JP2008271409A - 受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信信号から既知のトレーニング系列が含まれていない干渉信号を除去し、干渉信号除去後の受信信号を復調する受信装置を得ること。
【解決手段】本発明にかかる受信装置は、希望信号の伝送路特性を推定する受信信号伝送路特性推定部(22)と、希望信号の伝送路特性に基づいて希望信号が除去された受信信号を生成する希望信号除去部(24)と、希望信号が除去された受信信号に基づいて干渉信号を推定する干渉信号推定部(25)と、干渉信号が除去された受信信号を生成する干渉信号除去部(26)と、干渉信号が除去された受信信号に基づいて希望信号の伝送路特性を推定する希望信号伝送路特性推定部(27)と、干渉信号の伝送路特性と、希望信号の伝送路特性と、に基づいて希望信号の判定値を算出する信号等化部(28)と、を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、受信信号に含まれる干渉信号の推定結果および干渉信号の伝送路特性推定結果を用いて高精度に希望信号を推定する受信装置に関する。
携帯電話などの通信環境では、符号間干渉をともなう周波数選択性フェージングにより、受信信号がひずむことがある。このようなひずみに対しては、等化器により符号間干渉成分を利用して復調することが一般的に知られている。しかし、周波数選択性フェージングによるひずみ以外にも、同一周波数の他チャネル干渉など通信品質を劣化させる要因が存在する。したがって、品質の良い通信を実現させるためには、これらの劣化要因を除去および補償する必要がある。
たとえば、下記特許文献1に記載の等化器では、希望信号および干渉信号の既知であるトレーニング系列部分を利用して希望信号の伝送路特性および干渉信号の伝送路特性を推定し、これらを使用して遅延波や干渉信号の影響をキャンセルしている。
特開2005−159790号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の等化器では、既知のトレーニング系列が含まれた干渉信号を利用して等化処理を行っているため、既知のトレーニング系列が含まれていない干渉信号を除去することができない、という問題があった。
また、希望信号の他に干渉信号を含んだ受信信号を対象として、既知のトレーニング系列を利用した希望信号の推定処理を行うため、伝送路特性の推定精度が悪くなる。その結果、推定精度の低い推定伝送路特性をもとに等化処理を行うこととなり通信品質が悪くなる、という問題があった。
さらに、干渉信号の推定処理についても、希望信号に埋もれた状態で既知のトレーニング系列を利用して伝送路特性を推定するため、その推定精度の低い推定伝送路特性をもとに干渉信号を計算し、除去しながら等化処理を行うこととなり通信品質が悪くなる、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、干渉信号に既知のトレーニング系列が含まれていない場合であっても、干渉成分を除去しながら、希望信号の復調を行う受信装置を得ることを目的とする。また、伝送路特性の推定精度を向上して品質の良い通信を実現する受信装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、受信信号および希望信号の既知系列に基づいて希望信号の伝送路特性を推定する第1の伝送路特性推定手段と、前記受信信号および前記第1の伝送路特性推定手段が推定した希望信号の伝送路特性に基づいて希望信号を推定し、さらに、当該推定された希望信号を前記受信信号から減算することにより、希望信号が除去された受信信号を生成する希望信号除去手段と、前記希望信号が除去された受信信号に基づいて干渉信号の干渉系列および干渉信号の伝送路特性を推定し、さらに、当該干渉系列および当該伝送路特性推定値に基づいて干渉信号を推定する干渉信号推定手段と、前記干渉信号推定手段により推定された干渉信号を前記受信信号から減算することにより、干渉信号が除去された受信信号を生成する干渉信号除去手段と、前記干渉信号が除去された受信信号および前記希望信号の既知系列に基づいて希望信号の伝送路特性を推定する第2の伝送路特性推定手段と、前記受信信号と、前記干渉信号推定手段により推定された干渉信号の伝送路