JP2008285664A - ポリアミド樹脂組成物、その硬化物、および物品。 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物を含有しなくても難燃性、耐熱性、および接着性に優れる硬化物を与え、かつフィルム状に形成した場合、十分なフレキシビリティーを有するエポキシ樹脂硬化剤用フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の組成物、硬化物およびこれらを用いたフレキシブルプリント配線板用材料等の物品に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。従来、最も一般的に使用されてきたエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂の硬化剤としては酸無水物やアミン系化合物が知られているが電気・電子部品分野では耐熱性などの信頼性の面からフェノールノボラックが使用されることが多い。また、硬化物に難燃性を賦与する目的で難燃剤が使用され、難燃剤としてはテトラブロモビスフェノールAおよびそのエポキシ化物、或いはテトラブロモビスフェノールAにビスフェノールA型エポキシ樹脂を反応させた化合物などの臭素を含有する化合物が一般的に知られている。
しかしながら、前記したような臭素を含有する化合物は、難燃性には優れているものの廃棄、焼却時に環境汚染の原因となる物質を発生させる可能性がある点が指摘されている。また難燃性助剤として使用されるアンチモン化合物も同様にその毒性が懸念されている。近年の環境保護意識の高まりからエポキシ樹脂組成物においてもハロゲンフリー、アンチモンフリーの要望が高まっている。また、フェノールノボラックを硬化剤として使用したエポキシ樹脂の硬化物は信頼性には優れているものの、その硬化物は剛直でフレキシビリティーに欠ける。近年の電気・電子部品の形態としては、従来の大型パッケージやガラス繊維を基材とした剛直な基板を用いた板状のものだけではなく、ポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、または柔軟性を持つシート状樹脂基板成型物が開発されており、これらはいずれも金属箔または金属回路に接触した積層構造としてフレキシブルプリント配線板に利用されている。該積層体は通常、ポリイミドや銅箔などの基材上にワニスの状態でエポキシ樹脂組成物を塗布し、溶剤を除去し、次いで塗布されたエポキシ樹脂組成物を硬化させることにより製造される。この場合使用される組成物には十分なフレキシビリティーと、ポリイミドや銅箔などの基材に対する高い接着性が要求される。また、電気・電子部品の信頼性という面からは樹脂組成物の純度と硬化物の耐熱性が要求されている。
しかしながら、前記したような臭素を含有する化合物は、難燃性には優れているものの廃棄、焼却時に環境汚染の原因となる物質を発生させる可能性がある点が指摘されている。また難燃性助剤として使用されるアンチモン化合物も同様にその毒性が懸念されている。近年の環境保護意識の高まりからエポキシ樹脂組成物においてもハロゲンフリー、アンチモンフリーの要望が高まっている。また、フェノールノボラックを硬化剤として使用したエポキシ樹脂の硬化物は信頼性には優れているものの、その硬化物は剛直でフレキシビリティーに欠ける。近年の電気・電子部品の形態としては、従来の大型パッケージやガラス繊維を基材とした剛直な基板を用いた板状のものだけではなく、ポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、または柔軟性を持つシート状樹脂基板成型物が開発されており、これらはいずれも金属箔または金属回路に接触した積層構造としてフレキシブルプリント配線板に利用されている。該積層体は通常、ポリイミドや銅箔などの基材上にワニスの状態でエポキシ樹脂組成物を塗布し、溶剤を除去し、次いで塗布されたエポキシ樹脂組成物を硬化させることにより製造される。この場合使用される組成物には十分なフレキシビリティーと、ポリイミドや銅箔などの基材に対する高い接着性が要求される。また、電気・電子部品の信頼性という面からは樹脂組成物の純度と硬化物の耐熱性が要求されている。
一方、従来のエポキシ樹脂の脆弱性を改良したエポキシ樹脂組成物として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびフェノール性水酸基を有する芳香族ポリアミド樹脂(特許文献1)の3者を含有するエポキシ樹脂組成物(特許文献2)が開示され、耐熱性と強靱性を有するものであることが記載されている。また、特許文献3には、エポキシ樹脂とフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が難燃性に優れ、また、フレキシブルプリント配線板用材料として有用である旨が記載されている。
しかしながら、これら文献に開示されている芳香族ポリアミド樹脂は、溶剤溶解性が著しく低いため、溶解可能な溶媒が限定される。溶解可能な溶媒には、例えば、アミド系溶媒や脂肪族ケトン類が挙げられるが、これらは一般に高沸点であるため、加工時、特に膜形成時における脱溶媒が容易でなく、その結果樹脂のTgが低く耐熱性が不十分となったり、半田耐熱性が不十分となったりすることがあり、一方、その他の脱溶媒の容易な溶剤への溶解性を改善することは困難であった。
また、特許文献4には、揮発性の高いアルコール類を主成分とする溶剤に芳香族ポリアミド樹脂を溶解させたワニスが開示されているが、アルコール類を主溶剤とすることにより、逆にワニス濃度が安定化せず、ワニスの貯蔵安定性が損なわれたり、ワニスを使用した塗膜作業に支障がでたりする。
また、特許文献4には、揮発性の高いアルコール類を主成分とする溶剤に芳香族ポリアミド樹脂を溶解させたワニスが開示されているが、アルコール類を主溶剤とすることにより、逆にワニス濃度が安定化せず、ワニスの貯蔵安定性が損なわれたり、ワニスを使用した塗膜作業に支障がでたりする。
本発明は、フレキシビリティー、電気特性、難燃性、接着性を保持したまま、成型時の脱溶媒性、樹脂の耐熱性、半田耐熱性等の点で充分満足させる性能を有した樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は前記課題を解決するため鋭意検討の結果、特定のフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂と2種以上の有機溶剤を含有することすることを特徴とする樹脂組成物によって、これまでの問題点を克服できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は
(1)下記式(1)
(式中、m、nは平均値で、0.005≦n/(m+n)≦1を示し、また、m+nは2〜200の正数である。Ar1は2価の芳香族基、Ar2はフェノール性水酸基を有する二価の芳香族基、Ar3は下記式(4)
(式(4)中R1は、O、S、P、F、Siを含んでもよい炭素数1〜6の置換基を表す。bは平均置換基数であって1〜4を表す。R2は、炭素数1〜3のアルキレン基(ただし、フッ素原子で置換されていても良い)を表す。)で表される二価の芳香族基を示す。)で表される構造を有する、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂、
及び
2種以上の有機溶剤(ただし、アルコール類が主溶剤である場合を除く)を含有することを特徴とする、樹脂組成物。
(2)式(4)において、R2が−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−であるポリアミド樹脂を含有する(1)記載の樹脂組成物。
