JP2008284758A - 成形方法および成形型 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形型を構成する複数の型ブロックの温度制御能力を均一化して、成形品の精度の向上を実現する。
【解決手段】射出成形金型Mを構成する型ブロックである固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各々の熱容量Cと、これらの各々に設けられた熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの各々の流路容積Qとの比である係数k=C/Qが、各型ブロックの間でほぼ等しくなるように、各型ブロックに設けられた熱媒体流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を設定し、複数の型ブロックの温度制御能力を均一化して、射出成形金型M内の成形品の均一な冷却を可能にして成形品の精度の向上を実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】射出成形金型Mを構成する型ブロックである固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各々の熱容量Cと、これらの各々に設けられた熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの各々の流路容積Qとの比である係数k=C/Qが、各型ブロックの間でほぼ等しくなるように、各型ブロックに設けられた熱媒体流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を設定し、複数の型ブロックの温度制御能力を均一化して、射出成形金型M内の成形品の均一な冷却を可能にして成形品の精度の向上を実現する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、成形技術に関し、たとえば、熱可塑性素材の成形技術等に適用して有効な技術に関する。
たとえば、射出成形では加熱軟化した樹脂を冷却固化させるために金型内に設けられた媒体流路に冷却媒体を通して金型を所定の温度に制御している。
しかしながら、この媒体流路は、金型の構造上の関係から固定側、可動側の金型内にそれぞれ同じような流路形状を確保することが難しい。
しかしながら、この媒体流路は、金型の構造上の関係から固定側、可動側の金型内にそれぞれ同じような流路形状を確保することが難しい。
そのため、当該媒体流路の引き回し経路や形状等の差異により金型の固定側と可動側での冷却能力に差が生じてしまい、結果として成形品の均一な冷却が行われず、成形品のそりなどの変形が生じる一因となる。また、成形品が光学素子の場合においては、光学面の面精度の悪化をもたらす。
このような現象は、特に金型に対する樹脂の充填後の冷却時間が短いときに顕著に現れ、冷却時間が長くなるにつれて流入樹脂によって上昇した金型温度が、徐々に固定側、可動側共に冷却媒体の制御温度に近づくために解消される。
よって、これまでは金型に対する樹脂の充填後の冷却時間を十分長く取ることで上述のような不均一な冷却に起因する技術的課題に対処してきた。しかしながら、冷却時間を長く取るということは1回の成形サイクルを長くすることに等しいため、このような対処法をとると、単位時間当たりの成形品の製造個数や成形装置の稼働率の低下につながり、結果的に成形工程のコストが上昇する。
このような背景の中で、特許文献1に開示される技術では、冷却孔が配置できない部分に電熱ヒータを配置して、金型を均一に温度制御しようとする技術が提案されている。
しかしながら、この特許文献1の方法では、別途、電熱ヒータや、熱電対、さらには制御装置等が必要となるためコストがかかるとともに、金型の構造も複雑化する。さらに、電熱ヒータおよび冷却媒体の温度制御能力を勘案して適切に配置しないと固定側と可動側の金型の冷却能力のバランスが崩れ、電熱ヒータ等を設けない場合よりも、成形品の変形が悪化することも懸念される。
しかしながら、この特許文献1の方法では、別途、電熱ヒータや、熱電対、さらには制御装置等が必要となるためコストがかかるとともに、金型の構造も複雑化する。さらに、電熱ヒータおよび冷却媒体の温度制御能力を勘案して適切に配置しないと固定側と可動側の金型の冷却能力のバランスが崩れ、電熱ヒータ等を設けない場合よりも、成形品の変形が悪化することも懸念される。
また、他の特許文献2には、金型内に設けられた流通路における流体(熱媒体)の流れる方向を周期的に反転させことで、金型内の温度分布を均一化しようとする技術が提案されているが、この特許文献2の方法においても、熱媒体の流れる方向を周期的に反転させるための切換機構が別途必要になり、成形コストが上昇する。
