JP2008267965A - 圧力センサ装置 - Google Patents
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【解決手段】 圧力センサ装置11の機能診断を行うため、定電流回路14によって圧力センサ素子12に供給する定電流値を変更可能に構成する。具体的には、定電流回路14は、基準電流Iをミラー比でm倍した定電流m・Iを圧力センサ素子12に供給し、そのミラー比mを変更可能とする。
【選択図】図1
Description
歪ゲージ2b及び2dの共通接続点(電位VSP)と、歪ゲージ2a及び2cの共通接続点(電位VSM)とは、夫々増幅調整部4の入力端子に接続されており、増幅調整部4は、両接続点の電位差を増幅率Avで増幅した電圧VOUTを出力する。
VOUT=Av・(VSP−VSM)+VOFS …(1)
尚、VOFSは、増幅調整部4の回路において発生するオフセット電圧である。
ΔVOUT=I_DIG・Rs・Av/2 …(2)
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、その目的は、機能診断をより精度良く行うことができる圧力センサ装置を提供することにある。
ΔVZ=Av・Vs_ofs・x・(Ri/Rf)
となるようにD/A変換回路の入力データを設定する。
この場合、機能診断時に出力される電圧の変化分ΔVOUTは、請求項10における第1項,第2項の和より、差動増幅器の出力電圧に比例した値(第3項)を減じたものとして表される。従って、差動増幅器の出力電圧を調整すれば、第3項によって第2項を消去することができ、オフセット電圧Vs_ofsの影響をキャンセルできる。
RIZD=(RF・RIZ)/(RI・x)
に設定する。
(第3項)=−(RF/RI)・(Rf/RIZD)
・Av・Vs_ofs・(RIZ/Rf)
=−Av・Vs_ofs・x
となる。従って、第3項により第2項を消去することができ、オフセット電圧Vs_ofsの影響をキャンセルできる。
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本実施例の圧力センサ装置11の構成を示すものである。圧力センサ素子12は、図12に示すセンサ素子1と同様に、4つの半導体歪ゲージ13a〜13dをブリッジ接続して構成されたブリッジ(歪ゲージブリッジ)回路からなり、歪ゲージ13a及び13bの共通接続点には定電流回路14からの定電流Isが供給され、歪ゲージ13c及び13dの共通接続点はグランドに接続されている。尚、増幅・調整部4は、図12に示すものと同様である。
VOUT=Av・Ks・Is0・P+VOFS …(1.1)
尚、Ksは圧力センサ素子12の感度であり、Pは圧力である。
そして、自己診断時には、圧力センサ素子12に流れる電流Isが(Is0+ΔIs)に変化するので、その際の出力電圧VOUT’は(1.2)式となる。
VOUT’=Av・Ks・(Is0+ΔIs)・P+VOFS …(1.2)
従って、出力電圧VOUT’とVOUTの差電圧ΔVOUTは(図2参照)、
ΔVOUT=Av・Ks・ΔIs・P …(1.3)
となる。
ΔIs=Is0/n …(1.4)
となるように設定すれば、(1.3)式は、
ΔVOUT=Av・Ks・(Is0/n)・P …(1.5)
となる。従って、(Av・Ks・Is0)を、例えば図3に示すような圧力関数の傾きとなるように調整すれば、(1/n)は定電流回路14によって決定される電流比(=x:変化倍率)であり一定となるから、自己診断時の差電圧ΔVOUTは、圧力Pに比例する精度の良い電圧となる。
そして、定電流回路14は、基準電流Iをミラー比でm倍した定電流m・Iを圧力センサ素子12に供給し、そのミラー比mを変更可能に構成されるので、自己診断を行う場合は、ミラー比mを(1+1/n)倍に変更して出力電圧VOUTをVOUT’に変化させることができる。具体的には、定電流回路14に、定電流m・Iの供給経路を構成するトランジスタP2に対して並列に接続されるトランジスタP21を備え、トランジスタP21の接続状態を変更することで、ミラー比mを変更することができる。
図5は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例の圧力センサ装置18は、第1実施例の定電流回路14に替えて定電流回路19を使用する。定電流回路19は、定電流回路14よりトランジスタP21,アナログスイッチ15,16及びNOTゲート17を削除して、抵抗素子R1とグランドとの間に抵抗素子R3を挿入し、その抵抗素子R3に、抵抗素子R2とNチャネルMOSトランジスタN2との直列回路を並列接続して構成されている。そして、自己診断信号V_DIGは、トランジスタN2のゲートに与えられる。
