JP2008271720A - ステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】螺旋巻きステータであって、巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入する作業を機械的に行うことが可能なステータを提供する。
【解決手段】ステータコア10のスロット12に、予め巻線された複数のコイルCの一側辺Caをそれぞれ挿入した後、前記複数のコイルCの他側辺Cbをそれぞれ他のスロット12に挿入して、ステータコア10の端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなすステータにおいて、上記挿入操作を2回以上繰り返すことにより、前記螺旋状に重なったコイル同士のループがステータコアの半径方向に2層以上に積層されており、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計が前記ステータコアの内半径に基づく所定値より大とされたステータを得る。
【選択図】 図13

Description

本発明は、ステータコアのスロットに、予め巻線された複数のコイルの一側辺をそれぞれ挿入した後、前記複数のコイルの他側辺をそれぞれ他のスロットに挿入して、ステータコアの端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなすステータに関する。
巻線されたコイルを有するステータの製造方法としては、ステータコアの内歯に直接コイルを巻き付ける直巻線方法と、予め巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入するコイル挿入方法とが主として知られている。
しかしながら、これらの方法では、各磁極に対して同心巻きされたコイルしか形成できないので、そのようなステータコアを用いたモータは、周方向の起磁力密度が不均一になるという現象によってトルクムラが発生する。このトルクムラはモータの振動や騒音を発生させる原因となるため、これを解決するための様々な提案がなされている。
上記トルクムラが著しく低減されたモータとして、ステータコアのスロットに、予め巻線された複数のコイルの一側辺をそれぞれ挿入した後、前記複数のコイルの他側辺をそれぞれ他のスロットに挿入して、ステータコアの端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなすステータ(以下「螺旋巻きステータ」とする)を用いたモータが知られている。
こうして得られたステータは、コイルエンドが短く、その高さが比較的均一でコンパクトな形状となると共に、モータとしたときのトルクムラが小さく、モータの振動や騒音を低減させることができるという優れた特性を有している。
しかしながら、上記のような螺旋巻きステータは、コイルの両側辺を一つずつ他のコイルと重ね合わせながらスロットに挿入しなければならず、その作業を機械化することが困難であった。このため、予め巻線されたコイルをステータコアのスロットに手作業で挿入しなければならず、製造作業性が悪く、製造コストが高くなるという問題があった。
一方、上記のような螺旋巻きステータに関する技術として、下記特許文献1には、毎極毎相当りのスロット数が1未満の2層巻多相電機子巻線で、複数個の相隣り合う極の同相コイルを1スロットおきにスロットに収納するように連続巻きする多相電機子巻線の製造方法において、1スロット以上づつ隔てたスロットを使用して2層巻線を施した後、残るスロットを使用して、同様な2層巻線を施すことを特徴とする多相電機子巻線の製造方法が開示されている(同公報の図4参照)。
また、下記特許文献2には、ステータのスロット内に2段巻きに構成したステータ巻線を施し、かつこれらステータ巻線のパラターンをスロット2内に1段にて巻線すべきパラターンの半分にして構成したブレシレスDCモータが開示されている(同公報の図1参照)。
特開昭56−41736号公報 特開平10−28346号公報
しかしながら、上記特許文献1、2においては、巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入する作業を機械的に行う方法については開示されておらず、コイル挿入を手作業で行わなければならないので、工業的に安価かつ高い占有率で製造することができなかった。
したがって、本発明の目的は、螺旋巻きステータであって、巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入する作業の機械化と高い占有率を両立したステータを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ステータコアのスロットに、予め巻線された複数のコイルの一側辺をそれぞれ挿入した後、前記複数のコイルの他側辺をそれぞれ他のスロットに挿入して、ステータコアの端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなすステータにおいて、前記螺旋状に重なったコイル同士のループがステータコアの半径方向に2層以上に積層されており、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計が前記ステータコアの内半径に基づく所定値より大であることを特徴とするステータを提供するものである。
本発明のステータは、例えば後述する方法によって、巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入する作業を機械的に行うことが可能である。また、モータとしたときのトルクムラが小さく、モータの振動や騒音を低減させることができるという螺旋巻きステータの特性を有すると共に、コイルエンドが短く、その高さが比較的均一でコンパクトな形状となり、しかもスロット内のコイル占有率が高いという優れた特性を有している。
本発明の好ましい態様の1つは、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(1)が成り立つステータを提供するものである。
Scu>Rin・d−Slot・d/4π …(1)
本発明の別の好ましい態様では、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(2)が成り立つステータを提供する。
Scu>2・Rin・d−Slot・d/π …(2)
本発明の更に別の好ましい態様では、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(3)が成り立つステータを提供する。
Scu>Rin・d−Slot・d/2π …(3)
本発明の更に別の好ましい態様では、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(4)が成り立つステータを提供する。
Scu>2・Rin・d−2・Slot・d/π …(4)
本発明の更に別の好ましい態様では、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(5)が成り立つステータを提供する。
Scu>Rin・d/2−Slot・d/8π …(5)
上記数式(1)〜(5)が成り立つステータは、後述する方法によって、巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入する作業を機械的に行うことが可能である。
また、本発明の更に好ましい態様では、前記螺旋状に重なったコイル同士の1層のループは、各スロットに当該1層のループを構成する各コイルの一側辺が1個ずつ挿入されたループをなしているステータを提供する。
上記態様によれば、前記螺旋状に重なったコイル同士の1層のループは、各スロットに当該1層のループを構成する各コイルの一側辺が1個ずつ挿入されたループをなしているため、螺旋状に重なったコイル同士のループを2層以上積層させたとき、半径方向におけるコイル同士の重なりがより均一となり、それらのコイルエンドもより均一でコンパクトとなるため、スロット内のコイル占有率が更に高く、コイルエンドが更に短くなって、より高い性能のステータを得ることができる。
本発明によれば、巻線されたコイルをステータコアのスロットに挿入する作業を機械的に行うことが可能であると共に、モータとしたときのトルクムラが小さく、モータの振動や騒音を低減させることができ、更に、コイルエンドが短く、その高さが比較的均一でコンパクトな形状となり、しかもスロット内のコイル占有率が高いという優れた特性を有するステータを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1及び図2には、本発明のステータを製造するための装置の一例が示されている。
