JP2008281765A - 凹凸構造物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の表面に許容誤差範囲内で凹凸構造を再現性よく形成できるようにする。
【解決手段】石英基板2の表面上に、形成する凹凸の高低差よりも大きい高低差をもつ凹凸構造のレジストパターン4aを形成し、レジストパターン4aをマスクにして石英基板2の表面を、目標とする高低差よりも10%程度大きいエッチング量をエッチング装置に設定してドライエッチングをする(第1エッチング処理工程)。1回目のドライエッチングにより石英基板2の表面に形成された凹凸の凸部2aと凹部2bの高低差を測定し、目標高低差との差を算出する(計測工程)。石英基板2の表面の凹部2bの底面を被い凸部2aが開口したレジスト層6を形成し、そのレジスト層6をマスクにして、前の計測工程で算出した現時点での凹凸の高低差と目標高低差との差をエッチング量の設定値として凸部2aの頂面のみをドライエッチングする(第2エッチング処理工程)。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板の表面に矩形断面をもつ回折格子や台形断面をもつ表面無反射構造物などの物品を製造する方法に関するものである。
近年、光源から出射した光束を光記録媒体上の記録面に照射し、この記録面によって反射された戻り光束を受光手段により受光しつつ情報の記録、消去または再生を行う光ピックアップが知られており、例えばCD系の光情報処理装置や、DVD系の光情報処理
装置等に応用されている。
光記録媒体においては記録密度の高密度化の要望が高く、発振波長λが400nm程度の光源と開口数(NA)が0.85又は0.65程度の対物レンズとを用いた2つの規格が提案されている。一方は、青色波長領域の光源とNA0.85の対物レンズを用いて22GB相当の容量確保を満足する規格「Blu-ray Disc(以下、BDという)」であり、他方は、青色波長領域の光源を用いるが、NA0.65の対物レンズを用いて20GB相当の容量確保を満足する規格「HD−DVD(以下、HDという)」である。これら両規格は、現行のDVD(NA=0.6,λ=650nm)が記録容量4.7GBであるのに対して大幅な大容量化を可能にしている。BDは従来よりも短波長化、高NA化することによって大容量化を実現しており、HDは高NA化の代わりに信号処理の工夫で線記録密度の向上を図る「ランド・グルーブ記録」の採用によって大容量化を実現している。
これらの光記録媒体に対して同一の光ピックアップでの記録又は再生を可能にすることが求められている。波長の異なる複数の光源を用いる互換型の光ピックアップにおいて、小型化、低コスト化を実現するためには、対物レンズを含めて、光学系を共通にすることが望ましい。このため、各規格の使用波長に応じた複数の光源を備えながら、同一の対物レンズで記録面へ必要な開口数により光束を収束する光ピックアップが提案されているが、各波長の光源は別々に設けられているために光ピックアップの部品点数が多く、光学系組付けのために調整すべき部分が多くなって生産性が低下するため、低コスト化や小型化を達成するには不向きな構成であった。
そこで、このような課題を解決するために複数の光源を1つのパッケージに組み込んだ光源モジュールが提案され、それによって小型化や低コスト化が図られている。
その代表的な一例として、同一パッケージ内に405nm、660nm、785nmの3種類の波長の光束を発するマルチ半導体レーザ光源を搭載した光ピックアップが開示されている(非特許文献1参照。)。このようなマルチ半導体レーザ光源を用いれば、BD、HD、DVD、CDをほぼ同一の光路に集約することができ、光ピックアップの小型化、簡素化、低価格化に大きな効果が期待できる。
ところで、マルチ半導体レーザ光源を搭載した光ピックアップは見かけ上は1個の光源を具備しているように見えるが、実際には各波長の光束を発する光源がそれぞれ100μm〜数100μm程度離れて配置されたものである。そのため、この光ピックアップから出射された光束はその波長によって光軸がずれており、コリメートレンズ、対物レンズ、受光素子等の光学部品を全波長で共通に使用するためには、各波長の光束の光軸を一致させるための光軸補正素子が必要である。
光学部品に入射する光束の光軸が波長ごとに異なっている場合、それらの光束が集光光学系へ斜めに入射することになり、コマ収差が発生して入射スポットが劣化するという問題がある。また、同一の光検出面で光記録媒体を反射してきた光束を受光した場合に、受光した光束の波長によって光軸がずれているため、フォーカス誤差信号やトラッキング誤差信号などの必要なサーボ信号が劣化するという問題もある。各光束に対応した光検出器を複数個搭載したり、同一の検出器内においても各光源から発した光束ごとに別々の検出面を設けたりすることでそのような問題に対応することも可能ではあるが、そうすれば光検出器自体や検出用光学系が非常に複雑で高価なものになり、実用性が大きく損なわれてしまう。
光軸補正素子を備えたものの例としては、DVDとCDで使用する波長光束を出射するマルチ半導体レーザ光源と、その光源から出射される2種類の光束の光軸を補正するための光軸補正素子を備えた光ピックアップを挙げることができる(特許文献1,2を参照。)。
