JP2008272587A - 含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置 - Google Patents

含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008272587A
JP2008272587A JP2007039461A JP2007039461A JP2008272587A JP 2008272587 A JP2008272587 A JP 2008272587A JP 2007039461 A JP2007039461 A JP 2007039461A JP 2007039461 A JP2007039461 A JP 2007039461A JP 2008272587 A JP2008272587 A JP 2008272587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
halogen
organic compound
gas
rear stage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007039461A
Other languages
English (en)
Inventor
Moritaka Kato
守孝 加藤
Noriaki Mochida
典秋 持田
Kenji Toyoda
研二 豊田
昌稔 ▲高▼田
Masatoshi Takada
Ayaichi Kojima
綾一 小島
Tsukasa Tamai
司 玉井
Junichi Ito
純一 伊藤
Keiji Hashimoto
啓治 橋本
Ryozo Tawaraya
亮三 俵谷
Reiko Yanagawa
玲子 柳川
Akihiro Maeda
彰寛 前田
Kenichi Akishika
研一 秋鹿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Soltec Co Ltd
Original Assignee
JFE Soltec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Soltec Co Ltd filed Critical JFE Soltec Co Ltd
Priority to JP2007039461A priority Critical patent/JP2008272587A/ja
Publication of JP2008272587A publication Critical patent/JP2008272587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

【課題】含ハロゲン有機化合物を分解および固定化し無害化する。
【解決手段】排ガスを回転式吸着装置2に供給し、含ハロゲン有機化合物を吸着剤に吸着させ、不活性ガスにより脱離し、かくして空気と分離しおよび濃縮する。反応器3の前段部に、含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスと機能化酸化カルシウムとを供給し反応させ含ハロゲン揮発性有機化合物を除去する。反応生成物からなる固体を反応器3の後段部に移動させる。反応済みの副生ガスを含むガスを反応器3外に排出し酸化反応器4により副生ガスを酸化し、冷却後、反応器3の後段部に供給し、反応生成物からなる固体と接触させて水分等を吸収して不活性ガスとし、回転式吸着装置2に循環させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、含ハロゲン有機化合物を無害化するための方法および装置に関するものである。
従来の揮発性有機化合物の回収・分解技術については以下のような状況である。
吸着回収法は、吸着剤で排ガス中の揮発性有機化合物を吸収後、減圧あるいは加熱(マイクロ波による加熱も開発研究中)によって脱着・濃縮させて回収する方法であり、揮発性有機化合物が単一成分で濃度も高い場合には最も適した方法である。しかし、揮発性有機化合物が希薄濃度の場合は、経済性で問題となる。
揮発性有機化合物吸着後、プラズマやオゾンによって分解処理する方法では、強力な分解能を有するが反応制御に問題があり、発生した酸に耐性の装置、中和プロセスを必要とする。
含ハロゲン揮発性有機化合物を含む排ガスを直接燃焼炉に導き、高温で燃焼分解(あるいは加水分解)し、急冷(ダイオキシン発生防止)、中和する多段プロセスでは、ハロゲン化合物を無害化させるための薬剤を必要とし、プロセスも複雑となる。また、別途回収した含ハロゲン揮発性有機化合物をこの方法で処理することも可能であるが、難燃性のため分解処理は容易ではない。
