JP2006164393A - スタンパ原盤の製造方法、及び光記録媒体基板用スタンパの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スタンパ原盤の製造方法において、樹脂成形性が良好で、読み取り精度が良好な光記録媒体基板を提供し得る光記録媒体基板用スタンパを製造することを可能とする。
【解決手段】 スタンパ原盤40の製造方法においては、平坦基板20へのレジスト31の塗布、露光及び現像を実施して、レジストパターンRを形成する工程(A)と、レジストパターンRをマスクとして平坦基板20をエッチングし、エッチング部分を凹部21とする、光記録媒体基板用スタンパ10に形成される表面凹凸パターンP1と補完的な反転パターンP2を形成する工程(B)とを順次実施し、かつ、工程(B)を、凹部21の壁角度を30〜80°として、実施する。
【選択図】 図1
【解決手段】 スタンパ原盤40の製造方法においては、平坦基板20へのレジスト31の塗布、露光及び現像を実施して、レジストパターンRを形成する工程(A)と、レジストパターンRをマスクとして平坦基板20をエッチングし、エッチング部分を凹部21とする、光記録媒体基板用スタンパ10に形成される表面凹凸パターンP1と補完的な反転パターンP2を形成する工程(B)とを順次実施し、かつ、工程(B)を、凹部21の壁角度を30〜80°として、実施する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スタンパ原盤の製造方法、及び該方法により製造されたスタンパ原盤を用いる光記録媒体基板用スタンパの製造方法に関する。
CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)等の光記録媒体は、情報ピットやグルーブを含む微細な表面凹凸パターンを有する樹脂製の光記録媒体基板の表面に、少なくとも記録層が積層された構造を有する。
光記録媒体基板は、上記表面凹凸パターンと補完的な反転パターンである表面凹凸パターンを有するスタンパを用いた樹脂成形により、効率よく製造される。かかるスタンパを成形するスタンパ原盤は、例えば、平坦基板の表面にレジストの塗布・露光・現像を実施して、レジスト原盤を作製し、これを型として電鋳を行うことで製造されている(特許文献1、2等)。
特開平11−288530号公報
特開2004−5872号公報
光記録媒体基板用スタンパには樹脂成形性が良好であることが重要である。ここで言う「樹脂成形性」とは、樹脂がスタンパの表面凹部の隅部まで入り込んで、所望のパターンの光記録媒体基板を成形でき、しかも成形後の光記録媒体基板がスタンパから良好に剥離することを意味する。スタンパの表面凹部の壁角度が小さくなる程、樹脂成形性は向上するが、光記録媒体の表面凸部の立ち上がりが小さくなるため、記録した情報の読み取り精度が低下する傾向にある。しかしながら、従来は、光記録媒体基板の樹脂成形性と、光記録媒体の読み取り精度との両立について、充分な検討が行われていない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、樹脂成形性が良好で、読み取り精度が良好な光記録媒体を提供し得る光記録媒体基板用スタンパを製造できるスタンパ原盤の製造方法、及び該製造方法により得られるスタンパ原盤を用いた光記録媒体基板用スタンパの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明のスタンパ原盤の製造方法は、表面凹凸パターンを有する光記録媒体基板用スタンパを成形するスタンパ原盤の製造方法において、平坦基板へのレジストの塗布、露光及び現像を実施して、レジストパターンを形成する工程(A)と、前記レジストパターンをマスクとして前記平坦基板をエッチングし、エッチング部分を凹部とする、前記表面凹凸パターンと補完的な反転パターンを形成する工程(B)とを有し、前記工程(B)を、前記凹部の壁角度を30〜80°として、実施することを特徴とする。
本明細書において、上記「反転パターン」は、光記録媒体基板用スタンパの表面凹凸パターンの凸部に対応する部分が凹部、同表面凹凸パターンの凹部に対応する部分が凸部のパターンである。
また、凹部の「壁角度」は、凹部の底面を隣接する凸部側に延長した面と、凹部の壁面とのなす角度と定義する(図1(c)の符号α参照)。
本発明の光記録媒体基板用スタンパの製造方法は、上記の本発明のスタンパ原盤の製造方法により製造されたスタンパ原盤を用いて、成形を実施することを特徴とする。
本発明の製造方法では、エッチング工程において、凹部の壁角度を特定の範囲内とする構成としているので、樹脂成形性が良好で、読み取り精度が良好な光記録媒体を提供し得る光記録媒体基板用スタンパを製造することを可能とする。
「スタンパ原盤の製造方法、スタンパの製造方法」
図1に基づいて、本発明に係る実施形態のスタンパ原盤の製造方法、及び光記録媒体基板用スタンパの製造方法について説明する。図1は厚み方向断面図であり、視認しやすくするため、実際のものとは縮尺やパターンを異ならせてある。本実施形態では、光記録媒体基板の情報ピットやグルーブを含む微細な表面凹凸パターンの反転パターンである表面凹凸パターンP1を有する光記録媒体基板用スタンパ10(図1(f)参照)を製造する。
図1に基づいて、本発明に係る実施形態のスタンパ原盤の製造方法、及び光記録媒体基板用スタンパの製造方法について説明する。図1は厚み方向断面図であり、視認しやすくするため、実際のものとは縮尺やパターンを異ならせてある。本実施形態では、光記録媒体基板の情報ピットやグルーブを含む微細な表面凹凸パターンの反転パターンである表面凹凸パターンP1を有する光記録媒体基板用スタンパ10(図1(f)参照)を製造する。
