JP2008269127A - 施設管理装置および施設管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御量が標準設定値に達するまでの時間を短くすると共にエネルギー使用量を削減する。
【解決手段】施設管理装置1は、空調機2の設定温度を収集する運転状態情報収集手段10と、空調機2による制御の結果である室温のデータを収集する温度情報収集手段12と、空調機2の設定温度が標準設定温度と等しい場合に比べて現在の設定温度がエネルギー使用量が多い方向に外れているかどうかを判定する判定手段13と、空調機2の設定温度が標準設定温度から外れていると判定された場合に、室温が標準設定温度と一致した時点で、空調機2の設定温度を標準設定温度に復帰させる設定温度復帰手段14とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ビル等の施設に設置された設備機器を管理する施設管理装置および施設管理方法に関するものである。
例えばテナントビル、病院、ホテルなどの施設において、部屋ごとに空調機を設置し、部屋ごとに個別空調を行なう空調システムでは、空調機の運転/停止は各部屋のリモートコントロール端末(以下、リモコンと略する)などの操作によって居住者等が決めることができるようになっている。通常、空調機は室内に居住者等がいるときに運転が開始され、居住者が不在になれば運転が停止される。これらの空調機の状態データは、通信回線を介して中央監視装置へ送信される。
個別空調の場合、居住者等が設定した温度のとおりに空調機の制御が行われるため、設定温度次第では、無駄なエネルギー使用量が増大してしまうという問題がある。例えば設定温度を28℃にして冷房運転すれば十分な場合に、設定温度を22℃にしてしまうとエネルギー使用量が増大する。
このような問題を解決する方法としては、(A)リモコンによる設定温度の変更を禁止する方法、(B)非特許文献1に開示されているように、予め設定された時間が経過した時点で設定温度を標準設定温度に戻す方法、(C)特許文献1に開示されているように、ホテル等において宿泊客がチェックアウトした時点で設定温度を標準設定温度に戻す方法がある。
"エコリターン機能",[online],2007年,ダイキン工業株式会社,[2007年4月4日検索],インターネット<http://www.daikinaircon.com/catalog/skyair/02/026/index.html#01> 特許第2915290号公報
(A)の方法では、標準設定温度のとおりに空調機を制御することになるが、室内に入った居住者等が空調機を起動した場合に、部屋の温度が設定温度に達するまでに時間がかかるという問題点があった。
(B)の方法では、予めリモコンに標準設定温度とタイマー時間(例えば60分)を設定しておき、設定温度を変更したときからの時間をリモコンのタイマー機能で測定し、タイマー時間が経過した時点で設定温度を標準設定温度に戻すようにしている。しかし、この(B)の方法では、部屋の温度が快適な温度に達してから設定温度が標準設定温度に復帰するまでに時間差があり、この時間差の間は無駄なエネルギーを使用してしまうという問題点があった。また、(B)の方法では、標準設定温度やタイマー時間を各リモコンに個別に設定する必要があり、リモコンや空調機の台数が多い場合、設定に手間がかかるという問題点があった。
(C)の方法では、部屋に人がいないかどうかを確認する必要があるため、宿泊客のチェックイン/チェックアウト状況を確認できるホテルや、従業員の入退室管理システムを備えたビルなどといったように適用できる施設が限られるという問題点があった。
なお、以上の説明では空調機を例に挙げて説明しているが、他の設備機器においても同様の問題が起こり得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、制御量が標準設定値に達するまでの時間を短くすると共にエネルギー使用量を削減することができる施設管理装置および施設管理方法を提供することを目的とする。
