JP2008266804A - 繊維集合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい不溶化ポリビニルアルコール繊維集合体、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の繊維集合体は、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維を含んでいる。この繊維集合体は、(1)ポリビニルアルコールと、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して0.01〜0.1モル量の無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーとを、これらいずれも溶解させることのできる溶媒に溶解させた紡糸原液を調製する工程、(2)前記紡糸原液を用いて繊維を紡糸する工程、(3)前記繊維を集合させて繊維集合体とする工程、(4)前記繊維集合体を100〜200℃で加熱することによって、不溶化する工程、により製造できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の繊維集合体は、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維を含んでいる。この繊維集合体は、(1)ポリビニルアルコールと、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して0.01〜0.1モル量の無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーとを、これらいずれも溶解させることのできる溶媒に溶解させた紡糸原液を調製する工程、(2)前記紡糸原液を用いて繊維を紡糸する工程、(3)前記繊維を集合させて繊維集合体とする工程、(4)前記繊維集合体を100〜200℃で加熱することによって、不溶化する工程、により製造できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は繊維集合体及びその製造方法に関する。
ポリビニルアルコール繊維は有機溶媒ではなく水を溶媒として使用したポリビニルアルコール水溶液を紡糸原液として用いて紡糸できる点や、不溶化したポリビニルアルコール繊維であっても親水性があり、水と馴染みやすいことから、ポリビニルアルコール繊維集合体が従来から好適に使用されている。
例えば、「繊維直径が1ミクロン以下の連続した微細繊維が相互に積層交差してなり、繊維間の開口部が1平方ミクロン以下である薄膜状のポリビニルアルコール系微細繊維シート状物」(特許文献1)が知られている。しかしながら、この微細繊維シート状物は手の汗などの湿気によっても溶けてしまうため、取り扱いにくいばかりでなく、フィルタ(特に液体フィルタ)の濾過材として使用するなど、各種用途に適用した場合には溶解してしまい、その働きをなさない場合があった。
そこで、本願出願人は「ポリビニルアルコールがα−ヒドロキシ酸によって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維が集合した繊維集合体であり、この繊維集合体は下記によって定義される沸騰水浸漬減量率(Ra)が4%以下であることを特徴とする、不溶化ポリビニルアルコール繊維集合体。
記
Ra={(Mab−Maa)/Mab}×100
Ra:繊維集合体の沸騰水浸漬減量率
Mab:沸騰水に20分間浸漬する前における繊維集合体の質量
Maa:沸騰水に20分間浸漬した後における繊維集合体の質量」を提案した(特許文献2)。このポリビニルアルコール繊維からなる繊維集合体は耐水性の向上が不十分で、熱水により収縮するなど、使用用途が制限される場合があった。
記
Ra={(Mab−Maa)/Mab}×100
Ra:繊維集合体の沸騰水浸漬減量率
Mab:沸騰水に20分間浸漬する前における繊維集合体の質量
Maa:沸騰水に20分間浸漬した後における繊維集合体の質量」を提案した(特許文献2)。このポリビニルアルコール繊維からなる繊維集合体は耐水性の向上が不十分で、熱水により収縮するなど、使用用途が制限される場合があった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい不溶化ポリビニルアルコール繊維集合体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「温度80℃の熱水に2時間浸漬した前後における収縮率が2%以下であることを特徴とする、請求項1記載の繊維集合体。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「前記ポリマーが無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の繊維集合体。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「不溶化ポリビニルアルコール繊維の平均繊維径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の繊維集合体。」である。
