JP2008272453A - 多孔質体の製造方法およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 予め多孔質化された2以上の部材を接着剤等により接着させる方法ではなく、多孔質化処理によって、所望の領域において物性が異なる多孔質体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 重合体と原料調製用溶媒とを含む原料を調製する。前記原料は、異なる組成の原料を少なくとも2種類以上調製する。そして、前記各原料を所望の形状となるように凍結して、前記各原料の凍結体を形成する。形成した凍結体同士を接触させ、前記凍結体の集合体を形成し、前記集合体を、前記凍結体の溶融が開始される条件下に曝した後、前記集合体を凍結乾燥する。これによって、物性が異なる領域を有する多孔質体を得ることができる。このような多孔質体は、例えば、癒着防止材や細胞培養等の足場材料として使用できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、多孔質体、特に、組織工学や再生医工学を中心とする医療分野において、癒着防止剤や細胞の足場材料等として有用な多孔質体の製造方法に関する。
再生医療工学や組織工学等の分野において、様々な人工材料を、治療の補助材や生体組織の代替物として使用することが試みられている。具体例として、外科治療においては、組織間の癒着を防止する癒着防止材、再生医療においては、細胞培養のための足場材料、生体組織の代替物としては、人工血管や人工気管等が、実際に実用化されている。
このような人工材料としては、例えば、重合体製の多孔質体が広く使用されている。重合体製の多孔質体は、例えば、重合体の溶液を凍結乾燥することによって製造できる(特許文献1〜特許文献4)。しかしながら、同じように重合体から形成される多孔質体であっても、例えば、生体における適用部位や、その使用目的に応じて、種々の性質・機能が求められる。
前記癒着防止材は、例えば、患者の体内における保護対象組織(例えば、損傷部位)の表面に配置される。そして、前記保護対象組織の治癒を妨げず、且つ、治癒期間中に前記保護対象組織と周囲の組織との癒着を防止することが目的とされる。この機能を十分に発揮するため、前記癒着防止材は、まず、前記保護対象組織との接触面が、細胞の侵入性に優れることが望ましい。これによって、前記癒着防止材と前記保護対象組織との接着性が向上し、例えば、縫合等を省略することが可能になる。他方、前記癒着防止材は、前記周囲組織との接触面が、例えば、前記細胞の侵入性に劣ることが望ましい。これによって、周囲組織の細胞が前記癒着防止材に侵入して、保護対象組織と接着することを防止できる。このように、前記人工の多孔質体を癒着防止材として使用する場合には、例えば、保護する組織に対する接触面と、その反対側の面(前記組織と癒着するおそれがある組織に対する接触する面)とで、全く異なる性質・機能・構造が求められている。
また、用途によっては、前記癒着防止材とは異なり、多孔質体の両面ともに細胞や物質の侵入性に優れることが望まれる部材もある。例えば、人工血管や人工気管等である。生体の血管は、内皮細胞からなる内膜、平滑筋が主となる中膜、および、結合組織が豊富な外膜の3層の膜構造をとっている。前記内膜や外膜は、通常、血液と外部組織との間における物質の交換等を担っている。さらに、前記外膜は、例えば、血圧が上昇した際に、血管が過度に膨張して破裂しないように維持する働きも担っている。また、中膜は、例えば、血管の膨張および収縮に対応するフレキシビリティを担っている。このように、各部位が特有の機能を奏するため、例えば、前記内膜には、物質透過性および血液適合性が、中膜には、柔軟性が、外膜には、物質透過性および物理的強度が、それぞれの特性として必要とされている。したがって、人工血管についても、各部位において、それぞれ異なる前述のような特性を有することが求められる。しかし、物質の侵入性が良い多孔質体は、通常、面積あたりの孔数が多く、透過させる物質の種類によってはポアサイズも大きくなることから、他方では、強度が不十分であるという問題がある。したがって、この問題を回避するためには、多孔質体の外部が十分な強度を有している必要がある。
また、用途に応じて、特定の細胞を選択的に遊走、生着、増殖等させるため、特定の細胞のみを透過させる材料や、細胞は不透過であるが、栄養や酸素等の物質のみを透過させる材料が望まれている。そして、このような選択性を発揮するためには、性質や構造等が均質な多孔質体よりも、多孔質内において、異なる性質や構造の領域が複合されていることが望ましいと考えられる。
このように、前記多孔質体は、用途に応じ、所望の場所において所望の性質を示すことが求められている。しかし、通常、入手可能な多孔質部材は、均質な部材である。そして、例えば、表面と裏面とで性質が異なるものや、内部の性質が異なるものを、所望に応じて制御可能に製造する方法は知られていない。このため、現状では、異なる性質の多孔質部材を予め複数準備し、これらを所望の順序で積層して、多孔質体とする必要がある(特許文献5〜特許文献8)。そして、複数の多孔質部材を積層する際には、各層が密着し、得られる多孔質体が、全体として一体化物となっていることが望まれる。しかしながら、重合体製の多孔質部材に関しては、複数の部材を密着させる方法として、例えば、溶媒等の接着剤で接着させる方法が報告されているのみである(特許文献9)。このような方法の場合、多孔質体の製造工程において、別途、接着工程が必要となる。また、前記接着剤およびその残留物の安全性や、多孔質部材と多孔質部材との接着性が問題となる。
特開平10−234844号公報 特開2001−49018号公報 特公表2002−541925 特開平02−2659935号公報 米国特許5607474 特公表2003−508128 特公表2003−102755 特開平02−2659935号公報 米国特許5514378
そこで、本発明の目的は、従来のように、予め多孔質化された2以上の多孔質部材を接着剤等により接着させる方法ではなく、新たな手法によって、所望の領域において物性が異なる多孔質体を製造する方法の提供である。
本発明の多孔質体の製造方法は、所望の領域において物性が異なる多孔質体の製造方法であって、下記(A)〜(D)工程を含むことを特徴とする。
(A) 重合体と溶媒とを含む異なる組成の2種類以上の原料を調製する工程
(B) 前記各原料を所望の形状となるように凍結して、前記各原料の凍結体を形成する工程
(C) 下記(C1)および(C2)工程の少なくとも一方を含む、前記凍結体の集合体を形成する工程
