JP2008280842A - アーチ型先行支保工の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トンネルのアーチ部となる地山2内へ複数の継手付き筒体10を連結させながら、上記アーチ部に沿って挿入・埋設するとともに、上記継手付き筒体10の両端側を先進導坑1A,1Bに設けられた反力板5A,5Bに固定し、更に、上記アーチ部4に沿って、上記複数の継手付き筒体10を貫通する鋼線束20を配置してから、上記継手付き筒体10内にコンクリートを充填してアーチ型地中構造体である先行支保工10Rを構築し、その後、上記反力板5A,5Bで反力をとりながら、上記鋼線束20に緊張力を作用させた状態で上記鋼線束20の固定端20a,20bを反力板5A,5Bに固定して上記先行支保工10Rに予め圧縮力を作用させるようにした。
【選択図】図1
Description
そこで、図9(a)に示すように、アーチ部となる地山2内に、上記アーチ部に沿って、トンネルの軸方向に延長する多数の継手付き鋼管61を互いに隣接させて推進・埋設してこれを先行支保工60とし、その後、上記先行支保工60内部を掘削してトンネルを構築する方法が提案されている。上記継手付き鋼管61は、詳細には、図9(b)に示すように、断面が台形状の鋼製の本体61mとこの本体61mの両側面の上端部及び下端部から隣接する継手付き鋼管61の本体61mの側面の上端部及び下端部側にそれぞれ突出する継手61a,61b及び継手61c,61dを備えた第1の継手付き鋼管61Aと、上記継手61a〜61dに係合する継手61p〜61sを備えた第2の継手付き鋼管61Bの2種類があり、上記第1の継手付き鋼管61Aの継手61a,61bに、上記第1の継手付き鋼管61Aに隣接する第2の継手付き鋼管61Bの継手61p,61qをそれぞれ嵌合させるなどして、継手付き鋼管61,61同士をトンネルの円周方向に沿って連結した後、上記継手付き鋼管61内にコンクリートを充填して先行支保工60を構築する(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、先行支保工を構成するアーチ部の形状が扁平な場合には、元々上記アーチに沿った軸力が小さいため、上記先行支保工内部を掘削すると、図10に示すように、上記アーチ部に作用する引張力Fが大きくなってしまう。そのため、構造体として弱体化してしまい、先行支保工として十分に機能しないといった問題点があった。このような問題は、特に、トンネルの断面が大きいほど著しいことから、先行支保工の強度を更に高める必要があった。
具体的には、上記継手付き鋼管61内のコンクリートは、上記引張力に対しては寄与しないので、上記引張力は上記継手61a〜61d及び継手61p〜61sに作用するため、上記継手61a〜61d及び継手61p〜61sには高い強度が要求されている。このため、上記従来の方法では、図9(b)に示すように、上記継手61a〜61d及び継手61p〜61sの形状を結合強度が高い構造とするとともに、上記継手61aと継手61pの連結部、及び、継手61bと継手61qとの連結部にグラウト62を注入し、外側をグラウト鋼板63やコーキング材64で覆って更に連結を強固にするようにしている。
しかしながら、上記従来の先行支保工の構築方法では、複雑な形状の継手61a〜61d及び継手61p〜61sを有する継手付き鋼管61を、少なくとも2種類用いる必要があるだけでなく、継手61a〜61s及び継手61p〜61sを更に補強してやる必要があった。
また、継手61a〜61d及び継手61p〜61sの形状が複雑なことから、継手付き鋼管61,61同士を連結させながらスムーズに推進させることが難しいといった問題点があった。
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、トンネルの掘削に先立って設置される、トンネルの軸方向に延長する複数の筒体をその断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設して形成されるアーチ型先行支保工の構築方法において、隣接する筒体同士を所定の空隙部を介して配置してから上記アーチ部の両端側をそれぞれ反力板に固定し、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に硬化性の材料を充填するとともに、上記アーチ部の内側の地山の掘削に先行して、上記反力板の間に固定された状態で地中に埋設されている上記先行支保工に上記アーチ部に沿った圧縮力を予め与えるようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアーチ型先行支保工の構築方法において、上記アーチ部に沿って、上記複数の筒体を貫通する線材を配置し、この線材に緊張力を作用させた状態で上記線材の両端側を上記反力板にそれぞれ固定して、上記先行支保工に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする。
図1(a)は、本発明の一実施の形態を示す図で、同図において、1A,1Bは地山2に構築される大断面トンネル3の横断面のアーチ部4の両端となる部分に設けられた先進導坑、10は上記トンネル3のアーチ部4に沿って挿入・埋設された、トンネル軸方向に延長する継手付き筒体、20は上記アーチ部4に沿って配置され、上記複数の互いに連結された継手付き筒体10を貫通する複数の鋼線20zを束ねて成る鋼線束で、上記連結された継手付き筒体10の両端部は、上記先進導坑1A,1B内に設けられた反力板5A,5Bにそれぞれ当接または固定されている。
