装置に対し動作解除指示を行えば、羽根体の駆動装置への拘束が解かれ、羽根体は自由に傾動可能な状態に復帰することにより、装置から離れた箇所から遠隔操作が行える他、温度や降雨等の風速、風圧以外のパラメータを考慮した制御に基づいて自動的に強制閉止動作とその解除等を実行させることもでき、空間における空気調和状況にさらに適した換気状態が得られることとなる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記一の開口部の前記一方の空間側における近傍部分に、一の開口部との間隔を調整可能として配設される風量調整板を備えるものである。
このように本発明によれば、換気装置本体の中空部より外側となる一の開口部の近傍位置に風量調整板を配設し、この風量調整版と一の開口部との間隔を調整可能とすることにより、必要に応じてこの風量調整板を位置調整し、開口部との間隔を変化させると、間隔が小さくなるほど通気量を減少させられるなど開口部における通気量を調整することができ、結果として換気装置本体を通過する空気の風量を調節できることとなり、換気装置の設置後にあらかじめ設定済の換気空気量を変えられ、装置設置後の空気調和状況の変化に対応できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記換気装置本体の建物外部空間側に位置する開口部に隣接する面の最下部所定位置に、水を少なくとも前記中空部側から外部空間側へ通過させられる水抜き孔を設けるものである。
このように本発明によれば、換気装置本体における外部空間寄りの開口部の下側部分に水抜き孔が配設され、中空部内の水をこの水抜き孔を通じて中空部外に流出させられることにより、雨等として外部空気と共に換気装置本体に進入した水が開口部から中空部に入った場合も、この水抜き孔から外へ流出させることができ、水が中空部から羽根体や他の開口部を越えて先へ進むことが困難であることと合わせ、水が他の空間側へ達するのを防止できる。
また、本発明に係る換気装置は必要に応じて、前記換気装置本体における各開口部、及び羽根体が、羽根体傾動中心軸方向に複数並べて配設されるものである。
このように本発明によれば、換気装置本体の開口部や羽根体を羽根体の傾動中心軸方向に複数配置し、換気装置本体が開口部開口面積を大きくする方向に長尺となる形状とされた場合に、開口部や羽根体を複数に分けてそれぞれ並べた配置状態として、これら装置主要部分が軸方向に長尺となるのを防止することにより、開口部や羽根体の長尺化に伴う施工性の悪化や、工作精度の劣化が避けられることとなり、羽根体が傾動して開口部閉塞位置に達した状態での羽根体と開口部の相互の位置精度を高めて、より確実な閉塞状態が得られる。
以下、本発明の一実施の形態に係る換気装置を図1ないし図7に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る換気装置の概略正面図、図2は本実施の形態に係る換気装置の断面図、図3は本実施の形態に係る換気装置における室内側への空気流入状態説明図、図4は本実施の形態に係る換気装置における室内側への空気流入時の閉止状態説明図、図5は本実施の形態に係る換気装置における外部側への空気流出状態説明図、図6は本実施の形態に係る換気装置における外部側への空気流出時の閉止状態説明図、図7は本実施の形態に係る換気装置の配置状態説明図である。
前記各図において本実施の形態に係る換気装置1は、外壁で仕切られた建物外の外部空間30と室内空間40の二空間のうち外部空間30側に一の開口部を位置させると共に、室内空間40側に他の開口部を位置させて配設され、外部空間30と室内空間40との間で空気流通可能とする箱状の換気装置本体10と、この換気装置本体10内部に可動状態で配設され、空気の通過状態を調整する板状の羽根体13と、この羽根体13を換気装置本体10に対し必要に応じて傾動させて換気装置本体10の外部側と室内側との連通・非連通状態を強制的に切替える前記強制傾動手段としての羽根体駆動装置14とを備える構成である。