(C1)前記凍結体の集合体を形成した後、前記集合体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝す工程
(C2)前記各凍結体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝した後に、前記凍結体の集合体を形成する工程
(D) 前記(C)工程の後、前記集合体を凍結乾燥することによって、多孔質体を形成する工程
本発明の多孔質体は、前記本発明の製造方法により得られることを特徴とし、本発明の生体材料は、本発明の多孔質体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、予め多孔質化した部材を接着することなく、所望の領域で異なる物性を示す多孔質体を得ることができる。多孔質部材の物性は、通常、凍結乾燥の条件が一定であれば、その原料組成または調製方法に依存する。そこで、本発明者らは、多孔質化によって所望の物性を示すこととなる原料を複数準備し、予め、これらの凍結体を使用することを見出した。すなわち、前述のように、多孔質体は、使用目的に応じて、各領域で異なる物性を示すことが求められている。そこで、まず、各原料について所望の形状(例えば、形、厚み等)の凍結体を作製し、多孔質化された際に、各原料に依存する物性が所望の領域に位置するように、前記各凍結体を配置して、前記凍結体の集合体を形成することを着想した。これにより、最終的に多孔質化処理(凍結乾燥処理)を施せば、得られる多孔質体は、所望の領域で所望の物性を示すこととなる。また、多孔質化処理に先立って、前記凍結体または前記凍結体の集合体の凍結状態を解除することを着想した。つまり、前記凍結体を、前記凍結体の溶融が開始される条件下に晒した後に、前記凍結体の集合体を形成すれば、凍結体と凍結体との接触部分とにおいて、各原料の構成成分が混ざり合うことで、両者の境界が無くなる。また、前記集合体を、前記凍結体の溶融が開始される条件下に晒せば、凍結体と凍結体との接触部分の融解が開始され、各原料の構成成分が混ざり合うことで、両者の境界が無くなる。このため、引き続き前記集合体に対し凍結乾燥による多孔質化処理を行うことによって、領域ごとに所望の物性を示す多孔質体を得ることができる。これによって、得られる多孔質体は、従来とは異なり、各凍結体由来の多孔質層が全体として一体化された状態となる。さらに、本発明によれば、一つの多孔質体を製造するにあたって、時間を要する凍結乾燥処理を一回施すのみで足りることから、製造時間の短縮化が実現できる。また、本発明によれば、例えば、連続的、不連続的、段階的に物性を変化させることも可能である。このような製造方法によれば、原料の組成比を変化させ、所望の形状の凍結体を配置するだけで、一回の凍結乾燥処理により、様々な多孔質体を製造することができる。したがって、本発明の製造方法は、特に、前述のような医療分野における生体材料の提供に極めて有用な技術であるといえる。
本発明の製造方法は、前述のように、所望の領域において物性が異なる多孔質体の製造方法であって、下記(A)〜(D)工程を含むことを特徴とする製造方法である。
(A) 重合体と溶媒とを含む異なる組成の2種類以上の原料を調製する工程
(B) 前記各原料を所望の形状となるように凍結して、前記各原料の凍結体を形成する工程
(C) 下記(C1)および(C2)工程の少なくとも一方を含む、前記凍結体の集合体を形成する工程
(C1)前記凍結体の集合体を形成した後、前記集合体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝す工程
(C2)前記各凍結体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝した後に、前記凍結体の集合体を形成する工程
(D) 前記(C)工程の後、前記集合体を凍結乾燥することによって、多孔質体を形成する工程
本発明における重合体は、制限されず、例えば、用途に応じて適宜選択できる。本発明の多孔質体は、前述のように、例えば、生体内での使用が考えられることから、その場合、前記重合体は、生体に対する安全性に優れる材料や、生体との適合性に優れる材料が好ましい。また、本発明の多孔質体を、例えば、癒着防止材等のように、生体内において一定期間効果を発揮し、目的を果たした後には不要となる用途に使用する場合、前記重合体は、最終的に生体内で分解され吸収される重合体(生体吸収性重合体)が好ましい。
前記重合体は、例えば、同一のモノマーから構成されるホモポリマー(例えば、縮重合体)でも、二種類以上のモノマーから構成される共重合体(コポリマー)でもよい。前記共重合体は、ランダム重合体、ブロック重合体、グラフト共重合体、交互共重合体等のいずれであってもよい。
前記共重合体としては、例えば、ラクチドとカプロラクトンとからなるラクチド−カプロラクトン共重合体、ラクチドとグリコール酸との共重合体、トリメチレンカーボネートとラクチドとグリコール酸とからなるトリメチレンカーボネート・ラクチド−グリコリド共重合体、グリコール酸とカプロラクトンとの共重合体等があげられる。前記ホモポリマーとしては、例えば、乳酸の重縮合体であるポリ乳酸、グリコール酸の重縮合体であるポリグリコール酸、β−ヒドロキシ酪酸からなるポリ−β−ヒドロキシ酪酸(ポリ−β−ブチロラクトン)等があげられる。
これらの中でも、生体に対する安全性や適合性に優れる重合体としては、例えば、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ポリエチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ハイドロキシエチルヘキサメチレンメタクリレート(HEMA)等が好ましい。また、生体吸収性重合体としては、例えば、ラクチド−カプロラクトン共重合体、ポリ乳酸、ラクチドとグリコール酸との共重合体、トリメチレンカーボネートとラクチドとグリコール酸とからなるトリメチレンカーボネート・ラクチド−グリコリド共重合体、グリコール酸とカプロラクトンとの共重合体等が好ましい。本発明において、重合体は、いずれか一種類を使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記重合体の分子量(重量平均分子量)は、制限されないが、例えば、5,000〜2,000,000であり、好ましくは10,000〜1,500,000であり、より好ましくは100,000〜1,000,000である。
