JP2008241983A - 光学異方性層形成用組成物、液晶表示装置用基板の製造方法、及び液晶表示装置用基板。 - Google Patents

光学異方性層形成用組成物、液晶表示装置用基板の製造方法、及び液晶表示装置用基板。 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率異方性と波長分散特性とのトレードオフから脱却する技術、及びパターン状のレターデーションを有する液晶表示装置用基板を製造する方法および材料の提供。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、およびカチオン重合開始剤を含む光学異方性層形成用組成物。
Figure 2008241983

組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、液晶相を熱または電離放射線照射して形成される光学異方性層と、転写用接着層とを有する転写材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学異方性層形成用組成物、該組成物を用いた光学異方性層付き液晶表示装置用基板の作製に有用な転写材料、これらを用いた液晶表示装置用基板の製造方法および液晶表示装置に関する。
ワードプロセッサやノートパソコン、パソコン用モニターなどのOA機器、携帯端末、テレビなどに用いられる表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)がこれまで主に使用されてきた。近年、液晶表示装置(LCD)が、薄型、軽量、且つ消費電力が小さいことからCRTの代わりに広く使用されてきている。液晶表示装置は、液晶セルおよび偏光板を有する。偏光板は保護フィルムと偏光膜とからなり、ポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜をヨウ素にて染色し、延伸を行い、その両面を保護フィルムにて積層して得られる。例えば、透過型LCDでは、この偏光板を液晶セルの両側に取り付け、さらには一枚以上の光学異方性層を有する光学補償シートを配置することもある。一方、反射型LCDでは、反射板、液晶セル、一枚以上の光学補償シート、および偏光板の順に配置する。液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板および液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。液晶セルは、液晶分子の配向状態の違いで、ON、OFF表示を行い、透過型および反射型のいずれにも適用でき、TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、STN(Super Twisted Nematic)のような表示モードが提案されている。
光学補償シートのレターデーション(Δnd)は補償しようとする液晶セルの光学的性質に応じて決定する。レターデーション(Δnd)は光学異方性層の屈折率異方性(Δn)と光学異方性層の厚さ(d)との積であるため、光学異方性層の屈折率異方性(Δn)が大きければ、所望のレターデーションを薄い膜厚で得ることができる。近年、光学補償シートとして、液晶性化合物を含む組成物からなる光学異方性層を含むシートがもちいられてきており、屈折率異方性(Δn)が大きい液晶性化合物としては、例えばトラン骨格を有する化合物が知られており、膜厚を薄くすることができるが、この化合物を用いると、波長分散特性が悪化する、すなわち波長分散性が大きくなる。波長分散特性の悪化は、光学補償シートの性能の一つであるカラー表示での色味変化を悪化させるため、屈折率異方性を大きくすると波長分散特性は悪化するというトレードオフから脱却する技術が望まれていた。
最近では、LCDはその薄型、軽量、且つ消費電力が小さい特性を生かして携帯電話やデジタルカメラのようなモバイル用途用表示装置としても広く用いられるようになった。モバイル用途では屋内だけでなく屋外での使用、あるいは電源供給なしでの長時間使用も必要なため、屋内ではバックライトを用いて透過表示、屋外ではバックライトを使わずに外光を用いて反射表示ができる、半透過型LCDを使うことが望ましい。しかしながら、一つの画素に透過表示と反射表示を併せ持つ半透過型LCDは、透過/反射両方の要求を満たす光学補償シートを必要とするため、光学補償シートを様々な角度で2枚以上貼り合わせたものが必要となり、LCDが厚くなる、ロールツーロールで貼合できないため光学補償シート積層体が高価、光学補償シートの角度が様々なため視野角が非対称になる、などの多くの問題を引き起こしていた。
この問題を解決するため、半透過型LCDの反射部のみに光学異方性層を形成する方法が提案されている(非特許文献1)。本方法では光配向膜に対して1回目のフォトマスクによる露光と2回目の全面露光とで照射偏光紫外線の偏光方向を45度回転させ、その上で配向させる重合性液晶性化合物の配向方向を変える方法を用いている。この提案によって、半透過型LCDの光学補償シートは不要となり、LCDの大幅な薄型化は達成できるが、2回の偏光紫外線照射を含む3回の紫外線照射、光配向膜層と重合性液晶層の2回の塗布が必要なため、プロセス負荷が大きすぎることが問題となっており、実用化には至っていない。また、この技術では2つの配向ドメインは同じレターデーションを持っていなければならず、LCDのスイッチング設計の自由度が制限されていた。
SID Symposium Digest34,194(2003).
本発明は、屈折率異方性と波長分散特性とのトレードオフから脱却する技術を提供することを課題とする。また、パターン状のレターデーションを有する液晶表示装置用基板を製造するために有用な方法および材料を提供することを課題とする。さらに、本発明は、LCD、特に半透過型LCDの光学補償シートの枚数を低減し、LCDの厚みの薄型化に寄与する液晶表示装置用基板の作製を容易にする方法および材料を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は下記(1)〜(16)を提供するものである。
(1)一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、及びカチオン重合開始剤を含む光学異方性層形成用組成物。
Figure 2008241983
(式中、Q1及びQ2のいずれか一方はラジカル重合性基を表し、Q1及びQ2の他方はカチオン重合性基を表し、Q3及びQ4のいずれか一方はラジカル重合性基を表し、Q3及びQ4の他方はカチオン重合性基を表し、X11及びX12はそれぞれ独立して、−O−、−NP1−、−S−を表し、P1は水素原子、または置換若しくは無置換アルキル基を表し、L1〜L4は、それぞれ独立に単結合、または置換もしくは無置換アルキレン基、または置換アルキレン基を表し、A1、A2、A6はそれぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−S−、−S−CO−、−CO−S−、−NP2−CO−、−CO−NP2−、又は−O−CO−O−を表し、P2は水素原子または置換もしくは無置換アルキル基を表し、A3は単結合、−O−、−CO−O−、−S−、−CO−S−、−CO−NP3−、−O−CO−O−を表し、P3は水素原子、または無置換若しくは置換アルキル基を表し、A4、A5はそれぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−CO−S−、−CO−NP4−を表し、A4またはm個のA5のうち少なくとも1つは単結合を表し、P4は水素原子、または置換もしくは無置換アルキル基を表し、R11〜R16はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子を表し、n1〜n6は1〜3の整数を表し、mは2〜3の整数を表す。)
(2)一般式(I)で表される化合物の総質量に対する、一般式(II)で表される化合物の総質量が5%〜100%である(1)に記載の組成物。
(3)仮支持体上に(1)又は(2)に記載の組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射して形成される光学異方性層と、転写用接着層とを有する転写材料。
(4)前記光学異方性層が、前記仮支持体上に直接もしくは仮支持体上に形成した配向層をラビングした上に形成されている(3)に記載の転写材料。
(5)少なくとも次の[1]〜[3]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法:
[1]基板上に(1)又は(2)に記載の組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射して光学異方性層を形成する工程
[2]該光学異方性層をパターン露光する工程
[3]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
(6)少なくとも次の[11]〜[15]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法;
[11]基板上に(1)又は(2)に記載の組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射して光学異方性層を形成する工程
[12]該光学異方性層上に感光性樹脂層を形成する工程
[13]該光学異方性層及び感光性樹脂層をパターン露光する工程
[14]該基板上の不要な感光性樹脂層を除去する工程
[15]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
(7)少なくとも次の[21]〜[23]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法:
[21](3)又は(4)に記載の転写材料を用いて、基板上に転写用接着層と光学異方性層を基板側からこの順に形成する工程
[22]該光学異方性層をパターン露光する工程
[23]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
(8)少なくとも次の[31]〜[35]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法:
[31](3)又は(4)に記載の転写材料を用いて、基板上に転写用接着層と光学異方性層を基板側からこの順に形成する工程
[32]光学異方性層上に感光性樹脂層を形成する工程
[33]該光学異方性層及び感光性樹脂層をパターン露光する工程