前記換気装置本体10は、細長い矩形断面形状の開口領域を囲む筒状部10aと、この筒状部10aの開口領域を横断する状態で一体に設けられる二つの規制板部10b、10cとからなる箱状体であり、一端部を建物の外壁面31に位置させると共に、他端部を室内壁面41に位置させる状態で、窓枠20上側又は下側に沿って外壁(カーテンウォール)に埋込まれて配設され、建物外部空間30と室内空間40とを連通させて外部空気の室内空間40への流入と室内空気の外部空間30への流出を可能とする構成である。
この換気装置本体10の規制板部10bには、前記一の開口部としての矩形状の開口孔11が穿設され、また、規制板部10cには、前記他の開口部としての矩形状の開口孔12が穿設される構成である。換気装置本体10は前記両開口部となる開口孔11、12を除いた部分を筒状部10aと規制板部10b、10cで閉じられ、開口孔11と開口孔12との間に羽根体13を収容する中空部10dを生じさせたものとなっている。
そして、各規制板部10b、10cの各開口孔11、12周囲部分は平面状となっており、各開口孔11、12もそれぞれ開口面を平面状とされる構成である。これら各開口孔11、12の開口面の延長面同士が約60°の角度で交わり、且つこの延長面同士の交線位置が前記中空部10dの上部側に位置する配置となるように、各規制板部10b、10cの各開口孔11、12周囲平面部分同士が約60°の角度をなす対向関係で配設される。したがって、各規制板部10b、10cの前記各平面部分の延長面同士の交線位置も、中空部10dの上部に位置することとなる。
また、外部空間30寄りの開口孔11、及び室内空間40寄りの開口孔12のそれぞれの周囲には、羽根体13の規制板部10b又は規制板部10cへの当接の際に間隙を埋めて羽根体13による開口孔11、12の閉塞を確実なものにする気密材11a、12aが配設される。
さらに、規制板部10cより室内側となる換気装置本体10の室内寄り端部には、開度調整機構としての風量調整板15が、規制板部10cの開口孔12との間隔を調整可能となるよう気流通過方向と平行にスライド可能として配設される構成である。この風量調整板15を位置調整して開口孔12との間隔を変化させることで開口孔12における通気量が調整され、換気装置本体10を通過する風量を調節可能となる仕組みである。
この他、換気装置本体10には、必要に応じて防鳥・防虫網、防塵フィルタが配設される。そして、外部空間30寄りの規制板部10b下部には水抜き孔10eが設けられ、雨等として外部空気と共に換気装置本体10内に進入した水が規制板部10bより内側の中空部10dに入った場合も、この水抜き孔10eから水を流出させることができ、また、この中空部10dから水が室内側寄りの規制板部10cを越えて先へ進むことはその流路形状から極めて困難であり、水が室内側に達することはない。
前記羽根体13は、換気装置本体10の中空部10d横断面より小で且つ前記各開口孔11、12より大となる大きさとなる矩形の略板状体で形成され、一端辺に軸部13aを固定一体化され、中空部10dにおいて、各開口孔11、12における開口面の延長面同士の交線位置近傍に前記軸部13aを位置させてこれを軸支され、この軸部13aを傾動中心位置として、前記一の開口部である開口孔11を閉塞可能な位置から前記他の開口部である開口孔12を閉塞可能な位置までの角度範囲で傾動可能に配設される構成である。
前記羽根体13の軸部13aは、各開口孔11、12より上側で且つ羽根体13の重心位置より上側となる配置で軸支されることで、羽根体13には羽根体13自体の荷重に基づいて規制板部10b、10c間の中間位置にとどまろうとする傾動方向への付勢力が加わる。すなわち、前記中間位置から羽根体13が傾動して羽根体13重心位置が軸部13a直下からずれると、軸部13a周りに羽根体13を前記中間位置に戻そうとする回転モーメントが生じることから、羽根体13は中間位置にとどまろうとする傾動方向へ付勢される仕組みとなっている。
この羽根体13には、中央部分に平板状の錘13bがねじ止め等により装着され、この装着される錘13bの重さと取付位置を変えて羽根体13の重心位置を調整することで付勢力の調整が行えるようにしており、換気装置本体10内を通過しようとする空気が所定の設定風速(風圧)に達した場合には、羽根体13が各開口孔11、12を閉塞する位置まで傾動する一方、設定値以下の場合は羽根体13が付勢力で規制板部10b、10cから離れた状態を維持できるように調整される。