本発明の重合体の一例として、ラクチド−カプロラクトン共重合体について、以下に説明する。なお、本発明の重合体は、これには制限されない。前記共重合体において、ラクチドとカプロラクトンとのモル比は、例えば、90:10〜10:90の範囲、好ましくは85:15〜20:80の範囲であり、より好ましくは80:20〜40:60の範囲である。前記共重合体の分子量(重量平均分子量)は、例えば、5,000〜2,000,000であり、好ましくは10,000〜1,500,000であり、より好ましくは100,000〜1,000,000である。
前記共重合体の調製方法は、特に制限されず、従来公知の方法が使用できる。一般的に、出発原料としてラクチドとカプロラクトンとを開環重合により共重合させてもよいし、乳酸からラクチド(乳酸の環状二量体)を合成して、これをカプロラクトンと共重合させてもよい。なお、乳酸を用いたラクチドの合成方法も特に制限されず、従来公知の方法が使用できる。前記ラクチドとしては、特に制限されず、L−ラクチド、D−ラクチドおよびそれらの混合物(D,L−ラクチド)が使用でき、また、乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸、それらの混合物(D,L−乳酸)が使用できる。このように出発原料として乳酸を使用した場合、一量体の乳酸を二量体のラクチドに換算し、換算したラクチドとカプロラクトンとのモル比が前述の範囲であることが好ましい。また、ラクトンとしては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロカプロラクトン、δ−バレロカプロラクトン等があげられ、中でもε−カプロラクトンが好ましい。また、このラクチド−カプロラクトン共重合体は、例えば、ラクチドとカプロラクトンの他に、さらに、生体吸収性重合体を構成する他の共重合成分を構成成分として含有してもよい。このような構成成分としては、例えば、グリコール酸、トリメチレンカーボネート、β−ヒドロキシ酪酸、タンパク質、糖鎖から誘導される共重合体重合成分等があげられる。
本発明において、原料の調製に使用する溶媒(「原料調製用溶媒」ともいう)としては、制限されず、様々な溶媒が使用できる。前記溶媒の種類によって、例えば、最終的に形成される多孔質体の孔径や強度等を調節することができる。前記溶媒の具体例については、後述する。
つぎに、本発明の多孔質体の製造方法について、重合体としてラクチド−カプロラクトン共重合体を使用する例をあげて説明する。
(A)原料の調製
まず、本発明においては、組成が異なる原料を二種類以上調製する。凍結乾燥による多孔質体の形成においては、凍結乾燥条件が同じであれば、例えば、原料の組成を変えることで、形成される孔の孔径や気孔率、強度、厚み、物質透過性、接着性(例えば、目的とする生体組織への接着性)等の物性を調節できる。本発明では、後述するように、各原料は、例えば、同じ条件下で同時に凍結乾燥処理を受けてもよい。この場合、原料の組成または調製方法を変えることによって、各原料に依存した種々の物性に調節できる。前記原料の組成は、例えば、使用する重合体の種類を変化させてもよいし、重合体の添加割合を変化させてもよい。また、使用する溶媒の種類を変化させてもよいし、二種類以上の溶媒の混合液を前記原料調製用溶媒として使用する場合には、その添加割合を変化させてもよい。なお、本発明の特徴は、原料をどのような組成にすることによって、どのような物性に変化させるのかという点ではない。本発明の特徴は、組成の異なる複数の原料の各凍結体を使用すること、形成した集合体(C1)または集合体の形成前の凍結体(C2)を、前記凍結体の溶融が開始される条件下に曝すこと、その後に、前記集合体を凍結乾燥処理する点が一番の特徴である。
前記原料としては、例えば、前記溶媒に前記ラクチド−カプロラクトン共重合体を溶解させた溶液(以下、「溶液原料」ともいう)や、前記溶媒でゲル化したラクチド−カプロラクトン共重合体のゲル化物(以下、「ゲル原料」ともいう)があげられる。このような溶液状の原料とゲル状の原料は、後述するような凍結乾燥処理によって、多孔質化できる。したがって、前記溶媒の種類としては、例えば、前記共重合体を溶解する溶媒、または、前記共重合体をゲル化する溶媒が好ましい。以下に、溶液原料およびゲル原料について説明する。
(溶液原料)
前記重合体を溶解する原料調製用溶媒としては、前記重合体を溶解できればよく、その種類は何ら制限されず、例えば、前記重合体に溶解性を示す溶媒(以下、「良溶媒」ともいう)や、前記良溶媒と前記重合体に非溶解性を示す溶媒(以下、「貧溶媒」ともいう)との混合液等があげられる。前記良溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、炭酸ジメチル、クロロホルム、アセトン等があげられ、いずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。また、前記貧溶媒としては、前記良溶媒に相溶性を示す溶媒が好ましく、例えば、水、エタノール、ターシャリーブチルアルコール、ヘキサン等があげられ、いずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。良溶媒と貧溶媒の組合せとしては、例えば、1,4−ジオキサンと水の組合せが好ましい。
ラクチド−カプロラクトン共重合体以外の重合体についても、前記溶媒は特に制限されない。具体例として、ポリ乳酸(PLA)は、例えば、ラクチド−カプロラクトン共重合体と同様の溶媒が使用でき、その組み合わせも同様のものが例示できる。また、ポリグリコール酸(PGA)は、良溶媒としては、例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール)が好ましく、貧溶媒としては、例えば、ヘキサン、クロロホルム、エーテル類等が好ましい。
前記重合体は、通常、前記原料調製用溶媒における良溶媒の割合ならびに貧溶媒の割合(特に貧溶媒の割合)に応じて、溶解したりゲル化したりする。このため、前記重合体を溶解させる場合は、例えば、以下のような添加割合とすることが好ましい。なお、以下の条件は一例であって、本発明は、これに制限されない。例えば、25℃において、前記重合体4重量部を前記調製用溶媒96重量部に溶解させる場合、最終的に得られる原料(100重量%)における良溶媒の添加割合を、例えば、84.48重量%を超える割合に設定することが好ましく、より好ましくは、83.52重量%以上である。前記良溶媒の添加割合の上限は、制限されないが、例えば、96重量%である。また、例えば、同条件において、最終的に得られる原料(100重量%)における貧溶媒の添加割合を、例えば、12〜40重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは12〜16重量%の範囲である。前記貧溶媒の添加割合の下限は、制限されないが、例えば、0重量%である。また、前記良溶媒の割合ならびに前記貧溶媒の割合を、前述の範囲内で変動させることによって、例えば、形成される孔径のサイズや気孔率、強度、厚み、物質透過性、接着性を変化させることができる。また、本発明は、このような条件には限定されず、例えば、同条件において、貧溶媒の割合が、0以上12重量%未満の範囲であってもよい。