[34]該基板上の不要な感光性樹脂層を除去する工程
[35]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
(9)不要な感光性樹脂層の除去が水を30%以上含む現像液を用いて行われる(6)または(8)のいずれか1項に記載の製造方法。
(10)前記溶液が、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物を5〜50質量%含む(3)〜(9)のいずれか一項に記載の製造方法。
(11)面内レターデーションRe1の領域と面内レターデーションRe2の領域(ただしRe1>Re2)とを有する光学異方性層を含む(5)〜(10)のいずれか1項に記載の製造方法により製造された液晶表示装置用基板。
(12)面内レターデーションRe1の領域が前記パターン露光時の露光部であり、面内レターデーションRe2の領域が前記パターン露光時の未露光部である(11)に記載の液晶表示装置用基板。
(13)Re2が5nm以下である(11)または(12)に記載の液晶表示装置用基板。
(14)Re1が40〜550nmである(11)〜(13)のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
(15)(11)〜(14)のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置。
(16)液晶モードが半透過モードである(15)に記載の液晶表示装置。
本発明の組成物から、大きい屈折率異方性を有するとともにレターデーションの波長分散性の小さい光学異方性層を得ることできる。また本発明の製造方法を用いることによって、液晶表示装置の製造工程数をほとんど増やすことなく、液晶セル内に、パターン状のレターデーションを有する光学異方性層を設けることができ、従来の半透過型LCDに比べて大幅な薄型化が達成できる。特に前記転写材料を用いて作製された液晶表示装置用基板を有する本発明の半透過型LCDは、薄型化、視野角特性改善以外にも、工程数減によるコストダウンに大きく貢献する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は各々、波長λにおける面内のレターデーションおよび厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH又はWR(商品名、王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。
測定されるフィルムが1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)は算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH又はWRにおいて算出される。
尚、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)及び数式(2)によりRthを算出することもできる。
Figure 2008241983
Figure 2008241983
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzはnx及びnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、前記Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH又はWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値及び入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADH又はWRにより算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADH又はWRにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度との誤差が±5°未満の範囲内であることを意味する。さらに、厳密な角度との誤差は、4°未満であることが好ましく、3°未満であることがより好ましい。レターデーションについて「実質的に」とは、レターデーションが±5%以内の差であることを意味する。さらに、Reが実質的に0であるとは、Reが5nm以下であることを意味する。また、屈折率の測定波長は特別な記述がない限り、可視光域の任意の波長を指す。なお、本明細書において、「可視光」とは、波長が400〜700nmの光のことをいう。
本発明の光学異方性層形成用組成物を用いて作成される光学異方性層は、レターデーションの波長分散性が小さく、かつ薄膜で所望のレターデーションを得ることが可能である。さらに、本発明者らの検討により、本発明の光学異方性層形成用組成物は、液晶セル内に光学異方性層を形成する際、特にパターン状のレターデーションを有する光学異方性層を液晶セル内に設ける際に好ましく用いることができることがわかった。
本明細書において「パターン状のレターデーションを有する光学異方性層」とは「レターデーションが異なる領域をパターン状に有する光学異方性層」を意味し、通常「面内レターデーションRe1の領域と面内レターデーションRe2の領域(ただしRe1>Re2)とをパターン状に有する光学異方性層」を意味する。なお、本明細書において特に言及しない場合は、「液晶表示装置用基板」と「基板」は通常区別して用いられる。
[液晶表示装置用基板]
図1はパターン状のレターデーションを有する光学異方性層を有する液晶表示装置用基板のいくつかの例の概略断面図である。図1(a)に示す液晶表示装置用基板は、基板11上に、パターン状のレターデーションを有する光学異方性層12が形成されたものである。基板11としては透明であれば特に限定はないが、複屈折が小さい支持体が望ましく、ガラスや低複屈折性ポリマー等が用いられる。基板11としては透明であれば特に限定はないが、複屈折が小さい支持体が望ましく、ガラスや低複屈折性ポリマー等が用いられる。パターン状のレターデーションを有する光学異方性層12は、基板上に本発明の光学異方性層形成用組成物を含む溶液が塗布され、液晶相形成温度で熟成・配向されたあと、その状態のまま熱または電離放射線照射して固化することによって得られた光学異方性層を、パターン露光、加熱することによって得ることができる。光学異方性層12の露光部12Aと未露光部12Bが、加熱工程を経た後にレターデーションの差を生じることによってパターン状のレターデーションを有する光学異方性層が形成される。これによって液晶セル内の異なる表示モード、特に半透過型LCDの透過部と反射部で異なる光学補償を達成することができる。さらに、従来のように温湿度で寸度変化しやすいプラスティック支持体に光学異方性層が設けられている場合と異なり、セル内の光学異方性層を設けると、光学異方性層がガラス基板に強固に保持されているため、温湿度による寸度変化を起こしにくく、LCDのコーナームラを改良することができる。パターン露光の方法は、露光部と未露光部に必要とする露光量差および解像度があれば、市販のレーザ描画装置などによる直接描画でもよいし、フォトマスクを介した露光でもよい。
図1(b)に示す液晶表示装置用基板は、基板11と光学異方性層12の間に配向層13が形成されている。本発明の光学異方性層形成用組成物を含む溶液がラビングされた配向層13上に直接塗布された後、液晶相形成温度で熟成・配向され、その状態のまま熱または電離放射線照射して固化することによって光学異方性層12となる。レターデーションの異なる領域の形成は上記と同様に行うことができる。図1(c)に示す液晶表示装置用基板は、基板11とパターン状のレターデーションを有する光学異方性層12の間に転写用接着層14が形成されている。本態様は、図2(a)に示すような転写材料を用いて作製することができる。図1(d)および(e)に示す液晶表示装置用基板は、光学異方性層12の上に感光性樹脂層15を有する態様である。図1(d)はネガ型、(e)はポジ型の感光性樹脂を用いたもので、いずれの場合においても位相差のパターニングのための露光と同時に凹凸パターンが形成できる。本態様は、例えば図1(c)の上に直接感光性樹脂層15を塗布するか、もしくは図2(c)に示すような本発明の転写材料を用いて作製することができる。
[転写材料]
図2(a)は転写材料の一例で、仮支持体21上に配向層22を介して光学異方性層12が形成されている。光学異方性層12上には転写用接着層14が形成されており、転写材料を転写用接着層14を介して基板にラミネート転写することで液晶表示装置用基板を作製できる。転写用接着層としては、十分な転写性を有していれば特に制限はなく、粘着剤による粘着層、感光性樹脂層、感圧性樹脂層、感熱性樹脂層などが挙げられるが、基板に必要な耐ベーク性から感光性もしくは感熱性樹脂層が望ましい。良好な転写性を持たせるために、光学異方性層12と配向層22の間の剥離性が高いことが望ましい。図2(b)は、転写工程における気泡混入防止や液晶表示装置用基板上の凹凸吸収のための力学特性制御層23を有する態様である。力学特性制御層としては、柔軟な弾性を示すもの、熱により軟化するもの、熱により流動性を呈するものなどが好ましい。図2(c)は、図1(d)または(e)を作製することができる転写材料である。光学異方性層12の下に凹凸を形成するための感光性樹脂層15を有している。本態様を作製するためには、感光性樹脂層15の上に液晶性化合物を配向させることが必要となるが、通常感光性樹脂層上に有機溶媒を用いて液晶性化合物を含む塗布液を塗布すると、有機溶媒で感光性樹脂層が溶解してしまうため液晶性化合物を配向させることができない。本態様は、別の仮支持体24上に図2(d)に示すような転写材料を形成したのち、これを転写接着層を兼ねる感光性樹脂層15が仮支持体21に接するように仮支持体21上に転写し、仮支持体24を剥離後、光学異方性層12の上に転写接着層14を形成することで作製することができる。
[液晶表示装置用基板(カラーフィルタ層を有する基板)]
