JP2008278309A - 変換制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動設定に応じた複数の作動モードでA/D変換を実施する機能を有する変換制御装置において、他のユーザが作動モードを変更したとしても、作動モード変更前のユーザが適切なデータを受けられるようにする。
【解決手段】CPUは、A/D変換器の作動モードを他の作動モードに変更する変更指令を受けると、ワンショット変換処理にて、A/D作動モードレジスタに記憶された変更前の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モード退避用バッファに格納する。そして、変更指令に応じて変更後の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モードレジスタ50に格納する。さらに、CPUは、A/D変換完了割り込み処理にて、変更後の作動モードでのA/D変換器による処理が終了すると、A/D作動モード退避用バッファに格納された変更前の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モードレジスタに格納する。
【選択図】図6

Description

本発明は、作動設定に応じた複数の作動モードでA/D変換を実施する機能を有する変換制御装置に関する。
従来、上記変換制御装置として、複数のセンサによる検出信号の何れかを順に選択して、A/D変換を実施するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような変換制御装置においては、あるユーザ(アプリケーション)から作動モードを指定する指令を受けると、その作動モードでA/D変換器を作動し、A/D変換を実施する。
なお、本明細書(特許請求の範囲を含む)において、「A/D変換」とは、センサやアクチュエータ等からアナログ値として入力された検出信号をデジタル値に変換し、出力する処理を表す。
特開2005−191810号公報
しかしながら、上記制御装置においては、あるユーザ(変更前ユーザ)が作動モードを設定し、その作動モードでのA/D変換の実施中に、他のユーザによって作動モードが変更されると、作動モード変更前の変更前ユーザがA/D変換後のデータを要求したとしても、変更前ユーザが意図しない作動モードに変更されているので、変更前ユーザは期待する適切なデータを受けることができなくなる虞があった。
具体的には、図15を用いて説明する。図15は、背景技術において、A/D変換の作動モードを切り替える際の処理を示すシーケンスチャートである。なお、図15においては、複数の検出装置(センサ)による検出信号がそれぞれ入力される複数のチャネル(チャンネル)の何れかを選択することによって、選択したチャネルに対応する検出信号がA/D変換器に入力されるものとする。
また、複数のチャネルにおける最新のA/D変換値が取得できることを期待するユーザ1と、あるチャネルの希望するタイミングにおけるA/D変換値が取得できることを期待するユーザ2とがA/D変換器によるA/D変換値を利用するものとする。
ユーザ1が複数のチャネルにおける最新のA/D変換値を取得するためには、図15に示すように、まず、A/D変換器の作動モードを連続変換モードに設定してA/D変換器を作動させる。なお、連続変換モードとは、A/D変換器に指定したチャネルを繰り返しA/D変換させる作動モードを表す。
続いて、ユーザ1は、連続変換モードでのA/D変換が終了した頃以後の任意の時期に、A/D変換値を取得する。これによって、ユーザ1は期待するA/D変換値を取得することができる。
その後、ユーザ2がA/D変換値を取得するためには、A/D変換器の作動モードをワンショット変換モードに変更してA/D変換器を作動させる。なお、ワンショット変換モードとは、A/D変換器に指定したチャネルを一回限りA/D変換させる作動モードを表す。
続いて、ユーザ2は、ワンショット変換モードでのA/D変換が終了した頃に、A/D変換値を取得する。これによって、ユーザ2は期待するA/D変換値を取得することができる。
なお、ワンショット変換モードでは、指定されたチャネルにおけるA/D変換を一度だけ実施するため、ワンショット変換モードが終了すると、A/D変換器はA/D変換を停止させる。
ところで、ユーザ1が作動モード変更後に、再びA/D変換値を取得する場合には、ユーザ1は作動モードがワンショット変換モードに変更されたこと(A/D変換が停止されていること)を通知されていないので、ユーザ1は、連続変換モードが実施されていることを前提にA/D変換値を取得しようとする。よって、ユーザ1は、期待したA/D変換値を取得することができない。具体的には、ユーザ1は、著しく古いデータを取得してしまう虞がある。
そこで、このような問題点を鑑み、作動設定に応じた複数の作動モードでA/D変換を実施する機能を有する変換制御装置において、他のユーザが作動モードを変更したとしても、作動モード変更前のユーザが適切なデータを受けられるようにすることを本発明の目的とする。
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の変換制御装置において、格納手段は、A/D変換手段の作動モードを他の作動モードに変更する変更指令を受けると、設定記憶手段に格納された変更前の作動モードに対応する作動設定を変更記憶手段に格納する。そして、作動モード変更手段は、変更指令に応じて変更後の作動モードに対応する作動設定を設定記憶手段に格納する。さらに、作動モード復帰手段は、変更後の作動モードでのA/D変換手段による処理が終了すると、変更記憶手段に格納された変更前の作動モードに対応する作動設定を設定記憶手段に格納する。
即ち、本発明の変換制御装置においては、作動モード変更手段によって変更後の作動モード(他の作動モード)に対応する作動設定が設定記憶手段に格納されると、A/D変換手段による作動モードが変更されるのであるが、その前に、格納手段が変更前の作動モードに対応する作動設定を変更記憶手段に格納するようにしている。そして、変更後の作動モードでのA/D変換手段による処理が終了すると、作動モード復帰手段が変更記憶手段に格納された変更前の作動モードに対応する作動設定を設定記憶手段に格納するようにしている。
