JP2008271727A - ブラシレスモータの起動方法、ブラシレスモータの制御装置、及びこのブラシレスモータの制御装置を備える電動ポンプ - Google Patents

ブラシレスモータの起動方法、ブラシレスモータの制御装置、及びこのブラシレスモータの制御装置を備える電動ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】
起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が極端に短くて、所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの起動方法、制御装置及び電動ポンプを提供する。
【解決手段】
ブラシレスDCモータの制御装置が採用しているブラシレスDCモータの起動方法では、起動時からのパターン切換タイミング時間Cを計時し、強制転流時にパターン切換タイミング時間Cが閾値Cs以下のときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブラシレスモータの起動方法、ブラシレスモータの制御装置、及びこのブラシレスモータの制御装置を備える電動ポンプに関する。
近時、車両に搭載されてトランスミッション及び舵取装置の電動ポンプ等を駆動する電動モータとして、ブラシレスモータが使用されている。ブラシレスモータは、DCモータからブラシ及び整流子を取除き、電子整流回路を取付けたモータである。ブラシレスモータの制御装置は、マグネットロータがどの位置にあるのかを示す例えば3個のホール素子等の磁気センサからの検出信号に基づいてPWM制御等により、電子整流回路を介して例えばU相、V相、W相の3相への通電を制御して回転磁界を発生させ、マグネットロータを回転駆動する。
従来、ブラシレスモータを駆動するには、上述したようにマグネットロータの回転位置センサが必要であるが、モータを高温のエンジンルーム内に搭載する場合には、センサの耐熱性が問題となり、回転位置センサを用いずにモータを駆動する所謂センサレス駆動が必要である。センサレス駆動では、マグネットロータの回転位置を推定して、回転位置センサからの回転位置信号に相当する回転位置推定信号を作成する必要があり、通常、回転位置推定信号の作成には、3相の誘起電圧が利用される。
ブラシレスモータのセンサレス駆動では、各相のステータ巻線への通電は、通常、電気角180度の内120度の区間のみ通電する所謂120度通電が行なわれており、通電しない残りの60度の区間には、各相のステータ巻線の端子に各相の誘起電圧が露出する。
従って、この60度の区間の各相のステータ巻線の端子電圧と基準電圧とを比較して、何れかの相でそれらがクロスする時点、即ち、ゼロクロス点をマグネットロータの回転位置に関連する時点とすることができる。基準電圧には、通電のための電源電圧の1/2の電圧を使用する。
このセンサレス駆動では、検出したゼロクロス点の間隔を60度に相当する期間とし、その1/2の30度を遅延時間として、すなわちゼロクロス点から30度遅延した時点で、各相のステータ巻線への通電を切換えている。この通電を切換える時間を以下、パターン切換時間という。ゼロクロス点をサンプリングにより検出する場合、基準電圧との比較結果をサンプリングし、ステータ巻線の端子電圧の方が大である場合を「1」、小である場合を「0」として、U相、V相、W相の各比較結果を「101」、「110」の様にパターン化する。このパターンは、3相の場合は6種類有り、6種類のパターンが連続しながら順次切換わって行き、パターンが切り替わった時点をゼロクロス点として検出している(特許文献1、特許文献2)。
ところで、センサレス駆動するブラシレスモータを起動させる場合、マグネットロータが回転していないときは誘起電圧は0であり、又、回転していても低速であるときは、誘起電圧は低く、基準電圧を越えることがないため、ゼロクロス点を検出することはできない。このため、マグネットロータの回転速度に関係なく、ただし、マグネットロータが回転始動して、誘起電圧が基準電圧を越える回転か速度まで上昇するように、強制的にステータ巻線に通電して、回転磁界を発生させる強制転流(強制的にパターン切換をする)が行われている。
図6は、従来のセンサレス駆動するブラシレスモータを起動させる場合のフローチャートである。同図に示されるように制御装置では起動命令があった場合、S100で、強制転流が行われ、S102でパターン捕捉ができないと、S110に移行される。
S102でパターンの捕捉に成功すると、S104でゼロクロス点検出が行われ、S106で電気角30度の遅延処理S106で出力信号のパターンを切換えた後リターンする。なお、S102でパターン捕捉が成功しない場合には、S110でモータの最低回転速度で電気角60度分の時間が経過したかが判定され、時間経過している場合には、S112において強制転流が行われて、S106に移行し、S110で時間経過していない場合には、S102にリターンされる。
特開2005−269719号公報 特開2005−278320号公報