図において、10はステータコアであり、ステータコア10はその内周に内歯11を有し、内歯11同士の間にスロット12が形成されている。
この製造装置は、上記ステータコア10の内周に挿入される、全体としてほぼ円柱状の治具20を有している。治具20は、中心の軸部21と、この軸部21の上端面中心に設けられた孔22と、軸部21の外周から円柱状の外周に向けて放射状に形成された複数の保持溝23とを有している。
保持溝23は、ステータコア10のスロット12のピッチの整数倍ピッチで形成されている。この例の場合、保持溝23は、ステータコア10のスロット12のピッチの2倍のピッチで形成されており、スロット12の半数の数の保持溝23が形成されている。また、この例では、治具20の軸部21の外周から保持溝23が半径方向に向けて放射状に形成されているが、保持溝23を、例えば、螺旋形状等の湾曲した形状でも良いし、放射方向に対して傾いた方向に形成することもできる。この場合、保持溝に収容できるコイル側辺を増やすことができる。
コイルCは、その一側辺Caを治具20の外側に出し、他側辺Cbを治具20の保持溝23に挿入されて、治具20の円周に沿って配列されるようになっている。特に、図2に示すように、治具20は、その周面と端面26との間にR状に面取りされた端縁部27を有している。なお、端面とは、治具20をステータコア10の内周に挿入する際の挿入方向における、治具20の挿入方向端部の面を意味し、また、端縁部とは、前述したように周面と端面との間に位置する角部周辺を意味している。
治具20の一方の端面には、補助部材70が配置されるようになっている。補助部材70は、全体として円筒状をなし、基部71と、この基部71から周方向に沿って所定間隔で、かつ、軸方向に伸びる複数の板状のブレード部72とを有している。そして、ブレード部72同士の間には、スリット状の間隙73が形成されている。補助部材70は、ブレード部72の遊離した端部を、治具20の一方の端面に当接するように設置される。このとき、治具20に前述した態様で保持されたコイルCの一側辺Caが、ブレード部72の対応する各間隙73に挿入されて、一側辺Caが外径側に出た状態にセットされる。
補助部材70のブレード部72の外周は、ステータコア10の内歯11の内周に当接し、間隙73がステータコア10のスロット12に対応する位置となるように回転位置決めされて、ステータコア10内に挿入されるようになっている。
再び、図1を参照すると、この製造装置は、上記治具20の保持溝23に挿入保持されたコイルCの他側辺Cbを、ステータコア10の対応するスロット12に押し込むための押出し手段として、押圧治具30を有している。この押圧治具30は、中心に軸31を有している。この軸31の外周には、軸方向に沿ったガイド溝32が周方向に所定間隔で形成されており、軸31の軸下端35は縮径されて、前記治具20の孔22に挿入されるようになっている。
軸31の外周には、環体33が上下スライド可能に装着されている。環体33は、軸31のガイド溝32に嵌合する内歯を内周に有している。環体33の下面には、板状の複数枚のプッシャ34が取付けられており、各プッシャ34は、軸31の対応するガイド溝32に嵌合し、軸31に対して放射状に取付けられている。プッシャ34は、その下方部分に軸31に向けて次第に幅狭となるテーパ部34aを有している。軸31のガイド溝32及びプッシャ34は、この実施形態の場合、ステータコア10のスロット12に一つおきに入るような数及びピッチで形成されている。
図3〜図15には、上記製造装置を用いて本発明の一実施形態によるステータを製造する例が示されている。
前述したように、コイルCの他側辺Cbを治具20の保持溝23に挿入して、複数のコイルCを治具20の円周に沿って配列しておく。この状態で、補助部材70の各ブレード部72のそれぞれの間隙73にコイルCを挟ませながら、補助部材70を治具20の端面に設置する。コイルCは、その一側辺Caが治具20及び補助部材70の外側に出た状態で保持される。
この状態で、ステータコア10の内周に補助部材70側から治具20を挿入していく。このとき図4に示すように、ブレード部72はステータコア10の内歯11の内周に当接し、ブレード部72の間隙73がステータコア10のスロット12に対応する位置となるように回転位置決めされる。また、ブレード部72の間隙73は治具20の保持溝23同士の間に位置し、間隙73から外側に出されたコイルCの一側辺Caが治具20の端縁部27に乗り上げるように配置されている。
こうして、補助部材70側から治具20をステータコア10の内周に挿入していくと、図5及び図6に示すように、ブレード部72同士の間隙73をガイドにして、治具20の端縁部27によって、コイルCの一側辺Caがステータコア10のスロット12に押し込まれる。このとき、ブレード部72の両側辺部が内径側に間隙73が広がるような蒲鉾型のR形状をなし、治具20の端縁部27もR状に面取りされているため、コイルCは損傷することなくスムーズにスロット12内に挿入される。なお、ブレード部72をステータコア10の内歯11の内周に当接させたとき、保持溝23がスロット12に整合しないような角度にすることにより、治具20をステータコア10の内周に挿入する際に保持溝23内のコイルCの他側辺Cbがスロット12に挿入されてしまうのを防止できる。
図7は、こうして治具20をステータコア10の内周に完全に挿入した状態を示している。なお、この実施形態の各斜視図においては、便宜上一つのコイルしか示していないが、実際には、治具20の保持溝23のそれぞれにコイルCが保持されている。そして、この状態では、コイルCの一側辺Caが対応するスロット12に挿入され、他側辺Cbは対応する保持溝23に挿入された状態となっている。この状態で、図8に示すように、補助部材70を治具20の端面から離して、間隙73からそれぞれのコイルCを抜き出す。
図9は、この状態を平面的に示す説明図である。すなわち、コイルCの一側辺Caは、ステータコア10の対応するスロット12に挿入され、他側辺Cbは、治具20の前記一側辺Caが挿入されたスロット12に隣接する保持溝23に挿入保持された状態となっている。この状態で、図10に示すように、治具20を所定方向に所定角度回動させて、保持溝23に保持されたコイルCの他側辺Cbが所定のスロット12に整合するように回転位置決めする。この実施形態の場合は、一側辺Caが保持されたスロット12に対して五つ先のスロット12に、他側辺Cbが保持された保持溝23が整合するように回転させている。
次に図11に示すように、前述した押圧治具30を用いて、治具20の保持溝23に保持されたコイルCの他側辺Cbを外径側に押出して、ステータコア10の対応するスロット12に挿入する。すなわち、図2に示した押圧治具30を治具20の上部に設置し、プッシャ34が保持溝23に整合するように回転位置決めする。
そして、軸31に対して環体33を下方にスライドさせ、プッシャ34をその下端から保持溝23に挿入していく。すると、保持溝23に挿入されたコイルCの他側辺Cbが、プッシャ34のテーパ部34aによって押されて外径側に押出され、ステータコア10のスロット12に挿入される。図12は、こうしてコイルCの他側辺Cbを、対応するスロット12に完全に挿入した状態を示している。
こうして、コイルCはその一側辺Caを一つのスロット12に挿入され、他側辺Cbをそこから五つ離れたスロット12に挿入される。この挿入作業は複数のコイルCに対して同時になされるため、ステータコア10の端面から見て、コイルエンドが螺旋状をなすように、コイルCが挿入された状態となる。
次に、この実施形態では、上記コイル挿入工程をもう一度繰り返す。その結果、図13に示すように、ステータコア10の各スロット12には、一回目の工程で挿入されたコイルC1の一側辺C1a又は他側辺C1bがスロット12内の外径側に挿入され、二回目の工程で挿入されたコイルC2の一側辺C2a又は他側辺C2bがスロット12内の内径側に挿入されている。すなわち、ステータコア10の一つおきに配置されたスロット12には、コイルC1,C2の一側辺C1a,C2aが外内に重なって挿入され、これらの間に位置するスロット12には、コイルC1,C2の他側辺C1b,C2bが外内に重なって挿入されている。その結果、図14に示すように、ステータコア10のスロット12内にコイルが密に挿入され、スロット内でのコイル占有率が高いステータを得ることができる。