上述した光軸補正素子としては、表面に周期的な凹凸構造が形成された回折格子が一般的に用いられている。このような回折格子は、透明基板上に、形成する回折格子のパターンに対応したマスクパターンをフォトレジスト等を用いて形成し、そのマスクパターンをマスクにしてドライエッチング又はウェットエッチングすることによって形成するのが一般的である。
しかし上記の方法では、凹凸構造の高低差はエッチング量で制御する必要があるが、回折格子の凹凸構造の高低差における公差はエッチング装置のスペック(エッチング量の設定値に対して生じる誤差の割合)以下であり、高い歩留まりでそのような回折格子を製造することは困難であった。
この問題を解決する方法として、例えば以下の方法が提案されている(特許文献3参照。)。
まず、透明基板上に、形成する回折格子パターンの凹凸構造の高低差に対応した膜厚のエッチング防止膜を形成し、さらにその上に回折格子パターンに対応したマスクパターンを写真製版技術等を用いて形成する。そのマスクパターンをマスクにしてエッチング防止膜をエッチングすることにより回折格子パターンに対応したエッチング防止膜からなるマスク層を形成する。エッチング防止膜上に形成されていたマスクパターンを除去し、エッチング防止膜からなるマスク層の上からそのマスク層がなくなるまでエッチングしてエッチング防止膜からなるマスク層の形状を透明基板に転写する。
しかしこの方法では、凹凸構造が所望の高低差で再現性良く形成されるためには、透明基板上のマスクパターンで覆われていない領域のエッチング防止膜をエッチングして回折格子パターン状にする際に、エッチングされるべきエッチング防止膜のみがエッチングされ透明基板はまったくエッチングされないことが前提条件となっており、この工程で透明基板がエッチングされてしまうと、そのエッチングされた分だけ最終的な凹凸構造の高低差の誤差となる。そのため、エッチング防止膜のパターニング工程においても高精度なエッチング量の制御が要求される。また、エッチング防止膜のパターニング工程における透明基板のエッチングを防止するには透明基板に対するエッチング防止膜の選択性が良好でなければならないことから、透明基板の材質とエッチング防止膜の材質の組み合わせには制限がある。
同様の問題は、回折格子に限らず、微細な台形断面をもつ表面無反射構造物などの物品の製造工程でも生じている。
特開2001−216677号公報 特開2002−116314号公報 特開2003−075619号公報 新井将之,日経エレクトロニクス誌,「Blu-ray Disc用光ヘッド、見えた究極の簡素化、3波長レーザの開発に成功」,日経BP社,2004.6.7,p.24-25
そこで本発明は、基板の表面に許容誤差範囲内の凹凸構造をもつ物品を再現性よく製造できるようにすることを目的とするものである。
本発明の凹凸構造物品の製造方法は、基板の一表面に凹凸構造を形成する凹凸構造物品の製造方法であって、基板表面に形成される凹凸の高低差が目標高低差よりも大きくなるように、凹部形成領域をエッチングする第1エッチング処理工程と、第1エッチング処理工程終了後の凹凸構造の高低差を計測し、その計測値と目標高低差との差を算出する計測工程と、第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の凹部の底面をエッチング防止膜で被い、凸部の頂面を露出させた状態で、計測工程で算出した差をエッチング量の設定値として凸部の頂面のみをエッチングする第2エッチング処理工程と、を順に含み、第1エッチング処理工程におけるエッチング量は、第2エッチング処理工程で生じるエッチング誤差の最大値が許容誤差範囲内となるように設定することを特徴とするものである。
「許容誤差範囲」は目標高低差と公差によって決定されるものであり、目標高低差をL、公差をk(kは0<k<1を満たす定数。)とすれば、許容誤差範囲は[−kL〜+kL]と表わすことができる。
凹凸構造の凸部と凹部との目標高低差をL、公差をk(kは0<k<1を満たす定数。)、エッチング装置のスペックをa(aは0<a<1を満たす定数。)とした場合の第1エッチング処理工程におけるエッチング量の設定値Xは以下の関係式(1)を満たしていることが好ましい。なお、スペック“a”は、設定したエッチング量に対して生じる最大エッチング誤差の割合を示す定数である。
L/(1−a)≦X≦L(k+a)/(a+a2) (1)
上記関係式(1)について説明する。
公差がkであるから、実際に形成される凹凸構造の凸部と凹部との高低差Aは、以下の関係式(2)を満たしていなければならない。
L−kL≦A≦L+kL (2)
第1エッチング処理工程におけるエッチング量の設定値をXとすると、第1エッチング処理でのエッチング量Bは設定値Xに対して最大で“±aX”の誤差を生じるから、
X−aX≦B≦X+aX (3)
である。この“B”が第1エッチング処理工程終了後の凸部形成領域と凹部形成領域との高低差となる。
また、第1エッチング処理工程では、必ず目標高低差Lよりも深くエッチングする必要があるので、
X−aX≧L、すなわち、
X≧L/(1−a) (4)
の関係も成立する。
次に、第2エッチング処理工程では第1エッチング処理工程終了後の凸部形成領域と凹部形成領域との高低差、すなわち第1エッチング処理工程における実際のエッチング量Bと目標高低差Lとの差をエッチング量として設定するのであるから、その設定値をYとすれば、
Y=B−L (5)
と表わすことができる。
第2エッチング処理工程における実際のエッチング量Cは設定値Yに対して最大で“±aY”の誤差を含むことになる。第2エッチング処理工程における最大エッチング誤差の絶対値“aY”は、上記関係式(3),(5)より、