こうして羽根体13は、羽根体駆動装置14の動作を受けて強制閉止状態に駆動される場合以外は、中空部10dにおいて外部空間30又は室内空間40から羽根体13表裏に加わる風圧に応じて傾動し、各開口孔11、12との間隔を変化させられる状態となっており、羽根体13の傾斜角度が風圧により変化することにより、羽根体13と規制板部10b、10c間の隙間の大きさが変化し、各開口孔11、12を通る空気の通過風量が調整される一方、各空間から加わる風圧が一定限度以上の場合は羽根体13が規制板部10b、10c側へ近接して開口孔11、12をほぼ閉塞する仕組みとなっている。
なお、羽根体13の軸部13aは、中空部10dの上部に軸支されており、外部空間30と室内空間40のいずれからも規制板部10b、10cで隔離された配置になっていると共に、軸支部分の外側部分も規制板部10bより外側や規制板部10cより室内側の各領域とは一切連通していないことから、羽根体13による開口孔11、12閉塞状態では、この軸支部分から空気が外部又は室内側へ漏れることはなく、軸部分の気密確保のために複雑な機構を必要としない。
前記羽根体駆動装置14は、換気装置本体10側部に側方へ突出する状態で配設され、羽根体13の軸部13aと継手機構16を介して連結され、必要に応じて軸部13aを回転駆動して羽根体13を規制板部10cとの当接位置まで傾動させ、羽根体13を開口孔12の強制閉止状態に移行させる構成である。この羽根体駆動装置14の非動作状態では、羽根体13は拘束されない状態となっており、この羽根体駆動装置14で、羽根体13の傾動を許容して換気装置本体10の外部側と室内側を連通可能にする状態と、羽根体13の強制閉止に伴って換気装置本体10を非連通にする状態とを切替え可能とする仕組みである。この羽根体駆動装置14は、羽根体13の軸部13aを回転駆動する公知のギヤドモータタイプのものであり、詳細な説明は省略する。
前記継手機構16は、入力側から出力側へのみ力(トルク)を伝達し、逆の出力側から入力側へは伝達しない前記動作切替手段としての公知の機構であり、入力側を羽根体駆動装置14に、また、出力側を羽根体13の軸部13aにそれぞれ取付けられ、羽根体駆動装置14の動作状態では羽根体駆動装置14からの入力を受けて羽根体13の軸部13aを一体に連動させ、羽根体駆動装置14で羽根体13を傾動可能とする一方、羽根体駆動装置14からの入力がない通常の自然換気状態では、羽根体13の軸部13aは一切拘束されず、羽根体13の羽根体駆動装置14に対する自由な回転、すなわち、羽根体13の規制板部10b、10c間での自由な傾動を許容するものである。
次に、前記構成に基づく換気装置における空気流入出時動作について説明する。あらかじめ、風量調整板15と規制板部10cの開口孔12との間隔を変えて開口孔12における通気量を調整し、通常換気状態で換気装置本体10を通過する風量を所望の値に設定しておく。
建物外に適切な風速範囲の風が吹いており、且つ室内空間が外部より圧力の低い状態では、換気装置本体10の外側端部から外部の空気が進入し、筒状部10a内を進んで外部寄りの開口孔11を通過し、中空部10dに進入する。外部空気の気流は羽根体13に対し風圧を与えるが、羽根体13を中間位置にとどめようとする付勢力で、風圧による室内側への傾動はわずかな角度にとどまり、外部空気の室内側への進行を妨げない(図3参照)。
これにより、外部空気は羽根体13の下を通って室内寄りの開口孔12を通過し、正面側にある風量調整板15を避けつつ換気装置本体10の室内側端部から室内空間に流入することとなる。適切な風速範囲においては、風速の大小により変化する風圧に応じて羽根体13の傾動状態も変化し、羽根体13と開口孔12間の間隔は、風圧小で間隔大に、また、風圧大で間隔小に変化することとなり、風速が大きい場合には空気の開口孔12通過を抑えるようにしてそのまま風量が大きくなるのを防止でき、風量がほぼ一定の適切な値に維持されることとなる。