従って、このような変換制御装置によれば、変更後の作動モードでのA/D変換手段による処理が終了すると、変更前の作動モードに対応する作動設定を設定記憶手段に戻すことができるので、変更前の作動モードに自動的に復帰させることができる。よって、他のユーザ(アプリケーション)が作動モードを変更したとしても、作動モード変更前のユーザが適切なデータを受けられるようにすることができる。
ところで、請求項1に記載の変換制御装置においては、請求項2に記載のように、A/D変換手段の作動モードが予め設定された特定作動モードであるときに変更指令を受けたとしても、当該作動モードでのA/D変換手段による処理が終了するまで、作動モード変更手段による作動モードの変更を禁止するモード変更禁止手段を備えていてもよい。
このような変換制御装置によれば、特定作動モードが中断されることを禁止することができるので、特定作動モードを完結(完了)させることができる。
また、請求項2に記載の変換制御装置においては、特定作動モードのときにはいつでも作動モードの変更を禁止するようにすることも考えられるが、モード変更禁止手段は、請求項3に記載のように、変換制御装置の起動時に作動する(作動モードの変更を禁止する)ようにしてもよい。
このような変換制御装置によれば、変換制御装置の起動時以外のタイミングにおいては、作動モードを直ちに変更することができる。また、この変換制御装置によれば、起動時に特定作動モードを完結させておくことによって、特定作動モードが繰り返し中断されたときに特定作動モードでA/D変換されないデータが存在することによりデータの値が不定値になることを防止することができる。
さらに、請求項2または請求項3に記載の変換制御装置においては、請求項4に記載のように、特定作動モードでのA/D変換処理が実施されてからの経過時間を計時する計時手段を備え、モード変更禁止手段は、計時手段による計時結果に基づいて予め設定された規定時間の間に特定作動モードでのA/D変換処理が最後まで実施されなかった場合に作動するようにしてもよい。
このような変換制御装置によれば、定期的に特定作動モードを完結させることができるので、特定作動モードでA/D変換されるデータが更新されることなく著しく古いデータになることを防止することができる。
また、請求項2〜請求項4の何れかに記載の変換制御装置においては、請求項5に記載のように、選択したチャネル(チャンネル)に対応する検出信号を前記A/D変換手段に入力する選択手段と、設定記憶手段に格納された作動設定に応じて選択手段によって選択されるチャネルを設定する選択設定手段と、を備え、モード変更禁止手段は、A/D変換手段の作動モードが連続変換モードのときにワンショット変換モードへ作動モードが変更されることを禁止するようにしてもよい。
このような変換制御装置によれば、連続変換モードを確実に完結させることができる。なお、本発明(請求項5)において、「車両に関する物理量」とは、例えば、エンジンの回転数、冷却水の温度、或いはエンジンにおけるクランク角等、車両の状態を検出する装置によって検出されうる値を示す。
さらに、請求項5に記載の変換制御装置においては、請求項6に記載のように、格納手段は、作動モードの変更前にA/D変換手段により指定されていたチャネルを表すチャネル情報を作動設定に含めて変更記憶手段に格納し、A/D変換手段は、作動モード復帰手段により変更前の作動モードに対応する作動設定が設定記憶手段に格納されると、この作動設定に含まれるチャネル情報を参照することにより、作動モードの変更前に指定していたチャネルからA/D変換を再開するようにしてもよい。
このような変換制御装置によれば、作動モードが変更されたことにより中断されたチャネルからA/D変換を再開することができる。よって、常に最初のチャネル(処理開始時に初めにA/D変換するよう設定されたチャネル)からA/D変換を再開する場合と比較して、極端に古いデータが存在してしまうことを防止することができる。
なお、請求項6の効果を享受するためには、モード変更禁止手段の構成を、請求項5に記載のように限定する必要はない。
また、請求項1〜請求項6の何れかに記載変換制御装置においては、請求項7に記載のように、作動設定には、A/D変換手段がA/D変換を実施する際の変換速度の設定情報を含むようにしてもよい。
このような変換制御装置によれば、作動モードとともに変換速度を変更することができる。
さらに、請求項1〜請求項7の何れかに記載の変換制御装置において、変更記憶手段は、請求項8に記載のように、複数ユーザ分の作動設定を格納可能に構成されていてもよい。
このような変換制御装置によれば、ユーザが多数存在したとしても、複数ユーザ分の作動設定を別々に格納しておき、それぞれの作動設定を復帰させることができるので、各ユーザが任意のタイミングでA/D変換を実施することができる。
また、請求項8に記載の変換制御装置において、格納手段は、請求項9に記載のように、変更記憶手段に対してLIFO(Last In, First Out:最後に入れたものを最初に取り出す)方式で作動設定の格納を実施するようにしてもよい。
このような変換制御装置によれば、変更記憶手段にユーザの数だけ記憶領域を設ける必要はなく、同時にA/D変換手段を利用するユーザの数だけ作動設定を格納できるような変更記憶手段の記憶領域を準備すればよい。よって、変更記憶手段の記憶領域を節約することができる。
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された車両制御システム1(本発明でいう変換制御装置)の概略構成を示すブロック図である。車両制御システム1は、例えば乗用車等の車両に搭載されるシステムであって、車両に搭載されたエンジン等の制御を実施する。
そして、車両制御システム1は、図1に示すように、電子制御装置(以下、ECUという。)5と、各種センサ6〜8等とを備えて構成されている。なお、図1においては、本発明に係るA/D変換に関する構成要素のみを図示しており、エンジンや各種アクチュエータ等の構成要素については図示を省略している。
次に、各種センサ6〜8としては、例えば、エンジンにおける冷却水の温度を測定する温度センサ6、車両の加速度を検出する加速度センサ7、エンジンにおけるクランク角を検出するクランク角センサ8等を備えている。
ECU5は、CPUコア(CPU−CORE:以下、単にCPUという。)11、ROM12、RAM13、割り込みコントローラ14、タイマ15(本発明でいう計時手段)、およびA/D変換器20(本発明でいうA/D変換手段)を備えたマイクロプロセッサ(以下、単にマイコンという。)10と、波形整形回路40と、を備えて構成されている。なお、マイコン10を構成する各構成要素は、内部データバス16(図2参照)を介して互いに接続されている。