こうして形成されたステータは、図13及び図15に示すように、一回目の工程で挿入されたコイルC1のコイルエンドが外径側に螺旋状をなして形成され、二回目の工程で挿入されたコイルC2のコイルエンドがその内側に同じく螺旋状をなして形成された2重の螺旋形状をなしている。また、図16に示すように、ステータコア10の両端面から、コイルCが突出した部分であるコイルエンドは、その高さが比較的小さく、かつ、全周に亘って均一となる。
また、治具20によって保持されたコイルCの一側辺Caを挿入した後、治具20を回転位置決めした後に他側辺Cbを挿入しているので、回転位置決めによってコイルCが円周方向に好適に広げられて挿入される事となる。また、通常のステータコアの一端から他端に向かってコイルをインサートする方法と違い、ステータコア10の内歯11に対して内径側からコイルCを挿入するため、コイルCが円周方向に好適に広げられて挿入される事となる。従ってコイルエンドを小さくすることができる。
このステータは、各コイルCが部分的に重なりながら、周方向に並んで配列されているため、モータにしたときのコギングトルクムラが極めて小さくなり、振動や騒音を著しく軽減することができる。また、コイルエンドがコンパクトで均一に突出した状態となるので、ステータコア10やそれを用いて作られるモータをコンパクトにすることができる。
図17は、治具20の保持溝23内からコイル線Wをスロット12に挿入する状態を模式的に示している。ステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、ステータコア10の内半径をRinとし、軸部21の半径をRddとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、保持溝23内にコイル線Wが一列に配列される場合を仮に想定すると、保持溝23内に入り得るコイル線Wの合計断面積は、最大でも(Rin−Rdd)×dとなり、これが1回の操作でスロット12に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積となる。
ところで、本発明のステータは、上記挿入操作を二回以上繰り返すことによって、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすように挿入されたものを対象としているため、この実施形態で得られるステータは、少なくとも上記(Rin−Rdd)×dで求められるコイル線Wの合計断面積よりも、スロット12内に挿入されるコイル線Wの合計断面積が大きくなる。なお、軸部21の半径Rddは、軸部21の円周が擬似的にd×(Slot/2)で表されるため、これを2πで割ることにより、d×Slot/4πで求められる。このため、この実施形態で得られるステータは、下記数式(1)を満たすステータとなる。
Scu>(Rin−Rdd)×d={Rin−(d×Slot/4π)}×d=Rin・d−Slot・d/4π … (1)
注)式中、Scuはステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計、Rinはステータコア10の内半径、Rddは軸部21の半径、Slotはスロット12の数、dはコイル線直径を表す。
図18〜図22には、本発明の他の実施形態によるステータの製造例が示されている。
この実施形態では、治具20の保持溝23がステータコア10のスロット12と同じ数で設けられている。つまりスロット12のピッチの1倍で保持溝23が設けられている。各コイルCは、治具20の保持溝23に他側辺Cbを挿入保持され、一側辺Caを外側に出した状態で、治具20の周方向に沿って配列され、その状態で前述した補助部材70を設置されて、コイルCの一側辺Caを、補助部材70のブレード部72の間隙73を通して外側に出た状態にする。そして、補助部材70のブレード部72がステータコア10の各内歯11の内周に当接するように回転位置決めして、治具20を補助部材70側からステータコア10の内周に挿入することにより、治具20の端縁部27によって外側に出たコイルCの一側辺Caが押圧され、ブレード部72の間隙73を通して、ステータコア10の対応するスロット12に挿入される。図18は、こうしてコイルCの一側辺Caがステータコア10の対応する各スロット12に図3〜5と同様な方法で挿入された状態を示している。コイルCの他側辺Cbは、該スロット12に隣接する治具20の保持溝23に挿入保持されている。
次に、図19に示すように、治具20を所定角度回動させ、コイルCの他側辺Cbを保持する保持溝23が、一側辺Caが挿入されたスロット12の五つ先のスロット12に整合するように回転位置決めされる。この状態で前述した押圧手段、例えば、図1に示す押圧治具30を用いて、保持溝23内にあるコイルCの他側辺Cbを外径側に押出し、他側辺Cbを対応するスロット12に挿入する。その結果、図20に示すように、各スロット12内の外径側にはコイルCの一側辺Caが挿入され、該スロット12内の内径側には他のコイルCの他側辺Cbが挿入されて、一つのスロット12内に二つのコイルが挿入された状態となる。そして、外径側に位置する一側辺Caと、内径側に位置する他側辺Cbとを有するコイルが、ステータコア10の端面において螺旋状に重なったコイルエンドをなす形状となる。
この実施形態では、上記挿入操作を2回繰り返すことにより、図21に示すように、一つのスロット12内に四つのコイルが挿入された状態とする。すなわち、図20に示される螺旋状に重なったコイルエンドが二重に形成されたステータとなっている。
図22は、上記実施形態において治具20の保持溝23内からコイル線Wをスロット12に挿入する状態を模式的に示している。ステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、ステータコア10の内半径をRinとし、軸部21の半径をRddとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、保持溝23内にコイル線Wが一列に配列される場合を仮に想定すると、保持溝23内に入り得るコイル線Wの合計断面積は、最大でも(Rin−Rdd)×dとなり、これが1つの保持溝23からスロット12に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積となる。
この実施形態では、1回の挿入操作で、2つの保持溝23に保持されたコイル線Wが1つのスロット12内に挿入されるため、1回の挿入操作(図18〜20に示される一連の挿入操作)でスロット12内に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積は、上記の2倍、すなわち2×(Rin−Rdd)×dとなる。
しかしながら、この実施形態では、上記挿入操作を2回繰り返すことによって、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすように挿入されたものを対象としているため、この実施形態で得られるステータは、少なくとも上記2×(Rin−Rdd)×dで求められるコイル線Wの合計断面積よりも、スロット12内に挿入されるコイル線Wの合計断面積が大きくなる。なお、軸部21の半径Rddは、軸部21の円周が擬似的にd×Slotで表されるため、これを2πで割ることにより、d×Slot/2πで求められる。このため、この実施形態で得られるステータは、下記数式(2)を満たすステータとなる。
Scu>2×(Rin−Rdd)×d=2×{Rin−(d×Slot/2π)}×d=2・Rin・d−Slot・d/π … (2)
注)式中、Scuはステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計、Rinはステータコア10の内半径、Rddは軸部21の半径、Slotはスロット12の数、dはコイル線直径を表す。
図23及び図24には、本発明のステータを製造するための装置の他の例が示されている。なお、前述の図1及び図2に示す実施形態と実質的に同一部分には、同符号を付してその説明を省略する。
この製造装置は、上記ステータコア10の内周に挿入される、全体としてほぼ円柱状の治具20を有している。治具20は、中心の軸部21と、この軸部21の上端面中心に設けられた孔22と、軸部21の外周から円柱状の外周に向けて放射状に形成された複数の保持溝23とを有している。保持溝23は、ステータコア10のスロット12のピッチの整数倍ピッチ(本実施の形態では2倍ピッチ)で形成された第1保持溝23aと、この第1保持溝23a同士の間にあって、前記第1保持溝23aと同じピッチで形成された第2保持溝23bとを有している。