具体的には、基準電流Iが流れる経路を構成するトランジスタP1に対して直列に、電流決定用トランジスタN1と抵抗素子R1,R3で構成される抵抗回路とを接続し、抵抗素子R3に、抵抗素子R2を並列接続するか否かにより抵抗回路の抵抗値を変更して基準電流Iを変化させ、自己診断時に出力電圧をVOUT’に変化させることができる。
図6は本発明の第3実施例を示すものであり、第1,第2実施例と異なる部分について説明する。第3実施例の圧力センサ装置20は、第2実施例の定電流回路19より抵抗素子R2とトランジスタN2との直列回路を削除して、抵抗素子R3を抵抗素子R2に置き換え、第1実施例で使用したアナログスイッチ15,16の一端を、オペアンプOP1の反転入力端子に共通に接続し、アナログスイッチ15の他端をトランジスタN1のソースに、アナログスイッチ16の他端を抵抗素子R1,R2の共通接続点に接続している。また、アナログスイッチ15,16とNOTゲート17との接続関係は、第1実施例と同様である。以上が、定電流回路21を構成している。
オペアンプOP1の反転入力端子は抵抗素子R1,R2の共通接続点に接続される。従って、この場合、圧力センサ素子12に供給される電流は、
図7及び図8は本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分について説明する。第4実施例の圧力センサ装置22は、第1実施例の定電流回路14よりトランジスタP21,アナログスイッチ15,16及びNOTゲート17を削除して、オペアンプOP1の非反転入力端子に与える基準電圧VKを変化させるため、EPROM23,加算器24及びD/A変換回路(DAC_K)25を備えている。
図9及び図10は、本発明の第5実施例を示すものである。第5実施例では、第1〜第4実施例のような定電流回路を用いた構成に、圧力センサ素子12が有しているオフセット電圧をキャンセルする構成を加える。先ず、圧力センサ素子12のオフセット電圧と、圧力特性との関係について、図9を参照して説明する。
逆に、Vs_ofs<0の場合、自己診断時の特性は、通常時の特性に対し、Vs_ofs=0の場合よりも下方側にシフトする。その結果、同じ圧力P=100kPaの場合の差電圧は、Vs_ofs=0の場合よりも小さくなる。すると、圧力Pが低い場合には、ΔVOUTが0又は負になってしまうことがあり、自己診断ができなくなる。
VOUT=Av・(Ks・Is0・P+Vs_ofs)+VOFS …(5.1)
=Av・Ks・Is0・P+Av・Vs_ofs+VOFS …(5.2)
となる。
(1)ΔVOUTの狙い値決定
調整誤差を除けば、圧力関数は図3に示すように設定され、その傾きは(Av・Ks・Is0)である。そして、電流比1/nも、定電流回路において決定される一定値であるから、圧力Pを決めれば、(5.16)式よりΔVOUTは決まる。
(2)ΔVZ(DZD)の決定
それから、圧力Pの雰囲気内において、例えば2分探査法等を使用し、ΔVOUTの測定値が(1)で決定した狙い値となるようにデータDZDを変化させて、ΔVZを決定する。
データDZDの最上位ビットが「0」の場合:DZ=DZ0+DZD
データDZDの最上位ビットが「1」の場合:DZ=DZ0+DZD−2bitとするように動作させる。但し、bit=DN_ZDは、データDZDのビット数である。これにより、
データDZDの最上位ビットが「0」の場合:DZ≧DZ0→ΔVZ≧0
データDZDの最上位ビットが「1」の場合:DZ<DZ0→ΔVZ<0
とすることができる。
その場合、加算器35に対して調整電圧VZを出力するD/A変換回路33に入力するデータ値を変更するので、調整電圧VZをデジタルデータによって制御することができる。そして、調整電圧の変化分ΔVZが(5.15)式で決まるようにD/A変換回路33の入力データを設定することで(5.14)式の第2項を消去して、オフセット電圧Vs_ofsの影響をキャンセルできる。
図11は、本発明の第6実施例を示すものであり、第5実施例と異なる部分のみ説明する。第6実施例では、第5実施例の圧力センサ装置31と同様に、圧力センサ素子12のオフセット電圧Vs_ofsをキャンセルする構成を備えたものである。圧力センサ装置の出力電圧VOUTに現れるオフセット電圧VOFSは、(5.9)式において圧力P=0,VZ0=VZとすると、
第1〜第4実施例の構成を適宜組み合わせて実施しても良い。
第5,第6実施例を、第2〜第4実施例に適用しても良い。
第1実施例において、トランジスタP2に並列接続するトランジスタを「2」以上としても良い。
第2,第3実施例において、抵抗回路を構成する抵抗素子数をより多くしても良い。