図3(a)にパターン状のレターデーションを有する光学異方性層及びカラーフィルタ層を含む液晶表示装置用基板の一例の概略断面図を示す。この例では基板として、上述のガラスや低複屈折性ポリマー等からなる基板上にカラーフィルタ層を有するカラーフィルタ基板が用いられる。本発明の光学異方性層形成用組成物から形成された光学異方性層を含む液晶表示装置用基板は、液晶セルを形成する2枚の液晶表示装置用基板のうち、TFT基板に比べてプロセス温度が低いカラーフィルタ層を含む側の液晶表示装置用基板として用いることが好ましい。この場合、基板上には一般にブラックマトリクス31が形成され、その上にカラーフィルタがフォトリソ工程で形成されていればよい。さらにその上に、直接または転写材料から光学異方性層を含む層を作製後、レーザ直接描画もしくはマスク露光等を行い、加熱工程を経ることによってパターン状のレターデーションを有する光学異方性層12が形成される。図3(a)には断面図および上から見た図を示しているが、半透過LCDの場合、RGBからなる一画素の中に透過部33と反射部34が設けられているため、RGBのカラーフィルタ上に部分的またはストライプ状にパターンを形成するとよい。透過部33と反射部34は逆になっても構わないが、半透過型LCDの場合、液晶セルのバックライト側で透過部のみを光学補償することができるため、光学異方性層の反射部のみにレターデーションを与えることが、性能向上に大きく寄与できて好ましい。図3(b)にはさらに感光性樹脂層からなる段差層を形成した例を示す。このように、本明細書で開示する製造方法によって透過部33と反射部34で高さを変えることができ、それによって液晶セルギャップを変える、いわゆるマルチギャップが可能となる。図3(b)は反射部に突起を有するが、一般に半透過LCDでは透過部より反射部のセルギャップが小さいため、反射部に突起を有する態様が好ましい。逆にする場合は感光性樹脂層をポジ型にすればよい。
パターン状のレターデーションを有する光学異方性層を含む液晶表示装置用基板は、透過型LCDに用いても効果を発揮する。図3(c)に透過型LCDを想定した態様を示す。図3(c)は、RおよびGが露光部、Bが未露光部で、B上のレターデーションが小さいか、もしくは実質的にゼロとなっている。R、GおよびBに対する光学補償のためのレターデーションの最適値は一般に異なるため、本明細書で開示する製造方法によってRGBの色ごとにレターデーションを調節することができる。パターン状のレターデーションを有する光学異方性層を含むと一般的な光学補償シートを組み合わせることもでき、さらなる視野角改良効果、特に色視野角改良効果が期待できる。図3(d)はさらにRGBごとにセルギャップも制御する態様である。このマルチギャップによって、さらにLCDの色視野角特性を改良でき、本明細書で開示する製造方法によるRGB独立レターデーション制御との組み合わせによって高品位のLCD表示特性を達成することができる。
TFT層を有する側の液晶表示装置用基板として本発明の光学異方性層形成用組成物から形成された液晶表示装置用基板を用いる場合、光学異方性層はどの位置に形成されてもよいが、TFTアレイ工程はシリコン形成に通常300℃以上の高温プロセスを要することから、TFTを有するアクティブ駆動型の場合、光学異方性層はTFTのシリコン層よりも上であることが好ましい。
[液晶表示装置]
図4は液晶表示装置の一例の概略断面図である。図4(a)の例は、図3(b)をカラーフィルタ基板48として用いた半透過型液晶表示装置である。偏光層41を挟む保護フィルム42および43からなる2枚の偏光板49が粘着剤44を介して液晶セルを形成する上下の基板11にそれぞれ貼合されている。一般に液晶セルの下側基板にはTFTなどの駆動素子45が形成されており、半透過型の反射部にのみ、その上にアルミや誘電体多層膜などからなる反射板46が形成されている。液晶セル上下基板の間には液晶47が満たされており、この液晶の配向が電圧印加で変化することにより液晶表示装置がスイッチングされる。上下基板の最表面には、液晶47の配向を決めるために配向膜(図中は省略)が形成され、その上をラビング処理されるのが一般的である。反射部の液晶セルギャップは、反射板46と感光性樹脂層15により形成された段差で透過部と異なるギャップに制御することができる。偏光層を挟む2枚の保護フィルムのうち、43は光学補償シートを用いてもよいし、通常の保護フィルム42を用いてもよい。透過部は上下2枚の光学補償シート43によって視野角が制御され、反射部は上側補償シート43とセル内の光学異方性層12Aによって視野角が制御される。
図4(b)に比較として光学補償シートのみによる半透過型LCDの例を示す。43Aはλ/2板、43Bはλ/4板で、43Aと43Bとで広帯域λ/4となる。上下に広帯域λ/4板を配置し、反射部は上側補償シート43で反射型LCD表示を行い、透過型LCDには不要な上側の広帯域λ/4板を、下側偏光板でキャンセルする必要があり、補償シートとしては上下4枚必要となる。
図4(c)の例は、図3(d)をカラーフィルタ層を有する側の液晶表示装置用基板48として用いた透過型液晶表示装置である。反射板46がない以外の各構成素子は半透過型と同じであるが、透過型の場合、テレビのように画質、特に色味において高品位の表示特性が求められる。そのため、カラーフィルタのRGBごとに最適化された液晶セル設計にすることが望ましい。そこで、光学補償は偏光板49を構成する上下2枚の光学補償シート43の一方または両方と、セル内のパターニングされた光学異方性層12で行い、さらに液晶セルギャップもRGBごとに変化させるマルチギャップにすることによって、自由度の高い液晶セル設計が可能となる。この方式は、特にVAモードもしくはIPSモードにおいて優れた視野角特性を達成することができ好ましい。
本発明の光学異方性層形成用組成物を用いて製造された液晶表示装置用基板および転写材料の用途について特に限定されないが、液晶表示装置の構成部材を作製するのに利用するのが好ましい。特に、本発明の光学異方性層形成用組成物を用いて液晶表示装置のセル内に光学異方性層が設けられることにより液晶表示装置のセルの光学補償に寄与し、即ち、コントラスト視野角を拡大し、液晶表示装置の画像着色を解消するのに寄与する。
以下、本発明の光学異方性層形成用組成物及び該組成物を用いて製造される液晶表示装置用基板について、作製に用いられる材料、作製方法等について、詳細に説明する。ただし、本発明はこの態様に限定されるものではなく、他の態様についても、以下の記載および従来公知の方法を参考にして実施可能であって、本発明は以下に説明する態様に限定されるものではない。
[基板]
液晶表示装置用基板に用いられる基板は、透明であれば特に限定はなく、表面に酸化ケイ素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス板等の公知のガラス板でも、ポリマーからなる透明基板でもよい。液晶表示装置用の場合、基板作製工程においてカラーフィルタや配向膜のベークのために180℃以上の高温プロセスを要するため、耐熱性を有することが好ましい。そのような耐熱性基板としては、ガラス板もしくはポリイミド、ポリエーテルスルホン、耐熱性ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特に価格、透明性、耐熱性の観点からガラス板が好ましい。また、基板は、予めカップリング処理を施しておくことにより、転写接着層との密着を良好にすることができる。該カップリング処理としては、特開2000−39033号公報記載の方法が好適に用いられる。尚、特に限定されるわけではないが、基板の膜厚としては、100〜1200μmが一般的に好ましく、300〜1000μmが特に好ましい。
また、液晶表示装置用基板の製造に用いられる基板は上記のガラス基板上にカラーフィルタ層を有するカラーフィルタ基板であってもよい。
[仮支持体]
転写材料に用いられる仮支持体は、透明でも不透明でもよく特に限定はない。仮支持体を構成するポリマーの例には、セルロースエステル(例、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート)、ポリオレフィン(例、ノルボルネン系ポリマー)、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリスルホン、ノルボルネン系ポリマーが含まれる。製造工程において光学特性を検査する目的には、透明支持体は透明で低複屈折の材料が好ましく、低複屈折性の観点からはセルロースエステルおよびノルボルネン系が好ましい。市販のノルボルネン系ポリマーとしては、アートン(JSR(株)製)、ゼオネックス、ゼオノア(以上、日本ゼオン(株)製)などを用いることができる。また安価なポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等も好ましく用いられる。
[液晶性化合物を含有する組成物からなる光学異方性層]
前記光学異方性層は、上記の様に、好ましくは液晶セル中に組み込まれることによって、液晶表示装置の視野角を補償する光学異方性層として機能する。液晶セル中に組み込まれた光学異方性層は単独で充分な光学補償能を有していてもよく、他の層(例えば、液晶セル外に配置される光学異方性層等)との組み合わせで光学補償に必要とされる光学特性を満足していてもよい。また、露光前の基板上の光学異方性層、又は転写材料が有する光学異方性層が、光学補償能に充分な光学特性を満足している必要はなく、露光工程を通じて、光学特性が発現又は変化して、最終的に光学補償に必要な光学特性を示すものであればよい。
[光学異方性層形成用組成物]
本発明の光学異方性層形成用組成物は上記一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、およびカチオン重合開始剤を含む。一般式(I)で表される化合物の総質量に対する、一般式(II)で表される化合物の総質量は5%〜100%であることが好ましく、10%〜80%であることがより好ましい。
一般に、重合性基を有する液晶組成物を配向させ、重合した場合、重合による体積収縮等の影響により重合後の屈折率異方性Δn2と配向を固定化する前の屈折率異方性Δn1との関係が下記の式:
Δn2/Δn1≦1
を満たし、重合により屈折率異方性が小さくなる傾向がある。
しかし、本発明の光学異方性層形成用組成物においては、下記の式:
Δn2/Δn1>1
の関係となる。すなわち、重合により屈折率異方性が大きくなり、薄膜化が可能となる。さらに、波長分散特性は重合前後で変化しないことから、屈折率異方性と波長分散特性のトレードオフから脱却することができる。
以下に、一般式(I)及び一般式(II)で表される棒状液晶性化合物についてさらに詳細に説明する。
Figure 2008241983