この実施形態の場合、第1保持溝23aと第2保持溝23bとが交互にそれぞれ等間隔で形成されているが、第1保持溝23a同士の間隔及び第2保持溝23b同士の間隔が、ステータコア10のスロット12のピッチの整数倍ピッチであればよく、第1保持溝23aと第2保持溝23bとの間隔は特に限定されない。また、この実施形態では、治具20の軸部21の外周から保持溝23が半径方向に向けて放射状に形成されているが、保持溝23を例えば、螺旋形状等の湾曲した形状でも良いし、放射方向に対して傾いた方向に形成することもできる。この場合、保持溝に収容できるコイル側辺を増やすことができる。
治具20の第1保持溝23aには、コイルCの一側辺Caが挿入され、第2保持溝23bにはコイルCの他側辺Cbが挿入されるようになっている。コイルCは、治具20の隣接する第1保持溝23aと、第2保持溝23bとに挿入されて、治具20の円周に沿って配列されるようになっている。
図24に示すように、治具20はステータコア10の内周に挿入され、コイルCの挿入しようとする側辺部の保持溝23が対応するスロット12に位置するように、回転位置決めされた状態で、押圧治具30を治具20の上部に設置される。すなわち、押圧治具30の軸下端35を、治具20の孔22に挿入し、プッシャ34がコイルCの挿入しようとする側辺部が保持された保持溝23に位置するように回転位置決めされる。
その状態で、押圧治具30の環体33を軸31に沿って、下方にスライドさせることにより各プッシャ34が対応する保持溝23に挿入され、プッシャ34のテーパ部34aによって、保持溝23に保持されたコイルCの対応する側辺部が外径側に押出され、対応するスロット12に挿入されるようになっている。
図25〜図34には、上記製造装置を用いて本発明の他の実施形態によるステータを製造する例が示されている。
図25に示すように、治具20の第1保持溝23aにコイルCの一側辺Caを挿入し、その第1保持溝23aに隣接する第2保持溝23bに、コイルCの他側辺Cbを挿入する。こうして、複数のコイルCを治具20の円周に沿って配列する。
次に、コイルCを保持溝23に保持させた治具20を、ステータコア10の内周に挿入する。図25は、この状態を示している。治具20は、各保持溝23がステータコア10の対応するスロット12に整合するように回転位置決めされる。この状態で、前記図23及び図24に示した押圧治具30を、治具20の上部に設置し、プッシャ34が第1保持溝23aに整合するように回転位置決めする。
そして、軸31に対して環体33を下方にスライドさせ、プッシャ34をその下端から第1保持溝23aに挿入していく。すると、図26に示すように、第1保持溝23aに挿入されているコイルCの一側辺Caは、プッシャ34のテーパ部34aによって押されて、外径側に押出され、ステータコア10のスロット12に挿入される。図27は、こうして、コイルCの一側辺Caを対応するスロット12に完全に挿入した状態を示している。
次いで、図28に示すように、押圧治具30の環体33を引き上げて、プッシャ34を第1保持溝23aから引き上げる。なお、押圧治具30は、治具20の上部に設置したままの状態で次の作業を行ってもよいが、一旦、押圧治具30を治具20から取外してもよい。
こうして、プッシャ34を引き抜いた後、図29に示すように、治具20を所定角度回動させ、コイルCの他側辺Cbが前記一側辺Caが挿入されたスロット12から、五つ先のスロット12に整合するように回転位置決めされる。
そして、図30に示すように、プッシャ34を、今度は第2保持溝23bに整合するように回転位置決めさせ、その状態で環体33を軸31に対して下方にスライドして、プッシャ34をその下端部から第2保持溝23bに挿入する。その結果、第2保持溝23bに挿入されていたコイルCの他側辺Cbが、外径側に押し出されてスロット12に挿入される。
こうして、コイルCはその一側辺Caを一つのスロット12に挿入され、他側辺Cbをそこから五つ離れたスロット12に挿入される。この挿入作業は複数のコイルCに対して同時になされるため、ステータコア10の端面から見て、コイルエンドが螺旋状をなすように、コイルCが挿入された状態となる。
そして、この実施形態では、上記挿入操作を二回繰り返す。その結果、図31に示すように、ステータコア10の各スロット12には、一回目の工程で挿入されたコイルC1の一側辺C1a又は他側辺C1bがスロット12内の外径側に挿入され、二回目の工程で挿入されたコイルC2の一側辺C2a又は他側辺C2bがスロット12内の内径側に挿入される。すなわち、治具20の第1保持溝23aからコイルを挿入されたスロット12には、コイルC1,C2の一側辺C1a,C2aが外内に重なって挿入され、治具20の第2保持溝23bからコイルを挿入されたスロット12には、コイルC1,C2の他側辺C1b,C2aが外内に重なって挿入される。
こうして形成されたステータは、図31及び図33に示すように、一回目の工程で挿入されたコイルC1のコイルエンドが外径側に螺旋状をなして形成され、二回目の工程で挿入されたコイルC2のコイルエンドがその内側に同じく螺旋状をなして形成された2重の螺旋形状をなしている。
この実施形態によれば、治具20の保持溝23に一つのスロット12を満たすのに、十分な量のコイルCを挿入保持できない場合であっても、挿入操作を二回繰り返して、行うことにより図32に示すように十分な量のコイルCを挿入することが可能となる。なお、挿入工程は、二回に限定されるものではなく、三回以上繰り返して行うこともできる。
また、螺旋状に重なったコイルC1のループ並びにコイルC2のループは、各スロット12に各コイルの一側辺が1個ずつ挿入されたループをなしているため、半径方向におけるコイル同士の重なりがより均一となり、それらのコイルエンドもより均一でコンパクトとなるため、スロット内のコイル占有率が更に高く、コイルエンドが更に短くなって、より高い性能のステータを得ることができる。
図34は、こうして製造されたステータの側面図を表している。このように、ステータコア10の両端面から、コイルCが突出した部分であるコイルエンドは、その高さが比較的小さく、かつ、全周に亘って均一となる。
また、治具20によって保持されたコイルCの一側辺Caを挿入した後、治具20を回転位置決めした後に他側辺Cbを挿入しているので、回転位置決めによってコイルCが円周方向に好適に広げられて挿入される事となる。また、ステータコアの一端から他端に向かってコイルをインサートする通常の方法と違い、ステータコア10の内歯11に対して内径側からコイルCを挿入するため、コイルCが円周方向に好適に広げられて挿入される事となる。従ってコイルエンドを小さくすることができる。
このステータにおいても、各コイルCが部分的に重なりながら、周方向に並んで配列されているため、モータにしたときのコギングトルクムラが極めて小さくなり、振動や騒音を著しく軽減することができる。また、コイルエンドがコンパクトで均一に突出した状態となるので、ステータコア10やそれを用いて作られたモータをコンパクトにすることができる。
このステータについて、前記図22を参照して、スロット12に挿入できるコイル線Wの合計断面積Scuについて考察すると、次の通りとなる。すなわち、前記と同様に、ステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、ステータコア10の内半径をRinとし、軸部21の半径をRddとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、保持溝23内にコイル線Wが一列に配列される場合を仮に想定すると、保持溝23内に入り得るコイル線Wの合計断面積は、最大でも(Rin−Rdd)×dとなり、これが1つの保持溝23からスロット12に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積となる。
この実施形態では、1回の挿入操作で、1つの保持溝23に保持されたコイル線Wが1つのスロット12内に挿入されるため、1回の挿入操作(図25〜30に示される一連の挿入操作)でスロット12内に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積は、(Rin−Rdd)×dとなる。
しかしながら、この実施形態では、上記挿入操作を2回繰り返すことによって、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすように挿入されたものを対象としているため、この実施形態で得られるステータは、少なくとも上記(Rin−Rdd)×dで求められるコイル線Wの合計断面積よりも、スロット12内に挿入されるコイル線Wの合計断面積が大きくなる。なお、軸部21の半径Rddは、軸部21の円周が擬似的にd×Slotで表されるため、これを2πで割ることにより、d×Slot/2πで求められる。このため、この実施形態で得られるステータは、下記数式(3)を満たすステータとなる。