さらに、この特許文献2の方法では金型内の温度分布を均一化の実現可能な範囲は、熱媒体の流通方向の逆転によって達成される範囲に限られ、上述の固定側および可動側の金型の冷却能力の差を解消する根本的な対策とはなり難いと考えられる。
特開平5−4262号公報
特開2003−288125号公報
本発明の目的は、成形型を構成する複数の型ブロックの温度制御能力を均一化して、成形品の精度の向上を実現することが可能な成形技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、成形サイクルの短縮により成形工程の生産性の向上を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、成形サイクルの短縮により成形工程の生産性の向上を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、成形型を構成する複数の型ブロックの各々に設けられた流路に熱媒体を流通させて前記成形型の温度制御を行う成形方法であって、
個々の前記型ブロックの熱容量をCとし、個々の前記型ブロックに設けられた前記流路の流路容積をQとするとき、個々の前記型ブロックにおける係数k=C/Qを、互いにほぼ等しくする成形方法を提供する。
個々の前記型ブロックの熱容量をCとし、個々の前記型ブロックに設けられた前記流路の流路容積をQとするとき、個々の前記型ブロックにおける係数k=C/Qを、互いにほぼ等しくする成形方法を提供する。
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載の成形方法において、
個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を調整することで、個々の前記型ブロックにおける前記係数kを、互いにほぼ等しくする成形方法を提供する。
個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を調整することで、個々の前記型ブロックにおける前記係数kを、互いにほぼ等しくする成形方法を提供する。
本発明の第3の観点は、第1の観点に記載の成形方法において、
個々の前記型ブロックに設けられた前記流路を流通する前記熱媒体の流速が、互いにほぼ等しくなるように、個々の前記型ブロックにおける前記流路長、前記流路径、前記材質を調整する成形方法を提供する。
個々の前記型ブロックに設けられた前記流路を流通する前記熱媒体の流速が、互いにほぼ等しくなるように、個々の前記型ブロックにおける前記流路長、前記流路径、前記材質を調整する成形方法を提供する。
本発明の第4の観点は、複数の型ブロックの各々に設けられた流路に熱媒体を流通させて温度制御を行う成形型であって、
個々の前記型ブロックの熱容量をCとし、個々の前記型ブロックに設けられた前記流路の流路容積をQとするとき、個々の前記型ブロックにおける係数k=C/Qが、互いにほぼ等しい成形型を提供する。
個々の前記型ブロックの熱容量をCとし、個々の前記型ブロックに設けられた前記流路の流路容積をQとするとき、個々の前記型ブロックにおける係数k=C/Qが、互いにほぼ等しい成形型を提供する。
本発明の第5の観点は、第4の観点に記載の成形型において、
個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を調整することで、個々の前記型ブロックにおける前記係数kが互いにほぼ等しくされている成形型を提供する。
個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を調整することで、個々の前記型ブロックにおける前記係数kが互いにほぼ等しくされている成形型を提供する。
本発明の第6の観点は、第4の観点に記載の成形型において、
個々の前記型ブロックに設けられた前記流路における前記熱媒体の流速が互いにほぼ等しくなるように、個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質が調整されている成形型を提供する。
個々の前記型ブロックに設けられた前記流路における前記熱媒体の流速が互いにほぼ等しくなるように、個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質が調整されている成形型を提供する。
本発明によれば、成形型を構成する複数の型ブロックの温度制御能力を均一化して、成形品の精度の向上を実現することが可能な成形技術を提供することができる。