(3)R1がエチル基である(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(4)全溶剤中にアルコール類が占める割合が0重量%以上30重量%以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(5)溶剤が少なくともアミド類、ケトン類、エーテル類または環状エステル系のうちの1種以上を含む(1)〜(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(6))2種以上使用する溶剤のうち、最大量使用する溶剤がアミド類、ケトン類、エーテル類または環状エステル系である(1)記載の樹脂組成物。
(7)エポキシ樹脂を含有する(1)〜(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物。
(9)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物または(8)記載の組成物の硬化物。
(10)(8)に記載の組成物、または(9)に記載の硬化物の層を有する物品。
に関する。
(1)下記式(1)
及び
2種以上の有機溶剤(ただし、アルコール類が主溶剤である場合を除く)を含有することを特徴とする、樹脂組成物。
(2)式(4)において、R2が−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−であるポリアミド樹脂を含有する(1)記載の樹脂組成物。
(3)R1がエチル基である(1)または(2)記載の樹脂組成物。
(4)全溶剤中にアルコール類が占める割合が0重量%以上30重量%以下である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(5)溶剤が少なくともアミド類、ケトン類、エーテル類または環状エステル系のうちの1種以上を含む(1)〜(4)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(6))2種以上使用する溶剤のうち、最大量使用する溶剤がアミド類、ケトン類、エーテル類または環状エステル系である(1)記載の樹脂組成物。
(7)エポキシ樹脂を含有する(1)〜(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれか一項に記載の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物。
(9)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の樹脂組成物または(8)記載の組成物の硬化物。
(10)(8)に記載の組成物、または(9)に記載の硬化物の層を有する物品。
に関する。
本発明の樹脂組成物は、薄膜状に成形した場合でも十分なフレキシビリティーを有し、また、その硬化物はフレキシビリティーに加えて、難燃性、耐熱性、接着性に優れているため、フレキシブル印刷配線基板の製造に広く用いることが可能であり、電気基板等、電気材料分野で極めて有用である。
本発明において使用されるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂は、前記式(1)で表される構造を有する限り特に制限はないが、下記式(2)
(式(2)中Ar3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。xは平均置換基数であって1〜4の正数を表す。)で表されるセグメントを持つ、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂が好ましい。
式(1)の構造および式(2)のセグメントにおける−Ar3−基は、下記式(4)
式(1)の構造および式(2)のセグメントにおける−Ar3−基は、下記式(4)
(式(4)中、中R1、O、S、P、F、Siを含んでもよい炭素数1〜6の置換基を表す。bは平均置換基数であって1〜4を表す。R2は、炭素数1〜3のアルキレン基(ただし、フッ素原子で置換されていても良い)を表す。)
で表される構造を有する。
式(4)において、好ましいR1としては、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の鎖状アルキル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等が挙げられ、互いに同一でも異なっていてもよいが、全て同一であるものが好ましく、エチル基が特に好ましい。また、式(4)において、好ましいR2としては、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−が挙げられる。なお、式(4)において、−NH−基が3,4’−または4,4’−結合となるような構造を選択するのが好ましい。
で表される構造を有する。
式(4)において、好ましいR1としては、水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の鎖状アルキル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等が挙げられ、互いに同一でも異なっていてもよいが、全て同一であるものが好ましく、エチル基が特に好ましい。また、式(4)において、好ましいR2としては、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−が挙げられる。なお、式(4)において、−NH−基が3,4’−または4,4’−結合となるような構造を選択するのが好ましい。
また、本発明におけるフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂は、式(1)の構造を有していれば、ブタジエン部位やブタジエン−アクリロニトリル共重合部位などのエラストマー構造や、他の構造のセグメントを有していてもよい。
本発明において使用されるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂は、通常フェノール性水酸基含有ジカルボン酸、場合により他の芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとを、縮合剤を用い縮合反応させることによって得られる。また、縮合反応後に両末端カルボン酸または両末端アミンのエラストマーを反応させエラストマー構造を導入することもできる。
本発明において使用されるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の合成については例えば特許2969585号公報等に記載されている方法が応用できる。すなわち芳香族ジアミン成分と、芳香族ジカルボン酸成分(フェノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸及び、場合によりこれと併用されるフェノール性水酸基を有しない芳香族ジカルボン酸)を亜りん酸エステルとピリジン誘導体の存在下に行う。この製造方法によれば、官能基であるフェノール性水酸基を保護することなしに、更にフェノール性水酸基と他の反応基、例えばカルボキシル基やアミノ基との反応を起こすことなしに、直鎖状の芳香族ポリアミド樹脂を容易に製造できる。また、重縮合に際して高温を必要としない、すなわち約150℃以下で重縮合可能という利点も有する。