前記溶液原料は、例えば、前記共重合体を前述のような原料調製用溶媒に溶解することによって調製できる。この溶液原料(100重量%)における前記共重合体の添加割合は、制限されないが、下限は、例えば、0.1重量%以上であり、好ましくは2重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上であり、その上限は、例えば、24重量%以下であり、好ましくは8重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。また、前記共重合体と前記良溶媒との重量比は、例えば、(4:96)〜(3.52:84.48)が好ましい。前記共重合体と前記貧溶媒との重量比は、例えば、(4:0)〜(3.52:12)が好ましい。
(ゲル原料)
前記ゲル原料は、例えば、下記工程(A1)〜(A3)により調製することができる。下記(A2)工程において、液相とゲル相との分離は、例えば、目視によって判断可能である。また、下記(A3)工程において、例えば、ゲル相の回収は厳密に行われなくともよく、例えば、操作上、液相(原料調製用溶媒)が含まれてもよい。
(A1) 重合体と溶媒とを混合して混合液を調製する工程
(A2) 前記混合液を放置して、液相とゲル相とを分離させる工程
(A3) 前記ゲル相を前記ゲル化物として回収する工程
前記重合体をゲル化する原料調製用溶媒としては、前記重合体をゲル化できればよく、その種類は何ら制限されず、例えば、前記良溶媒と貧溶媒との混合液があげられる。良溶媒と貧溶媒とは、例えば、前述のようなものがあげられ、良溶媒と貧溶媒の組合せとしては、例えば、1,4−ジオキサンと水の組合せが好ましい。
前記重合体は、前述のように、通常、前記原料調製用溶媒における良溶媒の割合ならびに貧溶媒の割合(特に貧溶媒の割合)に応じて、溶解したりゲル化したりする。このため、前記重合体をゲル化させる場合は、例えば、以下のような添加割合とすることが好ましい。なお、以下の条件は一例であって、本発明は、これに制限されない。例えば、25℃において、前記重合体4重量部を前記調製用溶媒96重量部に混合してゲル化させる場合、前記(A1)工程の前記混合液(100重量%)における貧溶媒の添加割合を、例えば、12重量%以上に設定することが好ましい。前記貧溶媒の添加割合の上限は、制限されないが、例えば、40重量%以下であり、好ましくは35重量%以下である。また、例えば、同条件において、前記混合液(100重量%)における良溶媒の添加割合を、例えば、84.48重量%以下に設定することが好ましい。前記良溶媒の添加割合の下限は、制限されないが、57.6重量%以上であり、より好ましくは62.4重量%以上である。
前記混合液(100重量%)における共重合体の添加割合は、制限されないが、下限は、例えば、0.1重量%以上であり、好ましくは2重量%以上であり、より好ましくは3重量%以上であり、その上限は、例えば、24重量%以下であり、好ましくは8重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。また、前記共重合体と前記良溶媒との重量比は、例えば、(3.52:84.48)〜(2.4:57.6)が好ましい。前記共重合体と前記貧溶媒との重量比は、例えば、(3.52:12)〜(2.4:40)が好ましい。
前記溶液原料と前記ゲル原料は、同じ条件で凍結乾燥を行った場合、例えば、それぞれ以下のような異なる物性を示す。前記溶液原料由来の多孔質部材は、前記ゲル原料由来の多孔質部材と比較して、例えば、相対的に孔径が大きく、相対的に気孔率が高くなる。このような物性の場合、例えば、細胞が多孔質部材に侵入し易いため、前記溶液原料由来の多孔質部材は、細胞や組織の足場となる部分に適している。他方、ゲル原料由来の多孔質部材は、溶液原料由来の多孔質部材と比較して、例えば、同じ厚みであっても相対的に強度が高く、相対的に孔径が小さく、相対的に気孔率が低くなる。このような物性の場合、例えば、細胞は多孔質部材に侵入し難いが、栄養分や空気の通過は可能であるため、前記ゲル原料由来の多孔質部材は、例えば、細胞や組織との癒着を防止する部分に適している。したがって、本発明において、このような溶液原料とゲル原料を使用して、後述するような処理を行えば、例えば、ある領域には、溶液原料を使用することにより、細胞や組織の足場に適した物性が付与され、別の領域は、ゲル原料を使用することにより、強度や、細胞や組織の癒着防止に適した物性が付与された多孔質体を形成することができる。
このように、一例として、溶液原料とゲル原料とを使用した際に付与される物性について説明したが、本発明は、これには何ら制限されない。例えば、二種類以上の溶液原料を使用することでも、異なる物性を付与することができる。すなわち、前記溶液原料における重合体の種類や添加割合、原料調製用溶媒における良溶媒および貧溶媒の添加割合(特に貧溶媒の添加割合)によっても、多孔化した際の物性(例えば、孔径、気孔率、強度、厚み、物質透過性、接着性等)を変化させることができる。また、例えば、二種類以上のゲル原料を使用することでも、異なる物性を付与することができる。すなわち、例えば、前記ゲル原料における重合体の種類や添加割合、原料調製用溶媒における良溶媒および貧溶媒の添加割合によっても、多孔化した際の物性を変化させることができる。また、同じ重合体を使用する場合であっても、例えば、その添加割合や、原料調製用溶媒の組成を変化させることによって、多孔質の物性は異なる。このため、例えば、同じ材料から構成され且つ異なる物性の領域を有する多孔質材を得ることができる。
具体例として、例えば、溶液原料の場合、原料調製用溶媒における貧溶媒の割合の増加に伴って、得られる多孔質体の物性は、例えば、その気孔率は低下し、そのポアサイズは低下し、その強度は上昇し、その物質透過性は低下することとなる。また、ゲル原料の場合、原料調製用溶媒における貧溶媒の割合の増加に伴って、得られる多孔質体の物性は、例えば、その気孔率は低下し、そのポアサイズはほとんど変化せず、その強度は上昇することとなる。
(B)各原料の凍結
つぎに、各原料を所望の形状となるように凍結して、各原料の凍結体を形成する。前記凍結体の形状は、例えば、成形型の使用により、所望の形状に設定できる。