また、成形サイクルの短縮により成形工程の生産性の向上を実現することが可能な技術を提供することができる。
また、成形サイクルの短縮により成形工程の生産性の向上を実現することが可能な技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態である射出成形金型を説明する説明図である。
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態である射出成形金型を説明する説明図である。
本実施の形態1の射出成形金型Mは、たとえば、射出成形によって光学素子等の成形品を得るために構成されたもので、固定側取付け板2(型ブロック)、固定側型板4(型ブロック)、可動側型板5(型ブロック)、可動側受け板6(型ブロック)と、可動側取付け板10、スペーサブロック8、エジェクタープレート9、エジェクタピン11、A断熱板1、B断熱板7を備えている。
図1に例示されるように、可動側型板5には入子12が装着され、固定側型板4に対する対向端面には略凹型の成形面が形成されている。そして、固定側型板4と可動側型板5が密着した状態で、成形面により密閉空間であるキャビティ12aが形成される。そしてこのキャビティ12aに外部から樹脂が、スプルー12d、ランナー12cおよびこのランナー12cと各キャビティ12aの接続部に設けられた縮径部であるゲート12bを経由して充填され、成形面(キャビティ12a)の形状が転写された外形形状の成形品が形成される。
図2Aおよび図2Bに例示されるように、固定側取付け板2の内部には、コ字形の熱媒体流路2aが形成されており、熱媒体が流通可能になっている。
図3Aおよび図3Bに例示されるように、固定側型板4には、縦方向および横方向に異なる深さで互いに干渉しないように横断する複数の熱媒体流路4aが設けられている。
図3Aおよび図3Bに例示されるように、固定側型板4には、縦方向および横方向に異なる深さで互いに干渉しないように横断する複数の熱媒体流路4aが設けられている。
図4Aおよび図4Bに例示されるように、可動側型板5の内部には、中央に装着された入子12を取り囲む経路で熱媒体流路5aが設けられている。
図5Aおよび図5Bに例示されるように、可動側受け板6には、縦方向および横方向に異なる深さで互いに干渉しないように横断する複数の熱媒体流路6aが設けられている。
図5Aおよび図5Bに例示されるように、可動側受け板6には、縦方向および横方向に異なる深さで互いに干渉しないように横断する複数の熱媒体流路6aが設けられている。
そして、固定側取付け板2、固定側型板4および可動側型板5、可動側受け板6の各々の熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの各々に対して、図示しない複数の温度制御機構が個別に接続され、個々の型ブロックに対して1対1の接続関係にて温度制御機構から所望の温度の熱媒体をほぼ同じ流速で流通させることで、固定側取付け板2、固定側型板4および可動側型板5、可動側受け板6の各々の温度が制御される構成となっている。
図6は、本実施の形態1の射出成形金型Mにおける構造的な仕様の設定例を示す説明図である。
本実施の形態の場合、上述の固定側取付け板2は、一例として、機械構造用炭素鋼(S55C)で構成され、横方向寸法Xが、たとえば300mm、縦方向寸法Yが、たとえば400mm、厚さ寸法Zが、たとえば25mmであり、熱容量Cが14883.6[J/K]である。
本実施の形態の場合、上述の固定側取付け板2は、一例として、機械構造用炭素鋼(S55C)で構成され、横方向寸法Xが、たとえば300mm、縦方向寸法Yが、たとえば400mm、厚さ寸法Zが、たとえば25mmであり、熱容量Cが14883.6[J/K]である。
また、固定側型板4は、一例として、プラスティック金型材(NAK55)で構成され、横方向寸法Xが、たとえば300mm、縦方向寸法Yが、たとえば400mm、厚さ寸法Zが、たとえば40mmであり、熱容量Cは、13506.5[J/K]である。
また、入子12が装着される可動側型板5は、一例として、プラスティック金型材(NAK55)で構成され、横方向寸法Xが、たとえば300mm、縦方向寸法Yが、たとえば400mm、厚さ寸法Zが、たとえば40mmである。また、入子12は、クローム合金ステンレスエ具鋼(STAVAX(登録商標))で構成されている。入子12を含めた可動側型板5の熱容量Cは、13359.1[J/K]である。
可動側受け板6は、一例としてNAK55で構成され、横方向寸法Xおよび縦方向寸法Yは、上述の固定側型板4および可動側型板5と等しいが、厚さ寸法Zが45mmであり、熱容量Cは、15194.8[J/K]である。