B=X+aX (6)
のときに最大となる。第2エッチング処理工程で生じる最大エッチング誤差の絶対値“aY”が最大許容誤差の絶対値“kL”以下であればよいのであるから、
aY≦kL (7)
を満たせばよい。よって、上記関係式(5),(6),(7)より、
X≦L(k+a)/(a+a2) (8)
の関係が成立する。
したがって、上記関係式(4)と(8)によって関係式(1)が導出される。
以上より、第1エッチング処理工程におけるエッチング量の設定値Xが上記関係式(1)を満たすことで、第2エッチング処理工程で凹凸構造の高低差の誤差を許容誤差範囲内にすることができる。
上記第1エッチング処理工程及び第2エッチング処理工程ではドライエッチングを用いることができるが、特にエッチング対象の基板がシリコン基板である場合にはドライエッチングの他、異方性のウェットエッチングも用いることができる。
本発明の凹凸構造物品形成方法の好ましい実施形態の一例は、第1エッチング処理工程において、矩形断面をもつ凹凸パターンのエッチング防止膜を基板の一表面上に形成し、そのエッチング防止膜をマスクにして異方性エッチングすることにより、一表面に矩形断面をもつ凹凸構造を形成することである。
また、本発明の凹凸構造物品製造方法の好ましい実施形態の他の例は、第1エッチング処理工程において、基板の一表面全体にエッチング防止膜を形成し、さらにその上にエッチング防止膜に対して選択性のある、凹凸構造の凹部を形成する領域に開口部をもつマスクパターンを形成し、そのマスクパターンをマスクにしてエッチング防止膜を等方性エッチングして基板の一表面上に台形断面をもつエッチング防止膜パターンを形成し、そのエッチング防止膜パターンをマスクにして基板を異方性エッチングし、基板の一表面に台形断面をもつ凹凸構造を形成することである。
本発明の凹凸構造物品の製造方法を用いれば、透明基板の表面に矩形断面の周期的な凹凸構造をもつ回折格子や、透明基板の表面に台形断面の周期的な凹凸構造をもつ表面無反射構造物品を形成することができる。
本発明の凹凸構造物品の製造方法は、第1エッチング処理工程では表面に形成される凹凸の高低差が目標高低差よりも大きくなるようにエッチングし、それによって形成された凹凸の高低差を計測して目標高低差との差を算出し、第2エッチング処理工程では、その算出した目標高低差と現時点での凹凸の高低差との差分だけ凸部の頂面のみをエッチングするようにし、しかも、第1エッチング処理工程でのエッチング量を第2エッチング処理工程で生じるエッチング誤差が許容誤差範囲内になるように設定しているので、第2エッチング処理工程ではエッチング量は許容誤差範囲内の誤差しか生じないエッチング量となり、基板表面に形成される凹凸の高低差を許容誤差範囲内にすることができる。この方法では、エッチングストッパー層や、形成したい凹凸パターンの転写樹脂層を精度良く形成しておく必要がないので、コストの低減を図ることができ、また、ジャストエッチングのようなエッチングの高精度制御が要求されないので、凹凸構造物品の製造の歩留まりを向上させることができる。
[実施例1]
本発明にかかる凹凸構造物品の製造方法の一実施例を図1を参照しながら説明する。図1は矩形断面の周期的な凹凸構造をもつ回折格子を製造する一実施例を順に示す工程断面図である。
この実施例では、厚さ0.7mmの石英基板材料に2回のドライエッチング加工を施して凹凸構造を形成する。ここで用いるドライエッチング装置のスペックは3%(a=0.03)であり、回折格子の凹凸構造の高低差の公差は1.1%(k=0.011)である。この条件での第1エッチング処理工程におけるエッチング量の設定値Xは、目標高低差をLとすると、上述の関係式(1)より、
1.031L≦X≦1.326L
となる。第1エッチング処理工程におけるエッチング量の設定値Xを上記の範囲で設定することにより、第2エッチング処理工程で凹凸構造の高低差を許容誤差範囲内にすることができる。ただし、第1エッチング処理工程のエッチング量の設定値が上記の条件を満たしている場合であっても、第2エッチング処理工程でのエッチング量が100nm以下になると絶対量が小さすぎてエッチング誤差±3%以内の加工を実現できなくなるので、第2エッチング処理工程でのエッチング量は加工制御性が良い100nm以上に設定する必要がある。なお、この実施例では、凹凸構造の目標高低差Lを2680nmとし、第1エッチング処理工程において目標高低差Lよりも1割程度大きい高低差をもつ凹凸構造が形成されるようなエッチング量Xを設定してドライエッチングし、第2エッチング処理工程では、第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の高低差を目標高低差Lに近づけるようにエッチングするようにした。
その詳細について以下に説明する。
[レジストパターン形成工程]
(A)石英基板2の表面にレジスト層4を形成する(図1(A)を参照。)。レジスト層4を形成するためのレジスト材料として、市販のフォトレジスト材料(例えばTGMR−950(東京応化工業株式会社の製品))を用いた。レジスト層4は4μmの厚さになるように塗布する。次にレジスト層4を塗布した石英基板2をホットプレート上に載せ、100℃の加熱温度にてベーク時間240秒でプリベークした。
(B)次に、レジスト層4が形成された石英基板2を逐次露光装置のX−Yステージ上にセットし、回折格子パターン用のレチクルマスクを用いて1/5倍の縮小率で、照射パワー350mW/cm2×2秒(露光:700mJ/cm2)の露光条件で逐次露光した。