本工程において形成する各凍結体の形状により、例えば、最終的に得られる多孔質体における、各原料由来の領域の形状を調節できる。具体的には、各凍結体の厚みにより、例えば、最終的に得られる多孔質体における、各原料由来の多孔質領域の厚みを調節できる。前記凍結体の厚みは、例えば、成形型に所望の高さ(厚み)になるまで原料をキャスト(投入)することによって調節できる。例えば、最終的に得られる多孔質体において、ある原料由来の多孔質領域の厚みを200μm程度に設定したい場合には、本工程において、200μm程度の高さ(厚み)になるまで成形型に前記原料をキャストし、凍結体を形成すればよい。これによって、最終的に得られる多孔質体において、前記原料由来の多孔質領域の厚みを200μm程度に調節できる。また、原料調製用の溶媒の組成を変化させることによっても、最終的に得られる多孔質体の厚みを調節できる。具体的には、原料における貧溶媒の割合を相対的に少なくすることで、得られる多孔質の厚みを相対的に薄くすることができ、他方、原料における貧溶媒の割合を相対的に多くすることで、得られる多孔質体の厚みを相対的に厚くすることができる。このように、原料における貧溶媒の割合を変化させれば、例えば、200μm程度の高さ(厚み)になるまで成形型に原料をキャストし、凍結体を形成することで、最終的に得られる多孔質体の厚みを、例えば、100〜200μm程度の範囲内に調節できる。このように、極めて容易に厚みを調節できることから、多孔質体の薄膜化や、各領域の薄層化も容易である。
凍結温度は、制限されず、前記各原料が凍結する温度であればよい。具体例としては、前記原料(例えば、重合体と溶媒との混合物)の共晶点温度以下であることが好ましい。前記共晶点とは、通常、二種類以上の物質の混合物が結晶化する際の温度を意味する。前記温度は、例えば、0℃未満であり、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−50℃〜−10℃である。凍結処理時間は、制限されず、例えば、各原料の量や、成形型に投入した原料の高さ(厚み)等に応じて適宜設定できる。前記成形型にキャストした原料の厚みが、例えば、200〜500μm程度の場合、前記温度条件下、30〜60秒放置すればよい。
以下に、前記凍結体の形成の一例を、図1を用いて説明する。図1は、成形型を用いた凍結体の形成工程を示す概略図である。なお、これは一例であって、本発明を限定するものではない。
図1(A)に示すように、まず、枠状の成形型10と板状体11aを準備する。図1(A)における成形型10の形状は、四角の枠状であるが、これには制限されない。成形型10の高さは、例えば、凍結体の所望の厚みと併せることが好ましい。成形型10の材質は、特に制限されないが、例えば、熱伝導に優れることから金属製が好ましい。また、板状体11aとしては、特に制限されないが、後に凍結体からの剥離が容易であることから、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂製シートが好ましい。
つぎに、同図(B)に示すように、板状体11aの上に成形型10を配置する。この際、板状体11aと成形型10との間に隙間がないことが好ましい。そして、同図(C)に示すように、板状体11aの上に配置した成形型10の内部に、原料12をキャストする。この際、成形型10の内部が満たされるように、成形型10の上部の開放面まで原料12をキャストすることが好ましい。このようにすれば、前述のように、成形体10の高さを凍結体の所望の厚みと同じに設定しているため、形成する凍結体の厚みを容易に調節できる。このようにキャストによって厚みを調節できることから、凍結体は、例えば、非常に薄い厚み、例えば、1mm以下となるような薄膜形状にすることもできる。続いて、同図(D)に示すように、成形型10の上部の開放面に、さらに板状体11bを被覆してから、凍結処理を行う。この際、板状体11a、11bによって、凍結処理で形成される凍結体の上下方向が支持されるため、凍結体の形状を維持できる。このため、凍結処理前後の凍結体の取扱いが非常に容易になる。
(C1)凍結体の集合体の形成および凍結状態の解除
つぎに、前記凍結体同士を接触させ、前記凍結体の集合体を形成する。この(C1)工程において、集合体の形状は、制限されない。多孔質体の使用目的等に応じて、集合体の形状や、凍結体の配置部位を決定できる。したがって、例えば、凍結体を厚み方向に積層した集合体、凍結体を面方向において並列に接触させた集合体等があげられる。本発明の多孔質体を生体材料として使用する場合、例えば、凍結体を厚み方向に積層した集合体を形成することが好ましい。本発明によれば、例えば、所望の厚みの凍結体を、所望の数、所望の順序で積層することが可能である。
このように集合体の形状は、制限されないが、本実施形態においては、各凍結体同士を積層して、前記凍結体の積層体を形成する例をあげて説明する。
前記凍結体の積層は、各凍結体の形状を維持した状態で行うことが好ましい。積層処理の温度条件は、制限されないが、前記凍結体の形状が維持されることが望ましいため、例えば、前記(B)工程の凍結処理の温度条件下で積層処理を行うことが好ましい。なお、本工程において、「凍結体の形状の維持」とは、凍結体について、前記(B)工程終了時における凍結状態を完全に維持させることだけでなく、例えば、積層処理の取り扱いが可能な形状を維持させることも含む。このため、積層時において、各凍結体の融解が始まっている場合でも、積層処理が可能であればよい。
以下に、2つの凍結体を積層する工程の一例を、図2を用いて説明する。図2は、前記図1で形成した凍結体を積層する工程を示す概略図である。
まず、図2(A)に示すように、2つの凍結体(131および132)を、前記図1と同様にして準備する。2つの凍結体(131および132)は、それぞれ両面に板状体(111aおよび111b、112aおよび112b)を配置した枠状の成形型(101、102)の内部に存在する。つぎに、図2(B)に示すように、一方の面の板状体(111a、112a)を剥離する。これによって、成形型(101、102)内部の凍結体(131、132)の一方の面が露出した状態となる。そして、図2(C)に示すように、凍結体(131、132)の露出面が接触するように、2つの凍結体(131、132)を積層する。
つぎに、前記集合体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝す。これによって各凍結体の溶融が始まり、凍結体と凍結体との接触部分において、両者の組成分が混在した状態となる。このため、次工程において前記集合体に凍結乾燥処理を施せば、各層の境界部分が渾然一体となった多孔質体を得ることができる。