Scu>(Rin−Rdd)×d={Rin−(d×Slot/2π)}×d=Rin・d−Slot・d/2π … (3)
注)式中、Scuはステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計、Rinはステータコア10の内半径、Rddは軸部21の半径、Slotはスロット12の数、dはコイル線直径を表す。
図35〜39には、本発明の他の実施形態によるステータの製造例が示されている。
この実施形態では、治具20の保持溝23の第1保持溝23aと第2保持溝23bとが、ステータコア10のスロット12に対応して1組ずつ設けられている。すなわち、図25等に示した治具20に比べて、保持溝の数が倍の数となっている。すなわち、第1保持溝23a同士及び第2保持溝23b同士は、それぞれスロット12と同じピッチで配列されている。その結果、各保持溝23が内径側に向かうにつれて、それぞれの間隔が著しく狭くなるため、各保持溝23の内径側の溝幅が外径側の溝幅に比べて狭くなるように形成されている。なお、治具20の強度が充分確保できる場合や、ステータコア10や治具20が充分大きく、保持溝の数が倍になっても間隔が確保できる場合などは、保持溝23の内径側の溝幅を狭くする必要はない。コイルCは、その一側辺Caを第1保持溝23aに挿入保持され、他側辺Cbを該第1保持溝23aに隣接する第2保持溝23bに挿入保持されている。こうして、ステータコア10のスロット12の数と同じ数のコイルCが治具20の円周方向に沿って配列される。
図35は、この治具20をステータコア10の内周に挿入配置し、第1保持溝23aを対応する各スロット12に整合するように回転位置決めした状態を示している。この状態で前述した押出し手段、例えば、図1に示す押圧治具30等を用いて、第1保持溝23aに保持されたコイルCの一側辺Caを対応するスロット12に押し込むことができる。
図36は、こうしてコイルCの一側辺Caを対応する各スロット12に押し込んだ状態を示している。すなわち、ステータコア10の全スロット12に対応するコイルCの一側辺Caが押し込まれる。
次に図37に示すように、治具20を所定角度回転させて、コイルCの他側辺Cbを保持する第2保持溝23bが所定のスロット12、この実施形態の場合は、前記一側辺Caが挿入されたスロットから、五つ離れたスロット12に整合するように位置決めされる。この状態で、再び前記押圧治具30等の押し出し手段を用いて、第2保持溝23bに保持されたコイルCの他側辺Cbを外径側に押出し、対応するスロット12に挿入する。その結果、図38に示すように、各スロット12内の外径側には、コイルCの一側辺Caが挿入され、該スロット12内の内径側には他のコイルCの他側辺Cbが挿入されて、一つのスロット12内に二つのコイルが挿入された状態となる。こうして、外径側に位置する一側辺Caと、内径側に位置する他側辺Cbとを有するコイルが、ステータコア10の端面において螺旋状に重なったコイルエンドをなす形状となる。
そして、この実施形態では、上記挿入操作を二回繰り返す。その結果、図39に示すように、ステータコア10の各スロット12には、一回目の工程で挿入されたコイルC1の一側辺C1a及び他側辺C1bがスロット12内の外径側に挿入され、二回目の工程で挿入されたコイルC2の一側辺C2a及び他側辺C2bがスロット12内の内径側に挿入される。すなわち、治具20のスロット12には、合計4つのコイルC1a、C1b、C2a、C2bが、外内に重なって挿入される。また、一回目の工程で挿入されたコイルC1のコイルエンドが外径側に螺旋状をなして形成され、二回目の工程で挿入されたコイルC2のコイルエンドがその内側に同じく螺旋状をなして形成された2重の螺旋形状をなしている。
この実施形態によれば、治具20の保持溝23に一つのスロット12を満たすのに、十分な量のコイルCを挿入保持できない場合であっても、挿入操作を二回繰り返して、行うことにより十分な量のコイルCを挿入することが可能となる。なお、挿入工程は、二回に限定されるものではなく、三回以上繰り返して行うこともできる。
このステータについて、図40を参照して、スロット12に挿入できるコイル線Wの合計断面積Scuについて考察すると、次の通りとなる。すなわち、前記と同様に、ステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、ステータコア10の内半径をRinとし、軸部21の半径をRddとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、保持溝23内にコイル線Wが一列に配列される場合を仮に想定すると、保持溝23内に入り得るコイル線Wの合計断面積は、最大でも(Rin−Rdd)×dとなり、これが1つの保持溝23からスロット12に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積となる。
この実施形態では、1回の挿入操作で、2つの保持溝23に保持されたコイル線Wが1つのスロット12内に挿入されるため、1回の挿入操作(図35〜38に示される一連の挿入操作)でスロット12内に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積は、2×(Rin−Rdd)×dとなる。
しかしながら、この実施形態では、上記挿入操作を2回繰り返すことによって、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすように挿入されたものを対象としているため、この実施形態で得られるステータは、少なくとも上記2×(Rin−Rdd)×dで求められるコイル線Wの合計断面積よりも、スロット12内に挿入されるコイル線Wの合計断面積が大きくなる。なお、軸部21の半径Rddは、軸部21の円周が擬似的に2×d×Slotで表されるため、これを2πで割ることにより、d×Slot/πで求められる。したがって、この実施形態で得られるステータは、下記数式(4)を満たすステータとなる。
Scu>2×(Rin−Rdd)×d=2×{Rin−(d×Slot/π)}×d=2・Rin・d−2・Slot・d/π … (4)
注)式中、Scuはステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計、Rinはステータコア10の内半径、Rddは軸部21の半径、Slotはスロット12の数、dはコイル線直径を表す。
図41及び図42には、前記製造例において、コイルCの押出し手段の他の例が示されている。
この例では、治具20を例えばアルミニウムなどの非磁性体で形成し、コイルCの両端部に、電源40が接続され、治具20の保持溝23に挿入保持されたコイルに電流が流されるようになっている。図41に示す状態で、第2保持溝23bに挿入されたコイルCの他側辺Cbに対しては、第2保持溝23bの出口部分に図示しないストッパーを設けておき、他側辺Cbが外径側に押出されないようにしておく。この状態で、コイルCに急峻な過渡電流を流すと、渦電流による反発力が作用して、コイルCを外径側に押出そうとする力が作用する。
その結果、図42に示すように、コイルCの一側辺Caが対応するスロット12に挿入される。その後、一旦電流を切り、ステータコア10に対して治具20を所定角度回動させ、コイルCの他側辺Cbが所定のスロット、例えば、五つ離れたスロット12に位置するように回転位置決めされる。そして、第2保持溝23bのストッパーを解除して、前記と同様にコイルCに電流を流すことにより、今度は他側辺Cbを対応するスロット12に挿入することができる。このように、電流を流すだけで、コイルを外径側に押出すことができるので、製造装置の構造が簡略化され、コイル挿入を迅速に行わせることができる。
図43及び図44には、コイルCの押出し手段の更に他の例が示されている。
この例では、治具20の各保持溝23の間に位置する放射状の隔壁内に永久磁石Mがそれぞれ埋設して配置されており、この永久磁石Mによって、それぞれの保持溝23を周方向に横切る磁界Gが形成されている。この状態で、電源40によりコイルCに電流を流すと、ローレンツ力が作用して、コイル側辺の一方には外径側に押出す力が作用し、他方には内径側に押付ける力が作用する。
図43に示す状態では、コイルCの一側辺Caに外径側に押出す力が作用し、他側辺Cbには内径側に押付ける力が作用する。その結果、図44に示すように、コイルCの一側辺Caは対応するスロット12に挿入され、他側辺Cbは第2保持溝23bに挿入された状態を保持される。