本発明の請求項5にかかる発明は、「(1)ポリビニルアルコールと、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して0.01〜0.1モル量の無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーとを、これらいずれも溶解させることのできる溶媒に溶解させた紡糸原液を調製する工程、(2)前記紡糸原液を用いて繊維を紡糸する工程、(3)前記繊維を集合させて繊維集合体とする工程、(4)前記繊維集合体を100〜200℃で加熱することによって、不溶化する工程、とを備えていることを特徴とする、不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体の製造方法。」である。
本発明の請求項6にかかる発明は、「前記ポリマーが無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体であることを特徴とする、請求項5記載の繊維集合体の製造方法。」である。
本発明の請求項7にかかる発明は、「無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの分子量が100万以下であることを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の繊維集合体の製造方法。」である。
本発明の請求項8にかかる発明は、「静電紡糸法により繊維を紡糸することを特徴とする、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の繊維集合体の製造方法。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体は、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくいことを見出したのである。
本発明の請求項2にかかる発明は、温度80℃の熱水に2時間浸漬した前後における収縮率が2%以下の、熱水により収縮しにくいものである。
本発明の請求項3にかかる発明は、無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体によって不溶化したポリビニルアルコール繊維の集合体は、特に耐水性に優れ、熱水により収縮しにくいものである。
本発明の請求項4にかかる発明は、不溶化ポリビニルアルコール繊維の平均繊維径が1μm以下であるため親水性、かつ分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性、絶縁性、或いは柔軟性など各種性能に優れる繊維集合体である。
本発明の請求項5にかかる発明は、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体を製造することができる。
本発明の請求項6にかかる発明は、無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体によって不溶化しているため、特に耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい、不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体を製造することができる。
本発明の請求項7にかかる発明は、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの分子量が100万以下であることによって、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい、ポリビニルアルコール繊維の繊維集合体を安定して製造することができる。
本発明の請求項8にかかる発明は、静電紡糸法によって繊維を紡糸しているため、平均繊維径が細く、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい、ポリビニルアルコール繊維の繊維集合体を製造することができる。
本発明の繊維集合体を構成する不溶化ポリビニルアルコール繊維(以下、「不溶化PVA繊維」と表記することがある)は、ポリビニルアルコールが無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化されたものである。この不溶化前のポリビニルアルコールとしては、ビニルアルコール単位を有するポリビニルアルコール系重合体を使用できる。通常、ビニルアルコールから直接重合することができないため、酢酸ビニル重合体をけん化することで作製したポリビニルアルコールを使用できる。100モル%けん化したポリビニルアルコール以外に、酢酸ビニルが残存する部分けん化ポリビニルアルコールも使用することができる。部分けん化ポリビニルアルコールのけん化の程度は特に限定されないが、50モル%以上であるのが好ましく、65モル%以上であるのがより好ましく、80モル%以上であるのが更に好ましい。また、これらの範囲のけん化度を有する再酢化物であっても使用することができる。なお、4級アンモニウム塩などを共重合させたり、4級アンモニウム基を有するとともにアルデヒド基などの反応性基を有する低分子量化合物をポリビニルアルコールと反応させるなどして形成したカチオン変性ポリビニルアルコールを使用することもできるが、カチオン変性ポリビニルアルコールは分解して臭いを発生する場合があるため、未変性のポリビニルアルコール(100モル%けん化したポリビニルアルコール、部分けん化ポリビニルアルコール、或いは再酢化物)であるのが好ましい。
