JP2008270425A - 移送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体ウェーハなどの基板を真空吸着して移送する移送装置において、基板の破損原因を生じさせることなく基板を安全に移送先へ移送する。
【解決手段】研削加工装置10の移送装置77は、弾性部材で形成された吸着パッド80を有する吸着手段78と、真空手段と、移動手段81と、付着物除去手段83とで構成される。研削加工が終了したウェーハ1を吸着パッド80の吸着面80aに真空吸着し、移送手段81によりスピンナ式洗浄装置94に移送する。ウェーハ1の移送が終了したら、付着物除去手段83のモータ84を作動させ、バイト90を回転させる。吸着手段78が移動手段81によりチャックテーブル20側に移動する最中に、バイト90が吸着面80a全面に摺接して、吸着面80aに付着した研削屑を除去する。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体ウェーハなどの基板を真空吸着して移送する移送装置に関する。
ICやLSI等の電子回路が表面に形成された半導体チップは、各種電気・電子機器を小型化する上で今や必須のものとなっている。半導体チップは、円盤状の半導体ウェーハ(以下、ウェーハ)の表面に、ストリートと呼ばれる切断予定ラインで格子状の矩形領域を区画し、これら矩形領域に電子回路を形成した後、ウェーハをストリートに沿って切断し、分割するといった工程で製造される。
このような製造工程において、ウェーハは、半導体チップに分割されるに先だち、電子回路が形成されたデバイス面とは反対側の裏面が研削加工装置によって研削され、所定の厚さに薄化されている。裏面の研削は、電子機器のさらなる小型化や軽量化の他、熱放散性を向上させて性能を維持させることなどを目的としており、例えば、当初厚さの700μm前後から、50〜100μmの厚さまで薄化することが行われる。
このような研削加工装置には、研削が終了したウェーハを移送先へ移送するために移送装置が備えられている。この移送装置は、例えば旋回式のアームの先端に、ウェーハを真空吸着する吸着パッドを有する吸着手段が備えられているものである。この吸着パッドは、ウェーハと平行な吸着面を有している。研削終了後のウェーハは、吸着パッドの吸着面に吸着保持され、旋回式のアームが作動して移送先へ移送される。このとき、研削によって削られたウェーハの研削屑がウェーハ上に残存していると、この研削屑が吸着面に付着する。この研削屑を吸着面に付着させたままの状態でウェーハを吸着すると、研削屑が突起となってウェーハを押圧してしまい、ウェーハの破損の原因となる。そこで、吸着手段を移送先から戻すときに、吸着面を洗浄する吸着パッド洗浄手段を用いて吸着面に付着した研削屑を除去するといった方策が考えられる。この吸着パッド洗浄手段は、洗浄水を吸着面に噴射し、ブラシを回転させて吸着面に付着した研削屑を除去するというものである。これにより、吸着パッドの吸着面へ研削屑が付着しても除去することができ、ウェーハの破損を抑えることができる(特許文献1参照)。
特開2003−059872公報
上記文献に記載の吸着パッドは、ポーラスセラミックなどの多孔質で、かつ硬質な材料で形成されている。このような吸着パッドの吸着面を上記吸着パッド洗浄手段で洗浄しても、完全に研削屑を除去することができずに、吸着面に研削屑が残存してしまう場合がある。すなわち、比較的大きな研削屑はブラシにより除去されるが、微小な研削屑は除去されずに吸着面に残存する可能性が高く、よって洗浄効果が不十分であった。微小な研削屑でも吸着面に残存すれば、平坦である吸着面より突起した状態になるため、ポーラスセラミックなどの硬質な吸着パッドでは、ウェーハを吸着面に吸着保持するときに微小な研削屑がウェーハにそのまま押圧される。これによって、特に薄いウェーハでは傷が付くなどして、ウェーハの破損の原因となるといった問題があった。
よって本発明は、半導体ウェーハなどの基板を真空吸着して移送する移送装置において、ウェーハを吸着保持する吸着パッドの吸着面に付着した研削屑などの加工屑を効果的に除去することができ、また、例え微小な加工屑を除去できなくても基板を傷つけることなく吸着でき、その結果、基板を安全に移送できる移送装置を提供することを目的としている。