上記の露光工程終了後、露光されたレジスト層を現像及びリンスすることにより、凹凸構造からなる回折格子形状のレジストパターン4aが得られた。次いで、石英基板2を紫外線硬化装置の真空槽内にセットし、240秒間、真空引きをしながら紫外線照射を実施して、レジスト層のハードニングを行なった(図1(B)を参照。)。この操作によって、レジストの耐プラズマ性が向上し、次工程での加工に耐えられるようになる。
[第1エッチング処理工程]
(C)レジストパターン4aをマスクにして異方性ドライエッチング処理を行ない、石英基板2のレジストパターン4aで覆われていない領域に凹部2bを形成する(図1(C)を参照。)。この工程では、石英基板2をRIE(Reactive Ion Etching)装置のチャンバー内に設置した後、真空度2.0×10-3Pa以下に真空排気した。その後、RIEドライエッチング装置の上部電極パワーを1000ワット、下部電極パワーを400ワットに設定し、CHF3を25sccm、Arを5sccm供給し、360秒間、異方性ドライエッチングを行なった。これにより、石英基板2の表面に凸部2aと凹部2aからなる凹凸構造が形成された。なお、このドライエッチング工程では、RIEドライエッチング装置によるエッチング量を3000nmに設定した。
また、レジストパターン4aについては、ドライエッチングをレジストパターン4aがなくなるまで行わずに途中で終了し、残ったレジスト層4aを除去するようにした。残ったレジストマスクの除去には、硫酸と過酸化水素水を9:1の割合で混合した液を用いて石英基板2を浸漬処理し、残ったレジストパターン4aを分解剥離する。この剥離処理を3分間実施し、残レジストマスクを完全に除去した。
[高低差計測工程]
(D)第1エッチング処理工程終了後の凸部2aと凹部2bの高低差Aを計測する(図1(D)を参照。)。この工程では、非接触三次元測定機を用いて凹凸の高低差を精度良く測定した。測定データは基板間でバラツキがあり、2915nm〜3080nmの範囲の高低差であった。すなわち、目標高低差2680nmよりも235nm〜400nm大きい高低差をもつ凹凸構造が形成された。第1エッチング処理工程では、エッチング量の設定値3000nmに対して−85nm〜+80nm(−2.8%〜+2.7%)のエッチングバラツキがあった。
[ドライエッチング防止膜形成工程]
(E)石英基板2の凹凸構造形成面にレジスト層6を形成した(図1(E)を参照。)。ここでは、レジスト層6の材料として市販のレジスト材料(例えばTGMR−950(東京応化工業株式会社の製品))を使用し、基板平坦部で1.5μmの厚さになるように塗布した。レジスト材料を塗布した石英基板2をホットプレート上に載せ、160℃の加熱温度にてベーク時間180秒でポストベークした。この操作によって、レジスト層6の耐プラズマ性が向上し、次工程での加工に耐えられるようになる。ポストベーク処理後のレジスト層6の表面は図に示されているように波形状になっている。凹凸構造の凹部2bにはレジスト溶液が溜まり易いことで凸部2aと比べると、自然とレジスト膜6が厚くなっている。この時、凹部2bには2200nm、凸部2aには800nmの厚さのレジスト層6が形成されている。
(F)その後、凸部2a上のレジスト層6を酸素プラズマ処理により除去し、凹部2bのレジスト層6は完全に除去せずに凹部2bの底面を被った状態で残しておく(図1(F)を参照。)。この酸素プラズマ処理は製品基板をRIE(Reactive Ion Etching)装置のチャンバー内に設置した後、チャンバー内を2.0×10-3Pa以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1000ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、酸素を25sccmで供給して75秒間ドライエッチング処理を行なった。凸部2aの頂面が露出してからさらに凹部2bのレジスト層6を100nm掘り込む条件でエッチングした。この条件では、酸素プラズマは石英材料とほとんど反応しないがレジスト材料とは反応するため、レジスト層6が選択的にドライエッチングされる。このときの石英材料とレジスト材料のエッチング速度差は50倍以上である。これにより、石英基板2はエッチングされず、凸部2aの石英基板2表面の平坦性を維持したままの状態で凸部2a上のレジスト層6のみを除去することが可能である。凸部2aのレジスト層6は完全に除去され、凹部2bにはレジスト層6が1300nmの厚みで残った状態となる。
[第2エッチング処理工程]
(G)凹部形成領域2bに残されたレジスト層6をドライエッチング防止膜として、石英基板2の凹凸構造形成面をドライエッチングする(図1(G)を参照。)。この工程では、石英基板2をドライエッチング加工することで、凹部2bの底面に残っているレジスト層6は凹部2b底面のエッチング防止層として機能し、凸部2aの頂面のみのエッチング加工が可能となる。
この第2エッチング処理工程は第1エッチング処理工程と同じ条件下で行なわれる。第1エッチング処理工程と同じ条件下では、石英基板2のエッチング速度はレジスト層6のエッチング速度の3倍である。すなわち、この第2エッチング処理工程において石英基板2はレジスト層6の3倍量エッチングされる。