含ハロゲン揮発性有機化合物の燃焼無害化処理を、触媒を用いて行わせる方法もある。しかしこの場合も、上記直接燃焼法と比べ、触媒効果によって反応温度を低下させる効果があるが、触媒そのものが発生したハロゲン化合物により、触媒効果を失わされる場合が多い。
また、含ハロゲン有機化合物の一種であるクロロフルオロカーボン(CFC)の破壊処理技術としては、(1)廃棄物焼却炉のロータリーキルン(円筒回転炉)を用いる方法、(2)セメント製造設備のロータリーキルンを用いる方法、(3)ロータリーキルン以外の既存の廃棄物焼却炉等を用いる方法として、都市ごみ直接溶融炉を用いる方法、固定床二段階燃焼炉を用いる方法等、(4)専らCFC等を破壊処理するために開発された技術を用いる方法として、高温水蒸気分解法、高周波プラズマ法等がある。
本発明と同様、酸化カルシウムを用いて含ハロゲン揮発性有機化合物の処理を行う方法として特許文献1もあるが、酸化カルシウムが機能化したものでないため反応温度が高く、(特許文献1の請求項には約400〜700℃と記載されており、実施例では640〜740℃である)、そのため融点の低いハロゲン化カルシウムが酸化カルシウムなどと溶着し、反応器内で固結するおそれがあり、その除去のために余分な装置を追加設置している。
特開2001−347159号公報
本発明は各種の従来技術と異なり、含ハロゲン揮発性有機化合物を含む排ガスあるいは別途回収された含ハロゲン有機化合物を、より緩和され簡単なプロセスで、かつ経済性に優れた条件で分解および固定化しようとするものである。
また、系から排出される気体、固体は、特別な処理無しに無害化されて排出できることが必然である。
更に、揮発性含ハロゲン有機化合物のみならず、別途回収されたクロロフルオロカーボンなどの含ハロゲン有機化合物についても同様に処理しようとするものである。
本発明は、以上の課題を同時に解決するための方法および装置に関する技術である。
本発明は、安価な酸化カルシウムを出発原料として機能化した酸化カルシウムを作製し、含ハロゲン揮発性有機化合物を含む排ガスおよび別途回収されたクロロフルオロカーボンなどの含ハロゲン有機化合物を分解および固定化する技術で、上記の[発明が解決しようとする課題]を同時に解決するものである。
つまり、高機能な原料と同時に、それを最大限働かせる場を必要とする。そのために考案されたのが前段部と後段部に分割してそれぞれに別の機能を持たせた反応器であり、その機能を最大限有効に用いるための設備全体のシステムである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 含ハロゲン有機化合物を分解および固定化し無害化する方法において、分解および固定化の機能を有する、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1つと結合した多孔性アルカリ土類金属化合物からなる処理剤と含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスとを、反応器に供給して反応させることを特徴とする含ハロゲン有機化合物の無害化方法。
[2] 含ハロゲン有機化合物を分解および固定化し無害化する方法において、分解および固定化の機能を有する処理剤と含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスとを、前段部と後段部の2段に仕切られた反応器の前段部に供給して反応させ、反応生成物からなる固体を反応器の後段部に移動させ、一方、反応器の前段部において含ハロゲン揮発性有機化合物が分解および固定化される際に副生する還元性ガスを含むガスを前記反応器外の酸化反応器によって還元性ガスを酸化させ、冷却した後、反応器の後段部に供給し、反応器の後段部に移動させた前記反応生成物からなる固体と反応させることを特徴とする含ハロゲン有機化合物の無害化方法。
[3] 含ハロゲン揮発性有機化合物を吸着する機能を有する吸着剤を備える回転式吸着装置を用い、含ハロゲン揮発性有機化合物を前記回転式吸着装置により吸着させ、所定温度に加熱された不活性ガスを用いて脱離し、かくして空気と分離されおよび濃縮された含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスを、反応器の前段部に供給する前記[2]に記載の方法。