以下、本発明で使用される芳香族ポリアミド共重合体の製造方法についてより詳しく説明する。フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂を製造するために使用する芳香族ジアミンとしては、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−ジエチルジフェニル)メタン、ビス(4−ジアミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5ジエチルフェニル)メタン等のビスアミノフェニルメタン誘導体;1,1’−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,1’−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)エタン、1,1’−ビス(4−アミノ−3−エチルフェニル)エタン、1,1’−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)エタン、1,1’−(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)エタン等のビスアミノフェニルエタン誘導体;2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)−プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)−プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)−プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)−プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、および2,2’−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のビスアミノフェニルプロパン誘導体等が挙げられ、ビスアミノフェニルメタン誘導体が好ましい。
前記フェノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸としては、芳香族環が1つのカルボキシル基と1つ以上の水酸基を有する構造であれば特に制限はなく、例えば5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、3−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸等ベンゼン環上に1つのヒドロキシ基と2つのカルボキシル基を有するジカルボン酸を挙げることができる。これらフェノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸のうち、得られるポリマーの溶剤溶解性、純度、およびエポキシ樹脂組成物としたときの電気特性、金属箔およびポリイミドへの接着性等の面から5−ヒドロキシイソフタル酸が好ましい。フェノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸は、全カルボン酸成分中で0.5モル%以上100モル%未満となる割合で使用する。この仕込み比が、式(1)におけるn/(n+m)を決定する。
また前記フェノール性水酸基を有しない芳香族ジカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−オキシ二安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−、メチレン二安息香酸、4,4’−メチレン二安息香酸、4,4’−チオ二安息香酸、3,3’−カルボニル二安息香酸、4,4’−カルボニル二安息香酸、4,4’−スルフォニル二安息香酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられイソフタル酸が好ましい。
上記亜りん酸エステルとしては、亜りん酸トリフェニル、亜りん酸ジフェニル、亜りん酸トリ−o−トリル、亜りん酸ジ−o−トリル、亜りん酸トリ−m−トリル、亜りん酸トリ−p−トリル、亜りん酸ジ−p−トリル、亜りん酸ジ−p−クロロフェニル、亜りん酸トリ−p−クロロフェニル、亜りん酸ジ−p−クロロフェニル等が挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
また、亜りん酸エステルと共に使用するピリジン誘導体としては、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、2,4−ルチジンなどを例示することが出来る。
本発明において使用されるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の製造において使用される縮合剤は、上記亜りん酸エステルとピリジン誘導体であるがピリジン誘導体は有機溶媒に添加して用いられるのが一般的である。該有機溶媒としては亜りん酸エステルと実質的に反応せず、かつ上記芳香族ジアミンと上記ジカルボン酸とを良好に溶解させる性質を有するほか、反応生成物であるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂に対する良溶媒であることが望ましい。この様な有機溶媒としては、N−メチルピロリドンやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒の他、トルエン、メチルエチルケトン、またはこれらとアミド系溶媒との混合溶媒が挙げられ、中でもN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。通常、ピリジン誘導体と溶媒の混合物中で、ピリジン誘導体が5〜30重量%を占める量で添加した混合物が使用される。
また、重合度の大きいフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂を得るには、上記亜りん酸エステルとピリジン誘導体との他に、塩化リチウム、塩化カルシウムなどの無機塩類を添加することが好ましい。
以下、本発明において使用されるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の製造方法をより具体的に説明する。まず、ピリジン誘導体を含む有機溶媒からなる混合溶媒中に亜りん酸エステルを添加し、これに芳香族ジカルボン酸成分と、該ジカルボン酸1モルに対して0.5〜2モルの芳香族ジアミン成分を添加し、次いで窒素などの不活性雰囲気下で加熱撹拌する。反応終了後、反応混合物を水、メタノール、あるいはヘキサンなどの貧溶媒と反応液混合して生成重合体を分離した後、再沈殿法によって精製を行って副生成物や無機塩類などを除去することにより、前記式(1)で表される構造を有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂を得ることが出来る。
上記製造方法において縮合剤である亜りん酸エステルの添加量は、通常、カルボキシル基に対して等モル以上であるが、30倍モル以上は効率的ではない。また、亜りん酸トリエステルを用いた場合、副生する亜りん酸ジエステルも縮合剤であるため、通常の80モル%程度でもよい。ピリジン誘導体の量はカルボキシル基に対して等モル以上であることが必要であるが、実際には反応溶媒としての役割を兼ねて大過剰使用されることが多い。上記ピリジン誘導体と有機溶媒とからなる混合物の使用量は、理論上得られるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂100重量部に対して、5〜30重量部となるような範囲が好ましい。反応温度は、通常60〜180℃が好ましい。反応時間は反応温度により大きく影響されるが、いかなる場合にも最高の重合度を表す最高粘度が得られるまで反応系を撹拌することが好ましく、通常数分から20時間である。上記好ましい反応条件下で、縮合反応を行うと、式(1)におけるn+mが2〜100程度の平均重合度を有するフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂を得ることが出来る。
本発明において使用するフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の固有粘度値(30℃における0.5g/dlのN,N−ジメチルアセトアミド溶液で測定)は0.1〜4.0dl/gの範囲にあるものが好ましい。一般に好ましい平均重合度を有するか否かは、固有粘度を参照することにより判断する。固有粘度が0.1dl/gより小さいと、成膜性や芳香族ポリアミド樹脂としての性質出現が不十分であるため、好ましくない。逆に固有粘度が4.0dl/gより大きいと、重合度が高すぎ溶剤溶解性が悪くなり、かつかつ成形加工性が悪くなるといった問題が発生する。
フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の重合度を調節する簡便な方法としては、芳香族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸のどちらか一方を過剰に使用する方法を挙げることが出来る。
エラストマーを導入する時の、両末端カルボン酸または両末端アミンエラストマーの具体例としては、両末端カルボン酸ポリブタジエン(例えば宇部興産株式会社製:CTB)または両末端カルボン酸ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(例えば宇部興産株式会社製:CTBN)が好ましい。両末端カルボン酸または両末端アミンエラストマーの使用量は、前記で得られたフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基またはアミノ基1モルに対して、該エラストマーの末端アミノ基またはカルボキシル基が0.05〜1.2モルとなる程度である。また、重量比では前記で得られたフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂に対して、20〜200重量%、好ましくは同量の該エラストマーを使用する。
本発明の樹脂組成物は、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂および2種以上の有機溶剤を含有する態様であれば特に制限はないが、たとえば上記のフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂が2種以上の溶剤に溶解してなる樹脂溶液が挙げられる。この樹脂溶液は、例えば上述の樹脂精製工程において溶解、沈殿を繰り返した後、さらに得られた樹脂(場合によりこの後エラストマー変性した樹脂)を2種以上の溶剤に溶解して得ることができる。
ここで用いることができる有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(以下DMAC)等のアミド類;アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、シクロヘキサン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の炭化水素類;トリクロロエタン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、クレゾール、キシレノール、クロロフェノール等のフェノール類;ジオキサン、1,2−ジメトキシメタン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類;テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。これら有機溶剤のうち、フェノール水酸基含有ポリアミド樹脂の良溶媒が好ましいが、使用する有機溶剤のうち少なくとも1種が良溶媒であれば、他のものが貧溶媒であっても構わない。これら有機溶剤のうち1種類は、アミド類、ケトン類、エーテル類(好ましくはグリコールエーテル類)または環状エステル類が好ましく、中でもシクロペンタノン、シクロヘキサノン、DMF、DMAC、NMP、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトンが好ましい。また、上記有機溶媒の組み合わせにおいて、最大量使用する溶媒は、フェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂の良溶媒(アルコール類を除く)が好ましい。
また、有機溶剤の一部に主成分とならない程度の量のアルコール類を使用することもできる。アルコール類としては、アルコール性水酸基を持つものであれば特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブチルアルコール等の脂肪族1価アルコール、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール、ベンジルアルコール等の芳香族系アルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等の特殊アルコール、等が挙げられる。アルコール類は、全有機溶剤中で通常0重量%以上30重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下となる割合で使用できる。
2種以上の有機溶剤の混合割合は、混合時にフェノール水酸基含有ポリアミド樹脂が可溶である良溶媒であれば特に限定されないが、たとえば主となる良溶媒100重量部に対し、それ以外の良溶媒を通常200〜0.3重量部、好ましくは100〜0.3重量部混合することができる。また貧溶媒を使用する場合は、たとえば主となる良溶媒100重量部に対し、150〜0.1重量部であるが、貧溶媒の種類などによっては30〜0.1重量部混合することもできる。また、これら有機溶剤は良溶媒、貧溶媒いずれも2種類もしくは3種以上を組合せて用いることができる。また、全有機溶剤の使用量は、ポリアミド樹脂組成物中の樹脂(ポリアミド樹脂及びエポキシ樹脂等のその他樹脂を含む)濃度が、通常10〜80重量%、好ましくは10〜70重量%となる範囲が好ましい。
本発明の樹脂組成物は上記各成分を所定の割合で均一に混合して得られ、フィルム状に成形した後、溶剤をして例えば絶縁性フィルムとして使用することができる。また本発明の樹脂組成物を、フレキシブルプリント配線板用接着シート、フレキシブルプリント配線板用補強板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイ、片面または両面金属張樹脂積層板の樹脂層等のフレキシブルプリント配線板用材料を構成する材料の一つとして使用する場合、エポキシ樹脂を含有する熱硬化性の組成物として使用される。この場合、用いられるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物であるならば特に限定はされない。具体的には、例えばポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられるが、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環のような芳香族環を有するポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂または各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂が好ましい。
前記においてポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールC、ビスフェノールK、ビスフェノールM、ビスフェノールP、ビスフェノールAD、ビスフェノールAP、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS等のビスフェノール型ジエポキシ化合物;水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ樹脂、等の水素化ビスフェノール型ジエポキシ化合物、;4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール又はビフェノールまたはテトラメチルビフェノール等のビフェノール類若しくは1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビキシレノール、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類またはフェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノール化合物を原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
