JP2008274042A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ジカルボン酸成分と炭素数が2〜10のグリコール成分からなり、ジカルボン酸成分の5〜100モル%が6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であるポリエステルと、耐熱性熱可塑性樹脂(主としてポリーテルイミド)からなる樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を有するポリエステルと耐熱性熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物に関する。本発明の目的は耐熱性に優れた樹脂組成物を提供することにある。
従来から種々の芳香族ジカルボン酸が知られており、ポリエステル、ポリアミドのなどの如き縮合重合体の原料として広く利用されている。例えばテレフタル酸はポリエチレンテレフタレート、ポリテトラエチレンテレフタレート、ポリパラフェニレンテレフタルアミド等の原料として工業的に使用されている。その他イソフタル酸もポリマー用原料として広く利用されている。またナフタレンジカルボン酸を原料としたポリエステルであるポリエチレンナフタレートはポリエチレンテレフタレートに比べ機械的特性、耐熱性等に更に高性能であることは知られている。さらに近年、技術の高度化により物理的、化学的に高性能を有する素材の要求が高まっている。例えばポリエチレンテレフタレートは樹脂、繊維、フィルムなどに幅広く使用されており、フィルムにおいては耐熱性、強度、ヤング率に優れており広く利用されている。しかし用途によっては未だ十分な特性を有しているとは言い難い。一方液晶ポリエステルは高ヤング率、高融点、高流動性を有しており、優れた素材であるが溶融成形すると一軸方向に配向しやすく、ポリエチレンテレフタレートのような二軸フィルムを得ることは困難であった。ポリエチレンナフタレートよりも更に高性能のポリエステルとして、特許文献1には6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステル化合物であるジエチル6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエートから該芳香族ポリエステル樹脂を製造する手法が記載されている。
特許文献2にはポリエーテルイミドとポリエチレンテレタレートおよびポリプチレンテレフタレート樹脂などのポリエステルの低溶融粘度を有することを特徴とする混合物が記載されている。実施例ではポリエーテルイミドにポリエチレンテレタレートおよびポリプチレンテレフタレートを1〜15重量%混合した例が示されているが、ポリエーテルイミドのガラス転移点が216℃であったのに対し混合物のガラス転移点は164℃〜208℃となっている。特許文献3にはエチレンテレフタレート単位とエチレンナフタレート単位とからなる共重合ポリエステルとポリエーテルイミドまたはその共重合体を含む組成物が記載されており、高弾性の成形体を得ることが可能であることが示されている。
特開昭60−135428号公報 米国特許第4141927号明細書
本発明の目的は優れた耐熱性を有する樹脂組成物を提供することである。
本発明では6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分を有するポリエステルと耐熱性熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物が高い熱的特性を有することを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、ジカルボン酸成分と炭素数が2〜10のグリコール成分からなり、ジカルボン酸成分の5〜100モル%が下記式(1)
Figure 2008274042
(Rは炭素数2から10のアルキレン基)
で表されることを特徴とするポリエステルと、耐熱性熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物である。
本発明により優れた耐熱性を有する樹脂組成物を提供することができる。本発明の樹脂組成物においては、ポリエステル樹脂と耐熱性熱可塑性樹脂との配合比を任意に選択できるので、所望の耐熱性を有する樹脂組成物を得ることができる。なかでも耐熱性熱可塑性樹脂がポリエーテルイミドの場合は、ポリエステル樹脂と相溶し耐熱性に優れた樹脂組成物が提供できる。
(ポリエステル樹脂)
本発明の樹脂組成物におけるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分と炭素数が2〜10のグリコール成分からなり、ジカルボン酸成分の5〜100モル%が下記式(1)
Figure 2008274042
(Rは炭素数2から10のアルキレン基)
で表されることを特徴とするポリエステルである。なかでもグリコール成分としてエチレングリコール成分を含むものが好ましい。
上記式(1)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分において、Rで表されるアルキレン基は直鎖の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、さらにはメチレン基の数は偶数であることが好ましい。より好ましくは、下記式(1)-1
Figure 2008274042
(nは1〜3)
で表される。さらに具体的には下記式(1)−2
Figure 2008274042
で表される6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分であることが好ましい。
特に6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分とエチレングリコール成分からなるポリエステルは、融点が約300℃、ガラス転移温度127℃と好適な熱的特性を有しており、好ましいポリエステルの例として挙げることができる。
