JP2008273847A - 複素環化合物 - Google Patents

複素環化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2008273847A
JP2008273847A JP2007116245A JP2007116245A JP2008273847A JP 2008273847 A JP2008273847 A JP 2008273847A JP 2007116245 A JP2007116245 A JP 2007116245A JP 2007116245 A JP2007116245 A JP 2007116245A JP 2008273847 A JP2008273847 A JP 2008273847A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
methyl
tert
butyl
fluorophenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007116245A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Kitamura
周治 北村
Hiroshi Hosono
博士 細野
Shotaro Miura
正太郎 三浦
Kazuko Aoki
和子 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2007116245A priority Critical patent/JP2008273847A/ja
Publication of JP2008273847A publication Critical patent/JP2008273847A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】優れたFXR阻害作用を有し、血中LDL−コレステロールや非HDL−コレステロールを強力に低下させるのみならず、トリグリセリド低下作用やHDL−コレステロール増加作用、糞中への胆汁酸排泄促進作用を示す新規ベンジルピペリジン誘導体の提供。
【解決手段】式(IA):
Figure 2008273847

(式中、各記号は特定の置換基、結合基を示す。)で示される化合物またはその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、ファルネソイド−X受容体(farnesoid−X receptor;以下、FXRと略す場合がある)阻害作用を有し、高脂血症(例えば、高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症等)、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症等)、黄色腫等の予防および/または治療剤として有用な新規な複素環化合物に関する。
血清脂質濃度の異常増加を高脂血症(hyperlipidemia、hyperlipemia)と呼ぶ。血清脂質には、コレステロール(コレステロールエステル、遊離コレステロール)、リン脂質(レシチン、スフィンゴミエリン等)、トリグリセリド(中性脂肪)、遊離脂肪酸、その他のステロール類等があるが、特に、臨床的に問題となるのは、コレステロール、トリグリセリドの増加である(COMMON DISEASE SERIES No.19 高脂血症 中村治雄編集 1991年10月10日発行 南江堂)。
高コレステロール血症が、高血圧、喫煙等とともに心筋梗塞、狭心症、脳梗塞等の動脈硬化性疾患の重要な危険因子であることは、数多くの疫学調査によって明らかにされている。特に、低密度リポタンパク(LDL)−コレステロールの高値がそれらに対する重大なリスク因子であることは一般的に知られており、薬剤介入による血中LDL−コレステロール値の低減が、動脈硬化巣体積の減少や虚血性心疾患の発症予防に有効であることが報告されている(Expert Opin Investig Drugs,2004,13(6),707−13)。近年報告された血中脂質管理に関する治療ガイドライン(米国NCEP−ATPIII、日本動脈硬化学会ガイドライン等)では、虚血性心疾患発症のリスクが高い患者のLDL−コレステロールの治療目標値は100mg/dL未満とされているが、最新の大規模アウトカム試験の結果等から、心疾患発症リスクが極めて高い患者層では治療目標値を70mg/dL未満とすることも提唱されている(Am.J.Cardiol,2005.96(4A).53E−59E)。血中トリグリセリドの高値は、動脈硬化惹起性の高いLDL粒子(small dense LDL等)の産生と後述する高密度リポタンパク(HDL)の異化を亢進させる可能性が示されていることから(J.Clin.Invest.2000,106,453−458)、LDL−コレステロールと同様な治療管理が重要である。一方、血中のHDL−コレステロール値は虚血性心疾患の発症頻度と逆相関することが疫学的に知られている。これはHDLの役割として、末梢組織で過剰となったコレステロールを引き抜き、コレステロール異化排泄能を担う臓器である肝臓に余剰コレステロールを逆転送する作用があることから(Circ.Res.2005,96(12),1221−32)、HDL−コレステロールの増加は虚血性心疾患の基礎病変であるアテローム性動脈硬化病変のコレステロールを減少させることにより、病変の進展抑制と退縮に重要であると考えられている。
黄色腫(Xanthomatosis)は、皮膚あるいは結合織に脂質が沈着した病態であり、部位は眼瞼や手掌、腱、関節伸側の皮膚等に認められる。黄色腫の形成機序として、機械的刺激や炎症等により血漿中のリポ蛋白が血管外に漏出し、これをマクロファージが取り込むことにより大量に脂質を蓄積した細胞(泡沫化細胞)が局所に集積する事が知られている。この過程を促進あるいは増悪化をもたらす要因の一つは高脂血症であり、形成される黄色腫の形態は高脂血症タイプに依存するとされている。即ち、高コレステロール血症(特に、家族性高コレステロール血症)では、結節性黄色腫、腱黄色腫、眼瞼黄色腫;高トリグリセリド血症では、発疹性黄色腫;レムナントリポ蛋白が増加するIII型高脂血症では、結節性発疹性黄色腫、手掌黄色腫、手掌線条黄色腫が、それぞれ特異的に観察される。一方、眼瞼黄色腫では、必ずしも高コレステロール血症を伴わない場合もあり、むしろHDL−コレステロールが相対的に低下している例が多いことも報告されている(J.Am.Acad.Dermatol,1994,30,236−242)。
血中LDL−コレステロール値を低下させる薬剤としては、コレスチラミンやコレスチポール等の胆汁酸を捕捉してその吸収を阻害するもの、エゼチマイブ等の小腸細胞内コレステロール輸送系を阻害してコレステロールの腸管吸収を抑制するもの、さらに3−hydroxy−3−methylglutaryl−coenzyme A(HMG−CoA)還元酵素を阻害するシンバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン等のコレステロール生合成阻害剤等が臨床的に用いられている。また、血中トリグリセリドの低下やHDL−コレステロール値の増加薬としては、ゲムフィブロジルやフェノフィブレート等の核内受容体PPARαの活性化薬やナイアシン等のニコチン酸製剤が使用されている。これらの中でHMG−CoA還元酵素阻害薬は最も強力なLDL−コレステロール低下作用を示す薬剤として知られているが、コレステロールの生合成以外にユビキノンやドリコール、ヘムAのような生体の機能維持に必要な成分の生合成も阻害するため、それに起因する副作用が懸念されている。また、最も強力なトリグリセリド低下作用とHDL−コレステロール上昇作用が期待できるニコチン酸製剤では、顔面紅潮や発疹、耐糖能異常等が高頻度で発現することから使用が制限される場合がある。さらにHMG−CoA還元酵素阻害薬と胆汁酸捕捉剤の同時服用は、胆汁酸捕捉剤によりHMG−CoA還元酵素阻害薬の吸収が抑制される場合があり、HMG−CoA還元酵素阻害薬とフィブレート系薬剤の併用は横紋筋融解症の発症リスクを高める等、既存薬の併用には幾つかの制限が報告されている。
以上のように、既存の薬剤は、副作用や効力の面で十分に満足できるものではなく、さらに有効でかつ上記薬剤との併用が可能な新規作用機序を有するLDL−コレステロールおよびトリグリセリドの低下剤、ならびにHDL−コレステロールの増加剤が望まれている。
FXRは、肝臓や小腸等に高発現し、ケノデオキシコール酸等の胆汁酸類をリガンドとする核内受容体ファミリーの一つである。FXRの活性化は、肝臓では胆汁酸合成系の律速酵素であるCYP7A1とHDL粒子の主要構成蛋白であるアポ蛋白A−Iの遺伝子発現を低下させ、小腸においては胆汁酸再吸収に関与するとされる回腸胆汁酸結合蛋白(I−BABP)の遺伝子発現亢進をもたらすことから(Rev.Endocr.Metab.Disord.2004,5(4),319−26)、FXRの阻害は胆汁酸の合成および排泄促進(即ちコレステロールの異化排泄促進)とアポ蛋白A−Iの産生亢進につながることが期待できる。胆汁酸の合成および排泄の促進が血中LDL−コレステロール低下をもたらすことはコレスチラミン等の胆汁酸捕捉剤で臨床的に証明されており、アポ蛋白A−Iの増加が血中HDL−コレステロールの増加と動脈硬化病変の進展抑制および退縮に有効であることも種々の動物実験ならびに臨床試験で証明されている(JAMA.2003;290(17):2322−4)。従って、FXR阻害剤は新規なLDL−コレステロール低下およびHDL−コレステロール増加薬として有用であるだけではなく、アテローム性動脈硬化病変に対する進展抑制剤や退縮促進剤、黄色種改善剤としても有用と考えられる。
胆汁酸は肝臓で生成され、グリシンまたはタウリンと結合して抱合型胆汁酸となり、胆道より腸内に分泌されたのち、界面活性剤として食餌性脂質の消化吸収に関与する。腸内の胆汁酸の殆どは回腸末端より再吸収された後、門脈を介して肝臓に回収されたのち再利用される。胆汁酸の生理作用としては、その物理化学的特性に起因する界面活性作用のほかに、上記FXR等の特異的受容体を介した薬理作用や機序不明の代謝調節作用が知られている。例えば、TGR5は、肺、脾臓、消化器系組織、単球・マクロファージ系細胞等に発現するG−蛋白結合性受容体の一つであり、タウロリトコール酸等の胆汁酸類をリガンドとしている。TGR5の活性化は、リポ多糖刺激による単球系細胞からの炎症性サイトカイン類の産生を抑制することから(J.Biol.Chem.2003,278(11),9435−40)、胆汁酸類は末梢組織において抗炎症作用を発揮しうる可能性がある。また、小腸細胞におけるTGR5の活性化はグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)産生を促進することが報告されている(Biochem.Biophys.Res.Commun.2005,329(1),386−90)。GLP−1は内因性のインスリン分泌促進/グルカゴン産生抑制ホルモンとして作用することが知られていることから、胆汁酸類による糖尿病改善作用が示唆される。FXR阻害剤は、TGR5拮抗作用を有さず、腸管および血漿中の胆汁酸濃度を高めることから、間接的に上記TGR5依存的な薬理作用を惹起することが可能である。以上のように、FXR阻害剤は、血中脂質改善作用に加え、抗炎症および抗糖尿病作用も期待できる新規薬剤として有用と考えられる。
FXR阻害剤として、特許文献1には以下の化合物が開示されている。
Figure 2008273847
(式中、Rは、それぞれ置換されていてもよいアルキル、フェニル、ヘテロアリール等であり;Rは、それぞれ置換されていてもよいフェニル、ヘテロアリール等であり;RおよびRは独立して、水素原子、アルキル置換フェニル、それぞれ置換されていてもよいビフェニル、ビフェニルエーテル等であるか、RとRとが一緒になって置換されていてもよい複素環を形成してもよく;Mは、O、NまたはSであり;XおよびYは独立して、水素またはメチルであるか、XとYとが一緒になってカルボニルを形成してもよい。)。
WO03/015771号パンフレット
上記の通り、高脂血症等の治療に使用されている既存の薬剤は、治療効果が不十分であったり、副作用が懸念される等の点で必ずしも満足できるものではなく、治療効果と安全性の面でより優れた新たな治療剤が望まれていた。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意研究を行った結果、下記の一般式(IA)および(IB)で示される化合物が、優れたFXR阻害作用(特に、FXR拮抗作用)を有し、血中LDL−コレステロールや非HDL−コレステロールを強力に低下させるのみならず、トリグリセリド低下作用やHDL−コレステロール増加作用、および糞中への胆汁酸排泄促進作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
[1] 式(IA):
Figure 2008273847
[式中、
環Aは、
Figure 2008273847
または
Figure 2008273847
を;
A1は、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
A2は、ハロゲン原子を;
A3は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
は、炭素原子または窒素原子を;
A4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基またはC1−6アルキル基を;
は、メチレンまたはエチレンを;
は、結合手またはメチレンを;
A5は、−W−C(=O)H、−W−COORA6または−W−O−RA6を示す(ここで、Wは、結合手、C1−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンを;RA6は、水素原子、または1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す)]
で示される化合物(但し、
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸エチル;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸エチル;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸メチル;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸メチル;
4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル;
4-(4-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸;
4-(4-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル;
4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸;
を除く)またはその塩(以下、化合物(IA)ともいう);
[2] 化合物(IA)のプロドラッグ;
[3] 化合物(IA)またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
[4] FXR阻害剤である、上記[3]記載の医薬;
[5] 高脂血症またはアテローム性動脈硬化症の予防および/または治療剤である、上記[3]記載の医薬;
[6] 式(IB):
Figure 2008273847
[式中、
環Aは、
Figure 2008273847
または
Figure 2008273847
を;
B1は、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
B2は、ハロゲン原子を;
B3は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
B4は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはアミノ基を;
は、結合手またはメチレンを;
B5は、−W−C(=O)H、−W−COORB6または−W−O−RB6を示す(ここで、Wは、結合手、C1−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンを;RB6は、水素原子、または1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す)]
で示される化合物またはその塩(以下、化合物(IB)ともいう);
[7] 化合物(IB)のプロドラッグ;
[8] 化合物(IB)またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
[9] FXR阻害剤である、上記[8]記載の医薬;
[10] 高脂血症またはアテローム性動脈硬化症の予防および/または治療剤である、上記[8]記載の医薬;
等に関する。
化合物(IA)および化合物(IB)は、FXR阻害作用を有し、高脂血症(例、高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症)またはアテローム性動脈硬化症の予防および/または治療剤として非常に有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中の「ハロゲン原子」は、特に断りのない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
本明細書中の「C1−6アルキル基」は、特に断りのない限り、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル等を意味する。なかでも好ましくは、C1−4アルキル基である。
本明細書中の「C1−6アルコキシ基」は、特に断りのない限り、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、1,1−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ等を意味する。なかでも好ましくは、C1−4アルコキシ基である。
本明細書中の「C3−6シクロアルキル基」は、特に断りのない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを意味する。
本明細書中の「C1−6アルキレン」は、特に断りのない限り、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)−、−CH(CH)CH−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CHCHCH(CH)−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CHCH−、−CHC(CH−、−C(CHCH−、−CH(CH)CH(CH)−、−CHCHCHCHCH−、−CHCHCHCHCHCH−等を意味する。なかでも好ましくは、C1−4アルキレン(例、−CH−、−CHCH−、−C(CH−、−CHC(CH−、−C(CHCH−)である。
本明細書中の「C3−6シクロアルキレン」は、特に断りのない限り、1,1−シクロプロピレン、1,2−シクロプロピレン、1,1−シクロブチレン、1,2−シクロブチレン、1,3−シクロブチレン、1,1−シクロペンチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,1−シクロヘキシレン、1,2‐シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレンを意味する。
以下、式(IA)で用いられる各記号の定義について詳述する。
環Aは、
Figure 2008273847
または
Figure 2008273847
を示す。
具体的には、式(I)において、
Figure 2008273847
で表される基は、
Figure 2008273847
で表される基、または
Figure 2008273847
で表される基である。
A1は、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を示す。
A1は、好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、イソプロピル、tert−ブチル))である。
A2は、ハロゲン原子を示す。
A2は、好ましくは、フッ素原子である。
A3は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を示す。
A3は、好ましくは、水素原子である。
は、炭素原子または窒素原子を示す。
式(IA)において、
Figure 2008273847
で表される部分(各記号は前記と同意義を示す)は、
Zが炭素原子の場合、
Figure 2008273847
であり、他方、Zが窒素原子である場合、
Figure 2008273847
である。
A4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基またはC1−6アルキル基を示す。
A4は、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))である。
は、メチレンまたはエチレンを示す。
は、好ましくは、メチレンである。
は、結合手またはメチレンを示す。
は、好ましくはメチレンである。
A5は、−W−C(=O)H、−W−COORA6または−W−O−RA6を示す。
ここで、Wは、結合手、C1−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンを示し、そしてRA6は、水素原子、または1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。
A6は、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である。
A5は、好ましくは、−W−C(=O)H、−W−COORA6または−W−O−RA6(Wは、結合手、C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)またはC3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)であり、RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)である。
A5は、より好ましくは、
(1) −C(=O)H、
(2) −COORA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(3) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−COORA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(4) −C3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)−COORA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、または
(5) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−O−RA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))である)
である。
化合物(IA)としては、例えば、以下の化合物等が好ましい。
[化合物(IA−1)]
環Aが、
Figure 2008273847

または
Figure 2008273847

であり;
A1が、C1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、イソプロピル、tert−ブチル))であり;
A2が、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)であり;
A3が、水素原子であり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
A4が、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))であり;
が、メチレンまたはエチレン(好ましくは、メチレン)であり;
が、結合手またはメチレン(好ましくは、メチレン)であり;かつ
A5が、−W−C(=O)H、−W−COORA6または−W−O−RA6(Wは、結合手、C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)またはC3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)であり、RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)である
化合物(IA)。
[化合物(IA−2)]
Figure 2008273847
で表される基が、
Figure 2008273847
で表される基、または
Figure 2008273847
で表される基であり;
A1が、C1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、イソプロピル、tert−ブチル))であり;
A2が、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)であり;
A3が、水素原子であり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
A4が、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))であり;
が、メチレンまたはエチレン(好ましくは、メチレン)であり;
が、結合手またはメチレン(好ましくは、メチレン)であり;かつ
A5が、
(1) −C(=O)H、
(2) −COORA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(3) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−COORA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(4) −C3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)−COORA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、または
(5) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−O−RA6(RA6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))である)
である
化合物(IA)。
以下、式(IB)で用いられる各記号の定義について詳述する。
環Aは、
Figure 2008273847
または
Figure 2008273847
を示す。
具体的には、式(IB)において、
Figure 2008273847
で表される基は、
Figure 2008273847
で表される基、または
Figure 2008273847
で表される基である。
B1は、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を示す。
B1は、好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、イソプロピル、tert−ブチル))である。
B2は、ハロゲン原子を示す。
B2は、好ましくは、フッ素原子である。
B3は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を示す。