波形整形回路40は、例えば、バンドパスフィルタ等の周知のフィルタ回路として構成されており、前述の各種センサ6〜8による検出信号(アナログ値)を入力し、この検出信号に含まれるノイズ成分を除去する。そして、波形整形回路40によりノイズ成分が除去された検出信号は、それぞれマイコン10のA/D変換器20に入力される。
A/D変換器20は、後述するI/Oレジスタ48(A/D作動モードレジスタ50:本発明でいう設定記憶手段)に格納された制御情報(詳細は後述)に基づく作動モードで、波形整形回路40を介して入力された検出信号(アナログ値)をデジタル値に変換するA/D変換を実施する。ここで、作動モードには、「ワンショット変換モード」と「連続変換モード」とがあり、A/D変換器20は、作動モードがワンショット変換モードに設定されているときには、指定されたチャネル(チャンネル)におけるA/D変換を1回限り実施し、作動モードが連続変換モードに設定されているときには、指定されたチャネルにおけるA/D変換を繰り返し実施する。
また、制御情報に含まれる指定チャネルの情報としては、一部のチャネル、開始チャネルおよび終了チャネル、または全チャネル等を指定する情報が挙げられる。さらに、これらの作動モードにおいては、それぞれA/D変換の際の変換速度(変換精度)も指定することができる。ここで、A/D変換においては、一般的に、変換速度を速く設定するとA/D変換の精度が悪化し、変換速度を遅く設定するとA/D変換の精度が向上する、という特徴がある。
なお、A/D変換器20は、A/D作動モードレジスタ50に格納された制御情報に基づく作動モードにおけるA/D変換が終了すると、設定された作動モードにおけるA/D変換が終了した旨の完了通知を割り込みコントローラ14に送信する。また、本実施形態においては、A/D変換器20が1つだけ設けられているが、複数設けられていてもよい。
割り込みコントローラ14は、A/D変換器20からの完了信号を受けると、予め設定された割り込み処理を実施するようCPU11に対して割り込み指令を送信する。
CPU11は、タイマ15が取得する時刻が所定の時刻になったときや、割り込みコントローラ14を受けたとき等の、予め設定された所定のタイミングにおいて、予めROM12に格納されたプログラムに基づく処理を実施する。つまり、CPU11は、各種センサ6〜8による検出信号をデジタル値に変換するA/D変換の際に作動モードを変更する処理や、A/D変換後の検出信号に基づいた周知のエンジン制御処理等を実施する。
続いて、A/D変換器20の詳細について図2を用いて説明する。図2はA/D変換器20の内部構造を模式的に示すブロック図である。
A/D変換器20は、図2に示すように、A/D制御回路41(本発明でいう選択設定手段)と、A/Dコンバータ45と、セレクタ46(本発明でいう選択手段)と、比較器47と、I/Oレジスタ48とを備えている。
A/D制御回路41は、セレクタ46に対して検出信号を入力するチャネルを選択させたり、A/Dコンバータ45に対して比較器47に出力する参照電圧やA/D変換の際の変換速度(変換時間)を指定したりする。また、A/D制御回路41は、A/D作動モードレジスタ50に格納された制御情報に基づいて作動モードを選択し、この作動モードでA/D変換を実施したり、前述のように、A/D変換が終了した旨の完了通知を割り込みコントローラ14に送信したりする。
A/Dコンバータ45は、A/D制御回路41からの指令(実際には、A/D逐次近似レジスタ44の内容)に基づいて、指定された参照電圧を比較器47に対して出力する。なお、A/D制御回路41は、A/Dコンバータ45に対して、まず最大電圧(例えば5V)を出力させ、この電圧から徐々に電圧を下げさせる。
セレクタ46は、A/D制御回路41からの指令に基づいて、指定された何れかのチャネルにおける検出信号を比較器47に対して出力する。
比較器47は、A/Dコンバータ45からの参照電圧と、セレクタ46からの検出信号とを比較し、この比較結果をA/D制御回路41に出力する。
また、I/Oレジスタ48は、A/Dデータレジスタ42,43と、A/D逐次近似レジスタ44と、A/D作動モードレジスタ50とを備えている。なお、A/Dデータレジスタ42は、セレクタ46に設けられたチャネル数(ここではn)に対応して、そのチャネル数分だけ設けられている。
A/D制御回路41は、A/Dコンバータ45に出力させる参照電圧をA/D逐次近似レジスタ44に随時格納する。そして、A/D制御回路41は、比較器47による比較結果がHI(つまり、A/Dコンバータ45からの参照電圧よりもセレクタ46からの検出信号の電圧が高い状態)であることを検出すると、チャネルおよびA/D変換によるデジタル値をA/Dデータレジスタ43に格納する。その後、CPU11によりA/Dデータレジスタ43に記載の内容が、セレクタ46によるチャネルに対応するA/Dデータレジスタ42に転記される。
A/D作動モードレジスタ50は、作動モード、A/D変換するチャネル、変換速度等の制御情報が格納される。なお、A/D作動モードレジスタ50および制御情報については、後述する図3で説明する。
このようなI/Oレジスタ48に書き込まれた各種データは、内部データバス16を介してCPU11によって読み出しされることになる。
なお、RAM13は、その記憶領域の一部分がA/D作動モード退避用バッファ60(本発明でいう変更記憶手段)に割り当てられている。ここで、このRAM13の記憶領域、およびI/Oレジスタ48の詳細について図3を用いて説明する。図3は、RAM13の記憶領域、およびI/Oレジスタ48の内部構造を模式的に示すブロック図である。
I/Oレジスタ48としては、前述のように、A/Dデータレジスタ42,43、A/D逐次近似レジスタ44、A/D作動モードレジスタ50が備えられており、特にA/D作動モードレジスタ50としては、図3に示すように、A/D作動モードレジスタ0(51)、A/D作動モードレジスタ1(52)、およびA/D割り込みマスクレジスタ53が備えられている。
これらのA/D作動モードレジスタ50における各レジスタ51〜53は、それぞれ8bitデータに設定されており、各bitの値にそれぞれの制御情報が割り当てられて記憶される。