既に既述したようにポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル樹脂と非晶性ポリ(エーテル)イミドであるULTEM(登録商標)とのブレンドは既に知られている。しかしこれらのPETやPBTにポリエーテルイミドを多量に添加しようとすると、樹脂の結晶性が低下し熱的物性が低下するなどの問題があった。またPBTとポリエーテルイミドとのブレンド物はPET,PENと比較すると結晶性は高まるものの、ガラス転移温度が100℃以下であり耐熱性樹脂としてはやや劣るという問題があった。本発明の樹脂組成物は報告されている樹脂組成物と比較してガラス転移温度を飛躍的に高めたばかりか、結晶性も高く、かつ高融点であるという特徴がある。
上記式(1)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分はジカルボン酸成分の5〜100モル%であるが、好ましくは30〜100モル%であり、さらに好ましくは50〜100モル%である。
本発明におけるポリエステルには上記式(1)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分に加え芳香族ジカルボン酸成分、脂環族カルボン酸成分、脂肪族カルボン酸成分を共重合成分として存在させること、あるいはそれらのジカルボン酸成分を含むポリエステルをブレンドすることにより存在させることことが可能である。
本発明の樹脂組成物におけるポリエステル樹脂には、エチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンテレフタレート、エチレンナフタレート単位を主成分とするポリエステル、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルをブレンドしてもよい。この場合、全ジカルボン酸成分に対する6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分の割合は5〜100モル%、好ましくは30〜100モル%であり、さらに好ましくは50〜100モル%である。
本発明におけるポリエステルを構成する6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分以外のジカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸成分として例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、3、3´−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を用いることができ、なかでも好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては、例えば、ヘキサヒドロテレフタル酸、1、3−アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、コハク酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を用いることができる。これらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
ポリエステルを構成する炭素数が2〜10のグリコール成分としては、例えば、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4、4´−ジヒドロキシビフェニル、4、4´−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4、4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4、4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、pーキシレングリコールなどの芳香族ジオール、エチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリアルキレングリコ−ル、2,2'−ビス(4'−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いることができ、なかでも好ましくは、エチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコ−ルを用いることができ、特に好ましくは、エチレングリコ−ル等を用いることができる。これらのジオ−ル成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、本発明のポリエステルにはトリメリット酸、ピロメリット酸、グリセロ−ル、ペンタエリスリト−ル、2,4−ジオキシ安息香酸、ラウリルアルコ−ル、イソシアン酸フェニル等の多単官能化合物等の他化合物を、ポリマ−が実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。グリコール成分以外に、pーヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、2、6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわない程度の少量であればさらに共重合せしめることができる。
本発明で用いられるポリエステルの固有粘度は、配合される耐熱性熱可塑性樹脂との溶融混練性、製膜性、溶融熱安定性の観点から、好ましくは0.55〜2.0dl/g、より好ましくは0.6〜1.4dl/g、最も好ましくは0.65〜1.0dl/gである。なお固有粘度はP−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比40/60)の混合溶媒を用いて35℃で測定したものである。
(製造方法)
つぎに、本発明の樹脂組成物におけるポリエステル樹脂の製造方法について、詳述する。本発明の樹脂組成物におけるポリエステルは、下記式(2)
Figure 2008274042
(Rは炭素数2から10のアルキレン基)
で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸またはそのエステルとエチレングリコール、および任意に共重合成分を反応させ重合させることにより製造することができる。
上記式(2)で表される6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸は好ましくは下記式(2)−1
Figure 2008274042
(nは1〜3)
であり、さらに好ましくは下記式(2)−2