式中、Q1及びQ2のいずれか一方はラジカル重合性基を表し、Q1及びQ2の他方はカチオン重合性基を表し、Q3及びQ4のいずれか一方はラジカル重合性基を表し、Q3及びQ4の他方はカチオン重合性基を表す。ラジカル重合性基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基が好ましく、カチオン重合性基としては、オキセタン基、エポキシ基、ビニルエーテル基が好ましく、オキセタン基、エポキシ基であることがさらに好ましい。X11及びX12はそれぞれ独立して、−O−、−NP1−、−S−を表し、−O−、−NP1−が好ましく、−O−であることがさらに好ましい。P1は水素原子、または置換もしくは無置換アルキル基を表し、水素原子が好ましい。P1で表される置換もしくは無置換アルキル基は炭素数1〜3であることが好ましい。L1〜L4は、それぞれ独立に単結合、または置換もしくは無置換アルキレン基を表す。L1〜L4で表される置換もしくは無置換アルキレン基は炭素数2〜10であることが好ましい。置換アルキレン基としては、アルキレン基中の−CH2−が、−O−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、−O−CO−、−CO−O−、又は−S−に置換された基があげられる。このうち、−O−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、−O−CO−、又は−CO−O−が好ましく、−O−、−C(CH32−、−CH(CH3)−、又は−O−CO−であることがさらに好ましい。A1、A2、A6はそれぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−S−、−S−CO−、−CO−S−、−NP2−CO−、−CO−NP2−、又は−O−CO−O−を表し、A1、A2は−O−であることが好ましい。A6は−O−又は−CO−O−であることが好ましい。P2は水素原子または置換もしくは無置換アルキル基(炭素数1〜3であることが好ましい)を表し、水素原子であることが好ましい。A3は単結合、−O−、−CO−O−、−S−、−CO−S−、−CO−NP3−、又は−O−CO−O−を表し、−O−、−CO−O−であることが好ましい。P3は水素原子、または置換もしくは無置換アルキル基(炭素数1〜3であることが好ましい)を表し、水素原子であることが好ましい。A4、A5はそれぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−CO−S−、−CO−NP4−を表し、A4またはm個のA5のうち少なくとも1つは単結合であり、P4は水素原子または置換もしくは無置換アルキル基(炭素数1〜3であることが好ましい)を表し、水素原子であることが好ましい。R11〜R16はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子を表し、水素原子、メトキシ基、塩素原子、フッ素原子であることが好ましく、水素原子、メトキシ基、塩素原子であることがさらに好ましい。n1〜n6は1〜3の整数を表し、1〜2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。mは2〜3の整数を表し、その場合、複数存在するR15,n5,A5は互いに異なっていてもよい。
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008241983
以下に、前記一般式(II)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008241983
一般式(I)で表される化合物としては、単独の液晶状態でネマチック相のみを発現するものを選択し、一般式(II)で表される化合物としては、単独で少なくともスメクチック相を発現するものを選択することが好ましい。
前記光学異方性層が正のa−plateの場合、VAモードもしくは半透過型の液晶セルを正確に光学補償できるので好ましい。また、前記光学異方性層が正のc−plateの場合、IPSモードの液晶セルを正確に光学補償できるので好ましい。VAモード、IPSモードいずれの場合においても、偏光板保護フィルムの一方を光学補償シートとすることが好ましい。VAモードにおいては、偏光板保護フィルムとしての光学異方性層がc−plateであることが好ましく、IPSモードに対しては厚み方向の屈折率が最も小さい二軸性であることが好ましい。一軸性の光学異方性層は、一軸性である棒状の液晶性化合物を液晶のダイレクタが一方向に揃うように配向させることにより作製することができる。このような一軸性配向は、ラビング配向層もしくは光配向層上にカイラル性のない液晶層を配向させる方法、磁場もしくは電場で配向させる方法、延伸やせん断のような外力を与えて配向させる方法などによって実現できる。
光学異方性層は、上記の液晶性化合物およびカチオン重合開始剤と他の添加剤を含む溶液(塗布液)を、後述する所定の配向層の上に塗布して形成することが好ましい。
塗布液における上記の一般式(I)及び(II)で表される化合物の濃度は5〜50質量%であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。カチオン重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がより好ましい。カチオン光重合開始剤の例には、有機スルフォニウム塩系、ヨードニウム塩系、フォスフォニウム塩系等を例示する事ができる。これら化合物の対イオンとしては、アンチモネート、フォスフェート、などが好ましく用いられる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましく、25〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。照度は10〜1000mW/cm2であることが好ましく、20〜500mW/cm2であることがより好ましく、40〜350mW/cm2であることがさらに好ましい。照射波長としては250〜450nmにピークを有することが好ましく、300〜410nmにピークを有することがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、窒素雰囲気下あるいは加熱条件下で光照射を実施してもよい。
前記光学異方性層は、偏光照射による光配向によって面内のレターデーションが発生した層であってもよい。この偏光照射は、上記配向固定化における光重合プロセスと同時に行ってもよいし、先に偏光照射を行ってから非偏光照射でさらに固定化を行ってもよいし、非偏光照射で先に固定化してから偏光照射によって光配向を行ってもよい。なお、偏光照射による光配向によって発生した面内のレターデーションを示す光学異方性層は、特に、VAモードの液晶表示装置を光学補償するのに優れている。
前記光学異方性層形成用組成物中に、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物および一般式(4)のモノマーを用いた含フッ素ホモポリマーまたはコポリマーの少なくとも一種を含有させることで、液晶性化合物の分子を実質的に水平配向させることができる。尚、本明細書において「水平配向」とは、棒状液晶の場合、分子長軸と透明支持体の水平面が平行であることをいうが、厳密に平行であることを要求するものではなく、本明細書では、水平面とのなす傾斜角が10度未満の配向を意味するものとする。傾斜角は0〜5度が好ましく、0〜3度がより好ましく、0〜2度がさらに好ましく、0〜1度が最も好ましい。
以下、下記一般式(1)〜(4)について、順に説明する。
Figure 2008241983
式中、R1、R2およびR3は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、X1、X2およびX3は単結合又は二価の連結基を表す。R1〜R3で各々表される置換基としては、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基(中でも、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基がより好ましい)、アリール基(中でもフッ素置換アルキル基を有するアリール基が好ましい)、置換もしくは無置換のアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子である。X1、X2およびX3で各々表される二価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、二価の芳香族基、二価のヘテロ環残基、−CO−、―NRa−(Raは炭素原子数が1〜5のアルキル基または水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基は、アルキレン基、フェニレン基、−CO−、−NRa−、−O−、−S−およびSO2−からなる群より選ばれる二価の連結基又は該群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがより好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。二価の芳香族基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい
Figure 2008241983
式中、Rは置換基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の整数を表す場合、複数個のRは同一でも異なっていてもよい。Rとして好ましい置換基は、R1、R2、およびR3で表される置換基の好ましい範囲として挙げたものと同じである。mは、好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは2又は3である。
Figure 2008241983
式中、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は各々独立して、水素原子又は置換基を表す。R4、R5、R6、R7、R8およびR9でそれぞれ表される置換基は、好ましくは一般式(I)におけるR1、R2およびR3で表される置換基の好ましいものとして挙げたものである。本発明に用いられる水平配向剤については、特開2005−99248号公報の段落番号[0092]〜[0096]に記載の化合物を用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
Figure 2008241983
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子を表し、Zは水素原子またはフッ素原子を表し、mは1以上6以下の整数、nは1以上12以下の整数を表す。一般式(4)を含む含フッ素ポリマー以外にも、塗布におけるムラ改良ポリマーとして特開2005−206638号公報および特開2006−91205号公報に記載の化合物を水平配向剤として用いることができ、それら化合物の合成法も該明細書に記載されている。