ところで、従来のセンサレス駆動するブラシレスモータを起動させる方法では、起動時のタイミングによっては、極端に短い時間に次の切換タイミングを捕捉することが数%の割合で発生する。この極端に短い場合とは、例えば、サンプリング周波数が16KHzの場合に、例えば10サンプリングクロック数以下の時間である。このときは、パターン切換時間が本来の電気角30度の遅延時間分より極端に短い時間に設定されて進み角制御的な動作となるとともに脱調を起こして、パターン捕捉ができなくなり、スムーズな起動ができなくなって異音が生じる問題がある。
本発明の目的は、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が、所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの起動方法を提供することにある。
又、本発明の目的は、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの制御装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの制御装置を備える電動ポンプを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数相のステータ巻線の各端子電圧と所定電圧との大小関係のとるべき規則的な変化パターンを記憶しておき、前記各端子電圧と所定電圧との大小関係パターンを時系列的にサンプリングし、起動時に行われる強制転流時にサンプリングした大小関係パターンが前記規則的な変化パターンと合致してパターン捕捉が成功したとき、センサレス駆動に移行するブラシレスモータの起動方法において、起動時からのパターン切換タイミング時間を計時し、前記強制転流時にサンプリングした大小関係パターンの前記パターン切換タイミング時間が所定時間よりも短いときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行することを特徴とするブラシレスモータの起動方法を要旨とするものである。
請求項2の発明は、複数相のステータ巻線の各端子電圧と所定電圧との大小関係のとるべき規則的な変化パターンを記憶しておき、前記各端子電圧と所定電圧との大小関係パターンを時系列的にサンプリングし、起動時に行われる強制転流時にサンプリングした大小関係パターンが前記規則的な変化パターンと合致してパターン捕捉が成功したとき、センサレス駆動に移行するブラシレスモータの制御装置において、起動時からのパターン切換タイミング時間を計時する計時手段と、前記強制転流時にサンプリングした大小関係パターンの前記パターン切換タイミング時間が所定時間よりも短いときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行する遅れ角制御手段を備えたことを特徴とするブラシレスモータの制御装置を要旨とするものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載されたブラシレスモータの制御装置と、該制御装置が駆動制御するブラシレスモータと、該ブラシレスモータが駆動するポンプとを備えることを特徴とする電動ポンプを要旨とするものである。
請求項1の発明によれば、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が極端に短くて、所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの起動方法を提供することができる。
請求項2の発明によれば、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が極端に短くて、所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの制御装置を提供できる。
請求項3の発明によれば、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が極端に短くて、所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができるブラシレスモータの制御装置を備える電動ポンプを提供できる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したブラシレスモータとしてのブラシレスDCモータの制御装置の一実施形態を図1〜5を参照して説明する。
図1に示すように、このブラシレスモータのセンサレス制御装置は、車両に搭載されて油圧ポンプ等を駆動するブラシレスDCモータ(以下、単にモータという)のセンサレス制御装置であり、車載バッテリ2からの直流電源により片側PWM方式で3相交流電圧を生成させ、モータ1を駆動制御する。