特性と、前記第2の伝送路特性推定手段により推定された希望信号の伝送路特性と、に基づいて希望信号の判定値を算出する等化手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、受信装置は、受信信号から希望信号を除去した信号をもとに干渉信号と干渉信号の伝送路特性を推定し、推定した干渉信号を除去した受信信号に基づいて希望信号を推定するので、干渉信号に既知のトレーニング系列が含まれていない場合であっても干渉成分を除去して希望信号を復調することができ、品質の良い通信を実現できる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、本発明にかかる受信装置の実施の形態1の構成例を示す図である。この受信装置は、アンテナ11と、アナログ処理部12と、アナログ/ディジタル変換部(A/D)13と、復調処理部14と、誤り訂正部15と、により構成される。なお、この受信装置は、送信側で符号化などの処理が行われて生成され、既知のトレーニング系列を含んだ信号を受信することを前提とする。また、本実施の形態では、一例としてBPSK方式で変調された信号を受信する受信装置について説明するが、受信信号はGMSKやQPSKなど他の方式で変調されていてもよい。
図1に示した受信装置の動作について簡単に説明する。アナログ処理部12は、アンテナ11を経由して受信した受信波に対して帯域制限やダウンコンバートなどの処理を行い、ベースバンドまたは中間周波数のアナログ信号に変換する。アナログ/ディジタル変換部13は、アナログ処理部12から入力されたアナログ信号をディジタルの受信信号(以下、受信信号と呼ぶ)に変換する。復調処理部14は、アナログ/ディジタル変換部13から入力された受信信号に対して復調処理を実行して軟判定値または硬判定値を算出する。また、受信信号が中間周波数のディジタル信号の場合、復調処理部14は入力された信号をベースバンド信号に変換する処理も実行する。誤り訂正部15は、復調処理部14からの入力信号に対してデインタリーブや復号などの誤り訂正処理を行う。
つづいて、復調処理部14を図2および図3に基づいて説明する。図2は、復調処理部14の構成例を示す図である。また、図3は、受信信号のフレーム構成例を示す図である。ここでは、自チャネルの信号(以下、希望信号と呼ぶ)と同時に同一周波数の他チャネル(以下、干渉信号と呼ぶ)を受信している場合の動作について説明する。また、復調処理部14は、復調処理を所定回数にわたって繰り返し実行する。
図2に示したように、復調部14は、メモリ21と、受信信号伝送路特性推定部22と、選択部23と、希望信号除去部24と、干渉信号推定部25と、干渉信号除去部26と、希望信号伝送路特性推定部27と、信号等化部28と、を備えている。また、図3に示したように、受信信号フレームは、トレーニング系列31と、データシンボル32と、テイルシンボル33と、により構成される。
メモリ21は、1フレームより長い受信信号を蓄積可能な容量を有し、アナログ/ディジタル変換部13から入力された受信信号を蓄積する。
受信信号伝送路特性推定部22(第1の伝送路特性推定手段)は、メモリ21から受信信号を読み出し、既知である希望信号のトレーニング系列31(図3参照)を利用して希望信号の伝送路特性を推定する。この伝送路特性は、公知技術(一般的に用いられている技術)を使用して推定する。
選択部23は、受信信号伝送路特性推定部22が算出した希望信号の伝送路特性推定値と、信号等化部28が後述する処理を実行し、算出した希望信号の伝送路特性推定値と、を入力とし、これらのいずれか一方を選択して出力する。詳細には、1回目の復調処理では受信信号伝送路特性推定部22からの入力信号を選択して出力し、2回目以降の繰返し処理では信号等化部28からの入力信号を選択して出力する。
なお、選択部23を省略し、希望信号除去部24が、受信信号伝送路特性推定部22から出力された希望信号の伝送路特性推定値と、信号等化部28から出力された希望信号の伝送路特性推定値、のいずれか一方を選択して処理を行うような構成としてもよい。
希望信号除去部24は、まず、メモリ21から受信信号を読み出し、希望信号のトレーニング系列31および選択部23から出力された希望信号の伝送路特性推定値を用いて、次式(1)に従い希望信号の推定値Sd(n)を算出する。なお、nはシンボル番号である。