図6に例示されるように、本実施の形態1の場合には、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各々の型ブロックにおいて、熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの各々の流路径Dおよび流路長Lを調整することにより、係数k=型ブロックの熱容量C/型ブロック内を流れる熱媒体の流路容積Q、の値が、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の相互間でほぼ等しく設定されている。
すなわち、固定側取付け板2に設けられた熱媒体流路2aは、流路径D=11mm、流路長L=700mm、流路容積Q=66523.2mm3、の仕様を持ち、係数k=C/Q=14883.6/66523.2≒0.224[J/mm3・K]、である。
同様に、固定側型板4の係数k=0.224[J/mm3・K]であり、可動側型板5の係数k=0.221[J/mm3・K]であり、可動側受け板6の係数k=0.223[J/mm3・K]、である。
このように、本実施の形態1では、射出成形金型Mを構成する型ブロックとしての固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各々の係数kが、互いにほぼ等しくなるように、各々の構造仕様が設定されている。
以下、本実施の形態1の作用について説明する。
通常、射出成形は、溶融樹脂を、スプルー12d、ランナー12c、ゲート12bを通じてキャビティ12a内に充填し、その後、射出成形金型M内で所望の温度まで冷却された後、固定側型板4と可動側型板5を開いて成形品を取出すといった工程からなる。その中で、キャビティ12aに充填された樹脂の冷却は成形品の品質を決定する重要な要素であり、基本的には成形品を均一に冷却することが必須である。
通常、射出成形は、溶融樹脂を、スプルー12d、ランナー12c、ゲート12bを通じてキャビティ12a内に充填し、その後、射出成形金型M内で所望の温度まで冷却された後、固定側型板4と可動側型板5を開いて成形品を取出すといった工程からなる。その中で、キャビティ12aに充填された樹脂の冷却は成形品の品質を決定する重要な要素であり、基本的には成形品を均一に冷却することが必須である。
そして、この樹脂の冷却は上述の通り、射出成形金型Mを構成する固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aに熱媒体3を流通させて行うため、射出成形金型Mの冷却能力は主に、この熱媒体3の冷却能力に左右される。
さらには、この熱媒体3の冷却能力は、射出成形金型Mの構成等にもよるが、主に型ブロックの材質自体の温度変化の起こりにくさを表す指標である熱容量(型ブロックの材質で定まる比熱と、質量との積)と個々の型ブロック内に流れる熱媒体3の流路容積および流速によって決定されることになる。
よって、これらを意図的に各型ブロックにおいて等しくなるように調整することで、成形品の均一な冷却を行うことが可能になり、結果として成形品の変形や精度の悪化を抑制することができる。
そこで、本実施の形態1では、上述の係数k(=C/Q)および熱媒体3の流速Vを評価指針として、この係数kおよび流速Vの値が、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各型ブロックにおいてそれぞれほぼ同じ値になるように調整することで、成形品の均一な冷却を実現できるようにしている。
なお、本実施の形態1においては、上述の図6から明らかなように、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の相互間で、係数kのばらつき範囲(この場合、複数の型ブロックの各々の係数kの最大値と最小値の差)を0.003[J/mm3・K]以内に抑えるように調整してあるが、このばらつき範囲の値は小さいほど良い。
しかしながら、この係数kのばらつき範囲を上述の0.003[J/mm3・K]以内に小さくすることが困難な場合は、成形品の要求精度にもよるが、一例として、光学素子等の要求精度が高いものに関しては0.01[J/mm3・K]以内、その他のものに関しても0.05[J/mm3・K]以内に調整することが望ましい。
換言すれば、複数の型ブロックの各々の係数kの平均値に対するばらつき範囲が、たとえば、±25%以内、望ましくは±5%以内、より望ましくは±2%以内となるように、流路長L、流路径Dおよび当該型ブロックの材質を調整する。
また、流速Vに関しては±2.5[%]以内に調整することが望ましい。これらの範囲を超えてしまうと、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各型ブロックでの冷却能力に差が生じ、成形品の変形や精度の悪化に繋がる懸念がある。