本発明において「凍結体の融解が始まる条件下」とは、例えば、凍結体の凍結状態が解除される温度条件下ということができ、融解点を超える温度条件や、共晶点を超える温度条件等があげられる。また、本発明において、「凍結体の融解が始まる条件下」とは、例えば、前述のように、(C1)工程であれば集合体が、(C2)工程であれば凍結体が、取り扱いが可能な形状を維持する条件下であることを含む。
この処理は、例えば、前記積層体を、前記集合体を構成する各凍結体の融点のうち最も高い融点以上の温度条件下に曝すことによって行える。また、各凍結体を構成する各原料(重合体と溶媒との混合物)の共晶点のうち最も高い共晶点を超える温度に曝すことで行える。前記温度の具体例としては、例えば、−10℃以上であり、好ましくは0〜25℃、より好ましくは10〜20℃である。また、処理時間は、制限されないが、例えば、25℃で処理する場合、30秒以上が好ましく、より好ましくは60秒であり、上限は、制限されないが、例えば、600秒以下であり、好ましくは300秒以下である。なお、(C1)工程に代えて、(C2)工程として、前述のように、各凍結体の融解が始まっている状態で凍結体の積層を行ってもよい。また、低温条件下において、例えば、熱伝導体により、凍結体の積層部分のみを融解させてもよい。この際、各凍結体をそれぞれ融解させてもよいし、後に接触(積層)させる凍結体のうちいずれか一方を融解させてもよい。
(D)凍結乾燥
続いて、前記集合体を凍結乾燥することによって、一体化された多孔質体を形成する。具体的には、例えば、前記集合体を、凍結(以下、「再凍結」ともいう)してから減圧下で乾燥することによって、多孔質化する。これによって、従来のように、予め多孔質化した部材を接着剤等により接着した多孔質部材の積層体とは異なり、例えば、一回の多孔質化処理によって、各原料由来の各多孔質領域を含む多孔質体が得られる。そして、このようにして得られる多孔質体は、各原料由来の領域が、各原料の組成に応じた物性を示す。このため、例えば、積層体の場合は、厚み方向において、孔径、気孔率、強度、厚み、物質透過性、接着性等が異なる領域となっている。凍結乾燥は、例えば、市販の凍結乾燥機を用いて行うことができ、例えば、商品名TF5−85ATANCS(宝製作所製)等が使用できる。
前記凍結乾燥処理においては、さらに、再凍結時における冷却速度を調節することによって、例えば、得られる多孔質体について、さらに、孔径の均一化や、平均孔径の制御を行うこともできる。冷却速度としては、例えば、1000℃/hr以下であり、3〜1000℃/hrの範囲が好ましく、より好ましくは3〜300℃/hrの範囲、さらに好ましくは3〜180℃/hrの範囲、特に好ましくは5〜180℃/hrの範囲である。なお、前述のような凍結乾燥機を使用する場合には、例えば、その冷却棚の温度を、このような範囲の一定速度で下げるように制御すればよい。このように冷却速度を調節することによって、例えば、前述のような溶液原料由来の多孔質領域において、例えば、広範囲のポアサイズ(例えば、100μm以上)を、より均一に形成することができる。
また、本発明においては、前記(C1)工程に代えて、(C2)工程を行ってもよい。(C2)工程は、前述のように、前記各凍結体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝した後に、前記凍結体の集合体を形成する工程である。前記条件は、特に制限されず、前述と同様の温度条件等があげられる。前記(B)工程において、例えば、所定の凍結温度に設定したフリーザーで原料を凍結した場合、積層するためにフリーザーから凍結体を取り出した際に生じる溶融であってもよい。
このようにして、所望の領域において物性が異なる本発明の多孔質体を得ることができる。本発明の多孔質体は、生体材料として使用でき、具体例としては、癒着防止材、再生医療や細胞培養等の足場材料、人工気管、ドラッグデリバリーシステム材料(DDS材料)として利用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表面および裏面のポアサイズと内部のポアサイズとが異なる多孔質体を作製した。
(1)多孔質体の原料の調製
以下に示すようにして、二種類の原料(原料1および原料2)を調製した。
まず、L−ラクチドとε−カプロラクトンの組成比(モル比)が75:25であるラクチド−カプロラクトン共重合体(LA/CL=75/25)を準備した。この共重合体(X)と1,4−ジオキサン(Y)と水(Z)とを、重量比(X:Y:Z)が、4:96:0(水無添加)となるように混合した(全体重量12g)。この混合液は、前記ラクチド−カプロラクトン共重合体が溶媒に溶解した溶液であった。この混合液を原料1として、そのまま次の工程に使用した。なお、原料1は、2つ準備した。
他方、同じラクチド−カプロラクトン共重合体(LA/CL=75/25)を用いて、前記共重合体(X)と1,4−ジオキサン(Y)と水(Z)とを、重量比(X:Y:Z)が、3.44:82.56:14となるように混合した(全体重量12g)。この混合液では、前記ラクチド−カプロラクトン共重合体がゲル化していた。そこで、前記混合液を放置して、液体相とゲル相とに分離させ、前記ゲル相を回収した。このゲル相を原料2として、次工程に使用した。
(2)凍結体の形成
つぎに、図1に従って、凍結体を形成した。まず、縦17cm×横17cm×厚み50μmのシート(テフロン(登録商標)シート、以下同様)2枚とステンレス製成形型1個とを、3セット準備した。前記成形型は、四角の枠状であって、内部のサイズを、縦8.8cm×横8.8cm×深さ0.26mm、外部のサイズを、縦17cm×横17cm×深さ0.26mmとした。前記シートの上に前記枠状成形型を配置し、前記成形型の内部が満たされるように、前記成形型上部の開放面まで原料をキャストした。そして、前記成形型上部の開放面に、さらにシートを被覆した。このようにして、内部を前記原料で満たした成形型のセットを、原料1について2セット、原料2について1セット作製した。
そして、3つの前記成形型のセットを、いずれかのシート面が下になるように、−80℃に冷却したアルミ板の上に置き、1分間放置した。これによって、前記成形型内部の原料1および原料2を凍結させた。以下、原料1の2つの凍結体を、それぞれ凍結体1aおよび凍結体1bといい、原料2の凍結体を凍結体2aという。
(3)凍結体の積層