[4] 回転式吸着装置に供給する不活性ガスとして、反応器の後段部から排出される反応済みのガスを循環させて用いる前記[3]に記載の方法。
[5] 反応器の後段部から排出される反応済みのガスを、反応器の前段部から排出され酸化反応により酸化させ高温となった還元性ガスを含むガスと熱交換して加熱し、しかる後に回転式吸着装置に供給し循環させる前記[3]または[4]に記載の方法。
[6] 反応器の前段部から排出され酸化反応により高温となったガスを、反応器の後段部から排出される反応済みのガスと熱交換することにより冷却し、更に水との熱交換により冷却し、反応器の後段部に供給し、反応器の後段部内の圧力を前段部よりも高くする前記[2]から[5]のうちの何れか1に記載の方法。
[7] 前記処理剤として、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1つと結合した多孔性アルカリ土類金属化合物を用いる前記[2]から[6]のうちの何れか1に記載の方法。
[8] 前段部と後段部の2段に仕切られた反応器の前記前段部と後段部との間に、固体のみを前記前段部から後段部に移動可能な駆動機構が設けられ、含ハロゲン有機化合物を含有する不活性ガスと含ハロゲン有機化合物を分解および固定化する機能を有する処理剤とを、前記反応器の前段部に供給して反応させて含ハロゲン揮発性有機化合物を分解および固定化し、反応生成物からなる固体のみが前記駆動機構により反応器の後段部に移動し、含ハロゲン揮発性有機化合物が分解および固定化する際に副生する還元性ガスを含むガスは、反応器の後段部に移動しないことを特徴とする含ハロゲン有機化合物の無害化装置。
[9] 含ハロゲン有機化合物を吸着する機能を有する吸着剤を備える回転式吸着装置を備え、前記回転式吸着装置は、含ハロゲン有機化合物を吸着させ、所定温度に加熱された不活性ガスを用いて脱離し、かくして空気と分離されおよび濃縮された含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスが前記反応器の前段部に供給される前記[8]に記載の装置。
[10] 副生された前記還元性ガスを空気により酸化するための酸化反応器が、前記反応器外に設けられている前記[8]または[9]に記載の方法。
[11] 前記酸化反応器により酸化され高温となった還元性ガスを含むガスを、反応器の後段部から排出される反応済みの不活性ガスと熱交換して冷却し、冷却された前記ガスを前記反応器の後段部に供給し、前記後段部に移動している前記反応生成物と反応させる機構を備える前記[10]に記載の装置。
[12] 反応器の後段部から排出される反応済みの不活性ガスを、反応器の前段部から排出され酸化反応により酸化させ高温となった還元性ガスを含むガスと熱交換して加熱し、前記回転式吸着装置に供給する機構を備える前記[9]から[11]のうちの何れか1に記載の装置。
[13] 前記処理剤が、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1つと結合した多孔性アルカリ土類金属化合物である前記[8]から[12]のうちの何れか1に記載の装置。
含ハロゲン揮発性有機化合物を分解および固定化する機能を有する処理剤は、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウムなどのカルシウムの有機酸塩、あるいは、カルシウム化合物に、(廃棄物など安価な)有機酸を含浸あるいは混合したものなどを、不活性気体雰囲気で600〜900℃の高温度で焼成して酸化カルシウムとすることにより得られる。その際、有機酸化合物の分解によって生じる炭素が、酸化カルシウム上に蓄積されると同時に、生成した酸化カルシウム自体も高比表面積を有することにより活性化され、いわゆる機能化した酸化カルシウムを生じさせることによって、含ハロゲン有機化合物の分解および固定化を容易にさせるものである。以下、「機能化酸化カルシウム」という。更に、機能化酸化カルシウムは嵩密度が小さくなり、反応温度も350〜550℃であるため、生成物の固結は一切生じていない。有機酸は、廃棄物など安価なものを用いることができる。
含ハロゲン揮発性有機化合物は、機能化酸化カルシウムと反応させる前に、回転式吸着装置に排ガスのまま供給される。回転式吸着装置として、例えば、ハニカムローターを備える装置を用いる。ハニカムローターは吸着剤を装着している。回転式吸着装置において含ハロゲン揮発性有機化合物を含む排ガスは、ハニカムローターにより吸着された後、回転の後方工程において、(循環する)不活性ガスによりハニカムローターの吸着から脱離する。このように回転式吸着装置および不活性ガスによって含ハロゲン揮発性有機化合物の吸着および脱離が行われ、かくして濃縮と空気との分離が行われる。