B3は、好ましくは、水素原子である。
B4は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはアミノ基を示す。
B4は、好ましくは、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)である。
は、結合手またはメチレンを示す。
は、好ましくはメチレンである。
B5は、−W−C(=O)H、−W−COORB6または−W−O−RB6を示す(ここで、Wは、結合手、C1−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンを;RB6は、水素原子、または1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す)。
B6は、好ましくは、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である。
B5は、好ましくは、−W−C(=O)H、−W−COORB6または−W−O−RB6(Wは、結合手、C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)またはC3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)であり、RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)である。
B5は、より好ましくは、
(1) −C(=O)H、
(2) −COORB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(3) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−COORB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(4) −C3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)−COORB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、または
(5) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−O−RB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))である)
である。
化合物(IB)としては、例えば、以下の化合物等が好ましい。
[化合物(IB−1)]
環Aが、
Figure 2008273847
または
Figure 2008273847
であり;
B1が、C1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、イソプロピル、tert−ブチル))であり;
B2が、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)であり;
B3が、水素原子であり;
B4が、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)であり;
が、結合手またはメチレン(好ましくは、メチレン)であり;かつ
B5が、−W−C(=O)H、−W−COORB6または−W−O−RB6(Wは、結合手、C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)またはC3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)であり、RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)である
化合物(IB)。
[化合物(IB−2)]
Figure 2008273847
で表される基が、
Figure 2008273847
で表される基、または
Figure 2008273847
で表される基であり;
B1が、C1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、イソプロピル、tert−ブチル))であり;
B2が、ハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)であり;
B3が、水素原子であり;
B4が、ハロゲン原子(好ましくは、塩素原子)であり;
が、結合手またはメチレン(好ましくは、メチレン)であり;かつ
B5が、
(1) −C(=O)H、
(2) −COORB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(3) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−COORB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、
(4) −C3−6シクロアルキレン(好ましくは、シクロプロピレン)−COORB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル、エチル))である)、または
(5) −C1−6アルキレン(好ましくは、C1−4アルキレン)−O−RB6(RB6は、水素原子またはC1−6アルキル基(好ましくは、C1−4アルキル基(好ましくは、メチル))である)
である
化合物(IB)。
化合物(IA)および化合物(IB)(以下、これらをまとめて化合物(I)ともいう)は、塩、プロドラッグ等の形態で用いることもできる。
式(IA)および式(IB)で表される化合物の「塩」としては、医薬品として許容される塩ないし生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等)あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)等が挙げられる。さらに、化合物(I)がカルボン酸等の酸性基を有している場合、例えば、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属、またはアンモニア等)あるいは有機塩基(例えば、トリエチルアミン等のトリ−C1−3アルキルアミン等)と塩を形成していてもよい。
化合物(I)の「プロドラッグ」は、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物等をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化またはリン酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化またはtert−ブチル化された化合物)、化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化またはほう酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化またはジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物)、あるいは、化合物(I)のカルボキシル基がエステル化またはアミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化またはメチルアミド化された化合物)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。また、化合物(I)は水和物であってもよい。
また、化合物(I)は分子内に不斉炭素を有することもあり、R配置またはS配置の2種類の立体異性体が存在する場合、それら各々またはそれらの混合物のいずれも本発明に含まれる。化合物(I)が光学活性体である場合、例えば、光学活性な出発物質を使用して製造するか、あるいは化合物(I)のラセミ体を従来の方法により光学分割する等により得ることができる。
化合物(I)は毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等の点から医薬として、より優れている)、そのまま医薬として、または自体公知の薬学的に許容しうる担体等と混合された医薬組成物として、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対して安全に医薬として投与することができる。
化合物(I)は、優れたFXR阻害作用(特に、FXR拮抗作用)を有し、血中LDL−コレステロールや非HDL−コレステロールを強力に低下させるのみならず、トリグリセリド低下作用やHDL−コレステロール増加作用、および糞中への胆汁酸排泄促進作用を示す。
化合物(I)は、優れた血中脂質改善作用を有することから、食事療法や運動療法といった生活習慣の改善や従来の治療剤(薬物による摂食抑制療法を含む)が無効あるいは効果が不十分であった患者に対しても有効な、高脂血症(例えば、高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症等)、動脈硬化症(例えば、アテローム性動脈硬化症等)の予防・治療剤として有用である。例えば、LDL−コレステロールの増加を伴う高脂血症(例えば、IIaおよびIIb型高脂血症、複合型高脂血症等)、糖尿病に伴わないアテローム性動脈硬化症、高脂血症に伴わないアテローム性動脈硬化症等にも有効であると期待される。なお、本発明における「血中脂質改善作用」とは、血中のLDL−コレステロールを含む非HDL−コレステロールの低下作用、トリグリセリド低下作用、HDL−コレステロール増加作用、アポ蛋白B48およびB100低下作用、アポ蛋白A−I増加作用等をいう。
化合物(I)は、コレステロール異化排泄作用とHDL増加作用に基づく動脈硬化抑制剤および動脈硬化退縮剤としても有用であることから、既存薬にない顕著な虚血性疾患(例えば、虚血性心疾患、虚血性脳卒中等)の予防および治療効果が期待できる。
また、化合物(I)は、黄色腫の予防・治療にも有効であると考えられる。
さらに、化合物(I)は、毒性を伴わない血漿中胆汁酸の増加作用を有することが見出されており、末梢での胆汁酸作用による抗炎症作用が期待される。従って、炎症性疾患(アレルギー性疾患、リューマチ、敗血症等)の予防・治療にも有用であることが期待される。
本発明の医薬を投与するに際しては、活性成分である化合物(I)またはそのプロドラッグ(以下、本発明化合物ともいう)は、原末のままでもよいが、通常製剤用担体、例えば、賦形剤(例えば、炭酸カルシウム、カオリン、炭酸水素ナトリウム、乳糖、澱粉類、結晶セルロース、タルク、グラニュー糖、多孔性物質等)、結合剤(例えば、デキストリン、ゴム類、アルコール化澱粉、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルラン等)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化澱粉等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、澱粉、安息香酸ナトリウム等)、着色剤(例えば、タール色素、カラメル、三二酸化鉄、酸化チタン、リボフラビン類等)、矯味剤(例えば、甘味類、香料等)、安定剤(例えば、亜硫酸ナトリウム等)、保存剤(例えば、パラベン類、ソルビン酸等)等の中から適宜、適量用いて、常法に従って調製された医薬製剤の形で医薬として投与される。
本発明の医薬は、本発明化合物を疾病の治療及び予防に有効な量を適宜含有する。本発明化合物の医薬中の含有量は、通常製剤全体の0.1ないし100重量%である。また本発明の医薬は、活性成分として本発明化合物以外の他の医薬成分を含有していてもよく、これらの成分は本発明の目的が達成される限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能である。
剤形の具体例としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム)等の経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤、徐放性注射剤))、外用剤(例、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口剤等が挙げられる。これらの製剤は常法(例えば、日本薬局方記載の方法等)に従って調製される。
具体的には、錠剤の製造法は、本発明化合物をそのまま、賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和したものを、適当な方法で顆粒とした後、滑沢剤等を加え、圧縮成型して製造する;本発明化合物をそのまま、または賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤を加えて均等に混和したものを、直接圧縮成型して製造する;あるいは、予め製造した顆粒にそのまま、もしくは適当な添加剤を加えて均等に混和した後、圧縮成型して製造する。また、本剤は、必要に応じて着色剤、矯味剤等を加えることができる。さらに、本剤は、適当なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。
注射剤の製造法は、本発明化合物の一定量を、水性溶剤の場合は注射用水、生理食塩水、リンゲル液等に、非水性溶剤の場合は通常植物油等に溶解、懸濁もしくは乳化して一定量とするか、または本発明化合物の一定量をとり注射用の容器に密封して製造することができる。
経口用製剤担体としては、例えば、デンプン、マンニトール、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の製剤分野において常用されている物質が用いられる。注射用担体としては、例えば、蒸留水、生理食塩水、グルコース溶液、輸液剤等が用いられる。その他、製剤一般に用いられる添加剤を適宜添加することもできる。
また、本発明の医薬は、徐放性製剤として用いることもできる。該徐放性製剤は、例えば、水中乾燥法(o/w法、w/o/w法等)、相分離法、噴霧乾燥法あるいはこれらに準ずる方法によって製造されたマイクロカプセル(例えば、マイクロスフェア・マイクロカプセル、マイクロパーティクル等)をそのまま、あるいはこのマイクロカプセルまたは球状、針状、ペレット状、フィルム状、クリーム状の医薬組成物を原料物質として種々の剤型に製剤化し、投与することができる。該剤型としては、例えば、非経口剤(例えば、筋肉内、皮下、臓器等への注射または埋め込み剤;鼻腔、直腸、子宮等への経粘膜剤等)、経口剤(例えば、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
該徐放性製剤が注射剤である場合は、マイクロカプセルを分散剤(例えば、Tween80、HCO−60等の界面活性剤;カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム等の多糖類;硫酸プロタミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、局所麻酔剤(例えば、塩酸キシロカイン、クロロブタノール等)等とともに水性懸濁剤とするか、植物油(例えば、ゴマ油、コーン油等)あるいはこれにリン脂質(例えば、レシチン等)を混合したもの、または中鎖脂肪酸トリグリセリド(例えば、ミグリオール812等)とともに分散して油性懸濁剤として徐放性注射剤とする。
該徐放性製剤がマイクロカプセルである場合、その平均粒子径は、約0.1ないし約300μmであり、好ましくは、約1ないし約150μm、さらに好ましくは約2ないし約100μmである。
マイクロカプセルを無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明の医薬の投与量は、投与経路、症状、患者の年令あるいは体重等によっても異なるが、例えば、動脈硬化症の予防・治療剤として成人患者に経口的に投与する場合、本発明化合物として1日当たり0.1〜500mg/日、好ましくは1〜100mg/日を1〜数回に分けて投与するのが望ましい。投与経路は経口、非経口のいずれでもよい。
また、本発明の医薬の例としての徐放性製剤の投与量は、投与経路、症状、患者の年令あるいは体重等の他に、放出の持続時間等によっても種々異なるが、活性成分の有効濃度が体内で保持される量であれば特に制限されず、その投与回数は、1日ないし3日あるいは1週間ないし3ヶ月に1回等状況によって適宜選ぶことができる。
本発明の医薬は他の薬物治療やホルモン補充療法、外科的手法と併用することができる。従って、本発明はまた、他の薬物や各種治療方法とを組み合わせてなる併用剤も提供する。
本発明の併用剤において、本発明の医薬と併用し得る薬物(以下、併用薬物と略記する場合がある)としては、例えば、本発明の医薬以外の血中脂質改善作用を有する薬物、あるいは動脈硬化や虚血性心疾患を促進する各種疾患のいずれかに対して予防・治療効果を示す薬物等が挙げられる。
本発明の医薬以外の血中脂質改善作用を有する薬物としては、例えば、HMG−CoA還元酵素阻害薬、フィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT(Acyl−CoA:cholesterol acyltransferase)阻害剤、コレステロール吸収抑制薬エゼチマイブ等が挙げられる。
HMG−CoA還元酵素阻害薬としては、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩等)等が挙げられる。
フィブラート系化合物としては、例えば、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート、テオフィブラート等が挙げられる。
スクアレン合成酵素阻害剤としては、例えば、WO97/10224に記載の化合物、例えば、N−[[(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾオキサゼピン−3−イル]アセチル]ピペリジン−4−酢酸等が挙げられる。
ACAT阻害剤としては、例えば、アバシマイブ、エフルシマイブ、パクチマイブ等が挙げられる。
上記以外にも、血中脂質改善作用を有する薬物としては、例えば、陰イオン交換樹脂(例、コレスチラミン等)、プロブコール、ニコチン酸系薬剤(例、ニコモール、ニセリトロール等)、魚油製剤(例、イコサペント酸エチル、ドコサヘキサエン酸エチル、あるいはそれらの混合物)、植物ステロール(例、ソイステロール、ガンマオリザノール等)等が挙げられるが、それらに限定されない。
ホルモン補充療法としては甲状腺ホルモンやエストロゲン補充療法等が挙げられる。
外科的手法としては、LDLアフェレーシス、経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈血行再開術、ステント留置等のインターベンション処置等が挙げられるが、それらに限定されない。
一方、動脈硬化や虚血性心疾患を促進する各種疾患や病態、要因として高血圧や糖尿病、肥満、易血栓性、自己免疫性高脂血症、炎症性疾患、感染症等が知られているが、それらのいずれかに対して予防・治療効果を示す薬物としては、例えば、高血圧治療薬、糖尿病治療薬、抗肥満薬、抗血栓薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗アレルギー薬、抗血管障害薬等が挙げられるが、それらに限定されない。
糖尿病治療薬としては、例えば、PPARモジュレーター、インスリン分泌促進薬、ビグアナイド剤、インスリン製剤、α−グルコシダーゼ阻害薬、β3アゴニスト等が挙げられる。
ここでPPARモジュレーターとしては、グリタゾン系薬剤およびグリタザール系薬剤などのPPARγ作用薬のほか、PPARδ作用薬が挙げられる。例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、ムラグリタザール、GW501516等が挙げられる。
インスリン分泌促進薬としては、例えば、スルフォニル尿素剤が挙げられる。該スルフォニル尿素剤の具体例としては、例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミドおよびそのアンモニウム塩、グリベンクラミド、グリクラジド、1−ブチル−3−メタニリルウレア、カルブタミド、グリボルヌリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブチアゾール、グリブゾール、グリヘキサミド、グリミジン、グリピナミド、フェンブタミド、トルシクラミド、グリメピリド等が挙げられる。これら以外にも、インスリン分泌促進剤としては、例えば、N−〔〔4−(1−メチルエチル)シクロヘキシル〕カルボニル〕−D−フェニルアラニン[ナテグリニド]、(2S)−2−ベンジル−3−(シス−ヘキサヒドロ−2−イソインドリニルカルボニル)プロピオン酸カルシウム2水和物[ミチグリニド]、レパグリニド、GLP(Glucagon−like peptide)−1、GLP−1(7−36)−アミド、V8−GLP−1(LY−307161)、エクセンジン−4(AC−2993)、DPP−728−A、V−411、JT−608等が挙げられる。
ビグアナイド剤としては、例えば、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン等が挙げられる。
インスリン製剤としては、例えば、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン;ブタの膵臓から抽出されたインスリンから酵素的に合成された半合成ヒトインスリン;大腸菌、イーストを用い遺伝子工学的に合成したヒトインスリン等が挙げられる。インスリンとしては、0.45から0.9(w/w)%の亜鉛を含むインスリン亜鉛;塩化亜鉛、硫酸プロタミンおよびインスリンから製造されるプロタミンインスリン亜鉛等も用いられる。さらに、インスリンは、そのフラグメントあるいは誘導体(例、INS−1等)であってもよい。なお、インスリンには、超速効型、速効型、二相型、中間型、持続型等種々のものが含まれるが、これらは患者の病態により適宜選択できる。
α−グルコシダーゼ阻害薬としては、例えば、アカルボース、ボグリボース、ミグリトール、エミグリテート等が挙げられる。
β3アゴニスト(β3アドレナリン受容体作動薬)としては、例えば、SR−58611−A、SB−226552、AZ40140等が挙げられる。
上記以外にも、糖尿病治療薬としては、例えば、エルゴセット、プラムリンタイド、レプチン、BAY−27−9955、T−1095等が挙げられる。
抗肥満薬としては、例えば、リパーゼ阻害薬や、食欲抑制薬としてメラニン凝集ホルモン受容体拮抗薬やカンナビノイド受容体拮抗薬等が挙げられる。
リパーゼ阻害薬としては、例えば、オルリスタットやATL−962等が挙げられる。
食欲抑制薬としては、例えば、デクスフェンフラミン、フルオキセチン、シブトラミン、バイアミン、リモナバン等が挙げられる。
高血圧治療薬としては、例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、カルシウム拮抗薬、カリウムチャンネル開口薬、アンジオテンシンII拮抗薬、利尿剤等が挙げられる。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬としては、例えば、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、ラミプリル、リジノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、セロナプリル、シラザプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリル、マニジピン等が挙げられる。
カルシウム拮抗薬としては、例えば、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン等が挙げられる。
カリウムチャンネル開口薬としては、例えば、レブクロマカリム、L−27152、AL 0671、NIP−121等が挙げられる。
アンジオテンシンII拮抗薬としては、例えば、ロサルタン、カンデサルタンシレキシチル、バルサルタン、イルベサルタン、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル 4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−2−プロピル−1−[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イルメチル]イミダゾール−5−カルボキシレート(CS−866)、E4177等が挙げられる。
利尿剤としては、例えば、キサンチン誘導体製剤、チアジド系製剤、抗アルドステロン製剤、炭酸脱水酵素阻害剤、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤等が挙げられる。
キサンチン誘導体製剤としては、例えば、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等が挙げられる。
チアジド系製剤としては、例えば、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等が挙げられる。
抗アルドステロン製剤としては、例えば、スピロノラクトン、トリアムテレン等が挙げられる。
炭酸脱水酵素阻害剤としては、例えば、アセタゾラミド等が挙げられる。
クロルベンゼンスルホンアミド系製剤としては、例えば、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等が挙げられる。
上記以外にも、利尿剤としては、例えば、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
抗血栓薬としては、例えば、ヘパリン、ワルファリン、抗トロンビン薬、血栓溶解薬、血小板凝集抑制薬等が挙げられる。
ヘパリンとしては、例えば、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム等が挙げられる。
ワルファリンとしては、例えば、ワルファリンカリウム等が挙げられる。
抗トロンビン薬としては、例えば、アルガトロバン等が挙げられる。
血栓溶解薬としては、例えば、ウロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ、パミテプラーゼ等が挙げられる。
血小板凝集抑制薬としては、例えば、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム、塩酸サルポグレラート等が挙げられる。
抗炎症薬としては、例えば、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬である非ステロイド消炎鎮痛薬(例えば、各種アスピリン等のサリチル酸系薬剤、メフェナム酸、フルフェナム酸等のアントラニール系薬剤、インドメタシン、スリンダク、アセメタシン等のインドール酢酸系薬剤、ジクロフェナック、フェンブフェン等のフェニル酢酸系薬剤、イブプロフェン、ケイトプロフェン、ロキソプロフェン、ナプロキセン、チアプロフェン等のプロピオン系薬剤、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム等のオキシカム系薬剤、ケトフェニルブタゾン等のピラゾロン系薬剤等)、抗サイトカイン薬(例:抗TNF−α抗体、抗IL−6抗体等の抗サイトカイン抗体、サイトカイン遺伝子のアンチセンスオリゴヌクレオチド、サイトカイン結合蛋白質等)等が挙げられる。
抗リウマチ薬としては、例えば、金チオリンゴ酸ナトリウム、オーラノフィン等の金製剤、ブシラミン、ペニシラミン等のペニシラミン系薬剤、ロベンザリット二ナトリウム等のロベンザリット系薬剤、アクリタット、サラゾスルファピリジン、メトトレキサート、ミゾリピン、シクロスポリン、アザチオプリン、シクロフォスファミド、ファルネシル酸プレドニゾロン等が挙げられる。
