JP2008275576A - 綿棒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなるからなる綿球部を有する綿棒の製品化が困難な点を解消することを目的とするものであり、繊維同士を絡まりやすくし、スライバー加工や綿棒軸部への捲着加工をしやすくすることにより製品化することが容易であると共に検体の吸着率及び吸水率を向上させうる綿棒を提供すること。
【解決手段】 軸部と、綿状繊維の綿状化後に捲縮が形成されると共に極細繊維により形成された綿球部とを備え、上記極細繊維は、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる細菌採取用綿棒であって、上記捲縮が形成された上記綿状繊維は、スライバー加工前に加熱処理されること。
【選択図】 図1
【解決手段】 軸部と、綿状繊維の綿状化後に捲縮が形成されると共に極細繊維により形成された綿球部とを備え、上記極細繊維は、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる細菌採取用綿棒であって、上記捲縮が形成された上記綿状繊維は、スライバー加工前に加熱処理されること。
【選択図】 図1
Description
本発明は綿棒に係り、特に、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる極細繊維を使用した細菌採取用綿棒に関する。
従来より、各種精密機器の検査作業や、菌の培養作業を行う場合には綿棒が広く使用されている。従来、このような綿棒は、コットン又はレーヨン製の脱脂綿により綿球部が形成されている。
しかしながら、従来のレーヨン等の繊維素材は、表面に皺があり、吸水率は高く検体を吸着しやすいが、一度、吸着した検体を落下させにくく、その結果細菌採取用綿棒として使用された場合、菌等の検体の回収率が低い、という問題点が存しており、細菌採取用綿棒にあっては、検体を吸着させやすく、かつ菌等の検体の回収率を向上させたいという要請がある。
この場合、ポリエステル繊維にあっては、表面に皺がなく吸水率は低いという問題点が存しているが、一方で検体の落下性は高いという利点がある。
この場合、ポリエステル繊維にあっては、表面に皺がなく吸水率は低いという問題点が存しているが、一方で検体の落下性は高いという利点がある。
そこで、本件特許出願人は、過去において綿状化後に油分を除去し繊維表面を露出させたポリエステル製繊維からなる綿球部を有する綿棒に関する特許出願を行い、菌の採取率の高い新規の細菌採取用綿棒を提案している(特許文献1)。
さらに、本件出願人は、綿状化後に油分除去処理を施した極細繊維により形成された綿球部を有する綿棒に関する特許出願を行い、ポリエステルの極細繊維を使用して毛細管現象により良好な吸水率を達成しうる綿棒を提案している(特願2006−208511号)。
しかしながら、このポリエステル繊維からなる綿球部を有する綿棒を製造する場合に、表面が平滑であることから繊維同士が絡まりにくく、スライバー(紐状)加工や綿棒軸部への捲着加工が良好に行うことが困難であり、ポリエステル繊維からなる綿球部を有する綿棒の製品化ができないのが現状である。
ここで具体的に、現状においてのポリエステル繊維からなる綿球部を有する綿棒を製造する工程を説明する。
ポリエステル繊維からなる原綿から綿棒用の綿にするためには、ポリエステル繊維相互を絡まりやすくする必要があり、捲縮が必要となる。捲縮とは、繊維の縮れをいう。
また、繊維が簡単に切れてしまわないように、基本的に所定の長さ寸法が必要となることから、綿棒用の綿を作製する場合には、以下の工程で行う。
ポリエステル繊維からなる原綿から綿棒用の綿にするためには、ポリエステル繊維相互を絡まりやすくする必要があり、捲縮が必要となる。捲縮とは、繊維の縮れをいう。
また、繊維が簡単に切れてしまわないように、基本的に所定の長さ寸法が必要となることから、綿棒用の綿を作製する場合には、以下の工程で行う。
まず、使用する繊維を多数本、狭空間に押し込めることにより繊維に座屈を起こさせ、その結果、繊維に捲縮が形成される。その後、捲縮が形成された長尺のポリエステル繊維の糸を所定の長さに切断する。