Sd(n)=Σhd(i)・Id(n−i) …(1)
ここで、希望信号除去部24は、n=L+1からn=N1について希望信号の推定値Sd(n)を計算する。また、Σはi=0〜Lについて総和を計算することを示す。さらに、Lは伝送路特性のメモリ長(タップ数−1)を示し、N1は、トレーニング系列のシンボル長を示す。hd(i)は、希望信号の伝送路特性推定値であり(i=0〜L)、Id(n)は、トレーニング系列である(n=1〜N1)。
つぎに、希望信号除去部24は、次式(2)に従い、算出した希望信号の推定値Sd(n)を受信信号r(n)から減算し、希望信号が除去された受信信号r’(n)を生成する。なお、n=L+1からn=N1について減算処理を行う。
r’(n)=r(n)−Sd(n) …(2)
干渉信号推定部25は、上記希望信号除去部24からの出力(希望信号を除去して得られた受信信号r’(n))を用いて干渉信号の干渉系列(ビットパターン)および干渉信号の伝送路特性推定値を計算する。ここでは、既存の技術(たとえば、特開平3−165632に記載された最尤系列推定技術)を利用して計算する。そして、算出した干渉信号の干渉系列および伝送路特性推定値を用いて、次式(3)に従い干渉信号の推定値Su(n)を算出する。
Su(n)=Σhu(i)・Iu(n−i) …(3)
ここで、干渉信号推定部25は、n=L+1からn=N1について干渉信号の推定値Su(n)を計算する。また、Σはi=0〜Lについて総和を計算することを示す。また、Lは、伝送路特性のメモリ長(タップ数−1)を示し、N1は、トレーニング系列のシンボル長を示す。hu(i)は、干渉信号の伝送路特性推定値であり(i=0〜L)、Iu(n)は、干渉信号の干渉系列である(n=1〜N1)。
なお、干渉信号推定部25が干渉信号推定処理で使用する伝送路特性推定値(hu(i))の初期値は後述する信号等化部28から出力された干渉信号の伝送路特性推定値とする。また、信号等化部28からの出力値が得られる前に実行する干渉信号推定処理では、予め決定しておいた固定値を初期値として使用する。たとえば、次式(4)で示した値を初期値とする。
hu(i)=1,(i=1)
hu(i)=0,(i=0、2〜L) …(4)
干渉信号除去部26は、次式(5)に従い、干渉信号推定部25からの出力(干渉信号の推定値Su(n))をメモリ21より読み出した受信信号r(n)から減算し、干渉信号が除去された受信信号r”(n)を得る。なお、n=L+1からn=N1について減算処理を行う。
r”(n)=r(n)−Su(n) …(5)
希望信号伝送路特性推定部27(第2の伝送路特性推定手段)は、干渉信号除去部26から出力された干渉信号除去後の受信信号と、希望信号のトレーニング系列を利用して希望信号の伝送路特性を推定する。この伝送路特性は、公知技術を使用して推定する。
信号等化部28(等化手段)は、メモリ21から受信信号を読み出し、希望信号伝送路特性推定部27から出力された希望信号の伝送路特性推定値と、干渉信号推定部25から出力された干渉信号の伝送路特性推定値と、を初期値として等化処理を実行し、希望信号のデータ系列32に対応した軟判定値を推定する。軟判定値の推定処理に関しては後述する。また、信号等化部28は、推定した軟判定値に基づいて、希望信号の伝送路特性推定値および干渉信号の伝送路特性推定値を更新する。更新した希望信号の伝送路特性推定値は選択部23へ出力し、更新した干渉信号の伝送路特性推定値は干渉信号推定部25へ出力する。なお、更新した希望信号の伝送路特性推定値は、選択部23から希望信号除去部24へ渡される。
以上の処理を、希望信号除去部24、干渉信号推定部25、干渉信号除去部26、希望信号伝送路特性推定部27および信号等化部28は、繰返し実行する。なお、2回目以降の繰り返し処理では、選択部23は、信号等化部28から入力された希望信号の伝送路特性推定値を選択し、希望信号除去部24へ出力する。信号等化器28は、最後の繰り返し処理を実行した際に推定した軟判定値を最終的な軟判定値として出力する。
つづいて、信号等化部28が実行する軟判定値の推定処理を図4に基づいて説明する。図4は、信号等化部28の構成例を示す図であり、信号等化部28は、最尤系列推定部41と、伝送路特性推定部42−1〜42−Mと、伝送路特性選択部43と、により構成される。