本発明は、平坦なテーブル上に載置された基板の露出面を真空吸着して保持し、該基板を、前記テーブル上から移送先まで移送する移送装置であって、基板の露出面に当接し、基板と平行な吸着面を有する吸着パッドを有する吸着手段と、吸着手段の吸着面に基板を真空吸着させる真空手段と、吸着パッドがテーブル上と移送先との間を移送するように吸着手段を移動させる移動手段とを備え、吸着手段の吸着パッドは弾性部材で形成されており、吸着パッドの移動経路に、吸着パッドの移動中において吸着面に当接するブレード部材を有する付着物除去手段が配置されていることを特徴としている。
本発明の移送装置によると、吸着パッドが弾性部材で形成されているため、吸着面に付着した研削屑などの加工屑があっても吸着パッド側に沈み込み、基板を傷つけるおそれがない。一方、吸着パッド側に沈み込むことができないほどの大きさや形状の加工屑が吸着パッドに付着したり食い込んだりした場合でも、ブレード部材が吸着面に当接することで、吸着面に付着した加工屑を効果的かつ確実に除去することができる。このため、基盤の破損原因を生じさせることなく基板を安全に移送することができる。
また、本発明の移送装置では、吸着手段またはブレード部材の少なくともどちらか一方が回転し、その回転中において、ブレード部材が吸着パッドの吸着面全面に作用するような形態が挙げられる。これにより、狭い設置領域で吸着パッドの吸着面全面にブレード部材を当接させることができ、省スペース化が図られる。
本発明によれば、半導体ウェーハなどの基板を真空吸着して移送する移送装置において、吸着面に付着した研削屑などの加工屑があっても基板を傷つけることなく吸着でき、また、吸着パッドに付着したり食い込んだりした加工屑を効果的に除去することができ、その結果、基板を安全に移送できるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
[1]半導体ウェーハ
図1の符号1は、裏面全面が研削されて目的厚さ(例えば50〜100μm)に薄化加工される円盤状の半導体ウェーハ(以下ウェーハと略称)を示している。このウェーハ1はシリコンウェーハ等であって、研削前の厚さは例えば700μm程度である。ウェーハ1の表面には、格子状の分割予定ライン3によって複数の矩形状の半導体チップ(デバイス)4が区画されており、これら半導体チップ4の表面には、ICやLSI等の図示せぬ電子回路が形成されている。ウェーハ1の外周縁は、角をなくして損傷しにくいようにするために断面半円弧状に面取り加工が施されている。
複数の半導体チップ4は、ウェーハ1と同心の概ね円形状のデバイス形成領域5に形成されている。デバイス形成領域5はウェーハ1の大部分を占めており、このデバイス形成領域5の周囲のウェーハ外周部が、半導体チップ4が形成されない環状の外周余剰領域6とされている。また、ウェーハ1の周面の所定箇所には、半導体の結晶方位を示すV字状の切欠き(ノッチ)7が形成されている。このノッチ7は、外周余剰領域6内に形成されている。ウェーハ1は、最終的には分割予定ライン3に沿って切断、分割され、複数の半導体チップ4に個片化される。
ウェーハ1を裏面研削する際には、電子回路を保護するなどの目的で、図1に示すように電子回路が形成された側の表面に保護テープ2が貼着される。保護テープ2は、例えば厚さ70〜200μm程度のポリオレフィン等の柔らかい樹脂製基材シートの片面に5〜20μm程度の粘着剤を塗布した構成のものが用いられ、その粘着剤を塗布した面とウェーハ1の表面とが相対するように貼り付けられる。
[2]研削加工装置
次に、図1に示したウェーハ1の裏面を研削加工する一実施形態の研削加工装置を説明する。
図2は、その研削加工装置10の全体を示しており、該装置10は、上面が水平な直方体状の基台11を備えている。図2では、基台11の長手方向、幅方向および鉛直方向を、それぞれY方向、X方向およびZ方向で示している。基台11のY方向一端部には、X方向に並ぶコラム12が一対の状態で立設されている。基台11上には、Y方向のコラム12側にウェーハ1を研削加工する加工エリア11Aが設けられ、コラム12とは反対側には、加工エリア11Aに加工前のウェーハ1を供給し、かつ、加工後のウェーハ1を回収する着脱エリア11Bが設けられている。