モータ1のU相、V相、W相のステータ巻線(図示せず)の各端子電圧Vu,Vv,Vwは回転位置推定信号生成部3に与えられる。センサレス駆動時の各端子電圧Vu,Vv,Vwは、図4(a),(b),(c)の波形図に示すように、位相がそれぞれ120度異なっており、それぞれの正負電圧区間である180度の電気角の内、中央部の120度の区間が通電され、それぞれの通電区間の終端部にはリンギングが生じている。中央部の120度以外の区間は、ステータ巻線に生じた誘起電圧が露出した部分である。
回転位置推定信号生成部3は、付与された各端子電圧に基づき、サンプリング(ディジタル方式)により各相の回転位置推定信号Hu,Hv,Hwを作成する。回転位置推定信号Hu,Hv,Hwは、通電制御装置4に与えられる。そして、通電制御装置4は、付与さられた回転位置推定信号Hu,Hv,Hwに基づき、片側PWM方式で車載バッテリ2の直流電圧Eから3相交流電圧を生成させ、モータ1を駆動制御する。
図2に示すように回転位置推定信号生成部3は、電圧比較部12及び極性決定部14を備えている。極性決定部14は、遅れ角制御手段に相当する。電圧比較部12は、各端子電圧Vu,Vv,Vwと車載バッテリ2の直流電圧Eの1/2の電圧Vaとをそれぞれ比較するコンパレータ15u,15v,15wを備えている。コンパレータ15u,15v,15wは、モータ1の各相のステータ巻線の各端子電圧Vu,Vv,Vwと車載バッテリ2の直流電圧Eの1/2の電圧Vaとをそれぞれ比較する。
直流電圧Eの1/2の電圧Vaは所定電圧に相当する。この所定電圧は端子電圧Vu,Vv,Vwとの比較し、ゼロクロス点を検出するための基準電圧となる。コンパレータ15u,15v,15wの比較結果は、各端子電圧Vu,Vv,Vwの方が大である場合は「1」、小である場合は「0」であるディジタル信号Bu,Bv,Bwとして、極性決定部14に例えば16KHzの周波数でサンプリングされる。
ディジタル信号Bu,Bv,Bwは、例えば、(101)→(001)→(011)→(010)→(110)→(100)→(101)の順序で規則的に変化する。ディジタル信号Bu,Bv,Bwのこの6種類のパターンが規則的に変化する周期的時間は、サンプリング周期より充分大きい。
極性決定部14は、MPU(マイクロプロセッサユニット)により構成され、ディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンの取るべき規則的な変化パターン、すなわち、ディジタル信号Bw,Bv,Buのパターンが規則的に変化する順序を記憶しているメモリ14a、第1タイマ14b及び第2タイマ14cを備えている。第1タイマ14bは本発明の計時手段に相当する。
前記メモリ14aが記憶する前記ディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンの取るべき規則的な変化パターンは、本発明の複数相のステータ巻線の各端子電圧と所定電圧(Va)との大小関係のとるべき規則的な変化パターンに相当する。
又、極性決定部14はサンプリングしたディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンとメモリ14aが記憶している規則的な変化パターンに基づき、各相の回転位置推定信号Hu,Hv,Hwを作成して、通電制御装置4に与える。
具体的には、極性決定部14は、サンプリングしたディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンに基づき、ゼロクロス点を検出する。
極性決定部14は、ゼロクロス点を検出したときは、前回のクロス点検出からの時間であるゼロクロス点間隔を求め、求めたゼロクロス点間隔の1/2を遅延時間とする。極性決定部14は、メモリ14aが記憶している規則的な変化パターンに基づきコンパレータ15u,15v,15wの出力信号(サンプリングした信号)から遅延時間分遅延させた各相の回転位置推定信号Hu,Hv,Hwを作成して、通電制御装置4に与える。回転位置推定信号Hu,Hv,Hwには、通電を切換えるタイミングと、メモリ14aが記憶している規則的な変化パターンに基づく、各相の正負の通分/非通電情報が含まれている。
又、メモリ14aは作業用メモリとなる記憶領域も備え、その時々にサンプリングしたディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンも記憶する。
通電制御装置4は、通電信号生成部5、PWM制御部7、ゲートドライブ回路8、スイッチング回路9及び速度制御部16から構成されている。
スイッチング回路9は、U相、V相、W相毎に、車載バッテリ2の陽極側に接続される半導体スイッチング素子6u+,6v+,6w+と、車載バッテリ2の陰極側に接続される半導体スイッチング素子6u−,6v−,6w−とが直列接続されている。それぞれの接続点は、モータ1のステータ巻線の端子に各相毎に接続されている。半導体スイッチング素子6u+,6u−,6v+,6v−,6w+,6w−には、それぞれフリーホイールダイオード(フライバックダイオード)が逆並列に接続されている。
