JP2008281989A - 液晶表示装置用基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶表示装置用基板の製造方法であって、下記[1]〜[3]を含む方法:
[1]光学異方性層形成用材料層を有する基板を用意すること
[2]前記の光学異方性層形成用材料層に互いに露光条件の異なる2種以上のパターン露光を行うこと、及び
[3]前記露光後の基板に80℃〜400℃での熱処理を行うこと。
【選択図】図2
Description
(1)光学異方性層を含む液晶表示装置用基板の製造方法であって、下記[1]〜[3]を含む方法により光学異方性層を形成することを含む製造方法:
[1]光学異方性層形成用材料層を有する基板を用意すること
[2]前記の光学異方性層形成用材料層に互いに露光条件の異なる2種以上のパターン露光を行うこと、及び
[3]前記露光後の基板に80℃〜400℃での熱処理を行うこと。
(2)[1]が光学異方性層形成用材料層を転写材料から基板に転写することにより行われる(1)に記載の方法。
(4)光学異方性層形成用材料層が、基板上に、直接形成されている(1)に記載の製造方法。
(5)光学異方性層形成用材料層が、基板上に形成した配向層をラビングした上に直接形成されている(1)に記載の製造方法。
(7)光学異方性層形成用材料が高分子を含む(1)〜(6)のいずれか1項に記載の製造方法。
(8)前記高分子が、アクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、オキセタン基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの重合性基を有する(7)に記載の製造方法。
(10)前記液晶性化合物が、ラジカル重合反応性基を少なくとも1つ、及びカチオン重合反応性基を少なくとも1つ有している(9)に記載の製造方法。
(11)ラジカル重合反応性基がアクリル基又はメタクリル基であり、かつカチオン重合反応性基がビニルエーテル基、オキセタン基、又はエポキシ基である(10)に記載の製造方法。
(12)前記液晶性化合物が、棒状液晶性化合物である(9)〜(11)のいずれか1項に記載の製造方法。
(14)延伸フィルムが、直接もしくは他の層を介して、粘着剤により基板と貼り合わされている(13)に記載の製造方法。
(15)基板がカラーフィルタ層を有する(1)〜(14)のいずれか1項に記載の製造方法。
(16)(1)〜(15)のいずれか1項に記載の方法により製造された、互いに異なる3つ以上のレターデーションをパターン状に有する光学異方性層を有する液晶表示装置用基板。
(18)(16)又は(17)に記載の液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置。
(19)前記液晶層の配向モードがTNモード、または、VAモード、または、IPSモード、または、FFSモード、または、OCBモードであることを特徴とする(18)に記載の液晶表示装置。
(20)レターデーションが互いに異なる2つ以上の領域を有する光学異方性層の形成方法であって、下記[1]及び[2]を含む方法:
[1]フィルム状の光学異方性層形成用材料に互いに露光条件の異なる2種以上のパターン露光を行うこと、及び
[2]前記露光後の材料に80℃〜400℃での熱処理を行うこと。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
図1(d)にパターン形成前の液晶表示装置用基板の一例の概略断面図を示す。図1(d)の液晶表示装置用基板においては、基板14上に配向層16を介して、光学異方性形成材料層15が形成されている。
図1(c)に転写材料を用いて形成したパターン形成前の液晶表示装置用基板の一例の概略断面図を示す。図1(a)、(b)は、光学異方性層形成用材料層が転写材料から基板に転写することにより形成される場合に用いられる転写材料の一例の概略断面図である。図1(a)の転写材料11は、仮支持体13上に配向層16を介して、光学異方性形成材料層15および転写用接着層17がこの順に形成されている。転写用接着層17を介して基板14に転写材料11をラミネート転写することによって、図1(c)のパターン形成前の液晶表示装置用基板12が作製できる。基板14としては透明であれば特に限定はないが、複屈折が小さい支持体が望ましく、ガラスや低複屈折性ポリマー等が用いられる。
本発明の製造方法により液晶表示装置用基板は、2つ以上の異なるレターデーションをパターン状に有するパターニング光学異方性層が少なくとも一層形成されている。図2にパターニング光学異方性層を有する液晶表示装置用基板の製造工程の一例の概略断面図を示す。図2(a)に示すように、パターン形成前の液晶表示装置用基板12に対し、異なる3種の露光条件A、露光条件B、露光条件Cで露光した後に熱処理を行う。すると、図2(b)に示すようなそれぞれの露光条件に対応する15A、15B、15Cの領域を有するパターニング光学異方性基板19が形成され、それぞれのレターデーションReA、ReB、ReCとして実質的に異なる値を得ることができる。露光条件は、後述のように露光量を変化させることなどによって、異なる条件を設定すればよく、3回以上のパターン露光を行う場合は複数の露光条件のうちの1つが露光を行わない(未露光)ことであってもよい。なお、パターン露光とは、一部の領域の露光であり、例えば「光学異方性層形成用材料層にパターン露光を行う」というとき、光学異方性層形成用材料層の一部の領域に露光を行うことを意味する。該領域は層の法線方向と平行な面により分割される領域であればよく、個々の領域は連続的形状であっても非連続的形状であってもよい。