本例では、図1(b)に示すように、上記鋼線束20の両端部をそれぞれ固定した固定端20a,20bに、反力板5A,5Bで反力をとりながら緊張力pを作用させ、上記固定端20a,20bと上記反力板5A,5Bとの間にできた隙間に楔6を打ち込んで固定するなどして、上記鋼線束20の固定端20a,20bを上記反力板5A,5Bに固定することにより、上記反力板5Aと反力板5Bとの間に配置された互いに連結された継手付き筒体10から成る先行支保工10Rに圧縮力Pを作用させるようにしている。
なお、鋼線束20の固定端20a(または、固定端20b)は、上記反力板5A(または、反力板5B)に固定し、他方の固定端20b(または、固定端20a)のみを反力板5B(または、反力板5A)で反力をとりながら緊張力pを作用させるようにしてもよい。
まず、上記継手付き筒体10の本体である、断面が角型の鋼管(以下、角型管という)11内に削孔推進機を設置し、地山を掘削しながら、上記継手付き筒体10を、その断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設する。次に、図2に示すように、上記継手付き筒体10に隣接する継手付き筒体10Aを上記地山内に推進する。このとき、次に埋設する継手付き筒体10Aの継手12Aを、先に挿入・埋設した継手付き筒体10の継手12に係合させるようにして、上記継手付き筒体10Aを地山2内に挿入する。これにより、上記継手付き筒体10Aを、上記継手付き筒体10に連結しながら、上記継手付き筒体10に沿ってトンネル軸方向に埋設することが可能となる。なお、本例では、後述するように、上記継手12,12Aには大きな引張力が作用しないので、挿入する側の継手12の形状、及び、上記継手12を把持する把持する側の継手12Aの形状は、上記従来の継手61a〜61d及び継手61p〜61sのような複雑な形状にする必要もなく、単に、相手側の継手をガイドすることのできるような形状であればよい。また、継手12,12Aの接続部についても特に補強する必要もない。
最後に、上記先進導坑1A,1B及び上記先行支保工10Rで囲まれた地山2を掘削して、大断面を有するトンネルを構築する。
本例では、上記先行支保工10Rのコンクリートには予め圧縮力が加えられているので、地山2の掘削後に、上記アーチ型の先行支保工10Rに引張力が作用した場合でも、上記コンクリートは圧縮領域内で変形して上記引張力を受けることができる。したがって、上記先行支保工10Rは、継手を補強しなくても、上記引張力に十分に対応することができる。
また、上記例では、上記鋼線束20の固定端20a,20bと上記反力板5A,5Bとの間に楔6を打ち込んで上記固定端20a,20bを上記反力板5A,5Bに固定したが、図4に示すように、上記反力板5A,5Bに調整ネジ7Mを固定し、上記鋼線束20に緊張力pを作用させてできた隙間の大きさを、上記調整ネジ7Mに螺入するナット7Nの固定位置により調整するなどして、上記先行支保工10Rに予め圧縮力を作用させるようにしてもよい。
また、上記反力板5A,5Bとして、先進導坑1A,1Bの側壁、あるいは、上記側壁を補強したものを利用するようにしてもよい。
あるいは、上記角型管11内から硬化性の材料を所定の圧力で上記隣接する角型管11,11の間隙、または、上記角型管11内と隣接する角型管11,11の間隙との両方に封入するようにしてもよい。
また、上記のように、膨張性を有する硬化性の材料20Mを充填したり、硬化性の材料を所定圧で封入して先行支保工10Rに圧縮力を与える場合には、継手付き筒体10の両端部は、単に、反力板5A,5Bに当接または固定するだけでよいので、先進導坑1A,1Bの構築は必ずしも必要ではない。
5A,5B 反力板、10,10A 継手付き筒体、10R 先行支保工、
11 角型管、11s 貫通孔、12,12A 継手、12m 継手の腕部、
20 鋼線束、20a,20b 鋼線束の固定端、20z 鋼線。
Claims (2)
- トンネルの掘削に先立って設置される、トンネルの軸方向に延長する複数の筒体をその断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設して形成されるアーチ型先行支保工の構築方法において、隣接する筒体同士を所定の空隙部を介して配置してから上記アーチ部の両端側をそれぞれ反力板に固定し、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に硬化性の材料を充填するとともに、上記アーチ部の内側の地山の掘削に先行して、上記反力板の間に固定された状態で地中に埋設されている上記先行支保工に上記アーチ部に沿った圧縮力を予め与えるようにしたことを特徴とするアーチ型先行支保工の構築方法。
- 上記アーチ部に沿って、上記複数の筒体を貫通する線材を配置し、この線材に緊張力を作用させた状態で上記線材の両端側を上記反力板にそれぞれ固定して、上記先行支保工に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアーチ型先行支保工の構築方法。
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