水平配向剤の添加量としては、液晶性化合物の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.02〜1質量%が特に好ましい。なお、前記一般式(1)〜(4)にて表される化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
[配向層]
上記した様に、前記光学異方性層の形成には、配向層を利用してもよい。配向層は、一般に透明仮支持体上又は該透明仮支持体に塗設された下塗層上に設けられる。配向層は、その上に設けられる液晶性化合物の配向方向を規定するように機能する。配向層は、光学異方性層に配向性を付与できるものであれば、どのような層でもよい。配向層の好ましい例としては、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理された層、無機化合物の斜方蒸着層、およびマイクログルーブを有する層、さらにω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット法(LB膜)により形成される累積膜、あるいは電場あるいは磁場の付与により誘電体を配向させた層を挙げることができる。
配向層用の有機化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリカーボネート等のポリマーおよびシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビルアルコールおよびアルキル基(炭素原子数6以上が好ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙げることができる。
配向層の形成には、ポリマーを使用するのが好ましい。利用可能なポリマーの種類は、液晶性化合物の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定することができる。例えば、液晶性化合物を水平に配向させるためには配向層の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いる。具体的なポリマーの種類については液晶セルまたは光学補償シートについて種々の文献に記載がある。例えば、ポリビニルアルコールもしくは変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸もしくはポリアクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルピロリドン、セルロースもしくは変性セルロース等が好ましく用いられる。配向層用素材には液晶性化合物の反応性基と反応できる官能基を有してもよい。反応性基は、側鎖に反応性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向層を用いることがより好ましく、かかる配向層としては特開平9−152509号公報に記載されており、酸クロライドやカレンズMOI(昭和電工(株)製)を用いて側鎖にアクリル基を導入した変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。配向層は酸素遮断膜としての機能を有していてもよい。
また、LCDの配向層として広く用いられているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイミド)も有機配向層として好ましい。これはポリアミック酸(例えば、日立化成工業(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した後、ラビングすることにより得られる。
また、前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向層の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては、SiO2を代表とし、TiO2、ZnO2等の金属酸化物、あるいやMgF2等のフッ化物、さらにAu、Al等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電率のものであれば斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィルムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸着膜を形成することができる。
[段差形成用感光性樹脂層]
感光性樹脂層は、感光性樹脂組成物よりなり、ポジ型でもネガ型でもよく特に限定はなく、市販のレジスト材料を用いることもできる。基板形成工程における環境上や防爆上の問題から、有機溶剤が5%以下の水系現像であることが好ましく、アルカリ現像であることが特に好ましい。また、図2(c)の態様の場合、前記感光性樹脂層は少なくとも(1)ポリマーと、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系とを含む樹脂組成物から形成するのが好ましい。
以下、これら(1)〜(3)の成分について説明する。
(1)ポリマー
ポリマー(以下、単に「バインダ」ということがある。)としては、側鎖にカルボン酸基やカルボン酸塩基などの極性基を有するポリマーからなるアルカリ可溶性樹脂が好ましい。その例としては、特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭59−53836号公報および特開昭59−71048号公報に記載されているようなメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等を挙げることができる。また側鎖にカルボン酸基を有するセルロース誘導体も挙げることができ、またこの他にも、水酸基を有するポリマーに環状酸無水物を付加したものも好ましく使用することができる。また、特に好ましい例として、米国特許第4139391号明細書に記載のベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体や、ベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸と他のモノマーとの多元共重合体を挙げることができる。これらの極性基を有するバインダポリマーは、単独で用いてもよく、或いは通常の膜形成性のポリマーと併用する組成物の状態で使用してもよい。全固形分に対するポリマーの含有量は20〜70質量%が一般的であり、25〜65質量%が好ましい。
(2)モノマー又はオリゴマー
前記感光性樹脂層に使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマーおよびオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報および特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報および特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
これらのモノマー又はオリゴマーは、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよく、樹脂組成物の全固形分に対する含有量は5〜50質量%が一般的であり、10〜40質量%が好ましい。
(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系
前記感光性樹脂層に使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書および同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾールおよびトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。
これらの光重合開始剤又は光重合開始剤系は、単独でも、2種類以上を混合して用いてもよいが、特に2種類以上を用いることが好ましい。少なくとも2種の光重合開始剤を用いると、表示特性、特に表示のムラが少なくできる。
樹脂組成物の全固形分に対する光重合開始剤又は光重合開始剤系の含有量は、0.3〜20質量%が一般的であり、0.5〜15質量%が好ましい。
感光性樹脂層は、ムラを効果的に防止するという観点から、適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。前記界面活性剤は、感光性樹脂組成物と混ざり合うものであれば使用可能である。本発明に用いる好ましい界面活性剤としては、特開2003−337424号公報[0090]〜[0091]、特開2003−177522号公報[0092]〜[0093]、特開2003−177523号公報[0094]〜[0095]、特開2003−177521号公報[0096]〜[0097]、特開2003−177519号公報[0098]〜[0099]、特開2003−177520号公報[0100]〜[0101]、特開平11−133600号公報の[0102]〜[0103]、特開平6−16684号公報の発明として開示されている界面活性剤が好適なものとして挙げられる。より高い効果を得る為にはフッ素系界面活性剤、および/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤、フッソ原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましく、フッ素系界面活性剤が最も好ましい。フッ素系界面活性剤を用いる場合、該界面活性剤分子中のフッ素含有置換基のフッ素原子数は1〜38が好ましく、5〜25がより好ましく、7〜20が最も好ましい。フッ素原子数が多すぎるとフッ素を含まない通常の溶媒に対する溶解性が落ちる点で好ましくない。フッ素原子数が少なすぎると、ムラの改善効果が得られない点で好ましくない。
特に好ましい界面活性剤として、下記一般式(a)および、一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有するものが挙げられる。
Figure 2008241983
式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、R4は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜18の整数、mは2〜14の整数を示す。p、qは0〜18の整数を示すが、p、qがいずれも同時に0になる場合は含まない。