抗菌薬としては、例えば、ペニシリン系抗生物質(例:サワシリン、パセトシン、ヤマシリン、バカシル、ビクシリン、ペントレックス等)、セフェム系抗生物質(例:ケフレックス、ケフラール、セフゾン、トミロン、セフスパン、パンスポリン等)、マクロライド系抗生物質(例:エリスロシン、クラリス、クラリシッド、ルリッド、ジョサマイシン等)、テトラサイクリン系抗生物質(例:ミノマイシン、ビブラマイシン、ヒドラマイシン、レダマイシン等)、ホスホマイシン系抗生物質(例:ホスミシン、ユーコシン等)、アミノグリコシド系抗生物質(例:カナマイシン等)、ニューキノロン系抗菌剤(例:クラビット、タリビッド、バクシダール、トスキサシン、オゼックス等)等が挙げられる。
抗真菌薬としては、例えば、ポリエン系抗真菌薬(例:トリコマイシン、アムホテリシンB、ナイスタチン等)、イミダゾール系抗真菌薬(例:エコナゾール、ミコナゾール、クロトリマゾール等)、トリアゾール系抗真菌薬(例:フルコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール等)、アリルアミン系抗真菌薬(例:ブテナフィン、塩酸テルビナフィン等)、フルシトシン(5−FC)系抗真菌薬(例:フルシトシン等)等が挙げられる。
抗ウイルス薬としては、例えば、核酸合成阻害型抗ウイルス薬(例:アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、ホスカルネット、ジドブジン、ラミブジン、ジダノシン等)、細胞内進入抑制型抗ウイルス薬(例:アマンタジン、ザナミビル、オセルタミビル等)、宿主感染防御能亢進型抗ウイルス薬(例:インターフェロン、イソプリノシン等)等が挙げられる。
抗アレルギー薬としては、例えば、抗ヒスタミン系抗アレルギー薬(例:ケトチフェン、アゼラスチン、オキサトミド、メキタジン、塩酸エピナスチン、テルフェナジン等)、非抗ヒスタミン系抗アレルギー薬(例:塩酸オザグレル、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、レピリナスト、アンレキサノクス等)等が挙げられる。
抗血管障害薬としては、例えば、シロスタゾール、アブシキシマブ等が挙げられる。
本発明の医薬と併用薬物の投与形態は特に限定されず、投与時に、本発明の医薬と併用薬物とが組み合わされていてもよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の医薬と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤(いわゆる合剤)の投与、(2)本発明の医薬と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の医薬と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の医薬と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の医薬と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の医薬→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
本発明で、例えば、「本発明の医薬と併用薬物との併用」という場合は、両薬物の上記の投与形態のいずれの態様における併用をも意味し、また、「本発明の医薬と併用薬物とを組み合わせてなる剤」という場合は、両薬物が上記の投与形態のいずれの態様において併用されるために調製された剤をも意味する。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明の医薬と併用薬物の配合比は、併用薬物の種類、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、ヒトに対して併用薬物としてHMG−CoA還元酵素阻害薬を投与する場合、HMG−CoA還元酵素阻害薬1重量部に対し、本発明の医薬を0.01ないし100重量部用いればよい。
前述のように本発明の医薬は強力な血中脂質改善作用を有することから、黄色腫(Xanthomatosis)に対する改善作用も期待できる。かかる化合物は組織の損傷、機能不全に対して予防・治療効果を示すことから、そのままで、あるいは適当な賦形剤等の添加物とともに、医薬以外の皮膚外用剤(医薬部外品、化粧料等;以下、単に「本発明の外用剤」と略記する場合がある)として、皮膚の損傷・変性防止のために用いることができる。
本発明の外用剤は、水溶液、油液、その他の溶液、乳液、クリーム、ゲル、懸濁液、マイクロカプセル、粉末、顆粒等の形態をとり得る。それ自体既知の方法でこれらの形態に調製した上で、ローション製剤、乳液剤、クリーム剤、軟膏剤、硬膏剤、ハップ剤、エアゾール剤等として、身体に塗布、貼付、噴霧することができる。
本発明の外用剤には、通常使用されている賦形剤、香料等をはじめ、油脂類、界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子、増粘剤、粉末成分、紫外線防御剤、保湿剤、他の薬効成分、酸化防止剤、pH調整剤、洗浄剤、乾燥剤、乳化剤等を適宜配合できる。
油脂類としては、例えば、液体油脂(例:アボガド油、ツバキ油等)、固体油脂(例:カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油等)、ロウ類(例:ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ等)、炭化水素油(例:流動パラフィン、パラフィン等)、高級脂肪酸(例:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)、高級アルコール(例:ラウリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の分岐鎖アルコール等)、合成エステル油(例:ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル等)、シリコーン類(例:ジメチルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム等)が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤(例:ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム、ロート油等)、カチオン界面活性剤(例:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等)、両性界面活性剤(例:2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のベタイン系界面活性剤等)、非イオン界面活性剤(例:ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等)が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム塩、EDTA等が挙げられる。
水溶性高分子としては、天然の高分子(例:アラビアガム、トラガカントガム、デンプン、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子等)、半合成の高分子(例:デキストリン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等)、合成の高分子(例:ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール2000、4000、6000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等)、無機の高分子(例:ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸等)が挙げられる。
粉末成分としては、タルク、カオリン、雲母、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、セルロース粉末等の有機粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム等の無機緑色系顔料、群青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、アルミニウムパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号、赤色3号、赤色104号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等、チタンイエロー、紅花赤等の色剤等が挙げられる。
紫外線防御剤としては、化学的に紫外線を吸収する紫外線吸収剤(例えば、4−メトキシ−4’−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン誘導体等の長波長紫外線(UVA)吸収剤;パラアミノ安息香酸(PABA)等の安息香酸系紫外線吸収剤、ジプロピレングリコールサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー等のカンファー誘導体等の中波長紫外線(UVB)吸収剤等)と、物理的作用によって紫外線を散乱および反射させる紫外線遮断剤(例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等)とが挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物等を挙げることができる。
他の薬効成分としては、例えば、アルブチン、ビタミンCおよびその誘導体、コウジ酸胎盤抽出物、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤;グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール等の消炎剤、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等の賦活剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステルカプサイシン、カフェイン、タンニン酸、ニコチン酸トコフェロール、アセチルコリン等の血行促進剤;硫黄、チアントール等の抗脂漏剤;多様な目的から、オクバク抽出成分、オウレン抽出成分、シコン抽出成分、シャクヤク抽出成分、センブリ抽出成分、セージ抽出成分、ビワ抽出成分、ニンジン抽出成分、アロエ抽出成分、ヘチマ抽出成分、ユリ抽出成分、サフラン抽出成分、オトギリソウ抽出成分、オノニス抽出成分、ローズマリー抽出成分、ニンニク抽出成分;ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンC類、パントテン酸類、ニコチン酸類、ビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類等を挙げることができる。
本発明の外用剤に含まれる本発明化合物の含有量は、組織損傷の予防・治療効果を発揮するに十分な量であって、かつ生体に悪影響を及ぼさない範囲であれば特に制限はないが、例えば、約0.01〜約20重量%の範囲で配合させることができる。
化合物(I)の製造方法を以下に説明する。
化合物(IA)の製造方法を以下に説明する。
なお、以下製造方法において、原料化合物として用いられる化合物は、それぞれ塩として用いてもよい。このような塩としては、式(IA)および式(IB)で表される化合物の塩として例示したものが挙げられる。
また、原料化合物は、特に述べない限り、市販されているものを容易に入手でき、また、自体公知の方法またはこれらに準じた方法に従って製造することもできる。
<化合物(IA)の製造>
化合物(IA)は、例えば、
1)化合物(II):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)と化合物(III):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を一般的に知られる脱水縮合剤で縮合させる方法;
2)化合物(II)のカルボキシル基を一般的に知られる活性化法で活性化させた後、化合物(III)を反応させる方法;
3)化合物(II)の誘導体と化合物(III)とを直接反応させる方法;
等により製造することができる。
1)の方法
化合物(IA)は、化合物(II)と化合物(III)とを一般的に知られる脱水縮合剤で縮合させることにより製造することができる。
この反応で使用される脱水縮合剤としては、例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)またはその塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)等が挙げられる。
この反応は、必要に応じて、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)や、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基下で行ってもよい。
この反応は、好ましくは、一般的に知られている溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等の溶媒中で行われる。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(II)と化合物(III)とをN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒に溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、脱水縮合剤として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)を加えることにより行われる。
この反応は、通常、0℃〜100℃、好ましくは、0℃〜40℃の反応温度で行われる。
2)の方法
化合物(IA)は、化合物(II)のカルボキシル基を一般的に知られる活性化法で活性化させた後、化合物(III)を反応させることにより製造することもできる。
化合物(II)のカルボキシル基の活性化法としては、一般的な方法が採用され、例えば、クロロギ酸エステル、ピバロイルクロライド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド等を用いて酸無水物にする方法;塩化チオニル、塩化オキザリル等を用いて酸ハライドにする方法;脱水縮合剤を用いて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ペンタフルオロフェノール等でエステルにする方法等が挙げられる。
代表的な例としては酸ハライドにする方法であり、酸ハライドとしては、化合物(IV):
Figure 2008273847
(式中、Xaはハロゲン原子を示し、その他の記号は前記と同義である)が挙げられ、例えば、化合物(II)を塩化チオニル、塩化オキザリル等のハロゲン化剤で処理することにより製造することができる。
この反応は、好ましくは、一般的に知られている溶媒、例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶媒中で行われる。
好適な具体例としては、この反応は、テトラヒドロフラン中、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下で化合物(II)に塩化オキザリルを加えることにより行われる。
この反応は、通常−78℃〜100℃、好ましくは−78℃〜30℃で行われる。
化合物(II)のカルボキシル基を活性化させた後、化合物(III)を反応させて化合物(IA)を得る。この反応は、好ましくは、一般的に知られている溶媒、例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶媒中で行われる。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(II)のカルボキシル基を活性化させて化合物(IV)を得た後、例えば、テトラヒドロフラン中、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で化合物(III)を加えることにより行われる。
この反応は、通常−78℃〜100℃、好ましくは−78℃〜30℃で行われる。
3)の方法
化合物(IA)は、化合物(II)の誘導体と化合物(III)とを直接反応させることにより製造することもできる。
化合物(II)の誘導体としては、置換基を有してもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル等)エステル、置換基を有してもよいフェニルエステル、置換基を有してもよいシリルエステル、置換基を有してもよいモノC1−6アルキルアミド、置換基を有してもよいジC1−6アルキルアミド等が挙げられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、C1−6アルコキシ基等が挙げられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
この反応は、例えば、化合物(II)の誘導体、好ましくは、化合物(II)の低級アルキルエステル(特にメチルエステルまたはエチルエステル)と化合物(III)を共存させ、加熱する(好ましくは40℃〜200℃に加熱する)方法等により行われる。
<化合物(II)の製造>
化合物(II)は、例えば、化合物(V):
Figure 2008273847
(式中、RA6はC1−6アルキル基を示し、その他の記号は前記と同義である)を加水分解する方法により製造することができる。
この反応は、一般にエステルを加水分解する方法が採用され、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで処理することにより行われる。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(V)を、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性の溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ水溶液で処理することにより行われる。
この反応は、通常0℃〜100℃で、好ましくは20℃〜100℃で行われる。
<化合物(V)の製造>
化合物(V)は、一般的に知られている5または6員芳香族複素環の環化反応により製造することができる。
[1]化合物(V)が化合物(Va):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)の場合、例えば、
i)化合物(Vaa):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(VI):
A1−B(OH) (VI)
(式中、RA1は前記と同義である)または化合物(VII):
A1−Xb (VII)
(式中、Xbはハロゲン原子を示し、RA1は前記と同義である)と反応させる方法;
ii)化合物(VIII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(IX):
Figure 2008273847
(式中、Ra1、Ra2、Ra3及びRa4は、それぞれ同一または異なって、C1−6アルキル基を示し、RA3は前記と同義である)と反応させた後、化合物(X):
A1−NH−NH (X)
(式中、RA1は前記と同義である)またはその塩を反応させる方法;
等により製造することができる。
i)の方法
化合物(Va)は、化合物(Vaa)を化合物(VI)または化合物(VII)と反応させることにより製造することができる。
化合物(Vaa)と化合物(VI)との反応は、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類中、ピリジン等の塩基およびモレキュラーシーブス等の脱水剤の存在下、酢酸第二銅を加え、0℃〜150℃で反応させることにより行われる。より好ましくは、化合物(Vaa)と化合物(VI)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液に、酢酸第二銅、ピリジン、モレキュラーシーブス4Aを加え、10℃〜40℃で反応させることにより行われる。
化合物(Vaa)と化合物(VII)との反応は、好ましくは、水素化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基の存在下、テトラヒドロフラン等のエーテル類;またはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類中、−78℃〜200℃で反応させることにより行われる。より好ましくは、化合物(Vaa)のテトラヒドロフラン溶液に、水素化ナトリウムの存在下、化合物(VII)を加え、−10℃〜30℃で反応させることにより行われる。
化合物(Vaa)は、例えば、化合物(VIII)を化合物(IX)と反応させた後、ヒドラジン水和物を反応させる方法等により製造することができる。
この反応は、好ましくは、化合物(VIII)と化合物(IXa):
Figure 2008273847
(式中、RA3は前記と同義である)を、トルエン等の芳香族炭化水素等の溶媒中、0℃〜200℃で反応させた後、溶媒を留去し、エタノール等のアルコール類中、ヒドラジン水和物を0℃〜200℃で反応させることにより行われる。
より好ましくは、化合物(VIII)と化合物(IXa)をトルエン中で加熱還流して反応させた後、トルエンを留去し、ヒドラジン水和物をエタノール中で加熱還流することにより行われる。
ii)の方法
化合物(Va)は、化合物(VIII)を化合物(IX)と反応させた後、化合物(X)またはその塩を反応させることにより製造することもできる。
この反応は、上記した、化合物(VIII)を化合物(IX)と反応させた後、ヒドラジン水和物を反応させて化合物(Vaa)を製造する場合と同様の方法により行うことができる。なお、化合物(X)の塩を反応させる場合は、塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下で行なうことが好ましい。
[2]化合物(V)が化合物(Vb):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)の場合、例えば、Tetrahedron Letters(1994)、35、pp1635−1637に記載の方法等により製造できる化合物(Vbb):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(XI):
A1−Xc (XI)
(式中、Xcは脱離基を示し、RA1は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
Xcで示される「脱離基」としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;p−トルエンスルホニルオキシ基等のC6−14アリールスルホニルオキシ基;メタンスルホニルオキシ基等のC1−6アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子である。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(Vbb)と化合物(XI)をN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類中で炭酸セシウムや炭酸カリウム等の塩基の存在下、0℃〜200℃で加熱することにより行われる。より好ましくは、化合物(Vbb)と化合物(XI)をN-メチルピロリドン中、炭酸セシウムの存在下で80℃に加熱することにより行われる。
[3]化合物(V)が化合物(Vc):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)の場合、例えば、J.Org.Chem.(1994)、59、pp7635−7642に記載の方法等により製造できる。
<化合物(III)の製造>
化合物(III)は、例えば、化合物(XII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を還元する方法により製造することができる。
この反応は、例えば、パラジウム等の触媒の存在下で水素添加する方法;例えば、鉄粉、塩化鉄、亜鉛、塩化亜鉛等の還元剤で還元する方法;等により行われる。好ましくは、化合物(XII)をメタノール、エタノール等のアルコール類;酢酸エチル等のエステル類等の溶媒に溶解し、パラジウム触媒の存在下、1〜5気圧(好ましくは1気圧)の水素雰囲気下で、0℃〜80℃(好ましくは1℃〜30℃)で還元する方法;化合物(XII)をメタノール、エタノール等のアルコール類(好ましくはエタノールと水の混合溶媒)に溶解し、鉄粉を用いて、好ましくは、塩化カルシウムの存在下、0℃〜100℃(好ましくは90℃)で還元する方法により行われる。
<化合物(XII)の製造>
化合物(XII)は、化合物(XIII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(XIV):
Figure 2008273847
(式中、Xdは脱離基を示し、RA5は前記と同義である)、または化合物(XV):
Figure 2008273847
(式中、RA5は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
Xdで示される「脱離基」としては、Xcで示される「脱離基」として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子である。
化合物(XIII)と化合物(XIV)との反応は、好ましくは、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基、酢酸パラジウム等のパラジウム触媒、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等の配位子の存在下、トルエン等の芳香族炭化水素類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;またはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類中、−78℃〜200℃で反応させることにより行われる。
化合物(XIII)と化合物(XV)との反応は、好ましくは、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の溶媒中、ピリジン等の塩基およびモレキュラーシーブス等の脱水剤の存在下、酢酸第二銅を加え、酸素雰囲気下、0℃〜60℃で反応させることにより行われる。より好ましくは、10℃〜40℃で反応させることにより行われる。
<化合物(IA)の製造>
化合物(IA)は、例えば、化合物(XVI):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(XIV):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)、または化合物(XV):
Figure 2008273847
(式中、RA5は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
化合物(XVI)と化合物(XIV)との反応は、上記した、化合物(XIII)と化合物(XIV)との反応と同様の方法により行うことができる。
化合物(XVI)と化合物(XV)との反応は、化合物(XIII)と化合物(XV)との反応と同様の方法により行うことができる。
<化合物(XVI)の製造>
化合物(XVI)は、例えば、化合物(XVIa):