具体的にA/D作動モードレジスタ0(51)の各bit51a〜51gには、例えば、作動モードを選択する作動モード選択ビット、A/D変換終了時の割り込み処理を実施させる割り込み要求bit等のデータが格納される。また、A/D作動モードレジスタ1(52)の各bit52a〜52dには、A/D変換するチャネルを指定するチャネル選択ビット等のデータが格納される。
さらに、A/D割り込みマスクレジスタ53には、A/D変換器20に割り込み処理を実施させる旨を示すデータが格納される。また、RAM13におけるA/D作動モード退避用バッファ60は、当該A/D変換器を同時に利用する可能性があるユーザ(アプリケーション)における各制御情報を格納することができるだけの容量が確保されている。
また、CPU11は、このRAM13に対してLIFO方式(スタック形式)でデータの格納を実施する。なお、A/D作動モード退避用バッファ60は、全ユーザの制御情報を格納することができるだけの記憶領域が設定されていてもよく、この場合には、CPU11はLIFO方式でデータの格納をする必要はない。
ここで、上記のように構成された車両制御システム1においてマイコン10のA/D変換器20がA/D変換を実施する際にCPU11が実行する制御の概要について図4を用いて説明する。図4は、A/D変換の作動モードを切り替える際の処理を示すシーケンスチャートである。
ここで、図4においては、複数のチャネルにおける最新のA/D変換値が取得できることを期待するユーザ1と、あるチャネルの希望するタイミングにおけるA/D変換値が取得できることを期待するユーザ2とがA/D変換器20によるA/D変換値を利用する場合について説明する。
まず、ユーザ1が複数のチャネルにおけるA/D変換値を取得するために、A/D変換器20の作動モードを連続変換モードに設定してA/D変換器20を作動させる。続いて、ユーザ1は、連続変換モードでのA/D変換が終了した頃以降の任意の時期に、A/D変換値を取得する。これによって、ユーザ1は期待するA/D変換値を取得することができる。
その後、ユーザ2がA/D変換値を取得するために、A/D変換器20の作動モードをワンショット変換モードに変更してA/D変換器20を作動させる。続いて、ユーザ2は、ワンショット変換モードでのA/D変換が終了した頃に、A/D変換値を取得する。これによって、ユーザ2は期待するA/D変換値を取得することができる。
そして、本実施形態におけるA/D変換器20では、ワンショット変換モードによるA/D変換が完結すると、元の作動モードである連続変換モードに作動モードを復帰させる。
このように設定されているのは、ユーザ1が再びA/D変換値を取得することがあるからであって、この場合には、ユーザ1は、前回のA/D変換値の取得後に、A/D変換器20においてワンショット変換モードが実施されていたとしても、その後、連続変換モードに復帰されているので、直ちに期待したA/D変換値を取得することができる。
このような効果を得るために実施される具体的な処理について、図5および図6を用いて説明する。図5および図6はCPU11が実行する処理を示すフローチャートであって、図5(a)にはA/D変換器初期化処理、図5(b)には連続変換処理、図6(a)にはワンショット変換処理、図6(b)にはA/D変換完了割り込み処理を示す。
なお、以下においては説明を簡素化するために次に示す条件を前提として説明する。まず、上記の各フローが開始され、終了するまでは、他の処理は開始されないものとする。また、A/D変換器初期化処理およびA/D変換完了割り込み処理におけるA/D変換中には、さらに別の処理が実施されることはないものとする。
また、連続変換モードにおけるA/D変換中に、別の連続変換処理が実施されること、並びにワンショット変換モードにおけるA/D変換中に、連続変換処理および別のワンショット変換処理が実施されることはないものとする。さらに、A/D変換器20によるA/D変換中には、A/D変換完了割り込み処理を禁止する割り込み禁止状態にされること(後述する割り込み禁止フラグがOFF状態からON状態に変更されること)がないものとする。
まず、A/D変換器初期化処理について説明する。A/D変換器初期化処理は、例えば、車両のイグニッションスイッチ(図示省略)がON状態にされたときに開始される処理である。
このA/D変換器初期化処理では、図5(a)に示すように、まず、A/D変換器20におけるI/Oレジスタ48に初期値を設定する(S110)。なお、この初期値としては、例えば、A/D変換器20の誤作動を防止するためにA/D変換器20を停止させるための値が設定されていればよい。
続いて、A/D変換完了割り込み処理を禁止する割り込み禁止フラグをON状態に設定し(S120)、A/D変換器初期化処理を終了する。このように割り込み禁止フラグがON状態に設定されると、後述するA/D変換完了割り込み処理が禁止される。
次に、連続変換処理について説明する。連続変換処理は、ユーザから連続変換モードへの移行指令がマイコン10に対して入力されると開始される処理であって、まず、図5(b)に示すように、待機中A/Dタスク有無フラグをOFF状態に設定する(S210)。ここで、待機中A/Dタスク有無フラグとは、連続変換処理が中断されたことによって再度、連続変換処理に復帰する必要があるか否かを示すフラグである。
続いて、連続変換モードに関する制御情報をI/Oレジスタ48に設定し(S260)、この設定に基づいてA/D変換器20にA/D変換を開始させ(S270)、連続変換処理を終了する。
次に、ワンショット変換処理について説明する。ワンショット変換処理は、ユーザからワンショット変換モードへの移行指令がマイコン10に対して入力されると開始される処理であって、図6(a)に示すように、まず、A/D変換器20がA/D変換を実施中であるか否かを判定する(S320)。
A/D変換を実施中でなければ(S320:NO)、直ちに後述するS380の処理に移行する。また、A/D変換を実施中であれば(S320:YES)、A/D変換器20に対してA/D変換を停止させ(S340)、I/Oレジスタ48(A/D作動モードレジスタ50)に格納された制御情報をRAM13(A/D作動モード退避用バッファ60)に退避させる(S350:格納手段)。
続いて、待機中A/Dタスク有無フラグをON状態に設定し(S360)、ワンショット変換モードに関する制御情報をI/Oレジスタ48に設定する(S380:作動モード変更手段)。そして、割り込み禁止フラグをOFF状態に設定し(S390)、I/Oレジスタ48の設定に基づいてA/D変換器20にA/D変換を開始させ(S400)、ワンショット変換処理を終了する。