この工程では、第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の目標高低差よりも大きい高低差分のエッチングを目的に凸部2aの頂面のみのエッチング加工を行うことで、目標高低差に対して許容誤差範囲内の凹凸構造を実現する。第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の高低差は目標高低差2680nmに対して235nm〜400nm大きいので、この超過分を第2エッチング処理工程でドライエッチングして目標高低差に合せ込む。ドライエッチングの条件は第1エッチング処理工程と同条件とし、エッチング時間は高低差の超過分によって制御する。ドライエッチング装置による加工バラツキは±3%発生するが、この場合には235nm〜400nmのエッチング量に対する±3%の加工バラツキで済む。
(H)ドライエッチング処理終了後も、凹部2bの底面にはレジスト層6が1000nm程度残っているので、硫酸と過酸化水素水を9:1の割合で混合した液を用いてドライエッチング処理終了後の石英基板2を浸漬処理し、凹部2bの底面に残ったレジスト層6を分解剥離する。この剥離処理を3分実施し、レジスト層6を完全に除去した(図1(H)を参照。)。
上記の第2エッチング処理工程終了後、石英基板2の表面に形成された凹凸構造の凸部と凹部の最終的な高低差を測定した結果、基板間でバラツキがあるものの、2670nm〜2691nmの高低差であった。これは目標としていた高低差2680nmに対して−10nm〜+11nmのバラツキ量であり、このバラツキ量は目的高低差の±0.4%に相当する。よって、公差±1.1%を満たす凹凸構造を2回のエッチング処理工程を経ることで実現することができた。
ドライエッチング装置の加工スペックが±3%であるので、1回のドライエッチング処理で公差1.1%を満たす凹凸構造を形成することは不可能である。しかし、この実施例に示したように、エッチング処理を第1エッチング処理工程と第2エッチング処理工程に分け、第2エッチング処理工程におけるエッチング量がそのエッチング処理で生じるエッチング誤差が公差以下となるように設定されるように第1エッチング処理工程のエッチング量を設定すれば、第2エッチング処理工程終了後の凹凸構造の高低差の誤差が公差以下となる。
なお、上記実施例で用いた基板の材質やレジスト材料は本発明を実施するに好適な一例であり、基板としては例えばBK7ガラス基板材料上にSiO2膜が成膜されたものを用いることもできる。このような基板は石英基板に比べて安価であり、回折格子や回折格子製造用の型の製造コストの低減を図ることができる。
図1を用いて説明した凹凸構造物品の製造方法により、図2に示される回折格子1を形成することができる。図2は回折格子の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のZ‐Z位置の断面図である。
回折格子1は石英基板2の一表面の中央部に凹部2aと凸部2bによる周期的な凹凸構造からなる回折格子パターンが形成されている。凹凸構造を構成している凹部2aと凸部2bの高低差は2670nm〜2691nmの範囲内に入っており、製造段階での目標値2680nmに対して±0.4%の誤差範囲内で高精度に形成されている。このような回折格子は、例えばマルチ半導体レーザ光源を搭載した光ピックアップにおいて各波長の光束の光路を一致させるための光路補正素子として用いることができる。
[実施例2]
次に、本発明の凹凸構造物品の製造方法の他の実施例を図3を参照しながら説明する。図3はこれも矩形断面をもつ凹凸構造物品である回折格子の製造方法の他の実施例を示す工程断面図である。
この実施例では、製品基板となる石英基板上に転写樹脂を塗布し、ナノインプリント法を用いてパターニングして凹凸構造を形成する。凹凸構造に対応する凹凸パターンにパターニングされた転写樹脂をマスクにして石英基板をドライエッチングすることにより、転写樹脂の形状を石英基板に転写する。この転写工程では、ドライエッチング工程を2回に分けて行ない、2回目のドライエッチングにおいて凹凸構造の目標高低差の1/10程度のエッチング量でエッチングすることでエッチング誤差を小さくし、許容誤差範囲内の高低差の凹凸構造を石英基板の表面に形成する。なお、上述した実施例1と同様に、この実施例において形成する凹凸構造の目標高低差は2680nmであり、この実施例で用いるドライエッチング装置のスペックは3%(a=0.03)であり、回折格子の凹凸構造の高低差の公差は1.1%(k=0.011)である。
以下にその方法を詳細に述べる。
[ナノインプリント法によるパターニング工程]
(A)表面形状を形成するに当たり、樹脂転写材料として、紫外線硬化型樹脂(GRANDIC RC 8790(大日本インキ株式会社の製品))を用いた。まず、樹脂吐出装置に石英基板10をセットし、石英基板10表面の凹凸構造形成領域に0.1mgずつ紫外線硬化型樹脂12を塗布した。形成する凹凸構造の反転形状が形成された型14も同様に同装置にセットし、凹凸構造が形成された転写領域に転写樹脂12を0.1mgずつ塗布した。その後、型14に基板10を載せるようにして面合わせを行なった。この際、空気が転写領域に入り込まないようにする。面合わせを行なった型14と基板10を互いに押し付けるように自動加圧機を用いて加圧処理を施し、型14と基板10の間に挟み込まれた樹脂12に対して紫外線を照射して仮硬化を行なった。(図3(A)を参照。)。仮硬化とは、完全に硬化するエネルギーの70%程のエネルギーを与え、ある程度の硬化度を持たせることをいう。硬化の方法としては、基板10側から樹脂層の小さい範囲を露光し、その位置を少しずつずらして行なうことにより型14に形成されているパターンとは反転したパターンの状態で転写樹脂を仮硬化させた。