上記の露光条件の最適化を行うことにより、必要なレターデーションをパターン状に有する光学異方性層が作製できる。このような光学異方性層を有する液晶表示装置用基板により、液晶セル内の各色のカラーフィルタに対して異なる光学補償を達成することができる。図3(a)、(b)、(c)に本発明の製造方法により得られる液晶表示装置用基板の一例の概略断面図を示す。まず図3(a)の例について説明すると、液晶表示装置用基板19は基板14上に、ブラックマトリクス22、カラーフィルタ層21、転写用接着層17、パターニング光学異方性層15がこの順で形成されている。カラーフィルタ層21は少なくとも赤色の21R、緑色の21G、青色の21Bのパターンを有していればよい。また、さらに白色(W)のパターンを有するカラーフィルタ層を用いてもよい。パターニング光学異方性層15は各21R、21G、21Bに対して、それぞれ最適なレターデーションを有する15r、15g、15bのパターンを有している。カラーフィルタ層に21Wに該当するパターンが存在する場合は、パターニング光学異方性層において21Wに対して最適なレターデーションを有する15wのパターンが、21Wに対応する位置に存在していればよい。光学異方性層をカラーフィルタ層の色ごとにパターニングすることにより、最適な光学補償が可能となるため、パターン状のレターデーションを有さない光学異方性層を用いる場合に比べて、視野角を改善することができる。図3(b)はカラーフィルタ層とパターニング光学異方性層の作製順序を逆にして形成した液晶表示装置用基板である。図3(c)は図1(d)に示すパターン形成前の液晶表示装置用基板12を用いて同様に作製される液晶表示装置用基板の例である。
本発明の製造方法により得られた液晶表示装置用基板によって液晶セル内に光学異方性層を設けることができるため、温湿度で寸度変化しやすい光学異方性フィルムを貼り合わせるのに比べ、ガラス基板に強固に保持されることよってコーナームラが発生しにくい。
図4(a)、(b)、及び(c)は本発明の液晶表示装置用基板を含む液晶表示装置の一例の概略断面図である。図4(a)、(b)、及び(c)の例は、それぞれ図3(a)、(b)、及び(c)に示す液晶表示装置用基板を表示側に用いた液晶表示装置であって、カラーフィルタおよびパターニング光学異方性層を有する液晶表示装置用基板19と、その対向基板であるTFT34を有する液晶表示装置用基板の両基板間に、透明電極層31、配向層32を形成した後、液晶層33を挟んだ液晶セル35を有する液晶表示装置である。液晶セル35の両側には、セルロースアセテートフィルム等の保護フィルム37に挟まれた偏光層36によって形成される偏光板38が、粘着剤を介して液晶セル35に貼り合わされている。上下の透明電極層31の間に印加する電圧を変化させることにより、液晶層の配向状態を変化させて、液晶表示装置をスイッチングする。配向層32は液晶層33における液晶分子の配向を調節するためにラビング処理されるのが一般的である。偏光層を挟む2枚の保護フィルム37のうち、液晶セル側の保護フィルムとして光学補償シートを用いてもよい。さらに、液晶層33のセルギャップをRGBごとに変化させるマルチギャップにすることによって、自由度の高い液晶セル設計が可能となる。この方式は、特にVAモードもしくはIPSモードにおいて優れた視野角特性を達成することができ好ましい。
本発明の液晶表示装置用基板の製造に用いられる基板は、透明であれば特に限定はなく、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板でも、ポリマーからなる透明基板でもよい。液晶表示装置用の場合、液晶表示装置用基板作製工程においてカラーフィルタや配向膜のベークのために180℃以上の高温プロセスを要するため、耐熱性を有することが好ましい。そのような耐熱性基板としては、ガラス板もしくはポリイミド、ポリエーテルスルホン、耐熱性ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特に価格、透明性、耐熱性の観点からガラス板が好ましい。また、基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、転写接着層との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、100〜1200μmが一般的に好ましく、300〜1000μmが特に好ましい。
また、本発明の液晶表示装置用基板の製造に用いられる基板としては、上記のガラス基板上にカラーフィルタ層等の他の層を有する基板を用いてもよい。
カラーフィルタ層は特に限定されず、市販のカラーフィルタを用いてもよく、従来公知の任意の方法で作製されたカラーフィルタを用いてもよい。また、後述の感光性樹脂層形成用組成物に下記の着色剤を添加して得られる着色感光性樹脂層形成用組成物を用いて、特開平11−248921号公報、特許3255107号公報に記載の方法で作製してもよい。
前記着色樹脂組成物には、公知の着色剤(染料、顔料)を添加することができる。該公知の着色剤のうち顔料を用いる場合には、着色樹脂組成物中に均一に分散されていることが望ましく、そのため粒子サイズが0.1μm以下、特には0.08μm以下であることが好ましい。
上記公知の染料ないし顔料としては、特開2004−302015号公報の段落番号[0033]、米国特許第6,790,568号明細書カラム14に記載の顔料等が挙げられる。
脂組成物においてはC.I.ピグメント・レッド254が、(ii)G(グリーン)の着色
樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・グリーン36が、(iii)B(ブルー)の着色樹脂組成物においてはC.I.ピグメント・ブルー15:6が好適なものとして挙げられる。さらに上記顔料は組み合わせて用いてもよい。
光学異方性層形成用材料層が転写材料から基板に転写することにより形成される場合に用いられる転写材料に用いられる仮支持体は、透明でも不透明でもよく特に限定はない。仮支持体を構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーが含まれる。製造工程において光学特性を検査する目的には、透明支持体は透明で低複屈折の材料が好ましく、低複屈折性の観点からはセルロースエステルおよびノルボルネン系が好ましい。市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)などを用いることができる。また安価なポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等も好ましく用いられる。
光学異方性層は、位相差を測定したときにReが実質的に0でない入射方向が一つでもある、即ち等方性でない光学特性を有していれば特に限定はない。本発明の製造方法によっては、光学異方性層形成用材料層が所定の工程を経ることによって特に、Reが異なる領域を2つ以上有する光学異方性層が形成される。
本発明の製造方法における露光の前の光学異方性層は光学異方性を有していても有していなくてもよく、本明細書において、「光学異方性形成材料層」ということがある。光学異方性形成材料層はReが40〜550nmであることが好ましい。