なお、本実施の形態1において、可動側受け板6とスペーサブロック8の間、および固定側取付け板2と射出成形金型Mの図示しないプラテンの間に、それぞれB断熱板7、A断熱板1を挟んでいるが、これは、これらの型ブロック間において熱移動が生じることによって、本実施の形態による効果であるキャビティ12a内の樹脂(成形品)の均一な冷却のバランスが崩れるのを避けるためのもので、可能な限り取り付けたほうが良い。
このように、本実施の形態1によれば、熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの各々の流路径Dを調整し、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各型ブロックの係数kの値を互いに所定の範囲に均等となるように設定して各型ブロックの冷却能力の差をなくすことで、個々の型ブロックの冷却能力の差に起因するキャビティ12a内の成形品の変形および精度悪化を低減することが可能になる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図7A、図7Bおよび図8A、図8B、図9を参照して説明する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図7A、図7Bおよび図8A、図8B、図9を参照して説明する。
本実施の形態2において上述の実施の形態1の同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。また、射出成形金型Mを構成する個々の型ブロックの外形寸法は上述の実施の形態1と同じである。
図7Aおよび図7Bは、本実施の形態2の固定側取付け板の構成例を示す断面図および側面図であり、図8Aおよび図8Bは、本実施の形態2の固定側取付け板の構成例を示す断面図および側面図である。また、図9は本実施の形態2の射出成形金型Mにおける型ブロックの構造的な仕様の設定例を示す説明図である。
この実施の形態2では、上述の実施の形態1の固定側取付け板2および可動側型板5が、固定側取付け板21および可動側型板51にそれぞれ変更され、他は同様である。
本実施の形態2では、可能な限り熱媒体流路の流路径Dを統一(この場合、約8mm)して、熱媒体流路の流路長Lおよび個々の型ブロックの材質を変化させることにより、係数k(=C/Q)の値が各型ブロック間で等しくなるようにした例を示す。
本実施の形態2では、可能な限り熱媒体流路の流路径Dを統一(この場合、約8mm)して、熱媒体流路の流路長Lおよび個々の型ブロックの材質を変化させることにより、係数k(=C/Q)の値が各型ブロック間で等しくなるようにした例を示す。
すなわち、本実施の形態1では、固定側取付け板2の代わりに、図7Aおよび図7Bに例示されるように流路径Dが8.5mmの熱媒体流路21aが設けられた固定側取付け板21を用いるとともに、可動側型板5の代わりに図8Aおよび図8Bに例示さるように、流路径Dが8mmの熱媒体流路51aが形成された可動側型板51を用いる点が、上述の実施の形態1と異なっている。
すなわち、固定側取付け板21では、熱媒体流路21aの流路径Dを、実施の形態1の固定側取付け板2の11mmから8.5mmに変更するとともに、3本の熱媒体流路21aを設けて流路長Lを固定側取付け板2の700mmから900mmに増加させている。また、この構造変更による流路容積Qの変動による当該固定側取付け板21の係数kの変動を補うために、固定側取付け板21の材質を、実施の形態1の固定側取付け板2のS55Cから、NAK55に変更している。
これにより、固定側取付け板21では、係数k=C/Q=11399.7/51070.5≒0.223[J/mm3・K]であり、上述の固定側取付け板2の係数kの0.224との差は、0.001に抑制されている。
同様に、可動側型板51では、熱媒体流路51aの流路径Dを、上述の可動側型板5の9mmから8mmに変更するとともに、流路長Lを、可動側型板5の950mmから1200mmに変更して流路容積Qを不変として係数kの変動を防止している。
これにより、可動側型板51では、係数k=C/Q=13359.1/60318.6≒0.221[J/mm3・K]であり、上述の可動側型板5の係数kの0.221との差は、0に抑制されている。
なお、本実施の形態2においては、1台の図示しない温度制御機構により、固定側取付け板21、固定側型板4、可動側型板51、可動側受け板6のすべての型ブロック内の流路径Dがほぼ等しい熱媒体流路21a、熱媒体流路4a、熱媒体流路51a、熱媒体流路6aを流通する熱媒体3の温度を制御する構成となっている。