以下、研削加工エリア11Aと着脱エリア11Bについて説明する。
(I)研削加工エリア
研削加工エリア11Aには、矩形状のピット15が形成されている。このピット15内には、回転軸がZ方向と平行で上面が水平とされた円盤状のターンテーブル13が回転自在に設けられている。このターンテーブル13は、図示せぬ回転駆動機構によって矢印R方向に回転させられる。ターンテーブル13上の外周部には、回転軸がZ方向と平行で上面が水平とされた複数(この場合は3つ)の円盤状のチャックテーブル20が、周方向に等間隔をおいて回転自在に配置されている。
これらチャックテーブル20は一般周知の真空チャック式であり、上面に載置されるウェーハ1を吸着、保持する。図3(b)に示すように、チャックテーブル20は、上面に多孔質のセラミックからなる円形の吸着エリア21を有しており、この吸着エリア21の上面21aにウェーハ1は吸着して保持されるようになっている。吸着エリア21の周囲には環状の枠体22が形成されており、この枠体22の上面22aは、吸着エリア21の上面21aと連続して同一平面をなしている。各チャックテーブル20は、それぞれがターンテーブル13内に設けられた図示せぬ回転駆動機構によって、一方向、または両方向に独自に回転すなわち自転するようになっており、ターンテーブル13が回転すると公転の状態になる。
図2に示すように2つのチャックテーブル20がコラム12側でX方向に並んだ状態において、それらチャックテーブル20の直上には、研削ユニット30がそれぞれ配されている。各チャックテーブル20は、ターンテーブル13の回転によって、各研削ユニット30の下方の研削位置と、着脱エリア11Bに最も近付いた着脱位置との3位置にそれぞれ位置付けられるようになっている。研削位置は2箇所あり、これら研削位置ごとに研削ユニット30が配備されている。この場合、ターンテーブル13の回転によるチャックテーブル20の矢印Rで示す移送方向上流側(図2で奥側)の研削位置が一次研削位置、下流側の研削位置が二次研削位置とされている。
各研削ユニット30は、コラム12に昇降自在に取り付けられたスライダ40に固定されている。スライダ40は、Z方向に延びるガイドレール41に摺動自在に装着されており、サーボモータ42によって駆動されるボールねじ式の送り機構43によってZ方向に移動可能とされている。各研削ユニット30は、送り機構43によってZ方向に昇降し、下降してチャックテーブル20に接近する送り動作により、チャックテーブル20に保持されたウェーハ1の露出面を研削する。
研削ユニット30は、図3に示すように、軸方向がZ方向に延びる円筒状のスピンドルハウジング31と、このスピンドルハウジング31内に同軸的、かつ回転自在に支持されたスピンドルシャフト32と、スピンドルハウジング31の上端部に固定されてスピンドルシャフト32を回転駆動するモータ33と、スピンドルシャフト32の下端に同軸的に固定された円盤状のフランジ34とを具備している。そしてフランジ34には、カップホイール35がねじ止め等の取付手段によって着脱自在に取り付けられる。
カップホイール35は、環状のフレーム36の下端面に、該下端面の外周部全周にわたって複数の砥石37が環状に配列されて固着されたものである。一次研削位置の上方に配された一次研削用の研削ユニット30のフランジ34には、砥石37が例えば♯320〜♯400の砥粒を含むカップホイール35が取り付けられる。また、二次研削位置の上方に配された二次研削用の研削ユニット30のフランジ34には、砥石37が例えば♯2000〜♯8000程度の砥粒を含むカップホイール35が取り付けられる。フランジ34およびカップホイール35には、研削面の冷却や潤滑あるいは研削屑の排出のための研削水を供給する研削水供給機構(図示省略)が設けられ、該機構には給水ラインが接続されている。カップホイール35の研削外径、すなわち複数の砥石37の外周縁の直径は、少なくともウェーハ1の半径と同等以上で、一般的にはウェーハの直径に等しい大きさに設定されている。