最尤系列推定部41は、メモリ21(図2参照)から読み出した受信信号のデータシンボル32およびテイルシンボル33(図3参照)と、伝送路特性推定部42−1〜42−Mがシンボルごとに更新して出力する希望信号の伝送路特性推定値および干渉信号の伝送路特性推定値と、を入力とし、ビタビアルゴリズムを使用して希望信号の判定値を推定する。ここで、Mはビタビアルゴリズムのトレリスの状態数である。また、ビタビアルゴリズムのトレリスは、希望信号と干渉信号の送信パターンに対応した状態ごとに処理を行うことにより、干渉成分を除去しながら希望信号の判定値を計算する。ここで図5は、希望信号および干渉信号の伝送路特性のメモリ長が1の場合(L=1の場合)の希望信号および干渉信号の伝送路特性のトレリス図である。
最尤系列推定部41の処理について具体的に説明する。まず、次式(6)を使用してデータシンボル32またはテイルシンボル33のシンボル番号nに対応した状態と状態を結ぶ枝番号m(=1〜4・M)の枝メトリックE(m,n)を計算する。
Sd(m)=Σhd(m,i,n)・Id(m,i)
Su(m)=Σhu(m,i,n)・Iu(m,i)
E(m,n)=|r(n)−Sd(m,n)−Su(m,n)|^2 …(6)
ここで、Σはi=0〜Lについて総和を計算することを示し、|A|^2はAの絶対値の2乗を示す。また、Id(m,i)は枝mにより決定される希望信号の送信信号パターンを示し、Iu(m,i)は枝mにより決定される干渉信号パターンを示す。また、hd(m,i,n)は伝送路特性推定部42−mが出力する希望信号の伝送路特性推定値を示し、hu(m,i,n)は伝送路特性推定部42−mが出力する干渉信号の伝送路特性推定値を示す。さらに、Sd(m)は枝番号mに対応した希望信号のレプリカ、Su(m)は枝番号mに対応した干渉信号のレプリカであり、受信信号r(n)から希望信号のレプリカSd(m,n)および干渉信号のレプリカSu(m,n)を減算して得られた値(すなわち誤差)の2乗を枝メトリックとして計算する。このため、干渉信号を除去した場合と同様の判定が可能となる。この枝メトリックをもとに公知であるビタビアルゴリズムを使用して判定値を計算することができる。
また、最尤系列推定部41を、特開平10−70470に記載された軟判定装置と同様の処理を実行し、軟判定値を算出するような構成としてもよい。
伝送路特性推定部42−1〜42−Mは、メモリ21から読み出した受信信号のデータシンボル32およびテイルシンボル33と、希望信号伝送路特性推定部27(図2参照)から出力された希望信号の伝送路特性推定値と、干渉信号推定部25(図2参照)から出力された干渉信号の伝送路特性推定値と、を初期値として、ビタビアルゴリズムのトレリスの状態と状態を結ぶ枝に対応した、希望信号の伝送路特性推定値および干渉信号の伝送路特性推定値を次式(7)によりシンボルごとに更新する。
e(m,n)=r(n)−Sd(m,n)−Su(m,n)
hd(m,i,n+1)=hd(m,i,n)+α・e(m,n)・Id(m,i)
hu(m,i,n+1)=hu(m,i,n)+β・e(m,n)・Iu(m,i)
…(7)
ここで、e(m,n)は枝mに対応した誤差値であり、αとβは更新時のステップサイズであり、1より小さい値である。
なお、伝送路特性推定値の更新は、最尤系列推定部41から出力された各状態の判定結果と状態に基づいて、各状態ごとに更新するようにしても構わない。
伝送路特性推定値選択部43は、最後のシンボルに対する更新処理が終了した段階で、各状態の伝送路特性推定値の中で各状態の生き残りパスメトリック(枝メトリックの累積値)が最小となる希望信号の伝送路特性推定値および干渉信号の伝送路特性推定値を選択し、出力する。なお、希望信号の伝送路特性推定値は選択部23を経由して希望信号除去部24へ出力され、干渉信号の伝送路特性推定値は干渉信号推定部25へ出力される。
そして、希望信号除去部24、干渉信号推定部25、干渉信号除去部26および希望信号伝送路特性推定部27が、伝送路特性推定値選択部43から出力された希望信号の伝送路特性推定値および干渉信号の伝送路特性推定値、またはこれらに基づいて生成された信号などに基づいて上述した処理を実行して干渉信号の伝送路特性推定値の更新および希望信号の伝送路特性推定値の再生成を行い、さらに、信号等化部28は、更新された伝送路特性推定値(干渉信号の伝送路特性推定値)および再生成された伝送路特性推定値(希望信号の伝送路特性推定値)に基づいて判定値の推定処理、伝送路特性の更新処理を再度実行する。以後、同様の処理を、希望信号除去部24、干渉信号推定部25、干渉信号除去部26、希望信号伝送路特性推定部27および信号等化部28は、所定回数繰り返し実行する。