また、脂環式エポキシ樹脂としては、例えばシクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールのグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
また、複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等が挙げられ、グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等が挙げられ、グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
また、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えば臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のハロゲノ化ビスフェノール型ジエポキシ化合物;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ樹脂等のビスフェノール型ジエポキシ化合物;ブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
その他、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン若しくはジ−ter.ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、又はレゾルシノール若しくはメチルレゾルシノール等のレゾルシノール類、又はカテコール若しくはメチルカテコール等のカテコール類、又はジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン若しくはジヒドロキシジメチルナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類のグリシジル化物やフェノール類若しくはナフトール類とアルデヒド類との縮合物、又はフェノール類若しくはナフトール類とキシリレングリコールとの縮合物、又はフェノール類とイソプロペニルアセトフェノンとの縮合物、又はフェノール類とジシクロペンタジエンとの反応物、又はビスメトキシメチルビフェニルとナフトール類若しくはフェノール類との縮合物のグリシジル化物、ポリサルファイドジグリシジルエーテル等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。これらは、市販若しくは公知の方法により得ることができ、またこれらのものに制限されない。
本発明の樹脂組成物で用いられるエポキシ樹脂の市販品としては、例えばエピコート828、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1003、エピコート1004(いずれもジャパンエポキシレジン製)、エポミックR−140、エポミックR−301、エポミックR−302、エポミックR−304(いずれも三井化学製)、DER−331、DER−332、DER−324(いずれもダウ・ケミカル社製)、エピクロン840、エピクロン850(いずれも大日本インキ製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド社製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−2001、YDF−2004、YDF−8170(いずれも東都化成社製)、エピクロン830、エピクロン835(いずれも大日本インキ製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;HBPA−DGE(丸善石油化学製)、リカレジンHBE−100(新日本理化製)等の水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂;DER−513、DER−514、DER−542(いずれもダウ・ケミカル社製)等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社製)、エピコート154(ジャパンエポキシレジン(株)製)、RE−306(日本化薬(株)製)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(何れも日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;EPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(何れも日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のトリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;エピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等のジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂;NC−3000、NC−3000H(何れも日本化薬(株)製)、YL−6121(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のビフェノール型エポキシ樹脂;エピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE157S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;NC−7000、NC−7300(何れも日本化薬(株)製)、EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等のナフタレン骨格含有エポキシ樹脂;セロキサイド2021、EHPE−3150(何れもダイセル化学工業(株)製)、リカレジンDME−100(新日本理化製)、EX−216(ナガセ化成製)等の脂環式エポキシ樹脂;TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(何れも日産化学工業(株)製)等の複素環式エポキシ樹脂;ED−503(旭電化製)、リカレジンW−100(新日本理化製)、EX−212、EX−214、EX−850(いずれもナガセ化成製)等の脂肪族ジグリシジルエーテル化合物;FLEP−50、FLEP−60(いずれも東レチオコール製)等のポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物;が挙げられる。
これらエポキシ樹脂は単独で、もしくは2種以上を組合せて用いることができる。
これらエポキシ樹脂は単独で、もしくは2種以上を組合せて用いることができる。
エポキシ樹脂を含有する本発明の樹脂組成物において、フェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂は硬化剤として作用するが、該ポリアミド樹脂以外に他の硬化剤を併用しても良い。併用できる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、各種ノボラック樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格含有フェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格含有フェノールノボラック樹脂、フラン骨格含有フェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂、ビスフェノール型のポリフェノール化合物、水素化ビスフェノール型化合物、ビフェノール類、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソプロピリデン骨格を有するフェノール類およびこれらの変性物、フルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらをフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂と併用する場合、該ポリアミド樹脂が全硬化剤中に占める割合としては通常10重量%以上、好ましくは20重量%以上である。