前記凍結体1aを有する成形型セットと前記凍結体2aを有する成形型セットから、一方の面のシートをそれぞれ剥離し、各凍結体の露出面が接触するように、凍結体1aと凍結体2aとを積層した。そして、前記凍結体2aを有する成形型の他方の面のシートをさらに剥離し、凍結体1bを有する枠型から、一方の面のシートを剥離し、凍結体2aの露出面と、凍結体1bの露出面とが接触するように、前記凍結体1aが積層された前記凍結体2aと凍結体1bとを積層した。このようにして、凍結体1a、凍結体2aおよび凍結体1bがこの順序で接触した3層の積層体を調製した。シートの剥離と凍結体の積層は、−80℃の条件下で行った。なお、この積層体は、表面および裏面は、シートで被覆されており、側面は、積層された3つの成形型で覆われている。
(5)融解
この3層の積層体を、25℃の条件下に1分間静置した。これにより、各凍結体が若干融解した。
(6)凍結乾燥
そして、この積層体を凍結乾燥機(商品名TF5−85TANCS、宝製作所製)により凍結乾燥した。具体的には、前記凍結乾燥機の冷却棚を−50℃に冷却し、ここに、前記積層体を被覆する一方のシートを剥離し、他方のシート面が下になるように配置した。そして、凍結乾燥機内の前記冷却棚の温度を−50℃に1時間保持した後、減圧条件下、−50℃から25℃まで12時間かけて上昇させ(昇温速度6.3℃/時間)、25℃に達した時点で凍結乾燥を終了した。
前記他方のシートを剥離し、積層された3つの成形型を取り外し、内部の多孔質体を取り出した。この多孔質体の断面を、断面走査型電子顕微鏡(商品名SEMEDX TypeN:日立製作所社製)により確認した。この結果を図3に示す。
同図に示すように、凍結体1a、凍結体2aおよび凍結体1bの積層体を融解した後、凍結乾燥することによって、厚み方向に孔径が異なる3つの領域(1A、2A、1B)が存在する多孔質体が得られた。なお、同図に示すように、各領域間に明らかな境界(界面)は存在せず、一体化物であることがわかる。
(1)原料の調製
実施例1と同じラクチド−カプロラクトン共重合体を用いて、前記共重合体(X)と1,4−ジオキサン(Y)と水(Z)とを、重量比(X:Y:Z)が、3.36:80.64:16となるように混合した(全体重量12g)。この混合液では、前記ラクチド−カプロラクトン共重合体がゲル化していた。そこで、前記混合液を放置して、液体相とゲル相とに分離させ、前記ゲル相を回収した。このゲル相を、原料3として、次の工程に使用した。また、前記実施例1と同様にして、前記共重合体(X)と1,4−ジオキサン(Y)と水(Z)とを、重量比(X:Y:Z)が、3.44:82.56:14となるように混合した混合液から、原料2(ゲル相)を調製した。
(2)凍結体の形成
つぎに、前記実施例1と同様に、シートと成形型とのセットを準備した。前記シートの上に前記枠状成形型を配置し、前記成形型の内部が満たされるように、前記成形型上部の開放面まで原料を投入した。そして、前記成形型上部の開放面に、さらにシートを被覆した。このようにして、内部を前記原料で満たした成形型のセットを、原料2について1セット、原料3について1セット作製した。
2つの前記枠型セットを、一方のシート面が下になるように、−80℃に冷却したアルミ板の上に置き、1分間放置した。これによって、前記成形型内部の原料2および原料3を凍結させた。以下、原料2の凍結体を、凍結体2aといい、原料3の凍結体を凍結体3aという。
(4)積層
前記凍結体2aを有する枠型セットと前記凍結体3aを有する枠型セットから、一方の面のシートをそれぞれ剥離し、各凍結体の露出面が接触するように、凍結体2aと凍結体3aとを積層した。このようにして、凍結体2aおよび凍結体3aがこの順序で接触した2層の積層体を調製した。シートの剥離と凍結体の積層は、−80℃の条件下で行った。なお、この積層体は、表面および裏面は、シートで被覆されており、側面は、積層された2つの成形型で覆われている。
(5)融解
この2層の積層体を、25℃の条件下に1分間静置した。これにより、各凍結体が若干溶融し、凍結体と凍結体とが一体化した。
(6)凍結乾燥
そして、この積層体を凍結乾燥機(商品名TF5−85TANCS、宝製作所製)により凍結乾燥した。具体的には、前記凍結乾燥機の冷却棚を−50℃に冷却し、ここに、前記各積層体を被覆する一方のシート面が下になるように配置した。そして、凍結乾燥機内の前記冷却棚の温度を−50℃に1時間保持した後、減圧条件下、−50℃から25℃まで12時間かけて上昇させ(昇温速度6.3℃/時間)、25℃に達した時点で凍結乾燥を終了した。
両面のシートを剥離し、積層された2つの成形型を取り外し、内部の多孔質体を取り出した。この多孔質体の断面を、断面走査型電子顕微鏡(商品名SEMEDX TypeN:日立製作所社製)により確認した。この結果を図4に示す。
同図に示すように、凍結体2aおよび凍結体3aの積層体を融解した後、凍結乾燥することによって、得られた多孔質体は、孔径が異なる2つの領域(2A、3A)が厚み方向に存在する多孔質体が得られた。なお、同図に示すように、各領域間に明らかな境界(界面)は存在せず、一体化物であることがわかる。
(参考例1)
下記表に示す重量比となるように、ラクチド−カプロラクトン共重合体(P(LA/CL))と1,4−ジオキサンと水とを混合した。そして、これらの混合液をバイアルに入れて25℃で放置し、溶液状態で維持されるか、液体相とゲル相とに分離するかを確認した。この結果、サンプルA〜Cは、溶液であり、サンプルD〜Qは、液体相とゲル相とに分離した。
(表1)
サンプル 共重合体 ジオキサン 水
A 4.00 96.00 0
B 3.80 91.20 5
C 3.60 86.40 10
D 3.52 84.48 12
E 3.48 83.52 13
F 3.44 82.56 14
G 3.40 81.60 15
H 3.36 80.64 16
I 3.32 79.68 17
J 3.28 78.72 18
K 3.24 77.76 19
L 3.20 76.80 20
M 3.12 74.88 22
N 3.00 72.00 25
O 2.80 67.20 30
P 2.60 62.40 35
Q 2.40 57.60 40
このように、本発明によれば、予め多孔質化した部材を接着することなく、所望の領域で異なる物質を示す多孔質体を得ることができる。本発明によれば、原料の組成比を変化させ、所望の形状の凍結体を配置するだけで、一回の凍結乾燥処理により、様々な多孔質体を製造することができる。したがって、本発明の製造方法は、特に、前述のような医療分野における生体材料の提供に極めて有用な技術であるといえる。
図1は、本発明の一実施形態において、原料の凍結体を形成する工程の一例を示す概略図である。 図2は、本発明のその他の実施形態において、原料の凍結体を積層する工程の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の一実施例における多孔質体の断面を示す電子顕微鏡写真である。 図4は、本発明のその他の実施例における多孔質体の断面を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (24)