建物外に吹く風の風速が高まり、適切な風速範囲を超えた状態では、換気装置本体10に室内側へ向けて勢いよく進入した外部の空気が、外寄りの開口孔11を通過し、中空部10dに進入するが、この時、外部空気の風圧が大きくなっているために、羽根体13を押す圧力が付勢力に打勝ち、羽根体13が室内寄りに大きく傾動して室内寄りの規制板部10cに当接し、開口孔12がほぼ塞がれた状態となる(図4参照)。こうして開口孔12が羽根体13によりほとんど塞がれることで、外部空気の室内側への進行が抑えられ、室内に強い空気流が吹込む事態を防止できる。この時、羽根体13が規制板部10c側に機械的な駆動力で強力に押付けられるわけではないので、羽根体13と規制板部10c(気密材12a)との間に若干隙間が残り、この隙間から室内側への外部空気のごくわずかな漏れを生じる場合もあるが、漏れ量やその流速は極めて小さいものであり、この漏れが室内空間の空気調和状態に影響を与えることはない。
一方、建物外に風が吹いているものの、換気装置1の面する外部側が風下側となった場合など、室内空間の圧力が外部より高くなっている状態では、換気装置本体10の室内側端部から室内の空気が進入し、風量調整板15を避けるようにして換気装置本体10の筒状部10a内を進み、室内寄りの開口孔12を通過し、中空部10dに進入する。室内空気の気流は羽根体13に対し風圧を与えるが、前記外部から室内へ向う場合と同様、羽根体13を中間位置にとどめようとする付勢力で、風圧による外部側への傾動はわずかな角度にとどまり、室内空気の外部側への進行を妨げない(図5参照)。空気は羽根体13の下を通って外部寄りの開口孔11を通過し、換気装置本体10の外部側端部から外部に流出することとなる。
同じ状況でさらに風が強まるなど、室内空間に比べて外部の圧力が著しく低下し、適切な内外圧力差を超えた状態では、圧力差に伴い室内から換気装置本体10に勢いよく進入した室内の空気が、室内寄りの開口孔12を通過し、中空部10dに進入するが、この時、室内空気の風圧が大きいために、羽根体13を押す圧力が付勢力に打勝ち、羽根体13が外部寄りに大きく傾動して外部寄りの規制板部10bに当接し、開口孔11が羽根体13によりほぼ塞がれた状態となる(図6参照)。こうして開口孔11が羽根体13により塞がれることで、室内空気の外部側への進行が抑えられ、室内空気の外部への流出に伴う室内への強い空気流の発生等も無くなり、室内の空気調和状態が乱れることはない。この場合も、羽根体13は規制板部10b側に機械的な駆動力で強く押付けられるわけではないので、羽根体13と規制板部10b(気密材11a)との間には若干隙間が残り、この隙間から外部側への室内空気のごくわずかな漏れを生じる場合もあるが、漏れ量やその流速は極めて小さいものであり、この漏れが室内空間の空気調和状態に影響を与えることはない。
この他、換気の必要がない場合や、夏期や冬期など外部からの空気流入が空調負荷となるために換気を行いたくない場合には、所定の操作により羽根体駆動装置14を動作させ、継手機構16を介して羽根体13を羽根体駆動装置14に一体に拘束した状態としつつ、羽根体13を室内寄りに強制傾動させる。羽根体13は羽根体駆動装置14の駆動により規制板部10cに近接し、開口孔12周囲の気密材12aへ強く押付けられることで、羽根体13で開口孔12を確実に閉塞した強制閉止状態となる。これにより、一切漏れ等もなく、外部空気の室内側への進行、及び室内空気の外部側への進行が抑えられた状態となる。
そして、羽根体駆動装置14の動作解除指示を行えば、羽根体13の継手機構16による羽根体駆動装置14への拘束が解かれ、羽根体13は自由に傾動可能な状態に復帰する。羽根体13はその自重に伴う付勢力により室内寄りの規制板部10cから離れ、同時に開口孔12は開放されて再び換気可能な状態が得られる。
いずれの状態においても、羽根体13の軸部13a軸支部分は、羽根体13による閉鎖対象の各開口孔11、12部分から離れた位置にあり、且つ換気装置本体10における規制板部10cより室内側、並びに規制板部10bより外部側のいずれの領域からも確実に隔離可能な中空部10dに設けられているため、換気装置本体10において軸部13a軸支部分から室内空間や外部への空気の漏れは発生せず、開口孔11、12以外での空気の出入りを確実に防いで換気状態を適切に管理でき、且つ強制閉状態での気密も確保できる。