以下、実施の形態2の作用について説明する。
上述の実施の形態1においては、熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの流路径Dを変化させて係数kの値が各型ブロック間でほぼ等しくなるように調整し、また、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各々の型ブロックに対して1台の図示しない温度制御機構を個別に接続することで熱媒体3の流速Vをほぼ同じになるように制御した。
上述の実施の形態1においては、熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの流路径Dを変化させて係数kの値が各型ブロック間でほぼ等しくなるように調整し、また、固定側取付け板2、固定側型板4、可動側型板5、可動側受け板6の各々の型ブロックに対して1台の図示しない温度制御機構を個別に接続することで熱媒体3の流速Vをほぼ同じになるように制御した。
しかしながら、そのように調整した結果、熱媒体流路2a、熱媒体流路4a、熱媒体流路5a、熱媒体流路6aの各々の流路径Dに大きな差が生じてしまうと、流路径Dが大きなものは型ブロックの構造上の制約から熱媒体流路が配置できなくなったり、各型ブロックにおいての流速Vをほぼ等しくするために1枚の型ブロックに対し、1台の温度制御機構が必要となるので成形工程のコストが高くなる可能性がある。
そのため、熱媒体流路の流路径Dを調整することが困難な場合は、本実施の形態2のように、可能な限り、熱媒体流路21a、熱媒体流路4a、熱媒体流路51a、熱媒体流路6aの流路径Dを統一(この場合、約8mm)して、個々の熱媒体流路21a、熱媒体流路4a、熱媒体流路51a、熱媒体流路6aの流路長Lおよび型ブロックの材質を変化させることにより、各型ブロック間で係数kの値が均一になるように調整することが望ましい。
このような本実施の形態2の手法を取ることにより、上述の実施の形態1のように1枚の型ブロックに対し、1台の温度制御機構を接続することなく、各型ブロックにおいて、係数kの値および熱媒体3の流速Vをほぼ同じ値にすることが出来る。
ただし、上述の実施の形態1に比べ流速Vのバラツキが大きくなる可能性があるので、要求精度の如何によっては実施の形態1を採用することが望ましい。そして、個々の型ブロックの形状仕様が図9に例示されるように設定された射出成形金型Mによって成形を行った結果、要求精度を満足する成形品を安定して生産することが出来た。
なお、本実施の形態2においても、係数kおよび流速Vの値の幅の目安は上述の本実施の形態1と同じである。
本実施の形態2においても、固定側取付け板21、固定側型板4、可動側型板51、可動側受け板6の各々の型ブロックの冷却能力の差に起因する成形品の変形および精度悪化を低減することが可能になり、安定した生産が行えるようになる。
本実施の形態2においても、固定側取付け板21、固定側型板4、可動側型板51、可動側受け板6の各々の型ブロックの冷却能力の差に起因する成形品の変形および精度悪化を低減することが可能になり、安定した生産が行えるようになる。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、たとえば、射出成形金型Mを用いる射出成形技術において、キャビティ12a内の樹脂の冷却中の個々の型ブロックの冷却能力の差に起因する成形品の変形や精度の悪化を防ぐことができるため安定した生産が可能になる。
この結果、射出成形金型Mによって成形される成形品の歩留りが向上する。
また、従来、サイクルタイムを長く取ることで、このような射出成形金型Mを構成する複数の型ブロックの各々の冷却能力差に起因する技術的課題を解消していたが、本発明の上述の各実施の形態を適用することで、サイクルタイムを長く取る必要性がなくなるために、従来よりも成形サイクルを短縮することができ、射出成形金型Mを用いる射出成形工程の生産性を向上させることができる。
また、従来、サイクルタイムを長く取ることで、このような射出成形金型Mを構成する複数の型ブロックの各々の冷却能力差に起因する技術的課題を解消していたが、本発明の上述の各実施の形態を適用することで、サイクルタイムを長く取る必要性がなくなるために、従来よりも成形サイクルを短縮することができ、射出成形金型Mを用いる射出成形工程の生産性を向上させることができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1 A断熱板
2 固定側取付け板
2a 熱媒体流路
3 熱媒体
4 固定側型板
4a 熱媒体流路
5 可動側型板