<工程(A)>
はじめに、図1(a)に示す如く、平坦基板20を用意し、該平坦基板20の表面全体に、スピンコート法等により、ポジ型又はネガ型のレジスト31を塗布する。平坦基板20としては制限されない。ただし、平坦基板20としては、以下の工程において、半導体技術で使用される装置をそのまま利用できることから、シリコンウエハが好ましく用いられる。
はじめに、図1(a)に示す如く、平坦基板20を用意し、該平坦基板20の表面全体に、スピンコート法等により、ポジ型又はネガ型のレジスト31を塗布する。平坦基板20としては制限されない。ただし、平坦基板20としては、以下の工程において、半導体技術で使用される装置をそのまま利用できることから、シリコンウエハが好ましく用いられる。
次に、レジスト31の露光及び現像を実施し、スタンパ10に形成する表面凹凸パターンP1に対応した、図1(b)に示すレジストパターンRを形成する。露光は、平坦基板20を回動させながら、レジスト31に対して、スタンパ10に形成する表面凹凸パターンP1に対応して変調したレーザ光又は電子線を照射することで、実施できる。レーザ光又は電子線は、用いるレジスト31の種類に応じて、製造されるスタンパ原盤40において凸部となる部分にレジスト31が残るよう、照射する。露光後現像前には、必要に応じて、熱処理(PEB:Post Exposure Bake)を実施する。
レジスト31としては、高感度かつ高解像度を有し、高精細パターンを形成できることから、化学増幅型レジストが好ましく用いられる。化学増幅型レジストは、電子線等による露光で酸が発生し、露光後に熱処理(PEB)することで、発生した酸を触媒としてレジスト反応が進行するものである。通常、化学増幅型レジストでは、露光部分に発生した酸は、熱処理(PEB)時に周辺に拡散するため、現像後に現れるパターンは露光部分より広がった形状となる。
<工程(B)>
次に、図1(c)に示す如く、レジストパターンRをマスクとして、平坦基板20をエッチングし、平坦基板20に凹部21を形成する。凹部21は、スタンパ10において凸部となる部分である。この工程では、レジスト31の表層もエッチングされる。エッチング終了後、図1(d)に示す如く、酸素プラズマアッシング等により、残存するレジスト31を除去する。
次に、図1(c)に示す如く、レジストパターンRをマスクとして、平坦基板20をエッチングし、平坦基板20に凹部21を形成する。凹部21は、スタンパ10において凸部となる部分である。この工程では、レジスト31の表層もエッチングされる。エッチング終了後、図1(d)に示す如く、酸素プラズマアッシング等により、残存するレジスト31を除去する。
工程(B)終了後、表面凹凸パターンP1と補完的な反転パターンP2を有するスタンパ原盤40が製造される。反転パターンP2は、表面凹凸パターンP1の凸部に対応する部分が凹部(21)、表面凹凸パターンP1の凹部に対応する部分が凸部(22)のパターンである。
本実施形態では、工程(B)において、図1(c)に示す凹部21の壁角度αが30〜80°となるよう、エッチングを実施する。
凹部21の壁角度αが小さくなる程、製造されるスタンパ10の樹脂成形性が良くなる。すなわち、壁角度αが小さくなる程、樹脂がスタンパ10の凹部の隅部まで入り込みやすくなるので、所望のパターンの光記録媒体基板を成形しやすくなり、成形後の光記録媒体基板のスタンパ10からの剥離性も良くなる。しかしながら、壁角度αが過小では、成形される光記録媒体基板の表面凸部の立ち上がりが小さくなりすぎ、製造される光記録媒体の記録情報の読み取り精度が不充分となる。
本発明者は、凹部21の壁角度αを上記範囲とすることで、スタンパ10の樹脂成形性と光記録媒体の読み取り精度が共に良好となることを見出している。特に、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等に比して高精細パターンのBD(Blu-ray Disc)において、スタンパ10の樹脂成形性と光記録媒体の読み取り精度のバランスが良好となることを見出している。凹部21の壁角度αが40〜65°となるよう、エッチングを実施することが特に好ましい。
平坦基板20のエッチング方法としては、制限されない。ただし、高精細エッチングが可能で、凹部21の壁角度αを上記範囲に比較的簡易に制御できることから、ドライエッチングが好ましく、特にRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)が好ましい。
凹部21の壁角度αは、例えば、用いるエッチングガスの種類を変更することで、制御できる。エッチングガスとしては、CF4、SF6等が挙げられ、凹部21の壁角度αが上記範囲となるよう選択すればよい。
(スタンパ)
<工程(C)>
図1(e)に示す如く、スタンパ原盤40を型として、スタンパ10を成形する。スタンパ10は、スタンパ原盤40の表面全体に金属スパッタリング等により、導電層(図示略)を成膜し、電鋳を実施することで、形成できる。導電層は、反転パターンP2が壊れないよう、薄く成膜する。導電層は、スタンパ10と同一材質(例えば、ニッケル)で成膜することが好ましい。導電層は、電鋳によりスタンパ10の一部となる。
<工程(C)>
図1(e)に示す如く、スタンパ原盤40を型として、スタンパ10を成形する。スタンパ10は、スタンパ原盤40の表面全体に金属スパッタリング等により、導電層(図示略)を成膜し、電鋳を実施することで、形成できる。導電層は、反転パターンP2が壊れないよう、薄く成膜する。導電層は、スタンパ10と同一材質(例えば、ニッケル)で成膜することが好ましい。導電層は、電鋳によりスタンパ10の一部となる。