特に好ましい界面活性剤の一般式(a)で表されるモノマーをモノマー(a)、一般式(b)で表されるモノマーをモノマー(b)と記す。一般式(a)に示すCm2m+1は、直鎖でも分岐鎖でもよい。mは2〜14の整数を示し、好ましくは4〜12の整数である。Cm2m+1の含有量は、モノマー(a)に対して20〜70質量%が好ましく、特に好ましくは40〜60質量%である。R1は水素原子またはメチル基を示す。またnは1〜18を示し、中でも2〜10が好ましい。一般式(b)に示すR2およびR3は、各々独立に水素原子またはメチル基を示し、R4は水素原子または炭素数が1〜5のアルキル基を示す。pおよびqは0〜18の整数を示すが、p、qがいずれも0は含まない。pおよびqは好ましくは2〜8である。
また、特に好ましい界面活性剤1分子中に含まれるモノマー(a)としては、互いに同じ構造のものでも、上記定義範囲で異なる構造のものを用いてもよい。このことは、モノマー(b)についても同様である。
特に好ましい界面活性剤の重量平均分子量Mwは、1000〜40000が好ましく、更には5000〜20000がより好ましい。界面活性剤は前記一般式(a)および一般式(b)で表されるモノマーを含み、且つ一般式(a)/一般式(b)の質量比が20/80〜60/40の共重合体を含有することを特徴とする。特に好ましい界面活性剤100質量部は、モノマー(a)が20〜60質量部、モノマー(b)が80〜40質量部、およびその他の任意モノマーがその残りの質量部からなることが好ましく、更には、モノマー(a)が25〜60質量部、モノマー(b)が60〜40質量部、およびその他の任意モノマーがその残りの質量部からなることが好ましい。
モノマー(a)および(b)以外の共重合可能なモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸、ビニルベンゼンスルホン酸ソーダ、アミノスチレン等のスチレンおよびその誘導体、置換体、ブタジエン、イソプレン等のジエン類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、部分エステル化マレイン酸、スチレンスルホン酸無水マレイン酸、ケイ皮酸、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系単量体等が挙げられる。
特に好ましい界面活性剤は、モノマー(a)、モノマー(b)等の共重合体であるが、そのモノマー配列は特に制限はなくランダムでも規則的、例えば、ブロックでもグラフトでもよい。更に、特に好ましい界面活性剤は、分子構造および/又はモノマー組成の異なるものを2以上混合して用いることができる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂層の層全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、特に0.1〜7質量%が好ましい。界面活性剤は、特定構造の界面活性剤とエチレンオキサイド基、およびポリプロピレンオキサイド基とを所定量含有するもので、感光性樹脂層に特定範囲で含有することにより該感光性樹脂層を備えた液晶表示装置の表示ムラが改善される。全固形分に対して0.01質量%未満であると、表示ムラが改善されず、10質量%を超えると、表示ムラ改善の効果があまり現れない。上記の特に好ましい界面活性剤を前記感光性樹脂層中に含有させカラーフィルタを作製すると、表示ムラが改良される点で好ましい。
好ましいフッ素系界面活性剤の具体例としては、特開2004−163610号公報の段落番号[0054]〜[0063]に記載の化合物が挙げられる。また、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、又は、シリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。本発明においては、一般式(a)で表されるモノマーを含まないフッ素系界面活性剤である、特開2004−331812号公報の段落番号[0046]〜[0052]に記載の化合物を用いることも好ましい。
[転写用接着層]
転写用接着層としては、透明で着色がなく、十分な転写性を有していれば特に制限はなく、粘着剤による粘着層、中でも感光性樹脂層、感圧性樹脂層、感熱性樹脂層などが挙げられるが、基板に必要な耐ベーク性から感光性もしくは感熱性樹脂層が望ましい。粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等が挙げられる。粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
感圧性樹脂層としては、圧力をかけることによって接着性を発現すれば特に限定はなく、感圧性接着剤には、ゴム系,アクリル系,ビニルエーテル系,シリコーン系の各粘着剤が使用できる。粘着剤の製造段階,塗工段階の形態では、溶剤型粘着剤,非水系エマルジョン型粘着剤,水系エマルジョン型粘着剤,水溶性型粘着剤,ホットメルト型粘着剤,液状硬化型粘着剤,ディレードタック型粘着剤等が使用できる。ゴム系粘着剤は、新高分子文庫13「粘着技術」(株)高分子刊行会P.41(1987)に記述されている。ビニルエーテル系粘着剤は、炭素数2〜4のアルキルビニルエーテル重合物を主剤としたもの,塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体,酢酸ビニル重合体,ポリビニルプチラール等に可塑剤を混合したものがある。シリコーン系粘着剤は、フィルム形成と膜の凝縮力を与えるためゴム状シロキサンを使い、粘着性や接着性を与えるために樹脂状シロキサンを使ったものが使用できる。
感熱性樹脂層としては、熱をかけることによって接着性を発現すれば特に限定はなく、感熱性接着剤としては、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂などを挙げることができる。前記熱溶融性化合物としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂の低分子量物、カルナバワックス、モクロウ、キャンデリラワックス、ライスワックス、及び、オウリキュリーワックス等の植物系ワックス類、蜜ロウ、昆虫ロウ、セラック、及び、鯨ワックスなどの動物系ワックス類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、エステルワックス、及び、酸化ワックスなどの石油系ワックス類、モンタンロウ、オゾケライト、及びセレシンワックスなどの鉱物系ワックス類等の各種ワックス類を挙げることができる。さらに、ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジン変性グリセリン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、及びエステルガム等のロジン誘導体、フェノール樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、及び脂環族系炭化水素樹脂などを挙げることができる。
なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量が通常10,000以下、特に5,000以下で融点もしくは軟化点が50〜150℃の範囲にあるものが好ましい。これらの熱溶融性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びセルロース系樹脂などを挙げることができる。これらのなかでも、特に、エチレン系共重合体等が好適に使用される。
感光性樹脂層としては、光照射によって接着性を発現すれば特に限定はなく、感光性接着剤としては、前記段差形成用感光性樹脂層に用いられるものと同じものを利用することができる。中でも特に、少なくとも(1)ポリマーと、(2)モノマー又はオリゴマーと、(3)光重合開始剤又は光重合開始剤系とを含む樹脂組成物から形成することが好ましい。
[その他の層]
本発明の転写材料の、支持体と光学異方性層の間には、力学特性や凹凸追従性をコントロールするために力学特性制御層を形成することが好ましい。力学特性制御層としては、柔軟な弾性を示すもの、熱により軟化するもの、熱により流動性を呈するものなどが好ましく、熱可塑性樹脂層が特に好ましい。熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルおよびそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
本発明の転写材料においては、複数の塗布層の塗布時、および塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を設けることが好ましい。該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜や、前記光学異方性形成用の配向層を用いることが好ましい。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールもしくはポリビニルピロリドンとそれらの変性物の一つもしくは複数を混合してなる層である。前記熱可塑性樹脂層や前記酸素遮断膜、前記配向層を兼用することもできる。
樹脂層の上には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護する為に薄い保護フィルムを設けることが好ましい。保護フィルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、樹脂層から容易に分離されることが好ましい。保護フィルム材料としては例えばシリコン紙、ポリオレフィンもしくはポリテトラフルオロエチレンシートが適当である。
光学異方性層、感光性樹脂層、転写接着層および所望により形成される配向層、熱可塑性樹脂層および中間層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
[光学異方性層を基板上に形成する方法]
本発明の光学異方性層形成用組成物を用いて、光学異方性層は、基板上に光学異方性層形成用組成物を塗布して形成することができるとともに、転写材料を用いて形成することもできる。