そして、含ハロゲン揮発性有機化合物は、ロータリーバルブなどの駆動機構により前段部と後段部に仕切られた反応器に導かれ、反応器の前段部において、機能化酸化カルシウムと並流で供給されて反応し、分解および固定化される。
一例として、トリクロロエチレンについて説明する。トリクロロエチレンの分解および固定化反応は、450℃において以下のように進行する。ここで、sは固体を、gは気体を示す。
2CaO(s)+C2HCl3(g)→3/2CaCl2(s)+1/2CaCO3(s)+3/2C(s)+1/2H2O(g)・・・(1)
この反応は、常圧で350〜550℃が最適な反応条件であり、強い発熱反応である。反応を効率的に行わせるために、機能化酸化カルシウムと予熱された含ハロゲン有機化合物を含む不活性ガスを、反応器の前段部に並流で供給する。トリクロロエチレンの場合、酸化カルシウムを理論量より若干過剰に加えると、トリクロロエチレンは、上記反応式(1)によりほぼ100%反応を完結する。
分解および固定化される際に、上記反応式(1)の生成物であるCとH2Oは、1部が反応して、下記式(2)によりCOとH2を副生する。
C(s)+H2O(g)→CO(g)+H2(g)・・・(2)
反応終了後、不活性気体中には、上記副生物質(還元物質)CO、H2を含むため、これらを酸化触媒により酸化し(CO2、H2O等)無害化する。この不活性ガスは、反応熱により昇温され、更に、酸化反応により高温となるため、この熱を熱交換器による循環ガスの予熱に用いる。
反応器は、前段部と後段部との間に設けたロータリーバルブなどの駆動機構によって仕切られており、前段部において反応の進んだ固体(反応生成物)は、ロータリーバルブにより反応器の後段部に送られる。
反応器の形式は並流型が好ましい。反応器の前段部において、炭素により機能化された固体の酸化カルシウム(機能化酸化カルシウム)と予熱された含ハロゲン有機化合物を含む排ガスとを、並流で供給する理由は、常にフレッシュな機能化酸化カルシウムと排ガスとが接触できるようにするためである。これに対し対向流(向流)とした場合には、未反応の有機塩素化合物が、反応の進んだ機能化酸化カルシウムが後段部に移る際に、残留して同伴される恐れがある。
トリクロロエチレンの場合、反応器の前段部および後段部を含む全反応はおおよそ下記式(3)により進行する。ここで、Cが反応し、最終的にはCO2となる量に対し、CaOの補給を必要とする。
5/2CaO(s)+C2HCl3(g)→3/2CaCl2(s)+1/2CaCO3(s)+3/2C(s)+1/2Ca(OH)2(s)・・・(3)
反応器の前段部で反応済みのガスは該前段部から排出され、副反応で発生したCO、H2等のガスは、反応器の外部に設けた接触酸化反応器によって酸化されてCO2、H2O等となる。そして、酸化後の発生ガスは、熱交換器、クーラーにより冷却されて反応器の後段部に送られる。反応器の後段部において、この発生ガスは反応済みの固体(反応生成物)と接触し、つまり未反応の酸化カルシウムおよび反応で生成した塩化カルシウムによって発生ガス中のCO2、H2O等が吸収され除去される。CO2、H2O等が吸収されたガスは、不活性ガスであり、回転式吸着装置に循環させて再利用する。
上記のように機能化酸化カルシウムの機能を維持するため、不活性ガスを循環使用させて系内を還元雰囲気に維持することが好ましい。不活性ガスとして用いる代表的なものは窒素である。不活性ガスを系内で循環再使用できるようにすることにより、新たな不活性ガスの供給を不要あるいは少量とし、経済上効果的である。
本発明によれば、機能化酸化カルシウムを用いることにより、含ハロゲン有機化合物の分解および固定化を、環境負荷のない酸化カルシウムを高機能化した新材料により、環境負荷の少ない物質へ効率良く交換することができる。更に、安価な酸化カルシウムを出発原料とする機能化酸化カルシウムの使用と、回転式吸着装置において吸着剤に吸着した含ハロゲン有機化合物の脱離に用いられる不活性ガスを循環して再利用できるように構成することにより、窒素等の高価な不活性ガスの使用量を低減し、経済的に有利な条件で達成することができる。また、化学物質のリスク削減に資することができ、削減効果が大きく、汎用性が高く、かつ安価で多くの事業者等にとって設置可能な装置を普及させることができる有用な効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る排ガス中に含まれる含ハロゲン揮発性有機化合物を処理する場合のフローを示す図、図2は、反応器を示す説明図である。