<工程(D)>
次に、図1(f)に示す如く、スタンパ10をスタンパ原盤40から剥離し、スタンパ10が完成する。
次に、図1(f)に示す如く、スタンパ10をスタンパ原盤40から剥離し、スタンパ10が完成する。
本実施形態によれば、上記工程(C)と(D)を繰り返し実施することで、1つのスタンパ原盤40から複数のスタンパ10を簡易に効率よく製造できる。
(光記録媒体)
上記のように製造されたスタンパ10を用いて射出成形を実施することで、光記録媒体基板(図示略)が成形でき、光記録媒体基板の表面に少なくとも記録層を積層することで、光記録媒体が完成する。光記録媒体の製造にあたっては、記録層の他、必要に応じて他の層を成膜することができる。例えば、光記録媒体基板と記録層との間に光反射層を設け、記録層の上に保護層を設けることが好ましい。
上記のように製造されたスタンパ10を用いて射出成形を実施することで、光記録媒体基板(図示略)が成形でき、光記録媒体基板の表面に少なくとも記録層を積層することで、光記録媒体が完成する。光記録媒体の製造にあたっては、記録層の他、必要に応じて他の層を成膜することができる。例えば、光記録媒体基板と記録層との間に光反射層を設け、記録層の上に保護層を設けることが好ましい。
上記実施形態の製造方法によれば、エッチング工程において、凹部21の壁角度αを特定の範囲内とする構成としているので、樹脂成形性が良好で、読み取り精度が良好な光記録媒体を提供し得るスタンパ10を製造することが可能となる。
本発明の技術は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)等の光記録媒体の製造に適用することができる。
10 光記録媒体基板用スタンパ
20 平坦基板
21 凹部
31 レジスト
40 スタンパ原盤
P1 表面凹凸パターン
P2 反転パターン
R レジストパターン
α 凹部の壁角度
20 平坦基板
21 凹部
31 レジスト
40 スタンパ原盤
P1 表面凹凸パターン
P2 反転パターン
R レジストパターン
α 凹部の壁角度
Claims (2)
- 表面凹凸パターンを有する光記録媒体基板用スタンパを成形するスタンパ原盤の製造方法において、
平坦基板へのレジストの塗布、露光及び現像を実施して、レジストパターンを形成する工程(A)と、前記レジストパターンをマスクとして前記平坦基板をエッチングし、エッチング部分を凹部とする、前記表面凹凸パターンと補完的な反転パターンを形成する工程(B)とを有し、
前記工程(B)を、前記凹部の壁角度を30〜80°として、実施することを特徴とするスタンパ原盤の製造方法。 - 請求項1に記載のスタンパ原盤の製造方法により製造されたスタンパ原盤を用いて、成形を実施することを特徴とする光記録媒体基板用スタンパの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004354235A JP2006164393A (ja) | 2004-12-07 | 2004-12-07 | スタンパ原盤の製造方法、及び光記録媒体基板用スタンパの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2004354235A JP2006164393A (ja) | 2004-12-07 | 2004-12-07 | スタンパ原盤の製造方法、及び光記録媒体基板用スタンパの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006164393A true JP2006164393A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36666222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004354235A Pending JP2006164393A (ja) | 2004-12-07 | 2004-12-07 | スタンパ原盤の製造方法、及び光記録媒体基板用スタンパの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006164393A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009252323A (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-29 | Pioneer Electronic Corp | 凸状構造体作製方法 |
JP2012190986A (ja) * | 2011-03-10 | 2012-10-04 | Fujifilm Corp | ナノインプリント用のモールド |
US8419412B2 (en) | 2009-09-18 | 2013-04-16 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Nano-imprint mold and substrate with uneven patterns manufactured by using the mold |
-
2004
- 2004-12-07 JP JP2004354235A patent/JP2006164393A/ja active Pending
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