速度制御部16は、モータ1のマグネットロータの回転速度検出値S及び回転速度設定値Saとを比較し、両者の大小関係に基づき、モータ1をPWM駆動するための速度制御信号Spwmを作成し、PWM制御部7へ与える。
通電信号生成部5は、通電信号生成部5は、MPU又は論理素子により構成されており、回転位置推定信号Hu,Hv,Hwに基づく半導体スイッチング素子6u+〜6w−の6種類の制御パターンを記憶している。そして、通電信号生成部5は、与えられた各相の回転位置推定信号Hu,Hv,Hwと前記制御パターンとにより、スイッチング回路9の半導体スイッチング素子6u+,6u−,6v+,6v−,6w+,6w−をそれぞれ通電制御するための通電信号Cu+,Cu−,Cv+,Cv−,Cw+,Cw−を作成する。通電信号生成部5は作成した通電信号Cu+,Cu−,Cv+,Cv−,Cw+,Cw−をPWM制御部7へ与える。
PWM制御部7は、与えられた通電信号Cu+〜Cw−及び速度制御信号Spwmに基づき、半導体スイッチング素子6u+〜6w−をそれぞれPWM制御するためのPWM制御信号Du+,Du−,Dv+,Dv−,Dw+,Dw−を作成し、ゲートドライブ回路8へ与える。ゲートドライブ回路8は、与えられたPWM制御信号Du+〜Dw−に基づき、片側PWM方式で各相の半導体スイッチング素子6u+〜6w−をそれぞれオン/オフ駆動する駆動信号を出力して、モータ1のステータ巻線に回転磁界を発生させて、マグネットロータを回転駆動する。
次に、上記構成のブラシレスDCモータのセンサレス制御装置の動作を、図3(a)、(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
電源が投入されて起動命令が入力された場合、極性決定部14は、図3(a)に示すようにS2で図示しない第1タイマ14bを0にリセットして、同第1タイマ14bの計時を開始し、S4で強制転流を行う。前記第1タイマ14bは起動時からのパターン切換タイミング時間Cを計時するためのものである。
S4での強制転流では下記のように行われる。
極性決定部14は、メモリ14aが記憶しているパターンの取るべき規則的な変化パターンに基づき、ステータ巻線の回転磁界が予め設定された周波数と電圧で回転するための回転位置推定信号Hu,Hv,Hwを通電制御装置4に与える。ここで、極性決定部14は、電気角180度のうち120度のみを通電するようにし、電気角30度を遅延処理する。前記強制転流により、マグネットロータが回転され、極性決定部14は、ディジタル信号Bu,Bv,Bwをサンプリングし、サンプリングしたディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンをメモリ14aに記憶する。
S6では、極性決定部14は、前述の強制転流により、ステータ巻線に誘起電圧が生じてサンプリングしたパターンの捕捉が成功したか否かを判定する。
ここでのパターン捕捉が成功したか否かの判定処理を以下に説明する。
(パターン捕捉判定処理)
まず、図3(b)はパターン捕捉は判定処理ルーチンを示し、同図に示すように、S30では極性決定部14は、サンプリングしたパターンが、現在のディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターン、つまり、パターンが変化した直近の時点からのパターンと一致するか否かを判定する。一致する場合は、パターンは変化しないので極性決定部14は判定を「YES」とし、S20に移行する。
次に、極性決定部14は、サンプリングしたパターンが、現在のディジタル信号Bu,Bv,Bwのパターンと一致しない場合は(S30の判定が「NO」)、サンプリングしたパターンと前回サンプリングして記憶したパターンとが一致するか否かを判定し(S32)、一致しない場合は判定を「NO」とし、S20に移行する。すなわち、同じパターンが2回連続しない場合はS20に移行する。
次に、極性決定部14は、サンプリングしたパターンと前回サンプリングして記憶したパターンとが一致する場合(S32での判定が「YES」)、つまり、同じパターンが2回連続した場合は、S34で、2回連続したパターンと、メモリ14aが記憶している規則的な変化から予想される次回のパターンとが一致するか否かを判定する。同じパターンが2回連続した場合は、上述した現在のパターンから、2回連続したパターンへ変化したことが推定されるが、この変化が、メモリ14aが記憶している規則的な変化に従っているか否かを判定する。
極性決定部14は、2回連続したパターンと、メモリ14aが記憶している規則的な変化から予想される次回のパターンとが一致しない場合は(S34の判定を「NO」)とし、S20に移行する。
2回連続したパターンと予想される次回のパターンとが一致する場合は、現在のパターンから、2回連続したパターンへ変化したとして、極性決定部14はS34での判定を「YES」とする。すなわち、極性決定部14は、S6のパターン捕捉に成功したとして判定を「YES」とし、次のS8のセンサレス駆動処理を行う。