そして、梳綿機(カード)により平らなシート状に形成する。このシート状のポリエステル繊維を、スライバー加工により太さ1〜2cmの細い「スライバー」(紐状のもの)に形成して束ねる。
そして、梳綿機(カード)により平らなシート状に形成する。このシート状のポリエステル繊維を、スライバー加工により太さ1〜2cmの細い「スライバー」(紐状のもの)に形成して束ねる。
しかしながら、この状態では狭空間に押し込められて座屈により形成された繊維の捲縮は固定されないので、なお繊維同士が絡まりにくく、スライバー(紐状)加工や、その後の綿棒軸部への捲着加工がうまくできない。
このように、ポリエステル繊維からなる綿球部を有する綿棒は、繊維同士が絡まりにくいことから、製品化が困難な点が問題となっている。
そこで本発明の技術的課題は、上記ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる綿球部を有する綿棒の製品化が困難な点を解消することを目的とするものであり、繊維同士を絡まりやすくし、スライバー加工や綿棒軸部への捲着加工をしやすくすると共に、検体の吸着率をより向上させることが可能な綿棒を提供することにある。
本件出願人は、上記課題を解決するためにポリエステル繊維同士を絡みやすくする手段及びその適切な条件を探索していた。
そして、ポリエステル繊維からなる綿状繊維を加熱処理することで捲縮状態を固定させることが可能であるとの方向性を見い出した。
そして、ポリエステル繊維からなる綿状繊維を加熱処理することで捲縮状態を固定させることが可能であるとの方向性を見い出した。
そこで、請求項1〜4記載の発明にあっては、軸部と、綿状繊維の綿状化後に捲縮が形成されると共に極細繊維又は油分除去処理を施した極細繊維により形成された綿球部とを備え、上記極細繊維は、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる細菌採取用綿棒であって、上記捲縮が形成された上記綿状繊維は、スライバー加工前に加熱処理されることを特徴とする。
すなわち、綿状繊維のスライバー加工前に、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる綿状繊維が加熱処理されていることから、捲縮が固定され、その結果、繊維同士は絡まりやすい。
また、請求項1記載の発明にあっては、極細繊維は、油分除去処理が施されているか否かにかかわらず適用でき、請求項2記載の発明にあっては、油分除去処理が施されている極細繊維が使用される。
また、請求項1記載の発明にあっては、極細繊維は、油分除去処理が施されているか否かにかかわらず適用でき、請求項2記載の発明にあっては、油分除去処理が施されている極細繊維が使用される。
請求項5〜8記載の発明にあっては、綿状繊維の綿状化後に捲縮が形成されたポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる上記綿状繊維をスライバー加工前に加熱したのち、上記綿状繊維の綿状化後に極細繊維又は油分除去処理を施した極細繊維により綿球部を形成することを特徴とする細菌採取用綿棒の製造方法である。
すなわち、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる綿状繊維のスライバー加工前に綿状繊維が加熱処理されることにより、捲縮を固定させ繊維同士が絡まりやすい細菌採取用綿棒の製造方法をうることができる。
また、請求項5記載の発明にあっては、極細繊維は、油分除去処理が施されているか否かにかかわらず適用でき、請求項6記載の発明にあっては、油分除去処理が施されている極細繊維が使用される。
また、請求項5記載の発明にあっては、極細繊維は、油分除去処理が施されているか否かにかかわらず適用でき、請求項6記載の発明にあっては、油分除去処理が施されている極細繊維が使用される。
