JP2008280797A - 高面圧鉛直荷重支持体、これを用いた支承装置およびその据え付け方法 - Google Patents

高面圧鉛直荷重支持体、これを用いた支承装置およびその据え付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鉛直下向きの荷重を支持するようにし、それ以外の方向からの荷重を主として別部材により支持させることにより、コンパクトで安価な高面圧鉛直荷重支持体、これを用いた支承装置とその据え付け方法を提供することである。
【解決手段】上沓2と、下沓3と、これらの間に配設されたゴム層4とを備え、上沓2には、下沓3と相対する面に凹部2a,2bが形成され、下沓3には、上沓2と相対する面で、かつ上沓2の凹部2a,2bに対応する位置に、これらと嵌合する凸部3a,3bが形成され、これらの上沓2と下沓3がゴム層4を介して嵌合している高面圧鉛直荷重支持体であり、前記凸部および凹部とが重なり合う嵌合高さを小さくしている。当該支持体を備えた支承装置は、前記上沓2の上面に上板101が配置されており、互いに重なり合う上板101の下面および上沓2の上面が相互にすべり面を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁、建物、機械等を支承するのに好適な高面圧鉛直荷重支持体(以下、単に高面圧荷重支持体と略称することがある)、これを用いた支承装置およびその据え付け方法に関する。
本出願人は、先に特許文献1に記載のようなゴム支承体を開発した。このゴム支承体は、図5および図6に示すように、上沓51に、下沓52と相対する面に凹部53を形成し、下沓52に、上沓51と相対する面でかつ上沓51の凹部53に対応する位置に、該凹部53と嵌合する凸部54を形成し、これらの上沓51と下沓52とをゴム層55を介して嵌合させることで嵌合部が形成されている。
このゴム支承体50では、上沓51の水平面と、該水平面と対向する下沓52の水平面と、これらの水平面間に配設されたゴム層55とにより鉛直荷重が支持されるとともに、前記嵌合部における凹部53の内側面と、該側面に対向する前記凸部54の外側面と、これらの側面間に配設されたゴム層55とにより水平荷重が支持される。そのため、このゴム支承体50のみで鉛直荷重だけでなく水平荷重をも支持することができ、装置の小型化が可能になる。
このようなゴム支承体50では、地震時の水平力を拘束するために、凸部54と凹部53とのかぶり、すなわち凸部54および凹部53とが重なり合う嵌合高さを比較的大きくする必要がある。
特開2005−337002号公報
近年、新設橋梁などでは、上部構造物の鉛直荷重を支持する支承装置と、これとは別に水平方向の力および上揚力を拘束する支承装置とを組み合わせた機能分離型の支承装置が多く用いられている。
本発明の課題は、前記したような上下凹凸環状構造により、鉛直下向きの荷重を支持するようにし、それ以外の方向からの荷重を主として別部材により支持させることにより、コンパクトで安価な高面圧鉛直荷重支持体を実現することである。
本発明の他の課題は、上記高面圧鉛直荷重支持体を用いた高面圧鉛直荷重支持用の支承装置とその据え付け方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の高面圧鉛直荷重支持体は、以下の構成を有する。
(1)上枠と、下枠と、これらの間に配設された弾性層とを備え、前記上枠には、前記下枠と相対する面に凹部および/または凸部が形成され、前記下枠には、前記上枠と相対する面で、かつ前記上枠の凹部および/または凸部に対応する位置に、これらと嵌合する凸部および/または凹部が形成され、これらの上枠と下枠が前記弾性層を介して嵌合している高面圧鉛直荷重支持体であって、前記凸部および凹部が前記弾性層を介して重なり合う嵌合高さを小さくしたことを特徴とする高面圧鉛直荷重支持体。
(2)前記嵌合高さが、前記凹部の深さまたは前記凸部の高さに対して0〜50%である(1)に記載の高面圧鉛直荷重支持体。
本発明の高面圧鉛直荷重支持用支承装置は、以下の構成を有する。
(3)前記(1)または(2)に記載の高面圧鉛直荷重支持体を備え、上部構造物と下部構造物との間に配設される支承装置であって、前記上枠の上面に上板が配置されており、互いに重なり合う前記上板の下面および前記上枠の上面が相互にすべり面を形成していることを特徴とする高面圧鉛直荷重支持用支承装置。