その後、型14から樹脂12の離型処理及び樹脂12に十分なエッチング耐性を持たせることを目的とした樹脂硬化処理を行なった。このときの硬化処理は短時間で一度に行ない、硬化時の樹脂の収縮を利用して効果的に離型を行なえるようにした。
(B)型14と基板10の組を基板10側を上にして離型治具に設置し、基板10を型14から剥がした。これにより、基板10上には、型14の微細形状の反転パターンである凹凸構造の樹脂層16が形成された(図3(B)を参照。)。
なお、剥がされた型14は洗浄して繰り返し使用する。
[第1エッチング処理工程]
(C)次に、樹脂層16が形成された基板10をECR装置のチャンバー内に設置し、そのチャンバー内を真空度2.0×10-4Pa以下に真空排気した。その後、ECR装置の設定条件を、マイクロ波パワー650ワット、下部電極RFパワー400ワット、CHF3供給量25sccm、Ar供給量5sccm、基板冷却温度−10℃として400秒間、異方性ドライエッチングを行なった。ドライエッチング装置によるエッチング量を3000nmに設定した。ドライエッチング工程終了後、樹脂転写の形状が製品基板に彫り移され、基板10の表面に凹凸構造が形成された(図3(C)を参照。)。なお、このドライエッチング工程では、凹凸構造の凸部10a上の樹脂層16がなくなるまで行なわずに途中でエッチングを終了し、残った樹脂層16を除去するようにした。残った樹脂層16の除去には、硫酸と過酸化水素水を9:1の割合で混合した液を用いて基板10を浸漬処理し、樹脂層16を分解剥離する。この剥離処理を5分実施して樹脂層16を基板10から完全に除去した。
[高低差計測工程]
(D)非接触三次元測定機を用いて、上記のパターン転写工程(第1エッチング処理工程)で形成された凹凸の高低差を精度良く測定した(図3(D)を参照。)。その結果、凹凸の高低差は基板間データで2915nm〜3080nmの範囲であった。これは狙いの3000nmに対して−85nm〜+80nm(−2.8%〜+2.7%)のバラツキである。すなわち、第1エッチング処理工程によって高低差が目標高低差2680nmよりも235nm〜400nm大きい凹凸が形成された。
[ドライエッチング防止膜形成工程]
(E)基板10の凹凸構造形成面にレジスト層18を形成した(図3(E)を参照。)。レジスト層18の材料としては、市販のレジスト材料(例えばTGMR−950(東京応化工業株式会社の製品))を使用し、基板平坦部で1.5μmの厚さになるように塗布した。レジスト材料を塗布した石英基板10をホットプレート上に載せ、160℃の加熱温度にてベーク時間180秒でポストベークした。この操作によって、レジスト層18の耐プラズマ性が向上し、次工程での加工に耐えられるようになる。このポストベーク処理後のレジスト層18の表面は図に示されているように波形状になっている。凹凸構造の凹部10bにはレジスト溶液が溜まり易いことで凸部10aと比べると、自然とレジスト膜18が厚くなっている。この時、凹部10bには2200nm、凸部形成領域10aには800nmの厚さのレジスト層18が形成されている。
(F)その後、凸部10a上のレジスト層18を酸素プラズマ処理により除去し、凹部10bのレジスト層18は底面完全に除去せずに凹部10bの底面を被った状態で残しておく(図3(F)を参照。)。ここでの酸素プラズマ処理は製品基板をRIE装置のチャンバー内に設置した後、チャンバー内を2.0×10-3Pa以下に排気した。その後、RIE装置の上部電極パワーを1000ワット、下部電極(RF)パワーを50ワットに設定し、酸素を25sccmで供給して75秒間ドライエッチング処理を行なった。凸部10aの頂面が現れてからさらに凹部10bのレジスト層18を100nm掘り込む条件でエッチングした。酸素プラズマは石英材料と反応しないので石英基板10が反応性エッチングされることは無く、凸部10aの頂面の平坦性を維持したままの状態で表面のレジスト層18を除去することが可能である。凸部10aのレジスト層18は完全に除去され、凹部10bにはレジスト層18が1300nmの厚みで残っている。
[第2エッチング処理工程]
(G)凹部10bに残されたレジスト層18をドライエッチング防止膜として、石英基板10の凹凸構造形成領域をドライエッチングする(図3(G)を参照。)。石英基板10をドライエッチング加工することで、凹部10bに残っているレジスト層18は凹部10b底面のエッチング防止層として機能し、凸部10aの頂面のみのエッチング加工が可能となる。第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の目標高低差よりも大きい高低差分のエッチングを目的に凸部10aの頂面のみのエッチング加工を行うことで、目標高低差に対して許容誤差範囲内の凹凸構造を実現する。第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の高低差は目標高低差2680nmに対して235nm〜400nm大きいので、この超過分を第2エッチング処理工程でドライエッチングして目標高低差に合せ込む。ドライエッチングの条件は第1エッチング処理工程と同条件とし、エッチング時間は高低差の超過分によって制御する。ドライエッチング装置による加工バラツキは±3%発生するが、この場合には235nm〜400nmのエッチング量に対する±3%の加工バラツキで済む。