エポキシ樹脂を含有する本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2活性水素当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7活性水素当量に満たない場合、あるいは1.2活性水素当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。本発明のフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂の活性水素当量は、反応時に仕込んだフェノール性水酸基含有芳香族ジカルボン酸の量と芳香族ジアミン成分の量から算出することが出来る。
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類及びそれらの誘導体、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられが、これら以外でも、一般的にエポキシ樹脂の促進剤として使用されるものであれば、使用して差し支えない。硬化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜15.0重量部が必要に応じ用いられる。
本発明の樹脂組成物は必要によりその他の添加剤を含有する。
用いることのできるその他の添加剤としては、例えば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、タルク、カオリン、クレーや金属粉末、ガラス短繊維、ガラスビーズ等の無機充填材及びそれらの表面処理剤、各種樹脂ビーズや短繊維等の有機充填材及びそれらの表面処理剤、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、シリコーン系、フッ素系等のレベリング剤や消泡剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン等)、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
用いることのできるその他の添加剤としては、例えば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカ、タルク、カオリン、クレーや金属粉末、ガラス短繊維、ガラスビーズ等の無機充填材及びそれらの表面処理剤、各種樹脂ビーズや短繊維等の有機充填材及びそれらの表面処理剤、アエロジル等のチキソトロピー付与剤、シリコーン系、フッ素系等のレベリング剤や消泡剤、分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン等)、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
また、着色材料として例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系等の有機顔料、酸化チタン、酸化クロム、カーボンブラック、ベンガラ、群青、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タルク等の無機顔料を含有させることもできる。
これら添加剤、着色材料は、プラネタリー、ニーダー、ロール、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ディゾルバー等の混合機、混練機、分散機等により、一般公知の方法で混合することができる。
本発明の樹脂組成物を乾燥した組成物は、例えば、上記の樹脂組成物をそれ自体公知のグラビアコート法、スクリーン印刷、メタルマスク法、スピンコート法などの各種塗工方法により平面状支持体上に乾燥後の厚さが所定の厚さ、例えば5〜500μmになるように塗布後乾燥して得られるが、どの塗工法を用いるかは基材の種類、形状、大きさ、塗膜の膜厚により適宜選択される。基材としては、例えばポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種高分子および/またはその共重合体から作られるフィルム、或いは銅箔等の金属箔であり、ポリイミド又は金属箔が好ましい。
本発明の樹脂組成物から溶剤を乾燥により除去した後、更に加熱することにより本発明の硬化物を得ることが出来る。加熱工程は、80〜320℃で15分〜10時間、乾燥機や熱プレス、加熱炉等により行う。
本発明の樹脂組成物、その硬化物、および物品の好ましい用途としてはフレキシブルプリント配線板用接着シート、フレキシブルプリント配線板用補強板、フレキシブルプリント配線板用カバーレイ、片面または両面金属張樹脂積層板の樹脂層(以下、これらをあわせてフレキシブルプリント配線板用材料という)が挙げられ、本発明の樹脂組成物、その硬化物はこれらを構成するフレキシブルプリント配線板用の接着剤または樹脂層として機能する。これらの用途には平面状支持体が剥離フィルムとしての機能を有する場合もある。
また本発明の樹脂組成物を、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、本発明の樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜80重量%、好ましくは15〜75重量%を占める量を用いる。
次に本発明を更に実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
合成例1
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けた300mlフラスコに窒素ガスパージを施し、5−ヒドロキシイソフタル酸7.80g、イソフタル酸0.38g、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)エタン(日本化薬(株)製C300S)14.00g、塩化リチウム0.36g、N−メチルピロリドン75.00g、ピリジン10.38gを加え撹拌溶解させた後亜りん酸トリフェニル30.09gを加えて90℃で8時間反応させ、下記式(7)
温度計、冷却管、撹拌器を取り付けた300mlフラスコに窒素ガスパージを施し、5−ヒドロキシイソフタル酸7.80g、イソフタル酸0.38g、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)エタン(日本化薬(株)製C300S)14.00g、塩化リチウム0.36g、N−メチルピロリドン75.00g、ピリジン10.38gを加え撹拌溶解させた後亜りん酸トリフェニル30.09gを加えて90℃で8時間反応させ、下記式(7)
(式(7)中のn/(m+n)=0.95である。)で表されるフェノール性水酸基含有芳香族ポリアミド樹脂(D)の反応液を得た。
この反応液を室温に冷却した後、メタノール60gに投入し析出した樹脂を濾別し、更に樹脂をメタノール60gで洗浄した後、メタノール中で還流して精製した。次いで室温まで冷却した後濾過し、濾過物を乾燥させて樹脂粉末(A)を得た。得量は11.0gで収率94%であった。この樹脂粉末のエポキシ基に対する活性水素当量は計算値で896g/eqである。