本発明は、制御の設定値を操作者が個別に設定可能な設備機器を管理する施設管理装置において、設備機器の設定値を収集する運転状態情報収集手段と、前記設備機器による制御の結果である制御量を収集する制御量収集手段と、前記設備機器の設定値が標準設定値と等しい場合に比べて、現在の設定値がエネルギー使用量が多い方向に外れているかどうかを判定する判定手段と、前記設備機器の設定値が前記標準設定値から外れていると判定された場合に、前記制御量が前記標準設定値と一致した時点で、前記設備機器の設定値を前記標準設定値に復帰させる設定値復帰手段とを備えるものである。
また、本発明の施設管理装置の1構成例において、前記判定手段は、前記設備機器の設定値が前記標準設定値に対して予め定められた不感帯の範囲を超えてエネルギー使用量が多い方向に設定されている場合に、前記設備機器の設定値が前記標準設定値から外れていると判定するものである。
また、本発明の施設管理方法は、設備機器の設定値を収集する運転状態情報収集手順と、前記設備機器による制御の結果である制御量を収集する制御量収集手順と、前記設備機器の設定値が標準設定値と等しい場合に比べて、現在の設定値がエネルギー使用量が多い方向に外れているかどうかを判定する判定手順と、前記設備機器の設定値が前記標準設定値から外れていると判定された場合に、前記制御量が前記標準設定値と一致した時点で、前記設備機器の設定値を前記標準設定値に復帰させる設定値復帰手順とを備えるものである。
本発明によれば、設備機器の設定値が標準設定値と等しい場合に比べて、現在の設定値がエネルギー使用量が多い方向に外れているかどうかを判定し、設備機器の設定値が標準設定値から外れていると判定した場合に、制御量が標準設定値と一致した時点で、設備機器の設定値を標準設定値に復帰させるようにしたので、制御量が標準設定値に達するまでの到達時間をできるだけ短くすると共に、エネルギー使用料の無駄をできるだけ少なくすることができる。また、本発明では、従来のように標準設定値やタイマー時間を各リモコンに個別に設定する必要がなく、適用対象の施設がホテル等に限定されることもない。
また、本発明では、設備機器の設定値が標準設定値に対して予め定められた不感帯の範囲を超えてエネルギー使用量が多い方向に設定されている場合に、設備機器の設定値が標準設定値から外れていると判定するようにしている。その結果、設備機器の操作者は、不感帯で許容される範囲内で所望の設定値に設定することができるので、個別制御のメリットである、操作者自身による設定の自由度をある程度確保することができる。一方、施設の管理者にとっては、操作者からの苦情を受けて、標準設定値を頻繁に更新する必要がなくなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る施設管理装置の構成を示すブロック図である。
個別空調を行なうビル等の施設では、施設管理装置1は、施設内の設備機器である複数の空調機2と通信回線3を介して接続されている。各空調機2は、例えば部屋ごとに設けられ、部屋の居住者等がリモコン4を操作することにより、運転/停止や設定値変更などの操作を行うことができるようになっている。さらに、施設管理装置1は、各空調機2に対応して部屋ごとに設置された温度センサ5と通信回線3を介して接続されている。
施設管理装置1は、空調機2の設定温度等の設定値のデータを収集する運転状態情報収集手段10と、記憶手段11と、室温等の制御量のデータを収集する温度情報収集手段12(制御量収集手段)と、設定温度が標準設定温度(標準設定値)から外れているかどうかを判定する判定手段13と、設定温度を標準設定温度に復帰させる設定温度復帰手段14(設定値復帰手段)と、マウスやキーボード等の入力装置15と、液晶ディスプレイ等の表示装置16とを有する。
以下、本実施の形態の施設管理装置1の動作を図2を用いて説明する。まず、施設管理装置1の運転状態情報収集手段10は、一定周期ごとに通信回線3を介して各空調機2から運転状態データを収集する(図2ステップS1)。この運転状態データには、空調機2の運転/停止を示すデータや、冷房モード/暖房モードを示すデータ、現在の設定温度を示すデータ、空調機2の識別番号等が含まれている。運転状態情報収集手段10が収集した運転状態データは記憶手段11に記憶される。