Figure 2008273847
(式中のPはアミノ基の保護基を示し、その他の記号は前記と同義である)のアミノ基を脱保護する方法により合成することができる。
で示される「アミノ基の保護基」としては、例えば、ホルミル、それぞれ置換基を有していてもよい、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニル等)、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニル等)、トリチル、フタロイル、N,N−ジメチルアミノメチレン等が挙げられる。該「アミノ基の保護基」の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等)、ニトロ基等が挙げられる、置換基の数は1ないし3個程度である。
アミノ基の脱保護は、それ自体公知またはそれに準じた方法により行われ、例えば、酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム等で処理することにより行われる。
例えば、アミノ基の保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合、好適な具体例としては、この反応は、トルエン等の芳香族炭化水素類またはジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類中、0℃〜40℃でトリフルオロ酢酸で処理する;塩化水素−ジオキサン溶液や塩化水素−酢酸エチル溶液で処理する等により行われる。
<化合物(XVIa)の製造>
化合物(XVIa)は、例えば、
1)化合物(II):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)と化合物(XVII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を一般的に知られる脱水縮合剤で縮合させる方法;
2)化合物(II)のカルボキシル基を一般的に知られる活性化法で活性化させた後、化合物(XVII)を反応させる方法;
3)化合物(II)の誘導体と化合物(XVII)とを直接反応させる方法;
等により製造することができる。
これらの反応は、上記した、化合物(II)、そのカルボキシル基における活性化物(例えば化合物(IV))またはその誘導体と化合物(III)を反応させて化合物(IA)を製造する場合と同様の方法により行うことができる。
<化合物(XVII)の製造>
化合物(XVII)は、例えば、化合物(XVIII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を還元する方法により製造することができる。
これらの反応は、上記した、化合物(XII)を還元して化合物(III)を製造する場合と同様の方法により行うことができる。
<化合物(XVIII)の製造>
化合物(XVIII)は、例えば、化合物(XIX):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(XX):
Figure 2008273847
(式中、Xeは脱離基を示し、その他の記号は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
Xeで示される「脱離基」としては、Xcで示される「脱離基」として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子である。
化合物(XIX)と化合物(XX)との反応は、好ましくは、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基の存在下、トルエン等の芳香族炭化水素類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;またはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類中、−78℃〜200℃で反応させることにより行われる。より好ましくは、20℃〜100℃で反応させることにより行われる。
化合物(IB)の製造方法を以下に説明する。
<化合物(IB)の製造>
化合物(IB)は、例えば、
1)化合物(XXI):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)と化合物(XXII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を一般的に知られる脱水縮合剤で縮合させる方法;
2)化合物(XXI)のカルボキシル基を一般的に知られる活性化法で活性化させた後、化合物(XXII)を反応させる方法;
3)化合物(XXI)の誘導体と化合物(XXII)とを直接反応させる方法;
等により製造することができる。
1)の方法
化合物(IB)は、化合物(XXI)と化合物(XXII)を一般的に知られる脱水縮合剤で縮合させることにより製造することができる。
この反応で使用される脱水縮合剤としては、例えば、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)またはその塩酸塩、カルボニルジイミダゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)等が挙げられる。
この反応は、必要に応じて、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)や、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン等の塩基下で行ってもよい。
この反応は、好ましくは、一般的に知られている溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類等の溶媒中で行われる。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(XXI)と化合物(XXII)をN,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒に溶解し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミンの存在下、脱水縮合剤として1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSC)を加えることにより行われる。
この反応は、通常、0℃〜100℃、好ましくは、0℃〜40℃の反応温度で行われる。
2)の方法
化合物(IB)は、化合物(XXI)のカルボキシル基を一般的に知られる活性化法で活性化させた後、化合物(XXII)を反応させることにより製造することもできる。
化合物(XXI)のカルボキシル基の活性化法としては、一般的な方法が採用され、例えば、クロロギ酸エステル、ピバロイルクロライド、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド等を用いて酸無水物にする方法;塩化チオニル、塩化オキザリル等を用いて酸ハライドにする方法;脱水縮合剤を用いて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ペンタフルオロフェノール等でエステルにする方法等が挙げられる。
代表的な例としては酸ハライドにする方法であり、酸ハライドとしては、化合物(XXIII):
Figure 2008273847
(式中、Xfはハロゲン原子を示し、その他の記号は前記と同義である)が挙げられ、例えば、化合物(XXI)を塩化チオニル、塩化オキザリル等のハロゲン化剤で処理することにより製造することができる。
この反応は、好ましくは、一般的に知られている溶媒、例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶媒中で行われる。
好適な具体例としては、この反応は、テトラヒドロフラン中、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下で化合物(XXI)に塩化オキザリルを加えることにより行われる。
この反応は、通常−78℃〜100℃、好ましくは−78℃〜30℃で行われる。
化合物(XXI)のカルボキシル基を活性化させた後、化合物(XXII)を反応させて化合物(IB)を得る。この反応は、好ましくは、一般的に知られている溶媒、例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶媒中で行われる。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(XXI)のカルボキシル基を活性化させて化合物(XXIII)を得た後、例えば、テトラヒドロフラン中、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で化合物(XXII)を加えることにより行われる。
この反応は、通常−78℃〜100℃、好ましくは−78℃〜30℃で行われる。
3)の方法
化合物(IB)は、化合物(XXI)の誘導体と化合物(XXII)とを直接反応させることにより製造することもできる。
化合物(XXI)の誘導体としては、置換基を有してもよいC1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル等)エステル、置換基を有してもよいフェニルエステル、置換基を有してもよいシリルエステル、置換基を有してもよいモノC1−6アルキルアミド、置換基を有してもよいジC1−6アルキルアミド等が挙げられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、水酸基、C1−6アルコキシ基等が挙げられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
この反応は、例えば、化合物(XXI)の誘導体、好ましくは、化合物(XXI)の低級アルキルエステル(特にメチルエステルまたはエチルエステル)と化合物(XXII)を共存させ、加熱する(好ましくは40℃〜200℃に加熱する)方法等により行われる。
<化合物(XXI)の製造>
化合物(XXI)は、例えば、化合物(XXIIIa):
Figure 2008273847
(式中、RB6はC1−6アルキル基を示し、その他の記号は前記と同義である)を加水分解する方法により製造することができる。
この反応は、一般にエステルを加水分解する方法が採用され、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリで処理することにより行われる。
好適な具体例としては、この反応は、化合物(XXIIIa)を、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の水溶性の溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ水溶液で処理することにより行われる。
この反応は、通常0℃〜100℃で、好ましくは20℃〜100℃で行われる。
<化合物(XXIIIa)の製造>
化合物(XXIIIa)は、化合物(XXIV):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(XXV):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)、またはその塩と反応させることにより製造することができる。
この反応は、上記した、化合物(XXI)と化合物(XXII)から化合物(IB)を製造する方法と同様の方法により行うことができる。
好適な具体例としては、この反応は、テトラヒドロフラン中、N,N−ジメチルホルムアミドの存在下で化合物(XXIV)に塩化オキザリルを加えることにより化合物(XXVI):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を得、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、化合物(XXV)を加える反応により行われる。
<化合物(XXII)の製造>
化合物(XXII)は、例えば、化合物(XXIIa):
Figure 2008273847
(式中のPはアミノ基の保護基を示し、その他の記号は前記と同義である)のアミノ基を脱保護する方法により合成することができる。
で示される「アミノ基の保護基」としては、例えば、ホルミル、それぞれ置換基を有していてもよい、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、エチルカルボニル等)、フェニルカルボニル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、フェニルオキシカルボニル、C7−10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルカルボニル等)、トリチル、フタロイル、N,N−ジメチルアミノメチレン等が挙げられる。該「アミノ基の保護基」の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、C1−6アルキル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、ブチルカルボニル等)、ニトロ基等が挙げられる、置換基の数は1ないし3個程度である。
アミノ基の脱保護は、それ自体公知またはそれに準じた方法により行われ、例えば、酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム等で処理することにより行われる。
例えば、アミノ基の保護基がtert−ブトキシカルボニル基である場合、好適な具体例としては、この反応は、トルエン等の芳香族炭化水素類またはジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類中、0℃〜40℃でトリフルオロ酢酸で処理する;塩化水素−ジオキサン溶液や塩化水素−酢酸エチル溶液で処理する等により行われる。
<化合物(XXIIa)の製造>
化合物(XXIIa)は、例えば、化合物(XXVII):
Figure 2008273847
(式中の各記号は前記と同義である)を化合物(XXVIII):
Figure 2008273847
(式中、Xgは脱離基を示し、RB5は前記と同義である)、または化合物(XXIX):
Figure 2008273847
(式中、RB5は前記と同義である)と反応させることにより製造することができる。
Xgで示される「脱離基」としては、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;p−トルエンスルホニルオキシ基等のC6−14アリールスルホニルオキシ基;メタンスルホニルオキシ基等のC1−6アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子である。
化合物(XXVII)と化合物(XXVIII)との反応は、好ましくは、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等の塩基、酢酸パラジウム等のパラジウム触媒、及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル等の配位子の存在下、トルエン等の芳香族炭化水素類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;またはN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類中、−78℃〜200℃で反応させることにより行われる。
化合物(XXVII)と化合物(XXIX)との反応は、好ましくは、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の溶媒中、ピリジン等の塩基およびモレキュラーシーブス等の脱水剤の存在下、酢酸第二銅を加え、酸素雰囲気下、0℃〜60℃で反応させることにより行われる。より好ましくは、10℃〜40℃で反応させることにより行われる。
かくして得られた化合物(IA)及び(IB)において、分子内の官能基は、自体公知の化学反応を組み合わせることにより目的の官能基に変換することもできる。該化学反応の例としては、酸化反応、還元反応、アルキル化反応、加水分解反応、アミノ化反応、アミド化反応、エステル化反応、アリールカップリング反応、脱保護反応等が挙げられる。
前記の各反応において、原料化合物が置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、カルボニル基を有する場合、これらの基にペプチド化学等で一般的に用いられるような保護基が導入されていてもよく、反応後に必要に応じて、保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、前記P及びPとして例示したものが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、C7−11アラルキル基(例、ベンジル)、フェニル基、トリチル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子、C1−6アルコキシ基、ニトロ基等で置換されていてもよい。
ヒドロキシ基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。これらの基は、1ないし3個のハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ニトロ基等で置換されていてもよい。
カルボニル基の保護基としては、例えば、環状アセタール(例、1,3−ジオキサン)、非環状アセタール(例、ジ−C1−6アルキルアセタール)等が挙げられる。
上記した保護基の除去方法は、自体公知の方法、例えば、プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス (Protective Groups in Organic Synthesis)、 John Wiley and Sons 刊 (1980)に記載の方法等に準じて行うことができる。例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)等を使用する方法、還元法等が用いられる。
化合物(IA)及び(IB)は、公知の手段、例えば、溶媒抽出、液性変換、転溶、晶出、再結晶、クロマトグラフィー等によって単離精製することができる。また、化合物(IA)及び(IB)の原料化合物またはその塩は、前記と同様の公知の手段等によって単離精製することができるが、単離することなくそのまま反応混合物として次の工程の原料として供されてもよい。
以下に実施例、試験例および製剤例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
1H NMRスペクトルは、内部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンジェミニ200(200MHz)型、300(300MHz)型、ブルカー300(300MHz)スペクトルメーターで測定し、全δ値をppmで示した。マススペクトル(m/z)はウオーターズ社 ZQ2000を用いて、電子衝撃イオン化法(Electron Spray Ionization :ESI)により測定した。混合溶媒において示した数値は、特に断らない限り各溶媒の容量混合比である。%は、特に断らない限り重量%を意味する。またシリカゲルクロマトグラフィーにおける溶出溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。本明細書中における室温(常温)とは約20℃から約30℃の温度を表す。
なお、実施例中の各記号は次の意味を表す。
Ac:アセチル,Prn:n−プロピル,Me:メチル,Bun:n−ブチル,Et:エチル,Pri:イソプロピル,Pd:パラジウム, EtO:ジエチルエーテル, THF:テトラヒドロフラン, DMF:N,N−ジメチルホルムアミド, DMSO:ジメチルスルホキシド, CDCl:重クロロホルム, CDI:1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール, HOBt:1−ヒドロキシベンズトリアゾール, WSC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド, s:シングレット, d:ダブレット, t:トリプレット, q:クアルテット, dd:ダブルダブレット, dt:ダブルトリプレット, m:マルチプレット, br:幅広い, J:カップリング定数。
実施例 A1
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847

(a) 1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル
Figure 2008273847
(p-フルオロベンゾイル)酢酸エチル (30 g)とN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール (20.86 mL) のトルエン (300 mL) 溶液を窒素雰囲気下で14時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、残渣をエタノール (300 mL) に溶解し、トリエチルアミン (21.9 mL) およびtert-ブチルヒドラジン塩酸塩 (17.7 g) を加えた。80℃で3時間撹拌後、反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣を酢酸エチル-ヘキサンで洗浄することにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル (26.25 g) を白色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.09 (3 H, t, J=7.2 Hz), 1.45 (9 H, s), 4.06 (2 H, q, J=7.2 Hz), 7.10-7.20 (2 H, m), 7.24-7.35 (2 H, m), 7.94 (1 H, s).
(b) 1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸
Figure 2008273847
上記(a) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸エチル (30.6 g)、4N 水酸化ナトリウム水溶液 (30 mL) 及びエタノール (300 mL) の混合物を50℃ で23時間撹拌した。反応液に室温で1N 塩酸を加えて酸性とした後、1時間撹拌した。結晶をろ取し、水で洗浄することにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (23.3 g) を白色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.45 (9 H, s), 7.10-7.20 (2 H, m), 7.24-7.35 (2 H, m), 7.99 (1 H, s).
(1) 4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2008273847
6-ニトロインダゾール (1.08 g) および炭酸カリウム(1.42 g)をDMF (15 mL) に懸濁し、80℃で攪拌しながら4-(ヨードメチル)ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル(2.50 g)のDMF(3 mL)溶液を6回に分け、15分ごとに加えた。反応液を80℃でさらに12時間攪拌した。反応液を濃縮後、ヘキサン−酢酸エチル(1:3)で希釈し、2%炭酸ナトリウム水、10%塩化アンモニウム水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して褐色油状物を得た。これを塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (9:1-4:1)〕に付し、ヘキサン−酢酸エチル(9:1〜4:1)で溶出される画分を濃縮乾固して黄色油状物(2.92 g)を得た。得られた黄色油状物をメタノール (50 mL) に溶解し、10%パラジウム−炭素(50%加湿、0.46 g)を加え、水素雰囲気下に室温で6時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮して油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (3:1-2:3)〕に付し、ヘキサン−酢酸エチル(1:1〜2:3)で溶出される画分を濃縮乾固して4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(1.00 g)を黄色泡状粉末として得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 1.22 (2H, br dq, J= 3.9, 12.6 Hz), 1.42 (9H, s), 1.55 (2H, br d, J= 12.3 Hz), 2.13 (1H, m), 2.63 (2H, br t, J= 11.9 Hz), 4.09 (2H, br), 4.10 (2H, d, J= 7.2 Hz), 6.57 (1H, dd, J= 1.8, 1.2 Hz), 6.60 (1H, dd, J= 8.4, 1.8 Hz), 7.48 (1H, dd, J= 8.4, 0.6 Hz), 7.82 (1H, d, J= 0.9 Hz).
(2) 4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2008273847
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (790 mg) をTHF (16 mL) に溶解し、DMFを5滴加え、氷冷下で塩化オキザリル(0.326 mL)を徐々に滴下した。反応液を室温で1時間攪拌後、濃縮乾固し、残渣をTHF (8.0 mL) に溶解した。ついで、実施例A1-(1) で得られた4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル(1.00 g)のTHF (10 mL) 溶液およびトリエチルアミン(1.26 mL)を加え、室温で70時間攪拌した。反応液を酢酸エチル−ヘキサン(3:1、80 mL)で希釈後、2%炭酸ナトリウム水、10%塩化アンモニウム水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して得られた残留物にジエチルエーテルを加えた。析出物を集めてジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを白色粉末 (1.62 g) として得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 1.23 (2H, br q, J= 12.0 Hz), 1.44 (9H, s), 1.49 (9H, s), 1.51 (2H, m), 2.14 (1H, m), 2.61 (2H, br t, J= 12.3 Hz), 4.06 (2H, br d, J= 12.0 Hz), 4.19(2H, d, J= 6.9 Hz), 5.95 (1H, dd, J= 8.4, 1.8 Hz), 6.81 (1H, br s), 7.36 (2H, t, J= 8.4 Hz), 7.46 (1H, dd, J= 8.4, 0.6 Hz), 7.54 (2H, dd, J= 8.4, 5.1 Hz), 7.86 (1H, s), 8.12 (2H, s).