本発明で用いることのできるポリビニルアルコールの平均重合度は、特に限定するものではないが、不溶化PVA繊維の強度が優れているように200以上であるのが好ましく、300以上であるのがより好ましい。また、平均重合度が高すぎると、溶媒に対する溶解性が低下し、生産性に劣る場合があるため、30,000以下であるのが好ましく、20,000以下であるのがより好ましく、12,000以下であるのが更に好ましい。本発明における「けん化度」、「平均重合度」ともに、JIS K6726に準じて測定した値をいう。なお、けん化度が約70モル%を下回る場合であっても、前記JIS規格に則って測定した値をいう。
本発明の不溶化PVA繊維は上記のようなポリビニルアルコールが無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化されたものである。つまり、ポリビニルアルコールの水酸基とポリマーの無水酸基から発生するカルボキシル基、又はポリマーのカルボキシル基との反応により、エステル化反応が生じ、網目状架橋構造が形成されることにより、不溶化されたものであり、この網目状架橋構造であると、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい繊維集合体であることを見出したのである。
この無水酸基を含むポリマーは特に限定するものではないが、例えば、スチレン/無水マレイン酸共重合体、オレフィン(例えば、イソブチレン、ブタジエン)/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル/無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸エステル/無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。これらの中でも、無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体であると、特に耐水性に優れ、熱水により収縮しにくいため好適である。
他方、カルボキシル基を含むポリマーは特に限定するものではないが、カルボキシル基含有のアクリル系樹脂を好適に使用することができ、(メタ)アクリレートを主成分とし、エチレン性不飽和カルボン酸と、必要に応じて他の共重合可能なモノマーを共重合したアクリル系共重合体を用いることができる。ここで(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、エチレン性不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等のジカルボン酸、或いはそれらの無水物やハーフエステルも用いることができる。また、他の共重合可能なモノマーとして、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル等を挙げることができる。
なお、無水酸基を含むポリマー及び/又はカルボン酸基を含むポリマーを2種類以上、併用して使用することもできる。
本発明の繊維集合体を構成する不溶化PVA繊維の平均繊維径は特に限定するものではないが、分離性能、液体保持性能、払拭性、隠蔽性、絶縁性、或いは柔軟性など各種性能に優れているように、平均繊維径は1μm以下であるのが好ましく、不溶化PVA繊維の平均繊維径が小さければ小さい程、各種特性に優れているため、0.8μm以下であるのがより好ましく、0.6μm以下であるのが更に好ましい。なお、不溶化PVA繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、1nm程度が適当である。本発明における「繊維径」は、繊維集合体の電子顕微鏡写真から測定して得られる繊維の横断面における直径を意味し、横断面形状が非円形である場合には、横断面と同じ面積をもつ円の直径を繊維径とみなす。また、「平均繊維径」は50箇所の繊維の繊維径の算術平均値をいう。
本発明の繊維集合体を構成する不溶化PVA繊維の繊維長は特に限定するものではないが、不溶化PVA繊維の脱落が発生しにくいように、0.1mm以上であるのが好ましい。特に、不溶化PVA繊維が連続繊維であると、脱落防止性という点で好ましい。
本発明の繊維集合体は前述のような不溶化PVA繊維が集合したものであるが、繊維集合体は温度80℃の熱水に2時間浸漬した前後における収縮率が2%以下の、熱水により収縮しにくい、耐水性に優れるものであるのが好ましい。このように、温度80℃の熱水に2時間浸漬した前後における収縮率が2%以下と、水などによって溶解しにくいものであるため、熱水中でも使用することのできる、汎用性の高いものである。この収縮率が小さければ小さい程、熱水により収縮しにくい、耐水性に優れるものであるため、収縮率は1.5%以下であるのが好ましく、1%以下であるのがより好ましく、0.5%以下であるのが更に好ましく、0%であるのが最も好ましい。なお、この収縮率は次のようにして得られる値をいう。
(1)繊維集合体から、幅2cm、長さ10cmの長方形試験片を採取する。
(2)前記試験片の長手方向における一端をクリップによりガラス板に固定し、その状態のまま、温度80℃の熱水中に浸漬する。
(3)熱水を温度80℃に2時間維持する。
(4)試験片を取り出し、試験片の長手方向における長さ(Lb)を測定する。
(5)次の式に基づいて、収縮率(Sr、単位:%)を算出する。