光学異方性層形成用材料は、塗布又は延伸などにより、フィルム状の層を形成することが可能であり、条件の異なる露光によって異なるReを与えることができる材料であれば、特に限定されない。
光学異方性層形成用材料の1例としては、高分子を含む材料が挙げられる。高分子はアクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、オキセタン基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの重合性基を有することが好ましい。例えば、光学異方性層形成用材料層は少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムは、直接もしくは他の層を介して、粘着剤により基板と貼り合わされて用いればよい。
さらに、光学異方性層形成用材料の好ましい1例としては、液晶性化合物を含む材料が挙げられる。特に光学異方性層形成用材料層が、液晶性化合物を含む溶液が塗布され、液晶相形成温度で熟成・配向されたあと、その状態のまま熱または電離放射線照射して固化することによって得られた層であることが好ましい。この態様につき、以下に詳しく説明する。
一般的に、液晶性化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶性化合物を用いることもできるが、棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いるのが好ましい。2種以上の棒状液晶性化合物、2種以上の円盤状液晶性化合物、又は棒状液晶性化合物と円盤状液晶性化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶性化合物または円盤状液晶性化合物を用いて形成することがより好ましく、少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶性化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。前記光学異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
式中、Q1およびQ2はそれぞれ独立に、反応性基であり、L1、L2、L3およびL4はそれぞれ独立に、単結合または二価の連結基を表す。A1およびA2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜20のスペーサ基を表す。Mはメソゲン基を表す。
一般式(II):−(−W1−L5)n−W2−
式中、W1およびW2は各々独立して、二価の環状アルキレン基もしくは環状アルケニレン基、二価のアリール基または二価のヘテロ環基を表し、L5は単結合または連結基を表し、連結基の具体例としては、前記式(I)中、L1〜L4で表される基の具体例、−CH2−O−、および−O−CH2−が挙げられる。nは1、2または3を表す。
一般式(III): D(−L−P)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Pは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した反応性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。光重合反応としては、ラジカル重合、カチオン重合のいずれでも構わない。ラジカル光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。カチオン光重合開始剤の例には、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示する事ができる。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェートなどが好ましく用いられる。
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向で面内のレターデーションが発現した層であってもよい。この偏光照射は、上記配向固定化における光重合プロセスと同時に行ってもよいし、先に偏光照射を行ってから非偏光照射でさらに固定化を行ってもよいし、非偏光照射で先に固定化してから偏光照射によって光配向を行ってもよい。大きな面内レターデーションを得るためには、偏光照射は液晶化合物層塗布、配向後に最初に行うことが好ましい。偏光照射は、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。偏光照射によって硬化する液晶性化合物の種類については特に制限はないが、反応性基としてエチレン不飽和基を有する液晶性化合物が好ましい。照射波長としては300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
偏光照射による光配向によって発生した面内のレターデーションを示す光学異方性層は、特に、VAモードの液晶表示装置の光学補償に適している。
前記光学異方性層は、最初の偏光照射(光配向のための照射)の後に、偏光もしくは非偏光紫外線をさらに照射することで反応性基の反応率を高め(後硬化)、密着性等を改良すると共に、大きな搬送速度で生産できるようになる。後硬化は偏光でも非偏光でも構わないが、偏光であることが好ましい。また、2回以上の後硬化をすることが好ましく、偏光のみでも、非偏光のみでも、偏光と非偏光を組み合わせてもよいが、組み合わせる場合は非偏光より先に偏光を照射することが好ましい。紫外線照射は、不活性ガス置換してもしなくてもよいが、酸素濃度0.5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は20〜1000mW/cm2であることが好ましく、50〜500mW/cm2であることがより好ましく、100〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては偏光照射の場合は300〜450nmにピークを有することが好ましく、350〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。非偏光照射の場合は200〜450nmにピークを有することが好ましく、250〜400nmにピークを有することがさらに好ましい。