S8のセンサレス駆動処理は、極性決定部14はゼロクロス点を検出する処理である。又、S8では、極性決定部14は第1タイマ14bの計時を停止する。又、合わせて、第2タイマ14cは第2タイマ14cの計時を停止した後、次に、第2タイマ14cの計時を開始する。
次のS10において、極性決定部14は、第1タイマ14bが計時したパターン切換タイミング時間Cを読込みし、パターン切換タイミング時間Cが予め設定された閾値Cs未満か否かを判定する。第1タイマ14bは、起動時に行われた強制転流によって、規則的な変化パターンがあった時までのパターン切換タイミング時間Cを計時している。又、この閾値Csは本発明の所定時間に相当する。
閾値Csは、パターン切換タイミング時間Cが極端に短い場合を排除するためのものである。パターン切換タイミング時間Cが極端に短い場合とは、例えば、起動時において、例えばサンプリング周波数が16kHzの場合、10サンプリングクロック数(0.625msec)以下で、パターン変化(すなわち、パターン切換)が行われた場合をいう。このような場合にセンサレス駆動が行われると、パターン切換タイミング時間Cが本来の電気角30度の遅延時間分より極端に短い時間に設定されて進み角制御的な動作となるとともに脱調を起こして、その後パターン捕捉ができなくなり、スムーズな起動ができなくなってしまう。
なお、閾値Csの大きさは、限定されるものではなく、サンプリング周波数に応じて変更したり、前記サンプリング周波数が16KHzの場合でも、前述のようにスムーズな起動ができなくなってしまうサンプリングクロック数に相当する時間に設定されていてもよい。又、この閾値Csは、起動時に必要とされる回転速度に応じて設定されていてもよい。この閾値Csは、試験値によって得ることができる。
S10において、パターン切換タイミング時間Cが閾値Cs以下であれば、極性決定部14はS12において、閾値Csをセットし、閾値Csに相当する電気角で、S14において遅れ角制御を行い、S16に移行する。又、S10において、パターン切換タイミング時間Cが閾値Csを越える場合は極性決定部14はS16に移行する。
S16では、極性決定部14は、電気角180度のうち120度のみを通電するようにし、電気角30度を遅延処理する。ここで、電気角30度の算出は、前回のパターン変化から、今回のパターン変化までの時間(すなわち、第2タイマ14cで計時される時間)を2で割ることにより得られる。この後、極性決定部14は、S18では、出力パターンを切換え、S6にリターンする。
一方、S6からS20に移行した場合、極性決定部14は、モータ1の最低回転速度で電気角60度分の時間が経過したかを判定する。
この時間は、PWM制御で使用されるキャリア周波数を後述するカウンタによりカウントすることにより得られる。又、モータ1の最低回転速度としては、例えば200min^-1を上げることができるが、モータの仕様に応じてこの最低回転速度は適宜変更してもよい。なお、「^」はべき乗である。
S20において、モータ1の最低回転速度で電気角60度分の時間が経過していなければ、極性決定部14は「NO」の判定をし、S6にリターンする。又、S20において、モータ1の最低回転速度で電気角60度分の時間が経過していれば、「YES」の判定をして、図示しないカウンタをリセットして、再びカウンタのカウントを開始させた後、S22に移行する。S22では、極性決定部14は、メモリ14aが記憶しているパターンの取るべき規則的な変化パターンに基づき、ステータ巻線の回転磁界が予め設定された周波数と電圧で回転するための回転位置推定信号Hu,Hv,Hwを通電制御装置4に与え、S16に移行する。
以上のように構成された実施形態のブラシレスDCモータの制御装置は、下記の特徴がある。
○ 本実施形態のブラシレスDCモータの制御装置は、起動時からのパターン切換タイミング時間Cを計時する第2タイマ14c(計時手段)と、前記パターン切換タイミング時間Cが閾値Cs(所定時間)以下のときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行する極性決定部14(遅れ角制御手段)を備える。
又、本実施形態のブラシレスDCモータの制御装置が採用しているブラシレスDCモータの起動方法では、起動時からのパターン切換タイミング時間Cを計時し、強制転流時にパターン切換タイミング時間Cが閾値Cs(所定時間)以下のときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行するようにした。
この結果、本実施形態のブラシレスDCモータの制御装置は、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間Cが、閾値Cs(所定時間)以下のときは、遅れ角制御が行われるため、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができる。
特に、パターン切換タイミング時間Cが極端に短くなった場合、前述した効果はより有利なものとなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5を参照して説明する。