こうして、コイルCの一側辺Caをスロット12に挿入した後、ステータコア10に対して治具20を所定角度回転させ、コイルCの他側辺Cbが挿入された第2保持溝23bが、所定のスロットに位置するように回転位置決めされる。
そして、前述したように、第2保持溝23bが所定のスロットに配置された後、電源40のスイッチを切替えて、今度は電流を前記と反対方向に流す。コイルCの他側辺Cbには外径側に押出す力が作用し、コイルCbが対応するスロット12に挿入される。
図45及び図46には、コイルCの押出し手段の更に他の例が示されている。
この例は、基本的には、図43及び図44に示した例と同様であるが、永久磁石Mの代わりに電磁石Emが用いられている点が異なっている。すなわち、各保持溝23の間に形成された隔壁に軸方向に延びる挿入溝を形成しておき、この挿入溝に電磁石Emが挿入され、この電磁石Emに図示しない電源回路から電流を流すことにより、各保持溝23を周方向に横切る磁界Gを形成する。したがって、この状態でコイルCに電流を流すことにより、前記実施形態と同様に、コイルCの一方の側辺には外径側に押出す力を作用させ、他方の側辺には内径側に押付ける力を作用させることができ、後は前記実施形態と同様な方法で、各コイルをスロット12に挿入することができる。
なお、一側辺Caをスロット12に挿入後、他側辺Cbをスロット12に挿入する際にコイルCを流す電流の向きを反対方向にする代わりに、電磁石Emに流す電流の向きを反対方向にして磁界Gの向きを逆にしてもよい。
図45は、コイルCの一側辺Caを、外径側に押出す状態を示し、図46は、該一側辺Caをスロット12内に挿入した状態を示している。
図47〜49には、コイルCの押出し手段の更に他の例が示されている。
この例では、コイルCの押出し手段として、引き出し装置50が用いられている。引き出し装置50は、ステータコア10の両端面に配置され、この両端面の近傍において半径方向に進退可能に設けられたアーム51と、このアーム51の先端部に取付けられたフック52とを有している。そして、アーム51をステータコア10の内径方向に進入させ、フック52をコイルCのいずれかの側辺に引っ掛かけた後、アーム51を外径方向に引き戻すことによって、コイルCの側辺を外径側に引き出すような動作をするようになっている。ステータコア10の両端面近傍に配置された一対の引き出し装置50により、コイルCの側辺を52に引き掛けて外径側に引き寄せることにより、コイルCは保持溝23からステータコア10の対応するスロット12内に押し込まれるようになっている。
図47においては、一対の引き出し装置50しか図示していないが、実際には、各コイルCに対応して一対ずつの引き出し装置50が、ステータコア10の外周に放射状に配置されている。なお、図47においては、一つのコイルCしか図示されていないが、実際には複数のコイルCが治具20の円周に沿って一列に配列された状態となる。
図48は、上記引き出し装置50によって、コイルCの一側辺Caをスロット12に挿入した状態を示している。こうして、コイルCの一側辺Caをスロット12に挿入した後、治具20を所定角度回転させて、コイルCの他側辺Cbを保持する第2保持溝23bが所定のスロット12に整合するように位置決めする。その状態で、再び前記引き出し装置50により、コイルCの他側辺Cbを外径側に引っ張り出すことにより、第2保持溝23bからコイルCの他側辺Cbを対応するスロット12内に挿入することができる。
図49は、こうしてコイルCの両側辺Ca、Cbを対応するスロット12に挿入した状態を示している。なお、図48、49においては、コイルCが一つしか図示していないが、実際には、複数のコイルCが治具20に保持されており、放射状に配列された複数組の引き出し装置50によって、各コイルCの挿入動作が同時になされることになる。
図50には、コイルCの押出し手段の更に他の例が示されている。
この例では、押出し手段として空圧装置60が用いられている。空圧装置60は、圧縮された空気を送り込む空圧機61と、この空気を供給するチューブ62と、このチューブ62の先端部に取付けられたノズル63とを有し、ノズル63は円筒形状をなして、その周面に多数の噴出孔64が形成されている。治具20には、その中心に孔25が設けられ、この孔25内に上記ノズル63が挿入されるようになっている。治具20の保持溝23は、それらの内径側端部に、前記孔25に連通するスリット状の開口部が形成されている。したがって、治具20の孔25内にノズル63を配置し、空圧機61によってチューブ62を通してノズル63を圧縮空気を供給することにより、ノズル63の噴出孔64から圧縮空気が吹き出され、治具20の保持溝23の内径側の開口部から圧縮空気が送り出されて、保持溝23に保持されたコイルCが所定のスロット12に押し込まれるようになっている。なお、この空圧装置60は、前述した各押出し手段と併用して用いることもできる。
図51〜55には、本発明の他の実施形態によるステータの製造例が示されている。
この例では、図43及び図44に示した押出し手段を利用している。すなわち、図51に示すように、治具20の各保持溝23の間に位置する放射状の隔壁内に永久磁石Mがそれぞれ埋設して配置されており、この永久磁石Mによって、それぞれの保持溝23を周方向に横切る磁界Gが形成されている。
治具20の保持溝23は、ステータコア10のスロット12に対応して、同じピッチで同数形成されている。そして、この例では、1つの保持溝23に、コイルCの一側辺Caと他側辺Cbとを一緒に挿入する。すなわち、保持溝23の一側にコイルCの一側辺Caを配列し、反対側の側部にコイルCの他側辺Cbを配列した状態で挿入する。また、コイルCの両端部は、前述したように電源40に接続する。
この状態で、電源40によりコイルCに電流を流すと、ローレンツ力が作用して、コイル側辺の一方には外径側に押出す力が作用し、他方には内径側に押付ける力が作用する。この例では、一側辺Caが外径側に押され、他側辺Cbが内径側に押付けられる。その結果、図52に示すように、コイルCの一側辺Caがステータコア10の対応するスロット12に挿入される。
次に、図53に示すように、ステータコア10に対して治具20を回転させ、この例では、保持溝23が図53の状態から5つ離れたスロット12に整合するように位置決めされる。この状態が図54に示されている。図54の状態で、今度は、前記とは逆方向にコイルCに電流を流すと、保持溝23に残されたコイルCの他側辺Cbに、前記とは逆の外径側に押出す力が作用する。
その結果、図54に示すように、コイルCの他側辺Cbがステータコア10の対応するスロット12に挿入され、各スロット12にコイルCの一側辺Caが外側に、別のコイルCの他側辺Cbが内側に配置されて挿入された状態となる。この挿入作業は複数のコイルCに対して同時になされるため、ステータコア10の端面から見て、コイルエンドが螺旋状をなすように、コイルCが挿入された状態となる。
そして、この実施形態では、上記挿入操作を二回繰り返す。その結果、図55に示すように、ステータコア10の各スロット12には、一回目の工程で挿入されたコイルC1の一側辺C1a及び他側辺C1bがスロット12内の外径側に挿入され、二回目の工程で挿入されたコイルC2の一側辺C2a及び他側辺C2bがスロット12内の内径側に挿入される。すなわち、ステータコア10の各スロット12には、コイルC1の一側辺Ca、他側辺Cb、コイルC2の一側辺C2a、他側辺C2bが外内に重なって挿入され、ステータコア10の端面から見ると、複数のコイルCが螺旋状に重なったループが二重に形成された形状となる。
このステータについて、図56を参照して、スロット12に挿入できるコイル線Wの合計断面積Scuについて考察すると、次の通りとなる。すなわち、前記と同様に、ステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、ステータコア10の内半径をRinとし、軸部21の半径をRddとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、保持溝23内にコイル線Wが二列、すなわち一側辺Ca及び他側辺Cbが一列ずつ配列される場合を仮に想定すると、保持溝23内に挿入された一方の列のコイル線Wをスロット12に挿入したときのコイル線の合計断面積は、最大でも(Rin−Rdd)×dとなる。
この実施形態では、1回の挿入操作(図51〜54に示される一連の挿入操作)で2つの列のコイル線Wが1つのスロット12内に挿入されるため、1回の挿入操作でスロット12内に挿入できるコイル線Wの最大合計断面積は2×(Rin−Rdd)×dとなる。