以下、下記一般式(1)〜(4)について、順に説明する。
上記した様に、光学異方性層の形成には、配向層を利用してもよい。配向層は、一般に基板もしくは透明仮支持体上又は該基板もしくは透明仮支持体に塗設された下塗層上に設けられる。配向層は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理された層、無機化合物の斜方蒸着層、およびマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。
本発明の方法を転写材料を用いて行う場合に用いられる、転写用接着層について説明する。転写用接着層としては、透明で着色がなく、十分な転写性を有していれば特に制限はなく、粘着剤による粘着層、中でも感光性樹脂層、感圧性樹脂層、感熱性樹脂層などが挙げられるが、液晶表示装置用基板に必要な耐ベーク性から感光性もしくは感熱性樹脂層が望ましい。粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等が挙げられる。粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
以下、これら(1)〜(3)の成分について説明する。
ポリマー(以下、単に「バインダ」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーからなるアルカリ可溶性樹脂が好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報および特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。全固形分に対するポリマーの含有量は20〜50質量%が一般的であり、25〜45質量%が好ましい。
前記感光性樹脂層に使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマーおよびオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、着色樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
前記感光性樹脂層に使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
着色樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。
転写材料の、仮支持体と光学異方性層の間には、力学特性や凹凸追従性をコントロールするために力学特性制御層を形成することが好ましい。力学特性制御層としては、柔軟な弾性を示すもの、熱により軟化するもの、熱により流動性を呈するものなどが好ましく、熱可塑性樹脂層が特に好ましい。熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルおよびそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
本発明の製造方法において、転写材料を用いる場合、転写材料を基板上に転写する方法については特に制限されず、基板上に上記光学異方性層を転写できれば特に方法は限定されない。例えば、フィルム状に形成した本発明の転写材料を、転写接着層面を基板表面側にして、ラミネータを用いて加熱および/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着して、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータおよびラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。その後、支持体は剥離してもよく、剥離によって露出した光学異方性層表面に、他の層、例えば電極層等を形成してもよい。
レターデーションをパターン状に有する光学異方性層は、パターンごとに露光条件を変更することによって形成された光学異方性層を、80℃以上400℃以下の加熱工程を経ることにより形成することができる。露光条件を変化させる方法としては特に限定されないが、パターンごとにそれぞれ露光量などの露光条件の異なるマスク露光を行う方法や、パターンごとに露光照度や露光量等の露光条件が変更されるマスクを用いる方法があげられる。また、レーザや電子線などを用いてマスクなしに決められた位置にフォーカスして直接描画することにより、露光条件の異なるパターン露光を行ってもよい。前記露光の光源としては、感光性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものを選択することが好ましい。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
また、例えば図3(b)又は(c)に示す液晶表示用装置の作製の際等においては、上記露光はパターン形成前の光学異方性層上に設けられたカラーフィルタ層の上から行うことも可能である。この場合、カラーフィルタ自身が一種のフォトマスクになって、カラーフィルタが表示する色事の異なる条件の露光が可能となり得る。
VAモード、IPSモードいずれの場合においても、偏光板保護フィルムの一方を光学補償シートとすることが好ましい。VAモードにおいては、偏光板保護フィルムとしての光学異方性層が負のc−plateであることが好ましく、IPSモードに対しては厚み方向の屈折率が最も小さい二軸性であることが好ましい。本発明の転写材料に用いる一軸性の光学異方性層は、一軸性である棒状の液晶性化合物を液晶のダイレクタが一方向に揃うように配向させることにより作製することができる。このような一軸性配向は、ラビング配向層もしくは光配向層上にカイラル性のない液晶層を配向させる方法、磁場もしくは電場で配向させる方法、延伸やせん断のような外力を与えて配向させる方法などによって実現できる。
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1として用いた。
──────────────────────────────────――――――
熱可塑性樹脂層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――――――
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃) 5.89