(4)前記(1)または(2)に記載の高面圧鉛直荷重支持体を備え、上部構造物と下部構造物との間に配設される支承装置であって、前記上枠の上面に上板が配置されており、該上板の側部には該上板の両端部に達する段部が形成されており、前記下部構造物上に取り付けられたベースプレート上に前記段部に係合する爪を有するサイドブロックが立設されていることを特徴とする高面圧荷重支持用支承装置。
(5)互いに重なり合う前記上板の下面および前記上枠の上面が相互にすべり面を形成している(4)に記載の支承装置。
(6)前記段部の上面と前記爪の下面との間に遊間が形成されている(4)または(5)に記載の支承装置。
(7)前記(1)または(2)に記載の高面圧鉛直荷重支持体を備え、上部構造物と下部構造物との間に配設される支承装置であって、前記上枠の側部には、該上枠の両端部に達しない領域で切り欠き段部が形成されており、前記下部構造物上に取り付けられたベースプレート上に前記切り欠き段部に係合する爪を有するサイドブロックが立設されていることを特徴とする高面圧鉛直荷重支持用支承装置。
(8)前記切り欠き段部の上面と前記爪の下面との間に遊間が形成されている(7)に記載の支承装置。
(9)前記下枠がベースプレートに溶接されているか、ボルト等により締着されているか、またはベースプレートに形成した穴に下枠の下部を収容させている(3)〜(8)のいずれかに記載の支承装置。
本発明にかかる支承装置の据え付け方法は、上部構造物と下部構造物との間に前記(3)〜(9)のいずれかに記載の支承装置を据え付けるに際して、下部構造物上に取り付けられたベースプレート上に前記(1)または(2)に記載の高面圧鉛直荷重支持体を設置し、前記下部構造物の所定位置に前記ベースプレートを含む前記支持体を挿入し、アンカーボルトによりベースプレートを前記下部構造物上に固定することを特徴とする。かかる本発明の据え付け方法は、新たな支承装置の据え付けの他、支承装置の取り替えや交換等にも適用可能である。
上記(1)または(2)にかかる高面圧荷重支持体によれば、前記上枠および下枠に形成される凸部と凹部とが重なり合う嵌合高さを小さくすることにより、上枠および下枠の厚さが薄くなり、材料(通常、鋼材)の使用量およびコストを低減できる。この支承装置は、凸部および凹部との嵌合高さが小さいので、水平荷重をあまり拘束せず、主として鉛直下向きの荷重を支持する。そのため、鉛直下向き以外の荷重は別部材により拘束させるので、支承装置もコンパクトで軽量かつ安価になるという効果がある。
上記(3)にかかる支承装置によれば、互いに重なり合う前記上板の下面および前記上枠の上面がすべり面によってすべり可能であるので、全方向の水平変位に追随することができるため、上部構造物の鉛直荷重支持用の支承装置として、水平力および上揚力を受ける適切な水平支承装置(弾性抵抗装置等)と共に、全方向免震・分散支持タイプの機能分離型支承装置における鉛直荷重支持用として好適である。
上記(4)、(5)にかかる支承装置のように、上枠の上面に取り付けた上板の側部に該上板の両端部に達する段部が形成されており、ベースプレート上に前記段部に係合する爪を有するサイドブロックが立設されている場合には、例えば橋梁における橋軸方向の変位にだけ追随することができるため、上部構造物の荷重支持用の支承装置として、水平力を受ける適切な水平支承装置(弾性抵抗装置等)と共に、橋軸方向免震・分散支持タイプの機能分離型の支承装置として橋梁等に好適である。
上記(7)にかかる支承装置によれば、爪を有するサイドブロックをベースプレートの切り欠き段部に係合させることにより、鉛直上向きの荷重および水平方向全ての水平荷重を拘束することができる。かかるサイドブロックと切り欠き段部は、前記した鉛直下向き以外の荷重を拘束する別部材の一例となる。
また、上記(6)および(8)に記載のように、段部の上面と前記爪の下面との間に遊間を形成することで、橋梁等の回転吸収を邪魔しなくなり効果的である。
本発明の据え付け方法は、上記のような材料使用量が低減されてコンパクトで軽量になった支承装置を上部構造物と下部構造物との間に据え付けるので、作業性が良好であるという効果がある。
以下、本発明の一実施形態にかかる支承装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1(a)および(b)はこの実施形態にかかる支承装置を示す平面図および一部切欠側面図である。