Figure 2008274042
で表される。
ところで、特許文献1に示されるような6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸のエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させる方法ではジエチレングリコール成分が大量に副生物として発生しやすい。そのため、本発明の共重合ポリエチレン−2,6−ナフタレートにおいて、エチレングリコール量を上述のような範囲とするには、6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸とエチレングリコールとをエステル化反応させる方法を採用することが好ましい。なお、ジエチレングリコールの含有量は、核磁気共鳴装置によって測定することができる。6,6’−(アルキレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸を、そのエステル化合物を経由せずグリコールと直接反応させることにより、反応副生物であるジアルキレングリコールなどの副生物の含有量を低減することもできる。なお、必要に応じて、固相重合処理を行ってもよい。
また、前述のポリエステル前駆体を製造する工程でエチレングリコール成分は、全酸成分に対し1.1〜4モル倍用いることが、重合工程でのハンドリングの点から好ましい。より好ましくは1.1〜3モル倍、さらに好ましくは1.1〜2モル倍である。
また、ポリエステルの前駆体を製造する際の反応温度としてはエチレングリコールの沸点以上で行うことが好ましく、特に190℃〜250℃の範囲で行なうことが好ましい。190℃よりも低いと反応が十分に進行しにくく、250℃よりも高いと副反応物であるグリコールが生成しやすい。また、反応を常圧下で行うこともできるが、さらに生産性を高めるために加圧下で反応を行ってもよい。より詳しくは反応圧力は絶対圧力で10kPa以上200kPa以下、反応温度は通常150℃以上250℃以下、好ましくは180℃以上230℃以下で、反応時間10分以上10時間以下、好ましくは30分以上7時間以下行われるのが好ましい。このエステル化反応によってポリエステル前駆体としての反応物が得られる。
ポリエステルの前駆体を製造する反応工程では、公知のエステル化もしくはエステル交換反応触媒を用いてもよい。
つぎに、重縮合反応について説明する。まず、重縮合温度は得られるポリマーの融点以上から融点+50℃以下、より好ましくは融点プラス5℃以上から融点+30℃以下である。重縮合反応では通常6.7×10−4MPa以下の減圧下で行うのが好ましい。6.7×10−4MPaより高いと重縮合反応に要する時間が長くなり且つ重合度の高い共重合芳香族ポリエステル樹脂を得ることが困難になる。
重縮合触媒としては、少なくとも一種の金属元素を含む金属化合物が挙げられる。なお、重縮合触媒はエステル化反応においても使用することができる。金属元素としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、スズ、コバルト、ロジウム、イリジウム、ジルコニウム、ハフニウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。より好ましい金属としては、チタン、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズなどであり、中でも、チタン化合物はエステル化反応と重縮合反応との双方の反応で、高い活性を発揮するので特に好ましい。
これらの触媒は単独でも、あるいは併用してもよい。かかる触媒量は、共重合芳香族ポリエステルの繰り返し単位のモル数に対して、0.005〜0.5モル%、さらには0.01〜0.1モル%が好ましい。
(耐熱性熱可塑性樹脂について)
本発明の樹脂組成物を構成する耐熱性熱可塑性樹脂は、ポリイミド、ポリスルホン、およびポリエーテルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。ポリイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンは優れた耐熱性を有することが知られており、耐熱性熱可塑性樹脂として、該ポリエステル樹脂よりも、ガラス転移温度(Tg)の高い耐熱性樹脂を用いる場合、高い寸法安定性、耐熱性を有する樹脂組成物が得られ好ましい。これらは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、一種あるいは二種以上一緒にポリマー鎖中に存在してもよい。
本発明におけるポリイミドは環状イミド基を含有する溶融成形性のポリマーであり、下記式(3)
Figure 2008274042
(Rは少なくとも炭素数2個を有する4価の有機基であり、Rは炭素数4〜15の肪族炭化水素基、炭素数4〜15の脂環族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基を表す。)
で表されるものが好ましく挙げられる。Rとしては炭素数2〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数4〜30の脂環族炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基から選ばれた一種もしくは二種以上の基が好ましく挙げられる。
本発明におけるポリイミドは、本発明の目的に適合できるものであればよく、特に限定されないが、脂肪族、脂環族または芳香族系のエーテル単位と環状イミド基を繰り返し単位として含有するポリエーテルイミドが好ましい。
このようなポリエーテルイミドとしては、例えば、米国特許第4141927号明細書、日本特許第2622678号公報、同特許第2606912号公報、同特許第2606914号公報、同特許第2596565号公報、同特許第2596566号公報、同特許第2598478号公報などに記載のポリエーテルイミド、日本特許第2598536号公報、同特許第2599171号公報、同特開平9−48852号公報、同特許第2565556号公報、同特許第2564636号公報、同特許第2564637号公報、同特許第2563548号公報、同特許第2563547号公報、同特許第2558341号公報、同特許第2558339号公報および同特許第2834580号公報に記載のポリマー等が挙げられる。