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=65/35、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃) 13.74
BPE−500(新中村化学(株)製) 9.20
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製) 0.55
メタノール 11.22
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.43
メチルエチルケトン 52.97
──────────────────────────────────――――――
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、中間層/配向層用塗布液AL−1として用いた。
──────────────────────────────────――――
中間層/配向層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――――
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.48
蒸留水 52.10
メタノール 43.21
──────────────────────────────────――――
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1として用いた。
LC−1−1は特開2004−123882号公報に記載の方法を基に合成した。
LC−1−2はTetrahedron Lett.誌、第43巻、6793頁(2002)に記載の方法に準じて合成した。
──────────────────────────────────――――
光学異方性層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――――
棒状液晶(LC−1−1) 19.57
水平配向剤(LC−1−2) 0.01
カチオン光重合開始剤(Cyracure UVI6974、ダウ・ケミカル)
0.40
重合制御剤(IRGANOX1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株))
0.02
メチルエチルケトン 80.00
──────────────────────────────────――――
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、転写用接着層(感光性樹脂層)用塗布液AD−1として用いた。
──────────────────────────────────――――――
感光性転写接着/樹脂層用塗布液組成(質量%)
──────────────────────────────────――――――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸メチル =35.9/22.4/41.7モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3.8万) 8.05
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) 4.83
ラジカル光重合開始剤(2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾール) 0.12
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002
メガファックF−176PF(大日本インキ化学工業(株)製) 0.05
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 34.80
メチルエチルケトン 50.538
メタノール 1.61
──────────────────────────────────――――――
[K顔料分散物組成]
──────────────────────────────────――────
K顔料分散物組成(%)
──────────────────────────────────――────
カーボンブラック(デグッサ社製、Special Black 250) 13.1
5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.65
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量3.7万) 6.72
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53
──────────────────────────────────――────
──────────────────────────────────――────バインダ組成(%)
──────────────────────────────────――────ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量4万) 27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――────
──────────────────────────────────――────DPHA溶液組成(%)
──────────────────────────────────――────KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) 76.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24.0
──────────────────────────────────――────
感光性樹脂層用塗布液PP−Kは、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ1、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)1,3,4−オキサジアゾール、メガファックF−176PFをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌することによって得た。
(RGB用感光性樹脂用塗布液の作製)
[R顔料分散物−1組成]
──────────────────────────────────――
R顔料分散物−1組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・レッド254 8.0
5−[3−オキソ−2−[4−[3,5-ビス(3−ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニル]アミノカルボニル]フェニルアゾ]−ブチロイルアミノベンズイミダゾロン 0.8
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、(重量平均分子量3.7万) 8.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83.2
──────────────────────────────────――
──────────────────────────────────――
R顔料分散物−2組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・レッド177 18.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 12.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70.0
──────────────────────────────────――
──────────────────────────────────――
G顔料分散物組成(%)
──────────────────────────────────――
C.I.ピグメント・グリーン36 18.0
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
(重量平均分子量3.7万) 12.0
シクロヘキサノン 35.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35.0
──────────────────────────────────――
──────────────────────────────────――
バインダ2組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
38/25/37モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3万)27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
──────────────────────────────────――
バインダ3組成(%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート=
36/22/42モル比のランダム共重合物(重量平均分子量3万)27.0
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73.0
──────────────────────────────────――
感光性樹脂層用塗布液PP−Rは、まず表2に記載の量のR顔料分散物−1、R顔料分散物−2、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ2、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のED152をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm20分間攪拌し、更に、表1に記載の量のメガファックF−176PFをはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm30分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
感光性樹脂層用塗布液PP−Gは、まず表2に記載の量のG顔料分散物、CFエローEX3393、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダ1、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチル)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン、フェノチアジンをはかり取り、温度24℃(±2℃)でこの順に添加して150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量のメガファックF−176PFをはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
感光性樹脂層用塗布液PP−Bは、まず表2に記載の量のCFブルーEX3357、CFブルーEX3383、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpm10分間攪拌し、次いで、表2に記載の量のメチルエチルケトン、バインダ3、DPHA溶液、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルメチル)−1,3,4−オキサジアゾール、フェノチアジンをはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpm30分間攪拌し、更に、表1に記載の量のメガファックF−176PFをはかり取り、温度24℃(±2℃)で添加して30rpm5分間攪拌し、ナイロンメッシュ#200で濾過することによって得られた。
厚さ100μmの易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA4100、東洋紡績(株)製)の仮支持体の上に、ワイヤーバーを用いて順に、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1、配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥した。乾燥膜厚はそれぞれ14.6μm、1.6μmであった。次いで、ワイヤーバーを用いてLC−1を塗布、膜面温度105℃で2分間乾燥し、液晶相状態とした後、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度240mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射してその配向状態を固定化して、厚さ1.8μmの光学異方性層を形成し、最後に、感光性転写接着層用塗布液AD−1を塗布、乾燥して1.0μmの感光性樹脂層を形成し実施例1の転写材料を作製した。