請求項9〜11記載の発明にあっては、多数の長尺のポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維を狭空間内において座屈させることにより捲縮を形成する捲縮形成工程と、上記長尺の繊維を所定の長さに切断する切断工程と、上記所定長さに切断された上記繊維の方向をそろえロープ状にするスライバー工程とを有し、上記スライバー工程前に上記捲縮を加熱する加熱工程を有することを特徴とする細菌採取用綿棒の製造方法である。
すなわち、スライバー工程前に捲縮を加熱する加熱工程を有することを特徴とする。
請求項1〜4記載の発明にあっては、捲縮が形成されたポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる綿状繊維が、スライバー加工前に加熱処理されるので、綿状繊維は加熱処理されることにより結晶化して捲縮が固定され、繊維同士が絡まりやすくなり、容易にスライバー加工や綿棒軸部への捲着加工ができるので、良好な検体採取率を確保することができると共に、良好な吸水率を確保することができる綿棒を容易に製品化できる。
請求項5〜8記載の発明にあっては、捲縮が形成されたポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる綿状繊維をスライバー加工前に加熱したのち、上記綿状繊維の綿状化後に極細繊維又は油分除去処理を施した極細繊維により綿球部を形成することを特徴とする細菌採取用綿棒の製造方法であるので、綿状化前に綿状繊維は加熱処理されることにより表面の滑りをなくして繊維同士が絡まりやすくなり、スライバー加工や綿棒軸部への捲着加工を容易にできるので、良好な検体採取率を確保することができると共に、良好な吸水率を確保することができる製品化が容易な綿棒の製造方法を提供することができる。
請求項9〜11記載の発明にあっては、多数のポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維を狭空間内において座屈させることにより捲縮を形成する捲縮形成工程と、上記長尺の繊維を所定の長さに切断する切断工程と、上記所定長さに切断された上記繊維の方向をそろえロープ状にするスライバー工程とを有し、上記スライバー工程前に上記捲縮を加熱する加熱工程を有することを特徴とする細菌採取用綿棒の製造方法であるので、スライバー工程前の加熱工程により、捲縮形成工程により形成された捲縮を固定し繊維同士を絡まりやすくし、製品化が容易な綿棒の製造方法を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る綿棒10は、軸部11とこの軸部11の先端部に設けられた綿球部12とからなる。
図1に示すように、本実施の形態に係る綿棒10は、軸部11とこの軸部11の先端部に設けられた綿球部12とからなる。
本実施の形態にあっては、綿球部12は極細繊維により形成される。極細繊維は、油分除去処理が施されている場合と油分除去処理が施されていない場合がある。
綿棒10の用途により、油分除去処理を施す必要がある場合には、極細繊維に油分除去処理を施すことがある。
また、綿棒10の用途により、特に、油分除去処理を施すことが不要である場合には、極細繊維に油分除去処理を施さないこともある。
綿棒10の用途により、油分除去処理を施す必要がある場合には、極細繊維に油分除去処理を施すことがある。
また、綿棒10の用途により、特に、油分除去処理を施すことが不要である場合には、極細繊維に油分除去処理を施さないこともある。
また、本実施の形態にあっては、綿球部12を構成する綿状繊維13はポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなり、綿状繊維13のスライバー(紐状)加工前に、綿状繊維13に加熱処理を施すことによって綿状繊維13の捲縮を固定する。
具体的には、ポリエステルを含む混紡繊維又はポリエステル繊維からなる原綿から綿棒用の綿を生成する工程において、繊維相互を絡まりやすくするため捲縮が必要となるので、長尺の繊維の糸を多数本、狭空間に押し込め、これにより繊維に座屈を起こさせ、捲縮を形成させる。その後、捲縮が形成された繊維を所定の長さ(51mm又は38mm)に切断する。
しかしながら、このままでは捲縮は固定されないので、これに加熱処理を施すことにより結晶化させて捲縮状態を固定する。