図1に示すように、回転式吸着装置2は、吸着剤を構成する回転可能なハニカムローターを備える。ハニカムローターは、吸着剤をハニカムマトリックス内に結合焼成させた濃縮ローターからなる。吸着剤として、活性炭、ゼオライト、繊維状カーボンなどが用いられる。回転式吸着装置2の(1)部(図1参照)は吸着部であり、ここに含ハロゲン揮発性有機化合物が吸着される。ハニカムローターは時計回りに回転するようになっている。吸着装置2の(2)部において、不活性ガスを主成分とする150〜220℃に加熱された高温のガス(循環ガス)によって、含ハロゲン揮発性有機化合物はハニカムローター(吸着剤)から脱離される。不活性ガスの加熱は、熱交換器5においてなされる。ヒータが用いられる場合もある。
回転式吸着装置2の(3)部は冷却部で、ハニカムローターは含ハロゲン揮発性有機化合物を除かれた排ガスにより冷却されて吸着部(1)に移動する。また、含ハロゲン揮発性有機化合物を吸着後の排ガスは、大気放散される。このように処理された含ハロゲン揮発性有機化合物を含む不活性ガスは、反応器3に送られる。
図1〜2に示すように、反応器3は上部の前段部3aと下部の後段部3bとからなり、前段部3aと後段部3bとの間にロータリーバルブ(駆動機構)8が設けられている。ロータリーバルブ8の作用により、反応器3の前段部3aから後段部3bへ反応生成物のうちの固体のみが移動できるようになっている。反応器3の後段部3bで反応済みの機能性酸化カルシウム(塩化カルシウム)により、後段部3bに供給されるガスの水分の除去が行われる。反応温度70℃の場合40%、50℃の場合約81%が削減される。後段部3bの反応温度は低温(50℃以下)が好ましい。そのため、ガスを冷却するばかりではなく、反応生成物も冷却する必要があり、ロータリーバルブ8は、耐熱性と排出固体の冷却をかねて、水冷式とする。
反応器3の外部には、図1に示すように、接触酸化反応器4、熱交換器5、クーラー6、循環ブロア7が設けられており、反応器3の前段部3aからこれら装置4〜7を経由して反応器3の後段部3bに至る系が構成されている。更に、反応器3の後段部3bから熱交換器5を経由して吸着装置2に至る系が構成されている。
[作用]
含ハロゲン揮発性有機化合物を含むガス(排ガス)は、ブロア1により系内に導入され、回転式吸着装置2に供給される。そして、吸着装置2により濃縮され空気と分離される。
含ハロゲン揮発性有機化合物を分解および固定化するための機能化酸化カルシウム(機能化CaO)は、バルブ9を介して貯蔵庫10から反応器3の前段部3aに供給される。貯蔵庫10では、機能化酸化カルシウムが空気と接触しないように不活性ガス(窒素)によってシールされている。
吸着装置2により濃縮され空気と分離された含ハロゲン揮発性有機化合物を含む不活性ガスは、機能化酸化カルシウムとともに反応器3の前段部3aの上部から並流で供給され、両者は並流で移動しながら反応が進行する。反応器3は当初予熱しておくが、反応により発生する熱により、最適な反応温度に維持される。
反応器3の前段部3aにおいて反応済みの副生ガス(還元性ガス)は、他のガスとともに前段部3aから酸化を行う接触酸化反応器4に吸引され、空気(air)により酸化される。酸化後のガスを含む発生ガスは、熱交換器5まで送られ、反応器3の後段部3bから送られてくる、系内を循環する不活性ガスを主成分とするガス(循環ガス)によって、該熱交換器5において熱交換されて冷却される。次いで、クーラー6に送られここで水との熱交換により更に冷却降温され、反応器3の後段部3bに循環ブロア7により供給される。
一方、反応器3の前段部3aにおいて反応済みの固体(反応生成物)は、ロータリーバルブ8によって反応器3の後段部3bに移動される。後段部3bに移動した固体は、後段部3bに送られてくる、熱交換器5、クーラー6により冷却された上記の発生ガスと対向流により接触し、該発生ガス中のCO2、H2O(水分)などが、未反応の酸化カルシウムおよび反応で生成した塩化カルシウム等の固体により吸収され除去される。この固体と発生ガスとの接触は、吸収の効率化のため上記のように発生ガスを後段部の下方から上方に向けて供給して対向流(向流)により反応させて行う。また、該発生ガスが後段部3bに循環ブロア7により供給されるので、後段部3b内が高圧に保たれ、前段部3a内のガスが後段部3bに流入してこない(漏れてこない)。