また、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、ポリイミドの主鎖に環状イミドとエーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位およびオキシカルボニル単位等が含有されていてもよい。
また、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、ポリエーテルイミドの主鎖に環状イミドとエーテル単位以外の構造単位、例えば、芳香族、脂肪族、脂環族エステル単位およびオキシカルボニル単位等が含有されていてもよい。
本発明で好ましく使用できるポリエーテルイミドの具体例としては、下記式
Figure 2008274042
(ただし、上記式中R3 は、2価の6〜30個の炭素原子を有する芳香族残基または2〜20個の炭素原子を有する脂肪族残基;R4 は6〜30個の炭素原子を有する2価の芳香族残基、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基、2〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、及び2〜8個の炭素原子を有するアルキレン基で連鎖停止されたポリジオルガノシロキサン基からなる群より選択された2価の有機基である。)
で示されるポリマーを例示することができる。
上記R、Rとしては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。(式中のnは1〜5の整数)
Figure 2008274042
本発明では、ポリエステルとの親和性、コスト、溶融成形性等の観点から、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンまたはp−フェニレンジアミンとの縮合物である、下記式
Figure 2008274042
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
で示される繰り返し単位を有するポリマーが好ましく、ポリエステルとの相分離ドメインの形成し易さの観点から、p−フェニレンジアミンとの縮合物が特に好ましい。また、2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物とm−フェニレンジアミンとの縮合物とp−フェニレンジアミンとの縮合物を共に用いた場合、混合比によってポリエステル中における分散径を制御することができ好ましい。
ポリスルホンは、下記式
Figure 2008274042
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
の繰り返し単位を有するポリマーであるが、例えばアルキル基などの官能基を含んでいてもよく、また他の構造単位がある程度共重合されていてもよい。ここでnは20〜50であることがさらに好ましい。
ポリエーテルスルホンは特に構造を特定することは無いが、1つのスルホニル基と1つまたは2つのエーテル基とで芳香族環が結合された下記式
Figure 2008274042
(nは2以上の整数、好ましくは20〜50の整数)
の繰り返し単位を有するポリマーであるが、他の構造単位がある程度共重合されていてもよい。
(組成物)
本発明の樹脂組成物の場合、ポリエステル以外の耐熱性熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成中のポリマーアロイに対する量で5〜80重量%の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、5〜50重量%である。耐熱性熱可塑性樹脂は2種類以上含んでもよい。さらに本発明の樹脂組成物は本発明の目的を損なわない範囲でさらに耐熱性熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでもよい。このような熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリアリーレンスルフィド、オレフィン類等が挙げられる。熱可塑性樹脂を2種類以上含む場合、本発明の樹脂組成物中のポリエステル以外の熱可塑性樹脂の総含有量は、1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。ポリエステルを含む場合の配合比については上述のとおりである。
本発明の樹脂組成物の製造方法は従来公知の製造方法を用いることができ、特に限定されるものではない。具体的には、例えばポリエステルと耐熱熱可塑性樹脂とをエクストルーダーにて溶融ブレンドする方法やポリエステル重合時に耐熱熱可塑性樹脂を添加せしめて、樹脂組成物を製造する方法即ち、耐熱熱可塑性樹脂存在下でのポリエステル重合を挙げることができる。
またはポリエステル存在下での耐熱熱可塑性樹脂の重合を挙げることができる。さらに上記製造方法により得られた樹脂組成物をポリエステルまたは耐熱熱可塑性樹脂と更に混練し、所望の組成比の樹脂組成物を製造することもできる。特に超高分子量の樹脂は溶融粘度が高く、通常の溶融ブレンドでは充分な混練性を得られない場合がある為、耐熱熱可塑性脂存在下でのポリエステル重合を行った後にエクストルーダーでさらに混練チップ化することが好ましい。
また本発明における樹脂組成物に対してさらに必要に応じて各種の添加剤を配合することも可能である。こうした添加剤としては、ガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウィスカー、炭素繊維、アスベストのような繊維状強化剤、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、酸化チタン、酸化アルミニウム、ガラスフレーク、ミルドファイバー、金属フレーク、金属粉末のような各種充填剤、燐酸エステル、亜燐酸エステルに代表されるような熱安定剤あるいは酸化安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、難燃化剤、難燃助剤、可塑剤、結晶核剤などを挙げることができる。