図3の符号50は、基準側ハイトゲージ51とウェーハ側ハイトゲージ52との組み合わせで構成される厚さ測定ゲージである。基準側ハイトゲージ51は、揺動する基準プローブ51aの先端が、ウェーハ1で覆われないチャックテーブル20の枠体22の上面22aに接触し、該上面22aの高さ位置を検出するものである。ウェーハ側ハイトゲージ52は、揺動する変動プローブ52aの先端がチャックテーブル20に保持されたウェーハ1の上面すなわち被研削面に接触することで、ウェーハ1の上面の高さ位置を検出するものである。厚さ測定ゲージ50によれば、ウェーハ側ハイトゲージ52の測定値から基準側ハイトゲージ51の測定値を引いた値に基づいてウェーハ1の厚さが測定される。
ウェーハ1は、最初に一次研削位置で研削ユニット30により一次研削された後、ターンテーブル13が図2に示すR方向に回転することにより二次研削位置に移送され、ここで研削ユニット30により二次研削される。
(II)着脱エリア
図2に示すように、着脱エリア11Bの中央には、上下移動する2節リンク式のピックアップロボット70が設置されている。そして、このピックアップロボット70の周囲には、上から見て反時計回りに、供給カセット71、位置合わせ台72、供給手段73、移送装置77、スピンナ式洗浄装置94、回収カセット95が、それぞれ配置されている。供給手段73は、水平な下面にウェーハ1を真空作用で吸着する吸着パッドを有する吸着手段74と、この吸着手段74が先端に固定された水平旋回式の供給アーム75とにより構成されている。移送装置77は本発明に係るものであり、後で詳述する。カセット71,95は、複数のウェーハ1を水平な姿勢で、かつ上下方向に一定間隔をおいて積層状態で収容するもので、基台11上の所定位置にセットされる。また、供給手段73と移送装置77との間には、着脱位置にあるチャックテーブル20に水を噴射して研削後のウェーハ1を洗浄する洗浄ノズル76が設けられている。
(III)移送装置
移送装置77は、図2および図4に示す吸着手段78と、水平旋回式の移動手段81と、付着物除去手段83との組み合わせにより構成されている。図4に示すように、吸着手段78は円盤状のベース79を有し、このベース79の下面には、ウェーハ1と平行な吸着面80aを持つ吸着パッド80が配設されている。吸着パッド80は、例えば厚み方向に貫通する通気孔を形成したラバーシートや発泡ポリウレタンシートなどで形成されている。吸着手段78には図示しない真空手段が接続されており、吸着面80aから空気を吸引することでウェーハ1をその吸着面80aに同心状に吸着する。移動手段81は、アーム82と、そのアーム82を旋回および昇降させる駆動機構(図示省略)とで構成されており、アーム82の先端部に吸着手段78が固定されている。この駆動機構は、基台11上に設けられたアーム82のアーム軸82aを中心にアーム82を旋回させる。また、駆動機構がアーム82を昇降させることで、先端部に固定された吸着手段78をZ方向に移動し、吸着パッド80の吸着面80aの高さが調整される。
付着物除去手段83は、基台11にモータねじ85で固定されたモータ84と、このモータ84のモータ軸87の上端に同軸的に固定されたディスク88とを具備している。ディスク88の上面の外周部には環状のリブが形成されており、このリブの上面88aには、一つのバイト90がバイト留め具89によって着脱自在に取り付けられている。着脱位置に位置付けられたウェーハ1の被研削面に水平な吸着パッド80の吸着面80aを押し当て、ウェーハ1を吸着保持し、アーム82が水平に旋回することにより、ウェーハ1を、着脱位置からスピンナ式洗浄装置94まで移送する。このようなウェーハ1の移送時には、アーム軸を上方に移動させてウェーハ1がバイト90と当接しないようにする。ウェーハ1の移送が終了し、吸着手段78がスピンナ洗浄装置94からチャックテーブル20側へ戻るときは、移動手段81によりアーム軸を下降させて吸着面80aの高さを調整し、モータ84により回転させたバイト90に吸着面80aが摺接して、吸着面80aに付着した研削屑が除去されるようになされる。