このようにして、発生ガスからCO2、H2O(水分)などが除去された、反応器3の後段部3bのガスは、不活性ガス(窒素)を主体とするガスであり、熱交換器5に循環ガスとして送られ、熱交換器5で熱交換により加熱されそして吸着装置2に供給される。このように、使用済みの不活性ガスを再利用することができるので効率的且つ経済的である。不活性ガスに不足が生じた場合にのみ、補給用の窒素が熱交換器5の手前で補給される。
反応器3の後段部3aにおいてCO2、H2O(水分)などを吸収した固体(CaCl2、XH2O、CaCO3、Ca(OH)2)は、ロータリーバルブ11により下方に運ばれ処分される。
次に、排ガス中に含まれる含ハロゲン揮発性有機化合物を、機能化酸化カルシウムを用いて処理するとともに、ガスを有効に循環させる本発明の実施例を説明する。
(1)回転式吸着装置はすでに実用化されているが、このプロセスの構成には欠かせないものである。含ハロゲン揮発性有機化合物を含んだガスは、溶剤として用いられる機械洗浄や塗装などにおいては空気に揮発して同伴されるため、温度は常温である。それに対し、吸着された含ハロゲン揮発性有機化合物を脱離させる不活性ガスは、熱交換で50℃から200℃に昇温されて回転式吸着装置に導入される。回転式吸着装置において、含ハロゲン揮発性有機化合物はおよそ10〜15倍に濃縮される。この熱交換の対象となるガスは、反応温度450℃で反応器を出る。更にガス中に含まれる還元性ガスを燃焼させるため、その分の温度上昇数十℃もあるが、配管からのヒートロスで相殺される。従って、不活性ガスは、装置の立ち上げ時以外、特に外部からの加熱は必要としない。
(2)a.用いる機能化酸化カルシウムは、クエン酸カルシウムを粒状にし、4.0mm−2.0mmの篩い分けしたのち、1インチのステンレス管に21gを詰め、800℃で6時間保持炭素を析出させた酸化カルシウムを用いた。図3は、機能化酸化カルシウム(機能化CaO)と酸化カルシウム(CaO)とを比較して示す写真である。機能化酸化カルシウムは、嵩高く(嵩比重0.3)、流動性に優れ、取り扱いが容易で、試薬CaOの10倍以上反応性が高い。両者とも、CaCl2への変化および沈着炭素により、反応後実体積が20%程度増加する(図3参照)。
b.この機能化酸化カルシウムを原料とした固定層で、20μl/分のトリクロロエチレン(含ハロゲン揮発性有機化合物)を供給し窒素中に1%の濃度となるように調整して固定化分解反応を450℃の条件で行わせた。
c.その結果、排ガスをガスクロによる測定を続けたところ、2.5時間まではトリクロロエチレンは検出されず100%分解した。この間、H2は800〜2200ppmが検出され、COは400〜500ppmが検出された。CO2は検出されなかった。
反応器の形式を並流型にしたのは、以下の理由による。固定層反応器のデータを下に、シミュレーションを行い、その計算結果では未反応のトリクロロエチレンが向流式より並流式のほうが少ない。更に、ガス入り口のトリクロロエチレンの濃度の高いガスが、排出される反応済みの機能性酸化カルシウムに同伴され、未反応のままで排出される恐れがないとはいえない。
(3)a.酸化触媒を使って副生ガス中の還元性物質(特にH2とCO)を酸化させるには、400〜500℃は最適温度である。排ガス中の還元性物質の量からして、数十℃の温度上昇の可能性がある。これは循環している不活性ガスとの熱交換により、300℃以下に下げられるが、更に水冷却熱交換器により50℃以下にまで下げられる。
b.反応済みの機能性酸化カルシウム(塩化カルシウム)により、水分の除去が行われるが、反応温度70℃の場合40%、50℃の場合約81%が削減された。後段の反応温度は低温(50℃以下)が好ましい。そのため、ガスを冷却するばかりではなく、反応生成物も冷却する必要がある。そのためには、反応器の中間に設けられているロータリーバルブは、耐熱性と排出固体の冷却をかねて、水冷式とする。
本発明の実施の形態に係る排ガス中に含まれる含ハロゲン揮発性有機化合物を処理する場合のフローを示す図である。 本発明の実施の形態に係る反応器を示す説明図である。 機能化酸化カルシウムと酸化カルシウムとを比較して示す写真である。
符号の説明
1 ブロア
2 回転式吸着装置
3 反応器
3a 反応器の前段部
3b 反応器の後段部
4 接触酸化反応器
5 熱交換器
6 クーラー
7 循環ブロア
8 ロータリーバルブ
9 バルブ
10 貯蔵庫
11 ロータリーバルブ

Claims (13)

  1. 含ハロゲン有機化合物を分解および固定化し無害化する方法において、分解および固定化の機能を有する、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1つと結合した多孔性アルカリ土類金属化合物からなる処理剤と含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスとを、反応器に供給して反応させることを特徴とする含ハロゲン有機化合物の無害化方法。
