JP2008276029A - 貴重品包装体とその真贋判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の貴重品包装体1は、貴重品を収容する本体部21と当該本体部を覆う透明な上蓋部22とからなる貴重品包装体であって、上蓋部を本体部に嵌め込みし貴重品を収容部23に納めて密閉した際の、上蓋部内面にはレーザ再生型のホログラムラベル10が貼付されていて、透明な上蓋部基材を介してレーザー光を当該ホログラムラベルに照射することにより、レーザー光非照射時に視認できるホログラム像とは異なる隠しホロパターンの再生像を真贋判定装置のスクリーン上に再現することを特徴とする。
本真贋判定装置は、貴重品包装体を判定する装置であって、遮光性筐体内に半導体レーザー発光器と電源電池を有し、筐体面にスクリーンを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
そこで従来から外部から見える状態にするが手にとって汚したり傷を付けたり、なかみを交換されてしまうことを防止できる保管方法がされている。また、密封した包装体自体が模造品と交換されていないことを証明する手段を備えることも重要となる。
しかし、この提案の貴重品包装体は真偽の判定を目視に頼らざるを得ず、判定を確実に行えない問題があった。
そこで本願では、ホログラムラベルにレーザー再生型の隠しホログラムパターンを持たせ、専用の真贋判定装置により確実に判定することにより、貴重品包装体自体の真正性を保証しようとするものである。
(2)本発明の貴重品包装体は、本体部と密閉した上蓋部の内面に真贋判定用のホログラムラベルが貼り付けされていて、上蓋部の透明基材を介して真贋判定するので、ホログラムラベルが模造品と交換されることがなく、また、ホログラムラベルが外面に露出しないので耐久性を高めることができる。
(4)本発明の真贋判定装置は、半導体レーザー発光器と電源電池と結像用スクリーンが、小型の遮光性筐体に一体にまとめられているので、コンパクトな形態にされ、真贋判定に特別な作業場を必要とせず、装置も安価なものにすることができる。
(5)本発明の真贋判定装置は半導体レーザー発光器が遮光性筐体内にあり、しかも押圧時のみレーザー光照射するので人体に安全であり、電源電池も有効に利用できる。
図1は、貴重品包装体の外観斜視図と構成を示す図、図2は、貴重品包装体の断面図、図3は、ホログラムラベルとその層構成を示す図、図4は、ホログラムラベルの真贋判定方法を示す図、図5は、真贋判定装置の外観図、図6は、真贋判定装置の筐体内部構成を示す図、である。
本体部21に貴重品を納めて上蓋部22で覆う際は、通常、本体部21と上蓋部22間を接着剤で固定し、簡単には開封できないようにする。貴重品を取り出しできないようにするためである。
ホログラムラベル10はこのラベル用凹部22dに嵌め込むようにして貼り付けする。透明な上蓋部22の基材層を介してレーザー光ビーム5を照射することにより、隠しホロパターンがスクリーン上に再生される。レーザー光は径1mm程度のビームとなるので、当該ビーム位置に隠しホロパターン記録部が位置する必要がある。
ホログラムラベル10は、図3(B)断面図のように基材11にホログラム形成層12を設け、ホログラム形成層12の面に反射層13を形成し、さらに反射層13面に透明な粘着剤層14を塗工してあるものである。この透明な粘着剤層14によりホログラムラベル10を上蓋部22の透明基材に貼り付けする。
Sb2 O3 (n=2.0)、WO3 (n=2.0)、SiO(n=2.0)、Bi2 O3 (n=2.5)、In2 O3 (n=2.0)、PbO(n=2.6)、Ta2 O5 (n=2.4)、ZnO(n=2.1)、ZrO2 (n=2.0)、Cd2 O3 (n=1.8)、Al2 O3 (n=1.6)、CaO・SiO2 (n=1.8)などが挙げられる。
上記透明反射層となる薄膜の膜厚は1000nm以下の厚みであればよく、通常は20〜60nmが好ましい。前記薄膜の膜厚が1000nmを越えてしまうと薄膜内部での上記の如き多重反射が良好に生じなくなってしまう、また膜厚が10nm以下になると安定した製膜が困難になる。
(1)ホログラムラベル基材
基材11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の各種樹脂フィルムを使用することができる。厚みは、10μmから500μm程度である。
(2)粘着剤層 粘着剤層14には、徐々に粘度が顕著に上昇することなく、中間的なタック状態を永く保つものを好ましく使用できる。樹脂組成としては、天然ゴム系、合成ゴム系、ニトリルゴム系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニルエマルジョン系、ポリエステル系、アクリル系、アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニルアルコール系、フェノール樹脂系、等に粘着補助剤(ロジン、エステルゴム、石油樹脂等)、可塑剤(フタル酸エステル、不乾性油、低分子量ポリイソブチレン等)、充填剤を混ぜたものが用いられる。
なお、計算機ホログラムについては、特許文献4等に詳細に記載されている。