次に、A/D変換完了割り込み処理について説明する。A/D変換完了割り込み処理は、A/D変換器20から設定された作動モードにおけるA/D変換が終了した旨の完了通知を受けたときに開始される処理である。ただし、割り込み禁止フラグがON状態に設定されている際には、このA/D変換完了割り込み処理は実施されない。
このA/D変換完了割り込み処理は、図6(b)に示すように、まず、現在の作動モードに対応するユーザに対してA/D変換が終了した旨を通知するコールバックを実施し(S530)、その後、待機中A/Dタスク有無フラグがON状態であるか否かを判定する(S550)。
待機中A/Dタスク有無フラグがOFF状態であれば(S550:NO)、直ちにA/D変換完了割り込み処理を終了する。また、待機中A/Dタスク有無フラグがON状態であれば(S550:YES)、退避した制御情報を復帰させ(S610:作動モード復帰手段)、復帰した作動モード(連続変換モード)に関する制御情報をI/Oレジスタ48に設定する(S620)。
つまり、S610,S620の処理では、A/D作動モード退避用バッファ60に一時的に退避させていた制御情報を読み出して、この読み出した制御情報をI/Oレジスタ48に設定する。そして、I/Oレジスタ48の設定に基づいてA/D変換器20にA/D変換を開始させ(S630)、A/D変換完了割り込み処理を終了する。
以上のように詳述した車両制御システム1において、CPU11は、A/D変換器20の作動モードを他の作動モードであるワンショット変換モードに変更する変更指令を受けると、ワンショット変換処理にて、A/D作動モードレジスタ50に記憶された変更前の作動モードに対応する制御情報(作動設定)をA/D作動モード退避用バッファ60に格納する。そして、変更指令に応じて変更後の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モードレジスタ50に格納する。
さらに、CPU11は、A/D変換完了割り込み処理にて、変更後の作動モードでのA/D変換器20による処理が終了すると、A/D作動モード退避用バッファ60に格納された変更前の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モードレジスタ50に格納する。
即ち、本発明の車両制御システム1においては、ワンショット変換処理にて、変更後の作動モード(他の作動モード)に対応する制御情報がA/D作動モードレジスタ50に格納されると、A/D変換器20による作動モードが変更されるのであるが、その前に、変更前の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モード退避用バッファ60に格納するようにしている。そして、変更後の作動モードでのA/D変換器20による処理が終了すると、A/D変換完了割り込み処理にて、A/D作動モード退避用バッファ60に格納された変更前の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モードレジスタ50に格納するようにしている。
従って、このような車両制御システム1によれば、作動モードを切り替える際に、変更前の作動モードに対応する制御情報をA/D作動モードレジスタ50からA/D作動モード退避用バッファ60に一時的に退避させ、後からA/D作動モードレジスタ50に変更前の作動モードに対応する制御情報を戻すことができるので、変更前の作動モードに自動的に復帰させることができる。よって、他のユーザ(アプリケーション)が作動モードを変更したとしても、作動モード変更前のユーザが適切なデータを受けられるようにすることができる。
また、本実施形態の車両制御システム1においては、制御情報には、A/D変換器20がA/D変換を実施する際の変換速度の設定情報が含まれている。
従って、このような車両制御システム1によれば、作動モードに応じて変換速度を変更することができる。
さらに、A/D作動モード退避用バッファ60は、複数ユーザ分の制御情報を格納可能に構成されている。
従って、このような車両制御システム1によれば、ユーザが多数存在したとしても、複数ユーザ分の制御情報を格納しておき、それぞれの制御情報を復帰させることができるので、各ユーザが任意のタイミングでA/D変換を実施することができる。
また、車両制御システム1において、CPU11は、A/D作動モード退避用バッファ60に対してLIFO方式で制御情報を格納する。
従って、このような車両制御システム1によれば、A/D作動モード退避用バッファ60にユーザの数だけ記憶領域を設ける必要はなく、同時にA/D変換器20を利用するユーザの数だけ制御情報を格納できるようなA/D作動モード退避用バッファ60の記憶領域を準備すればよい。よって、A/D作動モード退避用バッファ60の記憶領域を節約することができる
[第2実施形態]
次に、別形態の車両制御システムについて説明する。本実施形態(第2実施形態)では、第1実施形態の車両制御システム1と異なる箇所のみを詳述し、第1実施形態の車両制御システム1と同様の箇所については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の車両制御システムにおいては、CPU11が実行する処理(フローチャート)が異なる。なお、図7は第2実施形態のA/D変換器初期化処理を示すフローチャート、図8は第2実施形態の連続変換処理を示すフローチャートである。また、図9は第2実施形態のワンショット変換処理を示すフローチャート、図10は第2実施形態のA/D変換完了割り込み処理を示すフローチャートである。
まず、A/D変換器初期化処理においては、図5(a)におけるS120の処理に換えて、S130〜S180の処理を実施する。具体的には、S110の処理を終了すると、図7に示すように、初期化時におけるA/D変換であることを表す初期化時A/D変換フラグをON状態に設定し(S130)、作動モードをワンショット変換モードに設定する(S140)。そして、全チャネルについてA/D変換を実施することを表す強制連続変換フラグをON状態に設定し(S150)、ワンショット変換モードに関する制御情報をI/Oレジスタ48に設定する(S160)。
続いて、割り込み禁止フラグをOFF状態(許可状態)に設定し(S170)、I/Oレジスタ48の設定に基づいてA/D変換器20にA/D変換を開始させ(S180)、A/D変換器初期化処理を終了する。