Sr={(La−Lb)/La)}×100
ここで、Laは熱水に浸漬する前の試験片の長手方向における長さ、つまり10cmを表す。
(1)繊維集合体から、幅2cm、長さ10cmの長方形試験片を採取する。
(2)前記試験片の長手方向における一端をクリップによりガラス板に固定し、その状態のまま、温度80℃の熱水中に浸漬する。
(3)熱水を温度80℃に2時間維持する。
(4)試験片を取り出し、試験片の長手方向における長さ(Lb)を測定する。
(5)次の式に基づいて、収縮率(Sr、単位:%)を算出する。
Sr={(La−Lb)/La)}×100
ここで、Laは熱水に浸漬する前の試験片の長手方向における長さ、つまり10cmを表す。
なお、本発明の繊維集合体における不溶化PVA繊維の集合状態は特に限定するものではない。つまり、不溶化PVA繊維が規則正しく集合した状態(例えば、織物形態、編物形態、ネット形態など)であっても、不規則に集合した状態(例えば、不織布形態)であっても良く、繊維集合体の適用用途に応じた集合状態であることができる。本発明の繊維集合体は、例えば、液体又は気体用の濾過材、アルカリ電池やリチウム電池などの各種二次電池用セパレータ又は一次電池用セパレータ、芯地、マスク、傷当て材、各種指示薬担持用基材、ワイパーなどの用途に好適に使用することができ、これらの用途に適用する場合には、不織布形態からなるのが好ましい。
本発明の繊維集合体の目付(JIS L1085に準じて10cm×10cmとして測定した値)は特に限定するものではないが、0.1〜100g/m2であるのが好ましく、1〜50g/m2であるのが好ましく、2〜20g/m2であるのがより好ましい。また、繊維集合体の厚さは、5N荷重時の外側マイクロメーターを用いて測定した値(μm)で、1〜400μmであるのが好ましく、5〜100μmであるのがより好ましい。
本発明の繊維集合体は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、(1)ポリビニルアルコールと、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して0.01〜0.1モル量の無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーとを、これらいずれも溶解させることのできる溶媒に溶解させた紡糸原液を調製する工程、を実施する。そのために、前述のようなポリビニルアルコールと、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーと、これらいずれも溶解させることのできる溶媒を用意する。なお、無水酸基を含むポリマーとしては、前述の通り、無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体が好ましい。
なお、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの分子量が100万以下であるのが好ましい。分子量が100万以下であることによって、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい、ポリビニルアルコール繊維の繊維集合体を安定して製造することができるためである。より好ましくは50万以下である。他方、分子量の下限は特に限定するものではないが、3500以上であるのが好ましい。この「分子量」は重量平均分子量を意味し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算分子量として測定した値をいう。
なお、溶媒がポリビニルアルコールと無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーのいずれか一方のみ、又は両方とも溶解させることができないと、均一に混合することが困難となり、耐水性に優れ、熱水により収縮しにくい繊維集合体を得ることが難しくなるため、両方を溶解させることのできる溶媒を選択する。なお、溶媒はポリビニルアルコールと無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーのいずれも溶解させることができるものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、水、アルコール類、その他の有機溶媒を用いることができる。これらの中でも製造環境上の問題を考慮すると、水を用いるのが好ましい。
これら用意したポリビニルアルコールと無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーとを、用意した溶媒に溶解させて紡糸原液を調製する。この無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーのポリビニルアルコールへの添加量は、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して、0.01〜0.1モルである。0.01モル以上であることによって、熱水によって収縮しにくい、耐水性の優れる繊維集合体を製造できるためで、好ましくは0.02モル以上である。また、0.1モル以下であることによって、不溶化のための熱処理時における繊維集合体の収縮を抑制することができ、安定して繊維集合体を製造できるためで、好ましくは0.75モル以下である。