ホログラムラベル10は貴重品包装体2の上蓋部22の前記鍵状の罫書き線22k内の一定位置に貼られ、隠しホロパターンはホログラムラベル10の一定位置に記録され、貴重品包装体2は、真贋判定装置の一定位置で停止するようにされているので、該隠しホロパターン記録部はレーザー光ビーム照射位置に常に位置する。レーザー光ビーム5の照射角度αや回折光の角度等も予め計算して設計されるもである。
真贋判定装置30の内部には、半導体レーザー発光器(その回路基板を含む。)4と電源電池が納められている。半導体レーザー発光器4は、ホログラムラベル10の隠しホロパターンが記録されている部分を照射し、その回折光が所定の角度で屈折してスクリーン36面に隠しホロパターン像10kを結像するようにされている。
半導体レーザーの発光色は可視色であれば、赤色、青色、緑色等の何色でもよい。出力は0.2mW〜3mW程度の低出力のもので十分である。1mW未満であれば、0.25秒間未満の直視は問題ないとされている。
基材11として、厚さ:約50μmのポリエチレンテレフタレートを使用し、その一方の面上に、厚さ1〜3μmの紫外線硬化型の透明樹脂からなるホログラム形成層12用樹脂を塗工した後、「OK」の文字の隠しホロパターンを含むホログラムパターンの凹凸型を型押ししてホログラム形成層12を形成した。なお、隠しホロパターンは、CGH法により形成し、直径1mm程度の円内に記録されるようにした。
次いで、ホログラム形成層12の面に透明反射層(材質:酸化チタン)13tを真空蒸着法で、厚さ30〜50nmに製膜した。 透明反射層13t形成面に、透明な粘着剤層(材質:アクリル樹脂を主成分とする粘着剤)14を、グラビアリバース法により厚さ20〜30μmに塗布形成した。1枚のホログラムラベル10を15mm×15mmのサイズとして裁断し、その中心に隠しホロパターンが位置するようにした。
一方、図1のような貴重品包装体20を以下のようにして製造した。
本体部21を、厚み5mm、幅29mm、長さ79mmとし、貴重品を納める収容凹部23を有する形状とし、赤色に着色したポリスチレン樹脂により成型した。上蓋部22は、その内側に本体部21が隙間なく納まる形状の、厚み6mm、幅32mm、長さ82mmの外形とし、透明なポリスチレン樹脂により成型した。周縁部の厚みは、1.5mm、天板部の基材は1.0mmの厚みとなった。上蓋部22の一方端側近くのホログラムラベル10を貼り付けする位置部分に鍵状(「 」)の罫書き線22kを同時に成型した。
本体部21の凹部に貴重品を収容した後、ホログラムラベル10を貼り付けした上記上蓋部22に本体部21を嵌め込みし、上蓋部22と本体部21間を接着剤で固定した。
真贋判定装置30は、図5のような外形とし、厚み3mmの黒色に着色したアクリル板を切断して組み立てした。挿入口33は、厚み5.2mm、幅29.2mmとし、上面側に設けた。挿入口33の真下にリミットスイッチ32を設け、貴重品包装体1を挿入して軽く押圧した際に、半導体レーザー4のスイッチが「ON」されるようにした。
半導体レーザー4には、赤色発光(波長650nm)の出力0.6mWのものを使用した。電源電池には、アルカリ乾電池を使用した。隠しホロパターン記録部に対するレーザー光ビーム5の入射角度αが、約10度〜15度となるようにし、ほぼ同じ角度で回折光が生じるようにした。隠しホロパターン10kが結像する真贋判定装置30の前面に磨りガラス製のスクリーン36を貼り付けした。なお、半導体レーザー4とホログラムラベル10の隠しホロパターン記録部間の距離が50mm〜70mm程度となるようにした。
2 筐体
3 貴重品
4 レーザー発光器
5 レーザー光ビーム
10 ホログラムラベル
11 基材
12 ホログラム形成層
13 反射層
14 粘着剤層
30 真贋判定装置
31 遮光性筐体
32 リミットスイッチ
33 挿入口(検査穴)
36 スクリーン
38 電池電源
Claims (3)
- 貴重品を収容する本体部と当該本体部を覆う透明な上蓋部とからなる貴重品包装体であって、上蓋部を本体部に嵌め込みし貴重品を収容部に納めて密閉した際の、上蓋部内面にはレーザ再生型のホログラムラベルが貼付されていて、透明な上蓋部基材を介してレーザー光を当該ホログラムラベルに照射することにより、レーザー光非照射時に視認できるホログラム像とは異なる隠しホログラムパターンの再生像を真贋判定装置のスクリーン上に再現することを特徴とする貴重品包装体。
- ホログラムラベルが透明ホログラムラベルであることを特徴とする請求項1記載の貴重品包装体。
- 請求項1または請求項2記載の貴重品包装体のホログラムラベルにレーザー光を照射して真贋を判定する装置であって、半導体レーザー発光器と電源電池を納める遮光性筐体が、前記貴重品包装体を差し込みする挿入口を筐体の上面または側面に有し、再生像結像用スクリーンを筐体の前面または上面に有するものであって、前記貴重品包装体を前記挿入口から差し込みし、貴重品包装体の先端がリミットスイッチに達してから押圧した際に、ホログラムラベルの隠しホログラムパターン記録部がレーザー光の照射位置に位置し、レーザー光が照射されて、ホログラムラベルの隠しホログラムパターン再生像を前記スクリーン上に結像させることを特徴とする真贋判定装置。
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