図1(a)および(b)に示すように、この実施形態にかかるゴム支承装置1は、上沓2(上枠)と、下沓3(下枠)と、これらの間に配設されたゴム層4(弾性層)とからなる高面圧荷重支持体A1を備える。
下沓3は、橋脚などの下部構造物(図示せず)にベースプレート5を介して固定される。ベースプレート5は、下部構造物に設置したアンカーボルト13をベースプレート5のボルト挿通孔14に挿入し、ナット15で締め付けて固定される。一方、上沓2の上面には、橋梁などの上部構造物(図示せず) を保持する上板101が、上沓2に対して全方向に摺動可能に配置されている。
すなわち、上沓2の上面には、上板101が摺動自在に配置される。上板2の摺動を円滑ならしめるため、上沓2の上面には、ふっ素樹脂などで作られた摺動板17が取り付けられ、これと当接する上板101の下面にはステンレス鋼板18が取り付けられている。なお、これとは逆に、摺動板17を上板101に、ステンレス鋼板18を上沓2にそれぞれ取り付けてもよい。摺動板17およびステンレス鋼板18によってすべり面が形成される。
下沓3には、上沓2と相対する面に、略円柱形状の第1の凸部3aと、該第1の凸部3aから離隔しかつ第1の凸部3aを囲む略リング形状の第2の凸部3bとが形成されている。一方、上沓2には、下沓3と相対する面で、かつ、第1の凸部3aおよび第2の凸部3bに対応する位置に、これらと嵌合する第1の凹部2aおよび第2の凹部2bが形成されている。そして、これらの上沓2と下沓3がゴム層4を介して嵌合することで、2つの嵌合部が形成されている。
ゴム層4は、凹部2a,2bの内周面、凸部3a,3bの外周面およびその他の水平面を含む全面で上沓2および下沓3と接着されている。ゴム層4は、主成分であるゴム成分に、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、補強剤、遅延剤、可塑剤、必要に応じて着色剤などの配合剤を配合したものである。ゴム層4の厚さは、5〜50mm程度、好ましくは10〜30mm程度であるのがよい。
ゴム成分としては、例えばジエン系ゴムを使用することができる。ジエン系ゴムとしては、天然ゴムの他、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等の合成ゴムが挙げられる。加硫剤としては、硫黄、有機過酸化物、亜鉛華、マグネシア等が挙げられる。加硫促進助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等が挙げられる。老化防止剤としては、例えばフェニル−α−ナフチルアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系化合物;等が挙げられる。可塑剤としては、例えば石油系プロセス油、タール、ピッチ、天然油脂、動植物油脂、合成可塑剤等が挙げられる。補強剤としては、カーボンブラック、シリカ、ホワイトカーボン等が挙げられる。
上沓2および下沓3は、例えば切削加工などの公知の手段を用いて鋼板等の材料に凹部および/または凸部を形成して作製することができる。また、凸部を形成する他の方法としては、例えば溶接等の手段を用いて鋼板等の材料に凸部となる材料を別途接合する方法などが挙げられる。
上沓2における第1の凹部2aの内周面および第2の凹部2bの両内周面は、いずれも斜面状の傾斜壁面21で構成されているのが好ましい。下沓3における前記第1の凸部3aの外周面および第2の凸部3bの内外周面も同様に斜面状の傾斜壁面31で構成されているのが好ましい。
さらに、相対する傾斜壁面21および傾斜壁面31は同じ傾斜角度を有するのがより好ましい。傾斜角度は、特に限定されるものではないが、鉛直線に対して約0°〜80°、好ましくは約20°〜60°であるのがよい。傾斜角度が80°を超えて90°に近づくと、鉛直荷重を受けたときのゴム層4の膨出量が大きくなるため垂直荷重を高面圧で支持できなくなるおそれがある。なお、傾斜角度が鉛直線に対して0°のときは、垂直壁面となるが、このような垂直壁面であってもよい。