なお、紡糸原液におけるポリビニルアルコールの濃度は、ポリビニルアルコールと無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの両方が溶解できる濃度以下である限り特に限定するものではなく、任意に設定することができる。一般的には、3〜30mass%であるのが好ましい。
次いで、(2)前記紡糸原液を用いて繊維を紡糸する工程、を実施する。この繊維の紡糸方法として、従来公知の紡糸方法を採用することができ、例えば、湿式紡糸法、乾式紡糸法、フラッシュ紡糸法、遠心紡糸法、静電紡糸法などによって紡糸することができる。これらの中でも静電紡糸法によれば、平均繊維径の細い繊維(平均繊維が1μm以下)を紡糸しやすい。
次いで、(3)前記繊維を集合させて繊維集合体とする工程、を実施する。この繊維集合体とする工程は前述のような方法によりノズルから吐出され、紡糸された繊維を直接捕集体で捕集することによって繊維集合体とすることができる。この捕集体は紡糸方法によって異なり、特に限定するものではないが、一般的にネットやドラムからなる。
そして、(4)前記繊維集合体を100〜200℃で加熱することによって、不溶化する工程、を実施し、不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体を製造することができる。100℃未満であると、無水酸基又はカルボン酸基を含むポリマーの無水酸基又はカルボン酸基と、ポリビニルアルコールの水酸基とのエステル化反応が十分に進行せず、不溶化が不十分で、耐水性に劣り、熱水により収縮しやすい傾向があるためで、120℃以上であるのがより好ましく、150℃以上であるのが更に好ましい。一方で、200℃を超えると、繊維集合体に着色が生じたり、繊維の部分的な融着が生じたり、収縮が大きく、安定して繊維集合体を製造できないためで、200℃以下であるのが好ましく、180℃以下であるのが更に好ましい。
また、加熱時間は、前述のように十分に不溶化できる温度であれば良く、特に限定するものではないが、1分以上であるのが好ましく、5分以上であるのがより好ましく、10分以上であるのが更に好ましい。他方、あまり長時間加熱しても不溶化の効果に変化が見られなくなるため、1時間以内であるのが好ましく、30分以内であるのがより好ましい。
なお、収縮率が2%以下の繊維集合体は、例えば、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの分子量が100万以下とすること、無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの添加量を、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して、0.01〜0.1モルとすること、加熱温度を100〜200℃とすること、加熱時間を10分以上とするなどの条件を調節することによって、製造することができる。
なお、必要であれば、繊維集合体が各種用途に適合するように、各種後処理を実施することができる。例えば、緻密化するためのカレンダー処理、親水処理、撥水処理、界面活性剤付着処理、純水洗浄処理などを実施することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜9、比較例1〜8)
表1に示すようなポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、ポリビニルアルコール2,800(部分けん化型)又はポリビニルアルコール1,000(完全けん化型))と、表2に示すようなメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、又はクエン酸を用意した。
表1に示すようなポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、ポリビニルアルコール2,800(部分けん化型)又はポリビニルアルコール1,000(完全けん化型))と、表2に示すようなメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、又はクエン酸を用意した。
次いで、ポリビニルアルコールを純水に、加熱しながら溶解させた後、ポリビニルアルコール水溶液に、表2に示すような所定量だけメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体又はクエン酸を添加し、完全に溶解させ、表3に示すような濃度の紡糸原液を調製した。
ここで、図1のような静電紡糸装置を用意した。つまり、紡糸原液供給器1にポリテトラフルオロエチレン製チューブを接続し、更に前記チューブの先端に、内径が0.4mmのステンレス製ノズル2を取り付けて、紡糸装置とした。次いで、前記ノズル2に電圧印加装置3を接続した。更に、前記ノズル2と対向し、ノズル先端から10cm離れた位置に、表面に導電フッ素加工を施したステンレス薄板を取り付けたドラム(捕集体4、接地)を設置した。また、紡糸装置、ドラムを密閉容器5に収納するとともに、密閉容器5内へ湿度を調節した空気を供給できる湿度調節器6、及び密閉容器5から空気を排気できる排気装置7をそれぞれ接続した。