そして、梳綿機(カード)により平らなシート状に形成する。このシート状のポリエステル繊維を、太さ1〜2cmの細い「スライバー」(紐状のもの)に形成して束ねる。
そして、梳綿機(カード)により平らなシート状に形成する。このシート状のポリエステル繊維を、太さ1〜2cmの細い「スライバー」(紐状のもの)に形成して束ねる。
本実施の形態にあっては、上記工程の中で捲縮を固定するために熱風により加熱処理を施すものである。即ち、上記捲縮が形成された繊維を、例えば、180度の熱風により加熱することにより、綿状繊維13に捲縮が結晶化することにより固化して捲縮の形状が固定されることによって、綿状繊維13の繊維同士が絡まりやすくなり、スライバー(紐状)加工や軸部11への捲着加工がしやすくなった。
すなわち、ポリエステル繊維からなる綿球部12を有する綿棒を製造する場合に、表面が平滑であることから繊維同士が絡まりにくく、スライバー(紐状)加工や綿棒軸部11への捲着加工がうまくできないという課題を綿状繊維13のスライバー(紐状)加工前に、綿状繊維13に加熱処理を施すことによって、解決するに至ったものである。
そこで、本件出願人は、捲縮が形成されたポリエステル繊維の糸に加熱処理を施す実験を行ったので、一実験例として実験データをここに示す。
なお、加熱処理後のポリエステル繊維の捲縮の度合いに関しては、加熱処理後の捲縮率を測定することにより得ることができる。捲縮率は、基本的には値が大きい方が軸部11への綿状繊維13の捲着加工がし易いが、適切な値に関しては本件出願人は継続的な実験により得られる。
なお、加熱処理後のポリエステル繊維の捲縮の度合いに関しては、加熱処理後の捲縮率を測定することにより得ることができる。捲縮率は、基本的には値が大きい方が軸部11への綿状繊維13の捲着加工がし易いが、適切な値に関しては本件出願人は継続的な実験により得られる。
(実験データ)
本件出願人は良好な加熱処理条件を得るために以下の実験をおこなった。
ポリエステル繊維からなる糸をカットして(繊維長51mm又は38mm)、加熱処理方法は熱風とし、加熱処理時間は1時間とした。
加熱温度設定は、加熱なし,110℃,120℃,135℃の4ポイントとした。測定試料には、試料1(太さ:3.8T,繊維長:51mm)、試料2(太さ:0.8T,繊維長:38mm)を用いた。
加熱処理後に、ポリエステル繊維の、捲縮数、捲縮率、残留捲縮率、捲縮弾性率、捲縮堅牢度、摩擦係数の6項目についてのデータを測定し、これに基づき各測定値を図2及び図3にグラフ化した。
本件出願人は良好な加熱処理条件を得るために以下の実験をおこなった。
ポリエステル繊維からなる糸をカットして(繊維長51mm又は38mm)、加熱処理方法は熱風とし、加熱処理時間は1時間とした。
加熱温度設定は、加熱なし,110℃,120℃,135℃の4ポイントとした。測定試料には、試料1(太さ:3.8T,繊維長:51mm)、試料2(太さ:0.8T,繊維長:38mm)を用いた。
加熱処理後に、ポリエステル繊維の、捲縮数、捲縮率、残留捲縮率、捲縮弾性率、捲縮堅牢度、摩擦係数の6項目についてのデータを測定し、これに基づき各測定値を図2及び図3にグラフ化した。
得られた実験データは表1の通りである。
ここで、表1及び図2〜図3に示された各用語の定義及びその測定方法について説明する。
本実験例でいう捲縮とは、繊維の縮れをいう。
捲縮数とは、繊維の単位長さ当たりの捲縮の数をいう。
捲縮率とは、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、元の長さとの差の、伸ばしたときの長さに対する百分率をいう。
捲縮弾性率とは、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、これを緩めて所定時間放置した後の長さとの差の、伸ばしたときの長さと元の長さとの差に対する百分率をいう。
残留捲縮率とは、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、これを緩めて所定時間放置した後の長さとの差の、伸ばしたときの長さに対する百分率をいう。
以上の定義はJIS L0208による。