(H)ドライエッチング処理終了後も、凹部10bにはレジスト層18が1000nm程度残っているので、硫酸と過酸化水素水を9:1の割合で混合した液を用いてドライエッチング処理終了後の石英基板10を浸漬処理し、凹部10bのレジスト層18を分解剥離する。この剥離処理を3分実施し、レジスト層18を完全に除去した(図3(H)を参照。)。
上記の第2エッチング処理工程終了後、石英基板10の表面に形成された凹凸構造の凸部10aと凹部10bの最終的な高低差を測定した結果、基板間でバラツキがあるものの、2670nm〜2691nmの高低差であった。これは目標としていた高低差2680nmに対して−10nm〜+11nmのバラツキ量であり、このバラツキ量は目的高低差の±0.4%に相当する。よって、公差±1.1%を満たす凹凸構造を2回のエッチング処理工程を経ることで実現することができた。
ドライエッチング装置の加工スペックが±3%のバラツキであるので、1回のドライエッチング処理で公差1.1%を満たす凹凸構造を形成することは不可能である。しかし、この実施例に示したように、エッチング処理を第1エッチング処理工程と第2エッチング処理工程に分け、第2エッチング処理工程におけるエッチング量がそのエッチング処理で生じるエッチング誤差が公差以下となるように設定されるように第1エッチング処理工程のエッチング量を設定すれば、第2エッチング処理工程終了後の凹凸構造の高低差が公差以下となる。
なお、上記実施例で用いた基板の材質やレジスト材料は本発明を実施するに好適な一例であり、この実施例でも基板としては例えばBK7ガラス基板材料上にSiO2膜が成膜されたものを用いることもできる。このような基板は石英基板に比べて安価であり、回折格子や回折格子製造用の型の製造コストの低減を図ることができる。
[実施例3]
本発明の凹凸構造物品の製造方法を用いて表面無反射構造物品を製造する方法の一実施例を図4を参照しながら説明する。この実施例では、厚さが0.5mmの基板の表面に周期的な凹凸構造として240nmのピッチで高さ500nmの台形断面をもつ凸部を形成する。
[エッチング防止膜のパターニング工程]
(A)厚さが0.5mmの石英基板20の一表面上にCr(クロム)膜22を例えば120nm程度の厚みで成膜する(図4(A)を参照。)。
(B)Cr膜22の表面全体にレジスト層を形成し、形成する凹凸構造の凹部を形成する領域のレジスト層が除去されるように電子ビーム露光装置を用いてパターニングすることにより、凹部形成領域が開口したレジストパターン24を形成する(図4(B)を参照。)。
(C)レジストパターン24をマスクにして等方性ドライエッチングを行ない、石英基板20上にエッチング防止膜としてのCrパターン22aを形成する。このとき、Cr膜22とレジストパターン24とのエッチング選択比(Cr膜22のエッチング速度/レジストパターン24のエッチング速度)は0.25である。レジストパターン24をマスクにしてCr膜22を等方的にエッチングすることにより、石英基板20上には断面がテーパ形状の台形断面をもつCrパターン22aが形成される(図4(C)を参照。)。なお、この工程では等方性ドライエッチングに代えて等方性ウェットエッチングを行なってもよい。
[第1エッチング処理工程]
(D)Crパターン22aをマスクにして石英基板20を異方性ドライエッチングする。ドライエッチングのエッチング量は目標としている凹凸構造の高低差500nmよりも深く、例えば600〜630nm程度エッチングされるように設定する。このときの石英基板20とCrパターン22aのエッチング選択比(石英基板20のエッチング速度/Crパターン22aのエッチング速度)は5.5である。これにより、第1エッチング処理終了後の石英基板20の一表面には、上面が平坦な円錐台形状の周期的な凸部20aが形成される(図4(D)を参照。)。
第1エッチング処理終了後、凸部20aの上面にはCrパターン22aが5nm程度の厚みで残っているので、石英とCrとの間で高い選択性をもつ、例えば硝酸第2セリウム塩と過塩素酸と水を1.5:1.5:7の割合で混合したウェットエッチング液を用いて凸部20aの上面のCrパターン22aを剥離除去する。
[高低差計測工程]
非接触三次元測定機を用いて、上記の第1エッチング処理工程で形成された凹凸の高低差を精度良く測定する。
[ドライエッチング防止膜形成工程]
(E)実施例1及び実施例2と同じ方法により、石英基板20表面の凹部20bの底面を被うレジスト層26をドライエッチング防止膜として形成する(図4(E)を参照。)。凸部20aの頂面のレジスト層は除去し、石英基板20を露出させる。
[第2エッチング処理工程]
(F)凹部20bのレジスト層26をマスクにして凸部20aの頂面のみをドライエッチングする(図4(F)を参照。)。この実施例では、第1エッチング処理工程で目標とする500nmの高低差よりも100〜130nm深くエッチングしているので、その超過分をエッチング量としてドライエッチング装置に設定し、凹凸の高低差が目標の500nmとなるように合わせ込む。
(G)第2エッチング処理終了後も凹部20bにはレジスト層24が残っているので、硫酸と過酸化水素水が9:1の割合で混合した液を用いてドライエッチング処理終了後の石英基板20を浸漬処理し、凹部20bのレジスト層24を分解剥離する(図4(G)を参照。)。これにより、石英基板20の表面に台形断面をもつ上面平坦な円錐台形状の凸部20aが複数形成された、表面無反射構造の光学物品が形成される。