なお、この動作説明中では省略したが、建物における換気装置1設置箇所とは別の所定箇所には、換気装置1と同様の構成を有して、室内空間40と他の室内空間あるいは外部空間30との間の空気流通を制御する他の換気装置が一又は複数存在しており、風圧に応じた動作を個々に行いながら、結果として、換気装置1が外部空間30から室内空間40へ空気を取入れる際には、他の換気装置が逆に室内空間30から空気を流出させ、また、換気装置1が室内空間40から外部空間30へ空気を流出させる際には、他の換気装置が逆に室内空間40へ空気を流入させるなど、換気装置1と連係して換気動作しており、換気装置全体として換気対象となる室内空間30に対し自然風に基づく自然換気を確実に行える仕組みとなっている。
例えば、図7に示すように、建物内に一つの室内空間40があり、且つ建物の対向する二つの外壁に換気装置1、2をそれぞれ複数組設置している場合、外部空間30における自然風の風上側となる外壁に設けられる換気装置1では、外部空気の風圧が大きく、羽根体13を室内空間40寄りに傾動させながら外部空間30から室内空間40へ外部空気が流入する(図3参照)。一方、これと同時に、風下側となる外壁に設けられる他の換気装置2では、この風下側で外部空間30の圧力が下がっていることに伴って室内空気の風圧が相対的に大きくなり、羽根体13を外部空間30寄りに傾動させながら室内空間40から外部空間30へ室内空気が流出し(図5参照)、こうして自然風に基づく室内と外部との換気が実現することとなる。仮に自然風が所定限度以上の強風となった際には、風上側の換気装置では風圧で傾動した羽根体が室内寄りの開口孔を塞いで閉塞状態とし(図4参照)、また、風下側の換気装置では風圧で傾動した羽根体が外部寄りの開口孔を塞いで閉塞状態とし(図6参照)、室内空間40における空気の急激な流入出を防ぐ。
このように、本実施の形態に係る換気装置では、外部空間30と室内空間40に対しそれぞれ開口孔11、12を向けた箱状の換気装置本体10を配設すると共に、この換気装置本体10の二つの開口孔11、12間に生じる中空部10dには傾動する羽根体13を配設し、開口孔11、12間で二つの空間の圧力差に応じて羽根体13を自由に傾動させ、羽根体13と開口孔11、12との間隔を変化させて室内外の換気状態を調整することから、空気の風速や圧力が適正範囲を超える場合には風圧により羽根体13が傾動して流路をほぼ閉塞可能とし、各空間における空気の急速な流入と流出の両方を防いで適切な空気調和状況を乱さない一方、通常状態では開口孔11、12が適切な開放状態に維持されて通風状態を許容することができ、換気調節性能に優れる。また、羽根体13の軸部13aが、中空部10dの上部に配置され、羽根体13で開閉される各開口孔11、12に跨ることがなく、軸支部分も中空部10d以外の換気装置本体10他部分とは完全に隔離されることにより、開口面が平面状である開口孔11、12を板状の羽根体13で塞ぐのみの簡略な閉塞機構で換気装置本体10内流路の非連通状態を問題なく得られ、羽根体13構造を簡略化できる上、簡略な機構でも確実に空気の漏れを防げ、閉塞状態での気密の確保が低コストで実現できる。
なお、前記実施の形態に係る換気装置において、換気装置本体10は外部空気及び室内空気を横向きに通風可能な構造として形成される構成としているが、これに限らず、換気装置本体10の室内側端部を上向きに延伸して上向き開口として形成する構成とすることもでき、室内空間40に対する空気の出入りがほぼ上下方向となることで、室内空間40での不快な横方向への空気流の発生を確実に抑えられる。この場合、外部空気は室内寄りの開口孔12を通過した後、進行方向を上向きに変えられ、換気装置本体10の室内側端部から上向きに室内空間40に流入することとなる。また、室内空気は、換気装置本体10の室内側端部から下向きに進入し、換気装置本体10内を進んで進行方向を横向きに変えられ、室内寄りの開口孔12を通過し、中空部10dに進入することとなる。
また、前記実施の形態に係る換気装置においては、強制傾動手段としての羽根体駆動装置14を用いて、羽根体13を強制閉止状態まで駆動する構成としているが、これに限らず、羽根体13を強制的に傾動させる手段として手動操作機構を配設し、作業者が手操作で羽根体13を傾動可能とする構成とすることもでき、羽根体13の強制閉止のための機構を大幅に簡略化してコストダウンが図れる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、開口孔11、12とその周囲の規制板部10b、10cの配置や、羽根体13の軸支位置等を工夫し、羽根体13を傾動させると、軸部13a直下から重心がずれて軸部13a周りに回転モーメントが生じることを利用して、羽根体13を開口孔11、12間の中間位置にとどめる付勢力を発生させる構成としているが、これに限らず、付勢力を発生させる手段として、ばね等を用いる構成とすることもできる。