図5に示すように、回転するバイト90の移動軌跡の直径は、吸着パッド80の直径よりも大きく、かつバイト90の回転中心(ディスク88の回転中心)は、吸着パッド80の中心の移動軌跡と重なる位置に配置されている。これにより、吸着パッド80の吸着面80aの全面にバイト90を当接させることができる。バイト90を回転させるモータ84の回転数は、例えば1000rpm以上であるが、吸着パッド80の材質に応じて適宜選択される。
[3]研削加工装置の動作説明
以上が本実施形態の研削加工装置10の構成であり、次に該装置10の動作を説明する。
研削加工されるウェーハ1は、はじめにピックアップロボット70によって供給カセット71内から取り出され、位置合わせ台72上に載置されて一定の位置に決められる。次いでウェーハ1は、供給アーム73によって位置合わせ台72から取り上げられ、着脱位置で待機しているチャックテーブル20上に被研削面(半導体チップ4が形成されていない裏面)を上に向けて載置される。ウェーハ1はターンテーブル13のR方向への回転によって一次研削位置と二次研削位置にこの順で移送され、これら研削位置で、研削ユニット30により上記のようにして裏面が研削される。ウェーハ1の研削にあたっては、いずれの研削位置においても、厚さ測定ゲージ50によってウェーハ1の厚さを逐一測定しながら研削量が制御される。二次研削が終了したウェーハ1は、さらにターンテーブル13がR方向に回転することにより着脱位置に戻される。
着脱位置に戻ったチャックテーブル20上のウェーハ1には、真空運転されている吸着手段78の吸着パッド80が下降して吸着する。ウェーハ1を吸着保持した吸着手段78は、アーム82が旋回して、ウェーハ1を移送先であるスピンナ式洗浄装置94まで移送し、次いで真空手段を停止してウェーハ1の吸着を終了する。この後、ウェーハ1はスピンナ式洗浄装置94内で洗浄処理され、次いで、ピックアップロボット70によって回収カセット95内に移送、収容される。
ウェーハ1がスピンナ式洗浄装置94で洗浄処理されている間に、吸着手段78は移動手段81によりスピンナ式洗浄装置94からチャックテーブル20側に移動する。この移動中に、付着物除去手段83により吸着面80aに付着した研削屑の除去が次のように行われる。なお、研削屑は、研削終了後のウェーハを吸着パッド80に吸着させた際、そのウェーハ1に研削屑が付着していた場合に吸着パッド80に付着する。吸着手段78がチャックテーブル20側に移動する前に、付着物除去手段83のモータ84を作動させて、ディスク88の表面88aに取り付けられたバイト90を回転させる。このとき、吸着面80aにバイト90が摺接するようにアーム82の高さが調整される。吸着手段78がチャックテーブル20側へ移動すると、移動経路で回転しているバイト90が吸着面80aに摺接し、吸着面80aに付着した研削屑が除去される。吸着面80aの全面がバイト90を通過したら、モータ84を停止させ、研削屑の除去が終了する。以上が本実施形態の研削加工装置10の全体動作であり、この動作が繰り返し行われて多数のウェーハ1が連続的に研削加工される。
本実施形態によれば、吸着面80aにウェーハ1を吸着保持しても、吸着パッド80が弾性部材で形成されているため、研削屑は吸着パッド80側に沈み込み、ウェーハ1を傷つけるおそれがない。また、吸着パッド80側に沈み込むことができないほどの大きさや形状の研削屑が吸着パッド80に付着したり食い込んだりした場合でも、回転するバイト90が吸着面80a全面に摺接するため、吸着パッド80に付着したり食い込んだりした研削屑は、バイト90により掻き取られ除去される。このため、ウェーハ1の破損原因を生じさせることなくウェーハ1を安全に移送することができる。また、バイト80を回転移動させているため、狭い設置領域で吸着パッド80の吸着面80a全面にバイト90を当接させることができ、省スペース化が図られるといった利点もある。
[4]他の実施例
上記実施形態は、本発明を研削加工装置に適用したものであるが、本発明を図6に示すような研磨加工装置にも適用可能である。また、上記実施形態の付着物除去手段83は、バイト90を回転させていたが、その逆で、バイト90を固定し、吸着手段78を回転させて吸着パッド80の吸着面80aをバイト90に当接させても上記実施形態と同様の効果が得られる。以下、この吸着手段78を回転させる移送装置を研磨加工装置に適用して説明をする。なお、図6で図2と同一構成要素には同一の符合を付してあり、それらについては簡略的に説明する。