次に、連続変換処理においては、図5(b)におけるS210の処理とS260の処理との間に、S220〜S250の処理を実施する。即ち、S210の処理が終了すると、図8に示すように、強制連続変換フラグをOFF状態に設定し(S220)、タイマ15から現在時刻を取得する(S230)。
そして、現在時刻を前回取得時刻としてRAM13の所定の記憶領域に記憶し(S240)、作動モードを連続変換モードに設定し(S250)、その後S260以下の処理に移行する。
次に、ワンショット変換処理においては、図6(a)の処理に対していくつかの処理が追加される。即ち、図9に示すように、S320の処理にてA/D変換器20によるA/D変換が作動中であると判定すると(S320:YES)、強制連続変換フラグがON状態であるか否かを判定する(S330:モード変更禁止手段)。
強制連続変換フラグがON状態であれば(S330:YES)、ワンショット変換処理が正常に実施できたことを表す戻り値をNG(正常に実施できなかった旨)に設定し(S410)、ワンショット変換処理を終了する。また、強制連続変換フラグがOFF状態であれば(S330:NO)、S340以下の処理を実施する。
そして、S320の処理にてA/D変換器20によるA/D変換が作動中ではないと判定した場合(S320:NO)、およびS360の処理が終了した場合には、作動モードをワンショット変換モードに設定し(S370)、S380以下の処理に移行する。
次に、A/D変換完了割り込み処理においては、図6(b)の処理に対して多数の処理が追加される。即ち、図10に示すように、A/D変換完了割り込み処理が開始されると、初期化時A/D変換フラグがON状態であるか否かを判定する(S510)。初期化時A/D変換フラグがON状態であれば(S510:YES)、初期化時A/D変換フラグをOFF状態に設定し(S520)、割り込み禁止フラグをON状態に設定し(S525)、A/D変換完了割り込み処理を終了する。
また、初期化時A/D変換フラグがOFF状態であれば(S510:NO)、S530の処理を実施し、その後タイマ15から現在時刻を取得する(S540)。続いて前述のように、待機中A/Dタスク有無フラグがON状態であるか否かを判定する(S550)。
待機中A/Dタスク有無フラグがOFF状態であれば(S550:NO)、作動モードが連続変換モードであるか否かを判定する(S560)。作動モードが連続変換モードであれば(S560:YES)、強制連続変換フラグをOFF状態に設定する(S570)。そして、現在時刻を前回取得時刻に設定し(S580)、A/D変換完了割り込み処理を終了する。
また、S560にて、作動モードが連続変換モードでなければ(S560:NO)、直ちにA/D変換完了割り込み処理を終了する。
さらに、待機中A/Dタスク有無フラグがON状態であれば(S550:YES)、現在時刻と前回取得時刻との差が、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する(S590)。現在時刻と前回取得時刻との差がこの閾値以上であれば(S590:YES)、強制連続変換フラグをON状態に設定し、S610に移行する。
また、現在時刻と前回取得時刻との差がこの閾値未満であれば(S590:NO)、直ちにS610に移行する。その後、S610〜S630の処理が実施され、A/D変換完了割り込み処理が終了する。
以上のように詳述した第2実施形態の車両制御システムによれば、例えば、図11に示すような作動を実施することができる。図11は、第2実施形態の車両制御システムにおける作動例を示す説明図である。なお、入力チャネルは16チャネル(AD0〜AD15)とする。
第2実施形態の車両制御システムにおいて、A/D変換器初期化処理が実施され、A/D変換器20によってA/D変換が開始されると、図11に示すように、全てのチャネル(AD0〜AD15)に対するワンショット変換が順に実施される。この結果、全てのチャネルにおけるA/D変換値が不定値になることを防止することができる。
そして、例えば、AD0〜AD5を指定チャネルとした連続変換を実施する旨の指令が入力されると、これらのチャネルに対するA/D変換が連続的に(繰り返し)実施されることになる。この連続変換の処理中において、AD6〜AD8を指定チャネルとしたワンショット変換を実施する旨が入力されると、連続変換の処理が中断され、ワンショット変換が開始される。
このワンショット変換処理が終了すると、再び連続変換の処理が予め設定された開始チャネル(ここではAD0)から開始されるのであるが、この連続変換の処理中に再度ワンショット変換を実施する旨が入力されると、再びワンショット変換が開始されることになる。このようにワンショット変換の処理が頻繁に実施されると、連続変換の処理が最後まで実施されないので、最後のチャネル(ここではAD5)に対するA/D変換が実施されにくくなり、このチャネルにおけるA/D変換値が古いデータになる虞がある。
そこで、本実施形態においては、連続変換が一定時間以上完結しない場合には、強制的に連続変換が完結するまで実施するようにしている。この結果、本実施形態によれば、あるチャネルにおけるA/D変換値が極端に古いデータになることを防止することができる。
このような車両制御システムにおいては、選択したチャネルに対応する検出信号をA/D変換器20に入力するセレクタ46と、A/D作動モードレジスタ50に格納された制御情報に応じてセレクタ46によって選択されるチャネルを設定するA/D制御回路41と、を備えている。そして、CPU11は、A/D変換器20の作動モードが予め設定された特定作動モード(連続変換モード)であるときに変更指令を受けたとしても、当該作動モードでのA/D変換器20による処理が終了するまで、ワンショット変換処理による作動モードの変更を禁止する。特に、このように作動モードの変更を禁止する処理は、車両制御システム1の起動時に作動する。
従って、このような車両制御システムによれば、特定作動モードによるA/D変換が中断されることを禁止することができるので、特定作動モードを完結させることができる。
また、車両制御システムの起動時以外のタイミングにおいては、作動モードを直ちに変更することができる。また、この車両制御システムによれば、起動時に特定作動モードを完結させておくことによって、特定作動モードが繰り返し中断されたときに特定作動モードでA/D変換されるデータが一度も演算されないことにより不定値になることを防止することができる。