しかしながら、この実施形態では、上記挿入操作を2回繰り返すことによって、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすように挿入されたものを対象としているため、この実施形態で得られるステータは、少なくとも上記2×(Rin−Rdd)×dで求められるコイル線Wの合計断面積よりも、スロット12内に挿入されるコイル線Wの合計断面積が大きくなる。なお、軸部21の半径Rddは、軸部21の円周が擬似的に2×d×Slotで表されるため、これを2πで割ることにより、d×Slot/πで求められる。したがって、この実施形態で得られるステータは、下記数式(4)を満たすステータとなる。
Scu>2×(Rin−Rdd)×d=2×{Rin−(d×Slot/π)}×d=2・Rin・d−2・Slot・d/π … (4)
注)式中、Scuはステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計、Rinはステータコア10の内半径、Rddは軸部21の半径、Slotはスロット12の数、dはコイル線直径を表す。
図57及び図58には、本発明によるステータを製造する際の他の好ましい態様が示されている。
この態様においては、コイルCの一側辺Caをステータコア10のスロット12に挿入し、治具20を所定角度回動させて、他側辺Cbを保持する保持溝23bを所定のスロット12に位置決めする際、ステータコア10及び治具20の両端面から突出するコイルエンドを一対の回転補助治具70によって、治具20に向けて軸方向に押圧するようにしている。
すなわち、図57に示すように、上記回転補助治具70は、治具20の両端面の孔22に挿入される支軸71と、この支軸71にスライド可能に装着された筒体72と、この筒体72の治具20側の端部に取付けられたフランジ状の押圧板73とを有しており、筒体72及び押圧板73を図中矢印で示すように支軸71に沿ってスライドさせることにより、コイルエンドを軸方向に押圧するようにしている。
図58において、Tはステータコア10及び治具20の厚さである。同図(A)は、コイルCのコイルエンドを押圧しない状態を示し、コイルCは、ステータコア10及び治具20の軸方向にL1の長さで伸びたループをなし、コイルエンドが長く突出している。これに対して、同図(B)は、コイルCのコイルエンドを上記回転補助治具70の押圧板73によって押圧した状態を示し、コイルCは、ステータコア10及び治具20の軸方向長さL2が短くなって、図中矢印で示すように幅方向に広がる。
その結果、ステータコア10に対して治具20が回動して、コイルCのループが押し広げられるときに、上記回転補助治具70の押圧板73によってコイルエンドを押圧することにより、コイルCが幅方向に広がるため、コイルCの剛性に抗してコイルを広げるために治具20にかかる力を軽減することができ、治具20の保持溝23a,23bの隔壁部分が変形したりすることを防止することができる。
図59〜62には、本発明の更に他の実施形態によるステータの製造例が示されている。なお、図59〜62では、説明を分かりやすくするため、一つの保持溝23とそれに対応するスロット12にしかコイルCが挿入されていないが、実際には、全ての保持溝23及びスロット12にコイルが挿入されることになる。
この実施形態では、ステータコア10のスロット12の数の半分の数の保持溝23が、治具20の外周に形成されている。
そして、図59に示すように、各保持溝23には、コイルCのコイル線Wが一列で、かつ、コイルCの両側辺Ca、Cbが同じ保持溝23に半径方向に分かれて挿入されている。また、各保持溝23がステータコア10のスロット12に対応して配置されている。
この状態で、例えば、前記図47〜49に示したフック52を有する引き出し装置50を用いる挿入方法や、前記図51〜55に示したローレンツ力の作用による挿入方法などを利用して、図60に示すように、コイルの他側辺Cbを保持溝23内に保持したまま、外径側に位置するコイルの一側辺Caを対応するスロット12に挿入する。
次いで、図61に示すように、治具20を所定方向に所定角度回動させて、保持溝23に保持されたコイルCの他側辺Cbが所定のスロット12に整合するように回転位置決めする。この実施形態の場合は、一側辺Caが保持されたスロット12に対して五つ先のスロット12に、他側辺Cbが保持された保持溝23が整合するように回転させている。
そして、図62に示すように、再び前述したような方法により、保持溝23に残っているコイルの他側辺Cbを上記スロット12に挿入する。こうして、コイルCを所定の2つのスロット12間に挿入することができる。
更に、図示を省略したが、上記挿入操作を二回以上繰り返すことにより、最終的には、図13、図21に示したような、各スロット12にコイルCの側辺Ca又はCbが2つ以上ずつ挿入されて、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすステータコア10を得ることができる。
上記実施形態では、1回の操作でスロット12に挿入できるコイル線Wの量は、1つの保持溝23に一列に並んだコイル線Wの半分の量となる。このため、1回の操作で挿入できるコイル線Wの総断面積は、(Rin−Rdd)×d/2となる。そして、このステータ10は、上記操作を二回以上繰り返すことによって、螺旋状に重なったコイルCが多重ループをなすように挿入されたステータコアを対象としているので、スロット12内に挿入されるコイル線Wの合計断面積は、上記式で求められる合計断面積よりも大きくなる。
また、軸部21の半径Rddは、軸部21の円周が擬似的にd×(Slot/2)で表されるため、これを2πで割ることにより、d×Slot/4πで求められる。
したがって、この実施形態で得られるステータは、下記数式(5)を満たすステータとなる。
Scu>(Rin−Rdd)×d/2={Rin−(d×Slot/4π)}×d/2=Rin・d/2−Slot・d/8π … (5)
注)式中、Scuはステータコア10のスロット12内に挿入されるコイル断面積の合計、Rinはステータコア10の内半径、Rddは軸部21の半径、Slotはスロット12の数、dはコイル線直径を表す。
なお、上記各製造例において、電磁吸引力を利用してコイルCをスロット12内に保持するようにしてもよい。例えば、一側辺Ca(C1a,C2a)挿入後の状態でコイルCに電流を流しつづけることで、一側辺Ca(C1a,C2a)を磁性体であるステータコア10に押付けておくことができる。ただし、ローレンツ力を利用した押出し手段の場合は、他側辺Cb(C1b,C2b)が保持溝23bから出ない向きに電流を流すか、電磁石Emを使った場合は電磁石に流す電流を止めて磁界Gをなくすようにする。こうすることで確実に一側辺Ca(C1a,C2a)をスロット12内に保持することができる。
また、同様に他側辺Cb(C1b,C2b)挿入後の状態でコイルCに電流を流しつづけることによっても、一側辺Ca(C1a,C2a)と他側辺Cb(C1b,C2b)を確実にスロット12内に保持することができる。
また、一側辺Ca(C1a,C2a)挿入後、治具20を回転位置決めする際にコイルCに電流を流しつづけることで、治具20の回転による力で一側辺Ca(C1a,C2a)がスロット12から出てくることが抑制され、ステータコア10と治具20との間にはさみこまれることが抑制される。ローレンツ力を利用して押出し手段の場合は、他側辺Cb(C1b,C2b)が保持溝23bから出ない向きに電流を流すことでさらに、他側辺Cb(C1b,C2b)を保持溝23bに確実に保持することができ、治具20の回転による力で他側辺Cb(C1b,C2b)が保持溝23bから出てくることが抑制され、ステータコア10と治具20との間にはさみこまれることが抑制される。
ここで電磁吸引力を発生させるのに流す電流は、コイルCに渦電流による反発力が無視できる電流であればよく、例えば、20Hz以下の交流や直流であればよい。
また、上記各実施の形態では一側辺Ca(C1a,C2a)が挿入されたスロットから五つ先のスロット12へ他側辺Cb(C1b,C2b)を挿入したが、五つ先に限られない。