本実験例でいう捲縮とは、繊維の縮れをいう。
捲縮数とは、繊維の単位長さ当たりの捲縮の数をいう。
捲縮率とは、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、元の長さとの差の、伸ばしたときの長さに対する百分率をいう。
捲縮弾性率とは、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、これを緩めて所定時間放置した後の長さとの差の、伸ばしたときの長さと元の長さとの差に対する百分率をいう。
残留捲縮率とは、繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと、これを緩めて所定時間放置した後の長さとの差の、伸ばしたときの長さに対する百分率をいう。
以上の定義はJIS L0208による。
また、捲縮数、捲縮率、残留捲縮率、捲縮弾性率はJIS L1015に準じて次の測定法による。
捲縮数は、表面が滑らかで光沢のある紙片に空間距離25mmの区分線を作り、これに捲縮が損なわれていない数個の部分から採取した試料を1本ずつ、空間距離に対して25±5%の緩みをもたせて、両端を接着剤ではり付け固着させる。この試料を1本ずつ、捲縮試験機のつかみに取り付け、紙片を切断した後、試料に初荷重をかけたときの、つかみ間の空間距離(mm)を読み、そのときの捲縮数を数え、25mm間当たりの捲縮数を求める。
なお、捲縮数の読み方は、山と谷とを全部数え、2で割って求める。
なお、捲縮数の読み方は、山と谷とを全部数え、2で割って求める。
捲縮数は、捲縮試験機を用い上記初荷重(2mg/dr)をかけたときの捲縮数(N)と長さ(A)mmを読み、次式で求める。
(数1) 捲縮数(山/25mm)=(N/A)×25
(数1) 捲縮数(山/25mm)=(N/A)×25
捲縮率及び残留捲縮率は、試料に初荷重をかけた場合の長さと、これに荷重をかけたときの長さを測る。次に、荷重を除き、2分放置後初荷重をかけて長さを読み、次の式によって捲縮率(%)及び残留捲縮(%)を算出する。
捲縮率は、捲縮試験機を用い上記初荷重(2mg/dr)を垂下させたときの長さ(A)mm及び上記初荷重に荷重(50mg/dr)をかけたときの長さ(B)mmを読み、次式で求める。
(数2) 捲縮率(%)={(B−A)/B}×100
(数2) 捲縮率(%)={(B−A)/B}×100
残留捲縮率は、捲縮試験機を用い上記捲縮率測定後に、荷重(50mg/dr)を取り除いたときの長さ(C)mmを読み、かつ上記測定値(B)mmを用い、次式で求める。
(数3) 残留捲縮率(%)={(B−C)/B}×100
(数3) 残留捲縮率(%)={(B−C)/B}×100
捲縮弾性率は、上記捲縮率及び残留捲縮率の測定データから次式で求める。
(数4) 捲縮弾性率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
(数4) 捲縮弾性率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
捲縮堅牢度は、捲縮試験機を用い堅牢度初荷重(3.4mg/dr)を取り付け、さらに堅牢度荷重(650mg/dr)を垂下させ、垂下させ始めてから5分放置後、堅牢度荷重を取り除き、さらに15分放置後、堅牢度初荷重を取り除き、その後初荷重(2mg/dr)を垂下させたときの長さ(a)mm及び初荷重に荷重(50mg/dr)をかけたときの長さ(b)mmを読み、次式で求める。
(数5) 捲縮堅牢度(%)=[[{(b−a)/b}×100]/[{(B−A)/B}×100]]×100
(数5) 捲縮堅牢度(%)=[[{(b−a)/b}×100]/[{(B−A)/B}×100]]×100
摩擦係数は、JIS L1015に準じて次の測定法による。
摩擦係数を測定するには、試料をハンドカードでよく解繊して均等なスライバーとし、レーダー式摩擦係数試験機の外形8mmの円筒に、繊維が円筒の軸と平行になるように巻き付ける。次に、同一試料から任意に1本の繊維を採取し、その両端に初荷重を取り付けたものを円筒スライバーの中央にかけ、その一端をトーションバランスのフックに接続する。