(3) 1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A1-(2) で得られた4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (1.47 g)のトリフルオロ酢酸 (10 mL)溶液を室温で12時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1/1)と10%炭酸ナトリウム水溶液で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:酢酸エチル−メタノール(17:3)〕で精製し、アセトニトリル−ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (651 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.11-1.27 (2H, m), 1.49 (9H, s), 1.49-1.54 (2H, m), 2.05-2.15 (1H, m), 2.48-2.57 (2H, m), 3.01-3.05 (2H, m), 4.16 (2H, d, J=6.9Hz), 5.96 (1H, d, J=8.4Hz), 6.80 (1H, br s), 7.32-7.37 (2H, m), 7.45 (1H, d, J=8.4Hz), 7.51-7.55 (2H, m), 7.84 (1H, s), 8.11 (1H, s), 8.12 (1H, s).
(4) 4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル
Figure 2008273847
4-(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸 (48.2 g)、酢酸銅(II)水和物 (2.70 g) およびモレキュラーシーブス4A (115 g) をアセトニトリル (500 mL) 中に懸濁し、室温で10分間攪拌した。この懸濁液に、実施例A1-(3)で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (63.4 g) のアセトニトリル (500 mL) 溶液を加え、酸素雰囲気下、40℃で14時間攪拌した。反応混合物にトリエチルアミン (93.0 mL) およびピリジン (54.0 mL) を加え、さらに5時間、酸素雰囲気下40℃で攪拌した。反応液をセライトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。酢酸エチルで希釈し、10%アンモニア水,次いで飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(2:1-1:1)〕で精製して、4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル (30.7 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.36-1.49 (2H, m), 1.49 (9H, s), 1.63-1.67 (2H, m), 2.12-2.30 (1H, m), 2.73-2.81 (2H, m), 3.81-3.85 (2H, m), 3.85 (3H, s), 4.22 (2H, d, J=6.9Hz), 5.95 (1H, dd, J=8.7, 1.2Hz), 6.81 (2H, d, J=8.7Hz), 6.81 (1H, br s), 7.31-7.37 (2H, m), 7.46 (1H, d, J=8.7Hz), 7.50-7.55 (2H, m), 7.86 (1H, s), 7.87 (2H, d, J=8.7Hz), 8.11 (1H, s), 8.15 (1H, s).
(5) 1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A1-(4) で得られた4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル (304 mg) のテトラヒドロフラン (5 mL) 溶液に、1.0Mメチルマグネシウムブロミド−THF溶液 (5 mL) を滴下し、室温で15時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル (1:1→1:3)〕で精製し、n-ヘキサン−酢酸エチルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (245 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.42-1.50 (2H, m), 1.49 (9H, s), 1.55 (6H, s), 1.62-1.65 (2H, m), 1.66 (1H, s), 2.04-2.10 (1H, m), 2.58-2.67 (2H, m), 3.63 (2H, br d, J=12.0Hz), 4.23 (2H, d, J=7.2Hz), 5.97 (1H, d, J=8.7Hz), 6.81 (1H, br s), 6.86 (2H, d, J=9.0Hz), 7.31-7.37 (2H, m), 7.34 (2H, d, J=9.0Hz), 7.46 (1H, d, J=8.7Hz), 7.50-7.55 (2H, m), 7.86 (1H, s), 8.12 (1H, s), 8.13 (1H, s).
実施例A2-1
[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル
Figure 2008273847
実施例A1-(3) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (2.50 g)、 (4-ブロモフェニル)酢酸エチル (1.90 g)、酢酸パラジウム (60.0 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル (250 mg)および炭酸セシウム (3.50 g) のジオキサン溶液 (30.0 mL) を窒素雰囲気下で15時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルで希釈し、水および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル‐メタノール (17:3:0‐0:10:1)] で精製して、[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (442 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.23 (3 H, t, J=7.2 Hz), 1.20 - 1.59 (3 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.59 - 1.70 (2 H, m), 2.05 - 2.24 (1 H, m), 2.56 - 2.66 (2 H, m), 3.55 - 3.69 (3 H, m), 4.12 (2 H, q, J=7.2 Hz), 4.23 (2 H, d, J=7.0 Hz), 5.98 (1 H, d, J=6.8 Hz), 6.78 - 6.87 (3 H, m), 7.13 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.35 (2 H, t, J=7.8 Hz), 7.43 - 7.58 (3 H, m), 7.87 (1 H, d, J=0.9 Hz), 8.13 (2 H, s).
実施例A2-2
[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸
Figure 2008273847
実施例A2-1 で得られた[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (440 mg) のテトラヒドロフラン (5.0 mL) およびメタノール (5.0 mL) 溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液 (3.0 mL) を加え、室温で14時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、1N塩酸で酸性とした。酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後溶媒を減圧留去し、酢酸エチルから再結晶することにより、[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸 (340 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.22 - 1.30 (1 H, m), 1.39 (9 H, s), 1.59 - 1.75 (4 H, m), 2.09 - 2.39 (1 H, m), 3.03 - 3.69 (6 H, m), 4.27 (2 H, d, J=6.8 Hz), 7.18 (1 H, dd, J=8.8, 1.6 Hz), 7.24 - 7.37 (4 H, m), 7.39 - 7.52 (3 H, m), 7.64 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.99 (1 H, s), 8.05 (1 H, s), 8.15 (1 H, s), 9.81 (1 H, s).
実施例A3-1
2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル
Figure 2008273847
実施例A1-(3) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (1.83 g)、 2-(4-ブロモフェニル)-2-メチルプロパン酸メチル (1.49 g)、酢酸パラジウム (87.0 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル (370 mg)および炭酸セシウム (2.51 g) のジオキサン溶液 (20.0 mL) を窒素雰囲気下90℃で60時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランの混合溶媒で希釈し、水および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル (9:1‐2:8)] で精製し、2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル (1.98 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.41 - 1.51 (2 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.53 (6 H, s), 1.59 - 1.69 (2 H, m), 2.04 - 2.22 (1 H, m), 2.61 (2 H, td, J=12.1, 2.3 Hz), 3.58 - 3.67 (2 H, m), 3.62 (3 H, s), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 5.97 (1 H, dd, J=8.5, 1.7 Hz), 6.79 - 6.91 (3 H, m), 7.19 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.35 (2 H, t, J=8.5 Hz), 7.47 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.54 (2 H, dd, J=8.7, 5.3 Hz), 7.87 (1 H, s), 8.13 (1 H, s), 8.14 (1 H, br. s).
実施例A3-2
2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸
Figure 2008273847
実施例A3-1 で得られた2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル (1.98 g) のテトラヒドロフラン (15.0 mL) およびメタノール (15.0 mL) 溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液 (15.0 mL) を加え、50℃で15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、1N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後溶媒を減圧留去することにより、2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸 (1.90 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.39 (9 H, s), 1.45 (6 H, s), 1.52 - 1.68 (2 H, m), 2.08 - 2.33 (1 H, m), 3.04 - 3.86 (6 H, m), 4.17 - 4.34 (2 H, m), 7.16 (1 H, dd, J=8.8, 1.4 Hz), 7.24 - 7.53 (7 H, m), 7.64 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.98 (1 H, s), 8.04 (1 H, s), 8.14 (1 H, s), 9.79 (1 H, s).
実施例A4-1
3-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]プロパン酸メチル
Figure 2008273847
(1) 3-(4-ブロモフェニル)プロパン酸メチル
Figure 2008273847
3-(4-ブロモフェニル)プロパン酸(2.0 g)のメタノール(50 mL)溶液に、室温攪拌下、濃硫酸(1 mL)をゆっくりと滴下して加え、16時間加熱還流した。反応液を冷却後、減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル及び水にて分液した。酢酸エチル層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮することにより、淡黄色油状の3-(4-ブロモフェニル)プロパン酸メチル(2.08 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 2.61 (2 H, t, J=7.6 Hz), 2.90 (2 H, t, J=7.7 Hz), 3.66 (3 H, s), 7.08 (2 H, d, J=8.3 Hz), 7.40 (2 H, d, J=8.3 Hz).
(2) 3-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]プロパン酸メチル
Figure 2008273847
実施例A1-(3) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(0.60 g)、3-(4-ブロモフェニル)プロパン酸メチル(0.62 g)、炭酸セシウム(0.82 g)、酢酸パラジウム(II)(0.014 g)及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.060 g)の1,4-ジオキサン(20 mL)溶液を減圧下に脱気した後、アルゴンにて置換し、100℃にて16時間攪拌した。反応液を冷却した後、酢酸エチルにて希釈し、水及び飽和食塩水にて順次洗浄、乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (5:1-1:1)〕にて精製して、淡黄色油状の3-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]プロパン酸メチル(0.26 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.41 - 1.71 (4 H, m), 1.49 (9 H, s), 2.02 - 2.19 (1 H, m), 2.51 - 2.66 (4 H, m), 2.85 (2 H, t, J=7.8 Hz), 3.53 - 3.64 (2 H, m), 3.66 (3 H, s), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 5.98 (1 H, dd, J=8.6, 1.6 Hz), 6.78 - 6.87 (3 H, m), 7.06 (2 H, d, J=8.5 Hz), 7.30 - 7.40 (2 H, m), 7.47 (1 H, d, J=8.5 Hz), 7.50 - 7.58 (2 H, m), 7.87 (1 H, d, J=0.8 Hz), 8.10 - 8.16 (2 H, m).
実施例A4-2
3-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]プロパン酸
Figure 2008273847
実施例A4-1 で得られた3-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]プロパン酸メチル(0.46 g)のメタノール(20 mL)溶液に、1N水酸化ナトリウム(3.58 mL)を加え室温にて16時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を水にて希釈し、1N塩酸を少しずつ加え、系内をPH4に調整した。析出した固体を濾取、水にて洗浄、乾燥することにより、淡黄色粉末の3-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]プロパン酸(0.41g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.42 - 1.71 (5 H, m), 1.48 (9 H, s), 2.04 - 2.21 (1 H, m), 2.54 - 2.69 (4 H, m), 2.87 (2 H, t, J=7.7 Hz), 3.59 (2 H, d, J=12.4 Hz), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 6.00 (1 H, dd, J=8.5, 1.5 Hz), 6.79 - 6.90 (3 H, m), 7.07 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.29 - 7.40 (2 H, m), 7.47 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.49 - 7.58 (2 H, m), 7.87 (1 H, d, J=0.8 Hz), 8.13 (2 H, s). m/z (ESI, pos) 622 (M+H).
実施例A5
1-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸メチル
Figure 2008273847
実施例A1-(3) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (500 mg)、 1-(4-クロロフェニル)シクロプロパンカルボン酸メチル (222 mg)、酢酸パラジウム (12.0 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル (52.0 mg)、ナトリウム tert-ブトキシド (140 mg) のトルエン (2.50 mL) およびtert-ブタノール (0.500 mL) 溶液に150℃で10分間マイクロウェーブ (250 W) を照射した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチルで希釈し、1N 塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル (9:1‐3:7)] で精製し、1-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸メチル (88.7 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.08 - 1.18 (2 H, m), 1.41 - 1.51 (2 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.51 - 1.59 (2 H, m), 1.58 - 1.70 (2 H, m), 1.99 - 2.26 (1 H, m), 2.62 (2 H, t, J=12.5 Hz), 3.53 - 3.73 (2 H, m), 3.60 (3 H, s), 4.23 (2 H, d, J=7.0 Hz), 5.97 (1 H, dd, J=8.7, 1.7 Hz), 6.79 - 6.85 (3 H, m), 7.18 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.35 (2 H, t, J=8.5 Hz), 7.47 (1 H, d, J=8.9 Hz), 7.54 (2 H, dd, J=8.7, 5.1 Hz), 7.87 (1 H, d, J=0.8 Hz), 8.13 (1 H, s), 8.14 (1 H, s).
実施例A6
1-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸
Figure 2008273847
実施例A5 で得られた1-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸メチル (89 mg) のテトラヒドロフラン (4.0 mL) およびメタノール (4.0 mL) 溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液 (2.0 mL) を加え、室温で18時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、1N塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後溶媒を減圧留去して、1-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸 (27 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.03 - 1.15 (2 H, m), 1.39 (9 H, s), 1.40 - 1.49 (2 H, m), 1.55 - 1.70 (3 H, m), 2.15 - 2.29 (1 H, m), 3.52 - 3.67 (6 H, m), 4.26 (2 H, d, J=6.8 Hz), 7.17 (2 H, dd, J=8.9, 1.5 Hz), 7.22 - 7.40 (2 H, m), 7.30 (2 H, t, J=8.9 Hz), 7.41 - 7.51 (2 H, m), 7.64 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.98 (1 H, s), 8.04 (1 H, br. s.), 8.14 (1 H, s), 9.80 (1 H, s).
実施例A7
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A1-(4) で得られた4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル (500 mg) のジクロロメタン (25 mL) 溶液に、1.5Mジイソブチルアルミニウムヒドリドのトルエン溶液 (1.4 mL) を−78℃で滴下した。同温度で1時間攪拌後、1.5Mジイソブチルアルミニウムヒドリドのトルエン溶液 (1.0 mL) を−78℃で追加した。同温度で1時間攪拌後、硫酸ナトリウム10水和物 (8.0 g) を加え、室温で4時間攪拌した。不溶物をろ過により除き、溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル (9:1‐1:1)] で精製し、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (300 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.42 - 1.53 (2 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.59 - 1.70 (2 H, m), 2.06 - 2.25 (1 H, m), 2.58 - 2.70 (2 H, m), 3.65 (2 H, d, J=12.1 Hz), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 4.58 (2 H, d, J=5.8 Hz), 5.96 (1 H, dd, J=8.7, 1.7 Hz), 6.82 (1 H, s), 6.88 (2 H, d, J=8.9 Hz), 7.21 - 7.29 (2 H, m), 7.35 (2 H, t, J=8.6 Hz), 7.47 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.54 (2 H, dd, J=8.8, 5.2 Hz), 7.87 (1 H, d, J=0.9 Hz), 8.13 (1 H, s), 8.15 (1 H, s).
実施例A8
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(メトキシメチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A1-(3) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(0.80 g)、[4-(メトキシメチル)フェニル]ボロン酸(0.29 g)、モレキュラーシーブス4Aパウダー(1.6 g)、トリエチルアミン(1.18 mL)、ピリジン(0.68 mL)、酢酸銅(II)(0.31 g)及びジクロロメタン(16 mL)の混合物を室温にて3日間攪拌した。 [4-(メトキシメチル)フェニル]ボロン酸(0.29 g)、モレキュラーシーブス4Aパウダー(1.6 g)、トリエチルアミン(1.18 mL)、ピリジン(0.68 mL)及び酢酸銅(II)(0.31 g)を加え、更に3日間攪拌した後、系内にアンモニア水及び酢酸エチルを加え、セライト濾過した。濾液を分液し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル (4:1‐1:2)]にて精製して、淡桃色粉末の1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(メトキシメチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(0.55 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.39 - 1.58 (2 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.59 - 1.71 (2 H, m), 2.05 - 2.21 (1 H, m), 2.56 - 2.70 (2 H, m), 3.33 (3 H, s), 3.59 - 3.70 (2 H, m), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 4.35 (2 H, s), 5.98 (1 H, dd, J=8.7, 1.7 Hz), 6.78 - 6.91 (3 H, m), 7.19 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.30 - 7.41 (2 H, m), 7.43 - 7.60 (3 H, m), 7.87 (1 H, d, J=0.8 Hz), 8.07 - 8.20 (2 H, m). m/z (ESI, pos) 595 (M+H).
実施例A9
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A3-1 で得られた2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル (510 mg) のジクロロメタン (8.0 mL) およびトルエン (8.0 mL) 溶液に、1.5Mジイソブチルアルミニウムヒドリドのトルエン溶液 (1.3 mL) を−78℃で滴下した。同温度で1時間攪拌後、1.5Mジイソブチルアルミニウムヒドリドのトルエン溶液 (1.3 mL) を−78℃で追加した。同温度で30分間攪拌後、硫酸ナトリウム10水和物 (7.3 g) を加え、室温で15時間攪拌した。不溶物をろ過により除き、溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル (9:1‐1:1)] で精製して、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (91 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.25 - 1.32 (6 H, m), 1.38 - 1.52 (2 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.59 - 1.70 (2 H, m), 1.93 - 2.27 (1 H, m), 2.56 - 2.68 (2 H, m), 3.55 (2 H, d, J=6.8 Hz), 3.63 (2 H, d, J=13.0 Hz), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 5.97 (1 H, dd, J=8.6, 1.6 Hz), 6.80 - 6.91 (3 H, m), 7.19 - 7.29 (2 H, m), 7.35 (2 H, t, J=8.6 Hz), 7.47 (1 H, d, J=8.5 Hz), 7.49 - 7.59 (2 H, m), 7.87 (1 H, d, J=0.8 Hz), 8.13 (1 H, s), 8.15 (1 H, s).
実施例A10
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A2-1 で得られた[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (670 mg) のテトラヒドロフラン (5.0 mL)溶液 に、1Mメチルマグネシウムブロミド (6.6 mL) を0℃で滴下した。室温で1時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。酢酸エチルで抽出後、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し溶媒を減圧留去した。残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:n-ヘキサン‐酢酸エチル (4:1‐1:1)] で精製して、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (370mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.20 (6 H, s), 1.37 (1 H, s), 1.42 - 1.52 (2 H, m), 1.49 (9 H, s), 1.60 - 1.70 (2 H, m), 2.06 - 2.18 (1 H, m), 2.56 - 2.68 (2 H, m), 2.66 (2 H, s), 3.62 (2 H, d, J=11.9 Hz), 4.24 (2 H, d, J=7.2 Hz), 5.97 (1 H, dd, J=8.7, 1.7 Hz), 6.85 (2 H, d, J=8.7 Hz), 6.82 (1 H, br. s.), 7.07 (2 H, d, J=8.5 Hz), 7.35 (2 H, t, J=8.6 Hz), 7.47 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.54 (2 H, dd, J=8.8, 5.2 Hz), 7.87 (1 H, d, J=0.9 Hz), 8.13 (1 H, s), 8.15 (1 H, s).