本発明によるステータを製造するための製造装置の一例を示す斜視図である。 同製造装置における治具と補助部材とステータコアとの関係を示す斜視図である。 同製造装置を用いた、本発明によるステータを製造するための製造方法の一実施形態において、コイルを治具に保持させ、この治具に補助部材を設置した状態を示す斜視図である。 同実施形態において、補助部材側から治具をステータコアの内周に挿入する状態を示す斜視図である。 同実施形態において、治具をステータコアの内周に挿入した状態を示す部分拡大断面図である。 同実施形態において、補助部材のブレード部の間隙を通してコイルの一側辺をステータコアのスロットに挿入する状態を示す部分拡大斜視図である。 同実施形態において、治具をステータコアの内周に挿入した状態を示す下方から見た斜視図である。 同実施形態において、補助部材を取外した状態を示す斜視図である。 同実施形態において、ステータコアの内周に治具を挿入した状態を示す平面図である。 同実施形態において、ステータコアに対し治具を所定角度回動させた状態を示す平面図である。 同実施形態において、治具の保持溝に保持されたコイルの他側辺を押圧治具によって外径側に押し出す状態を示す斜視図である。 同実施形態において、治具の保持溝に保持されたコイルの他側辺をステータコアの対応するスロットに挿入した状態を示す平面図である。 同実施形態において、挿入操作を2回繰り返して行った状態を示す説明図である。 同実施形態で得られるステータコアのスロット内に充填されたコイルを断面にして示す説明図である。 同実施形態で得られるステータのコイルエンドの形状を示す平面図である。 同ステータコアの側面図である。 同実施形態において、治具の保持溝とステータコアのスロットとの関係を考察するための説明図である。 本発明によるステータを製造するための製造方法の他の実施形態において、ステータコアの内周に治具を挿入し、コイルの一側辺をステータコアのスロットに挿入し、他側辺が治具の保持溝に保持された状態を示す説明図である。 同実施形態において、ステータコアに対して治具を所定角度回動させた状態を示す説明図である。 同実施形態において、治具の保持溝に保持されたコイルの他側辺をステータコアのスロットに挿入した状態を示す説明図である。 同実施形態において、挿入操作を2回繰り返して行った状態を示す説明図である。 同実施形態において、治具の保持溝とステータコアのスロットとの関係を考察するための説明図である。 本発明によるステータを製造するための製造装置の他の実施形態を示す斜視図である。 同製造装置を組付けた状態を示す斜視図である。 同製造装置を用いた、本発明によるステータを製造するための製造方法の実施形態において、コイルを保持した治具をステータコアの内周に挿入した状態を示す平面図である。 同実施形態において、治具の保持溝に押圧治具のプッシャを挿入し、コイルの一側辺をスロットに挿入する状態を示す平面図である。 同実施形態において、プッシャを更に押し込み、コイルの一側辺をスロットに完全に挿入した状態を示す平面図である。 図27の状態からプッシャを抜いた状態を示す平面図である。 コイルの他側辺を保持する第2保持溝が所定のスロットに位置するように治具を所定角度回転させた状態を示す平面図である。 第2保持溝にプッシャを挿入して、コイルの他側辺を対応するスロットに挿入した状態を示す平面図である。 同実施形態において、挿入操作を2回繰り返して行った状態を示す説明図である。 同実施形態で得られるステータのスロット内に充填されたコイルを断面にして示す説明図である。 同実施形態で得られるステータの端面形状を示す平面図である。 同ステータの側面図である。 本発明によるステータを製造するための製造方法の更に他の実施形態を示す部分拡大平面図である。 同実施形態においてコイルの一側辺をスロットに挿入した状態を示す部分拡大平面図である。 同実施形態においてコイルの他側辺を保持する第2保持溝が対応するスロットに整合するように回転位置決めした状態を示す部分拡大平面図である。 同実施形態において、コイルの他側辺を対応するスロットに挿入した状態を示す説明図である。 同実施形態において、挿入操作を2回繰り返して行った状態を示す説明図である。 同実施形態において、治具の保持溝とステータコアのスロットとの関係を考察するための説明図である。 前記各実施形態における押圧手段の他の例を示す説明図である。 同押圧手段によってコイルの一側辺を挿入した状態を示す説明図である。 前記各実施形態における押圧手段の更に他の例を示す説明図である。 同押圧手段によってコイルの一側辺を挿入した状態を示す説明図である。 前記各実施形態における押圧手段の更に他の例を示す説明図である。 同押圧手段によってコイルの一側辺を挿入した状態を示す説明図である。 前記各実施形態における押圧手段の更に他の例を示す説明図である。 同押圧手段によってコイルの一側辺をスロットに挿入した状態を示す説明図である。 同押圧手段によりステータコアのスロットにコイルの両側辺を挿入した状態を示す斜視説明図である。 前記各実施形態における押圧手段の更に他の例を示す説明図である。 本発明によるステータを製造するための製造方法の更に他の実施形態を示す部分拡大平面図である。 同実施形態において、コイルの一側辺をスロットに挿入した状態を示す部分拡大平面図である。 同実施形態において、コイルの他側辺が残っている保持溝を対応するスロットに整合するように回転位置決めした状態を示す部分拡大平面図である。 同実施形態において、コイルの他側辺を対応する保持溝に挿入した状態を示す説明図である。 同実施形態において、挿入操作を2回繰り返して行った状態を示す説明図である。 同実施形態において、治具の保持溝とステータコアのスロットとの関係を考察するための説明図である。 前記各実施形態において使用できる回転補助治具を示す説明図である。 同回転補助治具によりコイルエンドを押圧する前と押圧した後の状態を示す説明図である。 本発明の更に他の実施形態によるステータの製造例において、保持溝にコイルの両側辺を挿入した状態を示す説明図である。 同実施形態において、保持溝からコイルの1側辺を対応するスロットに挿入した状態を示す説明図である。 同実施形態において、治具を回転させて、保持溝を所定のスロットに回転位置決めした状態を示す説明図である。 同実施形態において、保持溝に残っているコイルの他側辺を対応するスロットに挿入した状態を示す説明図である。
符号の説明
10 ステータコア
11 内歯
12 スロット
20 治具
21 軸部
22 孔
23 保持溝
23a 第1保持溝
23b 第2保持溝
25 孔
30 押圧治具
31 軸
32 ガイド溝
33 環体
34 プッシャ
34a テーパ部
35 軸下端
40 電源
50 引き出し装置
51 アーム
52 フック
60 空圧装置
61 空圧機
62 チューブ
63 ノズル
64 噴出孔
70 回転補助治具
73 押圧板
C、C1、C2 コイル
Ca、C1a、C2a 一側辺
Cb、C1b、C2b 他側辺
Em 電磁石
G 磁界
M 永久磁石
Rin ステータ内半径
Scu 総断面積
Slot スロット数
d コイル線直径

Claims (7)

  1. ステータコアのスロットに、予め巻線された複数のコイルの一側辺をそれぞれ挿入した後、前記複数のコイルの他側辺をそれぞれ他のスロットに挿入して、ステータコアの端面から見たときコイル同士が螺旋状に重なった形態をなすステータにおいて、前記螺旋状に重なったコイル同士のループがステータコアの半径方向に2層以上に積層されており、前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計が前記ステータコアの内半径に基づく所定値より大であることを特徴とするステータ。
  2. 前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(1)が成り立つ請求項1記載のステータ。
    Scu>Rin・d−Slot・d/4π …(1)
  3. 前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(2)が成り立つ請求項1記載のステータ。
    Scu>2・Rin・d−Slot・d/π …(2)
  4. 前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(3)が成り立つ請求項1記載のステータ。
    Scu>Rin・d−Slot・d/2π …(3)
  5. 前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(4)が成り立つ請求項1記載のステータ。
    Scu>2・Rin・d−2・Slot・d/π …(4)
  6. 前記ステータコアのスロット内に挿入されるコイル断面積の合計をScuとし、前記ステータコアの内半径をRinとし、スロット数をSlotとし、コイル線直径をdとしたとき、下記数式(5)が成り立つ請求項1記載のステータ。
    Scu>Rin・d/2−Slot・d/8π …(5)
  7. 前記螺旋状に重なったコイル同士の1層のループは、各スロットに当該1層のループを構成する各コイルの一側辺が1個ずつ挿入されたループをなしている請求項1〜6のいずれか1つに記載のステータ。
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