図5は、本発明に係る電動ポンプの第2実施形態の要部構成及びその周辺部を示すブロック図である。この電動ポンプ22aは、車両のオートマチック・トランスミッションに使用されている。エンジン20の図示しないクランクシャフトとプロペラシャフト24とをオートマチック・トランスミッション21が連結されている。
電動ポンプ22aは、オートマチック・トランスミッション21の側面に固定されたポンプ22と、ポンプ22を駆動するブラシレスDCモータ(以下、モータ1という)と、モータ1を駆動制御する第1実施形態で説明したブラシレスDCモータの制御装置23とを備えている。電動ポンプ22aは、オートマチック・トランスミッション21を作動させるオイルの圧力を制御する。
エンジン20のクランクシャフトの、オートマチック・トランスミッション21と連結しない側の端部の回転は、電磁クラッチ32を介してプーリ31に伝達され、プーリ31の回転は、ベルト33により発電機28及び補機30に伝達される。補機30は例えばエアコンディショナのコンプレッサ等である。発電機28が発電した電力は、車載バッテリ29に蓄電され、制御装置23等の電源となる。プロペラシャフト24のオートマチック・トランスミッション21と連結しない側の端部は、デファレンシャル25により駆動輪27の駆動軸26に直角に連結されている。
以上のように構成された実施形態の電動ポンプ22aは、下記の特徴がある。
○ 第2実施形態の電動ポンプ22aによれば、起動初期の場合にパターン切換タイミング時間が極端に短くて、所定時間以下のときは、遅れ角制御を行うことにより、パターン捕捉ミスがなくなり、短時間で起動が可能となり、起動時の異音をなくすることができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1実施形態では、片側PWM方式でモータ1を駆動制御しているが、本発明にかかるブラシレスモータの起動方法及びブラシレスモータの制御装置は、両側PWM方式及びPWM方式によらない方式にも適用することが可能である。
○ 第2実施形態は、制御装置をオートマチック・トランスミッション21を作動させるオイルの圧力を制御する電動ポンプの制御装置に具体化したが、制御装置としては120度通電矩形波駆動を採用している全てのブラシレスモータのセンサレス駆動を行う場合においても適用可能である。
ブラシレスモータの起動方法及びブラシレスモータのセンサレス制御装置の要部構成を示すブロック図。 回転位置推定信号生成部3のブロック図。 (a)、(b)はブラシレスDCモータのセンサレス制御装置の動作のフローチャート。 (a),(b),(c)はモータ1のU相、V相、W相のステータ巻線の各端子電圧Vu,Vv,Vwの波形図。 本発明に係る電動ポンプの第2実施形態の要部構成及びその周辺部を示すブロック図。 従来のセンサレス駆動するブラシレスモータを起動させる場合のフローチャート。
符号の説明
14…極性決定部(遅れ角制御手段)、14b…第1タイマ(計時手段)、
C…パターン切換タイミング時間、Vu,Vv,Vw…端子電圧、
22…ポンプ、23…制御装置。

Claims (3)

  1. 複数相のステータ巻線の各端子電圧と所定電圧との大小関係のとるべき規則的な変化パターンを記憶しておき、前記各端子電圧と所定電圧との大小関係パターンを時系列的にサンプリングし、起動時に行われる強制転流時にサンプリングした大小関係パターンが前記規則的な変化パターンと合致してパターン捕捉が成功したとき、センサレス駆動に移行するブラシレスモータの起動方法において、
    起動時からのパターン切換タイミング時間を計時し、前記強制転流時にサンプリングした大小関係パターンの前記パターン切換タイミング時間が所定時間よりも短いときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行することを特徴とするブラシレスモータの起動方法。
  2. 複数相のステータ巻線の各端子電圧と所定電圧との大小関係のとるべき規則的な変化パターンを記憶しておき、前記各端子電圧と所定電圧との大小関係パターンを時系列的にサンプリングし、起動時に行われる強制転流時にサンプリングした大小関係パターンが前記規則的な変化パターンと合致してパターン捕捉が成功したとき、センサレス駆動に移行するブラシレスモータの制御装置において、
    起動時からのパターン切換タイミング時間を計時する計時手段と、
    前記強制転流時にサンプリングした大小関係パターンの前記パターン切換タイミング時間が所定時間よりも短いときは、遅れ角制御を行ってセンサレス駆動に移行する遅れ角制御手段を備えたことを特徴とするブラシレスモータの制御装置。
  3. 請求項2に記載されたブラシレスモータの制御装置と、該制御装置が駆動制御するブラシレスモータと、該ブラシレスモータが駆動するポンプとを備えることを特徴とする電動ポンプ。
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