さらに、羽根体13が、その軸部13aを軸支されることで傾動可能に支持される構成としているが、この他、例えば羽根体13の側端部が換気装置本体10側部に設けられる円弧状の溝に一部嵌合しつつ摺動自在に支持されるようにすることで、羽根体13を傾動可能とする構成を得ることもできる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、強制閉状態を羽根体13が室内寄り側の規制板部10cに当接して開口孔12を塞ぐ状態としているが、この他、羽根体13を外部寄り側の規制板部10bに強制的に当接させて開口孔11を塞ぐ状態としてもかまわない。
また、前記実施の形態に係る換気装置においては、外壁内部に設置して建物の外部空間30と室内空間40との換気に用いる構成としているが、これに限らず、外部に面する部屋に囲まれて一又は複数の部屋が存在するなど、室内空間が外部に面しない壁を隔てて隣合う場合に対応して、こうした室内空間の間の壁に換気装置を配設し、これら室内空間間の換気に用いることもでき、二つの室内空間間に適切な範囲内の圧力差が生じる際には、前記実施形態同様に換気が実現することとなる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、換気装置本体10の開口孔11、12や羽根体13はそれぞれ一つずつ配設する構成としているが、これに限らず、図8に示すように、換気装置本体10の開口孔11や羽根体13を羽根体13の傾動中心軸方向に複数配置する構成とすることもでき、換気装置本体10が羽根体13の傾動中心軸方向をはじめとする開口孔開口面積を大きくする向きに長尺となる形状とされた場合に、開口孔11や羽根体13が一つずつではこれらも長尺とせざるを得ず、長尺化に伴う施工性の悪化や、工作精度の劣化を招いてしまうなどの問題が生じるのに対し、こうした開口孔11や羽根体13を複数並べて配設することで、換気装置本体10が長尺となった場合でも一つ一つの開口孔11や羽根体13をそれぞれ長尺とせずに済み、これら開口孔11や羽根体13の長尺化に伴う前記問題点を回避できることとなり、羽根体13が傾動して開口孔11閉塞位置に達した状態での各羽根体13と開口孔11の相互の位置精度を高めて、より確実な閉塞状態が得られる。
また、前記実施の形態に係る換気装置において、換気装置本体10の開口部は、規制板部10b、10cに穿設された開口孔11、12として設けられる簡略な構成としているが、これに限らず、図9に示すように、換気装置本体17の端部に設けられた筒状部分の開口端を開口部18、19として用いる構成とすることもできる。さらに、開口部の開口面も必ずしも平面状に限らず、羽根体で無理なく閉塞可能なものであれば複雑な形状でもかまわない。ただし、開口部の開口面が平面状でない場合には、羽根体は二つの開口部に適切に対応するために立体形状を必要とする。
本発明の一実施形態に係る換気装置の正面概略図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における室内側への空気流入状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における室内側への空気流入時の閉止状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における外部側への空気流出状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における外部側への空気流出時の閉止状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置の配置状態説明図である。 本発明の一実施形態に係る換気装置における開口部分割配置状態説明図である。 本発明の他の実施形態に係る換気装置の断面図である。
符号の説明
1、2 換気装置
10、17 換気装置本体
10a 筒状部
10b、10c 規制板部
10d 中空部
10e 水抜き孔
11、12 開口孔
11a、12a 気密材