次いで、前記静電紡糸装置の密閉容器5に湿度調節器6で調湿(相対湿度:50〜55%)した空気を導入し、排気装置7から排気し、密閉容器5内の湿度を一定に保った後、前記各紡糸原液を、紡糸原液供給器1を用いて、ノズル2から重力の作用方向と直角方向へ押し出すとともに、前記ドラム4を一定速度(表面速度:0.9m/分)で回転させながら、前記電圧印加装置3からノズル2に+18kVの電圧を印加し、押し出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、前記ドラム4のステンレス薄板上に、ポリビニルアルコール−メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体混合繊維、又はポリビニルアルコール−クエン酸混合繊維を集合させた。なお、前記繊維を集合させる際に、前記ノズル2はドラム4の回転方向と直角方向に一定速度(移動速度:2.5cm/分)で往復揺動させて、繊維の分散性を高めた。次いで、得られた繊維集合体を温度60℃で乾燥して、乾燥繊維集合体を形成した。
次いで、この乾燥繊維集合体を、表3に示す条件で加熱処理を行い、表4に示すような平均繊維径をもつ不溶化PVA繊維からなる、不織布形態の不溶化PVA繊維集合体(目付、厚さは表4に示す通り)を得た。なお、いずれの不溶化PVA繊維も連続繊維であった。また、これら実施例、比較例の不溶化PVA繊維集合体の減量率及び収縮率を測定した。その結果は表4に示す通りであった。
(1)繊維集合体から、幅2cm、長さ10cmの長方形試験片を採取し、その質量(Ma)を測定する。
(2)前記試験片の長手方向における一端をクリップによりガラス板に固定し、その状態のまま、温度80℃の熱水中に浸漬する。
(3)熱水を温度80℃に2時間維持する。
(4)試験片を取り出し、試験片の質量(Mb)を測定する。
(5)次の式に基づいて、減量率(Rr、単位:%)を算出する。
Rr={(Ma−Mb)/Ma)}×100
*2:不溶化のための熱処理により繊維集合体が収縮し、また、繊維同士の接着が生じた。そのため、繊維径を測定することが不可能であった。また、減量率、収縮率は未測定。
*3:不溶化のための熱処理により繊維集合体が溶解し、フィルム状になった。そのため、繊維径を測定することが不可能であった。また、減量率、収縮率は未測定。
*4:熱水に浸漬することによって、溶解してしまったため、収縮率の測定が不可能。
実施例1〜9と比較例1〜4との比較から、本発明の繊維集合体は減量率、収縮率ともに小さい、耐水性に優れ、熱水によって収縮しにくく、各種用途に適用できるものであった。実施例1〜9と比較例5〜6との比較から、適切な量の無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化することによって、収縮したり接着させることなく、安定して、耐水性に優れ、熱水によって収縮しにくい繊維集合体を製造することができた。また、実施例1〜9と比較例7〜8との比較から、適切な温度での熱処理によって、溶解させてフィルム化させることなく、安定して、耐水性に優れ、熱水によって収縮しにくい繊維集合体を製造することができた。更に、実施例1〜8と実施例9との比較から、分子量が100万以下であると、更に耐水性に優れ、熱水によって収縮しにくい繊維集合体を製造することができることがわかった。
1 紡糸原液供給器
2 ノズル
3 電圧印加装置
4 捕集体
5 密閉容器
6 湿度調節器
7 排気装置
2 ノズル
3 電圧印加装置
4 捕集体
5 密閉容器
6 湿度調節器
7 排気装置
Claims (8)
- 無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーによって不溶化された不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体。
- 温度80℃の熱水に2時間浸漬した前後における収縮率が2%以下であることを特徴とする、請求項1記載の繊維集合体。
- 前記ポリマーが無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の繊維集合体。
- 不溶化ポリビニルアルコール繊維の平均繊維径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の繊維集合体。
- (1)ポリビニルアルコールと、ポリビニルアルコールのモノマーユニット1モルに対して0.01〜0.1モル量の無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーとを、これらいずれも溶解させることのできる溶媒に溶解させた紡糸原液を調製する工程、
(2)前記紡糸原液を用いて繊維を紡糸する工程、
(3)前記繊維を集合させて繊維集合体とする工程、
(4)前記繊維集合体を100〜200℃で加熱することによって、不溶化する工程、
とを備えていることを特徴とする、不溶化ポリビニルアルコール繊維を含む繊維集合体の製造方法。 - 前記ポリマーが無水マレイン酸を共重合成分とする共重合体であることを特徴とする、請求項5記載の繊維集合体の製造方法。
- 無水酸基又はカルボキシル基を含むポリマーの分子量が100万以下であることを特徴とする、請求項5又は請求項6記載の繊維集合体の製造方法。
- 静電紡糸法により繊維を紡糸することを特徴とする、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の繊維集合体の製造方法。
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