5a 熱媒体流路
6 可動側受け板
6a 熱媒体流路
7 B断熱板
8 スペーサブロック
9 エジェクタープレート
10 可動側取付け板
11 エジェクタピン
12 入子
12a キャビティ
12b ゲート
12c ランナー
12d スプルー
21 固定側取付け板
21a 熱媒体流路
51 可動側型板
51a 熱媒体流路
C 熱容量
D 流路径
L 流路長
M 射出成形金型
Q 流路容積
V 流速
X 横方向寸法
Y 縦方向寸法
Z 厚さ寸法
k 係数
2 固定側取付け板
2a 熱媒体流路
3 熱媒体
4 固定側型板
4a 熱媒体流路
5 可動側型板
5a 熱媒体流路
6 可動側受け板
6a 熱媒体流路
7 B断熱板
8 スペーサブロック
9 エジェクタープレート
10 可動側取付け板
11 エジェクタピン
12 入子
12a キャビティ
12b ゲート
12c ランナー
12d スプルー
21 固定側取付け板
21a 熱媒体流路
51 可動側型板
51a 熱媒体流路
C 熱容量
D 流路径
L 流路長
M 射出成形金型
Q 流路容積
V 流速
X 横方向寸法
Y 縦方向寸法
Z 厚さ寸法
k 係数
Claims (6)
- 成形型を構成する複数の型ブロックの各々に設けられた流路に熱媒体を流通させて前記成形型の温度制御を行う成形方法であって、
個々の前記型ブロックの熱容量をCとし、個々の前記型ブロックに設けられた前記流路の流路容積をQとするとき、個々の前記型ブロックにおける係数k=C/Qを、互いにほぼ等しくすることを特徴とする成形方法。 - 請求項1記載の成形方法において、
個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を調整することで、個々の前記型ブロックにおける前記係数kを、互いにほぼ等しくすることを特徴とする成形方法。 - 請求項1記載の成形方法において、
個々の前記型ブロックに設けられた前記流路を流通する前記熱媒体の流速が、互いにほぼ等しくなるように、個々の前記型ブロックにおける前記流路長、前記流路径、前記材質を調整することを特徴とする成形方法。 - 複数の型ブロックの各々に設けられた流路に熱媒体を流通させて温度制御を行う成形型であって、
個々の前記型ブロックの熱容量をCとし、個々の前記型ブロックに設けられた前記流路の流路容積をQとするとき、個々の前記型ブロックにおける係数k=C/Qが、互いにほぼ等しいことを特徴とする成形型。 - 請求項4記載の成形型において、
個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質を調整することで、個々の前記型ブロックにおける前記係数kが互いにほぼ等しくされていることを特徴とする成形型。 - 請求項4記載の成形型において、
個々の前記型ブロックに設けられた前記流路における前記熱媒体の流速が互いにほぼ等しくなるように、個々の前記型ブロックにおける前記流路の流路長、流路径および当該型ブロックの材質が調整されていることを特徴とする成形型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007131069A JP2008284758A (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 成形方法および成形型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007131069A JP2008284758A (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 成形方法および成形型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008284758A true JP2008284758A (ja) | 2008-11-27 |
Family
ID=40144952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007131069A Withdrawn JP2008284758A (ja) | 2007-05-16 | 2007-05-16 | 成形方法および成形型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008284758A (ja) |
-
2007
- 2007-05-16 JP JP2007131069A patent/JP2008284758A/ja not_active Withdrawn
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