このように、本実施の形態では、受信信号から希望信号を除去した信号に基づいて干渉信号と干渉信号の伝送路特性を推定し、さらに推定した干渉信号を除去した受信信号に基づいて希望信号を推定することとした。これにより、干渉信号に既知のトレーニング系列が含まれていない場合であっても干渉成分を除去して希望信号を復調することができ、品質のよい通信を実現できる。
また、等化処理、希望信号の伝送路特性推定処理および干渉信号の伝送路特性推定処理を繰返し行うこととした。すなわち、希望信号の伝送路特性推定値および干渉信号の伝送路特性推定値を更新しながら等化処理を行うこととした。これにより、伝送路特性の推定精度を向上させ、通信品質をさらに向上させることができる。
なお、信号等化部28から出力される希望信号の伝送路特性推定値を、希望信号伝送路特性推定部27へ入力し、希望信号の伝送路特性推定に利用するような構成にしてもよい。これにより希望信号伝送路特性推定部27での推定精度を向上させることができる。
また、干渉信号推定部25が1回目の推定処理を行った結果、雑音や残留希望信号のために、本来は図6−1に示したような伝送路特性推定結果が得られるはずが、図6−2に示したような伝送路特性推定結果が得られる場合がある。このような場合、2回目以降の干渉信号の伝送路特性推定を実行して推定精度が改善し、図6−3に示したような伝送路特性推定値が得られた後にタイミングを補正して次回の推定処理を行い、図6−1に示した伝送路特性推定値を得るような構成としてもよい。図6−1〜6−3に示した例ではタイミングを2シンボルずらしてから再推定を行う。
上記構成へと変形することにより、干渉信号推定部25は、2回目以降の推定処理で1回目の伝送路推定のタイミングずれを修正し、干渉信号および干渉信号の伝送路特性推定値の精度を良くすることができるため、更に品質の良い通信が実現できる。
同様に、希望信号伝送路特性推定部27の構成を変形することにより、図6−3に示したような伝送路特性推定値に対してタイミングずれを修正して再推定を行い、図6−1に示した伝送路特性推定値を得るようにしてもよい。
このような構成とすることにより、繰返しの処理を続ける際に、希望信号の推定精度を改善するとともに、受信信号の処理タイミングを改善することができ、更に品質の良い通信が実現できる。
なお、希望信号伝送路特性推定部27の構成を上述したように変形した場合、タイミングずれを修正した後の繰り返し処理では、希望信号除去部24、干渉信号除去部26および信号等化部28は、希望信号伝送路特性推定部27によるタイミング補正量(タイミングの修正量)に従い処理の実行タイミングを補正して処理を行うようにする。
また、本発明は、図7に例示したフレームフォーマットの希望信号に対しても適用可能である。この例は、テイルシンボル71および75と、データシンボル72および74と、トレーニング系列73と、により構成されるフレームを示している。そのため、トレーニング系列73、データシンボル74およびテイルシンボル75については上述した手順で復調処理を行い、また、データシンボル72およびテイルシンボル71については、トレーニング系列73側からテイルシンボル71側に向けて復調処理を実行すればよい。
以上のように、本発明にかかる受信装置は、ディジタル変調信号の復調に有用であり、特に、既知のトレーニング系列が含まれていない干渉信号を除去して希望信号を復調する場合に適している。
本発明にかかる復調装置を備えた受信装置の構成例を示す図である。 復調処理部の構成例を示す図である。 受信信号のフレーム構成例を示す図である。 信号等化部の構成例を示す図である。 メモリ長が1の場合の希望信号および干渉信号の伝送路特性のトレリス図である。 伝送路特性推定結果の一例を示す図である。 伝送路特性推定結果の一例を示す図である。 伝送路特性推定結果の一例を示す図である。 受信信号のフレーム構成例を示す図である。
符号の説明
11 アンテナ
12 アナログ処理部
13 アナログ/ディジタル変換部(A/D)