また、互いに嵌合する前記凹部2a,2bおよび凸部3a,3bは重なり合う嵌合高さを小さくしている。これは上沓2および下沓3の凹凸嵌合構造にてさほど水平荷重を拘束する必要がないためである。具体的に説明すると、図2において、(a)は凹部2bと凸部3bとの嵌合高さが小さい場合を、(b)は嵌合高さが大きい場合をそれぞれ例示している。ここで、図2(a)における凹部2bと凸部3bとの重なり合う嵌合高さをL1、同図(b)における重なり合う嵌合高さをL2とすると、L1<L2の関係になる。
また、凹部2bの深さをDとすると、本発明にかかる支承装置1の嵌合高さL1は、上記Dに対して0〜50%、好ましくは10〜50%である。これにより、水平荷重をあまり拘束せず、主として鉛直下向きの荷重を支持することができる。上記範囲よりも嵌合高さが大きい場合(すなわち図2(b))では、上沓2の厚さが大きくなるので、上沓2の材料使用量が多くなり、コストアップやその重みによる施工性の低下等を招来する。なお、他の凹部2aも同様である。
なお、嵌合高さL1は、凸部3bに対しても同様に適用可能である。この場合は凸部3bの高さHに対する嵌合高さの割合が上記と同じ範囲であればよい。
本発明において、凹部2a,2bおよび凸部3a,3bの嵌合高さを小さくするとは、前述のように、主として鉛直下向きの荷重を支持し、水平方向の荷重を殆ど支持しないか、あるいは水平荷重の支持能力が小さくなるようにすることを意味する。従って、そのような特性を発揮できる限り、上記嵌合高さをいかなる手段で小さくしてもよく、例えば凹部2a,2bおよび凸部3a,3bの間に介在するゴム層4の厚さを大きくする、凹部2a,2bおよび凸部3a,3bの傾斜壁面の傾斜角度を大きくする、あるいはこれらを組み合わせるなどの種々の方法が採用可能であり、特に限定されるものではない。
ちなみに、上沓2の厚さL(図2(a)を参照)は、10〜150mm程度、好ましくは20〜100mm程度であるのがよく、下沓3の厚さも同じ範囲内であるのがよい。上沓2および下沓3は、例えば鋼板等の金属板、セラミックス、硬質プラスチック板等の材料を用いて形成することができる。
図1(b)に示すように、下沓3はベースプレート5の表面に刻設した穴6に下部を嵌入させることによって位置決めされている。
上記のような高面圧荷重支持体A1は、例えば金型内に上沓2および下沓3を所定の間隔で配置し、この金型内に、ゴム成分に対して各種配合剤を配合したゴム組成物を射出等により注入して加硫成形と同時に一体に加硫接着することにより製造することができる。
高面圧荷重支持体A1を製造する他の方法としては、ゴム成分に対して各種配合剤を配合したゴム組成物を押出成形等により成形して所定厚みのゴム層を予め作製し、ついで、このゴム層と、上沓2および下沓3とを積層して接着剤等により接着する方法等が挙げられる。接着剤としては、例えば酢酸ビニル系、アクリル系、エチレン共重合体系、ドープセメント、モノマーセメント、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等の熱可塑性接着剤;クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、再生ゴム系、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)系、天然ゴム系等のゴム系接着剤等が挙げられる。
支承装置1を例えば橋梁の上部構造物と下部構造物との間に据え付ける場合には、まずベースプレート5上に、下沓3、ゴム層4および上沓2からなる高面圧鉛直荷重支持体を設置する。その際、下沓3は、ベースプレート5の表面に刻設した穴6に落とし込んで、下部をベースプレート5に嵌合させる。
このように構成された支承装置1では、上記のようなすべり機構を採用したことにより、全方向の水平変位に追随できるので、機能分離型支承装置として、水平力および上揚力に抵抗する公知の水平支承装置と共に使用される。
本発明の他の実施形態を図3(a)、(b)に基づいて説明する。図3(a)、(b)において、図1および図2に示した構成部材と同じ構成部材には同一符号を付している。
この実施形態に係る支承装置11は、上沓22と、下沓3と、これらの間にゴム層4を介在させた高面圧荷重支持体A2を基本構成とするものである。そして、下沓3および上沓22に形成される凸部3a,3bと凹部22a,22bとが重なり合う嵌合高さを小さくしていることは前記と同じである。