また、温度情報収集手段12は、一定周期ごとに通信回線3を介して各部屋の温度センサ5から状態データを収集する(ステップS2)。この状態データには、室温のデータや温度センサ5の識別番号等が含まれている。温度情報収集手段12が収集した状態データは記憶手段11に記憶される。
記憶手段11には、空調機2と温度センサ5との対応関係が予め登録され、また標準設定温度と不感帯とが空調機2ごとに予め登録されている。標準設定温度と不感帯の登録は、例えば施設の管理者が入力装置15を操作することによって行われる。ここでは、標準設定温度を24℃、冷房用不感帯を−1℃、暖房用不感帯を+1℃とする。
判定手段13は、運転状態情報収集手段10が収集した空調機2の現在の設定温度と、記憶手段11に登録されている、この空調機2の標準設定温度及び不感帯とを比較し、空調機2の設定温度が標準設定温度と等しい場合に比べてエネルギー使用量が多い方向に現在の設定温度が外れているかどうかを判定する(ステップS3)。このとき、判定手段13は、標準設定温度と共に不感帯を考慮し、現在の設定温度が不感帯の範囲を超えてエネルギー使用量が多い方向に設定されている場合、設定温度が標準設定温度から外れていると判定する。
判定手段13は、前記のように標準設定温度が24℃、冷房用不感帯が−1℃で、冷房運転しているときに、現在の設定温度が23℃より低い場合は、設定温度が標準設定温度から外れていると判定する。判定手段13は、現在の設定温度が23.5℃の場合は、不感帯の範囲内なので、標準設定温度から外れていないと判定する。また、判定手段13は、標準設定温度が例えば20℃で、暖房用不感帯が+1℃で、暖房運転しているときに、現在の設定温度が21℃より高い場合は、設定温度が標準設定温度から外れていると判定する。判定手段13は、以上のような判定を空調機2ごとに行う。
設定温度復帰手段14は、判定手段13によって設定温度が標準設定温度から外れていると判定された空調機2について、この空調機2に対応する温度センサ5の現在の室温データを記憶手段11から取得し、室温が標準設定温度と一致しているかどうかを判定する(ステップS4)。設定温度復帰手段14は、設定温度が標準設定温度から外れている空調機2ごとに判定を行う。
そして、設定温度復帰手段14は、ステップS4で判定した中に、室温が標準設定温度と等しい温度センサ5が存在する場合、この温度センサ5に対応する空調機2に対して通信回線3を介して温度設定指令信号を送信し、この空調機2の設定温度を標準設定温度に復帰させる(ステップS5)。
施設管理装置1は、管理者によって動作の停止を指示されるまで(ステップS6においてYES)、ステップS1〜S5の処理を一定周期ごとに行う。
図3は施設管理装置1の動作の1例を説明するための図である。時刻t0において、ある部屋の居住者がリモコン4を操作して空調機2の設定温度を20℃に設定したとする。空調機2は、室温が設定温度に等しくなるように冷房運転を行う。これにより、図3に示すように室温は低下する。一方、施設管理装置1の判定手段13は、この空調機2の設定温度が冷房用不感帯の範囲を超えて低くなっているため、設定温度が標準設定温度から外れていると判定する。このような状態で、時刻t1において室温が標準設定温度である24℃に達すると、設定温度復帰手段14は、空調機2の設定温度を標準設定温度に復帰させる。以降は、空調機2は、室温が標準設定温度を保つように空調制御する。
以上のように、本実施の形態では、設定温度が標準設定温度と大きく異なる温度となっていても、室温が標準設定温度になった時点で設定温度を標準設定温度に復帰させるため、無駄なエネルギーを消費することなく、できるだけ短い時間で快適な室内環境とすることができる。
ここで、不感帯を設ける理由について説明する。本実施の形態の施設管理装置を利用する際、ビルオーナーや設備設計者、管理者は、標準設定温度に適正な値を設定しようと意図する。しかしながら、実運用段階において、標準設定温度が部屋の居住者にとって適正な値とは限らないというのが現実である。その理由としては、以下のような事柄が原因と考えられる。
(1)標準設定温度が適切でない。この場合の例としては、例えば冷房時に標準設定温度を誤って32度に設定してしまった場合が考えられる。