  2. 含ハロゲン有機化合物を分解および固定化し無害化する方法において、分解および固定化の機能を有する処理剤と含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスとを、前段部と後段部の2段に仕切られた反応器の前段部に供給して反応させ、反応生成物からなる固体を反応器の後段部に移動させ、一方、反応器の前段部において含ハロゲン揮発性有機化合物が分解および固定化される際に副生する還元性ガスを含むガスを前記反応器外の酸化反応器によって還元性ガスを酸化させ、冷却した後、反応器の後段部に供給し、反応器の後段部に移動させた前記反応生成物からなる固体と反応させることを特徴とする含ハロゲン有機化合物の無害化方法。
  3. 含ハロゲン揮発性有機化合物を吸着する機能を有する吸着剤を備える回転式吸着装置を用い、含ハロゲン揮発性有機化合物を前記回転式吸着装置により吸着させ、所定温度に加熱された不活性ガスを用いて脱離し、かくして空気と分離されおよび濃縮された含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスを、反応器の前段部に供給する請求項2に記載の方法。
  4. 回転式吸着装置に供給する不活性ガスとして、反応器の後段部から排出される反応済みのガスを循環させて用いる請求項3記載の方法。
  5. 反応器の後段部から排出される反応済みのガスを、反応器の前段部から排出され酸化反応により酸化させ高温となった還元性ガスを含むガスと熱交換して加熱し、しかる後に回転式吸着装置に供給し循環させる請求項3または4に記載の方法。
  6. 反応器の前段部から排出され酸化反応により高温となったガスを、反応器の後段部から排出される反応済みのガスと熱交換することにより冷却し、更に水との熱交換により冷却し、反応器の後段部に供給し、反応器の後段部内の圧力を前段部よりも高くする請求項2から5のうちの何れか1に記載の方法。
  7. 前記処理剤として、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1つと結合した多孔性アルカリ土類金属化合物を用いる請求項2から6のうちの何れか1に記載の方法。
  8. 前段部と後段部の2段に仕切られた反応器の前記前段部と後段部との間に、固体のみを前記前段部から後段部に移動可能な駆動機構が設けられ、含ハロゲン有機化合物を含有する不活性ガスと含ハロゲン有機化合物を分解および固定化する機能を有する処理剤とを、前記反応器の前段部に供給して反応させて含ハロゲン揮発性有機化合物を分解および固定化し、反応生成物からなる固体のみが前記駆動機構により反応器の後段部に移動し、含ハロゲン揮発性有機化合物が分解および固定化する際に副生する還元性ガスを含むガスは、反応器の後段部に移動しないことを特徴とする含ハロゲン有機化合物の無害化装置。
  9. 含ハロゲン有機化合物を吸着する機能を有する吸着剤を備える回転式吸着装置を備え、前記回転式吸着装置は、含ハロゲン有機化合物を吸着させ、所定温度に加熱された不活性ガスを用いて脱離し、かくして空気と分離されおよび濃縮された含ハロゲン揮発性有機化合物を含有する不活性ガスが前記反応器の前段部に供給される請求項8に記載の装置。
  10. 副生された前記還元性ガスを空気により酸化するための酸化反応器が、前記反応器外に設けられている請求項8または9に記載の装置。
  11. 前記酸化反応器により酸化され高温となった還元性ガスを含むガスを、反応器の後段部から排出される反応済みの不活性ガスと熱交換して冷却し、冷却された前記ガスを前記反応器の後段部に供給し、前記後段部に移動している前記反応生成物と反応させる機構を備える請求項10に記載の装置。
  12. 反応器の後段部から排出される反応済みの不活性ガスを、反応器の前段部から排出され酸化反応により酸化させ高温となった還元性ガスを含むガスと熱交換して加熱し、前記回転式吸着装置に供給する機構を備える請求項9から11のうちの何れか1に記載の装置。
  13. 前記処理剤が、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1つと結合した多孔性アルカリ土類金属化合物である請求項8から12のうちの何れか1に記載の装置。