転写材料を用いて光学異方性層を形成することによって、特に段差形成用感光性樹脂層を有する液晶表示装置用基板の製造の際に、製造工程数を減らすことが可能である。転写材料を基板上に転写する方法については特に制限されず、基板上に上記光学異方性層を転写できれば特に方法は限定されない。例えば、フィルム状に形成した本発明の転写材料を、転写接着層面を基板表面側にして、ラミネータを用いて加熱および/又は加圧したローラー又は平板で圧着又は加熱圧着して、貼り付けることができる。具体的には、特開平7−110575号公報、特開平11−77942号公報、特開2000−334836号公報、特開2002−148794号公報に記載のラミネータおよびラミネート方法が挙げられるが、低異物の観点で、特開平7−110575号公報に記載の方法を用いるのが好ましい。その後、支持体は剥離してもよく、剥離によって露出した光学異方性層表面に、他の層、例えば電極層等を形成してもよい。
[パターン状のレターデーションを有する光学異方性層の形成]
パターン状のレターデーションを有する光学異方性層を形成するためのパターン露光は、基板上に形成された感光性樹脂層の上方に所定のマスクを配置し、その後該マスクを介してマスク上方から露光してもよいし、レーザや電子線などを用いてマスクなしに決められた位置にフォーカスして直接描画してもよい。前記露光の光源としては、樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
レターデーションのパターンは、パターン露光された光学異方性層を80℃以上400℃以下の加熱工程を経ることにより形成することができる。本発明の光学異方性形成用組成物を含む溶液を基板上に塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射することによって、又は同様に形成された光学異方性層を含む転写材料からの転写によって全面に均一な光学異方性層を得た後、該光学異方性層を直接もしくはフォトマスクを介してパターン露光し、さらに加熱することによって、Re1とRe2(Re1>Re2)の異なるレターデーションを有するパターン状のレターデーションを有する光学異方性層を得ることができる。露光部がRe1となることが好ましい。Re2はRe1の80%以下が好ましく、Re1の50%以下であることがより好ましく、20%以下であることがさらに好ましく、実質的に0となることが最も好ましい。
Re1は40〜550nmであることが好ましい。
また、段差形成を行う場合は、前記加熱工程前に液による現像を行う。露光後の現像工程に用いられる現像液としては特に制約はないが、水を30質量%以上含む現像液が好ましい。環境上、防爆上の問題からアルカリ現像が好ましく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は樹脂層が溶解型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましい。また、上記現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等、公知の方法を用いることができる。露光後の樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、現像の前に樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。洗浄液としては公知のものを使用できるが、(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」、或いは、炭酸ナトリウム・フェノキシオキシエチレン系界面活性剤含有、商品名「T−SD2(富士写真フイルム(株)製)」)が好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpHは8〜13が好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
(熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1として用いた。
──────────────────────────────────―────
熱可塑性樹脂層用塗布液組成(%)
───────────────────────────────────────
メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/30/10/5、重量平均分子量=10万、Tg≒70℃)
5.89
スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=65/35、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
13.74
BPE−500(新中村化学(株)製) 9.20
メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業(株)社製) 0.55
メタノール 11.22
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.43
メチルエチルケトン 52.97
──────────────────────────────────────―
(配向層用塗布液AL−1の調製)
下記の組成物を調製し、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、中間層/配向層用塗布液AL−1として用いた。
──────────────────────────────────――
中間層/配向層用塗布液組成(%)
──────────────────────────────────――
ポリビニルアルコール(PVA205、クラレ(株)製) 3.21
ポリビニルピロリドン(Luvitec K30、BASF社製) 1.48
蒸留水 52.1
メタノール 43.21
──────────────────────────────────――
(光学異方性層用塗布液LC−1〜LC−6の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、光学異方性層用塗布液LC−1〜LC−6として用いた。下記表は、光学異方性層用塗布液LC−1〜LC−6の塗布液組成(質量%)である。LC−1〜LC−6いずれにおいても、棒状液晶の割合は、塗布液総質量の19.57質量%になるように調整した。さらに、LC−2〜LC−6の塗布液に関しては、I−1以外の液晶を加えているが、いずれもI−1の1/4倍量加えている。表中カチオン光重合開始剤は、Cyracure UVI6974、ダウ・ケミカルであり、重合制御剤は、IRGANOX1076、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)である。
棒状液晶I−1、II−1、II−2、II−3、I−5、IIIの相転移温度を下記に示す
I−1:Cr 89 N 141 Iso
II−1: Cr 109 Sc 200℃でもSc
II−2: Cr 94 Sc 134 SA 158 N 200℃でもN
II−3: Cr 136 SA 160 N 200℃でもN
I−5:Cr 69 N 111 Iso
III:Cr 87 N 98 Iso
Figure 2008241983
Figure 2008241983
(感光性転写接着/樹脂層用塗布液AD−1の調製)
下記の組成物を調製後、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過して、感光性転写接着/樹脂層用塗布液AD−1として用いた。
──────────────────────────────────――
感光性転写接着/樹脂層用塗布液組成(質量%)
──────────────────────────────────――
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸メチル
=35.9/22.4/41.7モル比のランダム共重合物
(重量平均分子量3.8万) 8.05
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製) 4.83
ラジカル光重合開始剤(2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)
1,3,4−オキサジアゾール) 0.12
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.002
メガファックF−176PF(大日本インキ化学工業(株)製) 0.05
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 34.80
メチルエチルケトン 50.538
メタノール 1.61
──────────────────────────────────――
(転写材料L1〜L6の作製)
厚さ100μmの易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA4100、東洋紡績(株)製)の仮支持体の上に、ワイヤーバーを用いて順に、熱可塑性樹脂層用塗布液CU−1、配向層用塗布液AL−1を塗布、乾燥した。乾燥膜厚はそれぞれ14.6μm、1.6μmであった。次いで、形成した配向膜層をラビング処理した後、その上にワイヤーバーを用いてLC−1を塗布、膜面温度90℃で1分間乾燥し、液晶相状態とした後、空気下にて160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度240mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線を照射してその配向状態を固定化して、いずれも厚さ1.14μmの光学異方性層を形成し、最後に、感光性転写用接着層用塗布液AD−1を塗布、乾燥して1.0μmの転写用接着層を形成し転写材料L−1を作製した。LC−1の代わりにそれぞれLC−2〜LC−6を用いる以外は転写材料L−1と同様に、転写材料L−2〜L6を作製した。転写材料L−1同様、光学異方性層の膜厚は、いずれも1.14μmであった。
(位相差測定)
ファイバ型分光計を用いた平行ニコル法により、転写材料L1〜L6の作製時の紫外線を照射する前後での各光学異方性層の正面レターデーションRe(550nm)、および波長分散値(Re(400nm)/Re(550nm)を測定した。膜厚の値(1.14μm)からΔn(550nm)の値も算出した。位相差測定結果を表1に示す。
Figure 2008241983