さらに、上記の車両制御システムにおいては、特定作動モードでのA/D変換処理が実施されてからの経過時間を計時するタイマ15を備え、CPU11は、A/D変換完了割り込み処理にて、タイマ15による計時結果に基づいて予め設定された規定時間の間に特定作動モードでのA/D変換処理が最後まで実施されなかった場合に、ワンショット変換モードへの作動モードの変更を禁止するようにしている。
このような車両制御システム1によれば、定期的に特定作動モードを完結させることができるので、特定作動モードでA/D変換されるデータが更新されることなく著しく古いデータになることを防止することができる。
[第3実施形態]
次に、さらに別形態の車両制御システムについて説明する。第3実施形態の車両制御システムにおいては、連続変換モードの際に、変換中のチャネル番号(変換が中断されたチャネル番号)をRAM13に格納することができ、この変換中のチャネル番号をI/Oレジスタ48に復帰させることができるように構成されている。このため、連続変換の際にワンショット変換が実施されたことによって連続変換が中断されたとしても、連続変換に復帰する際に、中断されたチャネルから連続変換を再開することができる。
具体的には、第1実施形態の各処理(図5および図6参照)に対して、ワンショット変換処理、およびA/D変換完了割り込み処理を図12、図13に示すように変更すればよい。なお、図12は第3実施形態のワンショット変換処理を示すフローチャート、図13は第3実施形態のA/D変換完了割り込み処理を示すフローチャートである。
まず、A/D変換器初期化処理、連続変換処理においては、図5に示す処理と同様の処理を実施する。そして、ワンショット変換処理においては、図6(a)に示す処理とほぼ同様であるが、S350の処理のみが異なる。
即ち、図12に示すように、S350において、I/Oレジスタ48(A/D作動モードレジスタ50)に記憶された制御情報をRAM13(A/D作動モード退避用バッファ60)に退避させる際に、連続変換が中断されたときのチャネル番号の情報(中断チャネルの情報)も、RAM13に退避させる。
次に、A/D変換完了割り込み処理においては、図6(b)におけるS610〜S620の処理を、S710〜S770に置換した処理を実施する。即ち、図13に示すように、S710以下の処理では、退避した制御情報に加えて、中断チャネルの情報を取得し(S710)、中断チャネルの情報が無効な値であるか否かを判定する(S720)。
なお、この処理においては、連続変換を中断されたチャネルから再開する際には否定判定され、中断された連続変換が再開され、次に連続変換を初めから実施する際には肯定判定される。
中断チャネルの情報が有効な値でなければ(S720:YES)、後述するS760の処理に移行する。また、中断チャネルの情報が有効な値であれば(S720:NO)、中断チャネルの情報をNONE(つまり、中断チャネルの情報を無効な値)に設定し(S730)、この中断チャネルの情報を、I/Oレジスタ48(A/D作動モードレジスタ50)に記憶された制御情報とともにRAM13(A/D作動モード退避用バッファ60)に退避させる(S740)。
そして、S710の処理で取得した中断チャネルをA/D変換の開始チャネルに設定したワンショット変換モードを設定するためのデータを生成し(S750)、このデータを制御情報および中断チャネルの情報としてI/Oレジスタ48に設定する(S760)。なお、S720の処理からS760の処理に直接移行した場合には、S760の処理では、S710の処理で取得した制御情報(予め設定された開始チャネルの情報)がI/Oレジスタ48に設定される。
続いて、I/Oレジスタ48の設定に基づくA/D変換を開始し(S630)、A/D変換完了割り込み処理を終了する。
以上のように詳述した第3実施形態の車両制御システムによれば、例えば、図14に示すような作動を実施することができる。図14は、第3実施形態の車両制御システムにおける作動例を示す説明図である。
例えば、AD0〜AD5を指定チャネルとした連続変換モードを実施する旨の指令が入力されると、これらのチャネルに対するA/D変換が連続的に(繰り返し)実施されることになる。この連続変換モードによる処理中(図14の例ではAD4)において、AD6〜AD8を指定チャネルとしたワンショット変換モードを実施する旨が入力されると、連続変換モードが中断され、ワンショット変換モードが開始される。
このとき、本実施形態の車両制御システムにおいては、変換中のチャネル番号の情報を含む制御情報がRAM13に退避される。従って、このワンショット変換モードによるA/D変換器20における変換が終了すると、連続変換モードが中断したチャネル(ここではAD4)から開始される。
具体的には、A/D変換が中断したチャネル(ここではAD4)を開始チャネルとするワンショット変換モードによるA/D変換が1度だけ実施され、その後、作動モードによって予め設定された所定のチャネルを開始チャネル(ここではAD0)とする連続変換モードに移行する。よって、ワンショット変換モードでの処理が頻繁に実施されたとしても、連続変換モードで中断されたチャネル以降のチャネルにおけるA/D変換が実施しやすくすることができる。
上記に説明した第3実施形態の車両制御システムにおいて、CPU11は、ワンショット変換処理にて、作動モードの変更前にA/D変換器20により指定されていたチャネルを表すチャネル情報を制御情報に含めてA/D作動モード退避用バッファ60に格納する。そして、A/D変換器20は、A/D変換完了割り込み処理により変更前の作動モードに対応する制御情報がA/D作動モードレジスタ50に格納されると、この制御情報に含まれるチャネル情報を参照することにより、作動モードの変更前に指定していたチャネルからA/D変換を再開する。
従って、このような車両制御システム1によれば、作動モードが変更されたことにより中断されたチャネルからA/D変換を再開することができる。よって、常に最初のチャネル(処理開始時に初めにA/D変換するよう設定されたチャネル)からA/D変換を再開する場合と比較して、比較的古いデータが存在してしまうことを防止することができる。