実施例 A11-1
4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル
Figure 2008273847
(1) 4-[(3-メチル-6-ニトロ-1H-インドール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2008273847
3-メチル-6-ニトロ-1H-インドール (46.52 g) 及び炭酸セシウム(172.03 g)をDMF (500 mL) に懸濁し、攪拌しながら4-(ヨードメチル)ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル(128.78 g)のDMF (100 mL)溶液を加え、80℃で60時間攪拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残留物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル (19:1→4:1)〕で精製し、n-ヘキサン-酢酸エチルから結晶化させることにより、4-[(3-メチル-6-ニトロ-1H-インドール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(39.62 g) を淡黄色結晶として得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 1.14-1.28 (2H, m), 1.45 (9H, s), 1.52-1.56 (2H, m), 1.95-2.04 (1H, m), 2.33 (3H, d, J= 0.6 Hz), 2.59-2.66 (2H, m), 4.01 (2H, d, J= 7.2 Hz), 4.05-4.20 (2H, br), 7.10 (1H, d, J= 0.6 Hz), 6.58 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.99 (1H, dd, J= 8.7, 2.4 Hz), 8.24 (1H, d, J= 2.4 Hz).
(2) 4-[(6-アミノ-3-メチル-1H-インドール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2008273847
実施例A11-1-(1) で得られた4-[(3-メチル-6-ニトロ-1H-インドール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル(7.60 g) をエタノール (50 mL)−テトラヒドロフラン (50 mL)に溶解し、10%パラジウム−炭素(50%加湿、1.90 g)を加え、水素雰囲気下に室温で15時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を濃縮した。残留物を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル (9:1→3:1)〕で精製することにより、4-[(6-アミノ-3-メチル-1H-インドール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(6.93 g)を黄色泡状粉末として得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 1.11-1.24 (2H, m), 1.45 (9H, s), 1.56 (2H, br d, J= 12.9 Hz), 1.85-2.00 (1H, m), 2.25 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.57-2.65 (2H, m), 3.63 (2H, br s), 3.80 (2H, d, J= 7.2 Hz), 4.00-4.20 (2H, br), 6.50 (1H, d, J= 2.1 Hz), 6.50 (1H, dd, J= 8.7, 2.1 Hz), 6.61 (1H, d, J= 0.9 Hz), 7.32 (1H, d, J= 8.7 Hz).
(3) 4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2008273847
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-カルボン酸 (5.77 g) をTHF (30 mL) に溶解し、DMFを10滴加え、氷冷下で塩化オキザリル(2.83 mL)を徐々に滴下した。反応液を室温で1時間攪拌後、濃縮乾固し、残渣をTHF (20 mL) に溶解した。この溶液を、実施例A11-1-(2) で得られた4-[(6-アミノ-3-メチル-1H-インドール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル (6.90 g)及びトリエチルアミン(6.07 g)のTHF (30 mL) 溶液中に滴下し、室温で16時間攪拌した。反応液に10%炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル (9:1→13:7)〕で精製し、ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (11.16 g) を無色結晶として得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 1.08-1.22 (2H, m), 1.44 (9H, s), 1.49 (9H, s), 1.49-1.53 (2H, m), 1.85-2.00 (1H, m), 2.23 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.54-2.62 (2H, m), 3.86 (2H, d, J= 7.2 Hz), 3.95-4.15 (2H, br), 6.02 (1H, dd, J= 8.4, 1.8 Hz), 6.72 (1H, br s), 6.72 (1H, d, J= 0.9 Hz), 7.27-7.35 (3H, m), 7.50-7.55 (2H, m), 7.89 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.12 (1H, s).
(4) 1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[3-メチル-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A11-1-(3)で得られた4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチル (11.16 g)と2規定塩化水素−酢酸エチル溶液 (200 mL)の混合物を室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1/1)と10%炭酸ナトリウム水溶液で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をアセトニトリル−ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[3-メチル-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (8.69 g) を無色結晶として得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ ppm 1.08-1.21 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.48-1.56 (3H, m), 1.85-2.00 (1H, m), 2.23 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.46-2.54 (2H, m), 3.02 (2H, br d, J = 12.3 Hz), 3.84 (2H, d, J= 7.2 Hz), 6.04 (1H, dd, J= 7.8, 1.8 Hz), 6.73 (1H, br s), 6.74 (1H, d, J= 0.9 Hz), 7.27-7.35 (3H, m), 7.50-7.54 (2H, m), 7.88 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.12 (1H, s).
(5) 4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル
Figure 2008273847
実施例A11-1-(4)で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[3-メチル-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (4.88 g)、4-(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸 (3.60 g)、酢酸銅(II)水和物 (200 mg)及びモレキュラーシーブス4A (7.50 g)をアセトニトリル(200 mL)に混合させ、酸素雰囲気下、40℃で2日間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル(400 mL)を加え、セライトでろ過した。ろ液を10%アンモニア水、次いで飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(9:1)→n-ヘキサン−酢酸エチル(13:7)〕で精製することにより、4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル (3.00 g) を淡黄色非晶性粉末として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.26-1.43 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.65 (2H, br d, J = 11.7 Hz), 1.95-2.10 (1H, m), 2.24 (3H, s), 2.70-2.80 (2H, m), 3.82-3.86 (2H, m), 3.85 (3H, s), 3.90 (2H, d, J= 6.9 Hz), 6.01 (1H, dd, J= 8.4, 1.5 Hz), 6.73-6.74 (2H, m), 6.81 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.28-7.34 (3H, m), 7.50-7.54 (2H, m), 7.87 (2H, d, J=9.0Hz), 7.94 (1H, d, J= 1.5 Hz), 8.11 (1H, s).
実施例A11-2
4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸
Figure 2008273847
実施例A11-1 で得られた4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル(2.69 g) のメタノール (20 mL)−テトラヒドロフラン (20 mL)溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液 (20 mL)を加え、70℃で4時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮して得られた残留物を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄後、1規定塩酸を加えてpH3に調製した。析出した結晶をろ取、水洗し、減圧下に乾燥させ、アセトニトリルから再結晶することにより、4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸 (2.28 g)を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.17-1.32 (2H, m), 1.38 (9H, s), 1.49 (2H, br d, J= 10.2 Hz), 1.90-2.05 (1H, m), 2.19 (3H, s), 2.69-2.77 (2H, m), 3.85-3.91 (4H, m), 6.90 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.01 (1H, s), 7.07 (1H, dd, J=8.7, 1.5 Hz), 7.24-7.30 (2H, m), 7.32 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.42-7.47 (2H, m), 7.62 (1H, d, J= 1.5 Hz), 7.72 (2H, d, J= 8.7 Hz), 8.08 (1H, s), 9.38 (1H, s), 12.00-12.40 (1H, br).
実施例 A12
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A11-1 で得られた4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル (311 mg) のテトラヒドロフラン (5 mL) 溶液に、1.0Mメチルマグネシウムブロミド−THF溶液 (5 mL) を滴下し、室温で18時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル (1:1→3:7)〕で精製し、ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (241 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.35-1.48 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.55 (6H, s), 1.65 (2H, br d, J= 10.2 Hz), 1.66 (1H, s), 1.85-2.00 (1H, br), 2.24 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.56-2.63 (2H, m), 3.60-3.66 (2H, m), 3.90 (2H, d, J= 7.2 Hz), 6.03 (1H, dd, J=8.4, 1.8 Hz), 6.73 (1H, br s), 6.75 (1H, d, J= 0.9 Hz), 6.85 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.28-7.35 (3H, m), 7.34 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.49-7.54 (2H, m), 7.91 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.11 (1H, s).
実施例 A13
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-(1-{[1-(4-ホルミルフェニル)ピペリジン-4-イル]メチル}-3-メチル-1H-インドール-6-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A11-1-(4)で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[3-メチル-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (1.935 g)、4-ホルミルフェニルボロン酸 (1.20 g)、酢酸銅(II)水和物 (80 mg)及びモレキュラーシーブス4A (3.00 g)をアセトニトリル (50 mL)に混合させ、酸素雰囲気下、40℃で1日間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル (100 mL)を加え、セライトでろ過した。ろ液を10%アンモニア水、次いで飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(17:3)→n-ヘキサン−酢酸エチル(1:1)〕で精製し、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-(1-{[1-(4-ホルミルフェニル)ピペリジン-4-イル]メチル}-3-メチル-1H-インドール-6-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (0.91 g) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.28-1.41 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.64-1.69 (2H, m), 2.00-2.15 (1H, m), 2.24 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.77-2.86 (2H, m), 3.89-3.94 (4H, m), 5.98 (1H, dd, J= 8.4, 1.8 Hz), 6.73 (1H, d, J= 0.9 Hz), 6. 74 (1H, br s), 6.85 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.28-7.34 (3H, m), 7.49-7.54 (2H, m), 7.71 (2H, d, J=9.0Hz), 7.97 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.11 (1H, s), 9.73 (1H, s).
実施例 A14
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A13で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-(1-{[1-(4-ホルミルフェニル)ピペリジン-4-イル]メチル}-3-メチル-1H-インドール-6-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (311 mg) のエタノール (4 mL)−テトラヒドロフラン (2 mL) 溶液に、水素化ホウ素ナトリウム (19 mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (112 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.35-1.50 (3H, m), 1.48 (9H, s), 1.63-1.68 (2H, m), 1.85-2.00 (1H, m), 2.24 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.57-2.66 (2H, m), 3.64 (2H, br d, J= 12.9 Hz), 3.90 (2H, d, J= 7.2 Hz), 4.57 (2H, br s), 6.03 (1H, dd, J=8.1, 1.5 Hz), 6.74 (1H, br s), 6.75 (1H, d, J= 0.9 Hz), 6.87 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.22 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.28-7.34 (2H, m), 7.30 (1H, d, J= 8.1 Hz), 7.49-7.54 (2H, m), 7.93 (1H, s), 8.11 (1H, s).
実施例 A15
[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル
Figure 2008273847
実施例A11-1-(4)で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[3-メチル-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (488 mg)、4-ブロモフェニル酢酸エチル (243 mg)、炭酸セシウム (489 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル (24 mg)及び酢酸パラジウム(II) (11 mg)をトルエン (20 mL)に混合させ、窒素雰囲気下、100℃で15時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分液し、水層を酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1/1)で抽出した。有機層及び抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(7:3)→n-ヘキサン−酢酸エチル(11:9)〕で精製し、ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (293 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.24 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.35-1.48 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.63-1.66 (2H, m), 1.83-2.02 (1H, m), 2.24 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.55-2.63 (2H, m), 3.50 (2H, s), 3.59-3.63 (2H, m), 3.90 (2H, d, J= 7.2 Hz), 4.12 (2H, q, J= 7.2 Hz), 6.04 (1H, dd, J= 8.4, 1.8 Hz), 6.73 (1H, br s), 6.75 (1H, d, J= 0.9 Hz), 6.84 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.13 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.29-7.35 (2H, m), 7.30 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.50-7.55 (2H, m), 7.90 (1H, s), 8.12 (1H, s).
実施例 A16
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A15で得られた[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (130 mg) のテトラヒドロフラン (2 mL) 溶液に、1.0Mメチルマグネシウムブロミド−THF溶液 (2 mL) を滴下し、室温で18時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル (1:1→7:13)〕で精製し、アセトニトリル−ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (80 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.20 (6H, s), 1.37 (1H, s), 1.37-1.48 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.64-1.69 (2H, m), 1.85-2.05 (1H, m), 2.24 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.56-2.63 (2H, m), 2.66 (2H, s), 3.60-3.64 (2H, m), 3.91 (2H, d, J= 6.9 Hz), 6.03 (1H, dd, J=8.1, 1.8 Hz), 6.73 (1H, br s), 6.76 (1H, d, J= 0.9 Hz), 6.84 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.06 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.29 (1H, d, J= 8.1 Hz), 7.29-7.35 (2H, m), 7.50-7.54 (2H, m), 7.92 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.11 (1H, s).
実施例 A17
[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸
Figure 2008273847
実施例A15で得られた[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (131 mg) のメタノール (1 mL)−テトラヒドロフラン (1 mL)溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液 (1 mL)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮して得られた残留物を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄後、1規定塩酸を加えてpH3に調製した。析出した固体をろ取、水洗し、減圧下に乾燥させることにより、[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸(120 mg)を白色粉末として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.23-1.38 (2H, m), 1.38 (9H, s), 1.47-1.52 (2H, m), 1.80-1.95 (1H, m), 2.19 (3H, s), 2.43-2.57 (2H, m), 3.40 (2H, s), 3.62 (2H, br d, J= 13.5 Hz), 3.90 (2H, d, J= 7.2 Hz), 6.82 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.01 (1H, s), 7.04 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.08 (1H, dd, J=8.7, 1.5 Hz), 7.24-7.30 (2H, m), 7.32 (1H, d, J= 8.7 Hz), 7.42-7.47 (2H, m), 7.62 (1H, d, J= 1.5 Hz), 8.08 (1H, s), 9.39 (1H, s), 12.00-12.30 (1H, br).
実施例 A18
2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル
Figure 2008273847
実施例A11-1-(4)で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[3-メチル-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (975 mg)、2-(4-ブロモフェニル)-2,2-ジメチル酢酸メチル (514 mg)、炭酸セシウム (977 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル (48 mg)及び酢酸パラジウム(II) (22 mg)をトルエン (30 mL)に混合させ、窒素雰囲気下、100℃で18時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分液し、水層を酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1/1)で抽出した。有機層及び抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(7:3)→n-ヘキサン−酢酸エチル(11:9)〕で精製し、ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル (718 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.33-1.46 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.53 (6H, s), 1.62-1.66 (2H, m), 1.85-2.00 (1H, m), 2.24 (3H, d, J= 0.9 Hz), 2.54-2.63 (2H, m), 3.60-3.64 (2H, m), 3.62 (3H, s), 3.90 (2H, d, J= 7.2 Hz), 6.04 (1H, dd, J= 8.4, 1.8 Hz), 6.72 (1H, br s), 6.75 (1H, d, J= 0.9 Hz), 6.83 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.18 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.28-7.34 (2H, m), 7.29 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.49-7.54 (2H, m), 7.90 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.11 (1H, s).
実施例 A19
2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸
Figure 2008273847
実施例A18で得られた2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル (332 mg) のメタノール (2 mL)−テトラヒドロフラン (2 mL)溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液 (2 mL)を加え、60℃で16時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮して得られた残留物を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄後、1規定塩酸を加えてpH3に調製した。析出した結晶をろ取、水洗し、減圧下に乾燥させることにより、2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸 (320 mg)を白色粉末として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.41-1.55 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.55 (6H, s), 1.62-1.66 (2H, m), 1.85-2.05 (1H, br), 2.24 (3H, s), 2.58-2.66 (2H, m), 3.60 (2H, br d, J= 12.6 Hz), 3.89 (2H, d, J= 6.9 Hz), 6.05 (1H, d, J= 9.0 Hz), 6.75 (1H, s), 6.76 (1H, br s), 6.92 (2H, br s), 7.24-7.33 (5H, m), 7.48-7.53 (2H, m), 7.90 (1H, s), 8.11 (1H, s).
実施例 A20
1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例A18で得られた2-[4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]-2-メチルプロパン酸メチル (332 mg) のテトラヒドロフラン (5 mL) 溶液に、氷冷下、水素化リチウムアルミニウム (76 mg)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液に硫酸マグネシウム7水和物 (493 mg)を加え、室温でさらに10分撹拌した後、酢酸エチルと水で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(7:3)→n-ヘキサン−酢酸エチル(1:1)〕で精製し、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから結晶化させることにより、1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-3-メチル-1H-インドール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド (240 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.15 (1H, t, J= 5.7 Hz), 1.29 (6H, s), 1.36-1.47 (2H, m), 1.48 (9H, s), 1.63-1.68 (2H, m), 1.85-2.00 (1H, m), 2.24 (3H, s), 2.55-2.63 (2H, m), 3.55 (2H, d, J= 5.7 Hz), 3.62 (2H, br d, J= 12.6 Hz), 3.90 (2H, d, J= 7.2 Hz), 6.03 (1H, d, J= 8.1 Hz), 6.73 (1H, br s), 6.76 (1H, s), 6.86 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.22-7.35 (5H, m), 7.50-7.54 (2H, m), 7.92 (1H, s), 8.12 (1H, s).
実施例A21
[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル
Figure 2008273847
(1)4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
Figure 2008273847
6-ニトロ-1H-インダゾール (204.5 g)、4-(ヨードメチル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (448.4 g)および炭酸カリウム(277.2 g) のDMF (2500 mL) 溶液を80 ℃で15 時間撹拌した。不溶物を室温でろ去後、減圧濃縮して残渣を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (6:1)、塩基性シリカゲル〕により精製して、4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (239.5 g) を淡黄色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.20 - 1.36 (2 H, m) 1.45 (9 H, s) 1.49 - 1.60 (2 H, m) 2.14 - 2.29 (1 H, m) 2.58 - 2.74 (2 H, m) 4.02 - 4.20 (2 H, m) 4.35 (2 H, d, J=7.2 Hz) 7.85 (1 H, d, J=8.9 Hz) 8.03 (1 H, dd, J=9.00, 1.8 Hz) 8.14 (1 H, d, J=0.9 Hz) 8.34 - 8.39 (1 H, m).