表2の結果から、本発明の光学異方性層形成用組成物(LC−2〜LC−4)から形成した光学異方性層は、Δn2/Δn1>1(Δn2:重合後の屈折率異方性、Δn1:重合前の屈折率異方性)であり、かつ重合後に大きな屈折率異方性が得られていることがわかる。波長分散に関して、本発明の光学異方性層形成用組成物(LC−2〜LC−4)から形成した光学異方性層は、重合前後で変化はなかった。
膜厚0.77μmの光学異方性層とした以外は、転写材料L−4の作製と同様にして転写材料L−4−2を作製した(重合後の正面Re(550nm)は140nm、重合後のΔn(550nm)は0.183、重合後のRe(400nm)/Re(550nm)は1.20であった)。
(液晶表示装置用基板の作製)
小林駿介編著、カラー液晶ディスプレイ、240頁、産業図書(1994)に記載の一般的な方法で、ガラス基板上にブラックマトリクスおよびRGBの3色のカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板を形成した。その上に、転写材料L−4−2を、ラミネータ((株)日立インダストリイズ製(LamicII型))を用い、前記100℃で2分間加熱した基板に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。 仮支持体を剥離後、感光性樹脂層塗布液AD−1をスピンコート塗布し、厚さ2.0μmの感光性樹脂層を形成した。次いで、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)で、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量25mJ/cm2でパターン露光した。さらに、炭酸Na系現像液(0.06mol/Lの炭酸水素ナトリウム、同濃度の炭酸ナトリウム、1%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、安定剤含有、商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を用い、コーン型ノズル圧力0.15MPaでシャワー現像して感光性樹脂層を現像し、段差層を得た。
引き続き洗浄剤(燐酸塩・珪酸塩・ノニオン界面活性剤・消泡剤・安定剤含有、商品名「T−SD1(富士写真フイルム(株)製)」を用い、コーン型ノズル圧力0.02MPaでシャワーとナイロン毛を有す回転ブラシにより残渣除去を行った後、230℃のマッフル炉で1時間加熱して、レターデーションをパターン状に有する図1(d)の態様の実施例7の液晶表示装置用基板を作製した。実施例7のレターデーションのパターンを測定したものを表2に示す。
Figure 2008241983
(半透過型LCDの作製)
実施例7の液晶表示装置用基板上に透明電極、ポリイミドからなる配向膜を形成し、対向の液晶表示装置用基板に反射板付きTFT基板を用いて、図4(a)の構成の実施例8の半透過型ECB−LCDを作製した。
パターン露光の代わりに全面露光した以外は実施例7の液晶表示装置用基板の作製と同様に液晶表示装置用基板を作製し、この液晶表示装置用基板を実施例7の液晶表示装置用基板の代わりに用いた以外は実施例8と同様にして、半透過型LCDを比較例1として作製した。また、図4(b)の構成の半透過型LCDを比較例2として作製した。実施例8、および比較例1、2の目視評価結果を表3に示す。
Figure 2008241983
液晶表示装置用基板の一例の概略断面図である。 転写材料の一例の概略断面図である。 カラーフィルタ層を有する側の液晶表示装置用基板の一例の概略図である。 液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置の一例の概略断面図である。
符号の説明
11 基板
12 光学異方性層
12A 光学異方性層の露光部
12B 光学異方性層の未露光部
13 配向層(基板上)
14 転写接着層
15 感光性樹脂層
21 仮支持体
22 配向層(仮支持体上)
23 力学特性制御層
16 保護層
31 ブラックマトリクス
32 カラーフィルタ層
33 透過部
34 反射部
41 偏光層
42 セルロースアセテートフィルム(偏光板保護フィルム)
43 セルロースアセテートフィルム、または光学補償シート
43A λ/2板
43B λ/4板
44 粘着層
45 駆動素子
46 反射板
47 液晶
48 機能性基板

Claims (16)

  1. 一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、及びカチオン重合開始剤を含む光学異方性層形成用組成物。
    Figure 2008241983
    (式中、Q1及びQ2のいずれか一方はラジカル重合性基を表し、Q1及びQ2の他方はカチオン重合性基を表し、Q3及びQ4のいずれか一方はラジカル重合性基を表し、Q3及びQ4の他方はカチオン重合性基を表し、X11及びX12はそれぞれ独立して、−O−、−NP1−、−S−を表し、P1は水素原子、または置換若しくは無置換アルキル基を表し、L1〜L4は、それぞれ独立に単結合、または置換もしくは無置換アルキレン基、または置換アルキレン基を表し、A1、A2、A6はそれぞれ独立に、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−S−、−S−CO−、−CO−S−、−NP2−CO−、−CO−NP2−、又は−O−CO−O−を表し、P2は水素原子または置換もしくは無置換アルキル基を表し、A3は単結合、−O−、−CO−O−、−S−、−CO−S−、−CO−NP3−、−O−CO−O−を表し、P3は水素原子、または無置換若しくは置換アルキル基を表し、A4、A5はそれぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−CO−S−、−CO−NP4−を表し、A4またはm個のA5のうち少なくとも1つは単結合を表し、P4は水素原子、または置換もしくは無置換アルキル基を表し、R11〜R16はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、メトキシ基、塩素原子、フッ素原子、臭素原子を表し、n1〜n6は1〜3の整数を表し、mは2〜3の整数を表す。)
  2. 一般式(I)で表される化合物の総質量に対する、一般式(II)で表される化合物の総質量が5〜100%である請求項1に記載の組成物。
  3. 仮支持体上に請求項1又は2に記載の組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射して形成される光学異方性層と、転写用接着層とを有する転写材料。
  4. 前記光学異方性層が、前記仮支持体上に直接もしくは仮支持体上に形成した配向層をラビングした上に形成されている請求項3に記載の転写材料。
  5. 少なくとも次の[1]〜[3]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法:
    [1]基板上に請求項1又は2に記載の組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射して光学異方性層を形成する工程
    [2]該光学異方性層をパターン露光する工程
    [3]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
  6. 少なくとも次の[11]〜[15]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法;
    [11]基板上に請求項1又は2に記載の組成物を含む溶液を塗布乾燥して液晶相を形成した後、該液晶相を熱または電離放射線照射して光学異方性層を形成する工程
    [12]該光学異方性層上に感光性樹脂層を形成する工程
    [13]該光学異方性層及び感光性樹脂層をパターン露光する工程
    [14]該基板上の不要な感光性樹脂層を除去する工程
    [15]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
  7. 少なくとも次の[21]〜[23]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法:
    [21]請求項3又は4に記載の転写材料を用いて、基板上に転写用接着層と光学異方性層を基板側からこの順に形成する工程
    [22]該光学異方性層をパターン露光する工程
    [23]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
  8. 少なくとも次の[31]〜[35]の工程をこの順に含む液晶表示装置用基板の製造方法:
    [31]請求項3又は4に記載の転写材料を用いて、基板上に転写用接着層と光学異方性層を基板側からこの順に形成する工程
    [32]光学異方性層上に感光性樹脂層を形成する工程
    [33]該光学異方性層及び感光性樹脂層をパターン露光する工程
    [34]該基板上の不要な感光性樹脂層を除去する工程
    [35]該光学異方性層を80℃以上400℃以下に加熱する工程。
  9. 不要な感光性樹脂層の除去が水を30%以上含む現像液を用いて行われる請求項6または8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記溶液が、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物を5〜50質量%含む請求項3〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 面内レターデーションRe1の領域と面内レターデーションRe2の領域(ただしRe1>Re2)とを有する光学異方性層を含む請求項5〜10のいずれか1項に記載の製造方法により製造された液晶表示装置用基板。
  12. 面内レターデーションRe1の領域が前記パターン露光時の露光部であり、面内レターデーションRe2の領域が前記パターン露光時の未露光部である請求項11に記載の液晶表示装置用基板。
  13. Re2が5nm以下である請求項11または12に記載の液晶表示装置用基板。
  14. Re1が40〜550nmである請求項11〜13のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板。
  15. 請求項11〜14のいずれか一項に記載の液晶表示装置用基板を有する液晶表示装置。
  16. 液晶モードが半透過モードである請求項15に記載の液晶表示装置。
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