この反応液を室温に冷却した後、メタノール60gに投入し析出した樹脂を濾別し、更に樹脂をメタノール60gで洗浄した後、メタノール中で還流して精製した。次いで室温まで冷却した後濾過し、濾過物を乾燥させて樹脂粉末(A)を得た。得量は11.0gで収率94%であった。この樹脂粉末のエポキシ基に対する活性水素当量は計算値で896g/eqである。
実施例1
合成例1で得られた樹脂粉末(A)10gに対しエポキシ樹脂としてNC−3000を3.09g(日本化薬株式会社製、エポキシ当量265から285g/eq)、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(2MZ)を0.05g加え、溶剤としてジメチルホルムアミド16g及びシクロペンタノン4gを加え、撹拌、混合することにより本発明のポリアミド樹脂組成物(F)を得た。
合成例1で得られた樹脂粉末(A)10gに対しエポキシ樹脂としてNC−3000を3.09g(日本化薬株式会社製、エポキシ当量265から285g/eq)、硬化促進剤として2−メチルイミダゾール(2MZ)を0.05g加え、溶剤としてジメチルホルムアミド16g及びシクロペンタノン4gを加え、撹拌、混合することにより本発明のポリアミド樹脂組成物(F)を得た。
実施例2
実施例1において、溶剤としてシクロペンタノンをNMPに変更した以外は同様にして、本発明のポリアミド樹脂組成物(G)を得た。
実施例1において、溶剤としてシクロペンタノンをNMPに変更した以外は同様にして、本発明のポリアミド樹脂組成物(G)を得た。
実施例3
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが80μmになるように塗布し、100℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが80μmになるように塗布し、100℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例4
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、140℃で3分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、140℃で3分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。
実施例5
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)を厚さ25μmのポリイミド(ユーピレックス25SGA 宇部興産株式会社製)上にロールコーターを用いて、乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、140℃で3分間乾燥し、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物の層を有する物品であるカバーレイフィルムを得た。
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)を厚さ25μmのポリイミド(ユーピレックス25SGA 宇部興産株式会社製)上にロールコーターを用いて、乾燥後の厚さが20μmになるように塗布し、140℃で3分間乾燥し、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物の層を有する物品であるカバーレイフィルムを得た。
実施例6
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)を厚さ25μmのポリイミド(ユーピレックス25SGA 宇部興産株式会社製)上にロールコーターを用いて、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、乾燥条件140℃、3分で溶剤を除去した。この半硬化状態の接着剤付きユーピレックスフィルムの接着剤面に厚さ18μmのBHN箔(商品名;ジャパンエナジー社製圧延銅箔)の粗化処理面を貼り合わせ、170℃、5MPaで60分間加熱圧着して本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物の硬化物の層を有する物品である片面銅張樹脂積層板を得た。得られた片面銅張樹脂積層板を2cm角に切り出し、265℃のホットプレート上に30秒乗せ、外観を観察した。結果を表1に示した。
実施例1のポリアミド樹脂組成物(F)を厚さ25μmのポリイミド(ユーピレックス25SGA 宇部興産株式会社製)上にロールコーターを用いて、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、乾燥条件140℃、3分で溶剤を除去した。この半硬化状態の接着剤付きユーピレックスフィルムの接着剤面に厚さ18μmのBHN箔(商品名;ジャパンエナジー社製圧延銅箔)の粗化処理面を貼り合わせ、170℃、5MPaで60分間加熱圧着して本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物の硬化物の層を有する物品である片面銅張樹脂積層板を得た。得られた片面銅張樹脂積層板を2cm角に切り出し、265℃のホットプレート上に30秒乗せ、外観を観察した。結果を表1に示した。
実施例7
実施例3のシート状フィルムを150℃にて30分、続けて300℃にて30分加熱することにより、本発明の組成物の硬化物である補強板を得た。この補強板の耐熱性をDMA法にて測定した。結果を表1に示した。
実施例3のシート状フィルムを150℃にて30分、続けて300℃にて30分加熱することにより、本発明の組成物の硬化物である補強板を得た。この補強板の耐熱性をDMA法にて測定した。結果を表1に示した。
実施例8
合成例1で得られた樹脂粉末(A)10gに対しエポキシ樹脂としてRE−602を0.4g(日本化薬株式会社製、エポキシ当量164g/eq)、
硬化促進剤として、2,4‐ジアミノ‐6‐[2'‐ウンデシルイミダゾリル‐(1')]−エチル‐s‐トリアジン(商品名キュアゾールC11Z−A、四国化成工業株式会社製)を0.1g加え、溶剤としてγ-ブチロラクトン20g及びジメチルアセトアミド4gを加え、撹拌、混合することにより本発明のポリアミド樹脂組成物(I)を得た。
合成例1で得られた樹脂粉末(A)10gに対しエポキシ樹脂としてRE−602を0.4g(日本化薬株式会社製、エポキシ当量164g/eq)、
硬化促進剤として、2,4‐ジアミノ‐6‐[2'‐ウンデシルイミダゾリル‐(1')]−エチル‐s‐トリアジン(商品名キュアゾールC11Z−A、四国化成工業株式会社製)を0.1g加え、溶剤としてγ-ブチロラクトン20g及びジメチルアセトアミド4gを加え、撹拌、混合することにより本発明のポリアミド樹脂組成物(I)を得た。
実施例9
実施例8のポリアミド樹脂組成物(I)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例8のポリアミド樹脂組成物(I)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例10
合成例1で得られた樹脂粉末(A)10gに対しエポキシ樹脂としてRE−602を0.9g(日本化薬株式会社製、エポキシ当量164g/eq)、硬化剤としてGPH−65を0.7g(日本化薬株式会社製)、硬化促進剤として、2,4‐ジアミノ‐6‐[2'‐ウンデシルイミダゾリル‐(1')]−エチル‐s‐トリアジン(商品名キュアゾールC11Z−A、四国化成工業株式会社製)を0.1g加え、溶剤としてメチルカルビトール20g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4gを加え、撹拌、混合することにより本発明のポリアミド樹脂組成物(K)を得た。