(2)6-ニトロ-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール トリフルオロ酢酸塩
Figure 2008273847
実施例 A21-(1) で得られた4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (5.48 g) および トリフルオロ酢酸 (15 mL) を室温で3 時間撹拌した。結晶をろ取し、酢酸エチルで洗浄することにより、6-ニトロ-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール トリフルオロ酢酸塩 (4.86 g) を黄色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.32 - 1.51 (2 H, m) 1.59 - 1.72 (2 H, m) 2.15 - 2.32 (1 H, m) 4.56 (2 H, d, J=7.2 Hz) 7.94 - 7.99 (1 H, m) 8.01 - 8.06 (1 H, m) 8.11 - 8.30 (1 H, m) 8.36 (1 H, s) 8.50 - 8.64 (1 H, m) 8.86 (1 H, s).
(3)(4-{4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}フェニル)酢酸エチル
Figure 2008273847
実施例 A21-(2) で得られた6-ニトロ-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール トリフルオロ酢酸塩 を炭酸水素ナトリウムにより中和後、得られたフリー体 (0.18 g)、(4-ブロモフェニル)酢酸エチル (0.25 g)、酢酸パラジウム (15 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル (64 mg)、炭酸セシウム (0.44 g) の1,4-ジオキサン (20 mL) 溶液をアルゴン雰囲気下で90 ℃で16 時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (95:5-70:30)〕により精製して、(4-{4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}フェニル)酢酸エチル (0.31 g) を淡黄色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.24 (3 H, t, J=6.6 Hz), 1.46 - 1.74 (4 H, m), 2.11 - 2.28 (1 H, m), 2.60 - 2.73 (2 H, m), 3.51 (2 H, s), 3.60 - 3.72 (2 H, m), 4.07 - 4.17 (2 H, m), 4.40 (2 H, d, J=7.2 Hz), 6.83 - 6.89 (2 H, m), 7.12 - 7.18 (2 H, m), 7.85 (1 H, d, J=8.9 Hz), 8.03 (1 H, dd, J=8.9, 1.9 Hz), 8.15 (1 H, d, J=0.9 Hz), 8.37 - 8.41 (1 H, m).
(4)(4-{4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}フェニル)酢酸エチル
Figure 2008273847
実施例A21-(3) で得られた(4-{4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}フェニル)酢酸エチル (2.6 g) を酢酸エチル (50 mL) に溶解し、窒素雰囲気下で10% Pd-C (0.13 g) を加えた。水素雰囲気下、室温で3 日間撹拌した後、触媒をろ去し減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルから再結晶することにより、(4-{4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}フェニル)酢酸エチル (2.32 g) を淡黄色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.24 (3 H, t, J=7.2 Hz), 1.41 - 1.56 (2 H, m), 1.61 - 1.73 (2 H, m), 2.07 - 2.23 (1 H, m), 2.58 - 2.70 (2 H, m), 3.51 (2 H, s), 3.58 - 3.68 (2 H, m), 3.87 (2 H, s), 4.06 - 4.18 (4 H, m), 6.52 - 6.59 (2 H, m), 6.86 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.15 (2 H, d, J=8.7 Hz), 7.48 (1 H, d, J=9.1 Hz), 7.82 (1 H, s).
(5) 5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチル
Figure 2008273847
3-ブロモ-3-(4-フルオロフェニル)-2-イソシアノアクリル酸エチル (5.44 g)、イソプロピルアミン (1.56 mL) およびトリエチルアミン (5.05 mL) をDMF (50 mL) に溶解し、室温で13 時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (70:30-35:65)〕により精製することにより、5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチル (2.99 g) を茶色油状物として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.24 (3 H, t, J=7.2 Hz) 1.42 (6 H, d, J=6.8 Hz) 4.08 - 4.18 (1 H, m) 4.23 (2 H, q, J=7.1 Hz) 7.17 (2 H, t, J=8.7 Hz) 7.29 - 7.36 (2 H, m) 7.68 (1 H, s).
(6) 5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸
Figure 2008273847
実施例 A21-(5) で得られた5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸エチル (2.99 g) および 2 N 水酸化ナトリウム水溶液 (10 mL)のエタノール (40 mL) 溶液を室温 で5 時間、70℃ で1.5 時間撹拌した。氷冷下で反応液に6 N 塩酸 (3.3 mL) を加えた後、30 分撹拌した。結晶をろ取し、水で洗浄することにより、5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸 (1.26 g) を白色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.42 (6 H, d, J=6.8 Hz) 4.09 - 4.20 (1 H, m) 7.11 - 7.20 (2 H, m) 7.30 - 7.37 (2 H, m) 7.69 (1 H, s).
(7)[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル
Figure 2008273847
実施例 A21-(6) で得られた5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸 (1.4 g) をTHF (40 mL) に溶解させ、DMF (50 μl) およびオキザリルクロリド (0.49 mL) を室温で滴下した。同温度で30 分撹拌後、減圧濃縮し、得られた残渣をTHF (30 mL) に懸濁した。実施例A21-(4) で得られた(4-{4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}フェニル)酢酸エチル (2.32 g)、ピリジン (0.68 mL) およびTHF (30 mL) の溶液に氷冷下で滴下した。反応液を室温で15 時間撹拌後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮により得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (60:40-40:60)〕により精製後、酢酸エチル-ヘキサンで再結晶することにより、[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (1.86 g) を白色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.23 (3 H, t, J=7.2 Hz) 1.39 - 1.53 (8 H, m) 1.59 - 1.70 (2 H, m) 2.07 - 2.22 (1 H, m) 2.54 - 2.67 (2 H, m) 3.50 (2 H, s) 3.56 - 3.67 (2 H, m) 4.12 (2 H, q, J=7.2 Hz) 4.19 - 4.25 (2 H, m) 6.81 - 6.88 (2 H, m) 7.03 (1 H, dd, J=8.5, 1.7 Hz) 7.10 - 7.16 (2 H, m) 7.17 - 7.29 (3 H, m) 7.37 - 7.46 (2 H, m) 7.61 (1 H, d, J=8.7 Hz) 7.66 (1 H, s) 7.91 (1 H, s) 8.18 (1 H, s).
実施例A22
[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸
Figure 2008273847
実施例 A21 で得られた[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (0.86 g) および 2 N 水酸化ナトリウム水溶液 (1.5 mL) のエタノール (20 mL) 溶液を50 ℃ で13 時間撹拌した。室温で反応液に1 N 塩酸 (3 mL) を加えて室温で20 分撹拌した。結晶をろ取し、水で洗浄することにより、[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸 (0.82 g) を白色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.23 - 1.44 (8 H, m) 1.44 - 1.57 (2 H, m) 1.97 - 2.10 (1 H, m) 2.45 - 2.61 (2 H, m) 3.40 (2 H, s) 3.55 - 3.66 (2 H, m) 4.01 - 4.12 (1 H, m) 4.22 (2 H, d, J=7.2 Hz) 6.82 (2 H, d, J=8.7 Hz) 7.05 (2 H, d, J=8.7 Hz) 7.26 - 7.38 (2 H, m) 7.41 - 7.53 (3 H, m) 7.63 (1 H, d, J=8.9 Hz) 7.96 (1 H, s) 8.16 (2 H, s) 9.94 (1 H, s).
実施例A23
5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例 A21 で得られた[4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸エチル (0.8 g) をTHF (20 mL) に溶解させ、0 ℃で1M メチルマグネシウムブロミドTHF溶液 (8.99 mL) を滴下した。0℃で3 時間、室温で1 時間撹拌した後、1M メチルマグネシウムブロミドTHF溶液 (1.5 mL) を滴下した。室温で14 時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (60:40-40:60)〕により精製することにより5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド (0.48 g) を淡褐色非結晶性粉末として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.20 (6 H, s) 1.39 - 1.56 (8 H, m) 1.60 - 1.71 (2 H, m) 2.08 - 2.23 (1 H, m) 2.54 - 2.69 (4 H, m) 3.56 - 3.67 (2 H, m) 4.15 - 4.26 (3 H, m) 6.81 - 6.88 (2 H, m) 7.00 - 7.10 (3 H, m) 7.17 - 7.25 (2 H, m) 7.38 - 7.47 (2 H, m) 7.62 (1 H, d, J=8.7 Hz) 7.66 (1 H, s) 7.91 (1 H, s) 8.19 (1 H, s) 9.35 (1 H, s).
実施例A24-1
4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル
Figure 2008273847
(1)4-{4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル
Figure 2008273847
実施例 A21-(2) で得られた6-ニトロ-1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール トリフルオロ酢酸塩 (3.87 g)、4-ブロモ安息香酸エチル (2.53 mL)、酢酸パラジウム (0.23 g)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル (0.99 g)および炭酸セシウム (10.1 g) の1,4-ジオキサン (60 mL) 溶液をアルゴン雰囲気下で90 ℃で16 時間撹拌した。反応液を減圧濃縮後、酢酸エチル-THFで希釈して飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル-ヘキサンで再結晶することにより、4-{4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル (3.48 g) を黄色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.36 (3 H, t, J=7.0 Hz) 1.41 - 1.55 (2 H, m) 1.64 - 1.74 (2 H, m) 2.21 - 2.36 (1 H, m) 2.76 - 2.87 (2 H, m) 3.82 - 3.92 (2 H, m) 4.32 (2 H, q, J=7.2 Hz) 4.39 (2 H, d, J=7.2 Hz) 6.81 - 6.87 (2 H, m) 7.83 - 7.93 (3 H, m) 8.04 (1 H, dd, J=8.7, 1.9 Hz) 8.13 - 8.16 (1 H, m) 8.36 - 8.39 (1 H, m).
(2)4-{4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル
Figure 2008273847
実施例 A24-1-(1) で得られた4-{4-[(6-ニトロ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル (3.47 g) をTHF (70 mL) に溶解し、窒素雰囲気下で10% Pd-C (0.4 g) を加えた。水素雰囲気下、室温で13 時間撹拌した後、触媒をろ去し減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル-ヘキサンで洗浄することにより、4-{4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル (3.09 g) を白色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 1.30 - 1.73 (7 H, m) 2.16 - 2.35 (1 H, m) 2.73 - 2.89 (2 H, m) 3.77 - 3.95 (3 H, m) 4.08 - 4.17 (2 H, m) 4.25 - 4.38 (2 H, m) 6.48 - 6.62 (2 H, m) 6.79 - 6.88 (2 H, m) 7.49 (1 H, d, J=8.5 Hz) 7.80 - 7.94 (3 H, m).
(3)4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル
Figure 2008273847
実施例 A21-(6) で得られた5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボン酸 (1.4 g) をTHF (50 mL) に溶解させ、DMF (50 μl) およびオキザリルクロリド (0.62 mL) を室温で滴下した。同温度で2 時間撹拌後、減圧濃縮し、得られた残渣をTHF (50 mL) に懸濁した。実施例A24-1-(2) で得られた4-{4-[(6-アミノ-1H-インダゾール-1-イル)メチル]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル (2.24 g)、ピリジン (0.91 mL) およびTHF (50 mL) の溶液に室温で滴下した。反応液を室温で15 時間撹拌後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮により得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (60:40-40:60)〕により精製後、酢酸エチル-ヘキサン-ジイソプロピルエーテルで洗浄することにより、4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (1.05 g) を淡緑色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.30 - 1.50 (11 H, m) 1.58 - 1.69 (2 H, m) 2.15 - 2.31 (1 H, m) 2.70 - 2.83 (2 H, m) 3.77 - 3.88 (2 H, m) 4.16 - 4.24 (3 H, m) 4.32 (2 H, q, J=7.2 Hz) 6.77 - 6.85 (2 H, m) 7.02 (1 H, dd, J=8.6, 1.6 Hz) 7.16 - 7.25 (2 H, m) 7.37 - 7.47 (2 H, m) 7.58 - 7.68 (2 H, m) 7.84 - 7.93 (3 H, m) 8.19 (1 H, s) 9.35 (1 H, s).
実施例A24-2
4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸
Figure 2008273847
実施例 A24-1 で得られた4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (0.5 g) および 2 N 水酸化ナトリウム水溶液 (2 mL) のエタノール (10 mL) 溶液を50 ℃ で12 時間、70 ℃で5 時間撹拌した。室温で反応液に1 N 塩酸 (4 mL) を加えて室温で30 分撹拌した。結晶をろ取し、水で洗浄することにより、4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸 (0.46 g) を淡黄色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.20 - 1.42 (8 H, m) 1.45 - 1.56 (2 H, m) 2.06 - 2.23 (1 H, m) 2.67 - 2.82 (2 H, m) 3.79 - 3.93 (2 H, m) 3.99 - 4.12 (1 H, m) 4.21 (2 H, d, J=7.0 Hz) 6.90 (2 H, d, J=9.0 Hz) 7.26 - 7.38 (2 H, m) 7.41 - 7.53 (3 H, m) 7.63 (1 H, d, J=8.7 Hz) 7.72 (2 H, d, J=8.9 Hz) 7.96 (1 H, d, J=0.8 Hz) 8.08 - 8.20 (2 H, m) 9.94 (1 H, s) 12.21 (1 H, br s.).
実施例A25
5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド
Figure 2008273847
実施例 A24-1 で得られた4-(4-{[6-({[5-(4-フルオロフェニル)-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (0.5 g) をTHF (20 mL) に溶解させ、0 ℃で1M メチルマグネシウムブロミドTHF溶液 (5.75 mL) を滴下した。室温で18 時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (60:40-40:60)〕により精製後、酢酸エチル-ヘキサンから再結晶することにより、5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-({1-[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]ピペリジン-4-イル}メチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1-イソプロピル-1H-イミダゾール-4-カルボキサミド (0.34 g) を淡灰色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.27 - 1.44 (14 H, m) 1.45 - 1.56 (2 H, m) 1.96 - 2.11 (1 H, m) 3.52 - 3.64 (2 H, m) 4.00 - 4.12 (1 H, m) 4.18 - 4.26 (2 H, m) 4.77 (1 H, s) 6.81 (2 H, d, J=8.7 Hz) 7.25 (2 H, d, J=8.9 Hz) 7.29 - 7.38 (2 H, m) 7.41 - 7.53 (3 H, m) 7.63 (1 H, d, J=8.7 Hz) 7.96 (1 H, s) 8.16 (2 H, s) 9.94 (1 H, s).
実施例A26-1
[3-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸メチル
Figure 2008273847
(1)(3-ブロモフェニル)酢酸メチル
Figure 2008273847
(3-ブロモフェニル)酢酸(2.0 g)のメタノール(50 mL)溶液に、室温攪拌下、濃硫酸(1 mL)をゆっくりと滴下して加え、16時間加熱還流した。反応液を冷却後、減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル及び水にて分液した。酢酸エチル層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧濃縮することにより、無色油状の(3-ブロモフェニル)酢酸メチル(3.09 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 3.60 (2 H, s), 3.70 (3 H, s), 7.16 - 7.24 (2 H, m), 7.36 - 7.48 (2 H, m).
(2) [3-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸メチル
Figure 2008273847
実施例A1-(3) で得られた1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-N-[1-(ピペリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-6-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(0.70 g)、(3-ブロモフェニル)酢酸メチル(0.68 g)、炭酸セシウム(0.96 g)、酢酸パラジウム(II)(0.017 g)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(0.070 g)の1,4-ジオキサン(20 mL)溶液を減圧下に脱気した後、アルゴンにて置換し、90℃にて16時間攪拌した。反応液を冷却した後、酢酸エチルにて希釈し、水及び飽和食塩水にて順次洗浄、乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル (4:1-1:2)〕にて精製して、無色粉末の[3-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸メチル(0.18 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.41 - 1.71 (4 H, m), 1.48 - 1.50 (9 H, m), 2.03 - 2.20 (1 H, m), 2.56 - 2.70 (2 H, m), 3.51 - 3.74 (7 H, m), 4.23 (2 H, d, J=7.2 Hz), 5.98 (1 H, dd, J=8.5, 1.5 Hz), 6.69 - 6.88 (4 H, m), 7.17 (1 H, dd, J=8.9, 7.5 Hz), 7.31 - 7.41 (2 H, m), 7.44 - 7.59 (3 H, m), 7.87 (1 H, s), 8.13 (2 H, s).
実施例A26-2
[3-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸
Figure 2008273847
実施例A26-1 で得られた[3-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸メチル(0.18 g)のメタノール(20 mL)溶液に、1N水酸化ナトリウム(1.41 mL)を加え室温にて16時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣を水にて希釈し、1N塩酸を少しずつ加え、系内をPH4に調整した。析出した固体を濾取、水にて洗浄、乾燥することにより、無色粉末の[3-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)フェニル]酢酸(0.17g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ ppm 1.36 - 1.70 (4 H, m), 1.46 (9 H, s), 2.03 - 2.22 (1 H, m), 2.63 - 2.78 (2 H, m), 3.54 (2 H, s), 3.57 - 3.68 (2 H, m), 4.18 - 4.29 (2 H, m), 6.78 - 7.00 (4 H, m), 7.13 - 7.30 (3 H, m), 7.41 - 7.52 (2 H, m), 7.62 (1 H, d, J=8.7 Hz), 7.92 (1 H, s), 8.00 (1 H, s), 8.07 (1 H, s). m/z (ESI, pos) 609 (M+H).
以下の表1−17に示す実施例化合物は、上記実施例A1〜A26−2に記載の方法もしくはそれに準ずる方法、および/または自体公知の方法に従って製造することができる。
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
実施例 B1
4-(4-{[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロベンゾイル]アミノ}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル
Figure 2008273847
(1) 4-{4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル
Figure 2008273847
ピペリジン-4-イルカルバミン酸tert-ブチル (2.80 g)、4-ブロモ安息香酸エチル (3.21 g)、炭酸セシウム (6.84 g)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル (334 mg)及び酢酸パラジウム(II) (157 mg)をトルエン (70 mL)に混合させ、窒素雰囲気下、100℃で60時間攪拌した。反応液を酢酸エチルと水で分液し、水層を酢酸エチル−テトラヒドロフラン(1/1)で抽出した。有機層及び抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー〔展開溶媒:n-ヘキサン−酢酸エチル(9:1-3:1)〕で精製し、n-ヘキサン−酢酸エチルから結晶化させることにより、4-{4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル (625 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.37 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.42-1.55 (2H, m), 1.45 (9H, s), 2.02-2.07 (2H, m), 2.92-3.01 (2H, m), 3.60-3.75 (1H, br), 3.77-3.81 (2H, m), 4.32 (2H, q, J= 7.2 Hz), 4.40-4.55 (1H, br), 6.85 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.90 (2H, d, J= 9.0 Hz).