  1. 所望の領域において物性が異なる多孔質体の製造方法であって、
    下記(A)〜(D)工程を含むことを特徴とする製造方法。
    (A) 重合体と溶媒とを含む異なる組成の2種類以上の原料を調製する工程
    (B) 前記各原料を所望の形状となるように凍結して、前記各原料の凍結体を形成する工程
    (C) 下記(C1)および(C2)工程の少なくとも一方を含む、前記凍結体の集合体を形成する工程
    (C1)前記凍結体の集合体を形成した後、前記集合体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝す工程
    (C2)前記各凍結体を、前記凍結体の溶融が始まる条件下に曝した後に、前記凍結体の集合体を形成する工程
    (D) 前記(C)工程の後、前記集合体を凍結乾燥することによって、多孔質体を形成する工程
  2. 形成される前記多孔質体が、厚み方向において物性が異なる多孔質体であり、前記(C)工程において、前記凍結体同士を積層して、前記凍結体の積層体を形成する、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記物性が、平均孔径、気孔率、強度、厚み、物質透過性および接着性からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記(B)工程において、前記各原料を、その共晶点以下の温度条件で凍結させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記(B)工程において、前記各原料を、0℃未満で凍結させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記(C1)工程において、前記集合体を、前記集合体を構成する各凍結体の融点のうち最も高い融点以上の温度条件下に曝す、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記(C1)工程において前記集合体を、または、前記(C2)工程において前記凍結体を、0℃以上25℃以下の温度条件下に曝す、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記(C1)工程または(C2)工程において、前記条件下での処理時間が、30秒以上である、請求項6または7記載の製造方法。
  9. 前記重合体が、ラクチドとカプロラクトンとの共重合体である、請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. ラクチドとカプロラクトンとの共重合体において、ラクチドとカプロラクトンとのモル比が、90:10〜10:90の範囲である、請求項9記載の製造方法。
  11. 前記溶媒が、前記重合体に対して溶解性を示す溶媒、および、前記重合体に対して溶解性を示す溶媒と前記重合体に対して非溶解性を示す溶媒との混合溶媒の少なくとも一方である、請求項1から10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記(A)工程における少なくとも一つの原料が、前記溶媒に前記重合体が溶解した溶液である、請求項1から11のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 前記溶液における前記重合体の添加割合が、0.1〜24重量%である、請求項12記載の製造方法。
  14. 前記(A)工程における少なくとも一つの原料が、前記溶媒にラクチドとカプロラクトンとの共重合体が溶解した溶液であり、
    前記溶媒が、前記共重合体に溶解性を示す溶媒を含み、
    前記原料100重量%において、前記共重合体に溶解性を示す溶媒の割合が、84.48重量%を超える割合である、請求項1から13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 前記溶媒が、前記共重合体に溶解性を示す溶媒と前記共重合体に非溶解性を示す溶媒とを含む混合溶媒であって、
    前記原料100重量%において、前記非溶解性を示す溶媒の割合が、12重量%未満の割合である、請求項14記載の製造方法。
  16. 前記(A)工程における少なくとも一つの原料が、前記溶媒でゲル化した前記重合体のゲル化物である、請求項1から15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 前記(A)工程において、下記(A1)〜(A3)工程により前記ゲル化物を調製する、請求項16記載の製造方法。
    (A1) 前記重合体と前記溶媒とを混合して混合液を調製する工程
    (A2) 前記混合液を放置して、液相とゲル相とに分離させる工程
    (A3) 前記ゲル相を前記ゲル化物として回収する工程
  18. 前記(A1)工程の前記混合液100重量%において、前記重合体の割合が、0.1〜24重量%である、請求項17記載の製造方法。
  19. 前記(A1)工程における前記重合体が、ラクチドとカプロラクトンとの共重合体であり、
    前記溶媒が、前記共重合体に溶解性を示す溶媒と前記共重合体に非溶解性を示す溶媒とを含む混合溶媒であって、
    前記(A1)工程の前記混合液100重量%において、前記非溶解性を示す溶媒の割合が、12〜40重量%である、請求項17または18に記載の製造方法。
  20. 前記共重合体に溶解性を示す溶媒が、1,4−ジオキサン、炭酸ジメチル、クロロホルムおよびアセトンからなる群から選択された少なくとも一つである、請求項11から19のいずれか一項に記載の製造方法。
  21. 前記共重合体に非溶解性を示す溶媒が、水、エタノール、ターシャリーブチルアルコールおよびヘキサンからなる群から選択された少なくとも一つの溶媒である、請求項11から20のいずれか一項に記載の製造方法。
  22. 請求項1から21のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる多孔質体。
  23. 多孔質体を含む生体材料であって、
    前記多孔質体が、請求項22記載の多孔質体を含むことを特徴とする生体材料。
  24. 前記生体材料が、癒着防止材、足場材料、人工血管、人工気管またはドラッグデリバリーシステム材料である、請求項23記載の生体材料。
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