合成例1で得られた樹脂粉末(A)10gに対しエポキシ樹脂としてRE−602を0.9g(日本化薬株式会社製、エポキシ当量164g/eq)、硬化剤としてGPH−65を0.7g(日本化薬株式会社製)、硬化促進剤として、2,4‐ジアミノ‐6‐[2'‐ウンデシルイミダゾリル‐(1')]−エチル‐s‐トリアジン(商品名キュアゾールC11Z−A、四国化成工業株式会社製)を0.1g加え、溶剤としてメチルカルビトール20g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル4gを加え、撹拌、混合することにより本発明のポリアミド樹脂組成物(K)を得た。
実施例11
実施例10のポリアミド樹脂組成物(K)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例10のポリアミド樹脂組成物(K)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、130℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、本発明の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物であるシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
比較例1
実施例1において、シクロペンタノンを使用せず、溶剤としてDMF20gを使用した他は実施例3と同様にして、比較用のポリアミド樹脂組成物(H)を得た。
実施例1において、シクロペンタノンを使用せず、溶剤としてDMF20gを使用した他は実施例3と同様にして、比較用のポリアミド樹脂組成物(H)を得た。
比較例2
実施例3において、実施例1のポリアミド樹脂組成物の代わりに比較例1のポリアミド樹脂組成物を使用した以外は実施例3と同様にして、比較例1のポリアミド樹脂組成物(H)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが80μmになるように塗布し、100℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、比較用のシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例3において、実施例1のポリアミド樹脂組成物の代わりに比較例1のポリアミド樹脂組成物を使用した以外は実施例3と同様にして、比較例1のポリアミド樹脂組成物(H)をPETフィルム上に乾燥後の厚さが80μmになるように塗布し、100℃で10分間乾燥しPETフィルムを除去することにより、比較用のシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
比較例3
実施例6において、実施例1のポリアミド樹脂ワニスの代わりに比較例1のポリアミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例6と同様にすることにより、比較用の片面銅張樹脂積層板を得た。得られた比較用の片面銅張樹脂積層板を2cm角に切り出し、265℃のホットプレート上に30秒乗せ、外観を観察した。結果を表1に示した。
実施例6において、実施例1のポリアミド樹脂ワニスの代わりに比較例1のポリアミド樹脂ワニスに変更した以外は実施例6と同様にすることにより、比較用の片面銅張樹脂積層板を得た。得られた比較用の片面銅張樹脂積層板を2cm角に切り出し、265℃のホットプレート上に30秒乗せ、外観を観察した。結果を表1に示した。
比較例4
比較例2のシート状フィルムを150℃にて30分、続けて300℃にて30分加熱することにより、比較用の補強板を得た。この補強板の耐熱性をDMA法にて測定した。結果を表1に示した。
比較例2のシート状フィルムを150℃にて30分、続けて300℃にて30分加熱することにより、比較用の補強板を得た。この補強板の耐熱性をDMA法にて測定した。結果を表1に示した。
比較例5
実施例8において、ジメチルアセトアミドを使用せず、溶剤としてγ‐ブチロラクトン24gを使用した他は実施例8と同様にして、比較用のポリアミド樹脂組成物(J)を得た。
実施例8において、ジメチルアセトアミドを使用せず、溶剤としてγ‐ブチロラクトン24gを使用した他は実施例8と同様にして、比較用のポリアミド樹脂組成物(J)を得た。
比較例6
実施例9において、実施例8のポリアミド樹脂組成物(I)の代わりに比較例5のポリアミド樹脂組成物(J)を使用した以外は実施例9と同様にして、比較用のシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例9において、実施例8のポリアミド樹脂組成物(I)の代わりに比較例5のポリアミド樹脂組成物(J)を使用した以外は実施例9と同様にして、比較用のシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
比較例7
実施例10において、プロピレングリコールモノメチルエーテルを使用せず、溶剤としてメチルカルビトール24gを使用した他は実施例10と同様にして、比較用のポリアミド樹脂組成物(L)を得た。
実施例10において、プロピレングリコールモノメチルエーテルを使用せず、溶剤としてメチルカルビトール24gを使用した他は実施例10と同様にして、比較用のポリアミド樹脂組成物(L)を得た。
比較例8
実施例11において、実施例10のポリアミド樹脂組成物(K)の代わりに比較例7のポリアミド樹脂組成物(L)を使用した以外は実施例11と同様にして、比較用のシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
実施例11において、実施例10のポリアミド樹脂組成物(K)の代わりに比較例7のポリアミド樹脂組成物(L)を使用した以外は実施例11と同様にして、比較用のシート状フィルムを得た。得られたシート状フィルムに含有する残溶剤量を定量した。結果を表1に示した。
このように本発明のフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂及び2種以上の溶剤を含有する樹脂組成物は、乾燥時の残溶剤を低減させ、耐熱性に優れる。
Claims (10)
- 下記式(1)
及び
2種以上の有機溶剤(ただし、アルコール類が主溶剤である場合を除く)を含有することを特徴とする、樹脂組成物。 - 式(4)において、R2が−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−であるポリアミド樹脂を含有する請求項1記載の樹脂組成物。
- R1がエチル基である請求項1または2記載の樹脂組成物。
- 全溶剤中にアルコール類が占める割合が0重量%以上30重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 溶剤が少なくともアミド類、ケトン類、エーテル類または環状エステル系のうちの1種以上を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 2種以上使用する溶剤のうち、最大量使用する溶剤がアミド類、ケトン類、エーテル類または環状エステル系である請求項1記載の樹脂組成物。
- エポキシ樹脂を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂組成物を乾燥して得られる組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂組成物または請求項8記載の組成物の硬化物。
- 請求項8に記載の組成物、または請求項9に記載の硬化物の層を有する物品。
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-
2008
- 2008-04-15 JP JP2008105804A patent/JP2008285664A/ja active Pending
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