(2) 4-(4-アミノピペリジン-1-イル)安息香酸エチル
Figure 2008273847
実施例 B1-(1)で得られた4-{4-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]ピペリジン-1-イル}安息香酸エチル (625 mg)とトリフルオロ酢酸 (8 mL)のトルエン (8mL)溶液を室温で15時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮して、得られた残留物を酢酸エチルと10%炭酸ナトリウム水溶液で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、4-(4-アミノピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (368 mg) を白色粉末として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.37 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.38-1.51 (2H, m), 1.53 (2H, br s), 1.93 (2H, br d, J= 12.9 Hz), 2.87-2.96 (3H, m), 3.83 (2H, br d, J= 12.9 Hz), 4.32 (2H, q, J= 7.2 Hz), 6.86 (2H, d, J= 9.3 Hz), 7.90 (2H, d, J= 9.3 Hz).
(3) 4-(4-{[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロベンゾイル]アミノ}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル
Figure 2008273847
実施例 B1-(2)で得られた4-(4-アミノピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (248 mg)、 5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロ安息香酸 (416 mg)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物 (77 mg) のアセトニトリル (10 mL) 溶液に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (230 mg) を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を酢酸エチル−テトラヒドロフラン (1/1)と10%炭酸ナトリウム水溶液で分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残留物を酢酸エチルから結晶化することにより、4-(4-{[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロベンゾイル]アミノ}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (551 mg) を無色結晶として得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.37 (3H, t, J= 7.2 Hz), 1.47 (9H, s), 1.57-1.68 (2H, m), 2.03-2.13 (1H, m), 2.65 (2H, br s), 3.02-3.18 (2H, m), 3.83 (2H, br d, J= 13.5 Hz), 4.10-4.29 (1H, s), 4.32 (2H, q, J= 7.2 Hz), 6.07 (1H, d, J= 8.4 Hz), 6.78 (1H, br s), 6.87 (2H, d, J= 9.0 Hz), 7.22 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.25-7.36 (3H, m), 7.44-7.48 (2H, m), 7.91 (2H, d, J= 9.0 Hz), 8.03 (1H, s).
実施例 B2
4-(4-{[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロベンゾイル]アミノ}ピペリジン-1-イル)安息香酸
Figure 2008273847
実施例 B1で得られた4-(4-{[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロベンゾイル]アミノ}ピペリジン-1-イル)安息香酸エチル (323 mg) のメタノール (2.5 mL)−テトラヒドロフラン (2.5 mL)溶液に2規定水酸化ナトリウム水溶液 (2.5 mL)を加え、70℃で15時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮して得られた残留物を水で希釈し、ジエチルエーテルで洗浄後、1規定塩酸を加えてpH3に調製した。析出した固体をろ取、水洗し、減圧下に乾燥させることにより、4-(4-{[5-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-クロロベンゾイル]アミノ}ピペリジン-1-イル)安息香酸 (264 mg)を白色粉末として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.38 (9H, s), 1.45-1.58 (2H, m), 1.86-1.90 (2H, m), 2.94-3.02 (2H, m), 3.83-3.87 (2H, m), 3.98 (1H, br s), 6.94 (2H, d, J= 8.7 Hz), 7.22-7.28 (2H, m), 7.33 (1H, d, J= 9.0 Hz), 7.38-7.42 (2H, m), 7.59-7.63 (2H, m), 7.74(2H, d, J= 8.7 Hz), 8.12 (1H, s), 8.38 (1H, br d, J= 9.0 Hz), 9.84 (1H, br s), 11.80-12.50 (1H, br).
以下の表18−26に示す実施例化合物は、上記実施例B1〜B2に記載の方法もしくはそれに準ずる方法、および/または自体公知の方法に従って製造することができる。
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
Figure 2008273847
試験例1:FXR酵素阻害活性
「試験化合物」
(1)実施例A2-2の化合物
(2)実施例A3-2の化合物
(3)実施例A4-2の化合物
(4)実施例A6の化合物
(5)実施例A8の化合物
(6)実施例A9の化合物
(7)実施例A16の化合物
(8)実施例A17の化合物
(9)実施例A20の化合物
(10)実施例A22の化合物
(11)実施例A23の化合物
(12)実施例A24-2の化合物
(13)実施例B2の化合物
(14)N-[4-メチル-3-(モルホリン-4-イルスルホニル)フェニル]-3-(4-メチルフェニル)-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(対照化合物 Enamine社製)
「試験方法」
1.プラスミドの構築
1-1.リポータープラスミドの構築
pGL3-Promoter-neoプラスミドの作製
pGL3-Promoter Vector (Promega)をBamHIで切断した後、T4 DNAポリメラーゼ(宝酒造)処理により末端平滑化した。一方、pGFP-C1(Clontech)をBsu36I(NEB)で切断した後、T4 DNAポリメラーゼ(宝酒造)処理により末端平滑化し、ネオマイシン耐性遺伝子を含む1.6kbのDNA断片を得た。両DNA断片を連結することにより、ネオマイシン耐性遺伝子がルシフェラーゼ遺伝子と逆向きに挿入されたリポータープラスミドpGL3-Promoter-neoを構築した。
pGL3-TKプラスミドの作製
WO03/099793号パンフレット、第113〜114ページに記載の方法により作成した。
pGL3-TKneoプラスミドの作製
pGL3-Prmoter-neoプラスミドをKpnIおよびXbaI(宝酒造)で切断して、ネオマイシン耐性遺伝子を含む4.7kbのDNA断片を取得した。一方、pGL3-TKプラスミドをKpnIおよびXbaI(宝酒造)で切断して、Luciferase遺伝子を含む1.7kbのDNA断片を取得した。両DNA断片を連結することによりリポータープラスミドpGL3-TKneoプラスミドを構築した。
pGL3-TKneo-IREプラスミドの作製(FXR応答配列の導入)
ヒトIleal bile acid-binding protein (I-BABP)のFXR応答性エレメント(FXRE)を含むDNA断片は、以下の5'末端リン酸化合成DNAを用いて作製した。
FXRE-U:5'-pCTAGCCAAGAGGTCATTGACCTTTTTG-3'
FXRE-L:5'-pCTAGCAAAAAGGTCAATGACCTCTTGG-3’
まず、FXRE-U、FXRE-Lをアニーリングした後、プラスミド pGL3-TKneoのNheI 部位に挿入した。挿入断片の塩基配列を決定することにより、FXREが4個タンデムに連結したリポータープラスミドpGL3-TKneo-IREを選択した。
1-2.遺伝子発現プラスミドの構築
pMCMVneoプラスミドの作製
WO03/099793号パンフレット、第112〜113ページに記載の方法により作成した。
ヒトRXRα発現用プラスミドpMCMVneo-hRXRαの作製
WO03/099793号パンフレット、第111〜113ページに記載の方法により作成した。
ヒトFXR遺伝子のクローニング
ヒトFXR遺伝子のクローニングは、ヒト小腸 cDNA(BD Bioscience、商品名:QUICK-Clone cDNA human smallintestine)を鋳型とし、GenBankにおいてAccession Number U68233として登録されている塩基配列を参考に作製したプライマーセット
HF-U:5'-TCAATTGGTACCTTAGGATGGGATCAAAAATGAATC-3'
HF-L:5'-AGTCGCGGCCGCTAATCCCCATCACTGCACGTCC-3'
を用いたPCR法により行った。
ヒト小腸cDNA(1ng/ml) 1μl、10 × Pyrobest buffer II 5μl、2.5mM dNTP溶液4μl、10μMプライマー溶液各2μl、PyrobestDNA polymerase(宝酒造)0.3μl、滅菌水35.7μl を混合して反応液とした。反応液の入ったチューブをPCR装置(アステック社)にセットした後、94℃で2分間処理した。さらに、94℃で30秒間、56℃で30秒間、72℃で2分間のサイクルを45回繰り返した後、72℃で5分間処理した。
PCR産物をアガロースゲル電気泳動し、FXR遺伝子を含む1.4kbの増幅断片をゲルから回収した。この増幅断片をKpnIおよびNotIで処理し、同様に処理したクローニングベクターpBluescriptII(SK+)(宝酒造)と混合し、ligationhigh(東洋紡)を用いてライゲーション反応を行い、プラスミドpBlue-HFを取得した。
ヒトFXR発現用プラスミドの作製
プラスミドpMCMVneoの5.6Kb KpnI-NotI断片と上記のプラスミドpBlue-HFのhFXR遺伝子を含む1.4kb KpnI-NotI断片とを連結し、プラスミドpMCMVneo-hFXRを作製した。
2.トランスフェクション
150cm2tissue culture flask(コーニング社)に10%のウシ胎児血清を含むDMEM培地(Invitrogen)中にCOS-1細胞を5× 106個播種し、37℃ 5% CO2条件下で24時間培養した。トランスフェクションはリポフェクトアミン(Invitrogen)を用いて行った。すなわち、2.5μgのpMCMVneo-hFXR、2.5μg のpMCMVneo-hRXRα、5μg のpGL3-TKneo-IRE、5μgのpRL-Tk(Promega)、100μlのPLUSReagent(Invitrogen)を55μMの2-Mercaptoethanolを含む2.5mlのOpti-MEM I中に懸濁し、15分間室温で静置した(DNA溶液)。さらに、125μlのリポフェクトアミンを55μMの2-Mercaptoethanolを含む2.5ml のOpti-MEM I中に懸濁してから上記DNA溶液と混合し、15分間室温で静置して5ml のDNA-リポフェクトアミン複合体を含む溶液を作製した。COS-1細胞の培養液をOpti-MEMI 20mlに交換して、5mlの上記溶液を添加し、37℃、5% CO2条件下で3時間培養した。次いで、0.1%のBSA(脂肪酸不含)(和光純薬)を含むDMEM培地(Invitrogen)を25ml添加し、さらに、37℃、5%CO2条件下で24時間培養した。
3.リポーター活性の測定
「2.トランスフェクション」でトランスフェクションした細胞を回収し、0.1%のBSA(脂肪酸不含)(和光純薬)を含むDMEM培地(Invitrogen)に2×105個/mlとなるように懸濁した後、96well Assay Plate(コーニング社)の各ウェルへ細胞懸濁液を40μlずつ播種した。続いて、化合物を5μlおよび刺激剤として300μMのケノデオキシコール酸(和光純薬)を5μl添加し(終濃度 30μM)、37℃ 5% CO2条件下で48時間培養した。培地を除去後、Hank’s Balanced Salt Solution (CAMBLEX社)で2倍希釈したピッカジーンLT7.5(東洋インキ)を20μl添加し、撹拌後、1420ARVO Multilabel Counter(Wallac社)を用いてルシフェラーゼ活性を測定した。
4.阻害率の計算
30μMのケノデオキシコール酸添加条件でのルシフェラーゼ活性を100%、ケノデオキシコール酸無添加条件でのルシフェラーゼ活性を0%とした百分率で算出し、化合物濃度と百分率の値をPRISM3.0(グラフパッド社)を用いて解析することにより、化合物のIC50値を算出した。その結果を表27に示す。
「試験結果」
Figure 2008273847
製剤例1
化合物(IA)を有効成分として含有するFXR阻害剤(例、高脂血症治療剤等)は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
なお、以下の処方において活性成分以外の成分(添加物)は、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格または医薬品添加物規格における収載品等を用いることができる。
1.カプセル剤
(1)実施例A1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例A1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
3.カプセル剤
(1)実施例A1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
4.錠剤
(1)実施例A1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
5.カプセル剤
(1)実施例A1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
6.錠剤
(1)実施例A1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
製剤例2
化合物(IB)を有効成分として含有するFXR阻害剤(例、高脂血症治療剤等)は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
なお、以下の処方において活性成分以外の成分(添加物)は、日本薬局方、日本薬局方外医薬品規格または医薬品添加物規格における収載品等を用いることができる。
1.カプセル剤
(1)実施例B1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例B1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
3.カプセル剤
(1)実施例B1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
4.錠剤
(1)実施例B1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
5.カプセル剤
(1)実施例B1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
6.錠剤
(1)実施例B1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
化合物(I)は、FXR阻害作用を示すので、高脂血症(例、高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症)またはアテローム性動脈硬化症の予防および/または治療剤として非常に有用である。

Claims (10)

  1. 式(IA):
    Figure 2008273847

    [式中、
    環Aは、
    Figure 2008273847

    または
    Figure 2008273847

    を;
    A1は、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
    A2は、ハロゲン原子を;
    A3は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
    は、炭素原子または窒素原子を;
    A4は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基またはC1−6アルキル基を;
    は、メチレンまたはエチレンを;
    は、結合手またはメチレンを;
    A5は、−W−C(=O)H、−W−COORA6または−W−O−RA6を示す(ここで、Wは、結合手、C1−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンを;RA6は、水素原子、または1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す)]
    で示される化合物(但し、
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸エチル;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸エチル;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸メチル;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸メチル;
    4-(3-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-2-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピロリジン-1-イル)安息香酸;
    4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル;
    4-(4-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸;
    4-(4-{2-[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-3-メチル-1H-インドール-1-イル]エチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸メチル;
    4-(4-{[6-({[1-tert-ブチル-5-(4-フルオロフェニル)-1H-ピラゾール-4-イル]カルボニル}アミノ)-1H-インダゾール-1-イル]メチル}ピペリジン-1-イル)安息香酸;
    を除く)またはその塩。
  2. 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  3. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  4. FXR阻害剤である、請求項3記載の医薬。
  5. 高脂血症またはアテローム性動脈硬化症の予防および/または治療剤である、請求項3記載の医薬。
  6. 式(IB):
    Figure 2008273847

    [式中、
    環Aは、
    Figure 2008273847

    または
    Figure 2008273847

    を;
    B1は、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
    B2は、ハロゲン原子を;
    B3は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を;
    B4は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはアミノ基を;
    は、結合手またはメチレンを;
    B5は、−W−C(=O)H、−W−COORB6または−W−O−RB6を示す(ここで、Wは、結合手、C1−6アルキレンまたはC3−6シクロアルキレンを;RB6は、水素原子、または1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す)]
    で示される化合物またはその塩。
  7. 請求項6記載の化合物のプロドラッグ。
  8. 請求項6記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  9. FXR阻害剤である、請求項8記載の医薬。
  10. 高脂血症またはアテローム性動脈硬化症の予防および/または治療剤である、請求項8記載の医薬。
JP2007116245A 2007-04-25 2007-04-25 複素環化合物 Withdrawn JP2008273847A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007116245A JP2008273847A (ja) 2007-04-25 2007-04-25 複素環化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007116245A JP2008273847A (ja) 2007-04-25 2007-04-25 複素環化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008273847A true JP2008273847A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40052304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007116245A Withdrawn JP2008273847A (ja) 2007-04-25 2007-04-25 複素環化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008273847A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011107494A1 (de) 2010-03-03 2011-09-09 Sanofi Neue aromatische glykosidderivate, diese verbindungen enthaltende arzneimittel und deren verwendung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011107494A1 (de) 2010-03-03 2011-09-09 Sanofi Neue aromatische glykosidderivate, diese verbindungen enthaltende arzneimittel und deren verwendung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007052843A1 (ja) 複素環アミド化合物およびその用途
CN104350042B (zh) 脑啡肽酶抑制剂
EP3157917B1 (en) Compounds, compositions and methods of increasing cftr activity
KR102137517B1 (ko) 신규 5-아미노테트라히드로퀴놀린-2-카르복실산 및 그의 용도
JP4866901B2 (ja) 3環系化合物
TWI468410B (zh) 稠環化合物及其用途
EA021479B1 (ru) Замещенные производные карбамоилметиламиноуксусной кислоты в качестве новых ингибиторов nep
CN101646653A (zh) 作为ppar-y的部分激动剂的稠环化合物
WO2004020393A1 (ja) ジベンジルアミン化合物及びその医薬用途
WO2008044767A1 (fr) Dérivé d'amine aromatique et utilisation de celui-ci
CA2833493A1 (en) Amide compound and pharmaceutical application therefor
EA010132B1 (ru) Производные триазола в качестве антагонистов вазопрессина
JP2006056881A (ja) 縮合環化合物
EA030634B1 (ru) Индановые и индолиновые производные и их применение в качестве активаторов растворимой гуанилатциклазы
WO2006030975A1 (ja) ピペリジン誘導体およびその用途
JP2017519025A (ja) チオフェン−2−イル−ピリジン−2−イル−1h−ピラゾール−4−カルボン酸誘導体、および可溶性グアニル酸シクラーゼ活性化剤としてのその使用
CN106029648A (zh) 作为肾上腺素能受体α2C拮抗剂的取代的联哌啶基衍生物
CA2615209A1 (en) Mc4r-ag0nists for the treatment of urinary tract dysfunction
TW202003472A (zh) 鈣蛋白酶(calpain)調節劑及其醫療用途
BR112019022553A2 (pt) novo derivado de tetrahidronaftil ureia
JP2010248183A (ja) 複素環化合物
CA2660538A1 (en) Nitrate esters of piperidines
JP2001240593A (ja) 高トリグリセリド血症治療薬及び抗肥満薬
JP2008273847A (ja) 複素環化合物
JP2003081832A (ja) レチノイド関連受容体機能調節剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100706