静摩擦係数(μs)の測定には、円筒スライバーを停止させ、トーションバランスによって繊維の両端のバランスが失われるときの荷重を求める。
動摩擦係数(μd)の測定には、円筒スライバーを周速度90cm/minで回転させ、トーションバランスによって繊維の両端がバランスする荷重を求め、次の式によって摩擦係数を算出する。
(数6) 摩擦係数μs又はμd=0.733log{W/(W−m)}
W:繊維の両端にかけた荷重(N)
m:トーションバランスの読み(N)
なお、表及び図中の「F」は「fiber」の略記号であり、繊維同士の摩擦係数を意味する。また、「M」は「metal」の略記号であり、繊維と金属(例えばカード機)間の摩擦係数を意味する。
摩擦係数を測定するには、試料をハンドカードでよく解繊して均等なスライバーとし、レーダー式摩擦係数試験機の外形8mmの円筒に、繊維が円筒の軸と平行になるように巻き付ける。次に、同一試料から任意に1本の繊維を採取し、その両端に初荷重を取り付けたものを円筒スライバーの中央にかけ、その一端をトーションバランスのフックに接続する。
静摩擦係数(μs)の測定には、円筒スライバーを停止させ、トーションバランスによって繊維の両端のバランスが失われるときの荷重を求める。
動摩擦係数(μd)の測定には、円筒スライバーを周速度90cm/minで回転させ、トーションバランスによって繊維の両端がバランスする荷重を求め、次の式によって摩擦係数を算出する。
(数6) 摩擦係数μs又はμd=0.733log{W/(W−m)}
W:繊維の両端にかけた荷重(N)
m:トーションバランスの読み(N)
なお、表及び図中の「F」は「fiber」の略記号であり、繊維同士の摩擦係数を意味する。また、「M」は「metal」の略記号であり、繊維と金属(例えばカード機)間の摩擦係数を意味する。
本発明は、広く細菌採取用綿棒に適用することができる。
10 細菌採取用綿棒
11 軸部
12 綿球部
13 綿状繊維
11 軸部
12 綿球部
13 綿状繊維
Claims (11)
- 軸部と、綿状繊維の綿状化後に捲縮が形成されると共に極細繊維により形成された綿球部とを備え、
上記捲縮が形成された上記綿状繊維は、スライバー加工前に加熱処理されることを特徴とする細菌採取用綿棒。 - 上記極細繊維は、油分除去処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の細菌採取用綿棒。
- 上記極細繊維は、ポリエステルを含む混紡繊維からなる細菌採取用綿棒であることを特徴とする請求項1又は2記載の細菌採取用綿棒。
- 上記極細繊維は、ポリエステル繊維からなる細菌採取用綿棒であることを特徴とする請求項1又は2記載の細菌採取用綿棒。
- 綿状化後に捲縮が形成された綿状繊維をスライバー加工前に加熱したのち、上記綿状繊維の綿状化後に極細繊維により綿球部を形成することを特徴とする細菌採取用綿棒の製造方法。
- 上記極細繊維は、油分除去処理が施されていることを特徴とする請求項5記載の細菌採取用綿棒の製造方法。
- 上記極細繊維は、ポリエステルを含む混紡繊維からなる細菌採取用綿棒であることを特徴とする請求項5又は6記載の細菌採取用綿棒の製造方法。
- 上記極細繊維は、ポリエステル繊維からなる細菌採取用綿棒であることを特徴とする請求項5又は6記載の細菌採取用綿棒の製造方法。
- 多数の長尺の極細繊維の糸を狭空間内において座屈させることにより捲縮を形成する捲縮形成工程と、捲縮が形成された長尺の極細繊維の糸を所定の長さに切断する切断工程と、上記繊維の方向をそろえロープ状にするスライバー工程とを有し、
上記スライバー工程前に上記捲縮を加熱する加熱工程を有することを特徴とする請求項5又は6記載の細菌採取用綿棒の製造方法。 - 上記極細繊維は、ポリエステルを含む混紡繊維からなる細菌採取用綿棒であることを特徴とする請求項9記載の細菌採取用綿棒の製造方法。
- 上記極細繊維は、ポリエステル繊維からなる細菌採取用綿棒であることを特徴とする請求項9記載の細菌採取用綿棒の製造方法。
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