定電流回路を構成するMOSトランジスタは、適宜バイポーラトランジスタに置き換えても良い。
自己診断時に、定電流を減少させるように変化させても良い。
Claims (12)
- 定電流回路に接続され、検出した圧力に応じて不平衡電圧を出力するように構成される歪ゲージブリッジ回路を備え、前記不平衡電圧を増幅して出力する圧力センサ装置において、
圧力検出機能の診断を行うため、前記定電流回路によって前記ブリッジ回路に供給する定電流値を変更可能に構成したことを特徴とする圧力センサ装置。 - 前記定電流回路は、基準電流Iをミラー比によりm倍した定電流m・Iを前記ブリッジ回路に供給すると共に、前記ミラー比mを変更可能に構成されることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ装置。
- 前記定電流回路は、前記定電流m・Iの供給経路を構成するトランジスタに対して並列に接続される1つ以上のトランジスタを備え、前記トランジスタの並列接続数を変更可能に構成されることを特徴とする請求項2記載の圧力センサ装置。
- 前記定電流回路は、基準電流Iをミラー比によりm倍した電流を前記ブリッジ回路に供給すると共に、前記基準電流Iを、設定された基準電圧を電流に変換して決定し、且つ、前記電圧/電流変換比を変更可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の圧力センサ装置。
- 前記定電流回路は、
前記基準電流Iが流れる経路を構成するトランジスタに対して直列に接続される、電流決定用トランジスタ並びに1つ以上の抵抗素子で構成される抵抗回路と、
前記基準電圧に応じて前記電流決定用トランジスタを制御して、前記抵抗回路に前記基準電流Iを流すように作用するオペアンプとを備え、
前記抵抗回路の抵抗値を変更可能に構成されることを特徴とする請求項4記載の圧力センサ装置。 - 前記定電流回路は、基準電流Iをミラー比によりm倍した定電流m・Iを前記ブリッジ回路に供給すると共に、前記基準電流Iを、設定された基準電圧を電流に変換して決定し、且つ、前記基準電圧を変更可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の圧力センサ装置。
- 前記定電流回路は、
前記基準電流Iが流れる経路を構成するトランジスタに対して直列に接続される、電流決定用トランジスタ並びに1つ以上の抵抗素子で構成される抵抗回路と、
前記基準電圧に応じて前記電流決定用トランジスタを制御して、前記抵抗回路に前記基準電流Iを流すように作用するオペアンプと、
このオペアンプの入力端子の一方に前記基準電圧を出力するD/A変換回路とを備え、
前記D/A変換回路に入力するデータ値を変更可能に構成されることを特徴とする請求項6記載の圧力センサ装置。 - 前記圧力検出機能の診断を行う場合、前記ブリッジ回路において発生するオフセット電圧をキャンセルするための調整電圧を、前記不平衡電圧の増幅出力信号に対して加算する加算回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の圧力センサ装置。
- 前記加算回路に対して前記調整電圧を出力するD/A変換回路を備え、
前記D/A変換回路に入力するデータ値を変更可能に構成されることを特徴とする請求項8記載の圧力センサ装置。 - 前記不平衡電圧の増幅率をAv,前記オフセット電圧をVs_ofs,前記圧力検出機能の診断時に前記ブリッジ回路に供給する定電流値の変化倍率をx,前記加算回路の入力抵抗値及び帰還抵抗値をRi,Rfとすると、前記D/A変換回路によって出力される調整電圧の変化分ΔVZが、
ΔVZ=Av・Vs_ofs・x・(Ri/Rf)
に設定されるように、前記データ値を変更することを特徴とする請求項9記載の圧力センサ装置。 - 前記加算回路に対して調整基準電圧VZを出力するD/A変換回路と、
前記調整基準電圧VZと、前記ブリッジ回路のオフセット電圧を「0」と仮定した場合、前記D/A変換回路より出力すべき調整基準電圧VZ_TYPとの差に応じた電圧を出力する差動増幅器とを備え、
前記加算回路の入力端子に、前記差動増幅器の出力電圧を印加するように構成されることを特徴とする請求項8記載の圧力センサ装置。 - 前記差動増幅器の入力端子側の入力抵抗並びに帰還抵抗を夫々RI並びにRF,前記加算回路の入力端子側の入力抵抗をRIZ,前記圧力検出機能の診断時に前記ブリッジ回路に供給する定電流値の変化倍率をxとすると、前記差動増幅器の出力端子に接続される抵抗RIZDを、
RIZD=(RF・RIZ)/(RI・x)
に設定することを特徴とする請求項11記載の圧力センサ装置。
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