13 羽根体
13a 軸部
13b 錘
14 羽根体駆動装置
15 風量調整板
16 継手機構
18、19 開口部
20 窓枠
30 外部空間
31 外壁面
40 室内空間
41 室内壁面

Claims (9)

  1. 壁で仕切られた二つの空間のうち一方の空間側に一の開口部を位置させると共に、他方の空間側に他の開口部を位置させて配設され、前記一方の空間と他方の空間との間で空気流通可能とする換気装置本体と、当該換気装置本体内部に可動状態で配設され、空気の通過状態を調整する羽根体とを備える換気装置において、
    前記換気装置本体が、前記両開口部を除いた部分を閉じられて一の開口部と他の開口部との間に前記羽根体を収容する中空部を生じさせた箱状体とされてなり、
    前記羽根体が、前記換気装置本体の中空部横断面より小で且つ前記各開口部より大となる大きさとして形成され、少なくとも一の開口部を閉塞可能な位置から他の開口部を閉塞可能な位置までの角度範囲で傾動可能に配設されると共に、所定の付勢力で開口部間の中間位置にとどまろうとする傾動方向へ付勢されてなり、
    前記羽根体が、前記各空間から加わる風圧に応じて前記各開口部との間隔を変化させ、前記一方の空間から加わる風圧が一定限度以上の場合は他の開口部側へ近接して当該他の開口部をほぼ閉塞可能とし、また、前記他方の空間から加わる風圧が一定限度以上の場合は一の開口部側へ近接して当該一の開口部をほぼ閉塞可能とすることを
    特徴とする換気装置。
  2. 前記請求項1に記載の換気装置において、
    前記羽根体が、傾動中心に一致する軸部を有し、当該軸部が前記各開口部より上側で且つ羽根体の重心位置より上側となる配置で軸支され、
    前記羽根体に加わる付勢力が、羽根体重心位置の傾動中心直下からのずれに伴って生じる回転モーメントによるものとなることを
    特徴とする換気装置。
  3. 前記請求項2に記載の換気装置において、
    前記各開口部が、それぞれ開口面を平面状とされると共に、当該開口面の延長面同士が交わり、且つ当該延長面同士の交線位置が前記中空部の上部側に位置する配置とされ、
    前記羽根体が、板状体で形成されると共に、前記延長面同士の交線位置近傍を傾動の中心として配設されることを
    特徴とする換気装置。
  4. 前記請求項2又は3に記載の換気装置において、
    前記羽根体が、一又は複数の錘を取付けられることを
    特徴とする換気装置。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の換気装置において、
    前記羽根体をいずれか一方の開口部を閉塞する状態まで強制傾動させる強制傾動手段と、
    前記羽根体の自由な傾動を許容する状態と羽根体を前記強制傾動手段の拘束下におく状態とを切替え可能とされる動作切替手段とを備え、
    前記羽根体で換気装置本体における前記二空間の連通・非連通状態を強制的に切替え可能とすることを
    特徴とする換気装置。
  6. 前記請求項5に記載の換気装置において、
    前記強制傾動手段が、前記羽根体を傾動させる駆動力を発生させる駆動装置であることを
    特徴とする換気装置。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれかに記載の換気装置において、
    前記一の開口部の前記一方の空間側における近傍部分に、一の開口部との間隔を調整可能として配設される風量調整板を備えることを
    特徴とする換気装置。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれかに記載の換気装置において、
    前記換気装置本体の建物外部空間側に位置する開口部に隣接する面の最下部所定位置に、水を少なくとも前記中空部側から外部空間側へ通過させられる水抜き孔を設けることを
    特徴とする換気装置。
  9. 前記請求項1ないし8のいずれかに記載の換気装置において、
    前記換気装置本体における各開口部、及び羽根体が、羽根体傾動中心軸方向に複数並べて配設されることを
    特徴とする換気装置。
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