ファイバ型分光計を用いた平行ニコル法により、波長λにおける正面レターデーションReおよび遅相軸を回転軸として±40度サンプルを傾斜させたときの590nmにおける斜め40°のレターデーション、斜め−40°のレターデーションを測定した。位相差測定結果を表3に示す。
ここで、斜め40°レターデーションとは、面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として面内の法線方向に対して+40°傾斜した方向から、波長590nmの光を入射させて測定したレターデーションを表す。
小林駿介編著、カラー液晶ディスプレイ、240頁、産業図書(1994)に記載の一般的な方法で、ガラス基板上にブラックマトリクスおよびRGBの3色のカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板を作製した。その上に、実施例1の転写材料を、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートし、仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、Rパターニング部の露光量が25mJ/cm2、Gパターニング部の露光量が22mJ/cm2、Bパターニング部の露光量が16mJ/cm2となるようにUV露光を行った。次に、230℃のマッフル炉で1時間ベークすることにより、レターデーションのパターンを有する図3(a)の態様の実施例2の液晶表示装置用基板を得た。また、露光量22mJ/cm2で全面露光を行った以外は実施例2と同様にして比較例1の液晶表示装置用基板を得た。
上記のRGBの3色のカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板の作製と同様の方法で、ベタのR、G、Bカラーフィルタ基板を作製した。これらのカラーフィルタ基板上に前記と同様の転写方法により実施例1の転写材料をそれぞれ転写したものにつき、実施例2及び比較例1の液晶表示装置用基板作製時に用いた露光条件で露光することにより、実施例2及び比較例1の液晶表示装置用基板におけるR、G、Bパターン部のRe値を求めた。すなわち、実施例2のR、G、Bパターン部のReを求めるため、ベタのR、G、Bカラーフィルタ基板を用いたものについてそれぞれ、露光量25mJ/cm2、22mJ/cm2、16mJ/cm2で露光して作成した液晶表示装置用基板のRe値をそれぞれ測定し、比較例1のR、G、B部のReを求めるため、ベタのR、G、Bカラーフィルタ基板を用いたものについて露光量22mJ/cm2で露光して作製した液晶表示装置用基板のRe値をそれぞれ測定した。結果を表4に示す。
無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液、商品名:KBM603、信越化学)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。該ガラス基板を基板予備加熱装置で100℃2分加熱した。
上記ガラス基板上に配向層用塗布液AL−2(RN1199A、日産化学工業(株)製)を塗布、乾燥させて220℃1時間で焼成し、配向層を作製した。焼成後の基板の膜厚は60nmであった。
次いで、上記の配向層をラビング処理し、この配向層上に、光学異方性層用塗布液LC−1を塗布した。これを膜面温度105℃で2分間乾燥し、液晶相状態とした後、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度240mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射してその配向状態を固定化して、厚さ1.8μmの図1(d)の態様のパターン形成前の液晶表示装置用基板を形成した。
炭酸Na系現像液(0.06mol/Lの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)と2−プロパノールの混合液を用い、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像しつつ、ポリエステルブラシがけを行い、感光性樹脂層を現像しブラックマトリックスを形成し、ブラックマトリクス基板を作製した。
実施例3と同様の方法で作製したブラックマトリクス基板に対して、実施例3における光学異方性層のRGBパターニング部ごとのパターン露光を行わずに、実施例3と同様の方法でカラーフィルタを作製し、図3(c)の態様の実施例4の液晶表示装置用基板を得た。但し各画素の露光量としてはぞれぞれ100mJ/cm2の代わりにR画素に対して212mJ/cm2、G画素に対して155mJ/cm2、B画素に対して107mJ/cm2を用いた。
上記のパターン形成前の液晶表示装置用基板に対して、実施例3、実施例4及び比較例2の液晶表示装置用基板作製時に用いた露光条件で露光して光学異方性基板を作製する。次いで、該光学異方性基板上に、RGBの3色のカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板の作製と同様の方法で、ベタのR、G、Bカラーフィルタ基板を作製することにより、実施例3、実施例4及び比較例2の液晶表示装置用基板におけるR、G、Bパターン部のRe値を求めた。すなわち、実施例3のR、G、B部のReを求めるため、露光量63mJ/cm2、55mJ/cm2、40mJ/cm2でベタ露光して作成した光学異方性基板に対し、それぞれこの順番でベタのR、G、Bカラーフィルタを形成した。また、
比較例2のR、G、B部のReを求めるため、ベタのR、G、Bカラーフィルタ基板を用いたものについて露光量55mJ/cm2でベタ露光して作成した光学異方性基板に対し、それぞれベタのR、G、Bカラーフィルタを形成した。これら液晶表示装置用基板のRe値の測定結果を表5に示す。