上沓22の上面には、上板25が摺動自在に配置される。すなわち、上板25の摺動を円滑ならしめるため、上沓22の上面には、ふっ素樹脂などで作られた摺動板17が取り付けられ、これと当接する上板25の下面にはステンレス鋼板18が取り付けられている。なお、これとは逆に、摺動板17を上板25に、ステンレス鋼板18を上沓22にそれぞれ取り付けてもよい。摺動板17およびステンレス鋼板18によってすべり面が形成される。
上板25の両側部には該上板25の両端部に達する段部71が形成されている。そして、この段部71に係合する爪81aを有するサイドブロック81がベースプレート5上に立設されている。爪81aと段部71の上面との間には、遊間9が形成されている。このため、当該遊間9によってサイドブロック8が回転変形を拘束しないので、回転吸収を邪魔しなくなる。
従って、この実施形態にかかるサイドブロック81は、図3(a)に示す矢印h1方向の水平力および鉛直上向きの力を拘束し、矢印h2方向(通常、橋軸方向)の水平変位に追随する。
このような鉛直荷重支持用の支承装置は、可動支点の可動支承装置として用いられもするし、機能分離型支承装置として、水平力に抵抗する公知の水平支承装置と共に使用される。水平力に抵抗する水平支承装置としては、例えば特許第3634288号公報に記載のように、上部鋼板と下部鋼板との間に中間鋼板とゴム層とを交互に積層し一体に成形したものが挙げられる。
その他は前述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
本発明のさらに他の実施形態を図4(a)、(b)に基づいて説明する。図4(a)、(b)において、図1(a)、(b)に示した構成部材と同じ構成部材には同一符号を付している。
この実施形態に係る支承装置111は、図4(b)に示すように、上沓42と、下沓3と、これらの間にゴム層4を介在させた高面圧荷重支持体A3を基本構成とするものである。そして、下枠3および上沓42に形成される凸部3a,3bと凹部42a,42bとが重なり合う嵌合高さを小さくしていることは前記と同じである。
上沓2の両側部には、該上沓2の両端部に達しない領域で切り欠き段部7が形成されており、前記ベースプレート5上にこれらの切り欠き段部7に係合する爪8aを有するサイドブロック8が立設されている。
その結果、図4(a)に示す矢印h1方向の水平力に対してはサイドブロック8自体が水平力を拘束し、矢印h1方向に直行する矢印h2方向の水平力に対してはサイドブロック8自体およびその爪8aの側面と段部7の内側面とが当接することにより水平力を拘束する。
さらに、サイドブロック8に設けた爪8aが切り欠き段部7に係合していることによって、鉛直上向きの力を拘束する。
その結果、この支承装置1は、鉛直上向き方向および水平方向への拘束力を付加された高面圧荷重を支持する固定型支承装置となる。
一方、図4(b)に示すように、切り欠き段部7の上面とサイドブロック8の爪8aの下面との間には、前述の実施形態と同様な遊間91が形成されている。
以上のように構成された支承装置111では、鉛直荷重が加わった場合、その力でゴム層4が外方向に膨出することにより鉛直荷重を支持することができる。また、切り欠き段部7とサイドブロック8とによって水平方向と鉛直直上向きの力(地震力)を拘束することができる。
その他は、前述した図1〜図3の実施形態と同じであるので、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において、種々の改善や変更が可能である。
例えば、下沓3のベースプレート5への固定は、ベースプレート5表面に刻設した穴6に下沓3の下部を嵌合させる代わり、溶接にてベースプレート5表面に固定してもよい。
また、前記ゴム層4に代えて、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーなどの他の弾性材料を使用しても良い。上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリブタジエンなどが挙げられる。また、上記熱可塑性エラストマー(TPE)としては、ポリスチレン系TPE、ポロオレフィン系TPE、ポリ塩化ビニル系TPE、ポリウレタン系TPE(TPU)、ポリエステル系TPE、ポリアミド系TPEなどが挙げられる。