上記実施例3に示されているように、等方性エッチングを用いて台形断面をもつエッチング防止膜を形成した後、実施例1,2と同様に第1エッチング処理工程、工程差計測工程及び第2エッチング処理工程を経ることによって、基板の表面に許容範囲内の誤差しか含まない上面が平坦な円錐台形状の凸部を形成することができる。このような上面が平坦な円錐台形状の凸部を精度良く基板の表面に形成することにより、高精度な表面無反射構造物品を製造することができる。
なお、上記実施例においては、石英基板の表面にエッチング処理を施して凹凸構造物品を製造する方法を示したが、石英基板に代えてシリコン基板を用いてもよい。その場合には、第1エッチング処理工程及び第2エッチング処理工程において異方性のウェットエッチング処理を行なうこともできる。一般的に、ウェットエッチング処理のエッチング量の制御はエッチング時間で行なう。したがって、第1エッチング処理工程及び第2エッチング処理工程においてウェットエッチングを用いる場合には、凹凸構造の高低差が目標とする高低差よりも大きな高低差(例えば目標高低差プラス10%程度)となるようにエッチング時間を設定して凹凸構造の凹部形成部分をウェットエッチングし、第2エッチング処理工程で第1エッチング処理工程で目標高低差よりも余分にエッチングした分の凸部の頂面をウェットエッチング又はドライエッチングすればよい。
周期的な凹凸構造をもつ物品である回折格子の製造方法の一実施例を順に示す工程断面図である。 同実施例の製造方法により製造された回折格子を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)のZ−Z位置での断面図である。 周期的な凹凸構造をもつ物品である回折格子の製造方法の他の実施例を順に示す工程断面図である。 周期的な凹凸構造をもつ物品である表面無反射構造物品の製造方法の一実施例を順に示す工程断面図である。
符号の説明
2,10,20 石英基板
2a,10a,20a 凸部
2b,10b,20b 凹部
4,6,18,26 レジスト層
4a,24 レジストパターン
14 紫外線硬化型樹脂
16 樹脂層
22 Cr膜
22a Crパターン

Claims (8)

  1. 基板の一表面に凹凸構造を形成する凹凸構造物品の製造方法であって、
    前記基板表面に形成される凹凸の高低差が目標高低差よりも大きくなるように凹部形成領域をエッチングする第1エッチング処理工程と、
    前記第1エッチング処理工程終了後の凹凸構造の高低差を計測し、その計測値と前記目標高低差との差を算出する計測工程と、
    第1エッチング処理工程で形成された凹凸構造の凹部の底面をエッチング防止膜で被い、凸部の頂面を露出させた状態で、前記計測工程で算出した前記差をエッチング量の設定値として凸部の頂面のみをエッチングする第2エッチング処理工程と、を順に含み、
    前記第1エッチング処理工程におけるエッチング量は、前記第2エッチング処理工程で生じるエッチング誤差の最大値が許容誤差範囲内となるように設定することを特徴とする凹凸構造物品の製造方法。
  2. 前記目標高低差をL、公差をk(0<k<1)、エッチング装置のスペックをa(0<a<1)とした場合の前記第1エッチング処理工程におけるエッチング量Xを以下の関係式を満たすように設定する請求項1に記載の凹凸構造物品の製造方法。
    L/(1−a)≦X≦L(k+a)/(a+a2
  3. 前記第1エッチング処理工程及び前記第2エッチング処理工程において前記基板に対して行なうエッチングはドライエッチングである請求項1又は2に記載の凹凸構造物品の製造方法。
  4. 前記基板はシリコン基板であり、前記第1エッチング処理工程及び前記第2エッチング処理工程において前記基板に対して行なうエッチングはドライエッチング又はウェットエッチングである請求項1に記載の凹凸構造物品の製造方法。
  5. 前記第1エッチング処理工程では、矩形断面をもつ凹凸パターンのエッチング防止膜を前記基板の前記一表面上に形成し、そのエッチング防止膜をマスクにして異方性エッチングすることにより、前記一表面に矩形断面をもつ凹凸構造を形成する請求項1から4のいずれか一項に記載の凹凸構造物品の製造方法。
  6. 前記凹凸構造物品は透明基板の一表面に矩形断面の周期的な凹凸構造である請求項5に記載の凹凸構造物品の製造方法。
  7. 前記第1エッチング処理工程では、前記基板の前記一表面全体にエッチング防止膜を形成し、さらにその上に前記エッチング防止膜に対して選択性のある、前記凹凸構造の凹部を形成する領域に開口部をもつマスクパターンを形成し、そのマスクパターンをマスクにして前記エッチング防止膜を等方性エッチングして前記基板の前記一表面上に台形断面をもつエッチング防止膜パターンを形成し、そのエッチング防止膜パターンをマスクにして前記基板を異方性エッチングし、前記基板の前記一表面に台形断面をもつ凹凸構造を形成する請求項1から4のいずれか一項に記載の凹凸構造物品の製造方法。
  8. 前記凹凸構造物品は透明基板の一表面に台形断面の周期的な凹凸構造をもつ表面無反射構造物品である請求項7に記載の凹凸構造物品の製造方法。
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