実施例2、実施例3、実施例4、比較例1、及び比較例2の液晶表示用基板のそれぞれについて、その対向基板となるTFT層を設けたガラス基板に対し、ITOのスパッタリングにより透明電極膜を形成し、その上にポリイミドの配向膜を設けた。カラーフィルタの画素群の周囲に設けられたブラックマトリックスの外枠に相当する位置に、スペーサ粒子を含有するエポキシ樹脂のシール剤を印刷し、それぞれの液晶表示用基板と対向基板とを10kg/cmの圧力で貼り合わせた。次いで、150℃、90分で熱処理し、シール剤を硬化させ、2枚のガラス基板の積層体を得た。このガラス基板積層体を真空下で脱気し、その後大気圧に戻して2枚のガラス基板の間隙に液晶を注入し、VAモード液晶セルを得た。このVAモード液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。カラー液晶表示装置用冷陰極管バックライトとしては、BaMg2Al16O27:Eu,Mnと、LaPO4:Ce,Tbとを質量比50:50で混合した蛍光体を緑色(G)、Y2O3:Euを赤色(R)、BaMgAl10O17:Euを青色(B)として、任意の色調を持つ白色の三波長蛍光ランプを作製した。このバックライト上に該偏光板を付与したVAモード液晶セルを設置し、VAモード液晶表示装置とした。
それぞれの液晶表示用基板から得られたVAモード液晶表示装置の目視評価結果を表6に示す。
12 パターン形成前の液晶表示装置用基板
13 仮支持体
14 基板
15 光学異方性層又は光学異方性層形成用材料層
16 光学異方性層用配向層
17 転写用接着層
18 力学特性制御層
19 液晶表示装置用基板
15A 光学異方性層における露光条件Aによって形成される領域
15B 光学異方性層における露光条件Bによって形成される領域
15C 光学異方性層における露光条件Cによって形成される領域
21 カラーフィルタ層
21R 赤色のカラーフィルタ層
21G 緑色のカラーフィルタ層
21B 青色のカラーフィルタ層
15r 赤色に対応する光学異方性層のパターン
15g 緑色に対応する光学異方性層のパターン
15b 青色に対応する光学異方性層のパターン
22 ブラックマトリクス
31 透明電極層
32 液晶層用配向層
33 液晶層
34 TFTアレイ
35 液晶セル
36 偏光層
37 保護フィルム
38 偏光板
Claims (20)
- 光学異方性層を含む液晶表示装置用基板の製造方法であって、下記[1]〜[3]を含む方法により光学異方性層を形成することを含む製造方法:
[1]光学異方性層形成用材料層を有する基板を用意すること
[2]前記の光学異方性層形成用材料層に互いに露光条件の異なる2種以上のパターン露光を行うこと、及び
[3]前記露光後の基板に80℃〜400℃での熱処理を行うこと。 - [1]が光学異方性層形成用材料層を転写材料から基板に転写することにより行われる請求項1に記載の方法。
- 光学異方性層形成用材料層と基板との間に、粘着層、又は感光性、感圧性もしくは感熱性の樹脂層が存在する請求項2に記載の製造方法。
- 光学異方性層形成用材料層が、基板上に、直接形成されている請求項1に記載の製造方法。
- 光学異方性層形成用材料層が、基板上に形成した配向層をラビングした上に直接形成されている請求項1に記載の製造方法。
- 光学異方性層形成用材料層の面内レターデーションが40〜550nmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 光学異方性層形成用材料が高分子を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記高分子が、アクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、オキセタン基、及びエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1つの重合性基を有する請求項7に記載の製造方法。
- 光学異方性層形成用材料層が、少なくとも1つの反応性基を有する液晶性化合物を含んでなる溶液を、塗布乾燥して液晶相を形成した後、熱または電離放射線照射して固化した層である請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記液晶性化合物が、ラジカル重合反応性基を少なくとも1つ、及びカチオン重合反応性基を少なくとも1つ有している請求項9に記載の製造方法。
- ラジカル重合反応性基がアクリル基又はメタクリル基であり、かつカチオン重合反応性基がビニルエーテル基、オキセタン基、又はエポキシ基である請求項10に記載の製造方法。
- 前記液晶性化合物が、棒状液晶性化合物である請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
- 光学異方性層形成用材料層が、少なくとも1つの反応性基を有する化合物を含む延伸フィルムである請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 延伸フィルムが、直接もしくは他の層を介して、粘着剤により基板と貼り合わされている請求項13に記載の製造方法。
- 基板がカラーフィルタ層を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により製造された、互いに異なる3つ以上のレターデーションをパターン状に有する光学異方性層を有する液晶表示装置用基板。
- カラーフィルタ層を有し、かつ前記レターデーションのパターンが、カラーフィルタ層が示す色に対応している請求項16に記載の液晶表示装置用基板。
- 請求項16又は請求項17に記載の液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置。
- 前記液晶層の配向モードがTNモード、または、VAモード、または、IPSモード、または、FFSモード、または、OCBモードであることを特徴とする請求項18に記載の液晶表示装置。
- レターデーションが互いに異なる2つ以上の領域を有する光学異方性層の形成方法であって、下記[1]及び[2]を含む方法:
[1]フィルム状の光学異方性層形成用材料に互いに露光条件の異なる2種以上のパターン露光を行うこと、及び
[2]前記露光後の材料に80℃〜400℃での熱処理を行うこと。
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