このようにして製造された樹脂組成物は繊維、フィルムにも好適に使用できる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。得られたポリエステルの固有粘度はP−クロロフェノール/テトラクロロエタン(40/60重量比)の混合溶媒を用いてポリマーを溶解してポリマー濃度0.5g/dLの溶液を調製し35℃で測定して求め、ガラス転移点、融点はDSCにより昇温速度20℃/minで測定した。
[参考例1] ビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の製造
6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸100重量部、エチレングリコール62重量部、テトラ−n−ブチルチタネート0.085重量部を1Lの攪拌機、窒素ガス導入口を供えたオートクレーブに仕込み、窒素置換後、窒素圧0.2MPaを印加し温度230℃で6時間反応を行った。反応後析出した結晶をろ過し、メタノールにて洗浄を行った。洗浄後120℃で真空乾燥しビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸115重量部を得た。得られた化合物のエステル化度は96%であった。融点は240℃であった。
[参考例2]
参考例1で得られたビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸100重量部、テトラ−n−ブチルチタネート0.0347重量部を精留塔付き反応器に仕込み窒素下270℃にて融解させた。その後減圧を徐々に行い500mmHgにて約20分攪拌反応後重合温度320℃に上昇させた。次いで系内をさらに徐々に減圧にし0.2mmHg到達後約20分攪拌反応させた。得られたポリマーの固有粘度1.47、ガラス転移温度132℃、融点は300℃であった。
[実施例1]
攪拌装置及び真空留出系を備えた反応器に、参考例1で得られたビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸200重量部、ジーイープラスチックス社製のポリエーテルイミド”ウルテム”1010(表1中Ultem、ガラス転移点215℃)を58重量部及びテトラブチルチタネート0.028重量部を仕込み、この後常圧下で320℃に昇温するとともに、序々に系内の減圧度を上昇させ0.3mmHgになった所で約60分間重合反応を行った。得られたポリエステル70重量%とPEI30重量%とから成る樹脂組成物は透明であり、還元粘度1.03、Tm:301℃、Tg:163℃であって、両者は相溶性が良好であった。その結果を表1に示す。
[実施例2]
ビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸より得られるポリエステルの量を50重量%となるように添加した他は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。その結果を表1に示す。
[実施例3]
ビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸より得られるポリエステル25重量%、ビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレートからなるポリエチレンテレフタレート成分(表1中PET)が樹脂組成物中に対して25重量%となるように(全ジカルボン酸成分中6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸成分は50モル%となるように)調整した他は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。その結果を表1に示す。
[実施例4]
耐熱性熱可塑性樹脂としてポリスルホンであるSolvay advanced Polymer社のUDEL(P−1700)((表1中PSF、ガラス転移点185℃)を用いた他は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。その結果を表1に示す。
[実施例5]
耐熱性熱可塑性樹脂としてポリエーテルスルホンであるSolvay advanced Polymer社のRADEL(A−300A)(表1中PES、ガラス転移点220℃)を用いた他は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたビス(β−ヒドロキシエチル)6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸の代わりにビス−2−ジヒドロキシエチルテレフタレートを用い、樹脂組成物中のポリエチレンテレフタレート成分の重量分率が30重量%になるように調整した他は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。その結果を表1に示す。
得られる樹脂組成物は融点も低く結晶性が低かった。
Figure 2008274042

Claims (6)

  1. ジカルボン酸成分と炭素数が2〜10のグリコール成分からなり、ジカルボン酸成分の5〜100モル%が下記式(1)
    Figure 2008274042
    (Rは炭素数2から10のアルキレン基)
    で表されることを特徴とするポリエステルと、耐熱性熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物。
  2. 組成物における耐熱性熱可塑性樹脂の含有量が5〜80重量%であることを特徴とする請求項1の樹脂組成物。
  3. 前記耐熱性熱可塑性樹脂が、ポリイミド、ポリスルホン、およびポリエーテルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. ポリイミドがポリエーテルイミドであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 上記式(1)で示される酸成分が6,6’−(エチレンジオキシ)ジ−2−ナフトエ酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載される樹脂組成物。
  6. ガラス転移点が130℃以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
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