(2)温度センサの取り付け位置が居住者の居住空間と適合していないため、居住者の体感温度とセンサ計測値が乖離している。
(3)居室内の空調負荷に対して空調設備の能力が不足している。この場合は、設定温度を過剰な値にする必要がある。
(4)空調設備の経年劣化やメンテナンス不足のために、空調設備の能力が低下している。この場合においても、居住者に快適性を提供するためには、設定温度を過剰な値にする必要がある。
このように標準設定温度は部屋の居住者にとって適正値とならない場合があるが、本実施の形態のように不感帯を設けることにより、以下のような効果を得ることができる。
まず、部屋の居住者は、不感帯で許容される範囲内で自身の快適な温度に設定することができるので、個別空調のメリットである、居住者自身による設定の自由度をある程度確保することができる。その理由は、設定温度が不感帯の範囲内であれば、設定温度のとおりに空調制御を行うからである。一方、施設の管理者にとっては、居住者からの苦情を受けて、標準設定温度を頻繁に更新する必要がなくなる。
なお、本実施の形態では、施設に設置された設備機器の例として空調機を例に挙げて説明したが、他の設備機器にも本発明を適用できることは言うまでもない。
また、本実施の形態の施設管理装置1は、CPU、記憶装置、入力装置、表示装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータにおいて、本発明の施設管理方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、記録媒体から読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、プログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、ビル等の施設の設備機器を管理する技術に適用することができる。
本発明の実施の形態に係る施設管理装置の構成を示すブロック図である。 図1の施設管理装置の動作を示すフローチャートである。 図1の施設管理装置の動作の1例を説明するための図である。
符号の説明
1…施設管理装置、2…空調機、3…通信回線、4…リモコン、5…温度センサ、10…運転状態情報収集手段、11…記憶手段、12…温度情報収集手段、13…判定手段、14…設定温度復帰手段、15…入力装置、16…表示装置。

Claims (3)

  1. 制御の設定値を操作者が個別に設定可能な設備機器を管理する施設管理装置において、
    設備機器の設定値を収集する運転状態情報収集手段と、
    前記設備機器による制御の結果である制御量を収集する制御量収集手段と、
    前記設備機器の設定値が標準設定値と等しい場合に比べて、現在の設定値がエネルギー使用量が多い方向に外れているかどうかを判定する判定手段と、
    前記設備機器の設定値が前記標準設定値から外れていると判定された場合に、前記制御量が前記標準設定値と一致した時点で、前記設備機器の設定値を前記標準設定値に復帰させる設定値復帰手段とを備えたことを特徴とする施設管理装置。
  2. 請求項1に記載の施設管理装置において、
    前記判定手段は、前記設備機器の設定値が前記標準設定値に対して予め定められた不感帯の範囲を超えてエネルギー使用量が多い方向に設定されている場合に、前記設備機器の設定値が前記標準設定値から外れていると判定することを特徴とする施設管理装置。
  3. 制御の設定値を操作者が個別に設定可能な設備機器を管理する施設管理方法において、
    設備機器の設定値を収集する運転状態情報収集手順と、
    前記設備機器による制御の結果である制御量を収集する制御量収集手順と、
    前記設備機器の設定値が標準設定値と等しい場合に比べて、現在の設定値がエネルギー使用量が多い方向に外れているかどうかを判定する判定手順と、
    前記設備機器の設定値が前記標準設定値から外れていると判定された場合に、前記制御量が前記標準設定値と一致した時点で、前記設備機器の設定値を前記標準設定値に復帰させる設定値復帰手順とを備えたことを特徴とする施設管理方法。
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