JP2007039461A 2007-02-20 2007-02-20 含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置 Pending JP2008272587A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007039461A JP2008272587A (ja) 2007-02-20 2007-02-20 含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007039461A JP2008272587A (ja) 2007-02-20 2007-02-20 含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008272587A true JP2008272587A (ja) 2008-11-13

Family

ID=40051256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007039461A Pending JP2008272587A (ja) 2007-02-20 2007-02-20 含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008272587A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010221089A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Jfe Engineering Corp 含塩素揮発性有機化合物の無害化方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010221089A (ja) * 2009-03-19 2010-10-07 Jfe Engineering Corp 含塩素揮発性有機化合物の無害化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4615443B2 (ja) 燃焼排ガス処理装置及び処理方法
US5456891A (en) Process for the purification of contaminated exhaust gases from incineration plants
JP2007039296A (ja) セメント製造装置の排ガスの処理方法及び処理システム
JP2977759B2 (ja) 排ガスの乾式処理方法及び装置
JP2008272587A (ja) 含ハロゲン有機化合物の無害化方法および装置
JPH1176756A (ja) ダイオキシン類の低温熱分解方法
KR100830843B1 (ko) 알칼리용융염을 이용한 할로겐화 휘발성 유기화합물의처리방법
JP4124584B2 (ja) 廃棄物処理炉の排ガス中ダイオキシン類除去方法
JPH07163832A (ja) 排ガスの処理方法
JP2001259607A (ja) 重金属又は有機塩素化合物の処理方法及び装置
JP2000015058A (ja) 焼却炉の排ガス処理装置及び方法
JPS5933410B2 (ja) オゾンの除去方法
JP2548665B2 (ja) 吸着処理方法
JP3645237B2 (ja) 有機ハロゲン化合物で汚染された汚染物質の処理設備における吸着材の再生方法
JP2000015057A (ja) 焼却炉の排ガス処理装置及び方法
JP2000079320A (ja) 焼却炉排ガスの高度処理方法
JPH108118A (ja) 廃棄物焼却排ガスからの製鋼用脱硫剤の製造方法
KR102391990B1 (ko) 습식세정탑을 이용한 유해가스 및 중금속을 동시에 제거할 수 있는 고효율 처리장치
JPH0910553A (ja) 揮発性有機ハロゲン化合物含有排ガスの処理方法
JP3734963B2 (ja) 混合溶融塩による有機塩素化合物等の無害化処理方法
JP2004298828A (ja) 循環資源資材料とその製造方法
JP4891887B2 (ja) 白金系触媒装置又はパラジウム系触媒装置を用いた有機ハロゲン化合物を含む廃棄物の加熱処理方法及び加熱処理装置
JP3289243B2 (ja) 水性流れから汚染物を除去する熱処理法
JP2003053140A (ja) 燃焼排ガスの処理剤及び処理方法
JPH11179143A (ja) 排ガスの処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090513