14 復調処理部
15 誤り訂正部
21 メモリ
22 受信信号伝送路特性推定部
23 選択部
24 希望信号除去部
25 干渉信号推定部
26 干渉信号除去部
27 希望信号伝送路特性推定部
28 信号等化部
31、73 トレーニング系列
32、72、74 データシンボル
33、71、75 テイルシンボル
41 最尤系列推定部
42−1、42−2、42−M 伝送路特性推定部
43 伝送路特性選択部

Claims (4)

  1. 受信信号および希望信号の既知系列に基づいて希望信号の伝送路特性を推定する第1の伝送路特性推定手段と、
    前記受信信号および前記第1の伝送路特性推定手段が推定した希望信号の伝送路特性に基づいて希望信号を推定し、さらに、当該推定された希望信号を前記受信信号から減算することにより、希望信号が除去された受信信号を生成する希望信号除去手段と、
    前記希望信号が除去された受信信号に基づいて干渉信号の干渉系列および干渉信号の伝送路特性を推定し、さらに、当該干渉系列および当該伝送路特性推定値に基づいて干渉信号を推定する干渉信号推定手段と、
    前記干渉信号推定手段により推定された干渉信号を前記受信信号から減算することにより、干渉信号が除去された受信信号を生成する干渉信号除去手段と、
    前記干渉信号が除去された受信信号および前記希望信号の既知系列に基づいて希望信号の伝送路特性を推定する第2の伝送路特性推定手段と、
    前記受信信号と、前記干渉信号推定手段により推定された干渉信号の伝送路特性と、前記第2の伝送路特性推定手段により推定された希望信号の伝送路特性と、に基づいて希望信号の判定値を算出する等化手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  2. さらに、
    前記等化手段が、前記判定値に基づいて、前記干渉信号推定手段により推定された干渉信号の伝送路特性および前記第2の伝送路特性推定手段により推定された希望信号の伝送路特性を更新する第1の処理と、
    前記希望信号除去手段が、前記等化手段により更新された希望信号の伝送路特性に基づいて希望信号が除去された受信信号を再生成し、前記干渉信号推定手段が、前記再生成された希望信号が除去された受信信号に基づいて、前記等化手段により更新された干渉信号の伝送路特性を更新しつつ干渉信号を再推定し、前記干渉信号除去手段が、前記再推定された干渉信号に基づいて干渉信号が除去された受信信号を再生成し、前記第2の伝送路特性推定手段が、前記再生成された干渉信号が除去された受信信号に基づいて希望信号の伝送路特性を再推定する第2の処理と、
    前記等化手段が、前記干渉信号推定手段により更新された干渉信号の伝送路特性および前記第2の伝送路特性推定手段により再推定された希望信号の伝送路特性に基づいて、前記判定値算出処理と、前記干渉信号の伝送路特性更新処理および前記希望信号の伝送路特性更新処理と、を実行する第3の処理と、
    を含み、
    前記第2の処理および第3の処理を所定回数にわたって繰り返し実行し、最後の繰り返し処理を実行した際に前記等化手段が算出した判定値を最終的な判定値とすることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記干渉信号推定手段は、推定処理を実行して得られた干渉信号の伝送路特性推定値に基づいて次回の干渉信号推定処理実行タイミングを決定し、次回の干渉信号推定処理では、当該決定したタイミングで干渉信号推定処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記第2の伝送路特性推定手段は、推定処理を実行して得られた希望信号の伝送路特性推定値に基づいて次回の希望信号推定処理実行タイミングを決定し、次回の伝送路特性推定処理では、当該決定したタイミングで伝送路特性推定処理を実行し、
    さらに、次回の繰り返し処理では、前記希望信号除去手段、前記干渉信号除去手段および前記等化手段が、前記第2の伝送路特性推定手段が決定したタイミングに基づいたタイミングで処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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