車両制御システム1の概略構成を示すブロック図である。 A/D変換器20の内部構造を模式的に示すブロック図である。 RAM13の記憶領域、およびI/Oレジスタ48の内部構造を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態においてA/D変換の作動モードを切り替える際の処理を示すシーケンスチャートである。 第1実施形態におけるA/D変換器初期化処理を示すフローチャート(a)、および連続変換処理を示すフローチャート(b)である。 第1実施形態におけるワンショット変換処理を示すフローチャート(a)、およびA/D変換完了割り込み処理を示すフローチャート(b)である。 第2実施形態におけるA/D変換器初期化処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における連続変換処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるワンショット変換処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるA/D変換完了割り込み処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における車両制御システムにおける作動例を示す説明図である。 第3実施形態におけるワンショット変換処理を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるA/D変換完了割り込み処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の車両制御システムにおける作動例を示す説明図である。 背景技術におけるA/D変換の作動モードを切り替える際の処理を示すシーケンスチャートである。
符号の説明
1…車両制御システム、5…ECU、6…温度センサ、7…加速度センサ、8…クランク角センサ、10…マイコン、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…割り込みコントローラ、15…タイマ、16…内部データバス、20…A/D変換器、40…波形整形回路、41…A/D制御回路、42,43…A/Dデータレジスタ、44…A/D逐次近似レジスタ、45…A/Dコンバータ、46…セレクタ、47…比較器、48…I/Oレジスタ、50…A/D作動モードレジスタ、53…A/D割り込みマスクレジスタ、60…A/D作動モード退避用バッファ、61〜63…退避領域。

Claims (9)

  1. 予め設定記憶手段に格納された作動設定に応じた作動モードでA/D変換を実施するA/D変換手段を制御する変換制御装置であって、
    前記A/D変換手段の作動モードを他の作動モードに変更する変更指令を受けると、前記設定記憶手段に格納された変更前の作動モードに対応する作動設定を変更記憶手段に格納する格納手段と、
    前記変更指令に応じて変更後の作動モードに対応する作動設定を前記設定記憶手段に格納する作動モード変更手段と、
    前記変更後の作動モードでの前記A/D変換手段による処理が終了すると、前記変更記憶手段に格納された変更前の作動モードに対応する作動設定を前記設定記憶手段に格納する作動モード復帰手段と、
    を備えたことを特徴とする変換制御装置。
  2. 前記A/D変換手段の作動モードが予め設定された特定作動モードであるときに前記変更指令を受けたとしても、当該作動モードでの前記A/D変換手段による処理が終了するまで、前記作動モード変更手段による作動モードの変更を禁止するモード変更禁止手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の変換制御装置。
  3. 前記モード変更禁止手段は、当該変換制御装置の起動時に作動すること
    を特徴とする請求項2に記載の変換制御装置。
  4. 前記特定作動モードでのA/D変換処理が実施されてからの経過時間を計時する計時手段を備え、
    前記モード変更禁止手段は、前記計時手段による計時結果に基づいて予め設定された規定時間の間に前記特定作動モードでのA/D変換処理が最後まで実施されなかった場合に作動すること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の変換制御装置。
  5. 車両に関する物理量を検出する複数の検出装置による検出信号がそれぞれ入力され、該複数の検出信号の何れかを表すチャネルの何れかを選択することによって、該選択したチャネルに対応する検出信号を前記A/D変換手段に入力する選択手段と、
    前記設定記憶手段に格納された作動設定に応じて前記選択手段によって選択されるチャネルを設定する選択設定手段と、
    を備え、
    前記作動設定には、前記選択設定手段に全てまたは一部のチャネルを順に選択させ、前記A/D変換手段に繰り返しA/D変換させる連続変換モードと、前記選択設定手段に全てまたは一部のチャネルを順に選択させ、前記A/D変換手段に一回限りA/D変換させるワンショット変換モードと、を含み、
    前記モード変更禁止手段は、前記A/D変換手段の作動モードが前記連続変換モードのときに前記ワンショット変換モードへ作動モードが変更されることを禁止すること
    を特徴とする請求項2〜請求項4の何れかに記載の変換制御装置。
  6. 前記格納手段は、作動モードの変更前に前記A/D変換手段により指定されていたチャネルを表すチャネル情報を前記作動設定に含めて前記変更記憶手段に格納し、
    前記A/D変換手段は、前記作動モード復帰手段により前記変更前の作動モードに対応する作動設定が前記設定記憶手段に格納されると、該作動設定に含まれるチャネル情報を参照することにより、作動モードの変更前に指定していたチャネルからA/D変換を再開すること
    を特徴とする請求項5に記載の変換制御装置。
  7. 前記作動設定には、前記A/D変換手段がA/D変換を実施する際の変換速度の設定情報を含むこと
    を特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載変換制御装置。
  8. 前記変更記憶手段は、複数ユーザ分の作動設定を格納可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の変換制御装置。
  9. 前記格納手段は、前記変更記憶手段に対してLIFO方式で作動設定の格納を実施すること
    を特徴とする請求項8に記載の変換制御装置。
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