また、本発明の支承装置は、橋梁用以外に、建物や機械類などの各種構造物にも適用可能である。例えば、建物用支承装置は、上部構造物である建物に固定される上枠と、下部構造物である基礎に固定される下枠と、これらの間に配設された弾性層とを備える。機械用支承装置は、上部構造物である機械に固定される上枠と、下部構造物である基礎に固定される下枠と、これらの間に配設された弾性層とを備える。
(a)および(b)は本発明の一実施形態にかかる支承装置を示す平面図および一部切り欠き側面図である。 (a) (b)は本発明にかかる支承装置と従来の支承装置との凹凸嵌合高さの違いを示す説明図である。 (a)および(b)は本発明の他の実施形態にかかる支承装置を示す平面図および一部切り欠き側面図である。 (a)および(b)は本発明のさらに他の実施形態にかかる支承装置を示す平面図および一部切り欠き側面図である。 従来の支承装置を示す一部破断斜視断面図である。 従来の支承装置の断面図である。
符号の説明
1・・・ゴム支承装置
2・・・上沓(上枠)
2a,2b・・・凹部
3・・・下沓(下枠)
3a,3b・・・凸部
4・・・ゴム層(弾性層)
5・・・ベースプレート
6・・・穴
7・・・切り欠き段部
8・・・サイドブロック
8a・・・爪
9・・・遊間
22・・・上沓(上枠)
24・・・上沓(上枠)
21・・・傾斜壁面
31・・・傾斜壁面

Claims (10)

  1. 上枠と、下枠と、これらの間に配設された弾性層とを備え、前記上枠には、前記下枠と相対する面に凹部および/または凸部が形成され、前記下枠には、前記上枠と相対する面で、かつ前記上枠の凹部および/または凸部に対応する位置に、これらと嵌合する凸部および/または凹部が形成され、これらの上枠と下枠が前記弾性層を介して嵌合している高面圧鉛直荷重支持体であり、
    前記凸部および凹部が前記弾性層を介して重なり合う嵌合高さを小さくしたことを特徴とする高面圧鉛直荷重支持体。
  2. 前記嵌合高さが、前記凹部の深さまたは前記凸部の高さに対して0〜50%である請求項1に記載の高面圧鉛直荷重支持体。
  3. 請求項1または2に記載の高面圧鉛直荷重支持体を備え、上部構造物と下部構造物との間に配設される支承装置であって、
    前記上枠の上面に上板が配置されており、互いに重なり合う前記上板の下面および前記上枠の上面が相互にすべり面を形成していることを特徴とする高面圧鉛直荷重支持用支承装置。
  4. 請求項1または2に記載の高面圧鉛直荷重支持体を備え、上部構造物と下部構造物との間に配設される支承装置であって、
    前記上枠の上面に上板が配置されており、該上板の側部には該上板の両端部に達する段部が形成されており、前記下部構造物上に取り付けられたベースプレート上に前記段部に係合する爪を有するサイドブロックが立設されていることを特徴とする高面圧荷重支持用支承装置。
  5. 互いに重なり合う前記上板の下面および前記上枠の上面が相互にすべり面を形成している請求項4に記載の支承装置。
  6. 前記段部の上面と前記爪の下面との間に遊間が形成されている請求項4または5に記載の支承装置。
  7. 請求項1または2に記載の高面圧鉛直荷重支持体を備え、上部構造物と下部構造物との間に配設される支承装置であって、
    前記上枠の側部には、該上枠の両端部に達しない領域で切り欠き段部が形成されており、前記下部構造物上に取り付けられたベースプレート上に前記切り欠き段部に係合する爪を有するサイドブロックが立設されていることを特徴とする高面圧鉛直荷重支持用支承装置。
  8. 前記切り欠き段部の上面と前記爪の下面との間に遊間が形成されている請求項7に記載の支承装置。
  9. 前記下枠がベースプレートに溶接されているか、ボルト等により締着されているか、またはベースプレートに形成した穴に下枠の下部を収容させている請求項3〜8のいずれかに記載の支承装置。
  10. 上部構造物と下部構造物との間に請求項3〜9のいずれかに記載の支承装置を据え付けるに際して、下部構造物上に取り付けられたベースプレート上に請求項1または2に記載の高面圧鉛直荷重支持体を設置し、前記下部構造物の所定位置に前記ベースプレートを含む前記支持体を挿入し、アンカーボルトによりベースプレートを前記下部構造物上に固定することを特徴とする高面圧鉛直荷重支持用支承装置の据え付け方法。
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