この研磨加工装置14は、上記研削加工装置10で研削加工されたウェーハ1の裏面を研磨して仕上げるものであり、コラム12は1つ設けられ、このコラム12に、研磨ユニット60が昇降可能に装着されている。研磨ユニット60は、図7に示すように、上記研削ユニット30と同様のスピンドルハウジング31、スピンドルシャフト32、モータ33およびフランジ34とを具備しており、フランジ34に、研磨工具62が取り付けられる。研磨工具62は、円盤状のフレーム63の下面に、シリカなどの酸化金属砥粒を含浸した研磨布64が固着されてなるもので、フレーム63がフランジ34にねじ止め等の手段によって着脱自在に取り付けられるようになっている。
基台11の加工エリア11Aには、テーブルベース17がY方向に移動自在に設けられおり、このテーブルベース17上に、回転式のチャックテーブル20が取り付けられている。テーブルベース17の移動方向両端部には蛇腹状のカバー19a,19bの一端がそれぞれ取り付けられており、これらカバー19a,19bの他端は、コラム12と、コラム12に対向するピット18の内壁面に、それぞれ取り付けられている。これら、カバー19a,19bは、テーブルベース17の移動路を覆い、その移動路に研磨屑等が落下することを防ぐもので、テーブルベース17の移動に伴って伸縮する。
着脱エリア11Bの中央には、上記実施形態と同様にピックアップロボット70が設置されており、この周囲には、供給カセット71、位置合わせ台72、供給手段73、移送装置100、スピンナ式洗浄装置94、回収カセット95が、それぞれ配置されている。また、供給手段73と移送装置100との間には、着脱位置にあるチャックテーブル20に水を噴射して研削後のウェーハ1を洗浄する洗浄ノズル76が設けられている。
移送装置100は、図6および図8に示す吸着手段78と、水平旋回式の移動手段81と、付着物除去手段83との組み合わせにより構成されている。移動手段81は、上記実施形態と同様の構成であり、同様の動作を行い吸着手段78を移動させる。吸着手段78は、ベース79を有し、このベース79の下面には、ウェーハ1と平行な吸着面80aを持つ吸着パッド80が配設されている。この吸着手段80には、図示しない真空手段が接続されている。図8に示すように、ベース80の上面には、ケース101内に回転自在に収納されたロータリージョイント103のシャフト102が固定されている。ケース101は、アーム82の一端部に固定されており、このケース101には、固定アーム106を介してモータ105が固定されている。このモータ軸には、ギヤプレート104が固定されており、このギヤプレート104は、ロータリージョイント103のシャフト102に噛合している。このような構成によりモータ105の駆動力がギヤプレート104、ロータリージョイント103を介してシャフト102に伝わり、さらにベース79すなわち吸着手段78に伝わって、該吸着手段78が回転するようになっている。
付着物除去手段83は、円筒状のホルダ111を有している。このホルダ111は、基台11に固定されたスタンド110に上下方向に摺動自在に嵌装されている。ホルダ111の上面中央には、バイト90がバイト留め具89によって着脱自在に取り付けられている。ホルダ111の周壁には留めねじ112がねじ込まれて貫通しており、この留めねじ112をスタンド110に締め付けることにより、ホルダ111は任意の高さに固定される。すなわち、ホルダ111と一体のバイト90は、ホルダ111を上下動させることにより上下の位置が調整されるようになっている。ウェーハ1の移送は上記実施形態と同様になされる。次いで移送が終了し、吸着手段78がチャックテーブル20側へ戻るときに、モータ105により回転している吸着パッド80の吸着面80aが、固定されているバイト90に摺接して吸着面80aに付着した研削屑が除去される。
図9に示すように、バイト90は吸着パッド80の中心の移動軌跡と重なる位置に配置されている。これにより、吸着パッド80の吸着面80a全面にバイトを当接させることができる。吸着手段78を回転させるモータ105の回転数は、例えば1000rpm以上であるが、吸着パッド80の材質に応じて適宜選択される。
この研磨加工装置14では、テーブルベース17のY方向の移動により、チャックテーブル20に保持されたウェーハは、着脱エリア11Bに近接した着脱位置と研磨ユニット60の下方の加工位置との間を往復移動させられ、加工位置で研磨ユニット60により裏面が研磨される。そして、研磨加工が終了して着脱位置に位置付けられたウェーハ1は、上記実施形態と同様にして吸着パッド80の吸着面80aに吸着保持され、アーム82が旋回することによりスピンナ式洗浄装置94内まで移送され、該洗浄装置94内で洗浄される。
吸着手段78がスピンナ式洗浄手段94から着脱位置に戻るときには、吸着手段78を回転させ、吸着面80aにバイト90を当接させるように吸着手段78を移動手段81により高さが調整される。次いで吸着手段78は、移動手段81によりチャックテーブル20側へ移動させられる。その移動中に、固定されているバイト90に吸着面80aが回転しながら摺接する。吸着手段78がバイト90を通過すると、吸着面80a全面にバイト90が摺接したことになり、これによって吸着面80aに付着した研磨屑が除去される。吸着面80a全面がバイト90を通過したら、モータ105を停止させ、研削屑の除去が終了する。
本実施形態のように、吸着手段78を回転させる移送装置100でも、バイト90を回転させる移送装置77と同様の効果が得られる。また、移送装置100は、バイト90を回転させる移送装置77に比べ、付着物除去手段83をコンパクトにできるため、さらに省スペース化を図ることができる。なお、上記実施形態は、吸着手段78を回転させる移送装置100を研磨加工装置14に適用したものであるが、本実施形態の研削加工装置10にも適用可能である。
本発明の一実施形態で研削加工されるウェーハの(a)斜視図、(b)側面図である。 本発明の一実施形態に係る研削加工装置の斜視図である。 図2の研削加工装置が備える研削ユニットによりウェーハを研削している状態を示す(a)斜視図、(b)側面図である。 (a)一実施形態の移送装置を示す斜視図、(b)側面図である。 付着物除去手段と吸着手段との位置関係を示す平面図である。 本発明の他の実施形態の移送装置を備えた研磨加工装置の斜視図である。 図6の研磨加工装置が備える研磨ユニットによりウェーハを研磨している状態を示す側面図である。 本発明の他の実施形態の移送装置を示す(a)斜視図、(b)側面図である。 付着物除去手段と吸着手段との位置関係を示す平面図である。
符号の説明
1…ウェーハ(基板)
20…チャックテーブル(テーブル)
77、100…移送装置
78…吸着手段
80…吸着パッド
80a…吸着面
81…移動手段
83…付着物除去手段
90…バイト(ブレード部材)
94…スピンナ式洗浄装置(移送先)

Claims (3)

  1. 平坦なテーブル上に載置された基板の露出面を真空吸着して保持し、該基板を、前記テーブル上から移送先まで移送する移送装置であって、
    基板の露出面に当接し、該基板と平行な吸着面を有する吸着パッドを有する吸着手段と、
    前記吸着手段の前記吸着面に基板を真空吸着させる真空手段と、
    前記吸着パッドが前記テーブル上と前記移送先との間を移送するように前記吸着手段を移動させる移動手段とを備え、
    前記吸着手段の前記吸着パッドは弾性部材で形成されており、
    該吸着パッドの移動経路に、該吸着パッドの移動中において前記吸着面に当接するブレード部材を有する付着物除去手段が配置されていることを特徴とする基板の移送装置。
  2. 前記吸着手段が回転可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の移送装置。
  3. 前記ブレード部材が回転可能に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の移送装置。
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